図1は本発明の一実施形態である携帯型電子機器の基本構成を示す機能ブロック図である。図1において、携帯型電子機器(たとえば携帯型電話機)Aは、表示向き逆転指示手段A1と、逆さ表示検出手段A2と、表示向き逆転手段A3と、携帯型電話手段A4と、TV放送受信手段A5と、ディスプレイA6を含んで構成されている。
携帯型電子機器Aは、映像と静止画の何れをも表示できる機能を備えている。表示向き逆転指示手段A1は、専用のキーまたはボタン、汎用キーに機能が割り振られた場合の当該キーから表示向き逆転手段A3に指示して、ディスプレイA6への表示画像を、上下・左右逆転させることができる。
また、逆さ表示検出手段A2は、携帯型電子機器Aの姿勢を検出し、ディスプレイA6の表示が逆さであるときは表示向き逆転手段A3に上下・左右逆転表示を要求できる。携帯型電子機器Aに表示される画像は、たとえばTV放送受信手段が受信したTV放送にかかる映像であることもあるし、携帯型電子機器Aが携帯型電話機である場合には、携帯型電話手段A4の機能として表示される操作メニュー等の静止画像であることもある。
図1の携帯型電子機器Aは、図2(A)に示すように表示逆転の変更指示が操作があったときは(S101の「YES」)、表示画像の上下・左右の表示の変換を行なう(S102)。
図2(B)に示すように逆さ表示検出手段A2が表示モード(逆転表示モードまたは正転表示モード)に対応した表示か否かを検出判断し(S201)、表示モードに対応していないときには画像の逆転表示を行なう(S202)。
また、図1の携帯型電子機器Aは、図3(A)に示すように縦長・横長の変更指示が操作があったときは(S301の「YES」)、表示画像の縦長・横長表示の変換を行なう(S302)。
また、図3(B)に示すように表示モード(縦長表示モードまたは横長表示モード)に対応した縦長・横長表示か否かを検出判断し(S401)、表示モードに対応していないときには表示画像の縦長・横長表示の変換を行なう(S402)こともできる。
図4は本発明の一実施形態であるTV受信機付きの携帯型電話機(携帯端末)の機能ブロック図である。
図4において携帯型電話機11は、CPU(中央処理装置)111と、ROM(リード・オンリー・メモリ)112と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)113と、操作入力・表示部114と、通話回路115と、マイク部116と、スピーカ部117と、TV放送受信手段118と、画像処理回路119と、フレームメモリ120と、画像表示手段121と、撮影手段122とを備えており、各構成要素はバス900を介して接続されている。
CPU111は携帯型電話機11の全体を制御するものであり、その各種実行プログラムはROM112に記憶されている。CPU111は実行プログラムをROM112から読み出し、当該プログラムに含まれる命令を逐次解釈して実行する。
RAM113には、CPU111のワークエリアが形成されるともに、各種保存パラメータやその他制御に必要な種々のパラメータ、管理情報等を記憶するもことができる。操作入力・表示部114は、オペレータが装置を操作するためのユーザインタフェースであり、各種の操作キー(または操作ボタン)と操作ガイダンス等を表示するディスプレイからなる。
TV放送受信手段118は、TV用アンテナ、検波部、チューナ部から構成されるもので、TV放送用電波を受信し、TV映像信号を出力する。TV映像信号は画像処理手段119に入力され、所定の画像処理を行ったあと、フレームメモリ120に蓄積され、フレームメモリ120の蓄積された画像データは画像表示部121にTV影像として出力される。なお、携帯型電話機11は、TV放送受信手段118を備えていなくても、所定のホスト局からTV放送にかかる映像を受信することもできる。
画像表示部121は、画像処理回路119によって画像処理された画像データを、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT等の画像表示デバイスに表示することができる。
フレームメモリ120に蓄積された、TV放送にかかる映像データは、適宜の記憶手段(ここではRAM113)に保存することができ、これによりTV放送にかかる映像やビットストリーム映像を、次に述べる撮影手段122で取得した画像情報(静止画像あるいは動画像)と同様に取り扱うことができる。
撮影手段122は、具体的にはCCD等の撮像素子である。撮影手段122は光信号を受光素子で受光し、それをアナログ電気信号として出力する。
画像処理回路119は、前述したようにTV放送にかかる映像データを処理する他、撮影手段122が出力するアナログ電気信号をA/D変換することでデジタル映像データを得ることもできる。デジタル映像データに対して画像処理(密度変換、フィルタリング、最適化処理、拡大縮小、圧縮伸張等)を行うことができる。画像処理された画像データは適宜の記憶手段(ここではRAM113)に記憶される。
携帯型電話機11では、ディスプレイとしては液晶表示器等が使用され、携帯型電話機11を電話機として使用する場合には、通常は縦長の画面表示で使用する。また、ディスプレイをTV画面として使用する場合には、TV画面は横長なので横長で使用した方が都合がよい。そこで、携帯型電話機11では、電話機として使用する場合は、ディスプレイを縦長で使用し、TV受信機として使用する場合には横長で使用するように、画面を90°回転して使用することが行われている。
あるいは、TV放送に限らず、ビットストリーム画像、静止画像を横長の画像を表示する場合も同様である。
一方、図5(A)〜(D)および図6(A)〜(D)に示すように携帯型電話機11の形態としてはフリップ式(折りたたみ式:ヒンジHを備えたもの)または回転式(回転部Rを備えたもの)の形態が多く使用されており、折り畳まれていた操作パッド部と縦長のディスプレイ搭載部と開いて、表示画面を横長となるように、操作パッド部を左手で握るか、右手で握る。この場合、操作パッド部を右手か左手で握った場合に、横長の画面は逆さまになる。
あるいは、折りたたみ式、回転式に関わらず、ボタンの位置等により画面を180°回転させたという要望もある。また、TV受信用のアンテナの位置を、上下あるいは左右に向けたいという要望もある。そこで、図5(A)と(B)との切り換え、または図6(C)と(D)との切り換えの例に示すように、どちらの手で握っても画面が逆さまにならないように、横長画面の表示向き逆転手段を備えることができる。また、図6(A),(B)のように縦長画面の上下・左右を逆転させてもよい。この表示向き逆転手段の機能は、ROM112に格納された変換プログラムをCPU111が実行することにより達成される。
表示向き逆転手段は、具体的に、画像処理手段119がフレームメモリ(ビットマップメモリ)にTV映像信号を書き込むときに、上下・左右が逆転するように書き込むことにより実現する。
通常の場合は、図7に示すように、ビットマップメモリの座標の(0.0)から(X.0)へ表示データを書き込む。次に(0.1)から(X.1)へ書き込んでいき、最後に(0.Y)から(X.Y)へ表示データを書き込んで終了する。ディスプレイ(表示部D)に表示データを表示する時に、同様の順番で表示データを読み出す。上下・左右逆転表示する場合には、(X.Y)から(O.Y)へ表示データを書き込む。次に(X.Y−1)から(O.Y−1)へ書き込んでいき、最後に(X.0)から(0.0)へ表示データを書き込んで終了する。表示装置に表示データを表示する時には、通常の場合と同じ順序で表示データを読み出す。
あるいは、画像処理手段119はフレームメモリ120からTV映像信号を読み出すときに、読み出す順番を上下・左右が逆転するように読み出すことにより実現してもよい。
図8(A)は、フレームメモリに上下・左右が逆転するように書き込む場合の処理を示しており、上下・左右の逆転表示をする場合には(S501)、メモリに上下左右を
逆転して格納する(S502)。図8(B)は、フレームメモリに上下・左右が逆転するように読み出す場合の処理を示しており、上下・左右の逆転表示をする場合には(S601)、メモリからデータを上下・左右を逆転して読み出す(S602)。
また、上下・左右を逆転する画像処理を行う他の公知技術を適用することもできる。画面の上下・左右の逆転は操作入力部からの切替指示によって行うもので、上下・左右の逆転用の専用のスイッチを設けてもよい。さらに、そのスイッチが押されるたびに上下・左右の逆転を交互に行うように切替トグル手段を備えていてもよい。縦長表示と横長表示の切替は、画面縦横切替手段が自動で行うようにしてもよい。この画面縦横切替手段の機能は、ROM112に格納された変換プログラムをCPU111が実行することにより達成される。
画面縦横切替手段は、携帯型電話機11が、電話機として使用されるときには表示画面を縦長とし、TV受信機として使用されるときには表示画面を横長に自動設定するようにできる。縦長、横長のどちらで使用されているかは、TV受信機として使用することを示す操作入力があったかどうかで判断することもできる。携帯型電話機11に、TV映像を表示するTVモードに切替えるための専用スイッチを設けてもよい。このTV映像表示スイッチが押されると、横長画面に横長のTV映像を表示する。また、前記専用スイッチとして、携帯型電話機11を電話機として使用する電話モードと、TV受信機(TV放送表示装置)として使用するTVモードとを交互に切替えるトグルスイッチ、すなわち電話・TVモード切替トグル手段を備えていてもよい。また他の機能操作するスイッチと兼用してもよい。その場合、スイッチの長押し等で、他の機能の操作と区別するようにしてもよい。
また、携帯型電話機11は、所定部分が上になっているか下になっているかを検出する逆さ表示検出手段を備え、切替手段は、逆さ表示検出手段検出手段が出力する検出結果に応じて自動的に画面の上下・左右の逆転を設定するようにしてもよい。逆さ表示検出手段は、例えば重力の方向を検出する重力検出手段によって実現する。また、ジャイロ装置も逆さ表示検出手段に応用でき、さらに、上下の検出する他の公知技術を適用してもよい。
また、以上、TV放送を受信したTV映像についての実施形態を説明したが、他の入力手段、すなわち、メール、インターネットを使用したダウンロード、外部メモリ、外部機器をケーブルで接続して画像を受信、自装置のカメラ等で入力したデジタル画像、すなわち、TV映像や、ビデオ画像、ムービー画像、写真画像等(ビットストリーム映像)の画像を表示する場合にも適用できる。
このようにすることで、携帯型電話機を右手あるいは左手で持った場合でも画面が逆さまになることを防ぐことができる。
また、従来の携帯型電話機では、省エネのために、操作入力が所定時間なかった場合に、表示画面あるいはバックライトを消すことを行っていたが、TV画面を表示している場合には、操作が長時間なされないこともあり、表示画面あるいはバックライトが消えると不便である。そこで、省エネ制御手段は、TV画面を表示している場合には、すなわちTV受信機として使用している場合には、表示画面あるいはバックライトを消さないようにするか、あるいは第1の所定時間(たとえば、20分、30分、・・・等)の間に操作入力がない場合に表示画面あるいはバックライトを消すか、あるいは光量を小さくし、TV受信機として使用していない場合には、第2の所定時間(たとえば、1分,2分,・・・等)の操作入力がない場合に、表示画面あるいはバックライトを消すか、あるいは光量を小さくするように制御する。
通常、第1の所定時間を第2の所定時間よりも長く設定しておく。またバックライトの光量の強さを段階的に変化させる光量設定手段を備え、操作入力がない時間の長さに応じて段階的に光量を弱くすることも考えられる。また操作入力がない時間の長さに応じて、表示画面の表示領域を段階的に小さくすることにより、画面の表示に必要な消費電力を少なくすることも考えられる。省エネ制御手段は、CPU111、ROM112、RAM113、図示しない時計あるいはカウンター、表示OFF回路またはバックライトOFF回路より構成される。これにより、携帯型電話機11をTV受信機として使用している場合に省エネモードに移行するのを防ぐことができる。
なお、TV受信の場合に限らず、ムービー画像、ビデオ画像のような動画像を再生する場合等のように、比較的長時間の表示が必要な場合に、前述した省エネ制御手段を適用できる。
また、表示画面のバックライトを消す省エネモードが有効になっている場合の不具合として、通常はその設定された時間(例えば1分)で十分であるが、場合によってはもっと表示画面を見たいという場合もある。従来では、何かしらのキー(タミーのキー)を操作することによりバックライトをオンにしていたが、それが度重なると煩わしい。また、そのダミーのキーのつもりで操作し場合(バックライトをオンさせるために、どこかのキーを押した場合)、そのキー操作により、思いがけない動作を機器が実行してしまうという課題があった。
それを解決する1つの実施例として、バックライト継続スイッチを設ける。少なくともこのスイッチが押さえ続けられている間は、バックライトを点灯し続ける。またバックライト継続スイッチは専用のスイッチである必要はなく、他のキーと兼用してもよいし、複数のキーと兼用してもよい。またこのバックライト継続スイッチの押し下げによってバックライトの点灯を開始するようにしてもよい。
また、バックライトの種類として、通常は表示画面のバックライトと操作キーのバックライトがある。前述の動画像の表示の場合のように、入力操作をほとんど行わない場合には、操作キーのバックライトを点灯する必要はない。そこで、動画像の表示などのように、所定の表示の場合において、第3の所定時間の入力操作がない場合には、操作キーのバックライトを消すようにしてもよい。あるいは、動画像の表示に限らずすべての場合において、所定の時間の入力操作がない場合に、操作キーのバックライトを消すようしてもよい。また操作キーのバックライトを消すための所定時間を複数備えていてもよい。このように操作キーのバックライトとの制御と、表示画面のバックライトの制御とを別々にすることにより、より省エネ効果が高まる。
図9(A),(B)は、省エネ処理を示すフローチャートである。図9(A)はテレビジョン表示モードか否かによりバックライトの光量を調整する処理を示しており、テレビジョン画像表示モードか否かを判断し、テレビジョン表示モードでないとき(S701の「NO」)はバックライトの光量を小さくするかオフし(S702)、テレビジョン表示モードのとき(S701の「YES」)はバックライトをオンまたはオンを継続する(S703)。
図9(B)は、テレビジョン表示モードか否かによりバックライトの省エネモードに遷移する時間を制御する処理を示しており、テレビジョン画像表示モードか否かを判断し、テレビジョン表示モードのとき(S801の「YES」)は第1の所定期間経過後(S802)にバックライトの光量を小さくし(S804)、テレビジョン表示モードでないとき(S801の「NO」)は第1の所定期間経過後(S803)にバックライトの光量を小さくし(S804)する。
また,最近携帯型電話機会社の料金サービスとして無料で通話できる無料通話サービスがあり、また使用しなかった無料通話料金または無料通話時間を次の月に繰り越せるサービスも始まっている。しかし,無料通話料金または時間等である無料通話分の情報について、どの程度残っているのか、所定の期限まであとどの位使用できるのかは、請求書が送られてくるまで知ることができないという不便さがあった。
そこでそれを解決するために、無料で通話できる料金あるいは時間の現在の残り(残高または残時間)を、通話中である装置の表示部に表示するものである。以下に無料通話料金を例にとって説明するが、無料通話時間についても同様である。電話での通話を開始すると、装置は、無料通話料金の残高を問い合わせるためのプロトコルを使用して基地局に無料通話料金残高を問い合わせる。
次に、基地局から順次送信されてくる無料料金残高データを順次表示装置に表示するものである。残高データを取り扱う基地局またはサーバ装置(以後単にサーバ装置と呼ぶ)は、端末装置毎あるいは契約ユーザ毎の無料通話のデータまたは残り無料通話料金(あるいは残り無料通話時間)を管理している。サーバ装置は通話時間に応じて残高データを減じながら、残高データを送信する。また最初に基地局から送信されてきた残高データを基に、装置自身が通話時間に応じて無料通話料金残高を計算して表示してもよい。また通話中だけに限らず、問い合わせ専用の制御プロトコルを使用して残高データを受け取ってもよい。また通話中だけでなく、非通話中や待ちうけ画面の時に表示するようにしてもよい。また複数の装置の無料通話料金をお互いに共有して使用することができる場合には、自装置の無料通話料金残高に、共有できる装置の無料通話料金残高を足した合計無料通話料金残高を自装置に表示することも考えられる。基地局または残高データを取り扱うサーバ装置は、無料通話料金を共有できる装置の無料通話料金残高を記憶しておき、それらを合計して合計無料通話料金残高を算出し、各装置に送信する。また残高のみではなく、その残高がいつまで有効なのかを示す情報をともに表示してもよい。例えば残りの無料通話分が5千円で、それが使用できる期日が2004年3月31日の場合、「2004年3月31までに使用できる無料通話分は5千円です。」等の表示を行う。
また、無料通話の他に、例えば後述するようにサーバ装置に電子マネーを蓄積しておくプリペイド手段での電子マネーの共有のような他の携帯型電話機と共有して使用できるサービスについても適用できる。また、無料通話の繰越サービスにおいても、いつまで、いくら繰り越せるのか等の繰越情報を、サーバ装置から受信して表示することもできる。また、繰越サービスと無料通話の共有を合わせたサービスについても同様である。
ここで、図13に携帯型電話機で使用する通信プロトコルの一実施形態を説明する。まず発信接続と切断シーケンスについて説明する。発信側の端末はオフフックおよびダイアルの後に、基地局へ呼設定信号(SETUP)、発信無線状態報告信号を送信し、基地局側から呼設定受付信号(CALL PROC)を受信する。基地局は認証手順を行った後、無線チャネル指定信号を送信する。発信側の端末は指定されたチャネルを捕捉し、無線回線の設定を行う。次に基地局から呼出信号(ALERT)を受信し、呼出音(RBT)を受話器に送出する。着信側の端末装置の応答があると、基地局から発信側の端末装置へ応答信号(CONN)が送信され、ここから課金が開始されるとともに、通話が始まる。つぎに発信側の端末装置から切断信号(DISC)が基地局へ送信される。基地局は解放信号(REL)を発信側の端末装置へ送信し、ここで課金が終了する。発信側の端末装置は基地局へ解放完了信号(REL COMP)を送信し、基地局から無線チャネル切断信号を受信する。最後に発信側の端末装置は通信に使用した無線チャネルを開放し、無線回線の切断を行う。
次に、着信接続のシーケンスについて説明する。着信側の端末装置は、基地局からの呼出信号を受信すると、着信無線状態報告信号を送信し、自動的に応答のための信号を基地局へ送信する。また基地局では無線チャネル指定信号を着信側の端末装置へ送信し、無線回線の設定を行う。無線回線の設定後、基地局から着信側の端末装置へ、呼設定信号(SETUP)が送信され、着信側の端末装置は着信音(RGT)を生成した後、基地局へ呼出信号(ALERT)を送信する。着信側の端末装置のオフフックにより応答信号(CONN)が基地局へ送信され、通信(通話)が開始され、課金が始まる。切断シーケンスは前述の発信側からの切断とほぼ同じなので省略する。
無料通話料金の残高データを問い合わせるプロトコルは、前述の呼設定、切断のプロトコルとは別の特別なプロトコルを使用してもよいし、また呼設定、切断のプロトコルを使用する場合には、基地局は例えば解放信号(REL)に残高データを含ませて送信することができる。
つぎに、GPS機能付き携帯型電話機を用いた実施形態を説明する。図10は、GPS機能付き携帯型電話機21を示すブロック図である。図10において携帯型電話機21は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、操作入力・表示部214と、通話回路215と、マイク部216と、スピーカ部217と、位置情報受信手段218と、画像処理回路219と、フレームメモリ220と、画像表示手段221と、撮影手段222とを備えており、各構成要素はバス900を介して接続されている。
GPS(全地球測位システム)は、一般には、複数の人工衛星からの電波を受信し、その到達時間のずれから自分のいる緯度と経度等の地球上の位置情報を算出するシステムである。近年、GPS機能を搭載した図10に示したような携帯型電話機が多数開発されている。GPSは、携帯型電話機の位置情報を取得し、ディスプレイの地図上に位置を表示するシステムがあるが、まだまだ利便性に欠けるところがある。
本発明では、GPS機能を使用した携帯型電話機の利便性をより高めることができる。たとえば、従来では、自分の携帯型電話機の位置情報を通信あるいは通話している相手装置に送ることができず、相手装置に自分の携帯型電話機の位置を表示することができないという課題がある。本実施形態では、その課題を解決するために、通信装置は位置情報受信手段と、通信相手識別手段と、通信手段とを備え、所定の通信相手と通信する場合には、位置情報受信手段によって取得した位置情報を、通信相手装置に送信するものである。
具体的には呼設定信号(SETUP)に、位置情報データを含ませて通信相手装置へ送信する。もちろん、通信相手識別手段は必須ではなく、すべての相手に対して送信してもよい。通信相手装置は、受信した位置情報に基づいて、地図情報とその地図情報の所定の位置に、相手通信装置の位置を示すマークを表示する。また相手装置もGPS機能を備えていれば、位置情報を送信してきた相手装置の位置情報とともに自分の位置情報も表示することができる。この場合、相手と自分を区別ができるマークを表示することが好ましい。
具体的には文字、数字、アルファベット、絵文字、絵、図、図形等のマークが考えられる。地図データはあらかじめ通信相手装置のメモリ手段に記憶されている。また、必要な時に地図データを他の装置(例えば基地局またはサーバ装置等)からダウンロードしてもよい。また通信装置が位置情報とともに地図データを送信してもよい。また通信装置同士でお互いに位置情報を交換することにより、お互いに相手装置の位置を自分の装置の表示部に表示することもできる。また双方の装置がGPS機能を搭載していれば、お互いに相手装置と自分の装置の位置を自分の装置の表示部に表示することができる。またこれは2者間に限らず多者間でも同様である。
このように所定の縮尺の地図データの上に2つ以上の位置情報を表示画面に表示する場合に、一方の位置情報(例えば自装置の位置)を地図データの領域内に表示できても、他方の位置情報(例えば通信相手装置)が表示する地図データの領域外になってしまうという課題がある。この課題の解決策としては、所定の数の位置情報が地図データの領域内になるように、複数の位置情報が示す位置関係に応じて所定の縮尺の地図データを使用する地図選択手段がある。地図選択手段の具体例として2つの位置情報を地図上に表示する場合を説明する。
一方の位置情報と他方の位置情報のX方向とY方向の距離差をそれぞれx2とy2とし、表示装置に表示する地図データの水平方向の最大距離x1と、垂直方向の最大距離y1とすると、x1≧x2かつy1≧y2、となる地図の縮尺をSとすると、S以上の縮尺を持つ地図データの中から適宜選択する。この場合通常は縮尺Sまたはそれに近い縮尺を選択するがそれに限定されない。一方の位置情報を地図の中心付近に表示したい場合は、Sの2倍の縮尺以上を持つ地図データを使用すればよい。
図11(A),(B),(C)の例では、最初はS1の縮尺の地図とその地図上に片方(自装置)の位置を表示している(図11(A))。(x2)÷(x1)>(y2)÷(y1)なので、縮尺が(S1)×(x2)÷(x1)の地図を選択し表示する(図11(B))。次に自装置を地図の中央に表示するために、縮尺が2×S1×(x2)÷(x1)の地図を選択し表示し、自装置のマークを地図の中央に表示し、他の装置もマークも所定の地図上の位置に表示する(図11(C))。また以上の実施形態を応用して、3以上の複数の装置を地図上の所定の位置に配置することができる。また縮尺の異なる地図を選択する地図選択手段はこれに限定する必要はなく、他の公知技術を適用してもよい。
また、地図選択手段として、複数の位置情報に応じて表示する元の地図データをずらすことも考えられる。地図選択手段の具体例として2つの位置情報を地図上に表示する場合を説明する(図12(A),(B),(C)参照)。一方の位置は地図データの領域の中にあり、他方の位置は地図データの左辺方向の領域外とする。一方の位置と地図データの右辺との距離差をx5、他方の位置と地図データの左辺との距離差をx6とすると、(x5)−(x6)≧0であれば、左辺側へx6移動した地図データを表示し、それぞれの位置情報に相当するマークを地図上に表示する。このままでは、他方の位置は地図の左辺上にあるので、さらに(x5−x6)÷2だけ左辺方向に地図データをずらすと丁度、それぞれの位置の辺からの距離が等分となる。これと同じように垂直方向にも適用すれば2つの位置情報を同一の地図データの領域上に表示することができる。
さらに、今まで説明した表示する位置情報が2つの場合の実施形態を、3つの以上の位置情報を表示する場合にも応用できことは言うまでもない。この場合、地図選択手段は自装置の位置が必ず地図上に表示されるようにしてもよい。また、端末装置に優先順位をつけて(例えば、通信が開始された順番)、地図上に表示することも考えられる。
また、複数の位置情報を地図上に表示する場合において、すべての位置情報が地図上に表示できない場合もある。その場合には、地図の領域外であることを示すマーク(印)を地図上に表示することもできる。マークとしてどのようなものでも可能であるが、マーク位置から該当する位置の方向を指し示す矢印がよい。また、地図上に表示できない端末装置の名称や識別情報や、表示できない端末装置の数等の情報を表示装置に表示できる。また端末装置同士の距離情報を表示してもよい。
また、ここまでは通話しながら、位置情報を載せた制御プロトコルを送受信する場合を説明してきたが、端末装置同士では通話せずに、制御プロトコル(制御情報)のみで位置情報を逐次送受信するGPS専用の通信モードであるGPS通信手段を備えていてもよい。
位置情報を送るべき所定の通信相手かどうかを判断する通信相手判断手段の具体例としては、相手の電話番号を記憶しておく電話帳手段を利用することが考えられる。電話帳手段に、位置情報を送信する電話番号を登録する。具体的には、電話帳に記憶されている電話番号に対応する記憶領域、すなわち位置情報送信ビットを用意し、位置情報を送る電話番号として登録された電話番号については位置情報送信ビットをアクティブにしておく。アクティブな位置情報送信ビットを持った電話番号が電話帳手段から選択された場合、あるいは直接テンキーで電話番号が入力された場合には、その電話番号が電話帳手段に登録されていて、かつ位置情報送信ビットがアクティブになっているかどうかを検査する電話番号検査手段により、入力された電話番号が電話帳手段に登録されていて、かつ位置情報送信ビットがアクティブになっていると判断された場合には、位置情報受信手段によって取得された位置情報を通信プロトコル(例えば呼設定信号(SETUP))に挿入し相手装置に送信する。また相手識別情報としては前記電話番号の他にメールアドレス、IPアドレス、URI等が考えられる。位置情報はそれぞれのプロトコルに挿入されて相手装置に転送される。また通信相手判断手段に関わらず、すべての通信に対して位置情報を送信するか、送信しないかを設定する位置情報送信設定手段を備えていてもよい。
また110番あるいは119番に代表されるようないわゆる緊急電話の場合には、前記位置情報送信設定手段によって位置情報を送信するように設定されていなくても、位置情報を送信するようにしてもよい。発信が緊急電話かどうかの判断は、自装置に入力手段によって入力された電話番号が、所定の電話番号であるかどうかを比較することによって行う。あるいは、緊急電話番号が入力されると、表示装置に、位置情報を送信するかどうかのメッセージを表示してもよい。この場合、肯定の入力があると位置情報を送信する。あるいは緊急電話番号の入力と、発呼指示の入力(いわゆる緑の電話ボタンやそれに相当する入力)があると、位置情報を送信するかどうかのメッセージを表示して、それに対する肯定の入力があると位置情報を送信してもよい。また、通話中に所定のボタンを押すことにより、制御プロトコルに位置情報を挿入して送信してもよい。その場合であって、緊急電話番号で繋がった場合にのみ、所定のボタンを押すと位置情報を送信するようにしてもよい。
また別の実施形態として、目的地の住所情報を自端末装置に入力して、位置情報送信手段により位置情報を基地局に送信する。基地局は受信した位置情報を地図情報選択手段により解析し、その位置情報に対応する所定の領域の地図情報を選択し、位置情報を送ってきた端末装置に返信する。その地図情報を受信した端末装置は、自端末装置ありは外部に接続されている表示手段にその地図情報を表示するとともに、目的地マーク手段は目的地の場所を示すマークを地図情報の所定の位置に表示する。さらに、自端末装置の位置情報を位置情報受信手段により取得し、自端末装置マーク手段は自端末装置の位置を示すマークを地図情報の所定の位置に表示するものである。
住所情報は位置情報(緯度、経度)そのものでもよい。また、位置情報は通常使用されている住所(○○県××市)の場合は、住所データから位置情報に変換する位置情報変換手段を端末装置または基地局が備えていてもよい。また住所情報は地図情報の任意の場所を端末装置の入力手段によって指定することによって位置情報に変換してもよい。また住所情報や位置情報としてはすでに説明したものに限定する必要はなく、他の公知技術を適用できる。
位置情報送信手段には、メール手段、サーバ接続手段、FTP手段、HTTP手段等がある。メール手段は、SMTPやPOP3を使用したいわゆるE−Mailや、独自プロトコルを採用するメール手段がある。位置情報はメールの本文やSubjectの欄に記載し送信する。サーバ接続手段とは、いわゆるNTTドコモのiモードやKDDIのEzwebやインターネットようにサーバ装置に接続して、サーバ装置と端末装置の間でデータのやり取りを行うものであり、位置情報をデータとして送信する。FTP手段やHTTP手段は、そのプロトコルのデータ領域に位置情報を含ませて、あるいはデータそのものとして送信するものである。
地図情報選択手段は、あらかじめ地図情報を記憶している記憶手段から、位置情報が示す場所を含む地図情報を選択する。この選択の具体的手段は現在の公知技術を適用できる。
目的地マーク手段は、目的の位置情報と一致あるいは近似する地図情報の位置情報を検索し、該当する位置情報に対応する地図情報の位置を示す所定のマークを、表示手段に表示された地図データ上に表示するものである。
自端末装置マーク手段は、自端末装置の位置情報と一致あるいは近似する地図情報の位置情報を検索し、該当する位置情報に対応する地図情報の位置を示す所定のマークを、表示手段に表示された地図データ上に表示するものである。
また別の実施形態として、自装置(端末装置)の位置情報と位置を知りたい対象の情報(識別情報、名称、識別番号、住所情報、エリア情報等)を基地局またはサーバ装置に送信し、サーバ装置は、その情報に基づいて、地図データと、位置を知りたい対象に該当する1以上の地図上の位置データを、端末装置に送信することが考えられる。例えば、自装置がある場所において、銀行を探したい場合において、位置情報受信手段によって取得した自装置の位置情報と、銀行を表す識別情報(例えば「銀行」「スーパー」「都バス」「コンビニ」「トイレ」「駅」「タクシー」等)を基地局またはサーバ装置に送信する。サーバ装置は受信した位置情報を含む地図データをサーバ装置の記憶手段から選択し、さらに「銀行」として登録されているものの位置情報であって、地図データの領域に含まれるすべてをデータベース手段から検索して、対象物の位置情報と地図データを、端末装置に送信する。端末装置は受信した地図データを表示し、受信した銀行の位置情報に基づいて、地図上にマークを表示する。あるいは、サーバ装置は、対象物の位置情報を送信する代わりに、位置を示すマークを表示した地図データを送信してもよい。対象物とそれの位置情報はサーバ装置のデータベース手段にあらかじめ記憶されているが、例えば、対象物に位置情報受信手段を設置し、位置情報受信手段によって取得した位置情報を、ネットワークを使用して定期的にサーバ装置に送信し、サーバ装置はその情報でデータベースを更新してもよい。
このように、目的物を探すときに、自分のいる場所から一番近い場所を探すことができる。
また別の実施形態としては、位置情報受信手段と位置情報送信手段を備えた端末装置は、所定のコマンド情報を受信した場合に、位置情報送信手段は、位置情報受信手段によって取得した位置情報を、コマンド情報を送信した通信装置に返信するものが考えられる。
所定のコマンド情報を受信する手段としては、電話手段、メール手段、FTP手段、HTTP手段等がある。電話手段では、相手通信装置として電話機が使用され、電話機から本装置に発呼するすることにより本装置が着信して通話路が設定される。この場合に、電話機から所定のDTMF信号からなるコマンド情報が送信され、本装置はそのDTMF信号を検出ことによりその後の動作を行うものである。またメール手段では、メールの本文あるいはSubjectにコマンド情報に相当するデータを含ませたものを受信する。FTP手段、HTTP手段では、そのプロトコルあるいはデータに所定のコマンド情報を含ませたもの、あるいはコマンド情報をデータそのものとしたものを受信する。また電話手段、メール手段、FTP手段、HTTP手段の代わりに、他の公知技術を適用することもできる。
また、別の実施形態としては、端末装置が所定のコマンド情報を受信した場合に、ICタグ手段の利用を禁止あるいは禁止の解除するものが考えられる。または入力手段からの所定の入力によってICタグ手段の利用を禁止あるいは禁止の解除するものが考えられる。
また、別の実施形態としては、位置情報受信手段を備えた端末装置は、所定の条件に基づいて、位置情報受信手段によって取得した位置情報を、位置情報送信手段によって所定の通信装置に送信することも考えられる。または、所定の条件に基づいて、位置情報受信手段によって取得した位置情報を、記憶手段に記憶する位置情報ログ手段を備えた端末装置も考えられる。
所定の条件とは、端末装置に備えられたICタグ手段が利用された場合や、所定の時間間隔になった場合、所定の時刻になった場合、所定のコマンド情報を受信した場合等が考えられる。また別の所定の条件としては、位置領域判断手段の出力がある。位置領域判断手段は、位置情報受信手段によって定期的に取得された位置情報が、あらかじめ設定された位置情報の所定の領域内に入ったかどうかを判断するものである。所定の領域のデータ形式としては、位置情報を中心とした所定の半径の領域や、位置情報を中心とした所定の大きさの正方形あるいは長方形の領域等が考えられる。このように表現された領域情報(範囲情報)に、位置情報受信手段により取得した位置情報がその範囲内に含まれるかどうかを判断する。位置領域判断手段の出力、すなわち、領域内や領域外を示す情報が前記所定の条件として使用される。
位置情報ログ手段は、所定の条件が成立する毎に、位置情報受信手段を使用して位置情報を取得して、記憶手段に記憶するものである。記憶されたログはまとめて他の通信装置に送信することもできる。また自装置の表示装置に表示することもできる。
また別の実施形態として、位置情報ログ手段と後述する電波時計手段を備え、位置情報ログ手段は、位置情報受信手段によって取得した位置情報と、電波時計手段によって取得した時刻情報を記憶手段に記憶できる。これにより正確な時刻を記録することができる。
また、別の実施形態として、自動的に所定の時間間隔で被写体を撮影するとともに、その画像を所定の通信装置に送信するカメラ付き通信端末装置も考えられる。これはカメラ付き通信端末装置を監視モニターとして使用したいという課題を解決するためである。前記通信端末は、時計手段、カメラ手段、送信手段を備え、それぞれは現在の公知技術を適用できる。所定の時間間隔や所定の通信装置に送信するための所定の通信アドレスは、あたらじめ設定することができる。また所定の時間間隔の代わりに、あらかじめ設定した1以上の所定の時刻になると撮影し、画像を送信してもよい。また必ずしも撮影が行われるたびに画像を送信する必要はなく、画像の量が所定の量(所定の画像枚数、所定の画像の総データ量)に達した場合に、送信するようにしてもよい。また本装置に電源アダプターが接続されている場合に、撮影と画像の送信動作を行うようにしてもよい。従って、電源アダプターが接続されていなければ、自動的に撮影は行わない。これは撮影する場合はかなり大きな消費電力を必要とする場合があり、そのためにバッテリー不足になるのを防ぐためである。
また、別の実施形態として呼出モードトグル切替手段を備えた携帯型電話機がある。従来のマナーモードボタンは、着信音を鳴動させて呼び出しを行う通常の呼び出しと、マナーモードと呼ばれる呼び出し、すなわちバイブレータによる振動による呼び出しと、着信音も鳴らさず、バイブレータも振動させないサイレントによる呼び出しがあり、マナーボタンの押し下げにより、この通常の呼び出しとマナーモードの2つをトグル動作で切替えていた。ところが、マナーモードをバイブレータとサイレントのどちらかに設定するかは、別の複雑な操作が必要であり、仮にマナーモードとしてバイブレータを設定していた場合に、サイレントモードに設定するには普段使用していない操作が必要であり、ユーザにとっては煩雑で不便であった。そこで本発明はその課題を解決するものである。
呼出モードトグル切替手段は、音源を鳴動させて着信を知らせる着信音モードと、バイブレータを振動させて振動により着信を知らせるバイブレータモードと、音源を鳴動させずかつバイブレータを振動させないサイレントモード(LED、表示部、バックライトを点灯あるいは点滅させてもよい)の3つの呼出モードを切替えるものである。モードの切替はそれ専用の1つのボタン(呼出モード切替ボタン)の押し下げ毎に3つのモードをトグル動作で切替えるものである。切替動作を詳細に説明すると、装置の電源が投入されると所定の呼出モード(ここでは着信音モードで説明する)に設定される。次に呼出モード切替ボタンが押されると(ボタンの長押しでのみ切替えるようにしてもよい)、バイブレータモードに切替わり、次に呼出モード切替ボタンが押されると、サイレントモードに切替わる。次に呼出モード切替ボタンが押されると最初の着信音モードに切替わる、いわゆるトグル動作を行う。呼出モード切替ボタンは、通常のスイッチで構成されてもよいし、タッチパネル上の擬似スイッチで構成されていてもよい。また他の機能を兼用しているボタンでも呼出モード切替ボタンとして使用可能である。この場合には、他の機能の操作と区別をするために、呼び出しモードを切替える場合には、ボタンの長押しがされた場合にモード切替のトグル動作を行うものである。呼出モードトグル切替手段は、具体的にはCPU、ROM、RAMから構成される制御手段と、鳴動手段、バイブレータ手段、操作入力手段から構成されるものであり、制御手段は呼出モードを切替えるために鳴動手段、バイブレータ手段と操作入力手段を制御するものである。このようにして、一度のボタン操作で、煩雑な操作をする必要なしに、着信音モード、バイブレータモードとサイレントモードを切替えることができる。
また、別の実施形態(図18)として、時刻設定用電波を受信して時刻を設定する電波時計手段を備え、自装置が使用されていない場合には、自装置が使用されている場合よりも、前記電波時計手段が出力する時刻情報をより大きく表示する時計表示手段を備えた携帯型電話機装置が考えられる。従来の携帯型電話機は、時計用ICを搭載してはいたが、コストダウンのために安価な時計回路を使用していたため、時計の精度が悪く、腕時計代わりに使用するには精度的に問題があった。そこで、電波時計手段を内蔵することにより、時計の精度を高めることができる。電波時計手段を内蔵した携帯型電話機のブロック図は特に示さないが、図6の携帯型電話機のブッロク図にさらに電波時計手段を追加したもので説明されたに等しいものである。また、携帯型電話機として使用していない場合には、例えば、折りたたみ式の携帯型電話機であるなら、折りたたんだ状態の時や、ボタン入力が最後の入力から所定時間経過した場合等等のように、いわゆる待機状態(スタンバイ)の場合、時計情報を表示器に大きく表示し(例えば、大きなフォントで時刻を表示したり、アナログ時計を描画する等)、携帯型電話機として使用する場合、例えば通話、メール作成、インターネット接続、その他の操作等で使用する場合には、その使用のための表示を邪魔しないように、時計情報の表示は小さく(小さいフォントを使用する)表示するか、あるいは時計の表示をやめる。このように精度の高い時計表示を大きく表示することにより、携帯型電話機を腕時計の代わりに使用することができる。
また、別の実施形態として、マナーモード(サイレント、バイブレータモード)が設定されていても、所定の条件であればマナーモードを解除するか、あるいは着信音を鳴動させるマナーモード無効手段を備えた携帯型電話機が考えられる。マナーモードの場合、携帯型電話機を体から離しておくと、本人がディスプレイの着信を示す表示を見るまで電話があったことを知ることができないという課題がある。あらかじめ少なくとも1以上のマナーモード有効領域情報を設定しておき、基地局から電話の呼び出しがあると、位置情報受信手段によって位置情報を取得し、その位置情報がマナーモード有効領域外であればマナーモードを解除して着信音を鳴動させる。またはマナーモードを一時的に無効にして着信音を鳴動させる。またはバイブレータの振動をさらに大きくする。その位置情報がマナーモード有効領域内であればマナーモードのままにする。またマナーモード無効手段を使用するにあたって、電話をかける側に暗証番号の入力を条件にしてもよい。この場合、電話をかける側で、暗証番号を入力して、マナーモード無効命令モードで電話をかける。暗証番号とマナーモード無効命令情報は、呼設定プロトコルにより相手側装置に送信され、相手側装置ではマナーモード無効命令情報を受信し、さらにあらかじめ自装置に設定してある所定の暗証番号と受信した暗証番号を比較して、一致したならばマナーモード無効手段を有効にするものである。このように、マナーモードを設定していても、電話で呼び出すことができる。
図14(A),(B)にICタグ手段を内蔵した携帯型電話機のブロック図を示す。図14(A)に示す携帯型電話機31Aは、CPU311と、ROM312と、RAM313と、操作入力・表示部314と、通話回路315と、マイク部316と、スピーカ部317と、無線通信手段318と、ICタグ手段319とを備えており、各構成要素はバス900を介して接続されている。
また、図14(B)の携帯型電話機31Bは、携帯型電話機31Aの構成に加えて、ICタグリーダライタ手段320を備えている。ICタグ手段319に記憶されている情報は、ICタグリーダライタ手段320によって、読み出したり書き込んだりする。また、ICタグ手段319は無線通信手段318のみで利用する。
また、図15(A)にICタグ(ICタグ手段319)を示し、図15(B)にタグ通信手段としてのICタグリーダライタ手段320のブロック図を示す。
本実施形態では、ICタグは装置に内蔵されており、ICタグは数ミリ角のシリコンチップで構成される場合もある。
図15(A)において、ICタグ(すなわち、ICタグ手段319)は、CPU3191と、ROM3192と、RAM3193と、無線通信手段3194とからなる。無線通信手段3194は、電波信号を送受信するためのアンテナ用コイル、共振コンデンサ、変復調回路、整流平滑回路を含んで構成される。ICタグ手段319は、ICタグリーダライタ手段320から送信されてくる高周波の電力用電波信号をアンテナと共振用コンデンサで受信し、整流平滑回路で整流平滑化して、一定電圧の動作用電源を作成してICタグ内部に供給する。
またICタグリーダライタ手段320から送信されてくる信号は、電力用電波信号に重畳されており、受信した信号は変復調回路によって復調される。CPU311はROM312に記憶されたプログラムによって動作するものであり、RAM313上に動作に必要なワークエリアを形成しながら、ICタグ手段319全体の動作の制御を行うものである。ICタグ手段319は一度情報を書き込んだら二度と変更できないリードオンリーのものと、後から書き換えが可能なものや、追記のみ可能なもの(追記型)がある。ICタグ手段319は通常は電源と搭載していないが、電源として電池を搭載していてもよい。
ICタグリーダライタ手段320は、制御回路3201と、電波信号を送信する送信アンテナ用コイルからなる無線送信部3202と、電波信号を受信する受信用アンテナコイルからなる無線受信部3203とから構成される。制御回路3201は、電力用電波信号を送信し、また送信する信号を電力用電波信号に重畳して送信用アンテナから送信する。また受信用アンテナからICタグ手段319が送信した信号を受信し、それを復調して受信データを得る。このようにICタグ手段319とICタグリーダライタ手段320の間では電波信号を使用して通信を行うことにより、ICタグ手段319の情報を読み出したり、逆にICタグ手段319に書き込みたい情報を書き込むことができる。
またICタグリーダライタ手段320はリーダ部とライタ部を両方備えているが、用途によってはどちらか一方を備えているだけでもよい。
ICタグ手段319とICタグリーダライタ手段320間での伝送媒体方式としては、電磁結合型、電磁誘導型、マイクロ波型、光交信型等がある。
また複数のICタグリーダライタ手段があると、相互干渉によるICタグ手段の読み取りエラーが起こる。その対策としては、ICタグリーダライタ手段同士の交信状況を互い知らせることによって干渉を防ぐ同期手段がある。また1つのICタグリーダライタ手段が他のICタグリーダライタ手段をコントロールするマスタスレーブ手段を備えていてもよい。
電波信号を使用したICタグ用無線プロトコルあるいは通信方式は、例えばコマンド・レスポンスをベースとしたシンプルなプロトコルで構成されてもよいし、その他プロトコルはいろいろあり、また現在も多くのものが提案されているためここでは言及を避けるが、どのようなプロトコルであれ、本発明に使用できるものである。特にプロトコルにHTTPを使用するとともに、ファイル形式にML(マークアップ・ランゲージ)ベースのファイル(XML,HTML,SGML,XHTML,CHTML,HDML,DHTML等)を使用することにより、より汎用性の高い利用が期待できる。
また、使用するICタグの種類、ICタグの使用用途あるいはICタグが使用する無線周波数等の違いによって多くの通信方式(エアインターフェイスとも呼ばれているもので、いわゆる通信の方式であり、具体的には、使用する電波の周波数、通信プロトコル、エラー訂正方式、符号方式、圧縮方式等がある)が存在するために、使用できる通信方式が相異するICタグを複数内蔵している場合、ICタグリーダライタ手段が使用できる通信方式以外の通信方式を使用するICタグと交信できないという問題が生じる。これを解決するために、マルチ通信方式手段あるいは通信方式切替手段を備える。マルチ通信方式手段あるいは通信方式切替手段とは、通信プロトコルを例にとると、後述するSIPの標準呼設定プロトコルとローカル呼設定プロトコルを切替えて使用する場合と基本的な思想は同じもので、ICタグリーダライタ手段は所定のICタグ用無線プロトコルを送出した後に、別のICタグ用無線プロトコルを送出し、さらに次々にICタグリーダライタ手段が持っている通信プロトコルを送出するものである。ICタグは自身が備えている通信プロトコルを受信した場合にはそのまま交信を行い、自身が備えていない通信プロトコルに対しては反応しないことになる。また通信プロトコルの他に使用する電波の周波数、エラー訂正方式、符号方式、圧縮方式も同様である。
図16にマルチ通信方式手段あるいは通信方式切替手段の一例のフローチャートを示す。ICタグリーダライタ手段は、通信方式はA通信方式、B通信方式、C通信方式の3つの通信方式を備えているとする。まず最初にA通信方式によって電波を送出する(S901)。A通信方式を備えたICタグが電波の届く範囲に存在すれば(S902の「YES」)、ICタグはA通信方式によって応答(レスポンス)をICタグリーダライタ手段に返す。ICタグリーダライタ手段はこの応答を受信した場合にはA通信方式によって交信を継続して所定の情報を読み出したり、書き込んだりする。このA通信方式によって複数のICタグが応答した場合には、複数のICタグと交信を行う(S903)。A通信方式による応答がなかった場合(S902の「NO」)には、次にB通信方式による電波を送出する(S904)。B通信方式による電波を送出した場合や、A通信方式による交信が終了した場合において、B通信方式のレスポンスがあったときは(S905の「YES」)、B通信方式で交信を行う(S906)。B通信方式のレスポンスがない場合(S905の「NO」)には、C方式で電波を送出する(S907)。B通信方式による通信が終了した場合や、C方式で電波を送出した場合において、C通信方式のレスポンスがあったとき(S908の「YES」)は、C通信通信方式での通信を行い(S909)処理を終了し、C通信通信方式のレスポンスがなかったときも(S908の「NO」)処理を終了する。
このようにすることにより、ICタグリーダライタ手段が備えているすべての通信方式による通信を行う。
以上のように、ICタグリーダライタ手段がマルチ通信方式手段あるいは通信方式切替手段を備えることにより、いろいろな通信方式を持つICタグを複数内蔵している場合でも、1台のICタグリーダライタ手段によってICタグの情報を読み出したり、書き込んだりすることができる。また、ICタグにマルチ通信方式手段あるいは通信方式切替手段を備えていてもよい。
本発明の一実施形態では、ICタグ手段をプリペイド手段として使用する。プリペイド手段とは、前もって所定の方法で支払精算を済ませておき、支払い精算で支払った金額情報に相当する価値情報を記憶手段に蓄積しておくものである。所定の方法とは、入金装置(チャージ装置)に対してある料金を支払い(通常は現金を投入するが、クレジットカードやその他の支払い可能なカードで支払ってもよい)、その支払った金額に相当する価値情報(電子マネー情報)を入金装置から自装置に転送し、プリペイド手段あるいは記憶手段に蓄積するものである。また、携帯型電話機の電波I/F(携帯型電話機と基地局間)を使用して、電子マネー情報を蓄積しているサーバ装置に接続し、電子マネー情報をサーバ装置から携帯型電話機に移すことも考えられる。一方、例えばある商品を買った場合に代金の精算は、代金の精算を行う精算装置を使用するものである。実際には、自装置と精算装置を接続して、精算装置から自装置に対して、精算代金に相当する精算情報と精算を実施するための命令信号である精算信号情報を送信する。自装置は、自装置のプリペイド手段に蓄積されているその時の価値情報から受信した精算情報を減じ、その結果の価値情報をプリペイド手段に記憶することにより、精算を行うものである。
入金装置または精算装置と自装置との接続は、自装置にあらかじめ備えられている汎用のI/F手段あるいは専用のI/F手段、あるいはICタグ手段の無線I/F手段を利用する。また他の公知技術を使用してもよい。
次に、携帯型電話機に1つのICタグを内蔵して、精算する対象が複数ある場合の実施形態を説明する。複数の精算対象として、運賃、買物代金(ショッピング、飲食、各種サービスに対する支払い)、電話代(パケット代も含む)の3つの例で説明するが、もちろんこの3つに限定する必要はなく、他の支払い対象にも実施可能である。まず、ICタグの無線I/F手段を使用して、ICタグリーダライタ手段を内蔵している入金装置から、電子マネー情報(価値情報)を自装置のICタグに蓄積する。この場合、対象となる電子マネーを扱う提供会社が3つの支払い対象を扱っている場合には、1つの入金装置から電子マネー情報を蓄積して、実際の精算も場合も、3つの支払い対象に対して蓄積した電子マネーを共通に使用することができる。しかしながら電子マネーを異なった支払い対象に共通に使用できるため、ある支払い対象の金額が高額になった場合に、残りの電子マネーで他の支払い対象を精算できないという不具合が生じる可能性がある。
そこで本発明では、おのおのの支払い対象に対して、精算できる最大の電子マネーの金額を設定する支払い限度設定手段を備えるものである。支払い限度設定手段の1つの実施形態としては、おのおのの支払い対象に対して支払いできる限度額を、蓄積した電子マネーの割合としてあらかじめ設定しておくものである。例えば、買物、電話代、運賃の割合をそれぞれ50%、20%、30%と設定しおくと、電子マネーの蓄積が1万円だった場合には、それぞれの支払い限度額は5千円、2千円、3千円となる。次に、買物で2千円分を支払った後に、さらなる電子マネーの蓄積が2万円だったとすると、それぞれの支払い限度額は1万3千円(3千円+1万円)、6千円(2千円+4千円)、9千円(3千円+6千円)となる。この場合、後述する支払い残高表示手段には、それぞれ1万3千円、6千円、9千円の残高が表示される。また別の実施形態として、おのおのの支払い対象の支払い限度額を直接設定する場合も考えられる。たとえば、買物、電話代、運賃をそれぞれ1万円、4千円、6千円と設定するものである。精算する場合に、支払い限度額を超える場合には、精算を行えないようにするのが通常であるが、後述するように限度を超えることを警告しておいて、蓄積された電子マネー全体で支払うことができれば精算を行うようにしてもよい。また支払い限度設定手段は前述した実施形態に限定されるものではなく、他の公知技術を適用できる。
次に、実際に精算する場合に、支払い限度額を超える場合に警告をする支払い限度警告手段を備えていてもよい。例えば、警告音を発する、警告メッセージを表示手段に表示する等が考えられる。また支払い限度の設定を解除する支払い限度解除手段を備えていてもよい。この場合、支払い限度警告手段により警告された場合、支払い限度解除手段によって、その支払い対象の支払い限度を解除することにより、蓄積されている電子マネーのすべてから精算することができるようにするものである。
また、所定の支払い対象に対して支払いすることができる電子マネー情報(残高)を、支払い対象毎に表示する支払い残高表示手段を備えていてもよい。具体的には、表示装置に支払い対象の名称、すなわち前述した例では、「買物」「電話」「運賃」等の名称と、それに対応する残高、すなわち「1万3千円」「6千円」「9千円」の電子マネー情報を表示するものである。
また、前実施形態では、電子マネーと取り扱う提供会社が1社の場合を想定したが、複数の提供会社の場合を説明する。ICタグの通信方式は、その提供会社が異なるとその通信方式も異なるのが通常である。従って従来では、1種類のICタグには1つの通信方式しか対応していないため、1台の携帯型電話機では別の電子マネー提供会社の電子マネーを扱うことが出来ないという問題が生じることが予想される。本発明はそのような課題を解決するものであり、ICタグ手段に複数の通信方式を持つICタグマルチ通信方式手段あるいはICタグ通信方式切替手段を備えるものである。例えばICタグ手段にA通信方式とB通信方式を備えた場合を考えると、A通信方式に対応している提供会社の入金装置から電波を受信するとA通信方式で交信を行い、入金装置から電子マネーをチャージして、A通信に関連した記憶媒体に電子マネー情報を記憶する。次にB通信方式に対応している提供会社の入金装置からの電波を受信するとB通信方式で交信を行い、B通信に関連した記憶媒体に電子マネー情報を記憶するものである。それぞれの提供会社で使用できる残高情報は、支払い残高表示手段により、その提供会社のサービス名等の名称とともに表示される。
また、提供会社が異なっていても、提供会社同士で電子マネーサービスを相互に使用できるのであれば、別々にチャージされた電子マネーを一方から他方に移すことができる。これはあらかじめ共通で使用できる提供会社の情報を示す共通電子マネー情報を電子マネー情報に付加しておき、その共通電子マネー情報に応じて電子マネーの移動を自装置上で行うものである。具体的には、自装置上で電子マネーの移動を指示した場合に、共通電子マネー情報を解析し、その結果、共通で使用できる電子マネーと判断した場合に、電子マネーを移動させるものである。
また、前述した実施形態では、1台の携帯型電話機に1種類のICタグ手段を搭載した場合であるが、別の実施形態として、1台の携帯型電話機に複数のICタグ手段を搭載した場合も考えられるが、動作は前述した実施形態とほぼ同じである。
また別の実施形態として、プリペイド手段を利用した場合に、その利用の態様を示す情報を利用ごとに記憶手段に記憶するプリペイド利用ログ手段を備える。利用の場面として、入金時、支払い時、残高の照会時等があり、利用の態様を示す情報として、利用日時、入金か支払いか、入金金額、支払い金額、支払い対象、入金あるいは支払い時のICタグリーダライタ手段の情報等がある。また上記ログ情報を定期的にあるいは所定のログ量(またはログ件数)に達した場合所定の通信アドレスに対して送信してもよい。送信手段としてはメール、FTTP、HTTP等を使用できるが、他の公知技術でも可能である。
運賃や買物の精算は、ICリーダ装置を内蔵した専用の精算装置によって精算を行うが、電話代の精算方法はそれと違っているため、携帯型電話機の電話代をプリペイド手段で精算する実施形態を説明する。1つの実施形態としては前述したように携帯型電話機に内蔵されているプリペイド手段に電子マネーを蓄積し、そこから使用した電話料金を逐次差し引く方法がある。この場合、通話の終了時の基地局とのプロトコルを使用して、プリペイド手段に蓄積されている電子マネー情報から、基地局から受信した料金データを差し引くことにより精算を行う。あるいは、通話時に、制御プロトコルを使用して逐次基地局から受信した料金データを差し引いてもよい。また通話開始前の基地局とのプロトコル(呼制御プロトコル)において、携帯型電話機のプリペイド手段に電子マネーが残っているかどうかを検査し、電子マネーが残っていなければ通話を禁止することができる。この通話の禁止は、自装置が発信する場合も受信する場合も可能である。
また別の実施形態として、使用する通話料金を支払うための電子マネー情報を、基地局側のサーバ装置等に記憶する方法も考えられる。まず、サーバ装置に接続されている入金装置に携帯型電話機の電話番号あるいは携帯型電話機を特定するための識別情報を入力し、次に通話料金を現金あるいはカード等で支払う。電話番号を入力する代わりに、携帯型電話機を入金装置に接続して、入金装置が携帯型電話機の記憶手段に記憶されている電話番号あるいは携帯型電話機を特定するための識別情報を読み出してもよい。さらに、携帯型電話機のプリペイド手段に蓄積されている電子マネーを通話料金として入金してもよい。
その通話料金は電話番号あるいは識別情報と対応付けられて、電子マネーとしてサーバ装置の記憶手段に記憶される。次に通話する場合には、携帯型電話機からの発呼時に、基地局との通信プロトコルで、携帯型電話機の電話番号あるいは識別情報を、基地局側が受け取り、その情報に基づいて、サーバ装置に電子マネーの残高が残っているかどうか検査する。電子マネーの残高がなければ通話は行われない。電子マネーの残高が残っている場合には、通話が開始され、通話時間に応じて電子マネーは減じられる。電子マネーがなくなれば通話は中止される。通話中、サーバ装置に記憶されている電子マネー情報を、サーバ装置から受信して、携帯型電話機の表示装置に表示してもよい。
またICタグの通信I/Fの代わりに自装置に備えられている赤外線I/F、ブルートゥースI/F、無線LANI/Fあるいは専用I/F等の通信I/Fを使用してもよい。
ICタグに記憶するその他の情報として装置情報があるが、装置が通常の物の場合には、物の名称、機能、効能、スペック(使用方法、色、寸法、形状、重量等)、原材料、関連情報、製造年月日、販売年月日、販売国、製造国、製造メーカ名、販売店名、価格等の物の情報である。また装置についての情報(装置の種類(携帯型電話機、PHS、IP電話、IP端末装置、一般加入者電話機、ファクシミリ装置、通信機能付コンピュータ、PDA等)、装置の名称、装置の端末識別情報(電話番号、IPアドレス、URI、URL、ID等)、装置のスペック、設置場所、使用環境、使用履歴、装置のプロフィール等)、装置使用者についての情報(名前、性別、生年月日、年齢、勤務先会社名、住所、趣味、プロフィール等)、画像(装置の画像、使用者の顔画像、動画像、その他の画像)、音声データ(音声メッセージ、BGM、音楽等)等の装置の説明情報もある。装置情報は通常はテキストデータであるが、画像データやプログラム等のバイナリデータでもよい。また装置情報は前記情報に限定されるものではなく、対象物に関する情報すべてを含む。装置情報は通常はICタグのRAMやROM等の記憶手段に記憶されている。さらに装置情報は前述した単なる装置の情報にとどまらず、装置の状態情報をも含む。装置の状態情報とは例えば、装置がある製品の場合には、製造中、検査中、保管中、出荷中、販売中、使用中、修理中、リサイクル中等、装置の状態あるいは時間的な状態を表す情報がある。例えば製品がユーザの手に渡った場合(販売された場合)に、使用中を表すビットを有効にすることにより、その製品が販売されユーザが使用中の状態になっていることを知ることが出来、その情報を得ることによりさまざまなサービスを行うことができる。例えばその製品に意匠権がある場合において、その製品が販売中の場合には、意匠権と販売中のビットを有効にすることにより、無断で写真を撮影したり出来ないようにすることもできる。
また別の実施形態としてHTMLのように、装置情報は装置のデータ情報とレイアウト情報(表示方法の情報)の少なくとも1以上で構成してもよい。つまりレイアウト情報は装置のデータ情報を表示部に表示する方法(表示の仕方)を示す情報である。すなわち、装置情報は装置のデータ情報を、レイアウト情報に基づいてICタグリーダライタ手段の表示部に表示されるものである。レイアウト情報としては例えば文字の種類(フォント)、文字の大きさ、文字の色、文字の修飾、文字の表示位置、画像の表示位置、画像の大きさ、背景色、アニメーションの位置、アニメーションの大きさ等であって、具体的にはXMLやHTMLのML言語(MLベースのファイル)で扱っているレイアウト情報等がある。
図17は本発明の一実施形態であるICタグ付きIP電話のブロック図である。またこれにTV放送受信手段を搭載することもできる。図17に示す携帯型電話機51は、CPU511と、ROM512と、RAM513と、操作入力・表示部514と、通話回路515と、マイク部516と、スピーカ部517と、無線通信手段518と、ICタグ手段519に加えて、IP手段520を備えており、各構成要素はバス900を介して接続されている。IP手段520以外の要素は、図14(A)において説明した同じ名称の構成要素と機能は同じであるので説明は省略する。
ハンドセットは音声通話をするいわゆる受話器なるものであり、音声を出力するスピーカ部517や音声を入力するマイク部516等から構成される。通話回路515はマイク部516等から入力された音声信号をIP手段520に送出し、IP手段520から入力された音声信号をスピーカ部517等に出力するものである。また音声信号を増幅したりあるいは減衰することにより音量を調整したり、音声信号の周波数特性を変化させることにより音質をよくしたりする回路も含まれているのが一般的である。また送話器から受話器への音の回り込みを制御するいわゆる側音制御もこの部分で行うのが一般的である。またこの通話回路においては、ハンドセットのマイク部516から入力されたアナログの音声信号はデジタル音声信号に変換され、スピーカ部517に出力するために入力されたデジタル音声信号はアナログ音声信号に変換される。通話回路515は網側との間で、音声信号を送受信する。また画像データと装置情報の送受信も行う。携帯型電話機の場合は基地局との間で無線を使用して通信を行うが、有線で交換局と通信してもよい。
IP手段520は通話回路515から送られてきた音声信号を必要であれば符号化圧縮する。次に音声信号データを送信用のIPパケットに埋め込み、順次、回線接続I/F手段518に送り出す。また回線接続I/F手段518から入力される受信用のIPパケットから音声信号データを取り出し、必要であれば復号伸張し、通話回路515に送出する。またIP手段は画像データを送信用のIPパケットに埋め込み、順次回線接続I/F手段518に送り出す。また回線接続I/F手段518から入力される受信用のIPパケットから画像データを取り出してRAM513や、図示しない画像処理回路へ出力する。
また、IP手段520は呼制御を行うための制御用IPパケットを組み立て、順次回線接続I/F手段518に送り出す。さらに回線接続I/F手段518から入力される受信した制御用IPパケットを分解する。
このような制御用IPパケットの送出、受信はIP手段520とは独立した別の手段で構成してもよい。IP手段520の動作制御はCPU511で行う。回線接続I/F手段518はIP手段520から入力される送信用IPパケットを接続回線に送出する一方、接続回線から入力される受信用パケットをIP手段520に送出する。
接続回線としてNTT等が供給している一般の電話網を使用する場合には、デジタル信号とアナログ信号を相互に変換するXDSLモデムが回線接続I/F手段518に含まれる。また接続回線がLAN等であれば回線接続I/F手段518はLAN用のI/F(イーサネット、トークンリング、FTTH、無線LAN等)である。また携帯型電話機、PHS等の無線I/Fであってもよい。また、その複数のI/Fのうち少なくとも1以上を備えていてもよい。
図19にICタグ手段、位置情報受信手段、電波時計手段、携帯型電話機手段を備えた携帯型時計(腕時計等)の機能ブロック図を示す。
図19において携帯型時計71は、CPU711と、ROM712と、RAM713と、操作入力・表示部714と、通話回路715と、マイク部716と、スピーカ部717と、無線通信手段718と、ICタグ手段719と、位置情報受信手段720、電波時計取得手段721と、クロック回路722とを備えている。なお、ICタグ手段719、位置情報受信手段720、電波時計取得手段721、携帯型電話機手段(通話回路715と、マイク部716と、スピーカ部717等)を全部備えなくても、これらの少なくとも1つ以上を備えた腕時計も本発明の技術的範囲に属する。詳細はすでに説明したので省略する。
以下、サーバ装置と交信するためのプロトコルを説明する。ここでは、IP電話やIPテレビ電話で使用されるプロトコルについて説明し、携帯型電話機、PHS、Email、HTTPのプロトコルについては標準化されているので説明は省略する。
呼設定手段は標準で規定されている標準用呼制御用プロトコル(SIP,H.323、MEGACO、HTTP等)を使用して呼設定を行い通信あるいは通話を可能にするものである。
図20にSIPのプロトコルスタックを示す。図20に示されているように、呼・セッション制御用プロトコルとしてSIPを使用する場合、Network Layer(ネットワーク層)においてIP(Internet Protocol)が使用される。また、この場合、Transport Layer(トランスポート層)においてUDP(User Datagram Protocol)、TCP(Transmission Control Protocol)、またはSCTP(Stream Control Transmission Protocol)が使用される。また、この場合、SIPメッセージを記述する制御情報記述プロトコルとしてSDP(Session Description Protocol)が使用され、また、UDP(トランスポート層)とともに、動画/音声の送受信プロトコルとして、RTP(Realtime Transport Protocol)が使用される。
図21は、本発明の具体的なSIPの制御用パケットの構造を示す図である。図21に示されているように、SIPの制御用パケットには、IPヘッダと、UDP(TCP)ヘッダと、SIPメッセージとが含まれている。
図22は、本発明の具体的なSIPのデータ用パケットの構造を示す図である。図22示されているように、SIPのデータ用パケットには、IPヘッダと、UDPヘッダと、RTPヘッダと、音声・画像データとが含まれている。
図23は、本発明の具体的なUDPデータグラムの構造を示す図である。図23に示されているように、UDPデータグラムには、送信ポート番号と、宛先ポート番号と、データ長と、チェックサムと、データとが含まれている。
図24は、本発明の具体的なSIPで使用されるIPデータグラムの構造を示す図である。図24に示されるように、IPパケットの構成は、バージョン情報と、ヘッダ長情報と、サービスタイプ情報と、トータル長情報と、識別子(ID)と、フラグ情報と、フラグメント・オフセット情報と、生存時間(TTL)情報と、プロトコルタイプ情報と、ヘッダチェックサム情報と、送信元アドレスと、宛先アドレスと、オプションと、パディングと、データ領域とからなる。
図25に標準の呼制御プロトコルのうちの1つであるSIPの通信モデルのプロトコル図を示す。まず発呼側から「INVITE」というリクエストメッセージを送出する。「INVITE」はセッションの起動信号であり、それには発呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。具体的には発呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示するものである。着呼側は「INVITE」を受信し、呼び出し状態になったことを通知するために「180 RINGING」を発呼側へ送信する。この「180 RINGING」で着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示してもよいが、通常は次の「200 OK」で提示する。次に着呼側が通話可能状態になったことを通知するために「200 OK」を発呼側へ送信する。それには着呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。この「200 OK」で着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示する。次に発呼側が「ACK」を着呼側へ送信し、これにより通信に利用可能な属性がネゴシエーションされる。本発明では便宜上ここまでを接続フェーズと定義している。次にメディア(音声、画像、動画等)の転送が開始される。本発明ではこのメディアの転送期間中を便宜上、データ送受信フェーズと定義している。通信を終了するときには、止める側が「BYE」信号を送信することにより通信終了を要求し、それを受信した側は、その応答である「200 OK」信号を送信して通信を終了する。本発明ではこのフェーズを便宜上、切断フェーズと定義している。
これらのプロトコルとインターネットプロトコルを使用して、Webサーバ装置を備えたWebサーバも考えられる。Webサーバ装置は記憶手段に複数のML(Markup Language)ベースのファイル(XML,HTML,SGML,XHTML,CHTML,HDML,DHTML等)を記憶しており、クライアントの要求に応じてファイルを送信するものである。このファイルにはマネー情報が含まれる。発呼側の通信装置はWebサーバに発呼を行い、呼設定(SIPの接続フェーズ)をした後に通信接続する。
接続中(SIPのデータ送受信フェーズ)に、発呼側は着呼側に対して、HTTPプロトコルを使用して、MLベースのファイルの送受信を行う。発呼側はMLベースのファイルを表示部に表示させるためのWebブラウザ手段を備えている。通信装置としてはICカード、買い物カゴ用ICタグリーダ装置、IP電話、携帯IP電話等があり、基地局端末間無線プロトコル上で呼設定プロトコル(PPP等)とHTTPプロトコルが動作する。またICカード、買い物カゴ用ICタグリーダ装置、IP電話、携帯IP電話が備えている赤外線I/F、ブルートゥースI/F、無線LANI/Fあるいは専用I/Fのプロトコル上でも呼設定プロトコルとHTTPプロトコルを動作させてもよい。
図26に本発明の通信モデルの別の実施形態のプロトコル図を示す。
標準呼設定プロトコルとはSIP、 H.323、HTTP、MEGACO、PPP等に代表されるように、その仕様が広く一般の使用者やメーカ等に開放されているものであり、ローカル呼設定手段またはローカル呼設定プロトコルは、その仕様は原則的には一般の使用者やメーカ等には非公開であり、それを開発あるいは使用するメーカあるいは、複数のメーカが集まって構成されたグループ内のみに公開されるものである。
ローカル呼設定手段は標準呼設定プロトコルのセッションの属性の他に(重複して持っていてもいいが)、独自のセッションの属性である受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件と、さらに標準呼設定プロトコルが持っていない、装置に関わる独自の情報(装置が装備している機能、装置の状態を示す情報、相手装置の設定を変更する情報、相手装置の機能を実行する情報等)をIPパケットに挿入し、それを相手装置に送信するものである。まず発呼端末は発呼する際に自端末に備わっているプロトコルを調査し、最初に送出するプロトコルとして優先設定されているプロトコルで通信を開始するため(この例では標準プロトコルが設定されている)、まず発呼側は標準のプロトコルであるSIPの「INVITE」信号を着呼側へ送信する。次にそのすぐ後にローカル呼設定手段によってローカルプロトコルの1つである「invite」信号を送信する(プロトコル切替手段あるいはマルチプロトコル手段)(標準プロトコル信号を大文字で表し、それに相当するローカルプロトコル信号を小文字で表す)。着呼側は「INVITE」信号と「invite」信号の両方を受信し(マルチプロトコル手段)(順次メモリに蓄えておくことにより複数の制御信号を受信することができる)、「invite」信号を選択するとともに、呼び出し状態になったことを通知するために「180 ringing」を発呼側へ送信する(プロトコル選択手段)(もちろん場合によっては、例えば標準プロトコルを優先設定されている場合等、「INVITE」信号を選択してもよい)。この後の動作は標準プロトコルがローカルプロトコルに代わる以外は、図24のプロトコルとシーケンスは同じである。その他の独自の受信条件としては、前記の他に、装備している通信プロトコルの種類、呼設定の方式に関係するもの、ネゴシエーションに関係するもの、端末の通信能力、データの圧縮方式、デジタル化方式、プロトコルの種類、それに使用するIPパケットの種類、IPパケットの構造、IPパケットの定義、再送処理方式、エラー処理方式、セキュリティ方式等、通信条件に関するあらゆるものが考えられる。また標準プロトコルの「INVITE」信号を送出する前に、すなわち最初からローカルプロトコルの「invite」信号を送信してもよい。また、「invite」信号は接続フェーズまたはデータ送受信フェーズまたは切断フェーズの期間中のどこでも送信してもよい。例えば、データ送受信フェーズの場合には、ユーザが例えば音声の品質がよくないとか、画像の品質がよくない場合に、高品質な方式に切り換えたい場合に、例えば端末の入力手段から方式を切り替える操作を入力した場合に、「invite」信号を送出することが考えられる。着呼側は標準プロトコルである「INVITE」信号に対して「180 RINGING」信号または「200 OK」信号を送信した場合、すなわち標準プロトコルで接続(ネゴシエーションが成立)した後でも、接続フェーズまたはデータ送受信フェーズまたは切断フェーズの期間中に「invite」信号を受信することが出来、その場合は再びネゴシエーションをやり直すことになる。
装置に関わる独自の情報(装置が装備している機能、装置の状態を示す情報、相手装置の設定を変更する情報、相手装置の機能を実行する情報等)とは具体的には、
・装置が装備している機能:Webブラウザ機能、ストリームデータ再生機能、テレビ電話機能、留守番電話機能、留守番録画機能、録音機能、録画機能、着信メモリー、リダイヤルメモリー、電話帳機能、発信元番号通知機能、発信者名称通知機能、着信拒否機能、着信メロディー変更機能、転送機能、キャッチホン機能等
・装置の状態を示す情報:留守番電話がセットされている情報、留守番録画がセットされている情報、装置に不具合があることを示す情報、装置が使用されていることを示す情報、装置のなんらかの機能がセットされていることを示す情報等
・相手装置の設定を変更する情報:留守番電話をセットあるいは解除する命令、留守番録画をセットあるいは解除する命令、装置に備わっている機能が動作するようにセットあるいは解除する命令等
・相手装置の機能を実行する情報:留守番電話に録音されている音声を再生させ送信させる命令、留守番録画に録画されている画像を再生させ送信させる命令、着信メロディの変更させる命令等
等がある。
ローカル呼設定手段の他の実施形態として、標準呼設定手段で使用する標準プロトコルのIPパケットに、ローカル呼設定手段で使用するローカルプロトコルで使用する情報を含ませる方法がある。
図27にその一実施形態を示す。SIPの制御用パケットのSIPメッセージ部分に、ローカル呼設定手段で使用するローカルプロトコルで使用する情報(ローカルプロトコル情報)を含ませた一実施形態である。またIPヘッダのオプションフィールドにローカルプロトコル情報を載せてもよい。SIPプロトコルのみしか対応していない端末はローカル部分を無視するため、SIPで呼制御を行うが、ローカル呼設定手段に対応している端末は、このローカル部分を解釈し、必要に応じてローカルプロトコルで呼制御を行うものである。すなわち標準のセッションからローカルなセッションに移行することができる。
図28に別の一実施形態を示す。これはSIPのデータ用パケットのRTPヘッダ以下の音声、画像データを載せる部分に、ローカル呼設定手段で使用するローカルプロトコルで使用する情報を含ませた一実施形態である。またIPヘッダのオプションフィールドにローカルプロトコル情報を載せてもよい。SIPプロトコルのみしか対応していない端末はローカル部分を無視するため、SIPで呼制御を行うが、ローカル呼設定手段に対応している端末は、このローカル部分を解釈し、必要に応じてローカルプロトコルで呼制御を行うものである。すなわち標準のセッションからローカルなセッションに移行することができる。
このように独自のローカルプロトコルに対応している端末はIPパケットのどの部分にローカルプロトコル情報が載せられているのかは、あらかじめ認識しているので、ローカルプロトコルの搭載形態は任意に構成することができる。
またIP端末は発呼側および着呼側にもなりえるように、発呼側および着呼側で使用する両方のプロトコルを備えているのが一般的である。
また、標準のプロトコルでセッションが開始されたのか、あるいは独自のプロトコルでセッションが開始されたのかを表示部に表示することができる。例えば「SIP」「H.323」「独自方式」等の表示をする。ユーザをこれを見ることにより通信の状態あるいは使用できる機能等を知ることができる。また接続に使用したプロトコルによって使用できる機能等を表示することもできる。また、発呼する場合、相手装置がどのプロトコルを装備しているか分からない場合には、発呼端末が装備している複数のプロトコルまたはすべてのプロトコルの「INVITE」または「invite」信号を順次送出することができる。着呼側はその複数のプロトコルのうちの1つを選択し、その選択したプロトコルに相当する応答信号を1つだけ返信することができる。または複数のプロトコルのうち複数のプロトコルを選択し、その選択した複数のプロトコルに相当する応答信号を複数返信することもできる。この場合、発呼側は優先順位の高いプロトコルを選択することができる。
またローカルプロトコル信号にプバイナリーデータのプログラムやソースプログラム等のプログラム(例えばアプリケーションプログラム)を含ませて、相手装置に送信することも考えられる。この場合、その信号を受信した装置は、プロトコル信号に含まれているプログラムを検出した場合には、プロトコル信号から分離し、メモリ手段に記憶する。場合によってはそのプログラムを起動して、ある作業を実行するか、あるいは相手装置からの次のプロトコル信号に含まれている命令を実行する。具体的な例を挙げると「invite」信号のSIPメッセージの中にプログラムを挿入して着呼側装置に送信する。着呼側装置は受信した「invite」信号のSIPメッセージを検査し、プログラムを検出するとそれをメモリ手段に記憶させる。次にそのプログラムを起動することによりプログラムを待機させる(待機させることにより素早く次の作業を実行できる)。次の「ack」信号のSIPメッセージの含まれている命令情報を受信し、その命令をプログラムが実行する。逆に着呼側が「180 ringing」あるいは「200 ok」信号にプログラムを挿入して発呼側に送信し、発呼側で受信したプログラムを実行してもよい。プログラムとしてJAVA等に代表されるように実行環境に左右されないマルチプラットホーム型のプログラムが適しているが、それに限定されるものではない。
またローカル呼設定手段は複数の呼設定プロトコルを備えていてもよい。このようにローカル呼設定手段を備えることにより、標準呼設定手段で使用できる機能以外の機能を使用することができるので、利便性が向上する。またローカル呼設定手段はメーカ独自に作成し実装することができるため、さまざまな制約を受けることなく仕様を決定することができるという利点がある。
従って、ローカル呼設定手段は同一のメーカの製品の間で使用したり、同一のメーカではないが同一のグループ(例えば異なるメーカが集めって成立した通信グループ等)に所属するメーカの製品の間で使用することになるが、これに限定されない(デファクトスタンダードのような使用の仕方もある)。
現在、IP電話サービスとしては、NTTのメタリックケーブルにIP電話用アダプタを接続し、さらにそのアダプタに市販の電話機を接続して、IP電話サービスを行っている例がある。この場合、NTTの電話番号と、IP電話用の電話番号(いわゆる050番号)の2種類を使用することができる。ここで、電話を受ける側が前述したIP電話で、電話をかけるほうが一般の電話を想定した場合、NTTの電話番号でかけるか、IP電話用の電話番号でかけるかによって電話料金が変わってくる。それはまた市内通話、市外通話、遠距離通話によっても電話料金が変わる。また現在の電話サービスにはNTTのナンバーディスプレーがあり、前述した例で言うと、IP電話から一般の電話に、IP電話を使用して(NTTではないという意味)電話番号通知で電話した場合、一般の電話側がナンバーディスプレーのサービスを受けている時は、かけた側のIP電話用の電話番号が、一般の電話側のディスプレイに表示される。また、IP電話から一般の電話に、NTTを使用して電話番号通知で電話した場合、一般の電話側のディスプレイにはNTTの電話番号が表示される。このように、電話をかける側(IP電話)には2つの電話番号があるには関わらず、電話を受ける側には1つの電話番号しか通知されず、その通知された電話番号で、一般の電話からIP電話に電話をする場合、使用する電話番号によって料金が異なってしまうという問題がある。また通話料金に限らず、使用する電話番号によって、通信端末装置が使用できる機能(通信サービス、端末自身の機能、通話品質など)が変わってしまうという問題もあり、このように複数の電話番号を持っている場合に、どのように相手に電話番号を通知するのがいいのかという問題がある。そこで本発明はその課題を解決する。
その1つの例としては、発呼する通信端末側が、複数の端末識別情報(識別番号、端末番号、電話番号、通信アドレス等)を持っている場合であった、相手通信端末に対して端末識別情報通知をする場合には、少なくとも2以上の端末識別情報を相手通信端末装置に伝えることが考えられる。この場合、発呼する通信端末が端末識別情報を直接相手通信端末装置に送信してもよいし、通信網側の通信制御用の装置が、相手通信端末装置に送信してもよい。端末識別情報を受信した受信側の通信端末装置は、自装置の表示装置に、受信した発呼側の端末識別情報を表示する。この場合、受信した全てを表示してもよい、所定の条件(所定の情報と一致した端末識別情報、所定の情報を含む端末識別情報、050を含んだ端末識別情報、050を含まない端末識別情報等)に合致した端末識別情報を表示してもよい。これにより、受信した通信端末装置が、発呼側の通信端末装置に発呼する場合に、受信した端末識別情報から希望する端末識別情報を選択することが出来る。
別の実施例としては、発呼する通信端末装置あるいは通信網側の通信制御装置が、所定の条件に応じて、発呼側の通信端末装置が持っている複数の端末識別情報のうち、所定の端末識別情報を選択して、受信側の端末装置に送信することが考えられる。所定の条件とは、
(1) 相手通信端末装置から発呼する場合に、使用して欲しい端末識別情報。この場合、端末識別情報毎に、利用できる仕様、機能(端末が使用できる機能、通信上の機能)等が異なる場合を想定している。
(2)相手通信端末装置が発呼した場合に、通信料金が安くなると予想される端末識別情報、
等が考えられる。
具体的には、発呼側の通信端末装置が持っている端末識別情報と、受信側の通信端末装置が持っている端末識別情報を比較して、その結果に応じて、複数の端末識別情報から所定の端末識別情報を選択して、受信側の通信端末装置に送信する。端末識別情報に、通信端末装置が使用できる機能、使用できる通信機能、プロバイダ情報、通信料金情報、その他の情報が含まれているか、あるいは示唆している場合を想定している。
さらに、具体例を挙げると、例えば、端末識別情報が電話番号である場合を考えると、発呼側の通信端末装置が持っている電話番号と、受信側の通信端末装置の電話番号を比較する。電話番号からプロバイダを特定できる場合には(例えば、050の次の4桁はプロバイダに固有の番号である)、発呼側の通信端末装置が持っている複数の電話番号のうち、同じプロバイダの電話番号があれば、その電話番号を受信側の通信端末装置に通知する。
また別の実施例としては、発呼側の通信端末装置が、IP電話用の電話番号とNTTの電話番号を持っている場合に、受信側の電話番号がIP電話用の電話番号であれば(あるいはNTTの電話番号以外の電話番号である場合、たとえば携帯電話、PHS)、IP電話用の電話番号を通知することも考えられる。あるいは、発呼側の通信端末装置が、IP電話用の電話番号とNTTの電話番号を持っている場合に、相手通信端末装置がNTTの電話番号を持っている場合、お互いのNTTの電話番号の市外局番を比較し、同じであれば(市内通話)NTTの電話番号を通知し、違っていれば(市外通話または遠距離通話)IP電話用の電話番号を通知する。この場合、市内通話はNTTからNTTへかけた方が、NTTからIP電話網を使用してかけるよりも電話料金が安く、市外通話の場合はその逆になるということを前提にしているが、その通話料金の条件が変わっても対応できるように、発呼側の通信端末装置あるいは通信網側の通信制御装置の電話番号通知の設定を変えることが出来るようにしたほうがよい。また電話料金を推定できる情報であれば、市外局番の比較に限定されないものである。また電話番号の比較に限らず、電話番号そのものから判断してもよい。このようにすることにより複数の端末識別情報を持つ場合、最適な端末識別情報を相手装置に通知することができる。
今まで、実施形態としてICカード、ICタグリーダ装置、携帯型電話機、IP電話、IPテレビ電話、腕時計を挙げたが、通信端末装置としてはその他に移動無線機、無線LANを使用したIP電話、IP端末装置、一般加入者電話機、通信機能付コンピュータ、携帯型電話機、PHS、PDA等の通信機能を備えた端末装置があり、それぞれの通信端末装置が使用できる通信プロトコルを使用して実施可能である。ぞれぞれの通信端末装置の構成は公知であるため、ブロック図による図示は省略するが、本発明の特徴に係る手段は前記実施形態と同様に備えているものである。
また本文中に記載があって、特にブロック図に図示していない各種の「手段」は、専用ハードウェアで構成されているか、あるいはCPU,ROM,RAMと若干のハードウェアで構成されているものである。
また、上記した各実施形態、および各々構成は本発明の特徴を備えている限り適宜組み合わせが可能であり、1つの実施形態の中で直接言及していない他の実施形態および構成も適用可能である。多数の発明が本明細書に記載されているので、そのすべての組み合わせの説明とその効果を記載することは事実上不可能であるが、その組み合わせの具体的な実施と効果については当業者が想定できものは、本明細書に記載されているものとみなすことができるのは言うまでもない。
また、本発明において複数の要素(構成)を持つ場合には、その要素の数は本実施形態に記載している要素の数には限定されるものではない。
しかし、従来は、マナーモードの場合、携帯型電話機を体から離しておくと、本人がディスプレイの着信を示す表示を見るまで電話があったことを知ることができないという課題がある。