JP2007284902A - 鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼管圧入補助装置10はクレーン4Aで吊り下げられるようになっている。この鋼管圧入補助装置10のケーシング12は鋼管矢板2に挿入できるようになっている。鋼管圧入補助装置10のケーシング12の上端面12Aにはアースオーガ14のモータ16が載置固定されている。アースオーガ14のオーガスクリュー18はケーシング12を挿通すると共にオーガスクリュー18の先端部18Aはケーシング12の下端面12Bより突出している。ケーシング12の外周面には係止凹体20が2個固定されている。また、鋼管矢板2の上部2Aの内周面には係止凸体24が互いに対向して2個突設されている。
【選択図】図1
Description
この場合、鋼管矢板を圧入する地盤が固い地盤であったり岩盤であったりすると油圧式杭圧入機だけの圧入作業だけでは鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入するのが極めて困難になる場合がある。
そこで、先端部にアースオーガを取り付けたクレーンを搭載してなる穴掘建柱車(特許文献1)を使用して、前記アースオーガーのオーガスクリューで固い地盤や岩盤を掘削してから油圧式杭圧入機を使用して鋼管矢板を圧入する工法が提案されている。
しかし、前記穴掘建柱車は搭載したクレーンの先端部にアースオーガを回動可能に取り付けた構造であるため掘削作業の作業半径が小さく、掘削場所の近くに穴掘建柱車を配置しないと垂直状態で地盤や岩盤を掘削することができない。
このため、掘削場所の近くに前記穴掘建柱車を配置するための堅固な作業構台を建設現場に設ける必要がある。また、掘削した後に鋼管矢板を圧入していくと掘削場所の近くに前記穴掘建柱車を配置するための堅固な作業構台を順次設ける必要がある。従って、前記作業構台の構築及び作業構台の取り壊し等の煩雑な作業が別途必要になるという不具合がある。
そこで、アースオーガをクレーンで垂直状に吊り下げ、吊り下げたアースオーガのオーガスクリューを鋼管矢板に挿通して鋼管矢板の内側を垂直状に掘削しながら油圧式杭圧入機を使用して鋼管矢板を圧入する工法が提案されている。
しかし、この場合、掘削する地盤や岩盤の固さ条件等によっては掘削時にオーガスクリューが受ける摩擦抵抗が大きくなり摩擦抵抗がクレーンに垂直状に吊り下げられているアースオーガに伝わり、これによりアースオーガのモータ自体が回ってしまってモータの駆動力がオーガスクリューに伝わり難くなってオーガスクリューによる円滑な掘削が困難になる場合がある。
請求項2の発明は、油圧式杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に使用される鋼管圧入補助装置であって、クレーンによって吊り下げられると共に前記鋼管矢板に挿入可能に形成された円筒形状のケーシングと、このケーシングの上端面に固定されたアースオーガのモータと、前記ケーシングに挿通されて先端部がケーシングの下端面より突出するように配設された前記アースオーガのオーガスクリューと、前記ケーシングの外周面に固定された第1係止体と、前記鋼管矢板の内周面に設けられると共に前記第1係止体と係止することにより協働して前記オーガスクリューの掘削作業時に前記モータ自体が回るのを阻止する第2係止体と、を有してなることを特徴としている。
請求項3の発明は、杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、杭圧入機に圧入する鋼管を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの外周面に形成されている第1係止体を前記杭圧入機に挟持されている鋼管の内周面に形成されている第2係止体に対応させてケーシングを鋼管に挿入し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記杭圧入機で前記鋼管を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管を圧入することを特徴としている。
請求項4の発明は、油圧式杭圧入機で鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、油圧式杭圧入機に圧入する鋼管矢板を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの外周面に形成されている第1係止体を前記油圧式杭圧入機に挟持されている鋼管矢板の内周面に形成されている第2係止体に対応させてケーシングを鋼管矢板に挿入し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記油圧式杭圧入機で前記鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管矢板を圧入することを特徴としている。
本発明の鋼管圧入補助装置を使用した鋼管圧入工法は、杭圧入機が鋼管を固い地盤や岩盤に圧入する前にオーガスクリューが固い地盤や岩盤を円滑に掘削することができるので、前記杭圧入機は円滑に鋼管を圧入することができるという優れた効果を有する。
また、本発明の鋼管圧入補助装置を使用した鋼管圧入工法は、鋼管圧入補助装置のケーシングに形成された第1係止体は杭圧入機に強固に挟持されている鋼管の内周面に形成された第2係止体にガイドされながら下降するので、従来工法に比べてオーガスクリューの掘削精度を高めることができるという優れた効果を有する。
図1及び図3には本発明の鋼管圧入補助装置10が油圧式杭圧入機1の後方に配設されたクレーン車4のクレーン4Aのフック4Bに吊り下げられた状態で示されている。なお、前記クレーン車4のクレーン4Aには前記フック4Bの他に前記鋼管矢板2を吊り下げる鋼管矢板用ワイヤー4Cが設けられている。
図4に示されるように、鋼管圧入補助装置10の構成部材である円筒形状のケーシング12の外径寸法は油圧式杭圧入機1で地盤3に圧入される鋼管矢板2の内径寸法より小径に形成されている。従って、前記ケーシング12は鋼管矢板2の上部2Aから挿入できるようになっている。なお、図1及び図4に示す前記ケーシング12は縦断面図で示されている。
図1及び図4に示されるように、前記鋼管圧入補助装置10のケーシング12の上端面12Aには鋼管圧入補助装置10の構成部材であるアースオーガ14のモータ16が載置された状態で固定されている。このアースオーガ14は公知のアースオーガでありモータ16の下部にはジョイント部材17を介して長尺状のオーガスクリュー18が着脱可能に取り付けられている。
図1に示されるように、前記アースオーガ14のオーガスクリュー18は前記ケーシング12を挿通すると共にオーガスクリュー18の先端部18Aは前記ケーシング12の下端面12Bより突出するように配設されている。従って、前記アースオーガ14のモータ16を始動させると前記オーガスクリュー18が回転して地盤3を掘削できるようになっている。
図1及び図3に示されるように、前記ケーシング12の外周面には上下方向に沿ってケーシング12と略同じ長さの第1係止体としての係止凹体20が180°の間隔をおいて2個固定されている。この係止凹体20はレール20A,20Aをケーシング12の外周面に縦方向に向って並行に固定することにより構成されている。
図2及び図3に示されるように、前記係止凹体20のレール20Aとレール20Aの間には係止体収容部22が形成されている。
図2及び図4に示されるように、前記鋼管矢板2の上部2Aの内周面には第2係止体としての係止凸体24が互いに対向して溶接等の適宜手段で2個突設されている。これら係止凸体24は前記ケーシング12の外周面に形成された前記係止凹体20の係止体収容部22にそれぞれ収容されるようになっている。また、前記鋼管矢板2の外周面には継手2B,2Bが溶接等の適宜手段で固定され、鋼管矢板2を連続状態に連結できるようになっている。従って、前記鋼管矢板2は上部2Aの内周面に係止凸体24を設けた点だけが公知の鋼管矢板と相違するだけであり、他の構成は公知の鋼管矢板と同じ構造である。
図1及び図4に示されるように、前記アースオーガ14には吊下用ワイヤー28が取り付けられている。この吊下用ワイヤー28は前記鋼管圧入補助装置10を吊り下げるクレーン車4のクレーン4Aのフック4Bに係止されるようになっている。
準備段階として前記鋼管矢板2を埋設する基礎工事現場に油圧式杭圧入機1を配設する。また、前記鋼管矢板2を吊り下げて油圧式杭圧入機1に提供すると共に鋼管圧入補助装置10を吊り下げるクレーン車4を配設する。なお、前記鋼管矢板2の上部2A(圧入される場合に上方に位置する方)の内周面には予め前記係止凸体24が互いに対向した状態で2個突設固定されている。
最初に、前記クレーン車4は用意されている前記鋼管矢板2をクレーン4Aに設けられた鋼管矢板用ワイヤー4Cで吊り上げてから前記油圧式杭圧入機1に提供する。図4に示されるように、この鋼管矢板2を提供された油圧式杭圧入機1は鋼管矢板2の上部2Aが上方になるように鋼管矢板2を垂直に立てた状態でチャック部1Aで強固に挟持する。
次に、前記クレーン車4はクレーン4Aのフック4Bを鋼管圧入補助装置10の吊下用ワイヤー28に係止して前記鋼管圧入補助装置10を垂直状に吊り上げてから、鋼管圧入補助装置10のケーシング12を前記油圧式杭圧入機1が挟持している前記鋼管矢板2の上部2Aから挿入する。この時、前記ケーシング12に突設されている係止凹体20の係止体収容部22と鋼管矢板2の上部2Aの内周面に突設されている係止凸体24が対応するように位置決めを行い、ケーシング12の係止体収容部22に鋼管矢板2の係止凸体24が収容されるようにケーシング12を吊り降ろす。
従って、図2に示されるように、前記ケーシング12に固定された係止凹体20の係止体収容部22に鋼管矢板2の係止凸体24が収容された状態になる。
そして、前記鋼管圧入補助装置10をさらに降下させて前記アースオーガ14のモータ16を始動させてオーガスクリュー18を回転させる。これによりケーシング12の下端面12Bよりも下に突出したオーガスクリュー18の先端部18Aが地盤3を掘削し始める。
前記オーガスクリュー18が掘削を開始して地盤3の固さ条件等によってオーガスクリュー18に大きな摩擦抵抗が生じる場合がある。この時、大きな摩擦抵抗がオーガスクリュー18を介してアースオーガ14のモータ16に伝わりモータ16自体が回ろうとしても図2に示されるようにモータ16が固定されているケーシング12の係止凹体20の係止体収容部22には油圧式杭圧入機1のチャック部1Aに強固に挟持されている鋼管矢板2の内周面に突設された係止凸体24が収容されている。このため、前記モータ16自体、ケーシング12自体が回ろうとしても前記係止凸体24によって阻止される。
従って、地盤3の掘削時に前記オーガスクリュー18に大きな摩擦抵抗が作用してもモータ16が固定されているケーシング12は油圧式杭圧入機1のチャック部1Aに強固に挟持されている鋼管矢板2によって回ることを阻止される。
このため、前記アースオーガ14のモータ16自体が回ることが無いので、モータ16の駆動力がスムーズにオーガスクリュー18に伝わり、地盤3が固くてもオーガスクリュー18は円滑に掘削を行うことができる。
この結果、油圧式杭圧入機1で鋼管矢板2を圧入する場合に先に鋼管圧入補助装置10のオーガスクリュー18によって固い地盤3は掘削されるため、前記油圧式杭圧入機1で前記鋼管矢板2を地盤3に円滑に圧入することができる。
また、オーガスクリュー18が地盤3を掘削する場合、前記鋼管圧入補助装置10のケーシング12は油圧式杭圧入機1に強固に挟持されている鋼管矢板2の係止凸体24にガイドされながら下降する状態になるので、従来工法に比べてオーガスクリュー18は高精度で地盤3を掘削することができ、これによりオーガスクリュー18による掘削精度を高めることができる。
従って、例えば図5に示されるように、前記係止凹体20を小型に形成したり、あるいは図6に示されるように前記ケーシング12の外周面にレール20Aを1本ずつ設け、鋼管矢板2の係止凸体24と係止させるような構成にしてもよいことは勿論である。
また、実施例では鋼管を圧入する杭圧入機として油圧式杭圧入機1を例にして示したが、鋼管を圧入する杭圧入機であれば油圧式杭圧入機1に限定されるものでないことは勿論である。
なお、実施例ではケーシング12に係止凹体20を2個設け、鋼管矢板2に係止凸体24を2個設けた例を示したが、ケーシング12及び鋼管矢板2に固定する前記係止凹体20及び係止凸体24は1個でも、3個以上でもよいことは勿論である。
2 鋼管矢板
10 鋼管圧入補助装置
12 ケーシング
14 アースオーガ
16 モータ
18 オーガスクリュー
20 係止凹体
22 係止体収容部
24 係止凸体
Claims (4)
- 杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に使用される鋼管圧入補助装置であって、吊り下げられた状態で前記鋼管に挿入可能に形成されたケーシングと、このケーシングに固定されたアースオーガのモータと、前記ケーシングに挿通されて先端部がケーシングの下端面より突出するように配設された前記アースオーガのオーガスクリューと、前記ケーシングの外周面に固定された第1係止体と、前記鋼管の内周面に設けられて前記第1係止体と協働して前記オーガスクリューの掘削作業時に前記モータ自体が回るのを阻止する第2係止体と、を有してなることを特徴とする鋼管圧入補助装置。
- 油圧式杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に使用される鋼管圧入補助装置であって、クレーンによって吊り下げられると共に前記鋼管矢板に挿入可能に形成された円筒形状のケーシングと、このケーシングの上端面に固定されたアースオーガのモータと、前記ケーシングに挿通されて先端部がケーシングの下端面より突出するように配設された前記アースオーガのオーガスクリューと、前記ケーシングの外周面に固定された第1係止体と、前記鋼管矢板の内周面に設けられると共に前記第1係止体と係止することにより協働して前記オーガスクリューの掘削作業時に前記モータ自体が回るのを阻止する第2係止体と、を有してなることを特徴とする鋼管圧入補助装置。
- 杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、杭圧入機に圧入する鋼管を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの外周面に形成されている第1係止体を前記杭圧入機に挟持されている鋼管の内周面に形成されている第2係止体に対応させてケーシングを鋼管に挿入し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記杭圧入機で前記鋼管を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管を圧入することを特徴とする鋼管圧入補助装置を使用した鋼管圧入工法。
- 油圧式杭圧入機で鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、油圧式杭圧入機に圧入する鋼管矢板を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの外周面に形成されている第1係止体を前記油圧式杭圧入機に挟持されている鋼管矢板の内周面に形成されている第2係止体に対応させてケーシングを鋼管矢板に挿入し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記油圧式杭圧入機で前記鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管矢板を圧入することを特徴とする鋼管圧入補助装置を使用した鋼管圧入工法。
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JP2009084822A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Shinei Kk | 鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法 |
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