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JP2007280749A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

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JP2007280749A JP2006104951A JP2006104951A JP2007280749A JP 2007280749 A JP2007280749 A JP 2007280749A JP 2006104951 A JP2006104951 A JP 2006104951A JP 2006104951 A JP2006104951 A JP 2006104951A JP 2007280749 A JP2007280749 A JP 2007280749A
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electrolyte secondary
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Karin Tsuda
果林 津田
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Abstract

【課題】セパレータの特性の劣化を低減することにより、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池は、正極22と、負極23と、セパレータ24と、高分子化合物および電解液を含有するゲル電解質層25を有する。セパレータ24のガーレー透気度は、80sec/100cc〜300sec/ccの範囲内であり、これにより、優れたサイクル特性を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、非水電解質二次電池に関し、さらに詳しくは、正極、負極、非水電解質およびセパレータにより構成される非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノートブック型パーソナルコンピュータなどをはじめとする電子機器のコードレス化、ポータブル化が進み、薄型、小型、軽量の携帯電子機器が次々と開発されている。また、機器や機能の多様化によって電力使用量が増加しており、それら電子機器のエネルギー源である電池のより一層の高容量化・軽量化に対する要求が高まっている。そこで、この要求に応えるべく、非水電解質二次電池、中でもリチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン二次電池に関して、種々の提案がなされている。
従来のリチウムイオン二次電池では、正極にコバルト酸リチウムおよび負極には炭素材料が使用されており、作動電圧が4.2Vから2.5Vの範囲で用いられてきた。単電池において、端子電圧を4.2Vまで上げられるのは、非水電解質材料やセパレータ等の優れた電気化学的安定性によるところが大きい。
ところで、従来の最大4.2Vで作動するリチウムイオン二次電池に用いられるコバルト酸リチウム等の正極活物質は、その理論容量に対して6割程度の容量を活用しているに過ぎず、さらに充電電圧を上げることにより、残存容量を活用することが原理的に可能である。実際、例えば特許文献1にて開示されているように、充電時の電圧を4.25V以上にすることにより、高エネルギー密度化を実現できることが知られている。
国際公開第03/019713号パンフレット
しかしながら、4.25V以上の高電圧下においては、電解液の酸化分解等の反応が起こり易くなり、この反応により発生する生成物などによりセパレータが目詰まりすることによって、セパレータのイオン伝導度が低下するため、サイクル特性の劣化が大きくなる問題がある。セパレータの透気度を低くすることで、サイクル特性の劣化を抑制できるが、透気度を過剰に低くすると、セパレータの実強度が低くなるため、電池作製時のセパレータの破断、活物質の突き抜け、短絡が生じるおそれがある。
したがって、この発明の目的は、一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V〜4.50Vの範囲内である非水電解質二次電池において、セパレータの特性の劣化を低減することにより、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明は、
正極と、負極と、セパレータと、高分子化合物および電解液を含有するゲル電解質とを有し、
一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V〜4.50Vの範囲内である非水電解質二次電池であって、
セパレータのガーレー透気度は、80sec/100cc〜300sec/100ccの範囲内であること
を特徴とする非水電解質二次電池である。
この発明では、セパレータは、ポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。
この発明では、高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデン、またはビニリデンフルオロライドとヘキサフルオロプロピレンの共重合体であり、電解液は、炭酸エステル化合物およびリチウム塩を含むことが好ましい。
この発明では、炭酸エステル化合物は、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とを含み、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との重量比(プロピレンカーボネート(PC)/エチレンカーボネート(EC))は、20/80〜50/50の範囲内であることが好ましい。
この発明では、セパレータのガーレー透気度は、80sec/100cc〜300sec/100ccの範囲内であるので、セパレータの特性の劣化を低減することができる。
この発明によれば、セパレータの特性劣化を低減することにより、優れたサイクル特性を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の構成を示す。
この二次電池では、例えば、一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧は、良好なサイクル特性と、十分な初期容量を得ることができる点から、4.25V〜4.50Vが好ましい。
この非水電解質二次電池は、電池素子10を防湿性ラミネートフィルムからなる外装材7に収容し、電池素子10の周囲を溶着することにより封止してなる。電池素子10には、正極リード2および負極リード3が備えられ、これらのリードは、外装材7に挟まれて外部へと引き出される。正極リード2および負極リード3のそれぞれの両面には、外装材7との接着性を向上させるために樹脂片4および樹脂片5が被覆されている。
[外装材]
外装材7は、例えば、接着層、金属層、表面保護層を順次積層した積層構造を有する。接着層は高分子フィルムからなり、この高分子フィルムを構成する材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。金属層は金属箔からなり、この金属箔を構成する材料としては、例えばアルミニウム(Al)が挙げられる。また、金属箔を構成する材料としては、アルミニウム以外の金属を用いることも可能である。表面保護層を構成する材料としては、例えばナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。なお、接着層側の面が、電池素子10を収納する側の収納面となる。
この外装材7の最も一般的な構成は、表面保護層/金属層/接着層がPET/Al/PEである。また、この組み合わせに限らず、表面保護層/金属層/接着層の構成において、Ny/Al/CPP、PET/Al/CPP、PET/Al/PET/CPP、PET/Ny/Al/CPP、PET/Ny/Al/Ny/CPP、PET/Ny/Al/Ny/PE、Ny/PE/Al/LLDPE、PET/PE/Al/PET/LDPEおよびPET/Ny/Al/LDPE/CPP等の組み合わせを採用することもできる。なお、金属層にAl以外の金属を採用し得ることはもちろんである。
[電池素子]
この電池素子10は、例えば、図2に示すように、両面にゲル電解質層25が設けられた帯状の負極23と、セパレータ24と、両面にゲル電解質層25が設けられた帯状の正極22と、セパレータ24とを積層し、長手方向に巻回されてなる巻回型の電池素子10である。
[正極]
正極22は、帯状の正極集電体22Aと、この正極集電体22Aの両面に形成された正極合剤層22Bとからなる。なお、正極集電体22Aの片面のみに正極合剤層22Bが設けられた領域を有するようにしてもよい。正極22の長手方向の一端部には、例えばスポット溶接または超音波溶接で接続された正極リード2が設けられている。この正極リード2の材料としては、例えばアルミニウム(Al)等の金属を用いることができる。
正極集電体22Aは、例えばアルミニウム(Al)などからなる金属箔である。正極合剤層22Bは、例えば、正極活物質を含んでおり、必要に応じてグラファイトなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とを含んでいてもよい。
正極活物質としては、リチウムを含有する化合物、例えばリチウム酸化物,リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするには、正極活物質としてLixMO2を主体とするリチウム複合酸化物を含んでいることが好ましい。なお、Mは1種類以上の遷移金属が好ましく、具体的には、コバルト(Co),ニッケル(Ni),マンガン(Mn),鉄(Fe),アルミニウム(Al),バナジウム(V)およびチタン(Ti)からなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。また、xは、電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、例えば、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)あるいはLicNidCo1-d2(c≒1、0<d<1である。)が挙げられる。また、リチウム複合酸化物としては、スピネル構造を有するLieMn24(e≒1)、あるいは、オリビン構造を有するLifFePO4(f≒1)が挙げられる。
例えば、一般式としては以下に述べる化1〜化2で表された組成を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。
(化1)
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z
(M1は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
(化2)
LiaM2bPO4
(M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
[負極]
負極23は、帯状の負極集電体23Aと、この負極集電体23Aの両面に形成された負極合剤層23Bとからなる。なお、負極集電体23Aの片面のみに負極合剤層23Bが設けられた領域を有するようにしてもよい。負極23の長手方向の一端部にも正極22と同様に、例えばスポット溶接または超音波溶接で接続された負極リード3が設けられている。この負極リード3の材料としては、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)等を用いることができる。
負極集電体23Aは、例えば、銅(Cu)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス(SUS)箔などの金属箔により構成されている。負極合剤層23Bは、例えば、負極活物質を含んでおり、必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料(以下、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料と適宜称する。)を含んでいる。リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料としては、例えば、炭素材料、金属化合物、酸化物、硫化物、LiN3などのリチウム窒化物、リチウム金属、リチウムと合金を形成する金属、あるいは高分子材料などが挙げられる。
炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロール等が挙げられる。
このようなリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料のなかでも、充放電電位が比較的リチウム金属に近いものが好ましい。負極23の充放電電位が低いほど電池の高エネルギー密度化が容易となるからである。なかでも炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性を得ることができるので好ましい。
リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料としては、また、リチウム金属単体、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が挙げられる。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうち2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム(Al),インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。これらの合金あるいは化合物としては、例えば、化学式MasMbtLiu、あるいは化学式MapMcqMdrで表されるものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはリチウムおよびMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表す。また、s、t、u、p、qおよびrの値はそれぞれs>0、t≧0、u≧0、p>0、q>0、r≧0である。
なかでも、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
この他、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなど、リチウムを含まない無機化合物も、正負極のいずれかに用いることができる。
[電解質]
電解質であるゲル電解質層25は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。
電解液としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートあるいはジプロピルカーボネートなどの炭酸エステル化合物、γーブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチルなどが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、非水溶媒としては、炭酸エステル化合物を含むものが好ましく、なかでも、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとを含むものがより好ましい。非水溶媒がエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとを含むものである場合、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの重量比(EC/PC)は、良好なサイクル特性と、十分な初期容量を得ることができる点から、20/80〜50/50の範囲が好ましい。
電解質塩であるリチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C654、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、LiBF2(ox)、LiBOB、あるいはLiBrが適当であり、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いることができる。なかでも、LiPF6は、高いイオン伝導性を得ることができるとともに、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオロライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレンオキサイドあるいはポリメタクリニトリルを繰り返し単位として含むものなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が好ましい。また、高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[セパレータ]
セパレータ24は、正極22と負極23とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ24としては、例えばポリオレフィン樹脂を含むものであることが好ましく、ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。
また、セパレータ24としては、ガーレー透気度が80sec/100cc〜300sec/100ccの範囲内であるものが好ましい。ガーレー透気度が80sec/100cc未満であると、初回充電時の短絡により充放電ができなくなるからである。ガーレー透気度が300sec/100ccを超えると、充放電サイクル時の分解物による影響等でイオンの移動が阻害されるため、サイクル特性がより劣化するからである。なお、ガーレー透気度は、JIS P8117に準拠して測定され、1.22kPa圧で100ccの空気が膜を透過する秒数を示す。
次に、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の製造方法について説明する。
正極22は、以下に述べるようにして作製する。まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて正極合剤スラリーとする。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させた後、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極合剤層22Bを形成し、正極22を作製する。
負極23は、以下に述べるようにして作製する。まず、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーとする。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体23Aに塗布し溶剤を乾燥させた後、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極合剤層23Bを形成し、負極23を作製する。
次に、正極22および負極23のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させてゲル電解質層25を設ける。なお、予め正極集電体の端部に正極リード2を溶接により取り付けるとともに、負極集電体23Aの端部に負極リード3を溶接により取り付けるようにする。
次に、ゲル電解質層25が形成された正極22と負極23とを、セパレータ24を介して積層し積層体とした後、この積層体をその長手方向に巻回して、巻回型の電池素子10を形成する。
次に、ラミネートフィルムからなる外装材7を深絞り加工することで凹部6を形成し、電池素子10をこの凹部6に挿入し、外装材7の未加工部分を凹部6上部に折り返し、凹部6の外周部分を熱溶着し密封する。以上により、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池が作製される。
この発明の具体的な実施例について説明する。なお、この発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<サンプル1>
まず、正極を以下のようにして作製した。正極を作製するには、まず、コバルト酸リチウム(LiCoO2)94wt%と、粉状ポリフッ化ビニリデン3wt%と、粉状黒鉛3wt%とを、N−メチルピロリドンに分散させてスラリー状の正極合剤に調製した。
次に、この正極合剤を、正極集電体となるアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより正極合剤層を形成した。そして、これをロールプレス機で加圧成形することにより正極シートとし、当該正極シートを50mm×350mmの帯状に切り出して正極とした。正極合剤の不塗布部分にアルミニウムリボンのリードを溶接した。
次に、負極を以下のようにして作製した。負極を作製するには、人造黒鉛を94wt%と、粉状ポリフッ化ビニリデンを6wt%とを、N−メチルピロリドンに分散させてスラリー状の負極合剤を調製した。
次に、この負極合剤を、負極集電体となる銅箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより負極合剤層を形成した。そして、これをロールプレス機で加圧成形することにより負極シートとし、当該負極シートを52mm×370mmの帯状に切り出して負極とした。また、負極合剤の不塗布部分には、ニッケルリボンのリードを溶接した。
次に、ゲル電解質層を以下のようにして形成した。まず、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)が6.9wt%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、非水電解液と、希釈溶剤のジメチルカーボネートとを混合し、撹拌、溶解させ、ゾル状の電解質溶液を得た。非水電解液は、非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とを50:50の重量比で混合し、電解質塩としてのLiPF6が0.7mol/kgとなるように溶解させて調製した。
次に、得られたゾル状の電解質溶液を正極および負極の両面に均一に塗布した。その後、乾燥させて溶剤を除去した。このようにして、正極および負極の両面にゲル電解質層を形成した。
次に、上述のようにして作製された、両面にゲル電解質層が形成された帯状の正極と、両面にゲル電解質層が形成された帯状の負極とをセパレータを介して長手方向に巻回することにより電池素子を得た。セパレータには、ポリエチレン(PE)延伸フィルムよりなる、ガーレー透気度60sec/100ccのセパレータを用いた。
最後に、この電池素子を、アルミニウム箔が一対の樹脂フィルムで挟まれてなる外装フィルムで挟み、外装フィルムの外周縁部を減圧下で熱融着することによって封口し、電池素子を外装フィルムで包装した。なお、正極リードと負極リードに樹脂片をあてがった部分を外装フィルムの封口部に挟み込んだ。以上により、サンプル1の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル2>
ガーレー透気度80sec/100ccのセパレータを用いた点以外は、サンプル1と同様にしてサンプル2の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル3>
ガーレー透気度150sec/100ccのセパレータを用いた点以外は、サンプル1と同様にしてサンプル3の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル4>
ガーレー透気度250sec/100ccのセパレータを用いた点以外は、サンプル1と同様にしてサンプル4の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル5>
ガーレー透気度300sec/100ccのセパレータを用いた点以外は、サンプル1と同様にしてサンプル5の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル6>
ガーレー透気度330sec/100ccのセパレータを用いた点以外は、サンプル1と同様にしてサンプル6の非水電解質二次電池を作製した。
サンプル1〜サンプル6の電池の充放電試験を行い、初期効率、初期容量、容量維持率を求めた。サンプル1〜サンプル6では、4.2V、4.25V、4.3V、4.35V、4.4V、4.45V、4.5V、4.55Vの充電電圧で充放電試験を行った。
充放電試験では、充電は、720mAの定電流で電池電圧がそれぞれ上記電圧に達した時点で、定電圧充電に切り替え、充電時間の総計が4時間に達するまで行った。放電は、0.2C(144mA)の定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。
初期効率は、1サイクル目の充電容量に対する1サイクル目の放電容量の比率を下記式1により算出した。
(式1)
初期効率(%)=(「1サイクル目の放電容量」/「1サイクル目の充電容量」)×100(%)
初期容量は、1サイクル目の放電容量を初期容量とした。
容量維持率は、1サイクル目の放電容量に対する200サイクル目の放電容量の比率を下記式2により求めた。なお、容量維持率を求める際の充放電試験では、充電は、830mAの定電流で電池電圧がそれぞれ上記電圧に達した時点で、定電圧充電に切り替え、充電時間の総計が4時間に達するまで行った。放電は、830mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。
(式2)
容量維持率(%)=(「200サイクル目の放電容量」/「1サイクル目の放電容量」)×100(%)
表1にサンプル1〜サンプル6の初期効率を示す。表2にサンプル1〜サンプル6の初期容量を示す。表3にサンプル1〜サンプル6の容量維持率を示す。
Figure 2007280749
Figure 2007280749
Figure 2007280749
表1に示すように、ガーレー透気度が80sec/100cc未満であると、充電時の活物質の突き抜け等により短絡が生じたため、初期効率が低下することがわかる。表2および表3に示すように、充電電圧が4.25V未満であると、サイクル特性は良好であるが、初期容量が低下することがわかる。充電電圧が4.50Vを超えると、初期容量は大きくなるが、サイクル時に電解液の酸化分解等の反応が起こるため、サイクル特性が低下することがわかる。また、ガーレー透気度が80sec/100cc未満であると、初回充電時の短絡により充放電ができなくなる。ガーレー透気度が300sec/100ccを超えると、サイクル時の分解物による影響等でイオンの移動が阻害されるためサイクル特性が低下する。以上より、充電電圧は、4.25V〜4.50Vが好ましく、セパレータのガーレー透気度は、80sec/100cc〜300sec/100ccが好ましいことがわかる。
なお、上述の評価は、以下の基準値以上を良好なものとした判断に基づくものである。
初期効率:85%
初期容量:830mAh
容量維持率:85%
<サンプル7>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を100/0とした。この他は、サンプル1と同様にしてサンプル7の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル8>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を70/30とした点以外は、サンプル7と同様にしてサンプル8の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル9>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を55/45とした点以外は、サンプル7と同様にしてサンプル9の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル10>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を50/50とした点以外は、サンプル7と同様にしてサンプル10の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル11>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を30/70とした点以外は、サンプル7と同様にしてサンプル11の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル12>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を20/80とした点以外は、サンプル7と同様にしてサンプル12の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル13>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を15/85とした点以外は、サンプル7と同様にしてサンプル13の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル14>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を0/100とした点以外は、サンプル7と同様にしてサンプル14の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル15>
ガーレー透気度80sec/100ccのセパレータを用いた。ECとPCとの重量比(EC/PC)を100/0とした。この他は、サンプル1と同様にしてサンプル15の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル16>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を70/30とした点以外は、サンプル15と同様にしてサンプル16の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル17>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を55/45とした点以外は、サンプル15と同様にしてサンプル17の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル18>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を50/50とした点以外は、サンプル15と同様にしてサンプル18の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル19>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を30/70とした点以外は、サンプル15と同様にしてサンプル19の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル20>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を20/80とした点以外は、サンプル15と同様にしてサンプル20の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル21>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を15/85とした点以外は、サンプル15と同様にしてサンプル21の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル22>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を0/100とした点以外は、サンプル15と同様にしてサンプル22の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル23>
ガーレー透気度150sec/100ccのセパレータを用いた。ECとPCとの重量比(EC/PC)を100/0とした。この他は、サンプル1と同様にしてサンプル23の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル24>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を70/30とした点以外は、サンプル23と同様にしてサンプル24の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル25>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を55/45とした点以外は、サンプル23と同様にしてサンプル25の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル26>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を50/50とした点以外は、サンプル23と同様にしてサンプル26の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル27>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を30/70とした点以外は、サンプル23と同様にしてサンプル27の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル28>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を20/80とした点以外は、サンプル23と同様にしてサンプル28の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル29>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を15/85とした点以外は、サンプル23と同様にしてサンプル29の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル30>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を0/100とした点以外は、サンプル23と同様にしてサンプル30の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル31>
ガーレー透気度250sec/100ccのセパレータを用いた。ECとPCとの重量比(EC/PC)を100/0とした。この他は、サンプル1と同様にしてサンプル31の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル32>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を70/30とした点以外は、サンプル31と同様にしてサンプル32の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル33>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を55/45とした点以外は、サンプル31と同様にしてサンプル33の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル34>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を50/50とした点以外は、サンプル31と同様にしてサンプル34の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル35>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を30/70とした点以外は、サンプル31と同様にしてサンプル35の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル36>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を20/80とした点以外は、サンプル31と同様にしてサンプル36の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル37>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を15/85とした点以外は、サンプル31と同様にしてサンプル37の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル38>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を0/100とした点以外は、サンプル31と同様にしてサンプル38の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル39>
ガーレー透気度300sec/100ccのセパレータを用いた。ECとPCとの重量比(EC/PC)を100/0とした。この他は、サンプル1と同様にしてサンプル39の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル40>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を70/30とした点以外は、サンプル39と同様にしてサンプル40の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル41>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を55/45とした点以外は、サンプル39と同様にしてサンプル41の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル42>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を50/50とした点以外は、サンプル39と同様にしてサンプル42の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル43>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を30/70とした点以外は、サンプル39と同様にしてサンプル43の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル44>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を20/80とした点以外は、サンプル39と同様にしてサンプル44の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル45>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を15/85とした点以外は、サンプル39と同様にしてサンプル45の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル46>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を0/100とした点以外は、サンプル39と同様にしてサンプル46の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル47>
ガーレー透気度330sec/100ccのセパレータを用いた。ECとPCとの重量比(EC/PC)を100/0とした。この他は、サンプル1と同様にしてサンプル47の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル48>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を70/30とした点以外は、サンプル47と同様にしてサンプル48の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル49>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を55/45とした点以外は、サンプル47と同様にしてサンプル49の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル50>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を50/50とした点以外は、サンプル47と同様にしてサンプル50の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル51>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を30/70とした点以外は、サンプル47と同様にしてサンプル51の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル52>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を20/80とした点以外は、サンプル47と同様にしてサンプル52の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル53>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を15/85とした点以外は、サンプル47と同様にしてサンプル53の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル54>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を0/100とした点以外は、サンプル47と同様にしてサンプル54の非水電解質二次電池を作製した。
サンプル7〜サンプル54の電池の充放電試験を行い、初期容量、容量維持率を求めた。充放電試験では、充電は、720mAの定電流で電池電圧が4.35Vに達した時点で、定電圧充電に切り替え、充電時間の総計が4時間に達するまで行った。放電は、0.2C(144mA)の定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。
初期容量は、1サイクル目の放電容量を初期容量とした。
容量維持率は、1サイクル目の放電容量に対する200サイクル目の放電容量の比率を下記式3により求めた。なお、容量維持率を求める際の充放電試験では、充電は、830mAの定電流で電池電圧が4.35Vに達した時点で、定電圧充電に切り替え、充電時間の総計が4時間に達するまで行った。放電は、830mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。
(式3)
容量維持率(%)=(「200サイクル目の放電容量」/「1サイクル目の放電容量」)×100(%)
表4にサンプル7〜サンプル54の初期容量を示す。表5にサンプル7〜サンプル54の容量維持率を示す。
Figure 2007280749
Figure 2007280749
表4、表5に示すように、ECとPCとの重量比(EC/PC)が20/80未満になると、初期容量が低下することがわかる。また、ECとPCとの重量比(EC/PC)が50/50を超えるとサイクル特性が低下することがわかる。以上より、ECとPCとの重量比(EC/PC)は、20/80〜50/50の範囲が好ましいことがわかる。
なお、上述の評価は、以下の基準値以上を良好なものとした判断に基づくものである。
初期容量:830mAh
容量維持率:85%
<サンプル55>
ガーレー透気度150sec/100ccのセパレータを用いた。ECとPCとの重量比(EC/PC)を100/0とした。この他は、サンプル1と同様にしてサンプル55の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル56>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を70/30とした点以外は、サンプル55と同様にしてサンプル56の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル57>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を55/45とした点以外は、サンプル55と同様にしてサンプル57の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル58>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を50/50とした点以外は、サンプル55と同様にしてサンプル58の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル59>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を30/70とした点以外は、サンプル55と同様にしてサンプル59の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル60>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を20/80とした点以外は、サンプル55と同様にしてサンプル60の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル61>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を15/85とした点以外は、サンプル55と同様にしてサンプル61の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル62>
ECとPCとの重量比(EC/PC)を0/100とした点以外は、サンプル55と同様にしてサンプル62の非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル63〜サンプル118>
サンプル55〜サンプル62と同様にして、サンプル63〜サンプル70、サンプル71〜サンプル78、サンプル79〜サンプル86、サンプル87〜サンプル94、サンプル95〜サンプル102、サンプル103〜サンプル110、サンプル111〜サンプル118の非水電解質二次電池を作製した。
サンプル55〜サンプル118の電池の充放電試験を行い、初期容量、容量維持率を求めた。サンプル55〜サンプル62では、4.20Vの充電電圧で充放電試験を行った。サンプル63〜サンプル70では、4.25Vの充電電圧で充放電試験を行った。サンプル71〜サンプル78では、4.30Vの充電電圧で充放電試験を行った。サンプル79〜サンプル86では、4.35Vの充電電圧で充放電試験を行った。サンプル87〜サンプル94では、4.40Vの充電電圧で充放電試験を行った。サンプル95〜サンプル102では、4.45Vの充電電圧で充放電試験を行った。サンプル103〜サンプル110では、4.50Vの充電電圧で充放電試験を行った。サンプル111〜サンプル118では、4.55Vの充電電圧で充放電試験を行った。
充放電試験では、充電は、720mAの定電流で電池電圧が上記充電電圧に達した時点で、定電圧充電に切り替え、充電時間の総計が4時間に達するまで行った。放電は、0.2C(144mA)の定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。
初期容量は、1サイクル目の放電容量を初期容量とした。
容量維持率は、1サイクル目の放電容量に対する200サイクル目の放電容量の比率を下記式4により求めた。なお、容量維持率を求める際の充放電試験では、充電は、830mAの定電流でそれぞれ上記充電電圧に達した時点で、定電圧充電に切り替え、充電時間の総計が4時間に達するまで行った。放電は、830mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。
(式4)
容量維持率(%)=(「200サイクル目の放電容量」/「1サイクル目の放電容量」)×100(%)
表6にサンプル55〜サンプル118の初期容量を示す。表7にサンプル55〜サンプル118の容量維持率を示す。
Figure 2007280749
Figure 2007280749
表6に示すように、充電電圧が4.25V以上であると、初期容量は大きくなるが、表7に示すように、充電電圧が4.50Vを超えると、容量維持率は小さくなる。以上より、充電電圧は、4.25V〜4.50Vの範囲内が好ましいことがわかる。
なお、上述の評価は、以下の基準値以上を良好なものとした判断に基づくものである。
初期容量:830mAh
容量維持率:85%
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述の実施の形態および実施例においては、巻回構造を有するゲル状電解質二次電池について説明したが、この発明は、巻回構造を有する円筒型、楕円型、あるいは多角形型の二次電池、または正極および負極を折り畳んだりあるいは積み重ねた構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、いわゆるコイン型、ボタン型あるいはカード型などの二次電池についても適用することができる。
この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の構造を示す概略図である。 図1に示した電池素子の一部の拡大断面である。
符号の説明
2・・・正極リード
3・・・負極リード
4,5・・・樹脂片
6・・・凹部
7・・・外装材
10・・・電池素子
22・・・正極
22A・・・正極集電体
22B・・・正極合剤層
23・・・負極
23A・・・負極集電体
23B・・・負極合剤層
24・・・セパレータ
25・・・ゲル電解質層

Claims (4)

  1. 正極と、負極と、セパレータと、高分子化合物および電解液を含有するゲル電解質とを有し、
    一対の上記正極および上記負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V〜4.50Vの範囲内である非水電解質二次電池であって、
    上記セパレータのガーレー透気度は、80sec/100cc〜300sec/100ccの範囲内であること
    を特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 上記セパレータは、ポリオレフィン樹脂を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデン、またはビニリデンフルオロライドとヘキサフルオロプロピレンの共重合体であり、
    上記電解液は、炭酸エステル化合物およびリチウム塩を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記炭酸エステル化合物は、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とを含み、
    上記プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との重量比(プロピレンカーボネート(PC)/エチレンカーボネート(EC))は、20/80〜50/50の範囲内であること
    を特徴とする請求項3記載の非水電解質二次電池。
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