JP2007267979A - 生物の臓器形態解析方法と生物の臓器形態解析システム - Google Patents
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Abstract
【課題】生物の臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得る。三次元ベクトルデータを利用して計測を自動化する。
【解決手段】生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真11を取得し、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円14を選択し、断面写真毎に選択した円もしくは楕円を撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表すベクトルデータ28を生成する一方、断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点21を取得し、立体図形の外表面が、特徴点21を滑らかに通過するように、ベクトルデータ28を補正処理して、臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得る。
【選択図】図1
【解決手段】生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真11を取得し、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円14を選択し、断面写真毎に選択した円もしくは楕円を撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表すベクトルデータ28を生成する一方、断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点21を取得し、立体図形の外表面が、特徴点21を滑らかに通過するように、ベクトルデータ28を補正処理して、臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、生物の臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることができる、生物の臓器形態解析方法と臓器形態解析システムに関する。
動物や人間の臓器の状態を計測するために、CTスキャン装置が使用される。この装置は、X線や超音波を使用して臓器の断面写真を連続的に透視撮影し、臓器の精密な計測を可能にする。
特表2002−527834号公報
ここで、従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
生物の臓器は状態に応じてその形状を変化させる。また、病状の変化によりその形状を変化させる。臓器は部分的にあるいは全体的に拡大したり縮小したりする。また、例えば、心臓や肺のように、周期的に伸縮運動をする。こうした臓器の形状の時間的な変化を観測したり、病状の変化による臓器の形状の変化を精密に観測するために、より精密な断面写真の撮影も可能になった。しかしながら、肉眼により撮影された結果を丹念に比較検証して、状態の微妙な変化を計測するには大変な手間と時間がかかる。また、微細な変化を見落とすおそれもある。
生物の臓器は状態に応じてその形状を変化させる。また、病状の変化によりその形状を変化させる。臓器は部分的にあるいは全体的に拡大したり縮小したりする。また、例えば、心臓や肺のように、周期的に伸縮運動をする。こうした臓器の形状の時間的な変化を観測したり、病状の変化による臓器の形状の変化を精密に観測するために、より精密な断面写真の撮影も可能になった。しかしながら、肉眼により撮影された結果を丹念に比較検証して、状態の微妙な変化を計測するには大変な手間と時間がかかる。また、微細な変化を見落とすおそれもある。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、生物の臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることができる、生物の臓器形態解析方法と臓器形態解析システムを提供することを目的とする。また、さらに、本発明は、この三次元ベクトルデータを利用して自動的に臓器の形状の変化を計測できる、生物の臓器形態解析方法と臓器形態解析システムを提供することを目的とする。
本発明の各実施例においては、それぞれ次のような構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉
生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真を取得し、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円を選択し、上記断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、上記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表す、ベクトルデータを生成する一方、上記断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点を取得し、上記立体図形の外表面が、上記特徴点を滑らかに通過するように、上記ベクトルデータを補正処理して、上記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析方法。
〈構成1〉
生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真を取得し、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円を選択し、上記断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、上記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表す、ベクトルデータを生成する一方、上記断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点を取得し、上記立体図形の外表面が、上記特徴点を滑らかに通過するように、上記ベクトルデータを補正処理して、上記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析方法。
臓器を輪切りにした断面写真はCTスキャン装置で取得できる。この断面写真をもとにして、臓器の三次元ベクトルデータを得る。近似的に生成したベクトルデータを特徴点に基づいて補正するので、撮影対象をよく表したベクトルデータが生成できる。三次元ベクトルデータだから、差分解析や部分的あるいは全体的な進出処理も容易にできる。
〈構成2〉
生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真の画像データを記憶した記憶装置と、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円のベクトルデータを生成する近似円生成手段と、上記断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、上記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表したベクトルデータを生成する、三次元ベクトルデータ生成手段と、上記断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点群を取得する特徴点取得手段と、上記立体図形の外表面が、上記特徴点を滑らかに通過するように、上記ベクトルデータを補正処理して、上記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得る、データ補正手段とを備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真の画像データを記憶した記憶装置と、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円のベクトルデータを生成する近似円生成手段と、上記断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、上記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表したベクトルデータを生成する、三次元ベクトルデータ生成手段と、上記断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点群を取得する特徴点取得手段と、上記立体図形の外表面が、上記特徴点を滑らかに通過するように、上記ベクトルデータを補正処理して、上記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得る、データ補正手段とを備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
〈構成3〉
構成2に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記三次元ベクトルデータ生成手段は、上記各円または楕円の軸芯を通る軸曲線と、この軸曲線とほぼ垂直に交わる円群もしくは楕円群を含む曲面を描画するように、三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
構成2に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記三次元ベクトルデータ生成手段は、上記各円または楕円の軸芯を通る軸曲線と、この軸曲線とほぼ垂直に交わる円群もしくは楕円群を含む曲面を描画するように、三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
血管のような臓器では、最初に軸曲線を取得して、この実曲線を中心にしたチューブの三次元ベクトルデータが、最も実際の断面写真に近似したものとして生成できる。
〈構成4〉
構成2に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記データ補正手段は、上記各円または楕円の外周縁が上記特徴点を通過するように、上記各円または楕円のベクトルデータを補正処理して、上記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
構成2に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記データ補正手段は、上記各円または楕円の外周縁が上記特徴点を通過するように、上記各円または楕円のベクトルデータを補正処理して、上記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
円や楕円の外周縁が特徴点を通過するようにベクトルデータを補正すると、チューブの外周面が特徴点を通る、精度の高い三次元ベクトルデータが生成できる。
〈構成5〉
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記特徴点取得手段は、生物の臓器の立体画像上に付与されたマークを特徴点として取得し、上記断面写真のうちのいずれかの該当箇所に特徴点を付与することを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記特徴点取得手段は、生物の臓器の立体画像上に付与されたマークを特徴点として取得し、上記断面写真のうちのいずれかの該当箇所に特徴点を付与することを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
CTスキャナ等で得られた立体画像上の特徴部分に医師がマークを付けると、それが特徴点として処理され、自動的に三次元ベクトルデータの補正に利用される。従って、非常に簡便に精度の高い三次元ベクトルデータが生成できる。
〈構成6〉
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記特徴点取得手段は、上記臓器の断面形状を表す輪郭線と上記円または楕円の外周縁の対応する位置を選択して両者の差分値を算出し、その差分値が最大値をとる点を特徴点とすることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記特徴点取得手段は、上記臓器の断面形状を表す輪郭線と上記円または楕円の外周縁の対応する位置を選択して両者の差分値を算出し、その差分値が最大値をとる点を特徴点とすることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
近似円と実際の断面写真との間の差分値を取得して、自動的に特徴点を設定するので、撮影画像を自動的に高速解析することができる。
〈構成7〉
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記三次元ベクトルデータにより表される立体画像の表面を三角形の集合体で領域分割し、各三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報により状態情報群を生成する状態取得手段を備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記三次元ベクトルデータにより表される立体画像の表面を三角形の集合体で領域分割し、各三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報により状態情報群を生成する状態取得手段を備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
三次元ベクトルデータの立体画像の表面を三角形の集合体で領域分割すると、臓器の形状の特徴をよく表すデータが取得できる。
〈構成8〉
構成7に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記状態取得手段は、上記全ての特徴点は、上記三角形のいずれかの頂点として使用することを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
構成7に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、上記状態取得手段は、上記全ての特徴点は、上記三角形のいずれかの頂点として使用することを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
特徴点を頂点とする三角形で領域分割すると、特徴点の移動や変化を数値解析するのに好都合なデータが取得できる。
〈構成9〉
構成7または8に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、それぞれ異なる時刻に撮影した断面写真から得た2つの三次元ベクトルデータについて、状態情報を取得し、全ての三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報とを比較して、差分値が一定以上の三角形を選択してその結果を出力する状態比較手段を備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
構成7または8に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、それぞれ異なる時刻に撮影した断面写真から得た2つの三次元ベクトルデータについて、状態情報を取得し、全ての三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報とを比較して、差分値が一定以上の三角形を選択してその結果を出力する状態比較手段を備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
臓器の形状の変化を三角形の形状の変化としてとらえることができるので、臓器の形状の変化をコンピュータで数値解析することができる。しかも、精密で高速に解析結果が得られる。
〈構成10〉
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、過去に生成された前記三次元ベクトルデータから、特徴点が付与され特徴点を通過するように補正された円もしくは楕円が、補正処理の対象にされることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
〈構成10〉
構成4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、過去に生成された前記三次元ベクトルデータから、特徴点が付与され特徴点を通過するように補正された円もしくは楕円が、補正処理の対象にされることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
過去に生成された前記三次元ベクトルデータから、特徴点が付与され特徴点を通過するように補正された円もしくは楕円を得て、これを新たな断面写真と比較すると、単純な円または楕円よりも実際のものに近く、補正し易い。また、特徴点が付与済みで、特徴点の付与作業を容易にする。
本発明では、臓器の断面写真からまずその臓器の各部に近似する円または楕円のベクトルデータを得る。これを特徴点に基づいて滑らかに補正して、精密な三次元ベクトルデータを得る。以下、本発明の実施の形態を実施例ごとに詳細に説明する。
図1は実施例1の生物の臓器形態解析方法の説明図である。
図の臓器10は、例えば人間の血管である。この臓器10をCTスキャンなどの装置を使用して所定間隔で輪切りにするように撮影する。断面写真11、12、13は所定間隔で連続して撮影されたものである。この写真の画像から臓器10の断面形状を表す輪郭線17を抽出する。その手法は既知のものでよいから具体的な説明を省略する。画像濃度が不連続に変化する境界線を検出して結べばよい。こうして得られた断面写真の画像データや輪郭線の画像データは、例えばビットマップ形式のデータとして保存する。
図の臓器10は、例えば人間の血管である。この臓器10をCTスキャンなどの装置を使用して所定間隔で輪切りにするように撮影する。断面写真11、12、13は所定間隔で連続して撮影されたものである。この写真の画像から臓器10の断面形状を表す輪郭線17を抽出する。その手法は既知のものでよいから具体的な説明を省略する。画像濃度が不連続に変化する境界線を検出して結べばよい。こうして得られた断面写真の画像データや輪郭線の画像データは、例えばビットマップ形式のデータとして保存する。
次に、断面写真11、12、13の形状と近似する円あるいは楕円14,15,16を選択する。この選択方法は後で詳細に説明するが、輪郭線17と形状やサイズの近い円又は楕円を選択することが好ましい。輪郭線17は臓器の断面形状に合わせて様々な凹凸を有する。これに対して、円又は楕円は滑らかな円弧により描画されたベクトルデータである。近似している円または楕円を選択するには、例えば、輪郭線と円周との差分値が最小になる円の半径を計算するとよい。
次に選択した円あるいは楕円14、15,16・・・を、撮影した順に配列する。さらに、各円の軸芯(中心座標)25を求める。そしてこれらの中心座標群を滑らかな曲線で結ぶ。即ち、各円の軸芯25を通る軸曲線26を求める。これによって、例えば血管の中心軸に沿った曲線データが得られる。これは三次元ベクトルデータである。その後、この軸曲線26とほぼ垂直に交わる円群もしくは楕円群を含むような立体曲面を描画する。これによって臓器10の外観形状を表す三次元ベクトルデータ28を得る。上記の円もしくは楕円14、15,16の外周縁を滑らかな曲面で結ぶと、立体図形を表す三次元ベクトルデータになる。
なお、対象を血管とした場合には、より簡便な処理が可能である。初めに、臓器の断面形状から、その幅や高さの概略平均値を求める。そして、その平均値を直径とする真円群を軸曲線26に沿って配列する。これにより、真円の断面を持つチューブで血管を近似する。後で行う特徴点を用いた補正で、実際の形状に近付ける。血管の一部についての三次元ベクトルデータを求めるときは、これで十分である。この三次元ベクトルデータは、図の例では臓器10の外表面に近似するものである。内表面に近似するものも同様にして求めるとよい。
ここで、精密な計測に適する程度に臓器の特徴をとらえた三次元ベクトルデータを得るために、このデータを補正する。まず、例えば、各断面写真中の輪郭線に多数の特徴点をマークする。例えば、医師がマウス等を用いて断面写真の画像を操作し、特に注意すべき部分に特徴点を設定するとよい。また、コンピュータが自動的に、近似する円と形状が大きく相違する部分に特徴点を設定するとよい。一例として、図のAに、輪郭線17の部分拡大図を示す。輪郭線17の一部に大きな凹凸がある。この頂点に特徴点21を設定する。図のBに近似円14の部分拡大図を示す。この円弧22の一部を特徴点21を滑らかに通過するように補正する。このようにして各近似円を修正する。その後、全ての近似円を包囲するような立体図形の外表面を滑らかな曲面で表現した三次元ベクトルデータを生成する。この曲面は、設定された全ての特徴点21を通るように形成される。こうして臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得る。
臓器の計測には、臓器の部分的な形状の異変を認識できるような画像データが要求される。CTスキャンにより撮影された画像は正確であるが細部の凹凸が激しく、肉眼によらなければ解析が不可能で、高度の専門知識が必要である。また、時間的な変化を比較するのは容易でない。上記のように、臓器の断面写真の中の重要な点、即ち、特徴点を通るような曲面を表現する三次元ベクトルデータは、臓器の特徴を良く表すデータであり、コンピュータ解析の容易なデータである。従って、特に、状態に応じてその形状を変化させる生物の臓器の形態解析に好適する。また、病状の変化によりその形状を変化させたり、部分的にあるいは全体的に拡大したり縮小したりする、動的あるいは静的な変化を正確に検出できる。また、心臓や肺のように、周期的に伸縮運動をするとき、どの部分がどのように伸縮しているか、その運動は正常かといった解析もできる。その詳細は次の実施例で説明する。
図2は、生物の臓器形態解析システム機能ブロック図である。
このシステムは、パーソナルコンピュータ30に所定のプログラムをインストールすることによって実現する。パーソナルコンピュータ30には、演算処理装置40と記憶装置50が設けられている。演算処理装置40は、近似円生成手段41、三次元ベクトルデータ生成手段42、特徴点取得手段43、データ補正手段44、状態取得手段45、状態比較手段46などを備える。これらの手段はいずれもコンピュータに所定の処理を実行させるコンピュータプログラムである。
このシステムは、パーソナルコンピュータ30に所定のプログラムをインストールすることによって実現する。パーソナルコンピュータ30には、演算処理装置40と記憶装置50が設けられている。演算処理装置40は、近似円生成手段41、三次元ベクトルデータ生成手段42、特徴点取得手段43、データ補正手段44、状態取得手段45、状態比較手段46などを備える。これらの手段はいずれもコンピュータに所定の処理を実行させるコンピュータプログラムである。
記憶装置50には、断面写真画像データ51、近似円データ52、三次元ベクトルデータ53、特徴点データ54などが記憶される。パーソナルコンピュータは、本体制御部1、キーボード2、マウス3、及びディスプレイ4を備えている。また、パーソナルコンピュータ30にはプリンタ32が接続されている。本体制御部1の内部には、演算処理装置40や記憶装置50が内蔵される。図面では、その機能ブロックを本体制御部の下側に表示した。プリンタ32は外付けされる。
上記のシステムの利用者は、キーボード2やマウス3を操作し、ディスプレイ4に表示された断面写真などを見て、例えば特徴点の入力操作を行う。断面写真画像データ51は、CTスキャナなどによって撮影された断面写真群である。このデータはビットマップ形式あるいはJPEG形式などの画像データである。近似円データ52は、CAD装置などで広く使用されているベクトルデータである。三次元ベクトルデータ53は、CGなどで利用可能な臓器の立体画像を表示するデータである。特徴点データ54は、三次元座標値から成る。人為的に入力されあるいは自動的に生成されてこの記憶装置50に一時記憶される。状態情報55は、三次元ベクトルデータ53により表される臓器の立体画像の表面を三角形の集合体で領域分割したとき、各三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報により構成される。識別記号56は、全ての三角形を特定するための記号である。頂点座標57は三角形の頂点を三次元座標で表したものである。
演算処理装置40の近似円生成手段41は、断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円のベクトルデータを生成する機能を持つ。三次元ベクトルデータ生成手段42は、断面写真ごとに選択した円もしくは楕円を撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表したベクトルデータを生成する機能を持つ。特徴点取得手段43は、マウス3などを操作して入力された特徴点を特徴点データ54として記憶装置50に記憶させる機能を持つ。データ補正手段44は、立体図形の外表面が特徴点を滑らかに通過するようにベクトルデータを補正して臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータ53を得る機能を持つ。
状態取得手段45は、三次元ベクトルデータ53により表される立体画像の表面を三角形の集合体で領域分割し、各三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報を含む状態情報群55を生成する機能を持つ。さらにこのとき、全ての特徴点を三角形のいずれかの頂点として使用する機能を持つ。また、状態比較手段46は、それぞれ異なる時刻に撮影した断面写真から得た二つの三次元ベクトルデータについて状態情報を取得し、全ての三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報とを比較して、差分値が一定以上の三角形を選択してその結果を出力する機能を持つ。
図3は、データ補正手段の動作説明図である。
図に示す破線は、臓器の輪郭線61の一例である。また実線の円は、近似円の外周縁62を示す。まず、近似円を求める場合には、図の(a)に示すように、輪郭線61で囲まれた部分の面積を計算し、面積の同一な円を求める。次に、任意の場所に中心63を設定して、例えば図に示すように、円の半径65と輪郭線や外周縁と交差する点を求める。点66は、円の半径65と断面形状の輪郭線61との交点である。点67は、円の半径65と辺の外周縁62との交点である。そして、点66と67の間の距離を求める。この距離を円の全周に渡って求めて累積加算する。積分値を求めればよい。こうして、その積分値が最小値を示す円の中心座標を求める。これによって近似円が求められる。
図に示す破線は、臓器の輪郭線61の一例である。また実線の円は、近似円の外周縁62を示す。まず、近似円を求める場合には、図の(a)に示すように、輪郭線61で囲まれた部分の面積を計算し、面積の同一な円を求める。次に、任意の場所に中心63を設定して、例えば図に示すように、円の半径65と輪郭線や外周縁と交差する点を求める。点66は、円の半径65と断面形状の輪郭線61との交点である。点67は、円の半径65と辺の外周縁62との交点である。そして、点66と67の間の距離を求める。この距離を円の全周に渡って求めて累積加算する。積分値を求めればよい。こうして、その積分値が最小値を示す円の中心座標を求める。これによって近似円が求められる。
なお、これ以外の方法でも既知の様々な方法によって輪郭線とほぼ重なる円や楕円を選択することができる。ここで輪郭線61に対して、その特徴ある凹凸部分に特徴点64を設定する。特徴点64の数は任意である。さらに、図の(b)に示すように、例えば、特徴点64を通る円の半径65と円の外周縁62の交点を、輪郭線61の特徴点64の位置まで移動させるように、この近傍の外周縁62を変形する。この時外周縁62が特徴点64を滑らかに通過するように、外周縁62を変形する。こうした変形の手法はCADシステムでよく知られた方法でよい。以上のようにして、特徴点を通過するように近似円の外周縁を変形させると、近似円は十分に実際の臓器の断面形状に近づく。しかも、得られたデータは三次元ベクトルデータであるから、臓器の立体図形を様々な方法でコンピュータにより演算処理し、解析処理することが容易になる。
図4は、システムのハードウエアブロック図である。
上記のシステムは、既知の構成のコンピュータ等により実現できる。コンピュータ30の内部バス110には、CPU(中央処理装置)111と、ROM(リードオンリメモリ)112と、RAM(ランダムアクセスメモリ)113と、HDD(ハードディスク)114と、入出力インタフェース115とが接続されている。入出力インタフェース115には、ディスプレイ4とキーボード2とマウス3とプリンタ32が接続されている。
上記のシステムは、既知の構成のコンピュータ等により実現できる。コンピュータ30の内部バス110には、CPU(中央処理装置)111と、ROM(リードオンリメモリ)112と、RAM(ランダムアクセスメモリ)113と、HDD(ハードディスク)114と、入出力インタフェース115とが接続されている。入出力インタフェース115には、ディスプレイ4とキーボード2とマウス3とプリンタ32が接続されている。
図1に示した記憶装置50は、ROM112やRAM113やHDD114により構成される。図1に示した演算処理装置40は、CPU111、ROM112、RAM113等により構成される。各種の情報は主としてHDD114に記憶されて保存される。CPU111が実行するコンピュータプログラムは、ROM112に記憶され、あるいはRAM113に適時ロードされる。このコンピュータを入出力インタフェースを介してCTスキャナ等に接続すれば、撮影画像データを取得できる。
図5は、臓器の具体的な外観斜視図である。
上記のように特徴点を各断面写真ごとに設定すれば、極めて精度の高い三次元ベクトルデータを得ることができる。この図の例では、三次元ベクトルデータを用いて描画した臓器の外観形状71に、特徴点72の位置を黒丸で表示した。この実施例では、臓器の表面を三角形73の集合体で領域分割している。領域分割には、ほぼ同じ程度のサイズの三角形を使用することが好ましい。辺の長さの範囲をほぼ決定しておき、コンピュータによって自動的に頂点と辺の設定をすることが可能である。これらの三角形は臓器の形状変化を確認するために利用される。従って三角形の頂点のいずれかに、上記の特徴点72が含まれることが好ましい。
上記のように特徴点を各断面写真ごとに設定すれば、極めて精度の高い三次元ベクトルデータを得ることができる。この図の例では、三次元ベクトルデータを用いて描画した臓器の外観形状71に、特徴点72の位置を黒丸で表示した。この実施例では、臓器の表面を三角形73の集合体で領域分割している。領域分割には、ほぼ同じ程度のサイズの三角形を使用することが好ましい。辺の長さの範囲をほぼ決定しておき、コンピュータによって自動的に頂点と辺の設定をすることが可能である。これらの三角形は臓器の形状変化を確認するために利用される。従って三角形の頂点のいずれかに、上記の特徴点72が含まれることが好ましい。
例えばこの図に示したような三次元ベクトルデータを、それぞれ異なるタイミングで撮影した断面写真から取得する。そして、三角形73の集合体から成る状態情報群をそれぞれ生成する。図1に示したように、1つの三次元ベクトルデータの状態情報55には、領域分割した全ての三角形の識別情報56と頂点座標57を示す情報が含まれている。例えば、領域分割の方法は、上記の近似円の全ての外周縁を一定の数で等分割する。そして、図の例のように、規則的に三角形の辺を決定する。いずれの三次元ベクトルデータについても全く同一の手法で状態情報群を生成する。
こうして、異なるタイミングで得た三次元ベクトルデータを比較する。上記のように、一定のルールで三角形の辺を決定して、領域分割をすると、臓器の形状が時間的に変化しても、三角形の数や相対的な位置関係は変わらない。各三角形の対応関係は、識別記号により認識できる。ここで、それぞれ識別記号が同一の三角形の頂点座標から、辺の長さの変化をとらえる。辺の長さの差分値を求めればよい。例えば臓器の一部が伸縮して変形している場合には、二つの三次元ベクトルデータを比較すると一部の三角形のみに大きな差分値が表れる。これによって、自動的に臓器の形状変化を定量的に抽出することができる。もちろん、その変化の状態や詳細については、医師が他の情報も含めて分析をすればよい。変化した場所が判明したとき、該当部分の実際の断面写真を取り出して、肉眼で綿密に分析をすればよい。
また、この三次元ベクトルデータを使用すると、心臓のように臓器が膨らんだり縮んだりする状態を、CG(コンピュータグラフィックス)で表すことも容易である。この時は、まず、一つの三次元ベクトルデータを生成しておく。そして、各三角形の辺を、所定の規則に従って伸び縮みさせる。どの部分を伸縮すると変形がおきるかを予測できる。また、変形した臓器の断面写真から得た三次元ベクトルデータを観察して、どの部分が伸び縮みしたかという判断をすることもできる。こうした変形がコンピュータによって自動的にできるため臓器の機能や様々な病気の症状を詳細に正確に分析することが可能になる。
図6は、既存データを用いた画像処理方法説明図である。
上記の方法では、CTスキャン等の装置を使用して臓器部分の断面写真を撮影すると、その断面写真に多数の特徴点を付与する作業を行った。しかしながら、例えば、過去に同様の手順で得た三次元ベクトルデータがあれば、これを利用することができる。この三次元ベクトルデータには、前回付与した特徴点群の位置情報が含まれている。三次元ベクトルデータから、この特徴点群を含み、特徴点を滑らかに通過する円または楕円のベクトルデータ群を生成する。即ち、三次元ベクトルデータを生成した手順とちょうど逆の手順を実行する。これを、新たに撮影した臓器部分の断面写真と並べてディスプレイに表示する。ディスプレイ上で画像を重ねて表示しても構わない。図の例では、既存のベクトルデータ81と、新たに撮影した断面写真の輪郭82を重ねて表示した。既存のベクトルデータ81の全ての特徴点を、断面写真の輪郭82上に移動させるように、変形処理を行うと、断面写真の輪郭82と近似し、全ての特徴点を通る図形のベクトルデータが得られる。
上記の方法では、CTスキャン等の装置を使用して臓器部分の断面写真を撮影すると、その断面写真に多数の特徴点を付与する作業を行った。しかしながら、例えば、過去に同様の手順で得た三次元ベクトルデータがあれば、これを利用することができる。この三次元ベクトルデータには、前回付与した特徴点群の位置情報が含まれている。三次元ベクトルデータから、この特徴点群を含み、特徴点を滑らかに通過する円または楕円のベクトルデータ群を生成する。即ち、三次元ベクトルデータを生成した手順とちょうど逆の手順を実行する。これを、新たに撮影した臓器部分の断面写真と並べてディスプレイに表示する。ディスプレイ上で画像を重ねて表示しても構わない。図の例では、既存のベクトルデータ81と、新たに撮影した断面写真の輪郭82を重ねて表示した。既存のベクトルデータ81の全ての特徴点を、断面写真の輪郭82上に移動させるように、変形処理を行うと、断面写真の輪郭82と近似し、全ての特徴点を通る図形のベクトルデータが得られる。
必要に応じて新たに特徴点84を追加してもよい。初めて全ての特徴点を付与する処理に比べて非常に迅速に、必要な特徴点を付与できる。また、いずれかの特徴点の位置が大きく移動しているような場合に、それを確認し易い。注意すべき点の見落としを防止できるから、精度の高い計測ができる。さらに、例えば、予め用意した臓器の標準モデルを比較用として利用する方法もある。標準モデルには、標準的な特徴点群を付与しておく。この標準モデルの三次元ベクトルデータから、新たに撮影した臓器部分の断面写真に対応する、円または楕円のベクトルデータ群を生成する。この処理自体は既知のコンピュータ処理技術を使用すればよいから、具体的な説明は省略する。特徴点の付与された標準モデルの断面図形と、実際に撮影された断面写真とを重ねて、図6の処理を実行する。これでも十分に実用的である。的確な特徴点の付与が可能になる。また、標準モデルとの比較により、個人の特徴を正確に分析することができる。
図7は三次元ベクトルデータ生成手順フローチャートである。
以下の手順で、臓器の三次元ベクトルデータを生成する。
ステップS11では、CTスキャン等の装置を使用して、臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した臓器部分の断面写真を、連続的に撮影する。
ステップS12では,画像の境界線を検出して臓器の断面形状を表す輪郭線を抽出する。
ステップS13では、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円を選択する。具体的には、上記輪郭線と円周との差分値が最小の円または楕円を選択する。
ステップS14では、近似円の中心を結び、軸曲線を求める。
ステップS15では、断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、前記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表すように、ベクトルデータを生成する。
ステップS16では、断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点群を取得する。これは、例えば、医師がマウスを用いて重要部位をプロットするような作業で入力をするとよい。また、輪郭線と円周との差分値を算出するときに、その差分値が最大値をとる点を自動的に特徴点とするとよい。自動的に仮の特徴点群を設定して、医師がその結果を確認して修正して最適化してもよい。
ステップS17では、立体図形の外表面が、全ての特徴点を滑らかに通過するように、ベクトルデータを補正処理する。
このとき、ベースになる円の円弧の一部を、例えば、特徴点を通過するベジェ曲線で結ぶという、既知のCADで使用されてい手法を採用するとよい。
ステップS18で、臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを出力する。
以下の手順で、臓器の三次元ベクトルデータを生成する。
ステップS11では、CTスキャン等の装置を使用して、臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した臓器部分の断面写真を、連続的に撮影する。
ステップS12では,画像の境界線を検出して臓器の断面形状を表す輪郭線を抽出する。
ステップS13では、各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円を選択する。具体的には、上記輪郭線と円周との差分値が最小の円または楕円を選択する。
ステップS14では、近似円の中心を結び、軸曲線を求める。
ステップS15では、断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、前記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表すように、ベクトルデータを生成する。
ステップS16では、断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点群を取得する。これは、例えば、医師がマウスを用いて重要部位をプロットするような作業で入力をするとよい。また、輪郭線と円周との差分値を算出するときに、その差分値が最大値をとる点を自動的に特徴点とするとよい。自動的に仮の特徴点群を設定して、医師がその結果を確認して修正して最適化してもよい。
ステップS17では、立体図形の外表面が、全ての特徴点を滑らかに通過するように、ベクトルデータを補正処理する。
このとき、ベースになる円の円弧の一部を、例えば、特徴点を通過するベジェ曲線で結ぶという、既知のCADで使用されてい手法を採用するとよい。
ステップS18で、臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを出力する。
上記のようにして得られた三次元ベクトルデータは、コンピュータ解析処理に適する。例えば、時間の経過とともにどの部分が変化しているかを、コンピュータにより正確にくまなく比較演算処理することができる。従って、微妙な変化も見落とすことなく、迅速に計測が可能になる。次の実施例では、三次元ベクトルデータの比較演算処理方法について説明する。
図8は三次元ベクトルデータの比較演算処理動作フローチャートである。
2種の三次元ベクトルデータを次のような手順で比較処理する。
ステップS21で、変化の前後の三次元ベクトルデータを取得する。これは、図6の手順を異なるタイミングで2回実行すればよい。
ステップS22で、3次元画像データの表面に特徴点を表示する。もちろん、内面でも側面でも構わない。こでは全て表面と表現する。
ステップS23で、領域分割ルールを設定する。対象となる臓器の種類毎に、あるいは、各種の条件ごとにそれぞれルールを設けておくとよい。
ステップS24で、上記の特徴点を1つの頂点にする3角形を含む3角形の集合体で領域分割する。
ステップS25で、対応する三角形の形状比較を行う。辺の差分値を計算するとよい。
ステップS26で、差分値が閾値を越える三角形を抽出する。閾値は、固定でもいいし、そのつど設定しても構わない。
ステップS27で、抽出した三角形の近傍の断面写真を選択する。
ステップS28で、その処理結果を出力する。即ち、特定の部位の三角形に変化があった旨を報告し、さらに、その近傍の断面写真の番号等を表示して、該当する部分の肉眼による解析のための準備をする。
以上により、臓器の特に変化の著しい部分を自動的に検出することができる。なお、領域分割の方法や三角形の比較方法等は、上記の実施例に限定されず、既知の各種の手法を採用することができる。
2種の三次元ベクトルデータを次のような手順で比較処理する。
ステップS21で、変化の前後の三次元ベクトルデータを取得する。これは、図6の手順を異なるタイミングで2回実行すればよい。
ステップS22で、3次元画像データの表面に特徴点を表示する。もちろん、内面でも側面でも構わない。こでは全て表面と表現する。
ステップS23で、領域分割ルールを設定する。対象となる臓器の種類毎に、あるいは、各種の条件ごとにそれぞれルールを設けておくとよい。
ステップS24で、上記の特徴点を1つの頂点にする3角形を含む3角形の集合体で領域分割する。
ステップS25で、対応する三角形の形状比較を行う。辺の差分値を計算するとよい。
ステップS26で、差分値が閾値を越える三角形を抽出する。閾値は、固定でもいいし、そのつど設定しても構わない。
ステップS27で、抽出した三角形の近傍の断面写真を選択する。
ステップS28で、その処理結果を出力する。即ち、特定の部位の三角形に変化があった旨を報告し、さらに、その近傍の断面写真の番号等を表示して、該当する部分の肉眼による解析のための準備をする。
以上により、臓器の特に変化の著しい部分を自動的に検出することができる。なお、領域分割の方法や三角形の比較方法等は、上記の実施例に限定されず、既知の各種の手法を採用することができる。
なお、上記の演算処理装置で実行されるコンピュータプログラムは、機能ブロックで図示した単位でモジュール化されてもよいし、複数の機能ブロックを組み合わせて一体化されてもよい。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。
10 臓器
11、12、13 断面写真
14、15,16 円あるいは楕円
17 輪郭線
21 特徴点
22 円弧
25 軸芯
26 軸曲線
28 三次元ベクトルデータ
11、12、13 断面写真
14、15,16 円あるいは楕円
17 輪郭線
21 特徴点
22 円弧
25 軸芯
26 軸曲線
28 三次元ベクトルデータ
Claims (10)
- 生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真を取得し、
各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円を選択し、
前記断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、前記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表す、ベクトルデータを生成する一方、
前記断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点を取得し、
前記立体図形の外表面が、前記特徴点を滑らかに通過するように、前記ベクトルデータを補正処理して、
前記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析方法。 - 生物の臓器を所定間隔で輪切りにするように撮影した断面写真の画像データを記憶した記憶装置と、
各断面写真に含まれた臓器の断面形状と近似する円もしくは楕円のベクトルデータを生成する近似円生成手段と、
前記断面写真毎に選択した円もしくは楕円を、前記撮影した順に配列して、全ての円もしくは楕円の外周縁を滑らかな曲面で結んだ立体図形を表したベクトルデータを生成する、三次元ベクトルデータ生成手段と、
前記断面写真に含まれた臓器の断面形状に含まれた特徴点群を取得する特徴点取得手段と、
前記立体図形の外表面が、前記特徴点を滑らかに通過するように、前記ベクトルデータを補正処理して、前記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得る、データ補正手段とを備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項2に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
前記三次元ベクトルデータ生成手段は、前記各円または楕円の軸芯を通る軸曲線と、この軸曲線とほぼ垂直に交わる円群もしくは楕円群を含む曲面を描画するように、三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項2に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
前記データ補正手段は、前記各円または楕円の外周縁が前記特徴点を通過するように、前記各円または楕円のベクトルデータを補正処理して、前記臓器の形状と近似する三次元ベクトルデータを得ることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
前記特徴点取得手段は、生物の臓器の立体画像上に付与されたマークを特徴点として取得し、前記断面写真のうちのいずれかの該当箇所に特徴点を付与することを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
前記特徴点取得手段は、前記臓器の断面形状を表す輪郭線と前記円または楕円の外周縁の対応する位置を選択して両者の差分値を算出し、その差分値が最大値をとる点を特徴点とすることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
前記三次元ベクトルデータにより表される立体画像の表面を三角形の集合体で領域分割し、各三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報により状態情報群を生成する状態取得手段を備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項7に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
前記状態取得手段は、前記全ての特徴点は、前記三角形のいずれかの頂点として使用することを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項7または8に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
それぞれ異なる時刻に撮影した断面写真から得た2つの三次元ベクトルデータについて、状態情報を取得し、全ての三角形の頂点の位置情報と辺の長さを示す情報とを比較して、差分値が一定以上の三角形を選択してその結果を出力する状態比較手段を備えたことを特徴とする生物の臓器形態解析システム。 - 請求項4に記載の生物の臓器形態解析システムにおいて、
過去に生成された前記三次元ベクトルデータから、特徴点が付与され特徴点を通過するように補正された円もしくは楕円が、補正処理の対象にされることを特徴とする生物の臓器形態解析システム。
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JP2006097705A JP2007267979A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 生物の臓器形態解析方法と生物の臓器形態解析システム |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010008394A (ja) * | 2008-05-26 | 2010-01-14 | Olympus Corp | 内視鏡装置およびプログラム |
US8903144B2 (en) | 2010-12-01 | 2014-12-02 | Olympus Corporation | Endoscope apparatus and method of measuring object |
JP2015512312A (ja) * | 2012-04-03 | 2015-04-27 | イントラセンスIntrasense | 医用画像間のトポロジー保存roiリマッピング方法 |
JP2017012446A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | キヤノン株式会社 | 画像処理装置 |
CN110945568A (zh) * | 2017-05-08 | 2020-03-31 | 菲兹纳股份有限公司 | 用于评估3d模型的系统和方法 |
WO2022124591A1 (ko) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | 알피니언메디칼시스템 주식회사 | 의료지표 측정방법 및 이를 위한 초음파 진단장치 |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006097705A patent/JP2007267979A/ja active Pending
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