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JP2007280229A - 類似症例検索装置、類似症例検索方法およびそのプログラム - Google Patents

類似症例検索装置、類似症例検索方法およびそのプログラム Download PDF

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JP2007280229A JP2006108165A JP2006108165A JP2007280229A JP 2007280229 A JP2007280229 A JP 2007280229A JP 2006108165 A JP2006108165 A JP 2006108165A JP 2006108165 A JP2006108165 A JP 2006108165A JP 2007280229 A JP2007280229 A JP 2007280229A
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Abstract

【課題】診断対象の画像が生得された地域の罹患率を考慮した類似症例を検索する。
【解決手段】症例記憶手段41に記憶された前記症例データ100から、特定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、特定の地域で取得された症例画像110から得られた特徴量の値に対応した各疾患の発生率とに基づいて、症例画像100の特定の地域における各疾患の確率を学習器42に学習させる。疾患率取得手段43で、診断対象画像130が取得された特定の地域用の学習器42を用いて、この診断対象画像130が各疾患である確率を得る。さらに、症例記憶手段41に記憶された症例データ100の中から、診断対象画像130に類似した症例画像110の症例データ100を類似症例データ140として検索する。
【選択図】図2

Description

本発明は、医用画像の症例と類似する症例を検索する類似症例検索装置、類似症例検索方法およびそのプログラムに関するものである。
近年、コンピュータの利用技術の拡大に伴い、医療機関における作業の効率化や迅速化を目的として、紙のカルテに代えて、コンピュータを利用した電子カルテの導入が進められている。さらに、電子カルテを複数の医療機関がアクセスできる共有サーバに保管し、複数の医療機関が電子カルテの診療データを共有して利用できるようにしたシステムが提案されている。
しかしながら、上述のシステムの機能は、電子カルテを複数の医療機関から取得して保管したり、その電子カルテを複数の医療機関に提供するだけにとどまっており、電子カルテが有効に利用されていなかった。そこで、電子カルテから医療機関の所在地又は患者の住所を示す所在地情報に基づいて、各地域の傷病の発生率を算出して、傷病が数多く発生している地域を特定するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、診断対象症例の類似症例を、過去撮影された画像の中から画像の特徴量を用いて、決定木、ニューラルネット、線形/非線形分類器、マハラノビス距離などのベクトル間の距離などの種々の手法を用いて画像の特徴が類似した類似画像を検索して、その類似画像を参照できるようにすることで、医師の読影を支援するシステムが提案されている。具体的には、びまん性実質性肺疾患を対象とした類似症例検索手法を提案したものや(例えば、非特許文献1)、孤立性陰影を対象とした類似症例検索の検索手法が提案したものがある(例えば、非特許文献2)。
特開特開2004−287614公報 Aisen,A.M., Broderick,L.S., Winer-Muram,H., Brodley,C.E., Kak,A.C., and Pavlopoulou C., Dy,J., Marchiori,A., Automated storage and retrieval of medical images to assist diagnosis: Implementation and preliminary assessment, Radiology. 228(1), pp. 265-270, July 2003 Li et al.: Investigation of new psychophysical measures., Medical Physics, Vol. 30, No. 10, October 2003
しかしながら、地域や病院によって罹患率に偏りがある病気の場合、一律に同じ手法の検索で類似症例を検索すると検索結果が実態と合わず、診断に有用な結果が得られないことがある。
例えば、A地域では100人に1人の割合で発生し、B地域では1000人に1人の割合で起こる病気N(石綿肺など)があった場合に、A地域の症例データで作成した検索エンジンをB地域で使用すると、B地域では出現頻度の小さな病気Nが上位に検索されることになり、検索結果と実態が合わない場合が発生する恐れがある。
そこで、本発明では、この問題を解決するために、各地域の罹患率を考慮した、類似症例を検索する類似症例検索装置、類似症例検索方法およびそのプログラムを提案することを目的とするものである。
本発明の類似症例検索装置は、所定の地域で取得された症例画像と該症例画像を診断して得られた疾患情報とを含む症例データを記憶する症例記憶手段と、
前記症例データの症例画像と疾患情報とから、前記所定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、前記所定の地域で取得された症例画像から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生率とに基づいて、各症例画像が前記一つの地域において前記各疾患である確率を学習した学習器と、
該学習器を用いて、診断対象画像から取得された特徴量に応じて、該診断対象画像が前記複数の疾患の中の各疾患である確率を得る疾患率取得手段と、
前記症例記憶手段に記憶された前記症例データの中から、前記診断対象画像が前記各疾患である確率に近い症例画像の症例データを前記類似症例データとして検索する類似症例検索手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の類似症例検索方法は、所定の地域で取得された症例画像と該症例画像を診断して得られた疾患情報とを含む症例データを記憶する症例記憶ステップと、
前記症例データの症例画像と疾患情報とから、前記所定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、前記所定の地域で取得された症例画像から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生率とに基づいて、各症例画像が前記一つの地域において前記各疾患である確率を学習した学習器を生成する学習器生成ステップと、
前記学習器を用いて、診断対象画像から取得された特徴量に応じて、該診断対象画像が前記複数の疾患の中の各疾患である確率を得る疾患率取得ステップと、
前記症例記憶手段に記憶された前記症例データの中から、前記診断対象画像が前記各疾患である確率に近い症例画像の症例データを前記類似症例データとして検索する類似症例検索ステップとを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、
所定の地域で取得された症例画像と該症例画像を診断して得られた疾患情報とを含む症例データを記憶する症例記憶手段と、
前記症例データの症例画像と疾患情報とから、前記所定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、前記所定の地域で取得された症例画像から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生率とに基づいて、各症例画像が前記一つの地域において前記各疾患である確率を学習した学習器と、
該学習器を用いて、診断対象画像から取得された特徴量に応じて、該診断対象画像が前記複数の疾患の中の各疾患である確率を得る疾患率取得手段と、
前記症例記憶手段に記憶された前記症例データの中から、前記診断対象画像が前記各疾患である確率に近い症例画像の症例データを前記類似症例データとして検索する類似症例検索手段として機能させることを特徴とするものである。
「地域」とは、区切られた範囲の場所をいうが、重なり合った場所や一部含まない場所があってもよい。また、複数の地域をまとめたものをであってもよい。
「疾患情報」とは、疾患名など症例画像の疾患に関する情報である。
また、前記症例記憶手段が、複数の地域で取得された症例データを該症例データが取得された地域に分けて記憶するものであり、
前記学習器が、前記症例記憶手段に記憶されている症例データのうち、前記複数の地域のうちの一つの地域で取得された症例データを用いて学習したものであり、該学習器を各地域に応じて該類似症例検索装置に複数備え、
前記疾患率取得手段が、前記複数の学習器の中から前記診断対象画像の取得された地域に応じた学習器を用いて、各疾患である確率を得るものであり、
前記類似症例検索手段が、前記症例記憶手段に記憶された症例データのうち前記診断対象画像の取得された地域の症例データから類似症例データを検索するものであってもよい。
本発明によれば、所定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率に基づいて、その地域で取得された症例が各疾患のである確率を学習した学習器を用いて、診断対象画像が各疾患である確率を得て、診断対象画像が各疾患である確率に近い症例画像の症例を類似症例として検索するようにすれば、医師などの読影者が、各疾患らしさが似た症例画像を類似症例として参照して正確な読影を行うことができる。
各地域用の学習器を複数生成することで、複数の地域に対応した疾患の確率と類似症例を検索することができるので、診断対象画像に対して複数の地域の学習器から結果を得て、それらの結果を比較してより正確な診断を行なうことが可能になる。
以下、図面を参照して本発明による類似症例検索装置の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施形態による類似症例検索装置を備えた医用システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態による医用システム1は、医用画像を撮影するモダリティ2と、被写体の患部を撮影した医用画像を保存する画像サーバ3と、医師が読影を行うワークステーション4と、ワークステーション4の画面上に表示された医用画像を読影医が読影して作成したレポートを保存するレポートサーバ5と、電子カルテを保存する電子カルテサーバ6と、ネットワーク7とを備える。
モダリティ2は、CR(Computed Radiography:コンピュータ放射線画像)装置、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴映像)、US(Ultrasound imaging:超音波画像)など、患者の画像をデジタルデータとして収録するための装置あるいはシステムである。
画像サーバ3は、放射線科などに設置された各モダリティ2で撮影された大量の医用画像をネットワーク7を介して受信し、医用画像を被写体の患者情報、撮影日、撮影したモダリティの情報などとともにDICOMに準拠した形式で保存する。また、画像サーバ3には、データベースの管理用ソフトウェアがインストールされ、医用画像に付帯された種々の情報を用いて、保存している医用画像を検索する機能を備える。
ワークステーション4は、ネットワーク7を介して画像サーバ3に記憶されている医用画像の中から読影する医用画像を読み出して画像表示装置の画面上に表示する機能を備える。また、医師などの読影者が医用画像の読影をするために、ワークステーション4は高精細なCRTなど表示装置を設けたものが好ましい。
レポートサーバ5は、読影医が読影装置4で読影した医用画像の結果を読影レポートとして保存する。
電子カルテサーバ6は、各患者の電子カルテを保存する。電子カルテは、診療日時、入力者、診療記録、各種所見、検査結果、指導記録、保険点数請求項目などが記録される。さらに、画像撮影など種々の検査のオーダ情報も記録され、オーダリングシステムを介して、画像サーバ3に蓄積されている各患者を撮影した医用画像や、生体検査など病理結果情報を得ることができる。
また、ワークステーション4に類似症例検索するプログラムがインストールされ類似症例検索装置40として機能するように構成し、ワークステーション4の画面上には、診断対象画像とともに、診断対象画像と類似する症例データ100が表示される。
図2に示すように、類似症例検索装置40は、複数の症例データ100を取得された地域に分けて記憶する症例記憶手段41と、各地域で取得された症例データ100の症例画像110と疾患情報120とから、その地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、各疾患が特定の地域で取得された症例画像110から得られた特徴量の値に対応した各疾患の発生確率とを学習し、症例画像110が各地域において各疾患である確率を各地域に応じて出力する学習器42と、複数の学習器42の中から診断対象画像130が取得された地域に応じた学習器42を用いて、診断対象画像130が複数ある疾患の中の各疾患である確率を得る疾患率取得手段43と、特定の地域で取得された症例データ100の症例画像110のうち、診断対象画像130に類似する症例画像110の症例データ100を類似症例データ140として検索する類似症例検索手段44と、各疾患である確率と類似症例データ140とを表示する表示手段45を備える。
症例データ100は、症例画像110とその症例画像110の疾患情報120などで構成される。症例データ100の症例画像110は、画像サーバ3に記憶されている医用画像から選択されたものである。疾患情報120には、確定した疾患名の情報が含まれる。疾患名は、レポートサーバ5に記憶されている症例画像110の読影レポート、電子カルテサーバ6に記憶されている症例画像110に対応する電子カルテの診療記録(確定診断や各種所見を含む)などから得られる。また、疾患情報120に、電子カルテや読影レポートが保管されている保管場所に関する情報(例えば、リンク情報)などを含むようにしてもよい。
症例画像110の選択にあたっては、症例画像110が撮影された病院の住所や患者が住んでいる住所に基づいて、各地域ごとに、症例画像110の読影レポートや、症例画像110に対応する電子カルテの診療記録、各種所見などを参考にして、診断時に診断対象画像130と比較するのに有効と思われるものが選択され、症例記憶手段41に記憶される。また、症例データ100は、各地域に分けて別々の格納部(フォルダ、パーティション、記憶装置など)に記憶したものが好ましい。
学習器42は、特定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、この各疾患が特定の地域で取得された症例画像110から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生確率とに基づいて、症例画像110が各疾患である確率を学習する。
従来の画像検索では、診断対象画像と症例データベース中の各症例画像との類似度を画像の特徴量を用いて算出し、類似度の高い順に類似症例として検索を行なっているが、地域や病院によって発生率に偏りがある病気(例えば、石綿肺、農夫肺など)の場合、同じ症例データを学習した学習器を用いて、類似症例を検索しても検索結果が実態と合わず、診断に有用な結果が得られない恐れがある。
そこで、症例記憶手段41に記憶されている特定の地域の症例データ100を用いて、その地域で発生した各疾患の発生率を算出する。また、その地域の症例画像110から各疾患を判別するのに適した特徴量を算出し、その特徴量の値と疾患情報120から得られた疾患とに基づいて、その地域で発生する各疾患の発生率を特徴量の値に応じて算出する。例えば、すりガラス陰影らしさと結節影らしさを表す特徴量を用いた場合、すりガラス陰影らしさを表す特徴量の値が大きい程、肺がんの発生率は小さく石綿肺の発生率が高い。一方、結節影らしさを表す特徴量の値が大きい程、石綿肺の発生率は小さく肺がんの発生率が高い。このように各特徴量によってどの疾患の判別に適するのかが異なるため、各特徴量の値に応じて各疾患の発生率を算出するのが望ましい。
学習器42に、特定の地域で発生した各疾患の発生率と、特定の地域で取得された症例画像110の特徴量の値に応じた各疾患の発生率とを学習させて、所定の症例画像110が各疾患である確率を出力できるようにする。
具体的には、発生率を考慮した学習器の作成例として、ベイズ定理を用いた方法を以下に示す。ここでは、肺がん、間質性肺炎、石綿肺の3疾患に対する類似症例検索を行う場合を例に説明する。例えば、A地域、B地域にて、3疾患が図3のような頻度で生じ、各疾患の類似度を計算するための症例画像110の特徴量として、結節影、すりガラス陰影を用いる。簡略のため、ここでは結節影、すりガラス陰影のそれぞれに対応する特徴量は一つとし、特徴量の値も2値(その陰影に該当する場合を1、該当しない場合を0)としたが、実際には、判別に使用する特徴量は2つとは限らず特徴量が複数存在して、特徴量の値も多値である。各地域で発生した症例の件数は、図3に示すようになっており、A地域はB地域に比較して石綿肺の発生確率が高い地域である。
疾患名をωi、症例画像110から得られた特徴量をxjとし、このときある特徴量を持った症例画像110が所定の疾患である確率をP(ωi|xj)とする。また、特定の特徴量の値に応じた各疾患の確率をP(xj|ωi)とすると、ベイズ定理より、症例画像110から得られた特徴量がxjの場合に、ωiという病気である確率は以下のように算出できる。
Figure 2007280229
そこで、特定の地域の各疾患の発生率と、その地域で所得された症例データ100の症例画像110の特徴量の値に応じた各疾患の発生率とが(1)式のベイズの定理を満足するように、各学習器42に学習させる。また、症例データ100が取得された地域ごとに、各地域の各疾患の発生率と、その地域で所得された症例データ100の症例画像110の特徴量の値に応じた各疾患の発生率とを用いて別々の学習器42に学習させて、地域ごとに複数の地域に対応して学習器42を生成する。
疾患率取得手段43は、診断対象となる診断対象画像130から特徴量を取得して、その診断対象画像130を取得した地域の学習器42を用いて、その学習器42に診断対象画像130から取得した特徴量を入力して診断対象画像130が各疾患である確率を得る。
図3に示すような各疾患の発生件数と特徴量の関係があるとき、A地域用に作成した学習器42、B地域用に作成した学習器42、さらに、A+B地域用に作成した学習器42では以下のような結果が得られる。
1)A地域の発生率を用いて作成した学習器42では、診断対象画像130がすりガラス陰影の特徴をもつ場合に、疾患ががん、間質性肺炎、石綿肺であるそれぞれの確率P(肺がん|すりガラス)、P(間質性肺炎|すりガラス)、P(石綿肺|すりガラス)と、診断対象画像130がすり結節影の特徴をもつ場合に、疾患ががん、間質性肺炎、石綿肺であるそれぞれの確率P(肺がん|結節影)、P(間質性肺炎|結節影)、P(石綿肺|結節影)は、以下のような結果が得られる。
Figure 2007280229
2)同様に、B地域の発生率を用いて作成した学習器42では、診断対象画像130がすりガラス陰影の特徴をもつ場合に、疾患ががん、間質性肺炎、石綿肺であるそれぞれの確率P(肺がん|すりガラス)、P(間質性肺炎|すりガラス)、P(石綿肺|すりガラス)と、診断対象画像130がすり結節影の特徴をもつ場合に、疾患ががん、間質性肺炎、石綿肺であるそれぞれの確率P(肺がん|結節影)、P(間質性肺炎|結節影)、P(石綿肺|結節影)は、以下のような結果が得られる。
Figure 2007280229
3)さらに、A+B地域の発生率を用いて作成した学習器42では、診断対象画像130がすりガラス陰影の特徴をもつ場合に、疾患ががん、間質性肺炎、石綿肺であるそれぞれの確率P(肺がん|すりガラス)、P(間質性肺炎|すりガラス)、P(石綿肺|すりガラス)と、診断対象画像130がすり結節影の特徴をもつ場合に、疾患ががん、間質性肺炎、石綿肺であるそれぞれの確率P(肺がん|結節影)、P(間質性肺炎|結節影)、P(石綿肺|結節影)は、以下のような結果が得られる。
Figure 2007280229
類似症例検索手段44は、症例記憶手段41に記憶されている特定の地域で取得された症例データ100の症例画像110の中から、診断対象画像130に類似する症例画像110の症例データ100を類似症例データ140として検索する。
診断対象画像130と症例画像110とが類似するか否かは、各疾患の発生率が近いものを類似するものとして求める。例えば、A地域で、すりガラスの特徴を持つ診断対象画像130の各疾患の確率は、肺がんの確率は0.22、間質性肺炎の確率は0.38、石綿肺の確率は0.40である。そこで、A地域で取得された症例データ100の中から、診断対象画像130の各疾患の発生率が近い症例画像110の症例データ100を、類似症例データ140として検索する。あるいは、診断対象画像130と症例画像110の特徴量が近いものを類似するものとしてもよい。
同様に、B地域で、すりガラスの特徴を持つ診断対象画像130の各疾患の確率を求めると、B地域で取得された症例データ100の中から、診断対象画像130との類似度の高い症例画像110の症例データ100を類似症例データ140として複数検出する。
表示手段45は、疾患率取得手段43で求めた診断対象画像の各疾患の確率と、類似症例検索手段44で検索された類似症例データ140の症例画像110とその疾患情報120から得られた疾患名を表示する。必要に応じて、疾患情報120に含まれている電子カルテの診療記録や読影レポートなど保管場所から、その症例の電子カルテの診療記録や読影レポートなどが参照できるように表示してもよい。
次に、診断対象画像と類似する類似画像を検索して、診断対象画像を読影する流れについて、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ワークステーション4内に設けられた学習器42は、症例記憶手段41に記憶されている各地域の症例データ100を用いて、各地域用の学習器42を生成する。各学習器42には、各地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、各地域で取得された症例画像110から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生確率とに基づいて、症例画像110が各疾患である確率を学習させる。(S100)。このとき、症例記憶手段41に記憶されている全ての症例データ100を用いて、全国用の学習器42を生成する。
読影医が読影を行う際には、まず、ワークステーション4の画面上に診断対象となる医用画像の一覧が表示され、その一覧の中から読影医が診断対象画像130を指示すると、画像サーバ3の中から診断対象画像130が検索されて表示装置上に表示される(S101)。読影医は、表示された診断対象画像130を観察して読影レポートを作成するが、読影を行なう際、疾患率取得手段43で、診断対象画像130から特徴量を取得して、その診断対象画像130を取得した地域の学習器42を用いて、その学習器42に診断対象画像130から取得した特徴量を入力して診断対象画像130が各疾患である確率を得て、表示手段45で画面上に診断対象画像130とともに、各疾患である確率を表示する(図5参照)。
さらに、類似症例検索手段44で診断対象画像130と類似する症例データ100の検索を行う。ワークステーション4は、類似症例データ140の検索が指示されると、その診断対象画像130を取得した地域の症例データ100の中から、診断対象画像130と類似する症例画像110を検索し(S102)、表示手段45で類似度が高い症例画像110の症例データ100を類似症例データ140として図5に示すように表示する(S103)。
図5(a)はA地域で取得されたすりガラスの特徴を持つ診断対象画像130と類似する症例データ100の症例画像110を画面上に表示した例を示す。類似症例検索手段44で検出された類似症例データ100の症例画像110の疾患の発生率をA地域用の学習器42を用いて求め、類似症例データ140の中から、各疾患の確率が高い順に疾患名とともに症例画像110を表示する。A地域で取得されたすりガラスの特徴を持つ診断対象画像130に対しては、「石綿肺」、「間質性肺炎」、「肺がん」の順番で表示される。
しかし、同じような特徴を持つ診断対象画像130であっても、B地域で取得された場合には、図5(b)に示すように、「間質性肺炎」、「肺がん」、「石綿肺」の順番で表示される。これにより、各地域に即した順番で疾患に対応した症例データ100が表示されるため、各疾患との比較が行いやすくなる。
また、診断対象画像130が、各疾患である確率は、診断対象画像130が取得された地域用の学習器42を用いて各疾患の確率を求めるとともに、全国用の学習器42を用いて全国での各疾患である確率を表示して、全国の確率と比較できるように、図5(c)のように表示してもよい。
あるいは、全国とその地域によって、疾患の検索順位が異なる場合のみ、両者を併せて表示させ、医師に注意を促すようにしても良い。
読影医は、画面上に表示された類似症例データ140の症例画像110と診断対象画像130を比較するとともに、類似症例データ140の疾患名を確認し、さらに、その類似症例の電子カルテの診療記録や読影レポートなど表示手段45で表示して確認してもよい。読影医は、類似症例データ140を参考にして読影を行い、読影結果を読影レポートとして入力する(S104)。読影レポートの入力が完了すると、読影レポートはレポートサーバ5に送信されて保存される(S105)。
上述では、各地域ごとに症例データを集めて、各地域に応じた学習器を複数用意する場合について説明したが、特定の地域のみの症例データを集めて、学習器を1つのみ用意するようにして、その地域に応じた学習器で地域に応じ診断を行うことができる。具体的には、1つの病院で取得した症例データを用いて学習器を作成することによって、その病院の所在地域に適した診断を行うことができる。
以上、詳細に説明したように、画像が取得された地域の症例データを用いて疾患の発生率を学習した学習器を用いることによって、診断対象の画像が取得された地域の実態に対応した症例データを参考にすることができ、診断精度を向上させることが可能になる。
医用システムの概略構成を示すブロック図 類似症例検索装置の概略構成を示すブロック図 地域別に各疾患が発生する頻度を表した頻度図 診断対象画像と類似する類似症例画像を検索して診断対象画像を読影する流れを示すフローチャート 類似症例の表示方法の一例
符号の説明
1 医用システム
2 モダリティ
3 画像サーバ
4 ワークステーション
5 レポートサーバ
6 電子カルテサーバ
7 ネットワーク
40 類似症例検索装置
41 症例記憶手段
42 学習器
43 疾患率取得手段
44 類似症例検索手段
100 症例データ
110 症例画像
120 疾患情報
130 診断対象画像
140 類似症例データ

Claims (4)

  1. 所定の地域で取得された症例画像と該症例画像を診断して得られた疾患情報とを含む症例データを記憶する症例記憶手段と、
    前記症例データの症例画像と疾患情報とから、前記所定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、前記所定の地域で取得された症例画像から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生率とに基づいて、各症例画像が前記一つの地域において前記各疾患である確率を学習した学習器と、
    該学習器を用いて、診断対象画像から取得された特徴量に応じて、該診断対象画像が前記複数の疾患の中の各疾患である確率を得る疾患率取得手段と、
    前記症例記憶手段に記憶された前記症例データの中から、前記診断対象画像が前記各疾患である確率に近い症例画像の症例データを前記類似症例データとして検索する類似症例検索手段とを備えたことを特徴とする類似症例検索装置。
  2. 前記症例記憶手段が、複数の地域で取得された症例データを該症例データが取得された地域に分けて記憶するものであり、
    前記学習器が、前記症例記憶手段に記憶されている症例データのうち、前記複数の地域のうちの一つの地域で取得された症例データを用いて学習したものであり、該学習器を各地域に応じて該類似症例検索装置に複数備え、
    前記疾患率取得手段が、前記複数の学習器の中から前記診断対象画像の取得された地域に応じた学習器を用いて、各疾患である確率を得るものであり、
    前記類似症例検索手段が、前記症例記憶手段に記憶された症例データのうち前記診断対象画像の取得された地域の症例データから類似症例データを検索することを特徴とする請求項1記載の類似症例検索装置。
  3. 所定の地域で取得された症例画像と該症例画像を診断して得られた疾患情報とを含む症例データを記憶する症例記憶ステップと、
    前記症例データの症例画像と疾患情報とから、前記所定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、前記所定の地域で取得された症例画像から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生率とに基づいて、各症例画像が前記一つの地域において前記各疾患である確率を学習した学習器を生成する学習器生成ステップと、
    前記学習器を用いて、診断対象画像から取得された特徴量に応じて、該診断対象画像が前記複数の疾患の中の各疾患である確率を得る疾患率取得ステップと、
    前記症例記憶手段に記憶された前記症例データの中から、前記診断対象画像が前記各疾患である確率に近い症例画像の症例データを前記類似症例データとして検索する類似症例検索ステップとを備えたことを特徴とする類似症例検索方法。
  4. コンピュータを、
    所定の地域で取得された症例画像と該症例画像を診断して得られた疾患情報とを含む症例データを記憶する症例記憶手段と、
    前記症例データの症例画像と疾患情報とから、前記所定の地域で発生した複数の疾患の中の各疾患の発生率と、前記所定の地域で取得された症例画像から得られた特徴量の値に対応した前記各疾患の発生率とに基づいて、各症例画像が前記一つの地域において前記各疾患である確率を学習した学習器と、
    該学習器を用いて、診断対象画像から取得された特徴量に応じて、該診断対象画像が前記複数の疾患の中の各疾患である確率を得る疾患率取得手段と、
    前記症例記憶手段に記憶された前記症例データの中から、前記診断対象画像が前記各疾患である確率に近い症例画像の症例データを前記類似症例データとして検索する類似症例検索手段として機能させることを特徴とするプログラム。
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