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JP2007246897A - 耐熱性樹脂ペースト、耐熱性樹脂ペーストの製造方法、及び耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜又は保護膜を有する半導体装置 - Google Patents

耐熱性樹脂ペースト、耐熱性樹脂ペーストの製造方法、及び耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜又は保護膜を有する半導体装置 Download PDF

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JP2007246897A
JP2007246897A JP2007035278A JP2007035278A JP2007246897A JP 2007246897 A JP2007246897 A JP 2007246897A JP 2007035278 A JP2007035278 A JP 2007035278A JP 2007035278 A JP2007035278 A JP 2007035278A JP 2007246897 A JP2007246897 A JP 2007246897A
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resistant resin
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paste
resin
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Application number
JP2007035278A
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Inventor
Reiko Masuno
玲子 増野
Hiroyuki Kawakami
広幸 川上
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】スクリーン印刷法又はディスペンス法において優れたレオロジ特性を有し、かつ基板に対して優れた濡れ性を持つ耐熱性樹脂ペーストと、その耐熱性樹脂ペーストを効率よく製造する方法と、耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜又は保護膜を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】(a)第一の有機溶媒(A1)および(A1)に可溶な耐熱性樹脂(B)を含む耐熱性樹脂溶液と、(b)第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)、および(A1)と(A2)の混合溶媒に不溶な耐熱性樹脂(C)を含む耐熱性樹脂フィラー分散液と、分子内に2〜51個のシロキサン結合を有するシリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)とを配合してなる耐熱性樹脂ペーストであり、上記シロキサン樹脂(D)中のシリコーンジアミン含有量が、全ジアミン100モル部に対し、1〜80モル部である、耐熱性樹脂ペーストから得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、スクリーン印刷法、ディスペンス法において優れるレオロジ特性を有し、各種基板に対して濡れ性に優れ、半導体装置等のコーティング材、接着剤、応力緩和材等の用途に適した耐熱性樹脂ペースト及びその製造方法並びに上記耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜又は保護膜を有する半導体装置に関する。
ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂は、耐熱性及び機械的性質に優れていることから、エレクトロニクスの分野で半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜としてすでに広く使われている。
最近、これら表面保護膜用や層間絶縁膜用、応力緩和材用等のポリイミド系樹脂膜の像形成方法として露光、現像、エッチング等の繁雑な工程を必要としないスクリーン印刷法やディスペンス法が着目されている。
スクリーン印刷法、ディスペンス法には、ベース樹脂、フィラー及び溶媒を構成成分とし、チキソトロピー性を持つ耐熱性樹脂ペーストが使用される。これまでに開発された耐熱性樹脂ペーストのほとんどは、チキソトロピー性を付与するためのフィラーとしてシリカ微粒子や非溶解性ポリイミド微粒子を用いているため、加熱乾燥時にフィラー界面に多数の空隙や気泡が残留し、膜強度が低い、電気絶縁性に劣るといった問題が指摘されている。
そこでこれらの問題がなく、加熱・乾燥時にフィラーがまず溶解し、ベース樹脂に相溶・成膜化する特殊な有機フィラー(可溶型フィラー)・ベース樹脂・溶媒の組合せとすることによって、特性に優れたポリイミドパターンを形成できる耐熱性樹脂ペーストが開示されている(特許文献1参照)。
スクリーン印刷法、ディスペンス法でペーストに必要とされる特性は、印刷又は塗布幅(ライン/スペース)、膜厚、形状等のパターン形成性であり、チキソトロピー性を代表とするレオロジ特性や、塗布基板とペーストとの濡れ性がパターン形成性に大きく影響する。
一般的に塗布基板上の濡れ性を向上させるためにペースト剤にレベリング剤を添加することが行われているが、レベリング効果の低さ、ペーストとの相溶性、乾燥・硬化時に用いる加熱装置の汚染等、種々の問題を抱えている。
特開平2−289646号公報
耐熱性樹脂ペーストにおいては、優れたパターン形成性が要求されており、すなわち、塗布時におけるチキソトロピー性を代表とするレオロジ特性とさらに、塗布基板とペーストとの濡れ性を向上させ、印刷・塗布後や乾燥・硬化時に引けやハジキ、ピンホールが発生せず、所定部分を被覆できることが要求されている。
本発明は、スクリーン印刷法又はディスペンス法において優れたレオロジ特性を有し、かつペーストが基板に対して優れた濡れ性を持つ耐熱性樹脂ペーストと、上記耐熱性樹脂ペーストを効率よく製造する方法と、上記耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜又は保護膜を有する半導体装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、スクリーン印刷法又はディスペンス法での耐熱性樹脂ペーストにおいて、シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂を分散させることにより、形成されたパターンが形成直後や放置後、乾燥・硬化時に発生する引けやハジキによるパターニング不良を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(a)第一の有機溶媒(A1)および(A1)に可溶な耐熱性樹脂(B)を含む耐熱性樹脂溶液と、(b)第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)、および(A1)と(A2)の混合溶媒に不溶な耐熱性樹脂(C)を含む耐熱性樹脂フィラー分散液と、分子内に2〜51個のシロキサン結合を有するシリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)とを配合してなる耐熱性樹脂ペーストであって、シロキサン樹脂(D)中のシリコーンジアミン含有量が、全ジアミン100モル部に対して1〜80モル部である、耐熱性樹脂ペーストである。
また、1つの態様として本発明は、耐熱性樹脂(B)及び耐熱性樹脂(C)が、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂又はこれらの前駆体である上記の耐熱性樹脂ペーストである。
また、1つの態様として本発明は、シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)が、下記一般式(I)
Figure 2007246897
(式中、R、Rはそれぞれに独立に2価の有機基であり、nは1〜50の整数である)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、下記一般式(II)
Figure 2007246897
(式中、Zは単結合、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−S(=O)−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−である)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とを極性溶媒中で反応させてなるポリイミド系樹脂若しくはこれらの前駆体である上記の耐熱性樹脂ペーストである。
また、1つの態様として本発明は、シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)が、上記一般式(I)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその反応性誘導体とを極性溶媒中で反応させてなるポリアミドイミド系樹脂若しくはこれらの前駆体である上記の耐熱性樹脂ペーストである。
また、1つの態様として本発明は、シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)が、上記一般式(I)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、ジカルボン酸又はその反応性誘導体とを極性溶媒中で反応させてなるポリアミド系樹脂である上記の耐熱性樹脂ペーストである。
1つの態様として本発明は、上記耐熱性樹脂ペーストに含まれる樹脂量100重量部に対してシリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)の使用量が1〜20重量部である前記の耐熱性樹脂ペーストである。
1つの態様として本発明は、第二の有機溶媒(A2)が、第一の有機溶媒(A1)に比べてペーストから蒸発し易いものである上記の耐熱性樹脂ペーストである。
1つの態様として本発明は、耐熱性樹脂(C)が、非水分散重合法で得られた平均粒子径が40μm以下であるポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂又はこれらの前駆体である上記の耐熱性樹脂ペーストである。
1つの態様として本発明は、シリコン、SiO膜、ポリイミド系樹脂、セラミック、金属表面上での接触角がいずれにおいても室温で20°以下である上記の耐熱性樹脂ペーストである。
また、1つの態様として本発明は、上記耐熱性樹脂ペーストのチキソトロピー係数が、1.5〜10.0である上記の耐熱性樹脂ペーストである。
また、本発明は、(a)第一の有機溶媒(A1)及び(A1)に可溶な耐熱性樹脂(B)を含む耐熱性樹脂溶液と、(b)第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)、および(A1)と(A2)の混合溶媒に不溶な耐熱性樹脂(C)を含む耐熱性樹脂フィラー分散液と、分子内に2〜51個のシロキサン結合を有するシリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)とを配合することを特徴とする耐熱性樹脂ペーストの製造方法である。
さらなる態様として本発明は、第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)及び耐熱性樹脂(B)を含む溶液中に耐熱性樹脂(C)のフィラーが分散してなるペースト状混合物に、シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)を予め(A1)、(A2)、または(A1)および(A2)の混合溶媒に溶解して添加することを特徴とする耐熱性樹脂ペーストの製造方法である。
また、本発明は、上記耐熱性樹脂ペースト又は上記耐熱性樹脂ペーストの製造方法により製造される耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜である。
さらに本発明は、上記耐熱性樹脂ペースト又は上記耐熱性樹脂ペーストの製造方法により製造される耐熱性樹脂ペーストから得られる保護膜を有する半導体装置である。
本発明になる耐熱性樹脂ペースト及び上記耐熱性樹脂ペーストの製造方法により得られる耐熱性樹脂ペーストは、スクリーン印刷法やディスペンス法で用いるペーストとして使用した際、精密パターン形成を可能とするチキソトロピー性等のレオロジ特性と各種基板に対して優れた濡れ性を有し、また耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜又は保護膜を有する半導体装置においても優れた効果を奏するものである。
本発明になる耐熱性樹脂ペーストは、(a)第一の有機溶媒(A1)および(A1)に可溶な耐熱性樹脂(B)を含む耐熱性樹脂溶液と、(b)第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)、および(A1)と(A2)の混合溶媒に不溶な耐熱性樹脂(C)を含む耐熱性樹脂フィラー分散液と、分子内に2〜51個のシロキサン結合を有するシリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)とを配合してなる耐熱性樹脂ペーストであり、上記シロキサン樹脂(D)中のシリコーンジアミン含有量が、全ジアミン100モル部に対し、1〜80モル部である、耐熱性樹脂ペーストである。
本発明の耐熱性樹脂ペーストにおいて、(a)は、(B)が溶解した状態の耐熱性樹脂溶液であり、(b)は(C)がフィラーとして分散した状態の耐熱性樹脂フィラー分散液である。
また、上記本発明の耐熱性樹脂ペーストは、(C)のフィラーを含むため、塗布工程においてチキソトロピー性を有する。そして、上記耐熱性樹脂ペーストを塗布後に高温で加熱することにより、(C)のフィラーが耐熱性樹脂ペースト中で(A1)、(A2)に溶解し、最終的に(B)と均一な皮膜を形成する。なお、(B)および(C)は、それぞれ(a)において(B)が溶解された状態、(b)において(C)が分散された状態となればよく、(B)および(C)として同一の樹脂であっても、異なる樹脂であってもさしつかえないが、同一の樹脂を用いることが好ましい。いずれの場合であっても、(A1)としては(B)および(C)に対して良溶媒を、(A2)としては(B)および(C)に対して貧溶媒を用いることになる。
また、上記耐熱性樹脂ペーストに含まれる、(D)は、印刷、塗布に際して基板に対して濡れ性を付与することができる。
このように、本発明における耐熱性樹脂ペーストは、スクリーン印刷法、ディスペンス法において、そのパターン形成性に影響を与えるチキソトロピー性と各種基板との濡れ性に優れ、得られた皮膜はハジキやピンホール、空隙がなく均一であり、優れた可とう性、耐湿性及び耐食性が得られる。
本発明の耐熱性樹脂ペーストにおいて、(B)および(C)としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はこれらの前駆体が挙げられ、中でも樹脂封止やはんだリフロー等の半導体製造プロセス中で印加される高熱に対して必要な耐熱性を有する点で、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はこれらの前駆体が好ましく、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(B)及び(C)としてのポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はこれらの前駆体を得る方法としては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物との反応によりポリイミド樹脂を、芳香族、脂肪族又は脂環式ジアミン化合物とトリカルボン酸又はその反応性酸誘導体との反応によりポリアミドイミド樹脂を、あるいは芳香族、脂肪族又は脂環式ジアミン化合物とジカルボン酸又はその反応性酸誘導体との反応によりポリアミド樹脂を得る方法が挙げられる。
上記反応は、無溶媒又は有機溶媒の存在下で行うことができる。反応温度は、25〜250℃とすることが好ましく、反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件などにより適宜選択することができる。
そのような(B)及び(C)を製造するときに使用される上記有機溶媒としては特に制限はなく、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン等の含硫黄系溶媒、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピレンウレア等の含窒素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて適宜使用することができる。
また、(B)及び(C)の数平均分子量は1,000〜30,000であることが好ましい。(B)及び(C)の数平均分子量が1,000未満であると、これらを用いた耐熱性樹脂ペーストの粘度が低くなり、スクリーン印刷やディスペンス時にペーストダレが発生し、パターニング性を満足しない傾向がある。(B)及び(C)の数平均分子量が30,000を超えると、これらを用いた耐熱性樹脂ペーストの粘度が高くなりすぎたり、糸引きの問題が発生し、パターニング不良が発生する傾向がある。
ここで数平均分子量は、分子量既知のポリスチレンを検量線とするゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により求めたポリスチレン換算値である。例えば、下記条件で測定することができる。下記の実施例は、下記の条件により測定したものである。
装置:日立655A型 ((株)日立製作所製)
カラム:GelPak GL−S300M−5(NMP)(日立化成工業(株)製)2本
溶離液:N−メチル−2−ピロリドン HPO(0.06モル/リットル)
流量:1ml/分
検出器:UV(270nm)
また、本発明の耐熱性樹脂ペーストにおいて、(C)のフィラーは、耐熱性樹脂フィラー分散液の合成の容易さ、コスト、チキソトロピー性を考慮すると、好ましくは非水分散重合法(例えば、特公昭60−048531号公報、及び特開昭59−230018号公報)により得られる、微粒子の平均粒径が40μm以下であるものが好ましく、本発明になる耐熱性樹脂ペーストをスクリーン印刷法やディスペンス法に用いる場合、耐熱性樹脂ペーストのチキソトロピー性、皮膜の均一性及び膜厚との調和を考慮すると、(C)は、平均粒径が0.1〜5μmであるポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及びポリイミド樹脂又はこれらの前駆体の微粒子を用いることが好ましい。
また、(C)のフィラーは、上述の非水分散重合法の他に、例えば、樹脂溶液から回収した粉末を機械粉砕する方法、樹脂溶液の噴霧油滴を乾燥してフィラーを得る方法、さらに(C)を含む樹脂溶液に貧溶媒を加えながら高せん断下に微粒子化する方法等あり、任意の方法が用いられる。
(C)の耐熱性樹脂としては、上記の方法によりフィラーを形成できるものであればよく、(C)の成分としては、(B)の成分と同じ成分を有する耐熱性樹脂として合成することができる。
本発明で用いる(a)は、上記のようにして得られた(B)を溶解したものである。これは、溶媒の存在下で得られた(B)が溶解されているものを用いてもよく、別途調製した(B)を(A1)に溶解して調製してもよく、特に制限なく調製することができる。
また、本発明に用いる(b)は、上記のようにして得られた(C)をフィラーとして分散させたものである。これは、反応に際して、(A1)および(A2)の混合溶媒を用いてフィラーを析出させ、フィラーが分散された液をそのまま用いてもよく、また、溶解している(C)に、貧溶媒を加えてフィラーを析出させて調製するか、あるいは、別途調製した(C)を(A1)および(A2)の混合溶媒を用いてフィラーとして分散させることにより、調製することができ、その他、特に制限なく調製することができる。
本発明の耐熱性樹脂ペーストにおいて、(A1)は、(B)を室温で溶解することができ、かつ(C)を(A2)との混合溶媒において、室温では溶解せずにフィラーとして存在させ、150〜300℃の加熱乾燥時又は350〜450℃の加熱硬化時の温度で(C)を溶解するような溶媒が好適である。
上記特徴を有する(A1)として、例えば、アルコール類、カルボン酸等のように解離して容易にプロトンを放出するプロトン性溶媒、解離してプロトンを生じない非プロトン性溶媒等が挙げられ、具体的には、(B)および(C)がポリイミドの場合、(A1)としては、例えば、ジメチルプロピレンウレアなどを好適に使用することができる。
また、(C)((B)と同一のものでよい。以下同様)が(A1)と(A2)の混合溶媒中にて150〜300℃の加熱乾燥時又は350〜450℃の加熱硬化時の温度により溶解するためには、1つの方法として、(A1)と(A2)の混合溶媒中の(A2)の量が減少すればよく、(A2)は、(A1)よりもペーストから蒸発し易いものが好ましい。ここで、(A1)と(A2)のペーストからの蒸発し易さの度合は(A1)と(A2)の沸点、蒸気圧に依存する。
したがって、(b)において使用される(A1)及び(A2)は、スクリーン印刷時の耐熱性樹脂ペーストの使用可能な時間を考慮すると、沸点が100〜350℃であることが好ましく、150〜300℃であることがより好ましく、(A1)および(A2)の沸点の差Δbp〔Δbp=bp(良溶媒)−bp(貧溶媒)〕は、5℃以上が好ましく、20℃以上が更に好ましく、40℃以上が特に好ましい。一方、Δbpが5℃を満たないと(C)が溶解する前に(A1)が揮発してしまい、成膜後に(C)およびシロキサン樹脂(D)が相溶せず界面が形成され、引張強度や絶縁性が低下する場合がある。
なお、上記(b)は、例えば、(C)として(B)と異なる樹脂を使用する場合、(A1)に対する(B)および(C)の溶解度の差を利用して(A2)を用いずに調製することもできる。すなわち、室温において(B)を溶解し、(C)を溶解せずに分散させる(A1)を選択すればよく、例えば、(A1)を加熱して(C)を溶解させた後、この溶液を冷却することにより、(C)をフィラーとして析出させることができる。
本発明の耐熱性樹脂ペーストおける(D)としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はこれらの前駆体が挙げられるが、半導体製造プロセス中で印加される高熱に対して必要な耐熱性を有する点で、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はこれらの前駆体を用いることが好ましい。これらの樹脂を得る方法としては、一般式(I)
Figure 2007246897
(式中、R、Rはそれぞれに独立に2価の有機基であり、nは1〜50の整数である)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、下記一般式(II)
Figure 2007246897
(式中、Zは単結合、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−S(=O)−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−である)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを極性溶媒中で反応させてポリイミド樹脂またはその前駆体を得る方法、一般式(I)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその反応性誘導体とを極性溶媒中で反応させてポリアミドイミド樹脂またはその前駆体を得る方法、あるいは一般式(I)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、ジカルボン酸又はその反応性誘導体とを極性溶媒中で反応させてポリアミド樹脂を得る方法が挙げられ、シリコーンジアミンは単独又はその他ジアミン類を組み合わせて2種類以上のジアミンとして、上記反応に使用することができる。
なお、一般式(I)で表されるシリコーンジアミンのR、Rは2価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜8の有機基、具体的には分岐または直鎖のアルキレン基、−Ph−、であることが好ましい。また、一般式(I)における繰り返し数nは1〜50であることが好ましい。nが1未満であると、得られた耐熱性樹脂ペーストの基板上における濡れ性が不十分である傾向があり、50を超えると、(a)および(b)と(D)との相溶性が低下し、二層分離してしまう傾向がある。また、耐熱性樹脂ペーストの基板上における濡れ性の観点から、上記繰り返し数nは3以上であることが特に好ましい。
ここにおいて、(D)を製造するために使用される一般式(I)で表されるシリコーンジアミンは、特に制限はなく、市販品、例えば商品名KF−8010、X−22−161A、X−22−161B(信越化学工業(株)製商品名)等を使用することができる。
また、上記シリコーンジアミンと併用することができるその他のジアミン類についても特に制限はなく、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
また、(D)としてポリイミド樹脂を作製する場合に使用する一般式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、特に制限はなく、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。また、本発明においては、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などのテトラカルボン酸無水物を上記一般式(II)で表されるテトラカルボン酸二水物と併用することができる。
また、(D)としてポリアミドイミド樹脂を作製する場合に使用する酸無水物基を有する3価のカルボン酸又はその誘導体は、特に制限はなく、例えば、一般式(III)及び(IV)
Figure 2007246897
Figure 2007246897
(式中、Aは−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−S(=O)−、−CH−を示す)で表される化合物が挙げられ、トリメリット酸無水物又はその誘導体が、耐熱性、コスト面等で好ましい。例えば、トリメリット酸無水物を用いてポリアミドイミドを得る場合、下記一般式(V)
Figure 2007246897
(式中、a、b、cはそれぞれ独立に1から100の整数であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アリール基、アルキル基である。)で表されるジアミンとトリメリット酸無水物を無溶媒又は有機溶媒中で反応させて得られる、下記一般式(VI)
Figure 2007246897
(式中、a、b、cはそれぞれ独立に1から100の整数であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アリール基、アルキル基である。)で表される化合物、または一般式(VI)で表される化合物を脱水閉環して得られる化合物又はその誘導体等を得ることができる。
また、(D)としてポリアミド樹脂を作製する場合に使用するジカルボン酸又はその誘導体としては、特に制限はなく、例えば、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)が挙げられる。
上記シリコーンジアミン化合物を形成する一般式(I)で表されるシリコーンジアミン量は、(D)の全ジアミン100モル部に対して、1〜80モル部であり、5〜80モル部であることが好ましく、5〜50モル部であることがより好ましく、10〜50モル部であることがさらに好ましく、20〜30モル部であることが特に好ましい。シリコーンジアミン量が5モル部未満、中でも1モル部未満であると、これを用いる耐熱性樹脂ペーストは塗布基板との濡れ性が十分でなく、スクリーン印刷法やディスペンス法により形成されたパターンが形成直後や放置後、乾燥・硬化時に発生する引けやハジキによるパターニング不良が発生しやすくなる傾向がある。80モル部を超えると、これを用いる上記耐熱性樹脂ペーストはチキソトロピー係数を代表とするレオロジ特性の低下が発生し、ペーストダレなどにより解像度が低下する傾向がある。また上記耐熱性樹脂ペーストの耐熱性の低下や相分離する可能性がある。
上記(D)を製造するときの極性溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン等の含硫黄系溶媒、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアセド、ジメチルプロピレンウレア等の含窒素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。上記極性溶媒は、製造する(D)に応じて選択することができ、また、必要に応じて、本発明の耐熱性樹脂ペーストに使用する(A1)や(A2)と同じ溶媒を使用することができる。
上記(D)の数平均分子量は2,000〜20,000であることが好ましく、2,000未満であると、上記耐熱性樹脂ペーストの耐熱性が低下することがあり、また、20,000を超えると上記耐熱性樹脂ペーストが高粘度化することや、不溶化し分離してしまう恐れがある。
なお、本発明の耐熱性樹脂ペーストに使用される上述の(B)、(C)及び(D)として使用される各ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体は、脱水閉環してポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂とすることができ、脱水閉環は一般的な方法で行なうことができる。例えば、常圧又は減圧下において加熱によって脱水閉環する熱閉環法、触媒の存在下又は非存在下、無水酢酸などの脱水剤を使用する化学閉環法等を使用することができる。
熱閉環法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。このとき80〜400℃、好ましくは100〜250℃に反応液を加熱することにより行う。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等のような水と共沸するような溶剤を併用し、水を共沸除去してもよい。
化学閉環法の場合、化学的脱水剤の存在下、0〜120℃、好ましくは10〜80℃で反応させる。化学的脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いるのが好ましい。このとき、ピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の環化反応を促進する物質を併用することが好ましい。
化学的脱水剤は、ジアミン化合物の総量に対して90〜600モル%、環化反応を促進する物質はジアミン化合物の総量に対して40〜300モル%使用される。また、トリフェニルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリフェニルホスフェート、リン酸、五酸化リン等のリン化合物、ホウ酸、無水ホウ酸等のホウ素化合物などの脱水触媒を用いてもよい。
脱水反応によりイミド化を終了した反応液を、メタノールなどの低級アルコール、水又はこれらの混合物などの、上記反応液中の有機溶媒と相溶性であって、かつ樹脂に対して貧溶媒である大過剰の溶媒に注ぎ、樹脂の沈殿物を得て、これをろ別し、溶媒を乾燥することによって、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂を得る。残存するイオン性不純物の低減化等を考慮すると、前述の熱閉環法が好ましい。
本発明の耐熱性樹脂ペーストにおける(A1)、(A2)、(B)及び(C)の配合割合は、(B)100重量部に対して、(C)を10〜300重量部、(A1)と(A2)の総量で50〜3,000重量部とすることが好ましく、さらに(C)を20〜200重量部、(A1)と(A2)を総量で75〜2,000重量部とすることがより好ましく、さらに(C)を20〜200重量部、(A1)と(A2)を総量で100〜1,000重量部とすることが特に好ましい。
(B)100重量部に対して、(C)が10重量部未満であるとスクリーン印刷法やディスペンス法で塗布する際のチキソトロピー性が不足し、印刷性が損なわれる傾向がある。また300重量部を超えるとペーストの流動性が損なわれるので印刷性、塗布性が低下する傾向がある。
また、(B)100重量部に対して、(A1)と(A2)の総量が50重量部未満であると耐熱性樹脂ペーストの流動性が損なわれる傾向がある。また3,000重量部を超えると耐熱性樹脂ペーストの粘度が低くなり、ペーストダレや厚膜形成が困難になり、パターン形成性が悪化する傾向がある。
また、本発明の耐熱性樹脂ペーストにおいて、(A1)と(A2)の配合割合は、好ましくは(A1)と(A2)の総量100重量部に対して、(A1)が10〜70重量部であることが好ましい。(A1)が10重量部未満であると、(C)が異常析出し、成膜性が劣る傾向がある。70重量部を超えると、(b)を調製する際に、(A1)および(A2)の混合溶媒に(C)が溶解し易くなり、その結果(C)がペースト中に固形で分散せず、上記耐熱性樹脂ペーストのチキソトロピー性が低下し、スクリーン印刷時やディスペンス法による塗布時にペーストダレ等が発生し、パターン形成性が低下する傾向がある。
また、本発明の耐熱性樹脂ペーストにおいて、(D)の含有量は、上記耐熱性樹脂ペースト中の(B)、(C)、および(D)の総量100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましく、2〜20重量部含むことがより好ましく、2〜16重量部含むことがさらに好ましく、2〜10重量部含むことが特に好ましく、3〜5重量部含むことが格別に好ましい。(D)の含有量が1重量部未満であると、塗布基板との濡れ性が十分でなく、スクリーン印刷法やディスペンス法により形成されたパターンが形成直後や放置後、乾燥・硬化時に発生する引けやハジキによるパターニング不良が発生する傾向がある。20重量部を超えると、耐熱性の低下やチキソトロピー係数を代表とするレオロジ特性の低下が発生し、ペーストダレなどにより解像度が低下する傾向がある。
本発明の耐熱性樹脂ペーストは、(B)、(C)、及び(D)が均一に分散されており、長時間放置しても数層に分離しない。
本発明の耐熱性樹脂ペーストは、シリコンウエハ、セラミック基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、Ni、Cu、Al基板を代表とする金属基板、PIコーティング基板との濡れ性が高く、いずれにおいても室温での接触角が20°以下であれば得られた皮膜は引けやハジキ、ピンホールがなく均一であり、20°を超えると基板上で耐熱性樹脂ペーストが弾いてしまい、パターニング不良が発生する。上記接触角は、耐熱性樹脂ペーストの液滴を各種基板に落とした際、液滴と基板の接点から接線を引き、この接線と基板との角度を接触角とする。なお「室温」とは、主に25℃前後の温度を指す。
また、本発明の耐熱性樹脂ペーストは、25℃におけるチキソトロピー係数を1.5〜10.0の範囲になるようにすることが好ましい。その理由としては、チキソトロピー係数が1.5以上であれば、スクリーン印刷により充分な解像性が得られやすく、一方、10.0以下であれば、印刷時の作業性がより向上するためである。
したがって、本発明の耐熱性樹脂ペーストの25℃におけるチキソトロピー係数は、上述の特性を考慮すると、1.5〜8.0が好ましく、1.8〜7.5がより好ましく、2.0〜7.0が特に好ましい。ここで粘度、チキソトロピー係数はE型粘度計(東京計器社製、EHD−U型)を用いて試料0.2gで測定する。チキソトロピー係数は回転数1min−1と10min−1のみかけ粘度の比で表される。
また、本発明の耐熱性樹脂ペーストの25℃における粘度は、10〜1,000Pa・sであることが好ましい。これは、10Pa・s以上であると充分な膜厚と解像性を容易に得ることができ、一方、1,000Pa・s以下であれば転写性、印刷作業性に優れるからである。したがって、本発明の耐熱性樹脂ペーストの25℃における粘度は、これらの特性を考慮すると、50〜900Pa・sが好ましく、100Pa・s〜800Pa・sがより好ましく、120〜700Pa・sが特に好ましい。粘度は上記E型粘度計を用いて回転数0.5min−1のみかけ粘度で表される。粘度、チキソトロピー係数の制御は例えば樹脂ペーストの固形分濃度、ペースト内に含まれる粒子量で制御することができ、これらがそれぞれ大きいほど、粘度、チキソトロピー係数は大きくなる。
さらに、本発明の耐熱性樹脂ペーストは、成膜後のガラス転移温度、熱分解温度がそれぞれ150℃以上、350℃以上になるようにする。ガラス転移温度が150℃以上、熱分解温度が350℃以上であると、半導体パッケージング工程にかかる熱や動作中に発生する熱に対して安定である。
ガラス転移温度が150℃未満、熱分解温度が350℃未満であると、組立工程や動作中に構造が変化したり分解が開始する場合もあり、歪や断線など不良の要因となる。なお、ガラス転移温度はTMA法を用いて測定した温度とする。熱分解温度はTG−DTAを用いて測定し、重量減少5%の温度を熱分解温度とする。
本発明の耐熱性樹脂ペーストを製造する方法は、特に制限なく、(a)と(b)と(D)とをそれぞれ調製したあと、これらを混合することにより、製造することができる。
また、(D)は、予め(A1)、(A2)、または(A1)および(A2)の混合溶媒に溶解した樹脂溶液として使用することにより、(D)を上記耐熱性樹脂ペースト中にて均一に分散することができる。(D)を固形のまま添加すると、(D)の分散が均一にならず、得られた耐熱性樹脂ペーストを用いて印刷・塗布した際に、基板上に濡れ性が不十分な箇所が発生してしまうことがある。
また、上記(D)の樹脂溶液において、(D)を作製する際に使用する極性溶媒として、(A1)または(A2)と同じものを使用してよく、その場合、上記(D)の樹脂溶液を(D)の樹脂作製と同時に作製することができる。
また、本発明の耐熱性樹脂ペーストは、各成分を、公知の混合装置を用いることにより、混合することができる。
また、本発明の耐熱性樹脂ペーストを製造する方法として、(A1)、(A2)、および(B)を含む溶液中に(C)が分散してなるペースト状混合物に、(D)を混合することにより作製することができる。
本発明の耐熱性樹脂ペーストは、上記成分の他に必要に応じて、着色剤、カップリング剤等の添加剤、樹脂改質剤を添加してもよい。着色剤としては、カーボンブラック、染料、顔料等が挙げられる。カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられるが、シラン系カップリング剤が最も好ましい。
上記添加剤は、(B)及び(C)の全総量100重量部に対して、50重量部以下の配合量にすることが好ましい。上記添加剤の配合量が50重量部を超えると、得られる塗膜物性が低下する傾向がある。
本発明の耐熱性樹脂ペーストには、得られる樹脂膜の弾性率を低下させる目的で、ゴム弾性を有する低弾性フィラー又は液状ゴムを添加することができる。ゴム弾性を有する低弾性フィラー又は液状ゴムとしては、特に制限はないが、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム等の弾性体のフィラーやこれらの液状ゴム等が挙げられる。ここでは、樹脂組成物の耐熱性を考慮してシリコーンゴムが好ましい。
また、上記フィラーの表面はエポキシ基で化学的に修飾されたものが好ましい。
上記のエポキシ基の代わりにアミノ基、アクリル基、ビニル基、フェニル基等の官能基で修飾されたものを使用することができる。これらの低弾性フィラーを耐熱性を有する熱可塑性樹脂に添加することにより、耐熱性及び密着性を損なうことなく、低弾性にすること、また弾性率をコントロールすることが可能となる。
本発明において使用することができる表面が化学修飾されたゴム弾性を有する低弾性フィラーの平均粒径は、0.1〜50μmで球形又は不定形に微粒子化したものが好ましい。平均粒径が0.1μm未満では粒子間の凝集が起き、充分分散することが難しい傾向がある。また、50μmを超えると、塗膜の表面が荒れ、均一な塗膜を得ることが難しい傾向がある。
本発明になる耐熱性樹脂ペーストにおいて、表面が化学修飾されたゴム弾性を有する低弾性フィラーの配合量は、(B)及び(C)の全総量100重量部に対して、5〜900重量部とすることが好ましく、5〜800重量部とすることがより好ましい。
耐熱樹脂ペーストにゴム弾性を有する低弾性フィラー又は液状ゴムを配合する場合は、らいかい機、3本ロール、ボールミル、プラネタリミキサ、ディスパー、ホモジナイザー等の分散機で混練攪拌することができる。
本発明になる耐熱性樹脂ペーストは、特に制限はないがパワー系デバイス、SAWフィルタ、ソーラーセル、モノリシックIC、ハイブリッドIC、サーマルヘッド、イメージセンサ、マルチチップ高密度実装基板等のデバイス、フレキシブル配線版、リジッド配線板等の半導体装置の絶縁膜、保護膜、応力緩和膜、耐熱接着剤、各種熱印字用インクとして使用され、工業的に極めて有用である。
以下、本発明の耐熱性樹脂ペーストに関する具体例を示すが、これに限定されるものではない。
(合成例1)耐熱性樹脂溶液(a)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下BTDAとする)96.7g(300ミリモル)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下DDEとする)60.1g(300ミリモル)及びジメチルプロピレンウレア(以下DMPUとする)600gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、ポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置しても、ポリイミド前駆体は析出しなかった。
(合成例2)耐熱性樹脂フィラー分散液(b)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE60.1g(300ミリモル)とDMPU350g及びγ−ブチロラクトン350gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌したところ、溶液中にポリイミド前駆体樹脂微粒子が析出・分散した。その後冷却して反応を止め、ポリイミド前駆体フィラー分散液を得た。なお、このポリイミド前駆体フィラー分散液は150℃に加熱すると溶解した。
(合成例3)(D)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE45.1g(225ミリモル)、シロキサンジアミン(商品名:BY16−871、東レダウコーニング(株)製、Mw=248)18.6g(75ミリモル)及びDMPU600gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、数平均分子量1200のポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置しても、ポリイミド前駆体は析出しなかった。
(合成例4)(D)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE45.1g(225ミリモル)、シロキサンジアミン(商品名:KF−8010、信越化学工業(株)製、Mw=900)67.5g(75ミリモル)及びDMPU800gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、数平均分子量4500のポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置しても、ポリイミド前駆体は析出しなかった。
(合成例5)(D)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた2リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE33.0g(165ミリモル)、シロキサンジアミン(商品名:KF−8010、信越化学工業(株)製、Mw=900)121.5g(135ミリモル)及びDMPU1000gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、数平均分子量3200のポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置しても、ポリイミド前駆体は析出しなかった。
(合成例6)(D)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE55.9g(279ミリモル)、シロキサンジアミン(商品名:KF−8010、信越化学工業(株)製、Mw=900)18.9g(21ミリモル)及びDMPU650gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、数平均分子量5300のポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置しても、ポリイミド前駆体は析出しなかった。
(合成例7)(D)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた5リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE51.1g(255ミリモル)、シロキサンジアミン(商品名:KF−8008、信越化学工業(株)製、Mw=11,400)513.0g(45ミリモル)及びDMPU2500gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、数平均分子量28000のポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置したら、ポリイミド前駆体が析出し、2層に分離した。
(合成例8)(D)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE58.3g(291ミリモル)、シロキサンジアミン(商品名:KF−8010、信越化学工業(株)製、Mw=900)8.1g(9ミリモル)及びDMPU620gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、数平均分子量22000のポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置しても、ポリイミド前駆体は析出しなかった。
(合成例9)(D)の調製(ポリイミド前駆体)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離機付き冷却管を取り付けた2リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、BTDA96.7g(300ミリモル)、DDE6.0g(30ミリモル)、シロキサンジアミン(商品名:KF−8010、信越化学工業(株)製、Mw=900)227.3g(270ミリモル)及びDMPU1250gを仕込んだ。70〜90℃で5〜7時間撹拌した後、冷却して反応を止め、数平均分子量1800ポリイミド前駆体溶液を得た。この溶液を室温に放置しても、ポリイミド前駆体は析出しなかった。
以下、本発明の耐熱性樹脂ペーストの具体例を実施例1〜5、さらに参考例1〜6を示す。
(実施例1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)200g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)400g及び上記合成例4で得られたポリイミド前駆体溶液(D)24gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。
得られた耐熱性樹脂ペーストの粘度、チキソトロピー係数は高粘度粘度計(商品名RE−80U、(株)東機産業製)で測定した。粘度は回転数0.5min−1値とし、チキソトロピー係数は1min−1と10min−1の値の比とした。
また、得られた耐熱性樹脂ペーストをシリコンウエハ及びガラス基板上に滴下し、固液界面解析装置(商品名DropMaster300、協和界面科学(株)製)を用い、液滴と基板の接点から接線を引き、この接線と基板の角度を接触角として測定した。滴下量は1.5μl、滴下後30秒後の角度をn=10で測定し、平均値を接触角とした。
さらに、得られた耐熱性樹脂ペーストを半導体基板上にスクリーン印刷機(ニューロング精密工業(株)製)で10mm×10mm角の樹脂層を複数個塗布し、250℃で加熱して有機溶媒を乾燥させて膜厚50μmの塗膜を形成した。この形成した樹脂層のハジキ、ピンホールの発生を目視で観察し、次いで、樹脂層のサイズを万能投影機で測定し、寸法精度を求めた。スクリーン印刷性に優れた耐熱性樹脂ペーストというためには、この寸法精度が±10%以内であることが必要である。相溶性は、24時間放置後の分離を目視にて確認した。
また、耐熱性を評価するため、得られた耐熱性樹脂ペーストをポリイミドフィルム(商品名ユーピレックスS、宇部興産(株)製)上に約100μmの厚さに塗布し、窒素気流下100℃/10分、150℃/10分、350℃/1時間で加熱した後、ユーピレックスSから剥離し30μm厚のフィルムを得た。熱機械分析装置(商品名 Thermo Plus 2、(株)リガク製)を用いてこのフィルムのガラス転移温度を測定した。またこのフィルムを示差熱天秤(商品名 Thermo Plus 2、(株)リガク製)を用いて5%の重量減少温度を測定し、熱分解温度とした。
(実施例2)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)300g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)150g及び上記合成例4で得られたポリイミド前駆体溶液(D)81gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(実施例3)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)300g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)300g及び上記合成例4で得られたポリイミド前駆体溶液(D)90gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(実施例4)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)200g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)300g及び上記合成例5で得られたポリイミド前駆体溶液(D)15gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(実施例5)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)200g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)400g及び上記合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液(D)30gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(参考例1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)200g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)400g及び上記合成例3で得られたポリイミド前駆体溶液(D)24gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(参考例2)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)300g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)300g及び上記合成例7で得られたポリイミド前駆体溶液(D)90gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(参考例3)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)200g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)300g及び上記合成例8で得られたポリイミド前駆体溶液(D)3gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(参考例4)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)400g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)200g及び上記合成例9で得られたポリイミド前駆体溶液(D)108gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(参考例5)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)400g及び上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)200gを加えて撹拌し、2種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
(参考例6)
温度計、撹拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに窒素気流下、上記合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液(a)150g、上記合成例2で得られたポリイミド前駆体フィラー分散液(b)450g及び上記合成例4で得られたポリイミド前駆体溶液(D)240gを加えて撹拌し、3種類の樹脂を含んだ耐熱性樹脂ペーストを得た。得られた耐熱性樹脂ペーストを実施例1と同様に評価した。
以下、実施例1〜5及び参考例1〜6で得られた耐熱性樹脂ペーストの特性及び評価結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
Figure 2007246897
Figure 2007246897
表1に示されるように、実施例1〜5で得られた耐熱性樹脂ペーストは、スクリーン印刷性に優れた粘度及びチキソトロピー係数を有し、相溶性、各種基板に対する濡れ性、スクリーン印刷性に優れていることが確認された。また、塗布後、加熱により乾燥又は乾燥及び硬化させて得られる樹脂膜のガラス転位温度は150℃以上、熱分解温度も350℃以上であった。
上記に対し、参考例1、3、及び5で得られた耐熱性樹脂ペーストは、スクリーン印刷性に優れた粘度及びチキソトロピー性や耐熱性を有していたが、濡れ性が悪く、ハジキやピンホールが多く発生し、寸法精度も悪く、パターニング不良が発生してしまった。また、参考例2及び4で得られた耐熱性樹脂ペーストは、スクリーン印刷に優れた粘度及びチキソトロピー係数を有し、相溶性、濡れ性、耐熱性にも優れていたが、相溶性が悪く、放置することにより2層分離した。
さらに、参考例6で得られた耐熱性樹脂ペーストは、濡れ性は良好であったが、粘度、チキソトロピー係数が低く、ペーストダレが発生し寸法精度が悪く、耐熱性も低かった。

Claims (14)

  1. (a)第一の有機溶媒(A1)および(A1)に可溶な耐熱性樹脂(B)を含む耐熱性樹脂溶液と、(b)第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)、および(A1)と(A2)の混合溶媒に不溶な耐熱性樹脂(C)を含む耐熱性樹脂フィラー分散液と、分子内に2〜51個のシロキサン結合を有するシリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)とを配合してなる耐熱性樹脂ペーストであり、上記シロキサン樹脂(D)中のシリコーンジアミン含有量が、全ジアミン100モル部に対し、1〜80モル部である、耐熱性樹脂ペースト。
  2. 耐熱性樹脂(B)及び耐熱性樹脂(C)が、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂又はこれらの前駆体である請求項1記載の耐熱性樹脂ペースト。
  3. シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)が、下記一般式(I)
    Figure 2007246897
    (式中、R、Rは、2価の有機基であり、nは1〜50の整数である)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、下記一般式(II)
    Figure 2007246897
    (式中、Zは単結合、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−S(=O)−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−である)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とを極性溶媒中で反応させてなるポリイミド系樹脂若しくはこれらの前駆体である請求項1又は2記載の耐熱性樹脂ペースト。
  4. シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)が、上記一般式(I)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミンおよびその他のジアミン類と、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその反応性誘導体とを極性溶媒中で反応させてなるポリアミドイミド系樹脂若しくはこれらの前駆体である請求項1又は2記載の耐熱性樹脂ペースト。
  5. シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)が、上記一般式(I)で表されるシリコーンジアミン、または該シリコーンジアミン及びその他のジアミン類と、ジカルボン酸又はその反応性誘導体とを極性溶媒中で反応させてなるポリアミド系樹脂である請求項1又は2記載の耐熱性樹脂ペースト。
  6. シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)の含有量が、上記耐熱性樹脂ペーストに含まれる樹脂量100重量部に対して、1〜20重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性樹脂ペースト。
  7. 第二の有機溶媒(A2)が、第一の有機溶媒(A1)に比べて上記耐熱性樹脂ペーストから蒸発し易いものである請求項1〜6のいずれかに記載の耐熱性樹脂ペースト。
  8. 耐熱性樹脂(C)が、非水分散重合法で得られた平均粒子径が40μm以下であるポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂又はこれらの前駆体である請求項1〜7のいずれかに記載の耐熱性樹脂ペースト。
  9. 上記耐熱性樹脂ペーストの接触角が、シリコン、SiO膜、ポリイミド系樹脂、セラミック、金属表面上のいずれにおいても室温で20°以下である請求項1〜8のいずれかに記載の耐熱性樹脂ペースト。
  10. 上記耐熱性樹脂ペーストのチキソトロピー係数が、1.5〜10.0である請求項1〜9のいずれかに記載の耐熱性樹脂ペースト。
  11. (a)第一の有機溶媒(A1)及び(A1)に可溶な耐熱性樹脂(B)を含む耐熱性樹脂溶液と、(b)第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)、および(A1)と(A2)の混合溶媒に不溶な耐熱性樹脂(C)を含む耐熱性樹脂フィラー分散液と、分子内に2〜51個のシロキサン結合を有するシリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)とを配合することを特徴とする耐熱性樹脂ペーストの製造方法。
  12. 第一の有機溶媒(A1)、第二の有機溶媒(A2)及び耐熱性樹脂(B)を含む溶液中に耐熱性樹脂(C)のフィラーが分散してなるペースト状混合物に、シリコーンジアミン化合物を構成に有するシロキサン樹脂(D)を予め(A1)、(A2)、または(A1)および(A2)の混合溶媒に溶解して添加し、配合することを特徴とする請求項11に記載の耐熱性樹脂ペーストの製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の耐熱性樹脂ペースト又は請求項11および12記載の方法により製造される耐熱性樹脂ペーストから得られる絶縁膜。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の耐熱性樹脂ペースト又は請求項11および12記載の方法により製造される耐熱性樹脂ペーストから得られる保護膜を有する半導体装置。
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