JP2007278422A - マグネット式ロッドレスシリンダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マグネット式ロッドレスシリンダにおいて、スライド体4に設けられるウエアリング15,15は、荷重が加わるシリンダチューブ3の上側の厚みaの方が、下側の厚みbよりも大きくなるように上下方向での肉厚を異ならせて、スライド体4の外側磁石13とピストン6の内側磁石9との距離を、スライド体4の上側の方が下側よりも大きくなるように設定している。よって、ピストン6,6とスライド体4との磁気結合力は、シリンダチューブ3の上側よりも下側の方が強くなり、シリンダチューブ3に作用する荷重を上下の磁気結合力の差によって軽減でき、スライド体4は始動時も含めてスムーズに摺動可能となる。
【選択図】図3
Description
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、ピストンとスライド体との何れか一方に磁石を、他方に磁石又は磁性体を夫々設けて磁気結合力を得るものにあって、磁気結合力の差を簡単に設定するために、磁気結合力の差を、スライド体からシリンダチューブに荷重が作用する側におけるピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離を、荷重が作用する側と反対側での当該距離よりも大きくすることで得る構成としたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の目的に加えて、スライド体に設けたシリンダチューブの貫通孔に、環状の磁石又は磁性体と、シリンダチューブの外周を摺動する環状の摺動部材とを貫通孔の軸方向に並設したものにあって、ピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離の相違を簡単に設定するために、当該距離の相違を、摺動部材におけるスライド体からシリンダチューブに荷重が作用する側の厚みをその反対側よりも厚くすることで得る構成としたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2の目的に加えて、スライド体に設けたシリンダチューブの貫通孔に、環状の磁石又は磁性体と、シリンダチューブの外周を摺動する環状の摺動部材とを貫通孔の軸方向に並設したものにあって、ピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離の相違を簡単に設定するために、当該距離の相違を、スライド体からシリンダチューブに荷重が作用する側と反対側における磁石又は磁性体の外周と貫通孔内面との間にスペーサを介在させることで得る構成としたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、ピストンとスライド体との何れか一方に磁石を、他方に磁石又は磁性体を夫々設けて磁気結合力を得るものにあって、磁気結合力の差を簡単に設定するために、磁気結合力の差を、スライド体からシリンダチューブに荷重が作用する側と反対側における磁石の磁力を、荷重が作用する側における磁石の磁力よりも大きくすることで得る構成としたものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、簡単な設計変更で磁気結合力の差が設定可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、摺動部材の厚みを変更する簡単な構成でピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離の相違が設定可能となる。
請求項4及び5に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、摺動部材の厚みを変えることなく、スペーサを介在させる簡単な構成でピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離の相違が設定可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、磁石の磁力の変更によって磁気結合力の差が容易に設定可能となる。
図1は、マグネット式ロッドレスシリンダの一例を示す全体図、図2はそのスライド体部分の横断面図(但しウエアリングのハッチングとピストンとは省略している)、図3はスライド体部分の拡大縦断面図で、マグネット式ロッドレスシリンダ(以下単に「ロッドレスシリンダ」という。)1は、一対のエンドキャップ2,2の対向面間に、非磁性材料からなるシリンダチューブ3を架設させ、そのシリンダチューブ3に、ブロック状のスライド体4をシリンダチューブ3の軸方向へスライド可能に外装してなる。シリンダチューブ3は、横断面外形が扁平な長円形を呈しており、シリンダチューブ3が貫通するスライド体4を水平姿勢のまま軸方向へ案内可能となっている。
各ピストン6は、中央のピストンシャフト8に、ドーナツ状の内側磁石9,9・・と、同形状のヨーク10,10・・とを交互に嵌め込み、両端からピストンエンド11,11によって内側磁石9とヨーク10とを締め付け固定した構造となっている。各内側磁石9の磁極は、SN,NS,SN,NSと同極同士が軸方向において対向するように配設されており、隣接するピストン6,6間では、内側磁石9の同極同士が対向するようになっている。
このとき、スライド体4への物品の積載により、シリンダチューブ3の上面に荷重が加わることになるが、ここではピストン6とスライド体4との磁気結合力はシリンダチューブ3の下側の方が強い設定となっているので、シリンダチューブ3に作用する荷重を上下の磁気結合力の差によって軽減でき、シリンダチューブ3の上面で大きな抵抗が発生することがない。よって、スライド体4は始動時も含めてスムーズに摺動可能となる。
特に、ピストン6の内側磁石9とスライド体4の外側磁石13との距離の相違を、ウエアリング15の上側の厚みを下側よりも厚くすることで得ているため、ウエアリング15の厚みを変更する簡単な構成でピストン6の内側磁石9とスライド体4の外側磁石13との距離の相違が設定可能となる。
図4,5に示す変更例では、貫通孔12内に収容されるウエアリング17,17は上下方向で同じ肉厚となっており、各ウエアリング17の上側で貫通孔12との間に板状のスペーサ18,18を介在させている。これにより、スライド体4の全体をシリンダチューブ3から上側に偏心させて、内側磁石9と外側磁石13との距離をスライド体4の上側の方で下側よりも大きくすることができる。よって、ピストン6とスライド体4との磁気結合力に下側が上側よりも強くなる差が設定される。
このように、ピストン6の内側磁石9とスライド体4の外側磁石13との距離の相違を、シリンダチューブ3の上側におけるウエアリング17外周と貫通孔12内面との間にスペーサ18を介在させて得る構成としたことで、ウエアリング17の厚みを変えることなく、スペーサ18を介在させる簡単な構成でピストン6の内側磁石9とスライド体4の外側磁石13との距離の相違が設定可能となる。
このように、ピストン6の内側磁石9とスライド体4の外側磁石13との距離の相違を、シリンダチューブ3の下側における外側磁石13の外周と貫通孔12内面との間にスペーサ19を介在させて得る構成としたことで、ウエアリング17の厚みを変えることなく、スペーサ19を介在させる簡単な構成でピストン6の内側磁石9とスライド体4の外側磁石13との距離の相違が設定可能となる。
このように、磁気結合力の差を、シリンダチューブ3の下側における外側磁石13の磁力を、シリンダチューブ3の上側における外側磁石13の磁力よりも大きくすることで得る構成としたことで、上下に分割した外側磁石13の磁力の変更によって磁気結合力の差が容易に設定可能となっている。
また、上記形態やその変更例では、シリンダ孔が2つの断面長円のシリンダチューブに対してスライド体が摺動するロッドレスシリンダとなっているが、シリンダ孔が1つのシリンダチューブに対してスライド体が回り止めされた状態で摺動するロッドレスシリンダであっても本発明は適用可能である。同様に、互いに平行な複数の断面真円のシリンダチューブに対してスライド体が摺動するタイプでも適用できる。
一方、上記形態やその変更例では、ピストンとスライド体との磁気結合をどちらも磁石によって得ているが、何れか一方の磁石を磁性体に代えても差し支えない。
Claims (6)
- 非磁性体からなるシリンダチューブ内に、ピストンを前記シリンダチューブの軸方向へ移動可能に収容する一方、前記シリンダチューブの外周面に、スライド体を前記シリンダチューブの軸方向へ移動可能に設け、前記ピストンとスライド体とを磁気結合力で一体化させて、前記ピストンの移動に前記スライド体が追従可能としたマグネット式ロッドレスシリンダであって、
前記スライド体から前記シリンダチューブに荷重が作用する側と反対側の前記ピストンとスライド体との磁気結合力を、前記荷重が作用する側の前記ピストンとスライド体との磁気結合力よりも大きく設定して、前記スライド体とシリンダチューブとの間の面圧を前記磁気結合力の差によって軽減可能としたことを特徴とするマグネット式ロッドレスシリンダ。 - ピストンとスライド体との何れか一方に磁石を、他方に磁石又は磁性体を夫々設けて磁気結合力を得るものにあっては、前記磁気結合力の差を、前記スライド体からシリンダチューブに荷重が作用する側における前記ピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離を、前記荷重が作用する側と反対側での当該距離よりも大きくすることで得るものとした請求項1に記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- スライド体に設けたシリンダチューブの貫通孔に、環状の磁石又は磁性体と、前記シリンダチューブの外周を摺動する環状の摺動部材とを前記貫通孔の軸方向に並設したものにあっては、ピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離の相違を、前記摺動部材における前記スライド体から前記シリンダチューブに荷重が作用する側の厚みをその反対側よりも厚くすることで得るものとした請求項2に記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- スライド体に設けたシリンダチューブの貫通孔に、環状の磁石又は磁性体と、前記シリンダチューブの外周を摺動する環状の摺動部材とを前記貫通孔の軸方向に並設したものにあっては、ピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離の相違を、前記スライド体から前記シリンダチューブに荷重が作用する側における前記摺動部材外周と貫通孔内面との間にスペーサを介在させることで得るものとした請求項2に記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- スライド体に設けたシリンダチューブの貫通孔に、環状の磁石又は磁性体と、前記シリンダチューブの外周を摺動する環状の摺動部材とを前記貫通孔の軸方向に並設したものにあっては、ピストンの磁石又は磁性体とスライド体の磁性体又は磁石との距離の相違を、前記スライド体から前記シリンダチューブに荷重が作用する側と反対側における前記磁石又は磁性体の外周と貫通孔内面との間にスペーサを介在させることで得るものとした請求項2に記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- ピストンとスライド体との何れか一方に磁石を、他方に磁石又は磁性体を夫々設けて磁気結合力を得るものにあっては、前記磁気結合力の差を、前記スライド体から前記シリンダチューブに荷重が作用する側と反対側における磁石の磁力を、前記荷重が作用する側における磁石の磁力よりも大きくすることで得るものとした請求項1に記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
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