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JP2007288545A - 前置歪補償回路 - Google Patents

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JP2007288545A JP2006114011A JP2006114011A JP2007288545A JP 2007288545 A JP2007288545 A JP 2007288545A JP 2006114011 A JP2006114011 A JP 2006114011A JP 2006114011 A JP2006114011 A JP 2006114011A JP 2007288545 A JP2007288545 A JP 2007288545A
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Abstract

【課題】前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整するための可変減衰器の減衰量が変化しても増幅器の入出力特性に与える影響が小さく、かつ、実装面積を小さくできる前置歪補償回路を実現する。
【解決手段】前置歪補償回路110は、主信号を複数の分枝に分配して分配された各々の信号を合成して増幅器に出力する分配合成器を備える。前置歪付与回路5は、分配合成器の「第1の分枝」に設けられている。この分配合成器は、「第1の分枝」の前置歪調整器3aの前段に主信号のレベルを調整する前置歪調整器3aと、「第2の分枝」に主信号のレベルを調整する主信号調整器3bと、「第1の分枝」の入力端に主信号を4分の1波長移相する線路2aと、「第2の分枝」の出力端に主信号を4分の1波長移相する線路2bと、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、所定のレベルに調整された前置歪及び主信号を出力する前置歪補償回路に関する。
前置歪補償回路は、増幅器から歪補償された増幅信号を得るための回路である。この前置歪補償回路は、増幅器に供給される主信号に、増幅器の入出力特性(非線形特性)により出力信号に発生する歪成分を打ち消すための前置歪を予め与える回路である。このような前置歪補償回路は、TV放送用の送信設備や携帯電話の無線基地局の送信設備などに用いられている。
主信号に前置歪を付与する手段として、増幅器の入出力特性に対して逆関数となる入出力特性を有する非線形素子(例えば、ダイオード等)を利用した構成(前置歪付与回路)が知られている(特許文献1及び2)。
このような増幅器や前置歪付与回路にはその入出力特性にバラツキがあるため、前置歪補償回路は、その出力信号に含まれる前置歪及び主信号が所定のレベルになるよう調整可能であることが望ましい。
前置歪及び主信号のレベルを調整する手段としては、前置歪付与回路へ供給される主信号のレベルを調整することにより主信号に与えられる前置歪の割合を調整する構成(特許文献3)や、前置歪付与回路から出力された前置歪及び主信号の(絶対的な)レベルを調整する構成(特許文献2)が知られている。また、信号レベルの調整手段としては、一般的に可変減衰器が知られている(特許文献4)。
特開2000−201099号公報 特開2001−230635号公報 特開2001−016047号公報 特開平11−355011号公報
前置歪補償回路は、出力される前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整できる構成であることが望ましい。このような構成としては、例えば、前置歪付与回路の前段に(特許文献3に記載されているような)主信号に与えられる前置歪の割合を調整するための可変減衰器を設け、前置歪付与回路の後段に(特許文献2に記載されているような)前置歪付与回路から出力された前置歪及び主信号の(絶対的な)レベルを調整する可変減衰器を設ける構成が考えられる。
また、上述したような、前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整する構成は、可変減衰器における減衰量の変化が増幅器の入出力特性に影響を与えないことが望ましい。例えば、特許文献4(の図1)では、減衰量が変化しても入出力インピーダンスへの影響が比較的少ない可変減衰器が提案されている。
しかしながら、特許文献4(の図1)で提案された可変減衰器は、PINダイオードにおける寄生成分を考慮しておらず、数百MHz〜数GHzのマイクロ波帯の信号に対しては、その影響が無視できなくなる。特許文献4(の図1)に記載されているようにPINダイオード毎に調整端子を設けてもよいがその調整は複雑化してしまう。
また、特許文献4(の図4)に記載されている(従来の)可変減衰器であればPINダイオードにおける反射波を入出力端子で相殺することができ、上述したようなマイクロ波帯の信号に対しても入出力インピーダンスの変化が無い(又は非常に小さい)。
しかしながら、特許文献4にも指摘されているように、このような(従来の)可変減衰器は、規模が大きくなり、上述したような前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整するために前置歪付与回路の前後段に配置してしまうと、前置歪補償回路が大規模化し、その実装面積が大きくなってしまう。
本発明の目的は、前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整するための可変減衰器の減衰量が変化しても増幅器の入出力特性に与える影響が小さく、かつ、実装面積を小さくできる前置歪補償回路を実現することにある。
本発明は、増幅器に供給される主信号に増幅器の入出力特性によって発生する歪成分を打ち消すための前置歪を予め与える前置歪付与回路を備え、所定のレベルに調整された前置歪及び主信号を出力する前置歪補償回路であって、主信号を複数の分枝に分配して分配された各々の信号を合成して増幅器に出力する分配合成器を備え、前置歪付与回路は、分配合成器の第1の分枝に設けられ、分配合成器は、第1の分枝であって前置歪付与回路の前段に設けられ供給される主信号のレベルを調整して前置歪付与回路に出力することにより前置歪付与回路で主信号に与えられる前置歪のレベルを調整する前置歪調整器と、他のいずれかの分枝に設けられ供給される主信号のレベルを調整することにより合成されて増幅器に出力される主信号のレベルを調整する主信号調整器と、第1の分枝と他のいずれかの分枝の一方の入力端に設けられ主信号を4分の1波長移相する第1の移相器と、第1の分枝と他のいずれかの分枝の他方の出力端に設けられ主信号を4分の1波長移相する第2の移相器と、を含むことを特徴とする。
また、本発明においては、前記分配合成器は、他のいずれかの分枝であって主信号調整器の後段に設けられ前置歪付与回路で主信号に前置歪を付与する時間分遅延させる遅延器を含むことが望ましい。
本発明によれば、前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整するための可変減衰器の減衰量が変化しても増幅器の入出力特性に与える影響が小さく、かつ、実装面積を小さくできる前置歪補償回路を実現することができる。
以下、本実施形態に係る前置歪補償回路について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る前置歪補償回路が搭載された電力増幅装置の構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る前置歪補償回路の構成を示す図である。
図1に示す電力増幅装置100は、前置歪補償回路110と、増幅器130と、を備えている。前置歪補償回路110は、入力端子INから入力された主信号に前置歪を与える回路である。このように与えられた前置歪は、増幅器130の入出力特性(非線形性)により出力信号に発生する歪成分を打ち消す(又は発生する歪成分を減らす)。
したがって、前置歪が与えられた主信号が増幅器130に供給されると、増幅器130からは歪補償された増幅信号が出力される(この増幅信号は、出力端子OUT等を介してアンテナに給電される)。また、前置歪補償回路から出力される前置歪及び主信号は、後述する調整端子により個別に所定のレベルに調整される。なお、前置歪補償回路110の構成の詳細については後述にて説明する。
増幅器130は、入力された主信号を増幅して出力する。この増幅器130は、入出力特性に非線形性を有しており(前置歪が付与されていない)主信号が供給されると、歪んだ増幅信号(増幅器の非線形性によって発生する歪成分が含まれた主信号)を出力する。このような歪成分を打ち消すために前置歪補償回路110で主信号に前置歪を付与している。
次に、図2を用いて前置歪補償回路110の構成の詳細について説明する。前置歪補償回路110は、主信号を複数(例えば2つ)の分枝に分配する分配器1と、分配された各々の信号を合成する合成器9と、を備えている。ここで、上段の分枝を「第1の分枝」と呼び、下段の分枝を「第2の分枝」と呼ぶ。また、分配器1と合成器9とこれに接続される構成(後述する「前置歪付与回路5」を除く)とを総称して「分配合成器」と呼ぶ。
この「分配合成器」は、入力端子INから入力された主信号を「第1の分枝」及び「第2の分枝」に分岐して、「第1の分枝」で出力端子OUTから出力される前置歪のレベルを(後述する前置歪調整器3a及び前置歪付与回路5により)調整し、「第2の分枝」で出力端子OUTから出力される主信号のレベルを(後述する主信号調整器3bにより)調整する。
分配器1は、ウィルキンソン型分配器であり、線路11a,11b,抵抗13を備えている。線路11a,11bは、特性インピーダンスZの4分の1波長線路である。この線路11a及び11bは、直列接続されており、その接続点に入力端子INが接続されている。抵抗13は抵抗値2Zの抵抗素子であり、線路11a,11bの他端に接続されている。
ここで、ウィルキンソン型分配器である分配器1の原理について説明する(なお、ここでは、分配器1の各ポートのインピーダンスをZとする)。分配器1は、入力端子INから入力された信号を線路11a,11bを介して、後述するコンデンサC1a及びC1bに出力する。分配器1は、コンデンサC1a及びC1bを介して供給される2つの信号(後述する「反射波」)が同相であれば同相合成して入力端子INに出力し、逆相であれば入力端子INで相殺する。また、コンデンサC1aを介して供給される信号(反射波)は、抵抗13を介した同相成分と、線路11a及び11bを介した逆相成分と、により相殺されるため、コンデンサC1bには出力されない。同様にコンデンサC1bを介して供給される信号は、コンデンサC1aには出力されない。
また、合成器9は、分配器1と同様にウィルキンソン型合成器であり、線路91a,91b,抵抗93を備えている。線路91a,91bは、特性インピーダンスZの4分の1波長線路である。この線路91a,91bは、直列接続されており、その接続点に出力端子OUTが接続されている。抵抗93は抵抗値2Zの抵抗素子であり、線路91a,91bの他端に接続されている。この合成器9の原理は、分配器1と同様であるため説明を省略する。
線路2aは、特性インピーダンスZの4分の1波長線路である。すなわち、線路2aは、入力された信号を4分の1波長分移相する。この線路2aは、「第1の分枝」の入力端に設けられている。この線路2aにより、後述する前置歪調整器3aにおける反射波と、主信号調整器3bにおける反射波と、が(コンデンサC1a,C1bを介して)ウィルキンソン分配器である分配器1に逆相で供給される。したがって、前置歪調整器3aにおける反射波と、主信号調整器3bにおける反射波と、は入力端子INで相殺され、出力されることは無い(又は出力されたとしてもそのレベルは非常に小さい)。
また、線路2bは、特性インピーダンスZの4分の1波長線路であり「第2の分枝」の出力端に設けられている。この線路2bは、線路2aと同様に、後述する前置歪調整器3aにおける反射波と、主信号調整器3bにおける反射波と、を(コンデンサC5a,C5bを介して)ウィルキンソン合成器である合成器9に逆相で入力する。これにより、後述する前置歪調整器3aにおける反射波と、主信号調整器3bにおける反射波と、は出力端子OUTで相殺され、出力されることは無い(又は出力されたとしてもそのレベルは非常に小さい)。
前置歪調整器3aは、「第1の分枝」の前置歪付与回路5の前段に設けられ、供給される主信号のレベルを調整して出力する可変減衰器である。この前置歪調整器3aは、可変抵抗となるダイオード31a及び35aと、特性インピーダンスZの4分の1波長線路である線路33aと、ダイオード31a及び35aにバイアス電流を供給してダイオード31a及び35aの抵抗値を変えるための調整端子であるコイル37aと、を含んでいる。また、ダイオード31a及び35aと、線路33aと、はπ型減衰器を形成している。
この前置歪調整器3aは、コイル37aからダイオード31a及び35aに供給するバイアス電流を変えてダイオード31a及び35aの抵抗値を変えることにより、その減衰量を変えることができる。また、ダイオード31aの抵抗値をR1としダイオード35aの抵抗値をR2としたときにR1=R2+Zとすることにより(線路33aによるインピーダンス変換により)前置歪調整器3aの入出力インピーダンスをZとすることができる(すなわち反射係数ゼロ)。
また、主信号調整器3bは、「第2の分枝」に設けられ、供給される主信号のレベルを調整して出力する可変減衰器である。この主信号調整器3bは、前置歪調整器3aと同様な構成である(すなわち、可変抵抗となるダイオード31b及び35bと、特性インピーダンスZの4分の1波長線路である線路33bと、ダイオード31b及び35bにバイアス電流を供給してダイオード31b及び35bの抵抗値を可変するためのコイル37bと、を含んでおり、ダイオード31b及び35bと、線路33bと、はπ型減衰器を形成している)。
前置歪付与回路5は、増幅器130に供給される主信号に増幅器の入出力特性によって発生する歪成分を打ち消すための前置歪を予め与える回路である。この前置歪付与回路5は、増幅器130の入出力特性に対して逆関数(またはその近似関数)となる入出力特性を有するダイオード51と、ダイオード51に前述したような入出力特性になるようバイアス電流を供給するコイル53と、を含んでいる。
遅延器7は、入力された信号を遅延させる回路である。遅延器7における遅延量は、「第1の分枝」に供給された主信号が前置歪付与回路5で受ける遅延量と同じ(又は同程度の)量に設定されている。また、コンデンサC1a及びC1b,C3a及びC3b,C5a及びC5bは、バイアス電流が流れる部位同士を直流的に断線させるコンデンサである。
以上のような構成により、本実施形態に係る前置歪補償回路110は、前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整するための可変減衰器(前置歪調整器3a及び主信号調整器3b)の減衰量が変化しても増幅器130の入出力特性に与える影響が小さく、かつ、実装面積を小さくすることができる。
次に動作について説明する。入力端子INを介して入力された主信号は、分配器1により前述した「第1の分枝」と「第2の分枝」とに分配される。すなわち、「第1の分枝」に分配された主信号はコンデンサC1aを介して線路2aに供給され、「第2の分枝」に分配された主信号はコンデンサC1bを介して主信号調整器3bに供給される。
「第1の分枝」に供給された主信号は、線路2aにより4分の1波長分だけ移相され前置歪調整器3aに供給される。ここで主信号は、前置歪調整器3aでレベルが調整(減衰)される。また、「第2の分枝」に供給された主信号は、主信号調整器3bによりレベルが調整(減衰)される。
前置歪調整器3aでレベルが調整された主信号は、前置歪付与回路5に供給される。前置歪付与回路5は、入力された主信号に対して前置歪を付与し、これを出力する。前置歪付与回路5で付与される前置歪は、供給される主信号のレベルに応じたレベルで付与される。このため、前置歪調整器3aで主信号のレベルを調整することにより、主信号に付与される前置歪のレベルを調整することができる。このように前置歪が付与された主信号は、合成器9に供給される。
また、主信号調整器3bでレベルが調整された主信号は、線路2b,遅延器7を介して、合成器9に供給される(後述するように、主信号調整器3bで主信号のレベルを調整することにより、出力端子OUTから出力される主信号のレベルを調整する)。このように、合成器9に入力された、第1の分枝の主信号と、第2の分枝の主信号と、出力端子OUTで合成される。
入力端子INから、「第1の分枝」を介して、出力端子OUTに供給される主信号は、線路11a,2a,33a,91aを通過しているため360度移相されている。また、入力端子INから、「第2の分枝」を介して、出力端子OUTに供給される主信号は、線路11b,2b,33b,91bを通過しているため360度移相されている。
したがって、出力端子OUTでは、「第1の分枝」を介して供給される主信号と、「第2の分枝」を介して供給される主信号と、が同相で合成される。また、「第1の分枝」の主信号は、前述したように、前置歪が付与されている。このため、出力端子OUTからは前置歪が付与された主信号が出力される。また、前述したように、主信号調整器3bは、「第2の分枝」の主信号のレベルを調整することができる。このため、主信号調整器3bで主信号のレベルを調整することにより、出力端子OUTから出力される主信号のレベルを調整することができる。
前述したように、出力端子OUTから出力される前置歪のレベルは、前置歪調整器3aで、前置歪付与回路5に供給される主信号のレベルを調整することにより調整することができ、出力端子OUTから出力される主信号のレベルは、主信号調整器3bで、合成器9に供給される主信号のレベルを調整することにより調整することができる(すなわち、前置歪補償回路110は、前置歪及び主信号を個別に調整することができる)。
上述のような調整をしたときに、前置歪調整器3aの入力側インピーダンスが(ダイオード31a及び35aの抵抗値のアンバランスや寄生成分の影響により)特性インピーダンスZに対して整合が取れなくなると、主信号(の一部)が前置歪調整器3aの入力端(のダイオード31a)で反射される。同様に、主信号調整器3bの入力側インピーダンスが特性インピーダンスZに対して整合が取れなくなると、主信号(の一部)が主信号調整器3bの入力端(のダイオード31b)で反射される。
このように前置歪調整器3aの入力端で反射された主信号(の一部)は、線路2aによりさらに4分の1波長分だけ移相され、コンデンサC1aを介して分配器1に供給される。同様に、主信号調整器3bの入力端で反射された主信号(の一部)は、コンデンサC1bを介して分配器1に供給される。
上述のように、前置歪調整器3aの入力端で反射された主信号(の一部)は、線路2aを往復しているため、主信号調整器3bの入力端で反射された主信号(の一部)に対して位相が180度遅れて供給される。したがって、前置歪調整器3a及び主信号調整器3bで反射された主信号(の一部)は入力端子INにおいて逆相で合成され、相殺される。したがって、入力端子INから反射波が出力されることは無い。なお、上述の前置歪調整器3a及び主信号調整器3bの減衰量は個別に調整されているため各々の反射波のレベルは厳密には異なるが、実用上これらの減衰量はほぼ同程度に連動して変化するため入力端子INから出力されたとしてもそのレベルは実用上問題とならない程度に非常に小さいものとなる。また、「第1の分枝」と「第2の分枝」とでは前置歪付与回路5の有無の違いがあるが、前置歪付与回路5を形成するダイオード51のインピーダンスが特性インピーダンスZに対して充分大きなものであれば入力端子INから出力される反射波に対してとりわけ影響を与えることは無い。
同様に、前置歪調整器3aの出力端(のダイオード35a)で反射された信号と、主信号調整器3bの出力端(のダイオード35b)で反射された信号と、は合成器9に供給されるが、主信号調整器3bの出力端で反射された信号が線路2aを往復するため、前置歪調整器3a及び主信号調整器3bで反射された信号は出力端子OUTにおいて逆相で合成される。このため、前置歪調整器3a及び主信号調整器3bで反射された信号が出力端子OUTから出力されることは無い(上述したのと同様な理由で出力されたとしてもそのレベルは非常に小さい)。
したがって、前置歪補償回路110で出力される前置歪及び主信号のレベルを個別に調整する際に、前置歪調整器3a及び主信号調整器3bの減衰量を変化させるためにそのインピーダンスを変化させたとしても、前置歪補償回路110そのものの入出力インピーダンスは(入出力の反射係数が変化しないため)変化せず、増幅器130の入出力特性に影響を与えることが無い(又は与える影響が少ない)。また、前述したように、分配器1及び合成器9は、ウィルキンソン型であるため、各々の分枝間のアイソレーションを確保することもできる。
このように、本実施形態に係る前置歪補償回路110は、(上述したような前置歪付与回路の前後段に特許文献4(の図4)に記載された可変減衰器を設けることなく)前置歪及び主信号の各々のレベルを個別に調整するための可変減衰器(前置歪調整器3a及び主信号調整器3b)の減衰量を変化させても増幅器130の入出力特性に与える影響が小さく、かつ、その実装面積を小さくできる。また、前置歪調整器3a及び主信号調整器3bで寄生成分等の影響で反射があったとしても、入出力端子で相殺されるため、数百MHz〜数GHzのマイクロ波帯の信号に対しても有効である。
また、本実施形態では、「第1の分枝」における前置歪付与回路5における遅延量と同程度遅延させる遅延器7を「第2の分枝」に設けたが、同程度の遅延量が得られるものであれば他の構成であってもよい。例えば、第2の前置歪付与回路を設けてもよい。さらに、本実施形態では、分枝の数は2であったが、2以上であってもよい。例えば、前置歪のレベルを調整するための分枝を2つ用意し、主信号のレベルを調整するための分枝を2つ用意してもよいし、任意の数の組み合わせで構成してもよい。また、線路2aを「第2の分枝」に設け、線路2bを「第1の分枝」に設けてもよい(このような構成であっても、前置歪調整器3a及び主信号調整器3bにおける反射波は入出力端子で相殺される)。
本発明の実施形態に係る前置歪補償回路及び増幅器の構成を表す図である。 本発明の実施形態に係る前置歪補償回路の構成を表す図である。
符号の説明
1 分配器、2a,2b 線路、3a 前置歪調整器、3b 主信号調整器、5 前置歪付与回路、7 遅延器、9 合成器。

Claims (2)

  1. 増幅器に供給される主信号に増幅器の入出力特性によって発生する歪成分を打ち消すための前置歪を予め与える前置歪付与回路を備え、
    所定のレベルに調整された前置歪及び主信号を出力する前置歪補償回路であって、
    主信号を複数の分枝に分配して分配された各々の信号を合成して増幅器に出力する分配合成器を備え、
    前置歪付与回路は、分配合成器の第1の分枝に設けられ、
    分配合成器は、
    第1の分枝であって前置歪付与回路の前段に設けられ供給される主信号のレベルを調整して前置歪付与回路に出力することにより前置歪付与回路で主信号に与えられる前置歪のレベルを調整する前置歪調整器と、
    他のいずれかの分枝に設けられ供給される主信号のレベルを調整することにより合成されて増幅器に出力される主信号のレベルを調整する主信号調整器と、
    第1の分枝と他のいずれかの分枝の一方の入力端に設けられ主信号を4分の1波長移相する第1の移相器と、
    第1の分枝と他のいずれかの分枝の他方の出力端に設けられ主信号を4分の1波長移相する第2の移相器と、
    を含むことを特徴とする前置歪補償回路。
  2. 請求項1に記載の前置歪補償回路であって、
    前記分配合成器は、
    他のいずれかの分枝であって主信号調整器の後段に設けられ前置歪付与回路で主信号に前置歪を付与する時間分遅延させる遅延器を含むことを特徴とする前置歪補償回路。
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