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JP2007288979A - 直流電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗性負荷が接続される直流電源装置において、突入電流を抑制しながらソフトスタートに要する時間を短縮する。
【解決手段】昇降圧チョッパ回路13は、制御回路15による制御に応じて、バッテリ51から与えられる入力電圧を昇圧または降圧して出力する。出力コンデンサCout は、昇降圧チョッパ回路13の出力電圧を平滑化する。ソフトスタート管理テーブル16には、入力電圧とトランジスタQ1の駆動信号のデューティとの対応関係が登録されている。直流電源装置1の動作開始時には、トランジスタQ2はオフ状態に保持され、トランジスタQ1は入力電圧に対応するデューティを持った駆動信号で駆動される。
【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗性負荷に電力を供給する直流電源装置に係わる。
直流電源装置の一形態として、図6に示すように、昇降圧チョッパ回路部110、昇降圧チョッパ回路部110を制御する制御部120、および昇降圧チョッパ回路部110の出力を平滑化する出力コンデンサCout を備える構成が知られている。ここでは、バッテリ電圧を昇圧または降圧して負荷に供給する構成を示している。なお、車載用の直流電源装置は、通常、バッテリ電圧を利用して所定で電圧を生成する。
ところで、負荷を起動する際には、一般に、その負荷をできるだけ早く動作させることが要求される。例えば、暖房機器としてのヒータは、可能なかぎり早く室内を暖めることが望まれる。そして、この要求を満たすためには、負荷の起動時から十分な電流を供給する必要がある。
他方、ヒータ等の抵抗性負荷が直流電源装置に接続される場合は、直流電源装置の動作を停止した後であっても、出力コンデンサCout に蓄積されている電荷がその負荷を介して流れる。すなわち、抵抗性負荷が接続されている場合は、直流電源装置の動作開始時において出力コンデンサCout はほぼ空状態になっている。したがって、負荷への電力供給の開始時には、まず、出力コンデンサCout を充電するために大きな電流(突入電流)が流れる。そして、この突入電流は、直流電源装置を構成する半導体素子やコイル等を破壊してしまうおそれがある。
特許文献1には、この問題を解決しようとする技術が記載されている。特許文献1に記載のDC/DCコンバータは、昇圧回路および降圧回路を備え、起動時の一定期間は、降圧回路によるソフトスタートを行う。このソフトスタート過程では、降圧回路のスイッチング素子のデューティをゼロから徐々に上昇させてゆく。そして、DC/DCコンバータの入力電圧と出力電圧とがほぼ等しくなった後に通常の動作が行われる。したがって、この構成により突入電流が抑制される。
特開2005−354860号公報(図1、図2、明細書の段落0021等)
上述のように、特許文献1に記載のDC/DCコンバータにおいては、突入電流を抑制することができる。しかし、このDC/DCコンバータは、ソフトスタート期間においてスイッチング素子のデューティをゼロから徐々に上昇させる構成なので、出力電圧が所望の値に上昇するまでに要する時間が長くなってしまう。このため、例えば、暖房機器としてのヒータに電力を供給する場合には、暖風の生成が遅れることになる。
本発明の課題は、抵抗性負荷が接続される直流電源装置において、突入電流を抑制しながらソフトスタートに要する時間を短縮することである。
本発明の直流電源装置は、入力電圧を検出する検出手段と、コイル、該コイルに接続されて降圧動作のために使用される第1のスイッチング素子、および前記コイルに接続されて昇圧動作のために使用される第2のスイッチング素子を備える昇降圧チョッパ回路と、前記第1および第2のスイッチング素子をPWM制御する制御手段と、前記昇降圧チョッパ回路の出力を平滑化する出力コンデンサと、入力電圧と前記第1のスイッチング素子を駆動するための駆動信号のデューティ値との対応関係を記憶する記憶手段、を有する。そして、前記制御手段は、負荷への電力供給を開始するときに、前記検出手段により検出される入力電圧に対応するデューティ値を前記記憶手段から取得し、前記第2のスイッチング素子をオフ状態に保持すると共に前記デューティ値を持った駆動信号で前記第1のスイッチング素子を駆動する。
上記直流電源装置において、負荷への電力供給の開始時に発生する突入電流は、入力電圧に依存する。したがって、入力電圧に応じてデューティ値を適切に設定すれば、負荷への電力供給の開始時に前記昇降圧チョッパ回路を流れる電流が抑制される。また、デューティ値としてゼロ以外の適切な値を設定すれば、出力電圧を急峻に上昇させることができる。
デューティ値は、例えば、この直流電源装置に接続される負荷および前記出力コンデンサの容量に基づいて、前記昇降圧チョッパ回路を流れる電流の最大値が前記コイルおよび前記第1のスイッチング素子の許容値以下でかつ近似するように予め設定される。このようにしてデューティ値を決定すれば、突入電流からコイルおよび第1のスイッチング素子を保護しつつ、出力コンデンサを充電するための時間を短縮できる。
前記記憶手段は、入力電圧に対応づけて、前記デューティ値およびソフトスタート期間を定義するソフトスタート期間情報を記憶してもよい。この場合、前記制御手段は、前記ソフトスタート期間情報により定められる期間、前記デューティ値を持った駆動信号で前記第1のスイッチング素子を駆動する。この構成によれば、ソフトスタート期間を入力電圧に応じて必要最小限に短縮できる。
本発明のソフトスタート方法は、入力電圧を検出する検出手段と、コイル、該コイルに接続されて降圧動作のために使用される第1のスイッチング素子、および前記コイルに接続されて昇圧動作のために使用される第2のスイッチング素子を備える昇降圧チョッパ回路と、前記昇降圧チョッパ回路の出力を平滑化する出力コンデンサと、を有する直流電源装置において使用され、負荷への電力供給を開始するときに、前記第2のスイッチング素子をオフ状態に保持すると共に、前記検出手段により検出される入力電圧に対応するデューティ値を持った駆動信号で前記第1のスイッチング素子を駆動する。
本発明によれば、抵抗性負荷が接続される直流電源装置において、突入電流を抑制しながらソフトスタートに要する時間を短縮することができる。
図1は、本発明の実施形態の直流電源装置の構成を示す図である。なお、実施形態の直流電源装置1の入力端子にはバッテリ51が接続され、また、その出力端子には負荷52が接続される。負荷52は、抵抗性負荷であり、例えば、暖房機器として使用されるヒータである。
入力電圧検出回路(検出手段)11は、直流電源装置1の入力電圧を検出する。直流電源装置1の入力電圧は、バッテリ51の出力電圧と実質的に同じである。シャント抵抗12は、直流電源装置1の入力電流を検出する。昇降圧チョッパ回路13は、コイルL、トランジスタ(第1のスイッチング素子)Q1、トランジスタ(第2のスイッチング素子)Q2、ダイオードD1、D2を備え、制御回路15からの指示に従って入力電圧を昇圧または降圧して出力する。昇降圧チョッパ回路12の動作については後で説明する。出力コンデンサCout は、昇降圧チョッパ回路13の出力を平滑化する。出力電圧検出回路14は、直流電源装置1の出力電圧を検出する。制御回路15は、検出されるパラメータ(すなわち、入力電圧、入力電流、出力電圧)に基づいて、昇降圧チョッパ回路13を制御するための駆動信号を生成する。駆動信号は、トランジスタQ1、Q2を駆動する1組の駆動信号から構成される。また、制御回路15は、ソフトスタート管理テーブル(記憶手段)16を備える。ソフトスタート管理テーブル16は、後で詳しく説明するが、直流電源装置1の動作開始時に実行するソフトスタートを制御する情報を記憶している。
上記構成の直流電源装置1において、降圧動作時(すなわち、入力電圧Vinよりも低い出力電圧Vout を生成する動作)には、トランジスタQ2をオフ状態に保持しながら、トランジスタQ1をチョッパ制御する。このとき、チョッパ制御のスイッチングサイクルを「T」、各スイッチングサイクルにおいてトランジスタQ1をオン状態に制御する時間を「Ton」、各スイッチングサイクルにおいてトランジスタQ1をオフ状態に制御する時間を「Toff 」とすると、PWM制御の駆動信号のデューティDは下式で表される。
D=Ton/T=Ton/(Ton+Toff )
この場合、出力電圧は下式で表される。
Vout =Vin×D=Vin×Ton/(Ton+Toff )
ここで、「Ton」がゼロでないものとすると、「0<D<1」となるので、降圧動作が実現される。
一方、昇圧動作時(すなわち、入力電圧Vinよりも高い出力電圧Vout を生成する動作)には、トランジスタQ1をオン状態に保持しながら、トランジスタQ2をチョッパ制御する。このとき、各スイッチングサイクルにおいてトランジスタQ2をオン状態に制御する時間およびオフ状態に制御する時間をそれぞれ「Ton」および「Toff 」とすると、出力電圧は下式で表される。
Vout =Vin×(Ton+Toff )/Ton
ここで、「Ton」がゼロでないものとすると、「1<(Ton+Toff )/Ton」となるので、昇圧動作が実現される。
ところで、直流電源装置1に接続される負荷52は抵抗性負荷である。このため、直流電源装置1の動作が停止した後であっても、出力コンデンサCout に蓄積されている電荷はその負荷52を介して流れる。すなわち、直流電源装置1の動作開始時には、出力コンデンサCout はほぼ空状態になっている。したがって、負荷52への電力供給の開始時には所定の電圧を出力しようとすると、直流電源装置1においては、まず、出力コンデンサCout を充電するための大きな電流(突入電流)が流れる。そこで、実施形態の直流電源装置1は、突入電流から半導体素子やコイル等を保護するために、ソフトスタート機能を提供する。
図2は、ソフトスタート管理テーブル16の実施例である。ソフトスタート管理テーブル16は、「入力電圧」に対応づけて「デューティ」及び「ソフトスタート期間」が登録されている。「入力電圧」は、入力電圧検出回路11により検出される電圧である。「デューティ」は、ソフトスタート期間における降圧動作時にトランジスタQ1を駆動する駆動信号のデューティである。このデューティとしては、入力電圧に対して、昇降圧チョッパ回路13を流れる電流の最大値がコイルL、トランジスタQ1の許容値を超えない範囲で出来るだけ大きい値が選択される。なお、降圧動作時に昇降圧チョッパ回路13を流れる電流の最大値は、実質的に、入力電圧、負荷52の抵抗値、出力コンデンサCout の容量、トランジスタQ1のデューティにより決まる。ここで、負荷52の抵抗値および出力コンデンサCout の容量は予め決まっている。したがって、入力電圧に対してトランジスタQ1のデューティを指定することにより、降圧動作時に昇降圧チョッパ回路13を流れる電流を所定値(ここでは、コイルL、トランジスタQ1の許容値)以下に制限することができる。「ソフトスタート期間」は、直流電源装置1の動作開始時に上述の「デューティ」で降圧動作を実行する時間を表し、例えば、出力コンデンサCout を充電するために要する時間が設定される。なお、ソフトスタート管理テーブル16は、シミュレーションまたは実機での測定等により、予め作成されるものとする。
図3は、直流電源装置1の動作開始時の処理を示すフローチャートである。ステップS1では、入力電圧検出回路11を利用して入力電圧を検出する。ステップS2では、検出した入力電圧をキーとしてソフトスタート管理テーブル16を検索し、対応する「デューティ」を取得する。このとき、検出した入力電圧に対応する「ソフトスタート期間」も抽出しておく。ステップS3では、トランジスタQ2をオフ状態に保持する。
ステップS4〜S5では、トランジスタQ1を駆動する駆動信号として、ステップS2で抽出した「デューティ」を持ったPWM信号を生成する。このPWM信号は、直流電源装置1が動作を開始したときから「ソフトスタート期間」が経過するまで継続的に出力される。そして、「ソフトスタート期間」が経過すると、直流電源装置1は通常モードへ移行する。なお、通常モードとは、この実施例では、出力電圧を所定値に保持するフィードバック制御で昇圧動作または降圧動作を実行する動作モードを意味する。
図4は、直流電源装置1のソフトスタート動作を説明する図である。ここでは、通常モードとして昇圧動作が行われるものとしている。
ソフトスタート期間は、トランジスタQ2は、オフ状態に保持されている。また、トランジスタQ1の駆動信号のデューティは、入力電圧をキーとしてソフトスタート管理テーブル16から取得した値に設定されている。ここで、「デューティ」は、昇降圧チョッパ回路13を流れる電流の最大値がコイルL、トランジスタQ1の許容値を超えない範囲で設定されている。よって、突入電流からこれらの素子を保護することができる。また、「デューティ」は、上記範囲内で出来るだけ大きい値が選択されている。従って、上記素子を保護しながらソフトスタート期間を短くすることができる。特に、実施形態の直流電源装置1においては、その動作の開始直後からゼロでない所定のデューティでトランジスタQ1を駆動するので、特許文献1に記載の構成と比較して、ソフトスタート期間を短くできる。なお、特許文献1に記載のソフトスタートでは、スイッチング素子を駆動する信号のデューティをゼロから徐々に大きくしていくので、本発明の実施形態と比較して出力コンデンサが充電されるまでの時間が長くなり、この結果、ソフトスタート期間を長くする必要がある。
なお、ソフトスタート期間を短くすることができれば、負荷52が運転指示を受けてから通常動作に入るまでの時間も短縮される。よって、例えば、負荷52がヒータであるものとすると、スイッチが投入されてから短時間のうちに温風が生成されるようになる。
また、図4に示す実施例では、ソフトスタート期間が終了して通常モードに移った直後は、降圧モードで動作する。ただし、ソフトスタート期間が終了した直後から昇圧モードで動作するようにしてもよい。
図5は、実施形態のソフトスタート動作のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、「デューティ=9.8%」および「ソフトスタート時間=40ms」が与えられている。このシミュレーションによれば、ソフトスタート期間において、入力電流(昇降圧チョッパ回路13を流れる電流に相当する)が小さく抑えられている一方で、出力電圧は急峻に上昇している。したがって、昇降圧チョッパ回路13を構成する各素子を保護しながら、出力電圧を早く目標電圧に近づけることが可能になる。
なお、上述の実施例では、ソフトスタート期間におけるトランジスタQ1の駆動信号のデューティが一定であるものとしているが、ゼロ以外の所定の正の値から徐々または段階的に増加するようにしてもよい。
また、直流電源装置1に接続される負荷52は、抵抗性負荷であるものとして説明したが、直流電源装置1は、他の負荷(例えば、容量性負荷や誘導性負荷)に電力を供給することも可能である。
本発明の実施形態の直流電源装置の構成を示す図である。 ソフトスタート管理テーブルの実施例である。 直流電源装置の動作開始時の処理を示すフローチャートである。 直流電源装置のソフトスタート動作を説明する図である。 実施形態のソフトスタート動作のシミュレーション結果を示す図である。 一般的な直流電源装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 直流電源装置
11 入力電圧検出回路
13 昇降圧チョッパ回路
15 制御回路
16 ソフトスタート管理テーブル

Claims (4)

  1. 入力電圧を検出する検出手段と、
    コイル、該コイルに接続されて降圧動作のために使用される第1のスイッチング素子、および前記コイルに接続されて昇圧動作のために使用される第2のスイッチング素子を備える昇降圧チョッパ回路と、
    前記第1および第2のスイッチング素子をPWM制御する制御手段と、
    前記昇降圧チョッパ回路の出力を平滑化する出力コンデンサと、
    入力電圧と前記第1のスイッチング素子を駆動するための駆動信号のデューティ値との対応関係を記憶する記憶手段、を有し、
    前記制御手段は、負荷への電力供給を開始するときに、前記検出手段により検出される入力電圧に対応するデューティ値を前記記憶手段から取得し、前記第2のスイッチング素子をオフ状態に保持すると共に前記デューティ値を持った駆動信号で前記第1のスイッチング素子を駆動する
    ことを特徴とする直流電源装置。
  2. 前記デューティ値は、この直流電源装置に接続される負荷および前記出力コンデンサの容量に基づいて、前記昇降圧チョッパ回路を流れる電流の最大値が前記コイルおよび前記第1のスイッチング素子の許容値以下でかつ近似するように予め設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 前記記憶手段は、入力電圧に対応づけて、前記デューティ値およびソフトスタート期間を定義するソフトスタート期間情報を記憶し、
    前記制御手段は、前記ソフトスタート期間情報により定められる期間、前記デューティ値を持った駆動信号で前記第1のスイッチング素子を駆動する
    ことを特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
  4. 入力電圧を検出する検出手段と、コイル、該コイルに接続されて降圧動作のために使用される第1のスイッチング素子、および前記コイルに接続されて昇圧動作のために使用される第2のスイッチング素子を備える昇降圧チョッパ回路と、前記昇降圧チョッパ回路の出力を平滑化する出力コンデンサと、を有する直流電源装置のためのソフトスタート方法において、
    負荷への電力供給を開始するときに、前記第2のスイッチング素子をオフ状態に保持すると共に、前記検出手段により検出される入力電圧に対応するデューティ値を持った駆動信号で前記第1のスイッチング素子を駆動する
    ことを特徴とするソフトスタート方法。


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