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JP2007291063A - 10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体 - Google Patents

10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体 Download PDF

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JP2007291063A JP2007016232A JP2007016232A JP2007291063A JP 2007291063 A JP2007291063 A JP 2007291063A JP 2007016232 A JP2007016232 A JP 2007016232A JP 2007016232 A JP2007016232 A JP 2007016232A JP 2007291063 A JP2007291063 A JP 2007291063A
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Shinichi Tsuruoka
真一 鶴岡
Takahiko Yoshida
孝彦 吉田
Kagehisa Okamoto
景壽 岡本
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Ushio Chemix Corp
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Abstract

【課題】吸光係数が大きく、効率よく発光し、かつ有機溶媒への溶解性がよい希土類錯体を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で表されるEu3+若しくはSm3+の10配位希土類錯体を配位子交換により一段階で合成した。これらの錯体は優れた発光材料となる。
Figure 2007291063

ここに補助配位子L1〜L4は同一又は異なるルイス塩基であって、それらのうち2〜4個で1つの化合物を形成していてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸光・発光効率の高い錯体発光材料に関する。
白色LED用蛍光体、プラスチック光ファイバ(POF)を用いた光通信、太陽電池用波長変換材料、装飾用若しくはディスプレイ用色変換材料(CCM材料)等のため、所定の励起光を効率よく吸収して効率よく発光し、かつ有機媒体への溶解性が良い波長変換用材料が求められている。配位金属錯体はその重要な候補の一つであるが、希土類イオンのf-f遷移の吸収の吸光係数は通常あまり大きくないので、π-π*遷移による光吸収を利用し吸光係数を格段に高めた錯体の開発が望まれている。
カルボン酸配位子を用いた希土類8配位錯体(図1、式4)(特許文献1)やβ-ジケトン構造を有する希土類8配位錯体(図1、式5)(非特許文献1、2)は発光効率が良いため、光源やディスプレイ等の発光デバイス用材料としてのポテンシャルは高いが、溶解性が不十分であるため加工性に乏しく、より多様な方面の光機能デバイスに用いるには一層の改良が望まれる。また、希土類イオンの8配位錯体が有用な光機能材料となることは既に報告されている(特許文献2)。
一方、LaやCe, Pr, Ndのイオンを中心とし、パーフルオロアルキルアセチルアセトン配位子を有する10配位錯体(図1、式6)とその合成法が報告されている(非特許文献3)が、その光化学機能は解析されていない。
特開2005-008872号公報 特開2003-081986号公報 Journal of American Chemical Society, 86(1964), pp. 5117-5125 Applied Physics Letters, 65(1996), pp. 2124-2126 Inorganica Chimica Acta, 315(2001), pp. 163-171 Chemical Physics Letters, 248(1996)年, pp. 8-12
本発明が解決しようとする課題は、有機溶媒への溶解性がよく、吸光・発光効率の高い新規な錯体材料を提供することである。10配位型ユーロピウム錯体(図1、式7)は、溶解性が高い光機能性材料としての可能性があり、その簡便な合成、単離方法やその光化学特性の解明が求められている。
上記課題を解決するために成された本発明に係る新規な錯体材料は、以下の一般式(1)で表される10配位希土類錯体である。
Figure 2007291063
[式中、Lnはユーロピウム又はサマリウム原子を表わし、
R1, R2は同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖又は分岐した構造を有する、一つ以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基であり、
Zは水素原子、重水素原子又はハロゲン原子のいずれかであり、
L1〜L4は同一又は異なるルイス塩基からなる補助配位子であって、L1〜L4のうちの2〜4個で1つの補助配位子を形成していてもよく、
かつ、補助配位子L1〜L4に含まれる水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、ジアゾ基、メルカプト基、又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基、アラルキル基、アリールオキシ基のいずれか若しくはこれらの組み合わせで置換されたものを含む。]
ここに、補助配位子L1〜L4としてのルイス塩基には、ピリジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フェナントリジン、2,2'-ビピリジン、2,2'-ビキノリン、1,10-フェナントロリン、バソフェナントロリン、バソキュプロリン、α,α',α''-ターピリジン、N置換テトラアザシクロウンデカン、又はこれらの2以上の組み合わせ、のいずれかとするのが好適である。
なかでも、一般式(1)のLn3+がEu3+であり、補助配位子L1〜L4としてのルイス塩基が二つの2,2'-ビピリジン誘導体又は1,10-フェナントロリン誘導体(図1,式7)から構成される10配位希土類錯体や、一般式(1)のLn3+がSm3+であり、補助配位子L1〜L4としてのルイス塩基が二つの1,10-フェナントロリン誘導体(図1,式8)から構成される10配位希土類錯体を好適に用いることができる。
また、一般式(1)のLn3+がEu3+若しくはSm3+である10配位希土類錯体は、カラーディスプレイ、EL素子、レーザ発振材料等の光機能デバイスとして有用である。
この10配位希土類錯体は、前記ルイス塩基とパーフルオロアセチルアセトンの混合液と前記Lnを有する希土類塩水溶液とを混合することや、又は、前記ルイス塩基と前記Lnを有する希土類パーフルオロアセチルアセトン錯体2水和物とを混合することによって、簡便に製造することができる。
また、本発明に係る別の新規な錯体材料は、以下の一般式(2)で表される9配位希土類錯体である。
Figure 2007291063
[式中、Lnはランタン原子、セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、ユーロピウム原子、サマリウム原子のいずれかを表わし、
R1, R2は同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖又は分岐した構造を有する、一つ以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基であり、
Zは水素原子、重水素原子又はハロゲン原子のいずれかであり、
L1及びL2は同一又は異なるルイス塩基からなる補助配位子であって、L1及びL2で1つの化合物を形成していてもよく、
かつ、補助配位子L1及びL2に含まれる水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、ジアゾ基、メルカプト基、又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基、アラルキル基、アリールオキシ基のいずれか若しくはこれらの組み合わせで置換されたものを含む。]
ここで、Xがピリジン誘導体(図1,式9)、複素環化合物、ホスフィンオキサイド誘導体(図1,式10)、スルホキシド誘導体等のルイス塩基誘導体から構成される9配位希土類錯体を好適に用いることができる。
本発明の9配位希土類錯体は、以下の式(3)で示すように、Ln3+がEu3+若しくはSm3+である10配位構造のサマリウム錯体或いはユーロピウム錯体の配位子を変換することにより簡便に合成することができる。
Figure 2007291063
本発明の10配位希土類錯体はLEDでも励起できるほど励起が容易で、しかも鋭い発光スペクトルを持つ。半値幅が狭い発光体は、発光色の色純度が高く、あざやかな発色を実現する。このことから、従来よりも色彩の優れたカラーディスプレイやEL素子等の光機能デバイスへの応用が期待できる。
本発明の10配位希土類錯体は、有機溶媒(アセトン、酢酸エチル、トルエンなど)への溶解性が非常に優れている。低分子型有機エレクトロルミネッセンス素子の製造は、現在、蒸着法によることが多いが、低コストな塗布法による成膜へと移行しつつあり、これには材料の有機溶媒への溶解度が高いことが必要となる。また、その他の成形方法(錯体含有ポリマーや溶液系など)においても、透明性を維持したままの成形体で光機能を発現させることが可能である。
本発明の10配位希土類錯体の製造方法は、非特許文献3に記載された方法とは異なり、1段階であるのみならず、反応試剤としてCsOHや、高価な希土類のトリフルオロメチル硫酸塩を用いることがなく、これらの錯体を工業的に製造するのに適している。
本発明の9配位希土類錯体は、対称性を下げることによって本発明の10配位希土類錯体の光機能をより高めたものであり、本発明の10配位希土類錯体を誘導して合成することができる。9配位希土類錯体は、10配位希土類錯体から収率良く変換して簡便に合成できるため、合成化学上、非常に有用である。
本発明に係る10配位希土類錯体の発光スペクトルを8配位希土類錯体と比較して図2に示す。10配位希土類錯体のスペクトルは、8配位のものと比較してスペクトルの幅が狭くてシャープであり、かつレッドシフトしていることが分かる。また、Sm(hfa)3(phen)2の励起スペクトルと蛍光スペクトルを図3に、Eu(hfa)3(phen)2の励起スペクトルと蛍光スペクトルを図4に、Eu(hfa)3(bpy)2の励起スペクトルと蛍光スペクトルを図5に示す。10配位希土類錯体が、シャープな励起スペクトルやシャープな蛍光スペクトルを有することが示されている。
なお、これらのスペクトルは、0.01Mアセトン溶液を用い、励起スペクトルは蛍光スペクトルのピーク波長で、蛍光スペクトルは励起スペクトルのピーク波長で測定した。
図示しないが、本発明に係る9配位希土類錯体においても10配位希土類錯体と同様の発光スペクトルが得られる。つまり、8配位希土類錯体に比べるとスペクトルの幅が狭くてシャープであり、レッドシフトしている。
図6に、本発明に係る10配位錯体及び9配位錯体とTPPO(トリフェニルホスフィンオキサイド)系8配位錯体の発光スペクトルのピーク波長、半値幅及び色度座標を比較して示す。これらの測定は、0.01Mアセトン溶液中で、He-Cdレーザー(325nm)により励起し、マルチチャンネルCCD分光器で分光して行った。
これらの結果から、10配位及び9配位のユーロピウム錯体及びサマリウム錯体の蛍光スペクトルはいずれも非常にシャープであり、これらの材料は光機能材料として有望であると結論づけられる。
また、図6より、9配位サマリウム錯体においては、10配位サマリウム錯体に比べると対称性の低下による赤色発光の色純度の向上が見られた(図6におけるSm(hfa)3(bpy)2とSm(hfa)3(bpy)(TPPO)、Sm(hfa)3(phen)2とSm(hfa)3(phen)(py)及びSm(hfa)3(phen)(TPPO)の色度座標参照)。
特に、10配位サマリウム錯体の一つのフェナントロリン部位をピリジンによって置き換えた9配位サマリウム錯体においては、赤色発光の色純度の向上に加えて、発光強度の増加及び半値幅の減少が見られた(Sm(hfa)3(phen)2 (0.6008,0.3810)→Sm(hfa)3(phen)(py) (0.6183,0.3637)。この9配位サマリウム錯体(Sm(hfa)3(phen)(py))の発光スペクトルを10配位サマリウム錯体と比較して図7に示す。
以上より、本発明に係る10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体は次の効果を奏する。
本発明に係る10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体は、短波長の光を吸収し、長波長の光を放出する有用な色変換材料である。例えば、近紫外LEDと本10配位希土類錯体とを組み合わせると白色光源を形成することできる。この白色光源は、600〜650 nmの波長範囲の発光強度を強くできるため、より自然光に近く演色性が良い。
本発明に係る10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体は、近紫外LEDを用いて励起し、長波長の光を発光させることができる。その例を図8に示す。これはEu(hfa)3(phen)2の0.01Mアセトン溶液に392 nmの近紫外LED(豊田合成株式会社製)を照射し、同溶液を透過した光のスペクトルをマルチチャンネルCCD分光光度計を用いて測定したものである。
本発明に係る10配位及び9配位希土類錯体は、赤色発光の色純度が高い。例えば図9に示すように、Sm(hfa)3(phen)(TPPO)からの発光を、R62フィルターを使ってメインの発光(波長約644 nm)だけを取り出すことによって、色度座標(0.6748,0.2939)からなる純赤色発光を得ることができる。この発光はディスプレイ材料や照明用途などで優れた色再現性を実現することができると考えられる。
希土類錯体はレーザ発振材料としても用いられる。レーザは発光半値幅が狭く、発光色の色純度がよく、鮮やかな発色を実現できる。発光スペクトルの半値幅が狭い発光体は、レーザー発振材料としてみると誘導放出断面積が大きい。このことから、従来の発光体よりも小さなエネルギーでレーザー発振するレーザー発振装置を作製できる。
本発明に係る10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体は、アモルファスシリコン太陽電池がほとんど吸収しない波長領域の太陽光(350〜430 nm)を600〜650 nmの光に変換させることができるため、太陽電池の効率向上に用いることができる。
本発明に係る10配位希土類錯体は、市販の希土類塩化物を用いて、配位子、塩基化合物及び補助配位子混合系中にてワンポッドで合成することもでき、若しくは希土類塩を用い、一度パーフルオロアセチルアセトンと錯形成させた後に、補助配位子であるルイス塩基を配位させる簡便な方法によって合成することもできる。
反応試剤としてCsOHを用い、希土類イオン源としてトリフルオロメチル硫酸塩を用いる方法では合成が成功しなかったユーロピウム10配位錯体、及び、二つのフェナントロリン分子を補助配位子に持つパーフルオロアルキルアセチルアセトン錯体(図1,式6)は、今回発明された製造方法を用いることによって単離することができた。
また、本発明の製造法によってフェナントロリン部位を2,2'-ビピリジン、バソフェナントロリンに置き換えたユーロピウム錯体も合成、単離することができる。さらに、サマリウム錯体についても同様に本発明で用いた合成法によって2,2'-ビピリジン、バソフェナントロリンに置き換えた10配位錯体の合成、単離が可能である。
本発明に係る9配位希土類錯体は、10配位構造のサマリウム錯体及びユーロピウム錯体の配位子を変換することにより合成することができる。10配位希土類錯体を9配位希土類錯体に変換する際に用いられる配位子は、ピリジン誘導体、複素環化合物、ホスフィンオキサイド誘導体、スルホキシ誘導体などのルイス塩基誘導体から構成される。
この製造方法によって、10配位希土類錯体から本発明に係る9配位希土類錯体を収率良く、且つ簡便に合成することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお実施例に記載されていない10配位希土類錯体も同様に合成できる。本発明の製造方法は、ルイス塩基一般に適用できると考えられるからである。
[Eu(hfa)3(H2O)2の合成]
酢酸ユーロピウムを水に溶解させ、ヘキサフルオロアセチルアセトン(hfa)を滴下した。そのまま室温で12時間攪拌し、析出結晶を濾過することで、目的物を得た。この化合物は公知である(非特許文献4)。
[Eu(hfa)3(phen)2の合成:図1、式7]
上記Eu(hfa)3(H2O)2錯体にフェナントロリン(phen)2当量を加え、メタノール中、室温で12時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、トルエンを加えて不溶解物を濾過したのち、減圧濃縮を行い、水/メタノールから再結晶して乾燥させて目的の錯体を得た。収率は52%であった。
HNMR(ppm):11.6(4H), 8.7(4H), 7.9(4H), 7.8(4H), 3.5(3H:α-protons).
IR(cm-1): 1657, 1530, 1256, 1210, 1197, 1139.
元素分析計算値(%): C:41.32, H:1.69, N:4.94.
元素分析実測値(%): C:41.13, H:1.49, N:4.95.
[Sm(hfa)3(Cl-phen)2の合成]
実施例1と同様の操作で合成したSm(hfa)3(H2O)2錯体にクロロフェナントロリン2当量を加え、メタノール中、室温で12時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、トルエンを加えて不溶解物を濾過したのち、減圧濃縮を行い、水/メタノールから再結晶して乾燥させて目的の錯体を得た。収率は56%であった。
HNMR(ppm):8.74(2H), 8.71(2H), 7.9-8.2(6H), 7.7(2H), 7.6(2H), 6.8(3H:α-protons).
IR(cm-1): 1657, 1510, 1256, 1203, 1144, 950, 883.
元素分析計算値(%): C:39.01, H:1.43, N:4.67.
元素分析実測値(%): C:38.89, H:1.36, N:4.77.
[Sm(hfa)3(phen)2の合成:図1、式8]
フェナントロリン3当量とヘキサフルオロアセチルアセトン3当量及び水酸化ナトリウム3当量をエタノールに溶解させ、60℃で塩化サマリウム飽和水溶液1当量を滴下し、60℃で2時間攪拌した。反応溶液を減圧留去してトルエンと水で洗い、有機層を分液し、硫酸マグネシウムで脱水後濾過して溶媒を減圧濃縮した。残渣を水/メタノールから再結晶して目的の錯体を得た。収率は 60%であった。
HNMR(ppm): 8.5(4H), 8.0(4H), 7.6(4H), 7.5(4H), 6.7(3H:α-protons).
IR(cm-1): 1658, 1529, 1256, 1211, 1197, 1139.
元素分析計算値(%): C:41.38, H:1.69, N:4.95.
元素分析実測値(%): C:41.09, H:1.68, N:4.94.
[Sm(hfa)3 (phen)(py)の合成]
10配位サマリウム錯体であるSm(hfa)3(phen)2をピリジンに溶解させ、100℃で1時間攪拌した後、水を加えていき再結晶することで目的の錯体を得た。収率は87%であった。
HNMR(ppm): 8.6(phen 2H), 8.5(py 2H), 8.1(phen 2H), 7.7(py 1H phen 4H) 7.3(py 2H), 6.8(α-3H).
IR(cm-1): 1653, 1255, 1205, 1145, 796, 661.
[Sm(hfa)3 (phen)(TPPO)の合成:図1、式11]
Sm(hfa)3(phen)2をメタノールに溶解させ、トリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)1.2当量を加えて3時間還流させた後、メタノールを減圧留去させて、水/メタノールから再結晶させることで目的の錯体を得た。収率は80%であった。
HNMR(ppm): 8.4(phen 2H), 7.9(phen 2H), 7.7〜7.3( phen+TPPO 19H), 6.3(α-3H).
IR(cm-1): 1670,1655,1529,1255,1203,1168,1141,794,660.
各種希土類錯体の構造式 10配位希土類錯体[Eu(hfa)3(bpy)2]と8配位希土類錯体[Eu(hfa)3(TPPO)2]の励起スペクトル(左図)と蛍光スペクトル(右図)の比較 10配位希土類錯体[Sm(hfa)3(phen)2]の励起スペクトルと蛍光スペクトル 10配位希土類錯体[Eu(hfa)3(phen)2]の励起スペクトルと蛍光スペクトル 10配位希土類錯体[Eu(hfa)3(bpy)2]の励起スペクトルと蛍光スペクトル 10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体の発光スペクトルのピーク波長、半値幅、及び色度座標 10配位希土類錯体[Sm(hfa)3(phen)2]と9配位希土類錯体[Sm(hfa)3(phen)(py)]の発光スペクトルの比較 10配位希土類錯体[Eu(hfa)3(phen)2]に近紫外LEDを照射したときの透過スペクトル フィルター使用時の9配位希土類錯体[Sm(hfa)3(phen)(TPPO)]の発光スペクトル

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表わされる10配位希土類錯体。
    Figure 2007291063
    [式中、Lnはユーロピウム原子又はサマリウム原子を表わし、
    R1, R2は同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖又は分岐した構造を有する、一つ以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基であり、
    Zは水素原子、重水素原子又はハロゲン原子のいずれかであり、
    L1〜L4は、同一又は異なるルイス塩基からなる補助配位子であって、L1〜L4のうちの2〜4個で1つの補助配位子を形成していてもよく、
    かつ、前記補助配位子L1〜L4に含まれる水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、ジアゾ基、メルカプト基、又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基、アラルキル基、アリールオキシ基のいずれか若しくはこれらの組み合わせで置換されたものを含む。]
  2. 前記補助配位子L1〜L4としてのルイス塩基が、ピリジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フェナントリジン、2,2'-ビピリジン、2,2'-ビキノリン、1,10-フェナントロリン、バソフェナントロリン、バソキュプロリン、α,α',α''-ターピリジン、N置換テトラアザシクロウンデカン、又はこれらの2以上の組み合わせのいずれかである請求項1に記載の10配位希土類錯体。
  3. 一般式(1)のLn3+がEu3+であり、前記補助配位子L1〜L4としてのルイス塩基が二つの2,2'-ビピリジン誘導体又は1,10-フェナントロリン誘導体から構成される請求項1に記載の10配位希土類錯体。
  4. 一般式(1)のLn3+がSm3+であり、前記補助配位子L1〜L4としてのルイス塩基が二つの1,10-フェナントロリン誘導体から構成される請求項1に記載の10配位希土類錯体。
  5. 前記補助配位子としてのルイス塩基とパーフルオロアセチルアセトンの混合液と前記Lnを有する希土類塩水溶液とを混合することによる、請求項1に記載の10配位希土類錯体のワンポッド製造方法。
  6. 前記補助配位子としてのルイス塩基と前記Lnを有する希土類パーフルオロアセチルアセトン錯体2水和物とをアルコール中で混合することによる、請求項1に記載の10配位希土類錯体の製造方法。
  7. 一般式(2)で表わされる9配位希土類錯体。
    Figure 2007291063
    [式中、Lnはランタン原子、セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、ユーロピウム原子、サマリウム原子のいずれかを表わし、
    R1, R2は同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖又は分岐した構造を有する、一つ以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基であり、
    Zは水素原子、重水素原子又はハロゲン原子のいずれかであり、
    L1及びL2は同一又は異なるルイス塩基からなる補助配位子であって、L1及びL2で1つの補助配位子を形成していてもよく、
    かつ、前記補助配位子L1及びL2に含まれる水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、ジアゾ基、メルカプト基、又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基、アラルキル基、アリールオキシ基のいずれか若しくはこれらの組み合わせで置換されたものを含む。]
  8. 一般式(2)のXが、ピリジン誘導体、複素環化合物、ホスフィンオキサイド誘導体、スルホキシド誘導体等のルイス塩基誘導体から構成される請求項7に記載の9配位希土類錯体。
  9. 請求項1ないし4のいずれかに記載の10配位希土類錯体の配位子を、次の式(3)で示すように変換することにより一般式(2)で表される9配位希土類錯体を製造する方法。
    [式中、Xはピリジン誘導体、複素環化合物、ホスフィンオキサイド誘導体、スルホキシド誘導体などのルイス塩基誘導体から構成される。]
    Figure 2007291063
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