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JP2007139639A - 残留農薬判定装置 - Google Patents

残留農薬判定装置 Download PDF

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JP2007139639A
JP2007139639A JP2005335560A JP2005335560A JP2007139639A JP 2007139639 A JP2007139639 A JP 2007139639A JP 2005335560 A JP2005335560 A JP 2005335560A JP 2005335560 A JP2005335560 A JP 2005335560A JP 2007139639 A JP2007139639 A JP 2007139639A
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JP
Japan
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vegetables
pesticide
fruits
residual
unit
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JP2005335560A
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English (en)
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Kumiko Nakagawa
久美子 中川
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
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Abstract

【課題】収穫前の青果物表面に付着した残留農薬を調べる残留農薬判定装置を提供する。
【解決手段】赤外線を照射する投光部7と反射光を検知する検知部32とを有した農薬検出手段3と、該農薬検出手段3の上下高さ位置を調節する測定位置調節手段15と、該検知部32が検知した光学情報をスペクトル分析することによって残留農薬の有無を判定する演算手段2と、該判定結果を報知する報知手段10と、該農薬検出手段3と該測定位置調節手段15と該演算手段2と該報知手段10とを支持しつつ走行可能な走行手段23と、を具備した。
【選択図】図1

Description

本発明は、青果物表面に付着した残留農薬の有無を判定する、残留農薬判定装置の技術に関する。
従来より、青果物は食品衛生法残留農薬基準値に適合しているか否か測定する必要があるため、青果物に付着した残留農薬については、委託分析やELISA法を用いた簡易分析による破壊検査によって検査が行なわれていた(例えば、特許文献1参照。)。
特表2005−509158号公報
しかし、前記委託分析においては、委託費用が高価であり、且つ分析結果が出るまでに長い時間がかかる等の問題点があった。一方のELISA法を用いた簡易分析においては、数時間で分析結果が出るものの、試料作成作業に時間がかり面倒であった。また、収穫後でないと残留農薬の測定ができなかったので、誤って農薬散布後の所定期間が経過していない前に収穫した等の違反により、規定量以上の残留農薬のために青果物を廃棄することもあった。
そこで、本発明においては、収穫前の枝や茎等に実った状態の青果物表面に付着した残留農薬の有無を調べる残留農薬判定装置を提供することを課題としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、赤外線の反射光から変換される測定スペクトルを調べることにより、青果物表面上の残留農薬の有無を判定する残留農薬判定装置であって、赤外線を照射する投光部と反射光を検知する検知部とを有した農薬検出手段と、該農薬検出手段の上下高さと左右位置を調節する測定位置調節手段と、該検知部が検知した光学情報をスペクトル分析することによって残留農薬の有無を判定する演算手段と、該判定結果を報知する報知手段と、該農薬検出手段と該測定位置調節手段と該演算手段と該報知手段とを支持して走行する走行手段と、を具備したものである。
請求項2においては、赤外線の反射光から変換される測定スペクトルを調べることによって、青果物表面上の残留農薬の有無を判定する残留農薬判定装置であって、赤外線を照射する投光部と反射光を検知する検知部とを有し、有線若しくは無線を介して下記演算手段とデータの送受信を行なう農薬検出手段と、該検知部が検知した光学情報をスペクトル分析することによって残留農薬の有無を判定する演算手段と、該判定結果を報知する報知手段と、該演算手段と該報知手段とを支持して走行する走行手段と、を具備したものである。
請求項3においては、前記報知手段に、スピーカ若しくは回転灯を用いたものである。
請求項4においては、青果物の熟度を測定する熟度測定手段を備え、測定された熟度が予め設定された熟度基準値以上の青果物にのみ、前記農薬検出手段による残留農薬判定を行なうものである。
請求項5においては、前記熟度測定手段が、青果物の色を識別する色識別センサであるものである。
請求項6においては、青果物のサイズを測定するサイズ測定手段を具備したものである。
請求項7においては、前記演算手段が、測定された青果物の熟度若しくはサイズを基に、青果物の出荷予定日や出荷予定個数を演算するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、収穫前の青果物に付着した残留農薬の有無を判定することができる。その結果、出荷する青果物の信頼性を向上させることができ、青果物に付加価値を付与することができる。また、各農薬所定の収穫前日数の違反等を理由とした残留農薬濃度不適合品の収穫を防止することができるため、該不適合品のみを残留農薬濃度等が基準値未満となるまで植物体の状態で放置してから出荷することが可能となり、収穫が早過ぎることによって廃棄する青果物の個数を削減することができる。
請求項2においては、青果物表面と投光部及び検知部との距離を焦点距離に合わせるための装置を備えることなく、収穫前の青果物に付着した残留農薬の有無を判定することができる。その結果、出荷する青果物の信頼性を向上させることができ、青果物に付加価値を付与することができる。また、各農薬所定の収穫前日数の違反等を理由とした残留農薬濃度不適合品の収穫を防止することができるため、該不適合品のみを残留農薬濃度等が基準値未満となるまで植物体の状態で放置してから出荷することが可能となり、収穫が早過ぎることによって廃棄する青果物の個数を削減することができる。
請求項3においては、光若しくは音によって、作業者等に残留農薬判定結果を伝えることができ、作業者が誤まって残留農薬濃度不適合品を収穫してしまうことが無くなる。これによって、収穫が早過ぎることが原因で廃棄される青果物の個数を削減することができる。
請求項4においては、作業者が未熟であっても青果物が収穫可能であるか否か認識することができ、熟していない青果物の残留農薬判定を行なわないため、複数の青果物の残留農薬判定にかかる時間を短縮することができる。
請求項5においては、青果物が収穫可能であるか否か、容易に判断することができる。
請求項6においては、青果物が収穫可能であるか否か、容易に判断することができる。
請求項7においては、計画的な出荷・生産調整を行なうことができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第一の実施例に係る残留農薬判定装置1の斜視図、図2は同じく背面断面図、図3は同じく左側面図、図4は第二の実施例に係る残留農薬判定装置1bの背面断面図である。
本発明に係る残留農薬判定装置1にて測定される青果物6は、イチゴ、蜜柑、オレンジ、メロン、トマトその他の果物類または野菜類の総称であり、収穫前に残留農薬の有無による判定が行なわれるものである。詳述すると、図1乃至図3に示すように、青果物6は、圃場5で栽培されている状態のまま、残留農薬判定装置1によって赤外線による測定スペクトルが測定され、後述する検索ライブラリ4に記憶された農薬スペクトルと該測定スペクトルとの相関等に基き、青果物6表面に残留農薬が付着しているか否かの判定、即ち残留農薬の有無の判定(以下、残留農薬判定とする。)がされるものである。
本実施例に係る残留農薬判定装置1により行なわれる青果物6の残留農薬判定は、図1乃至図3に示すように、圃場5上で栽培されている青果物6表面に上方から赤外線を照射して、該赤外線の反射光の光学情報を測定スペクトルに変換し、予め検索ライブラリ4に記憶されている農薬スペクトルと該測定スペクトルと波形の合致している率(以下、相関という。)等を演算し、該相関等と予め設定された基準相関値等とを比較することによって行なわれるものである。
但し、上記判定は、測定スペクトルの強度と予め設定された基準強度値との比較によって行なうものであっても良く、相関による判定方法に限定するものではない。
図1乃至図3に示すように、残留農薬判定装置1は、上面に表示部30が設けられた走行機体23と、該走行機体23側方に配設されて赤外線の照射(図中、矢印A。)や反射光(図中、矢印B。)の検知を行なう農薬検出手段3と、該農薬検出手段3の上下高さ位置及び左右突出位置を調節する測定位置調節手段15と、農薬検出手段3で得られた反射光の光学情報をデジタル信号に変換した後に演算手段2へ送信するAD変換器33と、測定スペクトルから残留農薬の有無の判定を行なう該演算手段2と、該演算手段2に接続された検索ライブラリ4と、該残留農薬判定結果を周囲に報知する報知手段10等から構成されるものである。
本発明の残留農薬判定装置1では、投光部7より圃場5上の青果物6に赤外線が照射され、該青果物6で反射した反射光が検知部32にて検知され、検知された反射光の光学的情報がAD変換器33にてデジタル信号に変換されて、該変換されたデジタル光学情報が演算手段2へと送信される。そして、後述する検索ライブラリ4から呼び出した農薬スペクトルを基に、演算手段2にてスペクトル分析を行なうことにより、青果物6表面に付着した残留農薬の有無を判定する。詳しくは、後述する演算手段2によって、該青果物6が出荷できる青果物(残留農薬濃度適合品)であるか出荷できない青果物(残留農薬濃度不適合品)であるかの判定を行い、該判定結果を表示部30に表示するものである。
以下、本実施例の残留農薬判定装置1について詳述する。
走行機体23は、下面に前輪12・12及び後輪13・13が配設され、前記農薬検出手段3や演算手段2等を支持しながら、図示しないバッテリからの電力を電気モータへ供給し、該電気モータが後輪に駆動力を伝えて自力走行を行なうものである。但し、駆動源はモータに限定するものではなくエンジン等であってもかまわない。該走行機体23の後面には、前輪12・12の操向及び走行駆動操作手段となる走行レバー14が配設されており、作業者等が走行機体23の後方を歩行しながら残留農薬判定装置1の左右旋回や前後進駆動及び停止の運転操作を行なうことができる。
そして、前記走行レバー14の側部には測定位置調節手段15の操作レバー11が配置されて、該操作レバー11を操作して農薬検出手段3の上下高さ位置及び左右突出位置を調節可能としている。また、前記走行機体23の上面には、後述する演算手段2等で変換された測定スペクトルや演算された残留農薬判定結果等を表示する表示部30が配設されている。
前記農薬検出手段3は、圃場5上の青果物6に赤外線を照射(図中、矢印A。)する投光部7と、該青果物6で反射(図中、矢印B。)した赤外線を検知し、検知した赤外線の光学情報を出力信号としてAD変換器33へ送信する検知部32と、後述する熟度測定手段8やサイズ測定手段等から構成されるものであり、以下に述べるように、測定位置調節手段15によって走行機体23に対して上下左右摺動自在に保持される。
本発明の残留農薬判定装置1は、赤外線を利用して、青果物6表面に付着した残留農薬を測定するものであるため、測定される青果物6表面(青果物6の上面)から投光部7及び検知部32までの距離を最適な距離(以下、焦点距離とする。)に調節しなければ、正確な青果物6表面の赤外線測定スペクトルを得ることができない。
即ち、投光部7及び検知部32から青果物6表面までの距離が最適でない場合は、検知部32で受ける反射光の強度が弱くなるため、演算手段2では、測定スペクトルの波形において波数に対する強度の違い(スペクトルの凹凸)がはっきりと識別できなくなり、その結果、青果物6表面の残留農薬判定が正確に行なえなくなるのである。
そこで、本実施例の残留農薬判定装置1においては、前記農薬検出手段3を残留農薬判定装置1の側方に上下左右摺動自在に保持している。即ち、測定位置調節手段15を介して農薬検出手段3を走行機体23に保持させており、詳しくは、図2及び図3に示すように、残留農薬判定装置1の側方に上下方向に長穴23aを形成し、該長穴23aに農薬検出手段3の基部側を挿入し、該基部を電動モータやシリンダ等のアクチュエータ15a・15bに連結して、前記操作レバー11の操作によりアクチュエータ15a・15bを駆動させて農薬検出手段3を長穴23aに沿って上下摺動させ、左右伸縮させる構成となっている。
具体的には、測定位置調節手段15による上下方向の摺動は、該長穴23a内に電動モータ等によって駆動されるベルト(またはチェーン)を上下方向に巻回して配設し、該ベルトに農薬検出手段3の基部側を支持し、該ベルトを回動して昇降させる構成、または、ネジ軸に農薬検出手段3の基部側を支持し、該ネジ軸の回転により昇降させる構成となっている。
また、左右方向の摺動については、農薬検出手段3の基部側をシリンダのピストンロッド先端に支持し、該シリンダを伸縮させて左右位置調整する構成としている。そして更に、農薬検出手段3の基部に角度変更手段を設けることも可能である。つまり、農薬検出手段3と青果物6の間に葉や茎等が存在して直接検知できない場合があるので、このような時には、前後または左右に角度変更可能に構成することにより、該農薬検出手段3を葉や茎等が無い位置に移動して、斜め方向から赤外線の反射光を検出できるようにするのである。
そして、該農薬検出手段3から赤外線を照射し、該青果物6表面の残留農薬の測定を行なう際には、ベルト等を介して該電動モータやアクチュエータ等によって農薬検出手段3の上下高さと左右位置が調節されて、測定スペクトルの凹凸がはっきりする位置まで該農薬検出手段3が上下摺動する構成となっている。このような調節は、後述する演算手段2によって制御されるものである。即ち、後述する演算手段2が、スペクトルの凹凸を確認しながら電動モータやアクチュエータ等の制御を行い、農薬検出手段3の上下高さ位置を調節するのである。
但し、農薬検出手段3の焦点距離は予め分かっているので、超音波センサ等の距離センサを農薬検出手段3に付設して、測定時に走行機体23を停止し、測定物の上方に農薬検出手段3を位置させて、アクチュエータ15aを駆動して設定距離(焦点距離)となる位置まで自動的に移動して停止させるように構成することもできる。
農薬検出手段3には、熟度測定手段8が具備されている。図3に示すように、該熟度測定手段8は、農薬検出手段3下部の、前記投光部7及び検知部32のより前方(または近傍)に配設されるものである。そして、該熟度測定手段8は、電磁波(図中、矢印E。)等を下方へ照射して、該電磁波の反射光を検知することによって。青果物6の存在の有無や青果物の熟度を判別するものである。
本発明の残留農薬判定装置1では、該熟度測定手段8によって、圃場5上から熟した青果物6を探し出して、又は選び出して、該熟した青果物6に対してのみ前記投光部7から赤外線を照射して、反射光の測定スペクトルを演算する構成としている。
例えば、該熟度測定手段8に色識別センサを用いることによって、収穫可能レベルにまで成長した、色付いた青果物6のみの残留農薬判定を行なうことができる。青果物6がイチゴの場合においては、赤色に熟したイチゴのみの残留農薬判定を行なうことができるのである。本実施例の残留農薬判定装置1においては、該熟度測定手段8によって測定された熟度が、予め設定された熟度基準値以上である場合に、青果物6が収穫可能レベルまで成長したと判断する構成となっている。
また、熟度測定手段8に音センサを用いることにより、青果物6内部の密度を測定して収穫可能レベルにまで成長した青果物6のみの残留農薬判定を行なうことができる。
また、測定すべき青果物6を選び出す方法としては、青果物6のサイズを測定することによって選び出す方法であっても良く、熟度による選び出しに限定するものではない。つまり、収穫可能レベルに達したか否かは、青果物6の熟度によって判断するものに限定されず、青果物6の成長度合によって判断する構成であっても良い。
例えば、前記熟度測定手段8の代りに、走行機体23の側方に圃場5上の青果物6のサイズを測定するための図示しないサイズ測定手段を配設する。そして、該サイズ測定手段から圃場5上の一定の範囲に電磁波等を照射して、該電磁波の反射光を基に、予め設定されたサイズ以上の青果物6を探し出す、又は選び出すのである。そして、選び出された青果物6のみに対して、投光部7から赤外線を照射して反射光の測定スペクトルを演算し、残留農薬判定を行なうのである。
但し、前記熟度測定手段8とは別にサイズ測定手段を配設する、即ち農薬検出手段3に前記熟度測定手段8とサイズ測定手段の両者を配設することにより、後述する演算手段2が測定された熟度とサイズから青果物6が収穫可能か否かを判断する構成であっても良い。
検索ライブラリ4は、演算手段2に接続される磁気ディスク等のデータベースであり、予め実験等によって作成された農薬付着青果物又は農薬単体に関する1又は複数種類の農薬スペクトル及び基準相関値が記憶されている。ここで、基準相関値とは、食品衛生法等で定められている基準値から算出された値であり、残留農薬判定前に基準相関値として設定されて、検索ライブラリ4に記憶されているものである。
検索ライブラリ4には、残留農薬判定装置1内の機器の動作を制御するためのプログラムを格納しても良い。
演算手段2は、青果物6が収穫可能か否かを判断したり、前記測定位置調節手段15を制御したり、前記表示部30等に動作指令(信号)を送信したり、前記AD変換器33から取得したデジタル光学情報を測定スペクトルに変換したり、該測定スペクトルと前記検索ライブラリ4に記憶された農薬スペクトルとの相関を演算して青果物6表面の残留農薬判定を行なうものであって、図2に示すように、様々な種類の農薬付着青果物又は農薬単体の農薬スペクトルが記憶されている検索ライブラリ4や表示部30やAD変換器33等と接続されている。
詳しくは、演算手段2は、前記熟度測定手段8若しくはサイズ測定手段で測定された熟度若しくはサイズから青果物6が収穫可能か否か、例えば、熟度が予め設定された熟度基準値以上であるか否か、を判断し、AD変換器33から送られてくる該光学情報をフーリエ変換して波数と強度から表される測定スペクトルを作成し、前記検索ライブラリ4から農薬スペクトルを呼び出して、測定スペクトルと農薬スペクトルとの相関を演算し、該相関が予め定められた前記基準相関値以上であるか否かを演算し、該演算結果の信号を表示部30や後述する報知手段10へと送信する。ここで、演算手段2は、収穫可能レベルに達した青果物6の個数等を記憶することができ、収穫予定日や予定収穫個数等を演算して、表示部30に表示することができる構成となっている。
検索ライブラリ4に複数の農薬スペクトルが記憶されている場合には、演算手段2は、検索ライブラリ4から順次それらの農薬スペクトルを呼び出して、前記測定スペクトルとそれぞれの農薬スペクトルとの相関を演算し、該相関の最大値が基準相関値以上であれば残留農薬濃度不適合品と判定し、基準相関値未満であれば残留農薬濃度適合品と判定し、該判定結果を表示部30にて表示する。
該走行機体23の上面には、報知手段10が配設されている。該報知手段10は、光や音等により残留農薬判定結果を周囲に報知させるものであり、回転灯(警告灯)やランプやスピーカやブザー等から構成されるものである。
そして、青果物6の測定スペクトルと農薬スペクトルとの相関が基準相関値未満である場合に回転灯が点灯する、又はスピーカが警報を発する構成としている。本実施例では、作業者が表示部30を目視できない場合であっても、該報知手段10の回転灯や警報を頼りに青果物6の収穫を行なえるように、相関が相関基準値未満の場合に回転灯が点灯したり警報が発する構成としているが、このような構成に限定するものではなく、逆に該相関が基準相関値以上の場合に回転灯が点灯したり警報が発する構成であっても良い。
最後に、本発明の残留農薬判定装置1による残留農薬判定方法についてまとめる。
作業者が残留農薬判定装置1を走行させると、農薬検出手段3の熟度測定手段8から圃場5上面へ向って電磁波(図中、矢印E)等が投光される。該電磁波等が青果物6に照射されて反射すると、反射光は熟度測定手段8にて検知される。そして、検知した反射光に基いて、演算手段2では青果物6の着色度合と予め設定された熟度基準値を比較して、青果物6の熟度を判断する。但し、上述したように、サイズ測定手段によって青果物6のサイズを認識し、青果物6の成長度合を判断する構成であっても良い。
該演算手段2によって青果物6が収穫可能レベルに熟していると判断されると、演算手段2は投光部7から赤外線を投光(図中、矢印A。)して、青果物6表面の残留農薬の測定を開始させる。このとき、演算手段2は、測定スペクトルの凹凸がはっきりする位置まで該農薬検出手段3を移動させるべく、前記測定位置調節手段15によって農薬検出手段3の上下高さ位置を調節する。
該赤外線は青果物6表面で反射(図中、矢印B)し、該反射光は検知部32にて検知される。検知された光学情報は、AD変換器33にてデジタル信号に変換され、演算手段2によって該デジタル信号が測定スペクトルに変換される。詳しくは、前記検知部32で検知された反射光の光学情報が、AD変換器33によってデジタル光学情報に変換され、該デジタル光学情報が演算手段2に送信され、該演算手段2が反射光の時間関数としての波形を周波数の関数としての測定スペクトルにフーリエ変換する。
そして、該フーリエ変換の結果は測定スペクトルとして表示部30にて表示される。
演算手段2は、検索ライブラリ4から順次農薬スペクトルを呼び出し、それらの農薬スペクトルと測定スペクトルとの相関を演算し、該相関が予め定められた基準相関値以上であるか否かを判定する。即ち、該相関が基準相関値未満である場合には、表示部30に当該青果物6が残留農薬濃度適合品である旨を表示し、該相関が基準相関値以上である場合には、表示部30に当該青果物6が残留農薬濃度不適合品である旨を表示する。
そして、該相関が基準相関値未満である場合には、該青果物6が残留農薬濃度適合品である旨を、報知手段10が光若しくは音により周囲へ知らせる。
残留農薬判定装置1では、圃場5上の青果物6の残留農薬判定を行いながら、前記熟度測定手段8や前記サイズ測定手段や前記演算手段2によって収穫可能レベルにまで成長していると判断された青果物6・6・・・の個数が記憶されていく。演算手段2は、測定された青果物6の熟度やサイズ等から、出荷予定日や予定出荷個数等を演算し、表示部30に表示する。
このように、赤外線の反射光から変換される測定スペクトルを調べることにより、青果物6表面上の残留農薬の有無を判定する残留農薬判定装置1であって、赤外線を照射する投光部7と反射光を検知する検知部32とを有した農薬検出手段3と、該農薬検出手段3の上下高さと左右位置を調節する測定位置調節手段15と、該検知部32が検知した光学情報をスペクトル分析することによって残留農薬の有無を判定する演算手段2と、該判定結果を報知する報知手段10と、該農薬検出手段3と該測定位置調節手段15と該演算手段2と該報知手段10とを支持して走行する走行手段23と、を具備したので、収穫前の青果物6に付着した残留農薬の有無を判定することができる。その結果、出荷する青果物の信頼性を向上させることができ、青果物に付加価値を付与することができる。また、各農薬所定の収穫前日数の違反等を理由とした残留農薬濃度不適合品の収穫を防止することができるため、該不適合品のみを残留農薬濃度等が基準値未満となるまで植物体の状態で放置してから出荷することが可能となり、収穫が早過ぎることによって廃棄する青果物の個数を削減することができる。
また、前記報知手段10に、スピーカ若しくは回転灯を用いたので、光若しくは音によって、作業者等に残留農薬判定結果を伝えることができ、作業者が誤まって残留農薬濃度不適合品を収穫してしまうことが無くなる。これによって、収穫が早過ぎることが原因で廃棄される青果物の個数を削減することができる。
また、青果物6の熟度を測定する熟度測定手段8を備え、測定された熟度が予め設定された熟度基準値以上の青果物6にのみ、前記農薬検出手段3による該青果物6の残留農薬判定を行なうので、作業者が未熟であっても青果物6が収穫可能であるか否か認識することができ、熟していない青果物の残留農薬判定を行なわないため、複数の青果物の残留農薬判定にかかる時間を短縮することができる。
また、前記熟度測定手段8が、青果物6の色を識別する色識別センサであるので、青果物が収穫可能であるか否か、容易に判断することができる。
また、青果物6のサイズを測定するサイズ測定手段を具備したので、青果物が収穫可能であるか否か、容易に判断することができる。
また、前記演算手段2が、測定された青果物6の熟度若しくはサイズ6を基に、青果物6の出荷予定日や出荷予定個数を演算するので、計画的な出荷・生産調整を行なうことができる。
以下では、農薬検出手段についての別実施例について説明する。
農薬検出手段は、走行機体23に上下摺動自在に保持される構成に限定されるものではない。即ち、図4に示すように、農薬検出手段3bは、ケーブル9等の有線によって走行機体23内の演算手段2等に接続される構成であっても良いし、アンテナ等の無線によって走行機体23内の演算手段2等とデータの送受信を行なう構成であっても良い。
図4に示すように、農薬検出手段3bには、筐体の一部にグリップを設け、青果物6に赤外線を照射(図中、矢印C。)する投光部7bと、青果物6表面で反射した反射光(図中、矢印D。)を検知する検知部32bと、演算手段2で求められた残留農薬判定結果を表示する表示部30bとが具備されており、作業者が自由に持ち運ぶことができるものである。
本実施例の残留農薬判定装置1bにおいては、上述の測定位置調節手段15は具備されておらず、作業者が手動で青果物6表面と農薬検出手段3bとの距離を調節する構成となっている。即ち、作業者が農薬検出手段3bを手で持って上下・前後・左右位置や角度等を変更して調節することによって、投光部7b及び検知部32bから青果物6までの距離を焦点距離に合わせて、測定ボタン16を押すことにより農薬を検出できる構成としている。
但し、測定ボタン16を押さずとも、焦点距離になった時点で、自動で残留農薬判定を開始する構成であっても良い。
そのため、本実施例の演算手段2は、AD変換器33を介して検知部32から送られてくる光学情報から測定スペクトルを演算する際に、該測定スペクトルの凹凸がはっきりする位置に農薬検出手段3bが保持されているか否かの判断を行なうものとし、判断結果を随時表示部30に表示する構成となっている。ここで、残留農薬検出手段3bにスピーカ17等を配設し、作成される測定スペクトルの凹凸がはっきりした時点でスピーカ17等からアラームを発する構成にすると好適である。
このように、赤外線の反射光から変換される測定スペクトルを調べることによって、青果物6表面上の残留農薬の有無を判定する残留農薬判定装置1bであって、赤外線を照射する投光部7bと反射光を検知する検知部32bとを有し、有線9若しくは無線を介して下記演算手段2とデータの送受信を行なう農薬検出手段3bと、該検知部32が検知した光学情報をスペクトル分析することによって残留農薬の有無を判定する演算手段2と、該判定結果を報知する報知手段10と、該演算手段2と該報知手段10とを支持して走行する走行手段23と、を具備したので、青果物6表面と投光部7及び検知部32との距離を焦点距離に合わせるための装置を備えることなく、収穫前の青果物6に付着した残留農薬の有無を判定することができる。その結果、出荷する青果物の信頼性を向上させることができ、青果物に付加価値を付与することができる。また、各農薬所定の収穫前日数の違反等を理由とした残留農薬濃度不適合品の収穫を防止することができるため、該不適合品のみを残留農薬濃度等が基準値未満となるまで植物体の状態で放置してから出荷することが可能となり、収穫が早過ぎることによって廃棄する青果物の個数を削減することができる。
本発明の第一の実施例に係る残留農薬判定装置1の斜視図。 同じく背面断面図。 同じく左側面図。 本発明の第二の実施例に係る残留農薬判定装置1bの背面断面図。
符号の説明
1・1b 残留農薬判定装置
2 演算手段
3・3b 農薬検出手段
4 検索ライブラリ
6 青果物
7・7b 投光部
8 熟度測定手段(色識別センサ・サイズ測定手段)
9 有線(ケーブル)
10 報知手段
15 測定位置調節手段
23 走行手段(走行機体)
32・32b 検知部

Claims (7)

  1. 赤外線の反射光から変換される測定スペクトルを調べることにより、青果物表面上の残留農薬の有無を判定する残留農薬判定装置であって、
    赤外線を照射する投光部と反射光を検知する検知部とを有した農薬検出手段と、
    該農薬検出手段の上下高さと左右位置を調節する測定位置調節手段と、
    該検知部が検知した光学情報をスペクトル分析することによって残留農薬の有無を判定する演算手段と、
    該判定結果を報知する報知手段と、
    該農薬検出手段と該測定位置調節手段と該演算手段と該報知手段とを支持して走行する走行手段と、を具備したことを特徴とする残留農薬判定装置。
  2. 赤外線の反射光から変換される測定スペクトルを調べることによって、青果物表面上の残留農薬の有無を判定する残留農薬判定装置であって、
    赤外線を照射する投光部と反射光を検知する検知部とを有し、有線若しくは無線を介して下記演算手段とデータの送受信を行なう農薬検出手段と、
    該検知部が検知した光学情報をスペクトル分析することによって残留農薬の有無を判定する演算手段と、
    該判定結果を報知する報知手段と、
    該演算手段と該報知手段とを支持して走行する走行手段と、を具備したことを特徴とする残留農薬判定装置。
  3. 前記報知手段に、スピーカ若しくは回転灯を用いたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の残留農薬判定装置。
  4. 青果物の熟度を測定する熟度測定手段を備え、
    測定された熟度が予め設定された熟度基準値以上の青果物にのみ、前記農薬検出手段による残留農薬判定を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の残留農薬判定装置。
  5. 前記熟度測定手段が、青果物の色を識別する色識別センサであることを特徴とする請求項請求項4に記載の残留農薬判定装置。
  6. 青果物のサイズを測定するサイズ測定手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の残留農薬判定装置。
  7. 前記演算手段が、測定された青果物の熟度若しくはサイズを基に、青果物の出荷予定日や出荷予定個数を演算することを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の残留農薬判定装置。
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