JP2007269500A - ガラスの成形方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融ガラスを連続して成形鋳型に流下しながら、均一な熱履歴を有するガラスを連続的に成形する方法とその装置を提供すること。
【解決手段】溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型20の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、前記ガラスのガラス引き出し方向の少なくとも一部を熱交換しながら成形を行う。この熱交換は成形鋳型20の底板部21の端部付近を少なくとも除く部分において行われ、熱交換によってガラス底面を冷却する。また、ガラスの成形装置1の成形鋳型20は、底板部21を有し、該底板部21のうちガラス引き出し方向の少なくとも一部において、熱交換ユニット24が配設されている。
【選択図】図1
【解決手段】溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型20の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、前記ガラスのガラス引き出し方向の少なくとも一部を熱交換しながら成形を行う。この熱交換は成形鋳型20の底板部21の端部付近を少なくとも除く部分において行われ、熱交換によってガラス底面を冷却する。また、ガラスの成形装置1の成形鋳型20は、底板部21を有し、該底板部21のうちガラス引き出し方向の少なくとも一部において、熱交換ユニット24が配設されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、溶融ガラスを連続して成形鋳型に流下しながら、熱履歴が均一化された内部歪、分相等が残らないガラスを成形する方法および装置に関する。
通常溶融ガラスを板状あるいは棒状に連続して成形するには、溶融ガラスを成形ロール間に流してその周速度と同じ速度で成形ガラスを送り出す方法(複ロール法)や予め用意された成形鋳型の中に溶融ガラスを鋳込みガラスの鋳込み速度に合わせて成形ガラスを引き出す方法等がとられている。
固定成形鋳型に溶融ガラスを流下させて鋳込み、該成形鋳型の末端部から成形ガラスを引き出す方法としては、特許文献1あるいは特許文献2に記載された方法が知られている。特許文献1に記載された方法は、溶融ガラスをパイプで成形鋳型の近くまで導いて、上記成形鋳型の一端に溶融ガラス流出口と鋳込面との距離をできる限り近づけて溶融ガラスを流し込み、成形鋳型は固定したままガラスを連続的に引き出して成形するものである。そして、成形鋳型は、ガラスとの融着、成形されたガラスの肌の伸び、冷却によるひび割れ等を考慮し、温度制御されるが、この温度制御は型全体を冷却するという一方的な冷却操作で行われる。また、特許文献2に記載された方法は、特許文献1に記載された方法において、成形鋳型内の流出管の背部位置に堰を設けて、該堰に高周波振動を与えガラスを連続的に成形するものである。
特公昭45−19987号公報
特開昭50−51516号公報
しかしながら、これらの成形技術においては、溶融ガラスは流出管を通して成形鋳型に流し込まれて、所定の製品幅になるように左右に広げられて、連続的にガラス板が成形されるが、成形鋳型の底板部の溶融ガラスが流下される直下域は、連続的に流入する溶融ガラスから常時熱を受けて成形鋳型の中で最も高温となり、幅方向の両サイドになるにつれて温度の低下が起こり、ガラスの中央域から両サイド方向に向けた温度の傾斜(以下、温度勾配という)が生ずることになる。このため、高温である中央域では成形鋳型にガラスが融着し易くなる。また、ガラス板は幅方向で温度勾配を有する状態で冷却されて成形されるので、熱履歴が均一とならず、内部歪みや分相等を生じることになる。
また、ガラス上面側は外気に曝されているので、ガラス底面側に比べ温度の低下が速いため、幅方向と同様に板厚方向においても熱履歴が均一とならず、内部歪みや分相等を生じることになる。この分相が失透などの原因となり、その後の熱処理等に不都合となる。ここで、ガラス底面とは、成形鋳型の底板部及び/又は背板部と接するガラス面のことをいう。
したがって、この分相が失透などの原因となり、その後の熱処理等に不都合となり、また、結晶化ガラスを製造する場合は、その後の熱処理等に不都合となる。例えば、この成形されたガラスを母ガラスとして、熱処理により結晶化処理する際に、分相が生じているため、ガラス相中に均一な結晶を析出させることができず、得られた結晶化ガラスは熱膨張係数を初め、強度、研磨後の表面粗度(Ra)等の諸物性が安定しないことになるので、熱処理して利用するガラスの母ガラスとしては不都合であった。また、内部歪を生じているので、加熱処理を行った場合に破損し易い。
さらには、上面側においても、ガラス底面側及び/又は背板側と同じように幅方向の中央域は、連続的に流入する溶融ガラスから常時熱を受けて高温となり、両サイド域は放冷により温度低下が速いため、幅方向の中央域と両サイド域では、大きな温度勾配が生じることになり、上面側においても熱履歴が不均一になり、また、表面性も悪くなるといった不都合があった。
したがって、溶融ガラスを連続して成形鋳型に流下しながら、ガラスを成形する方法において、熱履歴が均一化され、これにより内部歪等が少なく、また、分相を生じないガラスの成形方法が求められている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、溶融ガラスを連続して成形鋳型に流下しながら、熱履歴が均一化され、これにより内部歪等が少なく、分相も生じることのないガラスを連続的に成形する方法とその装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、溶融ガラスを連続して流下しながら、成形鋳型の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、ガラスのガラス引き出し方向の少なくとも一部を熱交換すること、好ましくは、溶融ガラスが流下された成形鋳型の底板部及び/又は背板部の端部付近を少なくとも除いて熱交換することで、成形鋳型に接するガラスの中央域と両サイド域との温度差、およびガラス底面と上面との温度差が縮小され、熱履歴が均一化されたガラスを成形できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、前記ガラスのガラス引き出し方向の少なくとも一部を熱交換しながら前記成形を行うガラスの成形方法。
この態様によれば、溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、ガラスの少なくとも一部を冷却したり加熱したりしてガラスの熱交換をすることで、ガラスの温度勾配が低減されて、ガラスの幅方向および上下方法の温度差が縮小されるため、成形されたガラスは熱履歴が均一化する。すなわち、溶融ガラスが流下される直下域は、連続的に流入する溶融ガラスから常時熱を受けて最も高温となる。また、ガラスの両サイド域は温度が下がり易いので、高温となる中央域との温度差が一層大きくなり、温度勾配が増大するため、成形されたガラスは熱履歴が均一でなく、内部歪や分相等が生じ易いといった不都合を生じることになるが、例えば、高温となる中央域を冷却(熱交換)して温度を下げて、両サイド域との温度勾配を低減させることで、あるいは、両サイド部を加温(熱交換)することで両サイド域の温度を上昇させて、中央域との温度勾配を低減させることで上記不都合を解消することができる。尚、本発明でいう温度勾配とは、中央域からサイド部への温度の傾斜、或いはガラス底面側と上面側との温度の傾斜のことである。
この熱交換は、例えば、成形鋳型の底板部や背板部に熱交換ユニットを設けて、空気、水、油などの熱交換用流体によってガラス底面の一部を冷却したり、ガスバーナー等の加熱手段を用いてガラスの両サイド部を加温したり、あるいはガラス上面の一部を金属板等で冷却する等で行われる。
(2) 前記熱交換は、少なくとも前記成形鋳型における底板部及び/又は背板部において行われる(1)に記載のガラスの成形方法。
成形鋳型の底板部及び/又は背板部はガラスと直接接触している。このため、この態様によれば、効率的に熱交換することができる。
(3) 前記熱交換は、前記ガラスの製品幅方向の端部付近を少なくとも除く部分において行われる(1)または(2)に記載のガラスの成形方法。
この態様によれば、温度が低下しやすい製品幅方向の両サイド部付近は熱交換を行っていないため、端部付近は急速な温度低下が生じることがなく、そして高温な中央域が熱交換されて冷却されるために中央域と両サイド域の温度差が縮小されることになる。したがって、中央域から両サイド部への温度勾配が減少され、ガラスの熱履歴が均一化される。
(4) 前記熱交換を行う幅の割合が前記製品幅に対して10〜80%の割合である(1)から(3)のいずれかに記載のガラスの成形方法。
(5) 前記成形鋳型における底板部及び/又は背板部に熱交換ユニットを設け、該熱交換ユニットで熱交換を行う(1)から(4)のいずれかに記載のガラスの成形方法。
(6) 前記熱交換によって冷却を行う(1)から(5)のいずれかに記載のガラスの成形方法。
この態様によれば、ガラス底面側及び/又は背面側の温度が高い中央域が急速に冷却されるので、温度が効率的に低下する。このため、ガラス底面及び/又は背面側の温度勾配が平坦化する。
(7) 前記成形鋳型に流下された前記溶融ガラスを押し広げると共に所定のガラス成形厚みに規制する(1)から(6)のいずれかに記載のガラスの成形方法。
この態様によれば、成形鋳型に流下された前記溶融ガラスを押し広げると共に所定のガラス成形厚みに規制するので、所定厚みのガラスを効率よく成形できる。
(8) 前記成形鋳型の上方域を保温する(1)から(7)のいずれかに記載のガラスの成形方法。
この態様によれば、成形鋳型の上方域を保温するので、ガラス上面の温度勾配が低減される。すなわち、保温部材等で成形鋳型の上方域を保温することで、ガラス上面からの放熱が抑制され、両サイド域での温度低下が抑えられることになり、中央域の温度との温度差がより小さくなる。
(9) (1)から(8)のいずれかに記載のガラスの成形方法により成形されたガラス。
上記(1)から(8)のいずれかに記載のガラスの成形方法によれば、上述したように、熱履歴が均一化され、内部歪が少ないガラスが得られる。このため、熱処理を行う工程を必要とする用途向け、特に結晶化ガラス用の母ガラスとして好ましい。
(10) (1)から(8)のいずれかに記載のガラスの成形方法により成形された結晶化ガラス用ガラス。
(11) 成形鋳型と流出装置とを有するガラスの連続成形装置において、前記成形鋳型は、底板部及び/又は背板部を有し、該底板部及び/又は背板部のうちガラス引き出し方向の少なくとも一部において、熱交換ユニットが配設されているガラスの連続成形装置。
(12) 前記熱交換ユニットは、前記底板部及び/又は前記背板部の製品幅方向の端部付近を少なくとも除く部分に配設されている(11)に記載のガラスの連続成形装置。
(13) 前記熱交換ユニットは、その幅寸法がガラス成形幅に対し10〜80%の範囲である(11)または(12)に記載のガラスの連続成形装置。
(14) 前記成形鋳型は、前記底板部と、前記背板部と、ガイド部と、から構成される(11)から(13)のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
(15) 前記熱交換ユニットは、前記背板部の下方に位置する第1熱交換ユニットと、流出管の下方に位置する第2熱交換ユニットと、該第2熱交換ユニットのガラス引き出し方向側に位置する第3熱交換ユニットと、から構成される(14)に記載のガラスの連続成形装置。
(16) ローラーが、前記流出装置のガラス引き出し方向側で前記成形鋳型の前記底板部の上方に位置し、ガラス成形幅方向に配設されている(11)から(15)のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
(17) 前記成形鋳型の上方には、前記流出装置から前記成形鋳型上に流下された溶融ガラスを覆う形で、保温板が配設されている(11)から(16)のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
(18) 前記背板部は、熱交換室が形成されたものである(14)から(17)のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
(11)〜(18)のガラスの連続成形装置は、上述した(1)〜(8)のガラス成形方法を、ガラスの連続成形装置として展開したものである。このガラスの連続成形装置によれば、上述したガラスの成形方法で述べた効果と同様の効果を奏することができる。尚、(15)のガラスの連続成形装置によれば、ガラス底面の冷却を個別に行うことができるので、各部位での最適な冷却条件を設定でき、効率的にガラス底面を冷却することができる。また、(18)のガラスの連続成形装置によれば、溶融ガラスが接する背板部を水等の冷却用流体により冷却することができるので、ガラス底面及び/又は背面側の温度を急速に低下させることができる。また、背板部に形成された熱交換室が複数個であると、例えば、背板部の両サイド側は溶融ガラスと接する割合が少ないので、冷却条件を緩くする等といったように、背板部の各部位での最適な冷却条件を設定でき、効率的にガラス底面を冷却することができるので好ましい。
(19) (11)から(18)のいずれかに記載のガラスの連続成形装置により成形されたガラス。
(20) (11)から(18)のいずれかに記載のガラスの連続成形装置により成形された結晶化ガラス用ガラス。
(21) 溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、前記成形鋳型における、前記ガラスの製品幅方向の温度勾配が平坦に近づくように、底板部及び/又は背板部の前記製品幅方向の冷却を調整する方法。
この態様によれば、ガラスの製品幅方向の温度勾配が低減されるため、ガラスは中央域と両サイド域との温度差が小さくなり、ガラスの中央域や両サイド域が同じような条件で冷却されて固化するので、ガラスの熱履歴が均一化される。
このような調整をする方法としては、予め実験的に成形鋳型の底板部及び/又は背板部のガラスとの当接面付近の幅方向の何点かについて温度を測定しながら、幅方向の冷却度合いを変えて冷却して、ガラスの温度勾配が平坦に近づくような冷却条件を見つけ、実際の製造でその冷却条件となるように調整すること、または実際の製造で幅方向の何点かについて温度を測定しながらガラスの温度勾配が平坦に近づくように幅方向の冷却度合いを変えて冷却を調整する方法などがあげられる。
本発明のガラス成形方法およびガラス成形装置によれば、ガラスの幅方向の温度勾配が減少される。このため、ガラスは同じように冷却されて固化することになり、熱履歴が均一化される。
また、ガラス上面は外気に曝されているので、ガラス底面より温度が下がり易く、ガラス底面との温度差が大きいが、熱交換することでガラス底面とガラス上面との温度の差が小さくなる。このため、ガラス底面と上面とが同じように冷却されて固化が進むので、ガラスを引き出す際の底面と上面とのズレが少なく、分相を生じ難い。したがって、失透することなく、熱履歴が均一化されたガラスを成形することができる。
また、溶融ガラス上面の上方域を保温部材で覆って保温することで、ガラス上面の両サイド域での温度低下が抑制され、ガラス上面側でも温度勾配が減少されるので、更に熱履歴が均一化される。
このように、本発明のガラスは、熱履歴が均一化され、分相も生じていないので、均質なガラスであり、熱処理を行う工程を必要とする用途向け、特に結晶化ガラス用の母ガラスとして好ましい。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のガラスの成形方法は、溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する際に、前記ガラスのガラス引き出し方向の少なくとも一部を熱交換しながら成形するものである。
この熱交換は、成形鋳型の底板部及び/又は背板部で行うのが好ましい。これは底板部及び/又は背板部がガラスと直接接触しているため、熱交換を効率的にできるからである。また、この熱交換は底板部及び/又は背板部に熱交換用流体を直接的に接触させる、熱交換ユニットを設ける、底板部及び/又は背板部の裏面に冷却フィン取り付ける等によって行ってよい。
熱交換は、少なくとも幅方向の端部を除く部位で行うのが好ましい。これによって、温度が冷え易い端部を熱交換しないで、それ以外を熱交換するので、冷え易い端部の温度に近づけて、ガラスの熱勾配を均一にすることができる。この熱交換を行う幅の割合は、ガラス製品幅に対して、上限で80%、好ましくは65%、より好ましくは55%であって、下限で10%、好ましくは15%、より好ましくは20%の幅寸法の範囲で行うことが好ましい。この範囲で熱交換することで、温度が低下している両サイド域は、熱交換が行われず冷却されないことになる。このため、熱交換により冷却されたガラスの中央域の温度との差が減少し、温度勾配が少なくなる。
熱交換は、上記のように、熱交換用流体を直接的に接触させる方法でもよいが、熱交換ユニットにするとより効率的に行うことができ、熱交換部位を特定しやすいため好ましい。熱交換ユニットの構造としては、例えば、熱交換用流体が循環する熱交換室を底板部及び/又は背板部に設ける等が挙げられる。この熱交換用流体としては、底板部及び/又は背板部を冷却または加温できるものであれば特に限定されず、液体でも気体でもよいが、熱伝導率の点から液体であるのが好ましい。また、この熱交換ユニットは1個でも良いし複数でも良い。尚、この熱交換は、温度が低下している領域を加熱するより、周囲よりも高温となっている領域を冷却するほうが効率的でコストもかからないので好ましい。
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
<ガラス成形装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るガラス成形装置1の概略断面図であり、図2は、図1に示すガラス成形装置1の保温部材を取り除いた状態の平面図である。ガラス成形装置1は、下方に向けて溶融ガラスを流下する流出装置10と、この流出装置10の下方に設けられた成形鋳型20と、該成形鋳型20の上方域を覆う保温部材30と、流下された溶融ガラスAを幅方向に押し広げながら厚みを規制するローラー40と、を備える。また、ガラス面の上部にはガラスを冷却するための送風装置50が成形鋳型20の前方(ガラスの流れ方向)端部付近に設けられている。また、図示していないが、成形鋳型20の前方(ガラスの流れ方向)には、成形されたガラスを移送して徐冷するためのコンベアおよび徐冷炉が設けられている。
図1は、本発明の一実施形態に係るガラス成形装置1の概略断面図であり、図2は、図1に示すガラス成形装置1の保温部材を取り除いた状態の平面図である。ガラス成形装置1は、下方に向けて溶融ガラスを流下する流出装置10と、この流出装置10の下方に設けられた成形鋳型20と、該成形鋳型20の上方域を覆う保温部材30と、流下された溶融ガラスAを幅方向に押し広げながら厚みを規制するローラー40と、を備える。また、ガラス面の上部にはガラスを冷却するための送風装置50が成形鋳型20の前方(ガラスの流れ方向)端部付近に設けられている。また、図示していないが、成形鋳型20の前方(ガラスの流れ方向)には、成形されたガラスを移送して徐冷するためのコンベアおよび徐冷炉が設けられている。
(流出装置)
流出装置10は、溶融ガラスが収容された図示しないガラス溶融槽と、ガラス溶融槽から下方に延びて溶融ガラスを流出する流出管11と、を含んで構成されている。流出管11の形状は特に限定されるものではないが、溶融ガラスの流れをスムーズにし、かつ、先端部にガラスが停滞することなく、失透が発生し難くすると共に、ガラスを幅方向に均一に流し込むことができるように、その先端は幅方向に末広状に広がり、先端開口部では、中央部分が両端部分より狭い形状を有しているのが好ましい。また、場合によっては、流出管11から流下する溶融ガラスの温度が軟化点以上になるように加熱する加熱装置を設けてもよい。
流出装置10は、溶融ガラスが収容された図示しないガラス溶融槽と、ガラス溶融槽から下方に延びて溶融ガラスを流出する流出管11と、を含んで構成されている。流出管11の形状は特に限定されるものではないが、溶融ガラスの流れをスムーズにし、かつ、先端部にガラスが停滞することなく、失透が発生し難くすると共に、ガラスを幅方向に均一に流し込むことができるように、その先端は幅方向に末広状に広がり、先端開口部では、中央部分が両端部分より狭い形状を有しているのが好ましい。また、場合によっては、流出管11から流下する溶融ガラスの温度が軟化点以上になるように加熱する加熱装置を設けてもよい。
(成形鋳型)
成形鋳型20は、流出管11の下方に設けられており、流出装置10から流下された溶融ガラスAを受け止める底板部21を備えている。該底板部21でガラスを成形するが、さらに、該溶融ガラスAが後方(ガラスの反流れ方向)に流出するのを阻止する背板部22と、ガラス側面を形成する一対のガイド部23,23’とを備えていてもよい。また、ガラスの少なくとも一部を冷却等の熱交換するために、熱交換ユニット24は底板部21の製品幅方向における中央域に設けられていてもよい。該熱交換ユニット24は、背板部22の下方に位置して、背板部22の底面の製品幅方向における中央域を冷却する第1熱交換ユニット24Aと、流出管11の下方に位置し、流下された溶融ガラスAの直下のガラス底面の製品幅方向における中央域を冷却する第2熱交換ユニット24Bと、第2熱交換ユニット24Bの前方に位置し、ローラー40で溶融ガラスAを押し広げて成形されたガラス底面の前記中央域を冷却する第3熱交換ユニット24Cとから形成されている。
成形鋳型20は、流出管11の下方に設けられており、流出装置10から流下された溶融ガラスAを受け止める底板部21を備えている。該底板部21でガラスを成形するが、さらに、該溶融ガラスAが後方(ガラスの反流れ方向)に流出するのを阻止する背板部22と、ガラス側面を形成する一対のガイド部23,23’とを備えていてもよい。また、ガラスの少なくとも一部を冷却等の熱交換するために、熱交換ユニット24は底板部21の製品幅方向における中央域に設けられていてもよい。該熱交換ユニット24は、背板部22の下方に位置して、背板部22の底面の製品幅方向における中央域を冷却する第1熱交換ユニット24Aと、流出管11の下方に位置し、流下された溶融ガラスAの直下のガラス底面の製品幅方向における中央域を冷却する第2熱交換ユニット24Bと、第2熱交換ユニット24Bの前方に位置し、ローラー40で溶融ガラスAを押し広げて成形されたガラス底面の前記中央域を冷却する第3熱交換ユニット24Cとから形成されている。
それぞれの熱交換ユニット24A,24B,24Cは、内部をガラス底面と当接する面を外壁の一部とする空洞に形成し、水または空気等の冷却用流体を一方の導入口24aより送入して他方の排出口24bから取り出して循環される構造となっており、この冷却用流体は図示していないが、配管を通して冷却機に送られて所定の温度に冷却され、流量調節計で流量が調整され、それぞれの熱交換ユニット24A,24B,24Cが所定の冷却条件で冷却できるようになっている。また、導入口24aの先端部分は、それぞれの熱交換ユニット24A,24B,24Cにおいて、内部空洞内の下方側に位置し、排出口24bの先端部分は前記空洞内の上方の天井面に位置し、冷却された冷却用流体は空洞内の下方から導入され、空洞内を滞留して上方から排出され、空洞内に冷却された冷却用流体が空洞内の天井まで充満するようになっている。この際に、冷却用流体が空洞内の下方から上方に移動し、上方に移動した冷却用流体はガラス底面から伝導された熱を吸収して外に排出されるので、冷却用流体がガラス底面の熱を吸収していない冷却用流体と混合することなく循環される。尚、この冷却用流体による冷却の機構は、一例であって、これに限定されるものではなく、成形鋳型20の底板部21及び/又は背板部22の製品幅方向における端部付近を除く部位、好ましくは中央域付近を効率的に冷却できる機構であればよい。また、冷却用流体としては、底板部21及び/又は背板部22を冷却できるものであれば特に限定されず、液体でも気体でもよいが、熱伝導率の点から液体であるのが好ましく、特に水は安全、簡便、かつ容易に取り扱うことができ、コストも安いので好ましい。
熱交換ユニット24A,24B,24Cは、その幅寸法が製品幅に対して、上限で80%、好ましくは65%、より好ましくは55%であって、下限で10%、好ましくは15%、より好ましくは20%の幅寸法の範囲に形成されている。製品幅の10%より狭い場合は、流下された溶融ガラスAの底面を充分に冷却できず、所定の温度に下げることができない。また、80%より広い場合は、両サイド域も冷却されることになり、中央域との温度差を小さくすることができないからである。
背板部22は、ガラス引き出し方向に向かって下降する傾斜面を有する、断面形状が略三角形状の角柱状のものであって、内部には1個または複数個の熱交換室22Aが形成されている(本実施形態では、中央域と両サイド域とに区分されて3室に形成されている)。尚、背板部22の断面形状は、これに限定されるものはなく、例えば略台形状他であってよい。
また、背板部22の溶融ガラスAと接する面は、溶融ガラスAの流れをスムーズにして、特定箇所にガラスが停滞するのを防止して、折れ込みや失透の発生を防止する効果を有するので、傾斜面とするのが好ましいが、これに限定されるものではなく、傾斜面を有さないものであってもよい。傾斜面とした場には、その角度は5°〜85°、好ましくは10°〜70°の範囲内で適宜とり得るが、15°〜60°の範囲が特に好ましい。また、傾斜面の形状であるが、流下された溶融ガラスAは、図2に示すように、平面視形状がアーチ形に広がるので、傾斜面をこの広がり形状にあわせて平面視形状をアーチ形に形成してもよい。この場合、背板部22とガイド部23,23’とが一体化されたものであってもよい。
この熱交換室22Aは、内部を溶融ガラスA底面と当接する面を内壁の一部とする空洞に形成し、水または空気等の冷却用流体を一方の導入口22aより送入して他方の排出口22bから取り出して循環される構造となっており、この冷却用流体は、図示していないが、配管を通して冷却機に送られて所定の温度に冷却され、流量調節計で流量が調整され、それぞれの熱交換室が所定の冷却条件で冷却できるようになっている。導入口22aは、排出口22bより下方に位置し、冷却された冷却用流体は導入口22aから熱交換室22Aの空洞内の下方に導入され、空洞内を滞留して上方の排出口22bから排出され、空洞内に冷却された冷却用流体が循環するようになっている。この際に、冷却用流体はガラス底面の熱を吸収していない冷却用流体と混合することなく循環される。尚、この熱交換室22Aの構造や冷却用流体による冷却の機構は、一例であって、これに限定されるものではなく、背板部22の傾斜面に接して流れる溶融ガラスAが背板部22の表面に融着しない程度にガラス底面を冷却できる構成であればよい。また、冷却用流体としては、背板部22を冷却できるものであれば特に限定されないが、前述のように、水であるのが最も好ましい。
ガイド部23,23’は、流下された溶融ガラスAが幅方向に流出するのを防止し、ガラスの側面を形成するため、またはローラーと共にガラスの厚みを規定するためのものであり、底板部21と別体、あるいは一体であってもよい。また、流下された溶融ガラスAがガイド部23,23に触れて急激に冷却されないように、図示しないが、ガイド部23,23’はヒーター等によって加熱できるようにしておくのが好ましい。尚、このガイド部23,23’および背板部22は、ガラスの流出量、引き出し速度を調整することで、不要な場合もある。
上記の成形鋳型20を構成する材質としては、通常のガラス成形に用いられる材料、例えば、ダクタイル等で十分であり、特に限定されるものではないが、温度制御性、ガラスの融着性等からカーボン材、SiC、SiCとカーボンとの複合材を使用してもよい。
(保温部材)
保温部材30は、成形鋳型20に流下された溶融ガラスAの上方域を保温するためのものであって、鉄板等の保持材31に保持されて、溶融ガラスAを覆うようにして配設されている。これにより、両サイド域での溶融ガラスAの冷却が抑制されるので、溶融ガラスAの上面の温度勾配が減少し、中央域と両サイド域との温度差が少なくなり、均一に冷却され固化されることになり、ガラスの熱履歴が均一化される。尚、保温部材30の材質としては、耐火ファイバーからなる断熱マット等が挙げられる。
保温部材30は、成形鋳型20に流下された溶融ガラスAの上方域を保温するためのものであって、鉄板等の保持材31に保持されて、溶融ガラスAを覆うようにして配設されている。これにより、両サイド域での溶融ガラスAの冷却が抑制されるので、溶融ガラスAの上面の温度勾配が減少し、中央域と両サイド域との温度差が少なくなり、均一に冷却され固化されることになり、ガラスの熱履歴が均一化される。尚、保温部材30の材質としては、耐火ファイバーからなる断熱マット等が挙げられる。
<ガラスの成形方法>
次に、ガラス成形装置1によるガラスの成形方法について、図1、図2を参照しながら説明する。
次に、ガラス成形装置1によるガラスの成形方法について、図1、図2を参照しながら説明する。
それぞれの熱交換ユニット24A,24B,24Cに、水または空気等の冷却用流体を図示していない冷却機、流量調節計を介して、所定の温度、流量で導入口24aから導入して、空洞内を滞留させた後、排出口24bから取り出すことで循環させて、底板部21の製品幅方向における中央域を冷却する。また、それぞれの背板部22も、水または空気冷却用流体を図示していない冷却機、流量調節計を介して、所定の温度、流量で導入口22aから導入して、空洞内を滞留させた後、排出口22bから取り出すことで循環させて、背板部22を冷却する。
この状態で、溶融ガラスを流出装置10の流出管11から流下させ、成形鋳型20の底板部21上に流し込む。流し込まれた溶融ガラスAは、流し込み面において一定の表面流、すなわち、引き出し方向および幅方向への表面流のほかに、引き出し方向とは逆の表面後退流を生ずる。この後退流は、成形鋳型20の背板部22の傾斜面と接して冷却され、高粘度後退流となって順次下降し、さらに底板部21へと流れ、成形ガラスの底面を形成する。また、引き出し方向の表面流はローラー40により幅方向に押し広げられて成形ガラスの厚みが一定の厚さになるように規定されて前方に引き出され、次いで、送風装置50からエアーによって鋳込みガラスBの上面を十分に冷却固化させてから、鋳込みガラスBは、図示していないコンベア上に乗せられて除冷炉に送られる。
本発明のガラスの成形において、底板部21及び/又は背板部22の溶融ガラスが流下する直下域は連続的に流入する溶融ガラスから常時熱を受けるので温度が最も高くなるため、図3の破線で示す温度勾配曲線のように、ガラス底面は中央域から両サイド域にかけて大きな温度勾配を生ずることになるが、第2熱交換ユニット24B、さらには第1熱交換ユニット24A、および第3熱交換ユニット24Cによってガラス底面の中央域が冷却されることで、ガラス底面の中央域が冷却されて温度が低下し、図3の実線で示すようにガラス底面の中央域の温度と両サイド域との温度差が少ない温度勾配が減少された温度勾配曲線になり、ガラスの熱履歴が均一化される。また、この底板部21の冷却は、ガラス底面の中央域の温度を下げる効果の他に、溶融ガラスAの上面の中央域の温度も下げる効果を有する。尚、図3は、ガラス底面の製品幅方向の温度勾配曲線を説明する模式図であって、実線の曲線は、ガラス底面の中央域を冷却した場合の温度勾配曲線であり、破線の曲線は、ガラス底面の中央域を冷却していない場合の温度勾配曲線である。
また、溶融ガラスAの後退流は、図2に示すように、背板部22の傾斜面の中央域を接しながら両サイド側に広がっていく。そのため、背板部22は中央部分の熱交換室22Aの冷却温度が両サイド部の熱交換室22Aの冷却温度よりも低くしておくのが好ましい。
また、成形鋳型20の上方は、流し込まれた溶融ガラスAを覆う形で保温部材30が配設されているので、ガラス上面からの放熱が抑制される。このため、ガラス上面の両サイド域は放熱による温度低下が抑制され、保温部材30が無い場合と比べて温度が高くなり、ガラス上面の温度勾配が小さくなる。すなわち、図4の破線で示す保温部材がない場合の温度勾配曲線に対し、両サイド域の温度が高くなった図4の一点鎖線で示す温度勾配曲線となり、温度勾配が減少される。さらに、ガラス底面の製品幅方向における中央域は前述のように熱交換ユニット24により冷却されて温度が低下するが、これに伴って上面の中央域の温度も低下することになるので、上記の温度勾配曲線は中央域の温度がさらに低下したものとなる。すなわち、上記の一点鎖線で示した温度勾配曲線において、両サイド側は略同じ温度で、中央域の温度が下がった図4の実線で示した温度勾配曲線となり、温度勾配がさらに平坦化するため、ガラスの熱履歴が均一化してくる。尚、図4は、ガラス上面の製品幅方向の温度勾配曲線を説明する模式図であって、実線の曲線は、ガラス底面の製品幅方向における中央域を冷却し、さらに、保温部材でガラス上面の上方を覆った場合の温度勾配曲線であり、破線の曲線はガラス底面の前記中央域の冷却、および保温部材によるガラス上面の上方を覆うことのいずれも行っていない場合の温度勾配曲線であり、一点鎖線の曲線はガラス底面の前記中央域を冷却せずに、保温部材でガラス上面の上方を覆った場合の温度勾配曲線である。
尚、両サイド側の温度低下に対しては、通常、サイド側をガス・バーナー等の加温手段で加熱して、サイド域の温度を上げることが一般的に行われているが、この方法では、ガスの供給量、圧力等によって、加温のバラツキが生じ易いが、保温部材30を配設する方法では、溶融ガラスAの上面が全体的に保温されるので、両サイド域の温度低下が抑制される。
以下、本発明のガラスの成形方法に関する実施例について説明する。ガラスの成形装置としては、基本的には上記本発明の実施の形態で説明したものと同様なものを用いた。尚、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
使用したガラスの種類は、結晶化ガラス〔株式会社オハラ製、WMS−15〕であり、成形鋳型20の寸法は、底板部21が25mm×500mm×500mmであり、三角錐形状の背板部22が底面160mm×330mm、高さ50mm(傾斜面の角度は約17.5°)であり、ガイド部23,23’の高さ寸法は19mmであり、それぞれの材質はステンレスである。
底板部21のガラス製品幅方向の中央域には、内容積が15mm×40mm×100mmである3個の熱交換ユニット24A,24B,24Cを設けた(この熱交換ユニット24A,24B,24Cの幅は製品幅の約30%に相当)。また、背板部22は、幅寸法が100mmで区分して熱交換室22Aを3個形成した。そして、その傾斜面の下方先端部が底板部21のガラス引き出し方向側端部から200mmの距離になるように配置した。また、一対のガイド部23,23は、幅330mmのガラスを成形できるように、ガラス引き出し方向の中心軸からの距離が165mmの位置にそれぞれ配置した。
また、保温部材30は寸法が400mm(h)×150mm(w)×25mm(t)の東芝モノフラックス社製「ファイバーモノフラックス」で、該保温部材30は、保持材31で保持され、成形鋳型20の底板部21の上方約50mmの位置に配設した。また、ローラー40の寸法は径20mmで、材質は鉄であり、鋳込みガラスBの厚みが19mmとなるように配設した。
ガラスの溶融には、内容量200リットルの石英製坩堝を用いた。ガラス原料を溶融後、脱泡、均質化した溶融ガラスを温度1290℃まで降下させ、内径25mmの白金製流出管11から流出させた。尚、流出管11の先端開口部は8mm×80mmの矩形状とした。
流出管11から流出された溶融ガラスAは、底面の製品幅方向における中央域を成形鋳型20の底板部21に形成された各熱交換ユニット24A,24B,24C中を循環する温度30℃の水と熱交換されて冷却され、ローラー40で所定のガラス厚に押し広げられて、鋳込みガラスBの厚みが19mmになるように流出されるガラス量に応じて成形鋳型20の末端から鋳込みガラスBを引き出し、徐冷炉の中を定速で移動しているコンベヤー上に乗せ、コンベヤーの速度を調整しながらガラスを連続的に引き出し成形した。
上記のガラス成形において、成形鋳型20の底板部21について、図5で●印で記す位置で温度を測定し、その結果を表1に示した。温度測定は、底板部21に上記●印で裏面よりガラスと当接する表面下2.5mmまで達する穴を開け、該穴にサーモカップルの先端部を挿入して測定した。
この結果より、成形鋳型の底板部の熱交換ユニットを設けている部分(図5の手前/中、中/中相当部分)は、熱交換ユニットを設けていない部分に比べ温度が大幅に低くなっているので、この部分では熱交換されてガラスが冷却されることになる。このため、ガラスの製品幅方向における中央域が冷却され、幅方向の温度勾配が平坦化されることになる。
1 ガラス成形装置
10 流出装置
11 流出管
20 成形鋳型
21 底板部
22 背板部
22A 熱交換室
23 ガイド部
24 熱交換ユニット
24A 第1熱交換ユニット
24B 第2熱交換ユニット
24C 第3熱交換ユニット
30 保温部材
40 ローラー
A 溶融ガラス
B 鋳込みガラス
10 流出装置
11 流出管
20 成形鋳型
21 底板部
22 背板部
22A 熱交換室
23 ガイド部
24 熱交換ユニット
24A 第1熱交換ユニット
24B 第2熱交換ユニット
24C 第3熱交換ユニット
30 保温部材
40 ローラー
A 溶融ガラス
B 鋳込みガラス
Claims (21)
- 溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、
前記ガラスのガラス引き出し方向の少なくとも一部を熱交換しながら前記成形を行うガラスの成形方法。 - 前記熱交換は、少なくとも前記成形鋳型における底板部及び/又は背板部において行われる請求項1に記載のガラスの成形方法。
- 前記熱交換は、前記ガラスの製品幅方向の端部付近を少なくとも除く部分において行われる請求項1または2に記載のガラスの成形方法。
- 前記熱交換を行う幅の割合が前記製品幅に対して10〜80%の割合である請求項1から3のいずれかに記載のガラスの成形方法。
- 前記成形鋳型における底板部及び/又は背板部に熱交換ユニットを設け、該熱交換ユニットで熱交換を行う請求項1から4のいずれかに記載のガラスの成形方法。
- 前記熱交換によって冷却を行う請求項1から5のいずれかに記載のガラスの成形方法。
- 前記成形鋳型に流下された前記溶融ガラスを押し広げると共に所定のガラス成形厚みに規制する請求項1から6のいずれかに記載のガラスの成形方法。
- 前記成形鋳型の上方域を保温する請求項1から7のいずれかに記載のガラスの成形方法。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のガラスの成形方法により成形されたガラス。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のガラスの成形方法により成形された結晶化ガラス用ガラス。
- 成形鋳型と流出装置とを有するガラスの連続成形装置において、
前記成形鋳型は、底板部及び/又は背板部を有し、
該底板部及び/又は背板部のうちガラス引き出し方向の少なくとも一部において、熱交換ユニットが配設されているガラスの連続成形装置。 - 前記熱交換ユニットは、前記底板部及び/又は前記背板部の製品幅方向の端部付近を少なくとも除く部分に配設されている請求項11に記載のガラスの連続成形装置。
- 前記熱交換ユニットは、その幅寸法がガラス成形幅に対し10〜80%の範囲である請求項11または12に記載のガラスの連続成形装置。
- 前記成形鋳型は、前記底板部と、前記背板部と、ガイド部と、から構成される請求項11から13のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
- 前記熱交換ユニットは、前記背板部の下方に位置する第1熱交換ユニットと、流出管の下方に位置する第2熱交換ユニットと、該第2熱交換ユニットのガラス引き出し方向側に位置する第3熱交換ユニットと、から構成される請求項14に記載のガラスの連続成形装置。
- ローラーが、前記流出装置のガラス引き出し方向側で前記成形鋳型の前記底板部の上方に位置し、ガラス成形幅方向に配設されている請求項11から15のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
- 前記成形鋳型の上方には、前記流出装置から前記成形鋳型上に流下された溶融ガラスを覆う形で、保温板が配設されている請求項11から16のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
- 前記背板部は、熱交換室が形成されたものである請求項14から17のいずれかに記載のガラスの連続成形装置。
- 請求項11から請求項18のいずれかに記載のガラスの連続成形装置により成形されたガラス。
- 請求項11から請求項18のいずれかに記載のガラスの連続成形装置により成形された結晶化ガラス用ガラス。
- 溶融ガラスを連続して流下しながら、所定の製品幅を有する成形鋳型の一端部に流し込み、その他端からガラスを引き出すことによりガラスを連続的に成形する方法において、
前記成形鋳型における、前記ガラスの製品幅方向の温度勾配が平坦に近づくように、底板部の前記製品幅方向の冷却を調整する方法。
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