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JP2007248324A - 検出センサ - Google Patents

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JP2007248324A JP2006073742A JP2006073742A JP2007248324A JP 2007248324 A JP2007248324 A JP 2007248324A JP 2006073742 A JP2006073742 A JP 2006073742A JP 2006073742 A JP2006073742 A JP 2006073742A JP 2007248324 A JP2007248324 A JP 2007248324A
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】振動子の高感度化を図ることのできる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】振動子20の内径Rbと外径Raとの比Rb/Raを適切に選ぶことにより、振動子20の外径部分もしくは内径部分において、Radial方向の変位のr成分(U(Ra)もしくはU(Rb))、Tangential方向の変位のr成分(V(Ra)もしくはV(Rb))が0になる場合がある。振動子20の外径RaにおいてU(Ra)=0になる場合、振動子20の外径部分での振動がなくなるので、振動子20を、支持部材22によってその外径部分で支持する。このとき、V(Ra)≠0であっても、Tangential方向の変位は、sin(nθ)=0となる位置においては振動が生じない。この位置で、支持部材22によって振動子20を保持することで、振動子20の振動エネルギが支持部材22によって失われることなく、振動子20を保持できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、質量を有した物質の有無の検出、物質の質量の検出等を行うために用いるのに適した検出センサに関する。
マイクロマシン/MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術などの微細加工技術の進展により、機械的な振動子を極めて小さく作ることが可能となっている。これにより振動子そのものの質量を小さく作ることが可能になったことから、分子レベルの極微小な物質(例えば分子やウイルス等)の付着による質量変化によっても、周波数やインピーダンス特性の変動が生ずるほどに高感度な振動子が実現しつつある。このような高感度な振動子を用いれば、極微小な物質の存在や量を検出できるセンサ等を構成することが可能となる。すなわち振動子の大きさが大幅に小さくなったことにより、振動子の周波数がGHzレベルにまで高くなり、しかもSiを材料とすることができるため、半導体回路との一体化を目指した研究に発展しつつある。
振動子の一種として、ディスク状の振動子がある。ディスク状の振動子の機械的振動に関する基礎的研究は、古くから行われてきており、ディスク状の振動子の振動状態を規定する振動姿態(振動モード)等の基礎的研究は既に終了したと言ってもよく、現在はマイクロマシン/MEMS技術によって製作された振動子のRF信号濾波器への応用を目的とした研究が盛んに行われている(例えば、非特許文献参照。)。
C. T.-C. Nguyen, "Vibrating RF MEMS Technology : Fuel for an Integrated Microchemical Circuit Revolution?." The 13th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers `05), Korea, June 5-9, 2005
ディスク状の振動子のMEMS化に伴う研究課題として、高感度化のためのQ値の向上、振動子の駆動・検出法、濾波器への応用を目的として振動子の組み合わせによる特性制御等があり、これらについて鋭意研究が行われている。
本発明は、上記のような技術的課題のうち、振動子の高感度化を図ることのできる技術を提供することを目的とする。
ここで、高感度化のためのQ値の向上のため、MEMS化した場合の振動子の保持法を改良できないかと考えた。
振動子を評価するパラメータであるQ値は、振動子が振動エネルギを失わずにいられるかによってきまり、式(1)のような関係で表すことができる。
Figure 2007248324
すなわち、振動子の振動エネルギが失われる主な原因として、
1)空気など周囲の媒質による損失Qair
2)振動子が振動し変形することによって生じる損失QTED
3)振動子の保持機構による損失Qanchor Loss
およびその他の損失Qothersが考えられている。
1)のQairを決める空気を代表とする周囲の媒質へのエネルギ損失を少なくするためは、振動子の振動を制御して、振動子の振動エネルギは大きいが周囲の媒質へのエネルギ移動が少ない振動モードを選ぶことで対処している。例えばディスク状機械的振動子は振動子のディスク面内方向にだけ振動し(円柱座標で言えばr、θ方向だけの振動で、Z方向には振動しない)、太鼓の膜のように(Z方向に)振動して大きな振動エネルギを周囲の媒質に移動することが少ない。
また2)のQTEDは、振動子が振動することで変形し、この変形により断熱膨張や断熱圧縮が起こる。このため断熱膨張領域は冷え、逆に断熱圧縮する領域は熱くなり、振動子に温度傾斜が生まれて、その温度が伝導して平均化することでエネルギが失われると言われている。すなわちこのエネルギ損失は振動子の振動モードと振動子の材質によって決まるものと言える。
さて3)のQanchor lossは振動子の保持部による損失で、保持部に振動子の振動が伝わることによって生ずる。例えば振動子が振動しない所に保持部を設けることによってエネルギ損失を無くすことが可能になると考えられるが、通常の円盤状のディスク状振動子では、最も一般的な振動子材料であるSi単結晶を用いる限り、この様な条件を見いだすには至っていない。
例えば、ディスク状振動子の共振モードの中で最もよく知られているモードにWine−Glassモード(2,1)がある。このようなディスク状振動子の振動における、モード関数であるRadial方向の変位U(r,θ)とTangential方向の変位V(r,θ)は次式(2)で示すことができる。
Figure 2007248324
この式(2)において、Wine−Glassモード(2,1)は、n=2における最低周波数の共振モードであることを意味しており、この(2,1)モードの振動の様子は、Radial方向では、r成分は振動子のr=0を除く全てrにおいて有限の値を持ち、それがcos2θに従って円周方向に変化しており、θ=π/4、3π/4、−3π/4、−π/4の角度ではRadial方向の振動は無くなる。このような位置を、nodal pointと称し、その位置で振動子を保持する手法も提案されている。
しかしこの(2,1)モードはCompoundモードであり、Tangential方向にも振動成分があるため、このTangential方向の振動においてもr成分はr=0を除く全てのrに対して有限の値を持ち、それが円周方向ではsin2θに従って変化している。このためU(r,θ)が0、すなわちcos2θが0になるθ=π/4、3π/4、−3π/4、−π/4の各角度において、V(r,θ)はsin2θが1,−1,1,−1となるため、逆に振幅が最大になってしまう。すなわちWine−Glassモード(2,1)で振動する円形振動子をRadial成分の振動の無い点で保持しようとすれば、Tangential成分の振動を妨げる形で保持すことになってしまい、どの方向成分に対しても振動の無い点で振動子を保持することはできない。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上記の例とは異なり、Radial成分とTangential成分の振動を共に無くすことのできる手法を見いだすに至ったのである。
このようにしてなされた本発明の検出センサは、質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化する振動子と、振動子を振動させる駆動部と、振動子における振動の変化を検出することで、物質を検出する検出部と、を備え、振動子は、外径がRaとされ、中央部に開口部が形成されることで内径がRbとされたリング状とされている。そして、振動子が振動したときの位置座標(r、θ)における位置rでの変位は、式(3)に示すように、Radial方向の変位がU(r)、Tangential方向の変位がV(r)によって表される。このとき、r=RaまたはRbとしたときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する外径Raと内径Rbで、振動子が形成されていることを特徴とする。
Figure 2007248324
なお、式(3)において、A6、A7、A8は、振動子の外径と内径、振動子材料のヤング率、密度およびポアソン比と、振動子の境界条件(この場合はFree−Free条件)によって規定される固有振動モードに伴って一意的に決まる定数である。具体的には、後述する式(9)においてA5=1とした場合、A6、A7、A8は、式(9)の連立一次方程式の解である。
このように、リング状の振動子において、その外径Raと内径Rbの比によって、外径部分または内径部分で振動の生じないことがある。このときの比は、振動子を形成する材料のポアソン比や、振動子を振動させるときの振動モードのモード数n、高調波振動の次数mによって異なってくる。
そして、式(3)においてr=RaであるときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する場合、振動子は外径部分で支持する。また、式(3)においてr=RbであるときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する場合は、振動子を内径部分で支持する。
さらに、式(3)においてr=RaまたはRbであるときにU(r)=0をほぼ満足する場合、振動子は、sin(nθ)=0となる位置θで支持する。また、式(3)においてr=RaまたはRbであるときにV(r)=0をほぼ満足する場合、振動子は、cos(nθ)=0となる位置θで支持する。
このようにして、振動子における、Radial成分とTangential成分の振動を共に無くすことができる。
ここで、本発明においては、U(r)=0またはV(r)=0の条件を完全に満足する場合だけでなく、ほぼ満足する場合を許容する。これは、製造誤差等により、U(r)=0またはV(r)=0の条件を完全に満足できる外径Ra、内径Rbで、振動子を形成することが困難であるからであり、また、U(r)=0またはV(r)=0の条件を若干外れた場合であっても、外径部分または内径部分において、十分に振動が小さい場合があるからである。
このような検出センサにおいては、振動子に物質が直接または間接的に付着または吸着したことによって生じる振動子の振動の変化を検出し、これによって物質を検出する。なお、物質の検出は、物質の有無の検出だけでなく、振動子に付着した物質の量を検出することも可能である。
振動子に物質を付着または吸着させるには、例えば、振動子の表面に、分子の吸着を効率よく行えるような吸着材料を付加しても良い。これには、グローバルな認識材と、選択認識材がある。グローバルな認識材は、選択性は強くないが、ある特定の分子群、例えばアルコールやエーテル等を吸着するポリマーである。これらのポリマーをナノファイバー化したり、またポーラスにして表面積を増やすことも有効である。また選択性の強い認識材としては、抗原−抗体反応を起こすような生物由来の材料や、アクセプター−レセプターの組み合わせや、遺伝子やDNA、RNAとハイブリダイゼーションする特定の塩基配列を持ったプローブ等がある。また、脂質二重膜でも良い。
このような検出センサにおいては、検出対象となる物質を特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子とすることができる。これにより、例えば、ガス検出センサ、匂いセンサ等に本検出センサを用いることができる。これには、振動子で、特定の分子としてガスや生体由来の分子、生活空間の浮遊分子、揮発性分子等を対象とする場合、特定種の分子のみを高い選択性を持って検出するのが望ましい。また、このように選択性の高い検出センサを複数用い、複数種の分子を認識したり、用途の応用範囲を広げることができる。また、グローバル認識と称される、特定の特徴を持った分子群や、同じ側鎖を持つ分子群等を検出することもできる。この場合、検出センサを複数用い、これら複数の検出センサ間における検出能の差から、信号処理やソフトフェアを用いた処理等によって分子群の認識を行うようにしても良い。また、液中で動作するように構成を変更して、特定のたんぱく質や酵素、糖鎖等を検出しても良い。
微小質量の検出は、薄膜形成の際の膜厚モニタ、抗体抗原反応や蛋白質吸着作用などのバイオ研究にも用いることができる。本発明の検出センサは、このような用途に好適である。
また、小型で安定な高感度な家庭用や個人用のガスセンサや、携帯性に優れる使い捨て型で空気中などに浮遊する有害物質の検出等の用途にも、本発明の検出センサや振動子を用いることも考えられる。更に高感度化が進めばその応用範囲はさらに広がり、「におい」の検出識別が可能となるまで発展することが可能であり、さらにこれ以外の用途に対しても、本発明の検出センサの利用を妨げるものではない。
しかも本発明の検出センサは、いわゆるSi単結晶を構造材料として用いることで、MEMS技術により製造することができることから、Si半導体と同一チップ内への作り込むことも可能となる。その場合、極めて安価でしかも高性能な微小物質の検出装置とすることができる。
本発明によれば、ディスク状の振動子の振動成分が無いところで振動子を保持することが可能となり、Q値の高い高品質な検出センサを提供することが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるセンサ(検出センサ)10の基本的な構成を説明するための図である。
この図1に示すセンサ10は、ディスク状で、全体として円形、矩形、あるいは適宜他の形状を有し、質量を有した分子等の検出対象物が付着すると振動周波数が変化する振動子20と、ディスク状の振動子20を振動させるための駆動源30と、振動子20における振動特性の変化を検出する検出部40と、を備えている。
駆動源30では、外部の図示しないコントローラで発生する電流によって、静電効果やピエゾ効果(圧電効果)を用い、振動子20を振動させる。
また、検出部40も、静電効果やピエゾ効果により、振動子20における振動を検出し、電気信号として出力するようになっている。このとき、振動子20に質量を有した物質が付着すると、その質量の影響を受けて振動子20の振動数が変化する。検出部40では、検出部40から出力される電気的な振動をモニタリングすることで、振動子20への物質の付着の有無、あるいは振動子20への物質の付着量を検出することが可能となっている。
このようなセンサ10において、振動子20には、その中央部に開口部21が形成されている。そして、この振動子20は、外周部の所定の位置に接続された支持部材22のみによって支持され、残る他の部分は全てフリー状態とされている。
ここで、振動子20の外径をRa、開口部21の径をRbとすると、振動子20は、Rb/Raが以下のような条件をほぼ満足するように、振動子20の外径Ra、開口部21の径(振動子20の内径)Rbを設定するのが好ましい。
ディスク状の振動子20に生じる振動には、(a)Radialモード(径方向(r方向)にのみ振動するモード)、(b)Tangentialモード(θ方向にのみ振動するモード)、(c)Compoundモード(径方向の振動およびθ方向の振動が複合したモード)、の3通りがある。
振動子20におけるCompoundモードにおける共振周波数の決定式は、以下の式(4)のようになる。
Figure 2007248324
ただし、a11〜a44は以下の通りである。
Figure 2007248324
なお、σ:振動子材料のポアソン比、E:振動子材料のヤング率、ρ:振動子材料の密度、ω:角周波数(=2πf)である。
さて、開口部21を有した振動子20における2つの境界、すなわち外径と内径部分では、Free−Free条件であることから、Radial方向の残留ストレスとTangential方向の残留ストレスが無くなり、これにより4つの境界条件が定まることが判る。また、モード関数であるRadial方向の変位U(r,θ)とTangential方向の変位V(r,θ)は、次式であらわすことができる。
Figure 2007248324
そして、この式(6)に、先に述べた4つの境界条件を適用することで、以下の関係式が求まる。
Figure 2007248324
さらに式(3)の共振周波数の決定式は、式(7)がいかなるA5,A6,A7,A8においても成り立つことを意味し、これは式(7)の4×4マトリクスのDeterminant=0が条件となる。これは共振周波数を決定する式(3)である。
さて、モード関数である式(6)の係数A5,A6,A7,A8は、未だ未定であり、これが決まらなければ振動子20の振動状態は定まらない。また共振条件では式(7)はいかなるA5,A6,A7,A8においても成立しているため、共振時における係数A5,A6,A7,A8は未定でありこのままでは決定出来ない。しかし式(7)のマトリクスを1次式に分解して表せば、次式(8)となる。
Figure 2007248324
この様にして求めた式(8)の4つの1次式の中から、任意の3つの式を取り出し、さらにその中の係数A5,A6,A7,A8のどれか一つに対する比としてなら、係数を定めることができる。例えば、式(8)から例えば上の3つの式を取り出し、全てA5で割ると、次式(9)のような連立一次方程式が得られる。
Figure 2007248324
この式(9)から、A5を分母とする係数比A6/A5,A7/A5,A8/A5を求めることができる。この結果を式(6)に代入すれば、共振時のRadial方向とTangential方向の変位、すなわちモード関数を全て決定できる。なお、ここでは式(8)の上3つの式を用いたが、任意の異なる3個の式を用いて同様に解くことができ、ここでは4組の異なる連立一次方程式が得られるが、求めた結果は全て同じである。
また全てがA5に対して比例関係にあるためA5=1としてもモード関数に本質的に変化は無いことから、改めてA5=1として、各モードにおけるRadial方向のr成分をU(r)、Tangential方向のr成分をV(r)として表せば、式(6)のモード関数は、次式(10)となる。
Figure 2007248324
ここで、U(r)、V(r)は、次式(11)の通りである。
Figure 2007248324
さて、この解析は、通常のディスク状の振動子と異なり、開口部21を有した円形のディスク状の振動子20に対するものである。この振動子20においては、この振動子20の外径Raと内径Rbの比によって、式(11)に示すU(r)とV(r)が大きく変わり、振動子20外径Raと内径Rbの比が特定の値になったとき、U(r)またはV(r)が0になることが起こりうる。
例えば振動子20の外径RaにおいてU(Ra)=0になる場合には、振動子20の外径部分での振動がなくなる。したがって、振動子20を、支持部材22によってその外径部分で支持する。
このとき、V(Ra)≠0であっても、式(10)に示すようにTangential方向の変位は、これにsin(nθ)をかけたものであるから、sin(nθ)=0となる位置においては、式(10)のV(r、θ)では振動が生じない。n=1の振動モードの場合、V(Ra、0)、V(Ra、π)の位置で、支持部材22によって振動子20を保持すれば、振動子20の振動エネルギは支持部材22を通して失われることは無い。
逆にV(Ra)=0の場合には、U(Ra)≠0であってもRadial方向の変位はこれにcos(nθ)をかけたものであるからcos(nθ)=0となる位置で、振動子20を保持すれば良いことになる。
なお、ここでは穴あきのディスク状の振動子20の外径における保持方法を述べたが、これが内径で保持する場合であっても同様の考え方でその位置を決めることができる。
図2〜図4は、それぞれn=1からn=3までの各振動モードにおけるr成分、すなわち式(11)に示したU(r)とV(r)の変動の様子を、内径Rbと外径Raの比Rb/Raを横軸にして図示したものである。なおこのとき、振動子20の材料としてSi単結晶を想定し、ポアソン比をσ=0.28とした。また、nは振動モードのモード数、mは高調波振動の次数を示す。
なお図2〜図4では、各モードにおいて最低次の共振周波数(m=1)から4番目の共振周波数(m=4)まで示し、これを通常のモード表現に従い(n,m)と表示している。
図2〜図4を見ると、図3(a)の(2,1)モードと図4(a)の(3,1)モードを除き、U(Ra),U(Rb),V(Ra)およびV(Rb)のいずれかが、適当なRb/Raにおいて0になること観察される。
例えば図2(b)に示す(1,2)モードでは、V(Ra)がRb/Ra=0.17において0になっていることが示されている。従ってポアソン比0.28の材料(例えば、単結晶Si)を用い、(1,2)モードで用いる振動子20を設計するには、内径Rbと外径Raの比を0.17に選び、cosθ=0の角度、すなわちθ=±π/2の位置の内径部分で振動子20を保持するように設計すれば、振動子20の共振振動になんら影響を与えず振動子20を保持することが可能である。
すなわち、外径が100μmで、(1,2)モードで用いる振動子20の場合、Rb/Ra=0.17となる、開口部21の径を17μmとしたときに、振動子20の外径部分におけるTangential方向の振動を0とすることができる。そして、このときに、開口部21の外径部分において、cosθ=0の角度、すなわちθ=±π/2の位置で振動子20を支持することで、共振振動に全く影響を与えない振動子20の保持法を実現できる。
ところで、一般の材料、例えばポアソン比がσ=0からσ=0.5の材料では、U(Ra),U(Rb),V(Ra)およびV(Rb)が0になる場合は、いかなるRb/Raの場合に起こるのかを調べることが非常に重要になる。このため式(11)から、次式(12)が成り立つRb/Raとポアソン比σの組み合わせを、各モード(n=1〜3,m=1〜4)について調べた。
Figure 2007248324
その結果を図5〜図7に示す。
なお、ポアソン比だけを変数とすることで全ての材料について調べたことになる理由は式(6)から、hとkに、
k=h(2/(1−σ))1/2
という関係があり、hとkを変数として見ると、この二つの変数がポアソン比σでのみ関係付けられていることによる。
図5〜図7では、n=1〜3,m=1〜4の各モードにおいて式(12)を満足するポアソン比σ(縦軸)と、振動子20の内径Rbと外径Raの比Rb/Ra(横軸)との関係を示した。すなわち振動子材料のポアソン比が判れば、図5〜図7の関係から、振動モードとその振動子20を保持する位置や、振動子20の内径Rbと外径Raの比を決めることができる。なお共振周波数は振動子20、例えば大きさ、すなわち外径Raを変えることで決定する。
このように、図5〜図7の関係を予め知ることにより、振動エネルギが保持部を通して逃げることの無い高性能なディスク状の振動子20を実現することが可能になる。
さて、支持部材22は、Tangential方向に振動させて使用する振動子20の場合、次式(13)で示される長さLを有するものとするのが好ましい。なお、駆動源30でピエゾ効果を用いた駆動方式を採用する場合、振動子20はTangential方向に振動させて使用することになるので、この場合、支持部材22の長さを、式(13)で表されるLにするのが好ましい。
Figure 2007248324
また、Radial方向に振動させて振動子20の場合、支持部材22は、次式(14)で示される長さLを有するものとするのが好ましい。
Figure 2007248324
このように、振動子20の内径Rbと外径Raとの比Rb/Raを適切に選ぶことにより、振動子20の外径部分もしくは内径部分においてRadial方向の変位のr成分すなわちU(Ra)もしくはU(Rb)、ならびにTangential方向の変位のr成分すなわちV(Ra)もしくはV(Rb)が0になる場合がある。このようなディスク状で開口部21を有した振動子20に特有な現象を用いることで、振動子20の共振振動に全く影響を与えず振動子20を保持することが可能となり、極めてQの高い振動子20が提供できる。これにより、センサ10においては、高感度な質量の物体の検出や、質量の検出を行うことが可能となる。また、振動子20は、いわゆるSi単結晶を構造材料として用い、MEMS技術によって製造することができることから、Si半導体と同一チップ内にセンサ10を組み込んで作ることも可能となる。
ところで、上記では、振動子の材料としてSi単結晶(ポアソン比σ=0.28)を用いた振動子20の例を示したが、もちろん、他の材料においても、同様の検討を行うことで、振動子20の外径Ra、開口部21の内径Rb、および支持部材22による支持位置を選定することができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態のセンサの構成を示す図である。 n=1モードにおける、ディスク状の振動子の外径と内径の比と、U(Ra)、U(Rb)、V(Ra)、V(Rb)の値との関係を示す図である。 n=2モードにおける、ディスク状の振動子の外径と内径の比と、U(Ra)、U(Rb)、V(Ra)、V(Rb)の値との関係を示す図である。 n=3モードにおける、ディスク状の振動子の外径と内径の比と、U(Ra)、U(Rb)、V(Ra)、V(Rb)の値との関係を示す図である。 n=1モードにおける、式(12)が成立するときのディスク状の振動子の外径と内径の比と、ポアソン比との関係を示す図である。 n=2モードにおける、式(12)が成立するときのディスク状の振動子の外径と内径の比と、ポアソン比との関係を示す図である。 n=3モードにおける、式(12)が成立するときのディスク状の振動子の外径と内径の比と、ポアソン比との関係を示す図である。
符号の説明
10…センサ(検出センサ)、20…振動子、21…開口部、22…支持部材、40…検出部

Claims (7)

  1. 質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化するディスク状の振動子と、
    前記振動子を振動させる駆動部と、
    前記振動子における振動の変化を検出することで、前記物質を検出する検出部と、を備え、
    前記振動子は、外径がRaとされ、中央部に開口部が形成されることで内径がRbとされたリング状で、
    前記振動子が振動したときの位置座標(r、θ)における位置rでの、式(1)で表されるRadial方向の変位U(r)、Tangential方向の変位V(r)が、r=RaまたはRbとしたときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する外径Raと内径Rbで、前記振動子が形成されていることを特徴とする検出センサ。
    Figure 2007248324
  2. 前記式(1)においてr=RaであるときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は外径部分で支持されていることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
  3. 前記式(1)においてr=RbであるときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は内径部分で支持されていることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
  4. 前記式(1)においてr=RaまたはRbであるときにU(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は、sin(nθ)=0となる位置θで支持されていることを特徴とする請求項2または3に記載の検出センサ。
  5. 前記式(1)においてr=RaまたはRbであるときにV(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は、cos(nθ)=0となる位置θで支持されていることを特徴とする請求項2または3に記載の検出センサ。
  6. 前記検出部は、前記振動子に付着した前記物質の量を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の検出センサ。
  7. 前記物質が特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の検出センサ。
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