JP2007261116A - グリーンシート積層体の切断刃、グリーンシート積層体の切断装置、及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】切断刃の強度を確保しつつ、グリーンシート積層体の基材に引っ掛かり、グリーンシート積層体をめくり上げることがなく、かつ切断片同士の再付着を防止できるグリーンシート積層体の切断刃、グリーンシート積層体の切断装置及び電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基材にグリーンシートを積層したグリーンシート積層体の厚さ方向に押圧されることによってグリーンシート積層体を切断する切断刃であって、切断刃の刃面には、粗面化した粗面化領域と平坦領域とが設けられ、平坦領域は、刃先稜線部に隣接している。
【選択図】図1
【解決手段】基材にグリーンシートを積層したグリーンシート積層体の厚さ方向に押圧されることによってグリーンシート積層体を切断する切断刃であって、切断刃の刃面には、粗面化した粗面化領域と平坦領域とが設けられ、平坦領域は、刃先稜線部に隣接している。
【選択図】図1
Description
本発明は、未焼成のグリーンシート積層体を切断してグリーンシートチップを製造するためのグリーンシート積層体の切断刃、グリーンシート積層体の切断装置及び電子部品の製造方法に関する。
セラミック等からなるグリーンシート積層体の切断装置として、セラミックグリーンシート積層体115の厚さ方向の押圧力を板状の切断刃に作用させて切断する装置が知られている。図5は、従来の切断刃を示す斜視図である。切断進行方向Pに延在する研削溝113を刃面107に形成した切断刃103を開示する。これは、刃面の損耗を少なくしたり、被切断部材である板状のグリーンシート積層体115に対する抵抗力を少なくすることや、また、被切断部材の切断面の荒れを抑えることを目的としている(特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1の従来の切断装置では、切断刃103の刃面107に設けられている溝113が、グリーンシート積層体115の基材117に引っ掛かり、切断刃103を被切断部材115から引き抜く際に、基材117やグリーンシート積層体115が捲り上がったり、切断された切断片が切断刃付近に散乱する場合があり、安定した切断動作を連続的に行うことが困難であった。また、切断片が散乱した場合には、切断片を後工程に移送する前に、散乱した切断片を配列する必要が生じ切断工程の作業効率を高めることが困難であった。
また、刃面107を粗面化するため溝113を刻設しているため、刃先の強度が十分に得られず、刃こぼれが発生する恐れがあり、切断刃に十分な耐久性が得られない。他方、切断刃の耐久性を高めるために、粗面化されていない平坦な刃面を有する切断刃を用い、切断刃を被切断部材に進入させると、切断片には切断進行方向に垂直な方向(切断片が並んでいる方向)の力が加わり、荒れを抑えた平坦な切断面を有し、隣接する切断片同士が再付着する恐れがある。
そこで、本発明は、上記状況を鑑み、切断刃の強度を確保しつつ、グリーンシート積層体の基材に引っ掛かり、グリーンシート積層体をめくり上げることがなく、かつ切断片同士の再付着を防止できるグリーンシート積層体の切断刃、切断装置及び電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の切断刃の第1の態様は、基材にグリーンシートを積層したグリーンシート積層体の厚さ方向に押圧されることによってグリーンシート積層体を切断する切断刃であって、切断刃の刃面には、粗面化した粗面化領域と平坦領域とが設けられ、平坦領域は、刃先稜線部に隣接している。
本発明の切断刃の第2の態様は、粗面化領域は、刃先稜線部に対し垂直な方向に延在する溝により構成される。
本発明の切断刃の第3の態様は、粗面化領域は、刃先稜線部に対し平行な方向に延在する溝により構成される。
本発明の切断刃の第4の態様は、粗面化領域は、刃先稜線部に対し傾斜する方向に延在する溝により構成される。
本発明の切断刃の第5の態様は、前記平坦領域の切断進行方向長さが、前記基材の厚さとほぼ同じである。
さらに、上記課題を解決するための本発明のグリーンシート積層体の切断装置の態様は、基材にグリーンシートを積層したグリーンシート積層体を切断するグリーンシート積層体の切断装置であって、グリーンシートが載置される載置面を有するステージと、グリーンシート積層体の厚さ方向に移動可能であって、厚さ方向に移動することによってステージ上に載置されたグリーンシート積層体を切断する切断刃と、を備え、切断刃の刃面には、粗面化した粗面化領域と平坦領域とが設けられ、平坦領域は、刃先稜線部に隣接している。
また、上記課題を解決するための本発明の電子部品の製造方法の態様は、ステージ上に載置されたグリーンシート積層体を、上述の第1〜第5の切断刃を用いて切断する切断工程を備える。
なお、本明細書におけるグリーンシート積層体とは、各種積層型の電子部品の製造過程においてその中間体として形成されたものを意味する。より具体的には、フェライト、ガラス系セラミック等の粉末、バインダ、可塑剤、溶剤等から構成され、電子部品における絶縁領域を形成するグリーンシートと、電子部品における導電性領域を有するグリーンシート等とを積層し、且つ積層方向にこれらのグリーンシートを加圧して圧着させる事で得られたシート状の部材、或いは単一のシートからなる部材を言う。また、シート状部材或いはシートは、これらを支持するシート状の支持体(基材)を有するものであっても良い。
主面とは、切断刃の刃付けがされていない部分であり、刃面とは、切断刃の刃付けがなされている部分を意味する。
本発明によれば、グリーンシート積層体を切断する際に、グリーンシート積層体の基材に切り込む部分に平坦領域を設けることにより、切断刃を取り除くときに、切断刃が基材に引っ掛かることを防止できる。従って、切断刃により基材がめくり上がり切断面を変形させることがないので、グリーンシート積層体の切断を確実に行うことができる。
また、切断刃の刃先部には、粗面化を施していないため刃先及びその近傍の強度を確保でき、切断工程において刃こぼれが生じることを防止できる。
また、グリーンシート層には、粗面化領域が接触することにより、切断面を粗面化することができる。よって、切断片が再付着ことを防止することができる。
以下、本発明におけるグリーンシート積層体の切断刃の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態を通じて同一の構成要素には同一の参照符号を付する。
まず、実施形態に係る切断刃を用いて積層電子部品である積層チップインダクタを製造する方法について簡単に説明する。シート成形工程(ステップ1)において、数μm〜数10μmの厚さにシート成形(キャスティング)されたグリーンシートすなわち、磁性体シート又は低誘電率誘電体シートを得る。次のスルーホール形成工程(ステップ2)において、YAGレーザ等で内部接続用のスルーホールを磁性体シート又は低誘電率誘電体シートに加工する。さらに、内部導体印刷乾燥工程(ステップ3)において、スクリーン印刷法でスルーホール埋め込み、内部導体(Ag系、Ag−Pd系)を形成する。その後、シート積層プレス工程(ステップ4)でスルーホール埋め込み及び内部導体がパターニングされたグリーンシートの多層を基材上に重ねてグリーンシート積層体のブロックを作製し、グリーンシート積層体の切断工程(ステップ5)で個片(チップ)に切断する。このグリーンシート積層体の切断工程は、後述するグリーンシート積層体の切断刃及びその装置を用いて行われる。
切断された個片の端面に所望の丸み(アール)を付与するため、水バレル研磨工程(ステップ6)でメディアボールと一緒にバレル研磨を行い、分離、洗浄、乾燥後に焼成工程(ステップ7)で磁性体層又は低誘電率誘電体層と内部導体とを同時焼成する。焼成縮率の大きい内部導体は焼成後、磁性体層又は低誘電率誘電体層より内部に入り込むため、端子電極とのコンタクトが十分に取れない可能性が出てきてしまう。そこで焼成後の個片を、引出バレル研磨工程(ステップ8)において、また研磨剤と一緒にバレル研磨を行う。分離、洗浄、乾燥後、端子電極塗布工程(ステップ9)にて端子電極を付与する治具(パレット)にセットしてAg−Pd系の電極を塗布、乾燥後、焼成工程(ステップ10)で焼き付けを行う。さらに、実装時の電気的接合を確実に取るために、メッキ工程(ステップ11)でNi、Sn等のメッキを施した後、最後に特性検査工程(ステップ12)で特性検査し、製品として出荷している。以上のような工程で積層電子部品が製造される。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る切断刃を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。平板状の切断刃3は、被切断物を切断する刃先部7と、刃先部7に連続する切断刃本体5と、を備える。切断刃本体5は、ほぼ平行な(すなわち、厚さ(図1(b)の左右方向長さ)が均一の)対向する主面5aを有する。刃先部7は、鉛直方向に対して傾斜する刃面7b、7cと、両刃面7b、7cが交わる端縁、すなわち刃先の刃先稜線部7aと、を有する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る切断刃を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。平板状の切断刃3は、被切断物を切断する刃先部7と、刃先部7に連続する切断刃本体5と、を備える。切断刃本体5は、ほぼ平行な(すなわち、厚さ(図1(b)の左右方向長さ)が均一の)対向する主面5aを有する。刃先部7は、鉛直方向に対して傾斜する刃面7b、7cと、両刃面7b、7cが交わる端縁、すなわち刃先の刃先稜線部7aと、を有する。
刃面7b、7cは、粗面化領域9と、平坦領域11と、を備える。粗面化領域9は主面5aに隣接して設けられ、切断する際に切断刃3が押される方向(切断進行方向P)に延在する所定深さの溝が所定間隔で刻設された凹凸面である。なお、隣接する溝の間隔は、グリーンシート積層体に形成されている隣接するチップのピッチに対応させて設けることが望ましい。このような構成とすることにより、グリーンシート積層体から切り出された個片(チップ)同士の接触面積を確実に少なくでき、切断され隣接するチップ同士が再付着することを防止できる。また、フェムト秒レーザを用いることで、ピッチを1μm以下、深さを1μm以下の微細な溝を形成することができる。よって、チップの微細化による配列の高密度化に対応して溝を加工することができる。さらに、エッチングによっても溝を形成することが可能である。
平坦領域11は、刃面7b、7cの刃先稜線部7a側に設けられ、溝が刻設されていない領域である。すなわち、平坦領域11の表面と、粗面化領域9の隣り合う溝により画成される凸部の外面とは、面一となっている。もちろん、面一とする構成は必須ではなく、平坦領域11の表面と粗面化領域9の凸部の外面が異なる高さであってもよい。
さらに、平坦領域11の切断進行方向長さ(図1の上下方向長さ)は、被切断部材であるグリーンシート積層体の基材の厚さとほぼ同じであるか、それより大きいことが望ましい。すなわち、切断刃が被切断部材の内部を進行し刃先稜線部7aが基材の下面(若しくは図4Bの載置面23a)に到達した際に、平坦領域11と粗面化領域9の境界線が基材の上面より僅かに上方に位置するように平坦領域11の切断進行長さを寸法付けることが好ましい。平坦領域11と基材との寸法関係をこのように規定することにより、切断刃3をグリーンシート積層体に押圧し切断した後、切断刃3をグリーンシート積層体から引き抜くときに、刃先部が基材に引っ掛かり基材がめくり上がることを防止することができる。
なお、刃面7b、7cの両方に粗面化領域9を設ける構成としたが、一方の刃面にのみ粗面化領域を設ける構成としてもよい。粗面化領域は、刃面7の凹凸を被切断物の切断面に転写することにより、隣接するチップ間の対向する面同士の接触面積を小さくし、再付着を防止することを目的とするものである。よって、片面のみに粗面化領域を設ける構成であっても再付着を防止するという効果を得られる。
さらに、平坦領域を設けることにより、刃先部の強度を維持することができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る切断刃を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。第2実施形態に係る切断刃103の構成は、第1実施形態に係る切断刃3とほぼ同じ構成であり、また溝の形成方法も同じであるので異なる部分について説明する。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る切断刃を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。第2実施形態に係る切断刃103の構成は、第1実施形態に係る切断刃3とほぼ同じ構成であり、また溝の形成方法も同じであるので異なる部分について説明する。
刃面107には、粗面化領域109と、平坦領域111とを備えている。本実施形態の粗面化領域109は、互いに交差する方向(格子状)に延在する溝が複数刻設された凹凸面である。
また、平坦領域111は、刃面107b、107cの刃先稜線部107a側に設けられている。平坦領域111の鉛直方向長さ(図2の上下方向長さ)は、被切断部材であるグリーンシート積層体の基材の厚さとほぼ同じであるか、それより大きいことが望ましい。
上記構成により、第1実施形態同様の作用効果を奏する。なお、本実施形態の溝は、切断進行方向に対して傾斜する方向に延在する構成としたが、これに限定されることはなく、水平方向と切断方向に延在するような溝を組み合わせる構成としてもよい。
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態に係る切断刃を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。第3実施形態に係る切断刃203の構成は、第1実施形態に係る切断刃3とほぼ同じであり、また溝の形成方法も同じであるので異なる部分について説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係る切断刃を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。第3実施形態に係る切断刃203の構成は、第1実施形態に係る切断刃3とほぼ同じであり、また溝の形成方法も同じであるので異なる部分について説明する。
刃面207には、粗面化領域209と、平坦領域211とを備えている。本実施形態の粗面化領域209は、切断進行方向に垂直な方向(刃先稜線部207aに平行な方向)に延在する溝が複数刻設された凹凸面である。粗面化領域209は、切断刃本体205側に設けられている。
また、刃先稜線部207aに隣接して、平坦領域211が設けられている。平坦領域211の鉛直方向長さ(図2の上下方向長さ)は、被切断部材であるグリーンシート積層体の基材の厚さとほぼ同じであるか、それより大きいことが望ましい。
上記構成の切断刃を用いることにより、切断刃203に形成されている粗面化領域211の溝と、切断されたチップの切断面に転写された溝と、が同じ方向に延在するので、切断刃を被切断物から水平方向に容易に引き抜くことができる。その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第1実施形態に係る切断刃を適用したグリーンシート積層体切断装置の実施例について、図面を参照して説明する。図4Aは切断装置の正面断面図であり、図4Bは図4Aの線IVB−IVBに沿った断面図である。
本実施例のグリーンシート積層体切断装置1(以下、切断装置1と称す。)は、メインフレーム部材17、アクチュエータ25、サブフレーム部材19、切断刃保持部材27、切断刃3を備える。さらに、切断装置1は、後述するように冷却ユニットを備える構成であるが、本発明のグリーンシート積層体切断装置の必須の構成ではないことは言うまでもない。
切断装置1の基体であるメインフレーム部材17は、正面から見て略逆U字形状を有しており、鉛直方向において逆U字の両直線部が並立するように配置されている。メインフレーム部材17におけるU字水平部の上部略中央には、アクチュエータ25が装着されている。アクチュエータ25は、メインフレーム部材17を貫通し下方に伸びるアクチュエータロッド25aを有しており、ロッド25aはアクチュエータ25によって延在方向に伸縮する。また、メインフレーム部材17は下方において、後述する冷却部材の一部を収容する孔部17aを有しており、冷却部材の上下方向の移動量を規制するストッパ17bを孔部17aの内部底面に有している。また、メインフレーム部材17は、略逆U字の両直線部に配置されたガイドレール17cを有している。
サブフレーム部材19はメインフレーム部材17と同様に略逆U字形状を呈ししており、メインフレーム部材17の略逆U字の内側において同一向きとなるように配置される。サブフレーム部材19の水平方向に延在するU字水平部は、アクチュエータロッド25aの端部と結合する。サブフレーム部材19の鉛直方向に伸びる両直線部における、メインフレーム部材17の両直線部と向かい合う部分には、スライダ19aが固定されている。スライダ19aは、メインフレーム部材17のガイドレール17cと摺動可能に係合している。従って、アクチュエータ25が作動することによって、サブフレーム部材19は、メインフレーム部材17に対して鉛直方向に移動することが可能となる。
図4Bから容易に理解されるように、切断刃3を保持する切断刃保持部材27は、サブフレーム部材19における逆U字形状の水平部分と略平行に配置される棒状の部材である。切断刃保持部材27は、略逆U字形状のサブフレーム部材19の下端開放部分を閉鎖するように、サブフレーム部材19の下端部に連結されている。また、切断刃保持部材27には、サブフレーム部材19の移動方向において、サブフレーム部材19との結合位置とは鉛直方向に対対向する位置に、切断刃ホルダ27aを介して切断刃3が装着されている。切断刃ホルダ27aは、切断刃3が載置台23の載置面23aと平行に延在するように、メインフレーム部材17の下方(略逆U字形状における開放部方向)に配置されるステージ23と向かい合うように配置されている。
また、切断刃保持部材27は、サブフレーム部材19の逆U字両直線部と同方向に延在する冷却部材ガイドレール27bを有している。さらに、切断刃保持部材27は、後述する冷却ユニット35に埋設された冷却部材ストッパピン35cと協働して冷却ユニット35の移動を規制するための冷却部材ストッパ27cを備えている。なお、本実施例においては、サブフレーム部材19と切断刃保持部材27とを異なる部材から構成したが、これらを一体の部材としても良い。
図4Bに示されるように、冷却ユニット35は、下部直線部と、直立直線部とを備える。下部直線部がステージ23の載置面23aと平行に延在し且つ直立直線部が上述したサブフレーム19と平行に延在する略L字形状を有している。また、直立直線部の一端部に連続する下部直線部を構成する平板部材は切断刃保持部材27が配置される側に突出している。冷却ユニット35は更に、切断刃保持部材27における冷却部材ガイドレール27bと摺動可能に係合する冷却部材スライダ35bを有している。
冷却ユニット35は、その初期状態では、バネ等の付勢手段(不図示)の作用により、冷却ユニット35に設けられた冷却部材ストッパピン35cと冷却部材ストッパ27cとが所定の付勢力下において当接する。
冷却ユニット35は更に、図4Aの左右方向に突出する突出部35dを有している。突出部35dは、前述したメインフレーム部材17に設けられた孔部17a内部に収容されている。孔部17a下面に埋設されたストッパ17bの上端部と突出部35dとが当接することで冷却ユニット35の降下量が規定される。
ステージ23は、前述したようにグリーンシート積層体15を載置できる水平な載置面23aを有する。載置面23aを含むステージ23は不図示の制動装置によって駆動され、水平方向(図3Aにおける紙面に垂直な方向)に間歇的に移動可能である。さらに、ステージ23は、載置面23aに垂直な軸を中心に回転も可能となっている。
次に、本実施例に係るグリーンシート積層体切断装置1を用いて、実際にグリーンシート積層体15を切断する工程の動作について説明する。切断動作において、まずアクチュエータ25を作動させて、切断刃3を上昇させ、ステージ23の載置面23aからグリーンシート積層体15の厚さよりも大きな間隔を隔てる位置まで移動させる。この状態からステージ23は移動し、グリーンシート積層体15の切断予定部位と切断刃3の降下位置とを一致させる。
次に、アクチュエータ25を作動して、サブフレーム部材19を降下させる。これに伴って切断刃支持部材27も降下する。その際、冷却ユニット35に設けられた冷却部材ストッパピン35cと冷却部材ストッパ27cとは係合しており、冷却部材ユニット35は切断刃支持部材27と一体として降下する。冷却ユニット35は、その突出部35dがストッパ17bと当接することによって、降下が停止される。この停止状態において、所定の当接圧をもって冷却部材33がグリーンシート積層体15の表面と当接するように、ストッパ17bの高さ(突出部35dとストッパ17bとの当接位置)が設定されている。冷却部材33は、切断刃3の刃先稜線部7aがグリーンシート積層体15の内部に進入する前に、シート表面と当接するように切断刃との位置関係が設定されている。
この状態から、サブフレーム部材19を更に降下させると、切断刃保持部材27は更に降下を続ける。しかし、冷却ユニット35は、冷却手段用ガイドレール27cと冷却手段スライダ35bとの作用により、切断刃保持部材27の動作に影響されず、グリーンシート積層体15との当接状態を一定に保持する。これにより、冷却部材33の当接領域においてグリーンシート積層体15は所定の温度まで冷却され、水平面内に作用する応力を受けた場合であっても、当該領域内での積層体15が大きく変形することを防止できる。
切断刃保持部材27が更に降下を続けることによって、切断刃3がグリーンシート積層体15内部に進入する。アクチュエータ25の動作は、切断刃3の刃先稜線部7a(図1参照。)が、グリーンシート積層体15の最下層である支持体を切断するまで続けられる。以上の動作により、グリーンシート積層体15における切断予定部位の切断工程が終了する。切断終了後、アクチュエータ25によりサブフレーム部材19が上昇する。これにより、切断時とは逆の順序で各部材が動作し、切断前の状態に各構成が配置される。
以上の動作を順次繰り返し、グリーンシート積層体15の全面に対して切断面を形成した後、ステージ23は載置面23aに垂直な軸を中心に90°回転する。回転後、グリーンシート積層体15の回転後の方向における切断予定部位を切断刃3の直下に位置させ、再度上述した切断動作を繰り返して行う。これにより、略直方形状のチップ形状とされた部材が複数個同時に得られる。
本実施例によれば、グリーンシート積層体における切断後の領域に冷却手段を当接させることによって、当該領域周辺の変形能を低下させることが可能となる。従って、次の切断予定部位に切断刃が進入してシートの延在面方向に作用する応力が発生した場合であっても、切断済み領域の変形量を抑制し、切断面同士の再付着を防止することが可能となる。その結果、グリーンシート積層体の切断効率を向上させることが可能となる。
本発明の実施例では、第1実施形態の切断刃を適用した例を説明したが、第2〜3実施形態の切断刃を適用できることは言うまでもない。
さらに、本発明は上述した実施形態或いは実施例の具体的構成に限定されない。例えば、各々の構成の配置及び駆動方向は、グリーンシート積層体が水平に支持されることを前提として、全て規定されているが、これらを異なる方向において規定することとしても良い。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
1:グリーンシート積層体切断装置、 3:切断刃、 5:主面部、 7:刃先部、 9:粗面化領域、 11:平坦領域、 15:グリーンシート積層体、 17:メインフレーム部材、 19:サブフレーム部材、 23:ステージ、 25:アクチュエータ、 27:切断刃保持部材、 33:当接部材、 35:冷却ユニット
Claims (7)
- 基材にグリーンシートを積層したグリーンシート積層体の厚さ方向に押圧されることによって前記グリーンシート積層体を切断する切断刃であって、
前記切断刃の刃面には、粗面化した粗面化領域と平坦領域とが設けられ、前記平坦領域は、刃先稜線部に隣接している切断刃。 - 前記粗面化領域は、前記刃先稜線部に対し垂直な方向に延在する溝により構成される請求項1に記載の切断刃。
- 前記粗面化領域は、前記刃先稜線部に対し平行な方向に延在する溝により構成される請求項1に記載の切断刃。
- 前記粗面化領域は、前記刃先稜線部に対し傾斜する方向に延在する溝により構成される請求項1に記載の切断刃。
- 前記平坦領域の切断進行方向長さが、前記基材の厚さとほぼ同じである請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断刃。
- 基材にグリーンシートを積層したグリーンシート積層体を切断するグリーンシート積層体の切断装置であって、
前記グリーンシートが載置される載置面を有するステージと、
前記グリーンシート積層体の厚さ方向に移動可能であって、前記厚さ方向に移動することによって前記ステージ上に載置された前記グリーンシート積層体を切断する切断刃と、を備え、
前記切断刃の刃面には、粗面化した粗面化領域と平坦領域とが設けられ、前記平坦領域は、刃先稜線部に隣接しているグリーンシート積層体の切断装置。 - 前記ステージ上に載置された前記グリーンシート積層体を、請求項1〜5のいずれか一項に記載の切断刃を用いて切断する切断工程を備える電子部品の製造方法。
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- 2006-03-29 JP JP2006089919A patent/JP2007261116A/ja active Pending
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