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JP2007138002A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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JP2007138002A
JP2007138002A JP2005333002A JP2005333002A JP2007138002A JP 2007138002 A JP2007138002 A JP 2007138002A JP 2005333002 A JP2005333002 A JP 2005333002A JP 2005333002 A JP2005333002 A JP 2005333002A JP 2007138002 A JP2007138002 A JP 2007138002A
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JP2005333002A
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Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
Kazunori Ishikawa
和憲 石川
Hiroyuki Hosoda
浩之 細田
Tomonori Ishikawa
智則 石川
Akio Sugiura
昭夫 杉浦
Kazuo Kato
和生 加藤
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Denso Corp
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Denso Corp
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、室温から高温での絶縁破壊特性に優れた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】40℃における粘度が10000mPa・s以下で、エポキシ当量が220未満のエポキシ基を分子内に3個以上有するエポキシ樹脂(A)と、エポキシ当量が200以上で、骨格にゴムおよび/またはポリエーテルを有するエポキシ樹脂(B)、および/または、ゴム粒子(B′)と、10〜40℃で液状の酸無水物(C)とを含有し、50℃および150℃における硬化物の絶縁破壊強さが30kV/mm以上である、熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。
従来、高圧電気・電子部品の製造法として、ケースまたは金型内に部品をセットし、ポッティング材を常圧または真空下で注入して硬化させるポッティング法が知られている。一般に、上記ポッティング材には、耐熱性や電気絶縁性、特に絶縁破壊特性が要求されることから、ポッティング材としては、エポキシ樹脂に酸無水物およびその硬化促進剤を混合したエポキシ樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
近年、電気・電子部品の分野においては、各種のデバイス、装置または機器の小型化が重要な目的にされている。しかしながら、従来のエポキシ樹脂組成物は絶縁破壊特性が十分ではなく、信頼性を維持するためにある程度の量のポッティング材を使用する必要があり、装置等の小型化の障害になることがあった。
また、イグニッションコイル等においては150℃程度の高温になることがあり、このような条件下でも絶縁破壊特性を維持できる特性が要求されている。
特開平7−18059号公報 特開平11−5890号公報 特開2000−336249号公報
本発明は、室温から高温での絶縁破壊特性に優れた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、40℃における粘度が10000mPa・s以下で、エポキシ当量が220未満のエポキシ基を分子内に3個以上有するエポキシ樹脂(A)と、エポキシ当量が200以上で、骨格にゴムおよび/またはポリエーテルを有するエポキシ樹脂(B)、および/または、ゴム粒子(B′)と、10〜40℃で液状の酸無水物(C)とを含有すると、絶縁破壊特性に優れた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物となることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記(1)〜(12)を提供する。
(1)40℃における粘度が10000mPa・s以下で、エポキシ当量が220未満のエポキシ基を分子内に3個以上有するエポキシ樹脂(A)と、
エポキシ当量が200以上で、骨格にゴムおよび/またはポリエーテルを有するエポキシ樹脂(B)、および/または、ゴム粒子(B′)と、
10〜40℃で液状の酸無水物(C)とを含有し、
50℃および150℃における硬化物の絶縁破壊強さが30kV/mm以上である、熱硬化性樹脂組成物。
(2)前記エポキシ樹脂(A)を全エポキシ樹脂中の5〜95質量%含み、かつ、前記エポキシ樹脂(B)を全エポキシ樹脂中の3〜50質量%含む上記(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(3)前記エポキシ樹脂(A)が、下記式(1)で表される単位を有し、1分子中に少なくとも3個のR2を有し、アルコキシ基を含有しない環状シロキサンであるエポキシシリコーン化合物である上記(1)または(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2007138002

(式中、R1は水素原子または1価の炭化水素基であり、R2はエポキシ基を有する有機基である。)
(4)前記エポキシシリコーン化合物が、下記式(2)で表される環状エポキシシリコーン化合物である上記(3)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2007138002

(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子または1価の炭化水素基であり、R2はそれぞれ独立にエポキシ基を有する有機基であり、aは3〜5の整数であり、bは0〜2の整数であり、aとbの和は3〜5の整数である。)
(5)前記R2が、エポキシシクロヘキシル基を有する有機基である上記(3または4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(6)前記エポキシ樹脂(B)が、CTBN変性エポキシ樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(7)前記エポキシ樹脂(B)が、骨格に炭素数2〜12の直鎖または脂環式ポリエーテルを有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(8)前記ゴム粒子(B′)が、ブタジエンゴムおよび/またはシリコーンゴムである上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(9)前記エポキシ樹脂(B)および/または前記ゴム粒子(B′)を、エポキシ樹脂とゴム粒子の総量中の5〜50質量%含む、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(10)更に、シリカ(D)を含有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(11)前記シリカ(D)の含有量が、樹脂組成物全体の20〜75質量%である上記(10)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(12)60℃における粘度が、2.0Pa・s以下である上記(1)〜(11)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、室温から高温での絶縁破壊特性に優れた硬化物が得られる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、40℃における粘度が10000mPa・s以下で、エポキシ当量が220未満のエポキシ基を分子内に3個以上有するエポキシ樹脂(A)と、エポキシ当量が200以上で、骨格にゴムおよび/またはポリエーテルを有するエポキシ樹脂(B)、および/または、ゴム粒子(B′)と、10〜40℃で液状の酸無水物(C)とを含有し、50℃および150℃における硬化物の絶縁破壊強さが30kV/mm以上である、熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の組成物に用いられるエポキシ樹脂(A)は、40℃における粘度が10000mPa・s以下で、エポキシ当量が220未満のエポキシ基を分子内に3個以上有するエポキシ樹脂である。本発明の組成物は、エポキシ樹脂(A)を用いることで、硬化物の架橋密度が高くなり、耐熱性が上がるので、高温下においても優れた絶縁破壊特性を保持できる硬化物が得られる。また、エポキシ樹脂(A)は比較的低粘度であるので、流動性に優れ、コイルの隙間等の狭い空間にも効率よく充填することができ作業性に優れる組成物が得られる。
ここで、「絶縁破壊特性」とは、絶縁材料が電圧に耐え得る能力を意味する。
上記エポキシ樹脂(A)は、40℃における粘度が、10000mPa・s以下であり、好ましくは8000mPa・s以下であり、より好ましくは5000mPa・s以下である。粘度がこの範囲であると、流動性に優れ、コイルの隙間等の狭い空間にも効率よく充填することができ作業性に優れる。エポキシ樹脂(A)の粘度の下限は特に限定されず、上記した粘度の範囲であればよい。
上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は220未満である。エポキシ当量がこの範囲であると高温下においても優れた絶縁破壊特性を保持できる。この特性により優れる点から、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は200以下が好ましく、190以下がより好ましい。また、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が小さすぎると加熱硬化中に揮発する可能性があるため、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は75以上が好ましく、80以上がより好ましい。
上記エポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を3個以上有する。したがって、本発明の組成物は、架橋点が比較的多くなり、耐熱性が向上するので、高温下においても優れた絶縁破壊特性を保持できる硬化物が得られる。上記エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基の数は、粘度が高くなりすぎないという点から、3〜10個が好ましく、3〜8個がより好ましい。
上記エポキシ樹脂(A)は、40℃における粘度が、10000mPa・s以下であり、エポキシ当量が220未満のエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ダイセル化学工業社製の脂環エポキシであるGT−400シリーズ、更には、TGDDM型エポキシ樹脂、TGDDS型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アミノクレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン型エポキシ樹脂、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(TG1,3−BAC)型エポキシ樹脂等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の結晶性エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、ポリグリセロール型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトール型エポキシ樹脂、グリセロール型エポキシ樹脂、ジグリセロール型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、粘度が低いことから、グリシジルアミン型エポキシ樹脂および脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。
また、下記式(1)で表される単位を有し、1分子中に少なくとも3個のR2を有し、アルコキシ基を含有しない環状シロキサンであるエポキシシリコーン化合物も好ましい。
Figure 2007138002
式(1)中、R1は、水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基等の1価の炭化水素基;これらの1価の炭化水素基の水素原子の一部または全部が、メタクリル基、アクリル基、メルカプト基、アミノ基等で置換された基が挙げられる。
1としては、メチル基、エチル基、水素原子が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(1)中、R2は、エポキシ基を有する有機基であり、具体的には、例えば、グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等が挙げられる。特に、R2は、エポキシシクロヘキシル基を有する有機基であることが硬化物のTgが高く、耐熱性に優れる点から好ましい。
上記エポキシシリコーン化合物は、1分子中に少なくとも3個のR2を有し、1分子中に3〜8個有することが好ましい。上記エポキシシリコーン化合物がこの範囲でR2を有すると、硬度が高く、靭性にも優れた被膜が得られる。
上記エポキシシリコーン化合物は、重合度が3〜100であることが好ましい。重合度がこの範囲であると、シリカとの親和性が良く、また、工業的に合成が容易であるため、入手し易い。これらの特性により優れる点から、重合度は3〜10がより好ましい。
上記エポキシシリコーン化合物は、アルコキシ基を含有しない。そのため、脱アルコール反応による硬化収縮が少ないので優れた絶縁破壊特性を得ることができる。
上記エポキシシリコーン化合物としては、下記式(2)で表される環状エポキシシリコーン化合物が、硬化収縮が少ない点から好適に挙げられる。
Figure 2007138002
上記式(2)中、R1およびR2は上記式(1)のR1およびR2と同義である。aは3〜5の整数を表し、3〜4の整数が好ましい。bは0〜2の整数を表し、0〜1の整数が好ましい。aとbの和は3〜5の整数であり、4が好ましい。
上記式(2)で表される化合物の中でも、下記一般式(2′)で表される環状エポキシシリコーン化合物がより好ましい。
Figure 2007138002
上記式(2′)中、R2、aおよびbは、上記式(2)と同義である。
特に、下記式(3)で表される環状エポキシシリコーン化合物が好ましい。
Figure 2007138002
上記式(3)中、R2は上記式(1)のR2と同義である。cは3〜5の整数を表し、4が好ましい。
上記エポキシシリコーン化合物の具体例としては、(R2CH3SiO)3、(R2CH3SiO)4、(R2CH3SiO)5、(R2CH3SiO)3((CH32SiO)、(R2CH3SiO)3(C37(CH3)SiO)等が挙げられる。ここで、R2は上記式(1)のR2と同義である。
上記エポキシシリコーン化合物は、公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、白金化合物等の触媒を用いて、オルガノハイドロジェンポリシロキサンにアリルグリシジルエーテル、または4−ビニルシクロヘキセンオキシドを付加反応(ヒドロシリル化)させることによって得ることができる。
また、上記エポキシシリコーン化合物は、市販品を用いることもできる。例えば、X−40−2670(信越化学工業(株)製)が好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂(A)の含有量は、本発明の組成物に含有される全てのエポキシ樹脂中の5〜95質量%であるのが好ましい。この範囲であれば、硬化物が優れた絶縁破壊特性を有し、高温下でも絶縁破壊特性を維持できる。これらの特性により優れる点から、8〜95質量%がより好ましく、10〜95質量%が更に好ましい。
上述したように、上記エポキシ樹脂(A)を含有する組成物は、硬化物の架橋密度が高くなり、高温下での絶縁破壊特性に優れる。しかしながら、室温付近での絶縁破壊特性が高温下での絶縁破壊特性より低下するという問題があった。
この問題の原因について検討した結果、上記エポキシ樹脂(A)を含有する組成物の架橋密度が高いため、室温付近では硬化物が柔軟性を失い脆くなることに起因することを見出した。更に、本発明者は、上記エポキシ樹脂(B)および/またはゴム粒子(B′)を配合すると、室温から高温まで優れた絶縁破壊特性有する硬化物が得られることを見出した。
上記エポキシ樹脂(B)は、エポキシ当量が200以上で、骨格にゴムおよび/またはポリエーテルを有するエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂(B)は、硬化物に柔軟性を付与することができ、その結果、比較的低温でも絶縁破壊特性に優れる硬化物が得られる。また、エポキシ樹脂(B)は比較的低粘度であるので、組成物の流動性を向上させることができる。
上記エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は、220以上であることが好ましい。エポキシ当量がこの範囲であると、架橋密度が上がらず、適度な柔軟性を付与できる。粘度が低い方が作業性に優れる点から、エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は、220〜5000がより好ましく、230〜3000が更に好ましい。
上記エポキシ樹脂(B)としては、エポキシ当量が200以上で、骨格にゴムおよび/またはポリエーテルを有するエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、カルボキシ基変性ブタジエン−アクリロニトリルエラストマーと分子内で化学的に結合したエポキシ樹脂(CTBN変性エポキシ樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂(NBR変性エポキシ樹脂)、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂の他;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコールを重合して得られるポリアルキレングリコールを骨格に有するエポキシ樹脂等のポリエーテル骨格エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム変性エポキシ樹脂の中でも、CTBN変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂が、汎用エポキシ樹脂や硬化剤との相溶性に優れる点から好ましい。
また、上記ポリエーテル骨格エポキシ樹脂としては、骨格に炭素数2〜12の直鎖または脂環式ポリエーテルを有するエポキシ樹脂が好ましい。特に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを骨格に有するポリグリシジルエーテルが、低粘度で十分な柔軟性が付与できる点から好ましい。また、主鎖にポリエーテル骨格と共にビスフェノールA骨格を有するエポキシ樹脂も好ましい例として挙げられる。
上記エポキシ樹脂(B)の変性前のエポキシ樹脂は、特に限定されないが、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レゾルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール、ジヒドロキシナフタレン等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型;さらにエポキシ化ポリオレフィン、グリシジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレート等が挙げられる。
これらの変性前のエポキシ樹脂の中でも、入手が容易で安価である点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
上記エポキシ樹脂(B)は、公知の製造方法により得ることができるが、具体的には、例えば、エポキシ基と反応性を有する官能基を有する液状ゴム(例えば、CTBN、カルボキシ基含有NBR)に、過剰のエポキシ樹脂と触媒(例えば、オルソトルエンスルホン酸)を投入し、反応させて得ることができる。
本発明の組成物は、上記エポキシ樹脂(B)を全エポキシ樹脂中の3〜50質量%含むのが好ましい。この範囲であると、比較的低温でも絶縁破壊特性に優れる硬化物が得られ、また、組成物の流動性に優れる。これらの特性により優れる点から3〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%が更に好ましい。
上記ゴム粒子(B′)は、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジエン系ゴムおよびその水添物(例えば、NR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、ブタジエンゴム(BR)およびそのマレイン酸付加物、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー)、ハロゲンゴム(例えば、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR、CHC)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコーンゴム(例えば、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、イオウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ゴム粒子の粒径が小さいことから、BRおよびシリコーンゴムが好ましい。
上記ゴム粒子(B′)はゴム単体でもよく、補強材、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤等の各種添加剤を含んだゴム組成物から構成されていてもよい。
上記ゴム粒子(B′)は、加硫してゴム粒子とした後、組成物中に分散させて用いられる。また、未加硫状態で組成物中に投入し、架橋剤(加硫剤)を添加して加硫させる、いわゆる動的加硫により加硫させて分散させてもよい。
上記ゴム粒子(B′)の平均粒径は、0.05〜100μmが好ましく、0.08〜50μmがより好ましい。この範囲であると適度な柔軟性を与え、物性の低下もないからである。
上記ゴム粒子(B′)としては、予めゴム粒子(B′)がエポキシ樹脂に分散されたものを用いることができる。このベースとなるエポキシ樹脂は、特に限定されず、例えば、上記エポキシ樹脂(B)の変性前のエポキシ樹脂で例示したものが挙げられる。
本発明の組成物は、上記エポキシ樹脂(B)および/またはゴム粒子(B′)を、エポキシ樹脂とゴム粒子の総量中の5〜50質量%含むのが好ましい。この範囲であると、比較的低温でも絶縁破壊特性に優れる硬化物が得られ、また、組成物の流動性に優れる。これらの特性により優れる点から7〜40質量%がより好ましく、8〜30質量%が更に好ましい。
本発明の組成物は、硬化剤として10〜40℃で液状の酸無水物(C)を含有する。硬化剤として酸無水物(C)を用いた場合、絶縁破壊特性に優れる。
上記酸無水物(C)は、10〜40℃で液状で、分子中に酸無水物基を少なくとも1つ有するものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、メチルハイミック酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、下記式(4)で表される化合物および下記式(5)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2007138002
上記酸無水物(C)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、本願発明の効果を損なわない範囲で、10〜40℃で液状の上記酸無水物(C)と共に、10〜40℃で固体の酸無水物を用いることができる。10〜40℃で固体の酸無水物としては、ハイミック酸無水物、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、クロレンド酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)およびグリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート等が挙げられる。
上記酸無水物(C)は、樹脂組成物中のエポキシ基の合計に対して酸無水物基が0.7〜1.0当量となる量含有されるのが、硬化物の架橋密度が高く、耐熱性および絶縁破壊特性に優れる点から好ましい。これらの特性により優れる点から、上記酸無水物(C)は、樹脂組成物中のエポキシ基の合計に対して酸無水物基が0.8〜1.0当量となる量含有されるのがより好ましい。
本発明の組成物は、更に、シリカ(D)を含有するのが好ましい。本発明の組成物に用いられるシリカ(D)は、特に限定されず、例えば、粉砕型結晶性シリカ、粉砕型および粉砕溶融型アモルファスシリカ、球状のアモルファスシリカ(球状溶融シリカ)、液状封止用の真球状のアモルファスシリカ(液状封止用シリカ)等を用いることができる。中でも、粉砕型結晶性シリカが、絶縁破壊特性を付与する効果が高く、また、汎用シリカとして入手し易い点から好ましい。
一般に、電圧をかけたときに樹脂とフィラー(シリカ等)の界面で絶縁破壊が生じやすいと考えられている。これに対して、粉砕型結晶性シリカは、その表面が角ばっており、樹脂とシリカの界面でのスムーズな絶縁破壊の進行が阻害され、高い絶縁破壊特性が得られると考えられる。
そのため、本発明の組成物に用いられるシリカ(D)のうち、粉砕型結晶性シリカが40質量%以上含まれることが好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
上記粉砕型結晶性シリカは、例えば、シリカフラワー、ケイ石、シリカサンド等の天然シリカ原石を粉砕して得ることができる。市販品としては、クリスタライトA1、クリスタライトAA、クリスタライトCMC、ヒューズレックスRD−8、ヒューズレックスE1、ヒューズレックスE2(いずれも、龍森(株)製)等が挙げられる。
上記粉砕型結晶性シリカは、粉砕型結晶性シリカを、シランカップリング剤等で表面処理したものも含む。
上記シリカ(D)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物に用いられるシリカ(D)は、平均粒径が5〜30μmであることが好ましい。この範囲の粒径であれば、絶縁破壊特性を付与する効果が大きく、硬化物の物性のバランスに優れる。また、シリカの分散性と組成物の粘度のバランスに優れる。これらの特性により優れる点から、シリカ(D)の平均粒径は5〜25μmがより好ましく、6〜20μmが更に好ましい。
上記シリカ(D)の含有量は、樹脂組成物全体の20〜75質量%であることが好ましい。含有量がこの範囲であれば、絶縁破壊特性を付与する効果が大きく、硬化物の物性のバランスに優れ、組成物の粘度が高くなり過ぎることがない。これらの特性により優れる点から、シリカ(D)の含有量は、樹脂組成物全体の30〜75質量%がより好ましく、40〜70質量%が更に好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、上記エポキシ樹脂(A)およびエポキシ樹脂(B)以外のエポキシ樹脂(E)を含有することができる。上記エポキシ樹脂(E)としては、特に限定されず、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、上記エポキシ樹脂(B)のゴム変性前のエポキシ樹脂で例示したものが挙げられる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、入手の容易さおよび硬化物の性質(性能)のバランスが良好であることから好ましい。
上記エポキシ樹脂(E)の含有量は、全エポキシ樹脂中5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、更に、硬化触媒(F)を含有することができる。硬化触媒(F)としては、具体的には、例えば、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第三級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物、第四級ホスホニウム塩等が挙げられる。中でも触媒作用が強い点から、イミダゾール類および2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが好ましい。
硬化触媒(F)の含有量は、全エポキシ樹脂に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
充填剤としては、シリカ以外の各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。充填剤の含有量は、作業性の点で、全組成物中の80質量%以下であるのが好ましい。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明の組成物は、1液型および2液型のいずれとすることもできるが、貯蔵安定性に優れる点から、2液型として用いるのが好ましい。本発明の2液型熱硬化性樹脂組成物は、上記エポキシ樹脂(A)、上記エポキシ樹脂(B)および/またはゴム粒子(B′)ならびに所望により用いられるエポキシ樹脂(E)を含有する主剤(第1液)と、上記酸無水物(C)を含有する硬化剤(第2液)とからなる。所望により用いられる上記シリカ(D)、硬化触媒(F)およびその他の添加剤は、主剤および硬化剤のどちらか一方または両方に配合することができる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
このようにして得られる本発明の組成物は、室温から高温での絶縁破壊特性に優れる硬化物が得られる。具体的には、本発明の組成物の硬化物の50℃および150℃における絶縁破壊強さは、30kV/mm以上であり、好ましくは32kV/mm以上である。
したがって、絶縁破壊特性が求められる部品等に用いられた場合、それらの部品等をより小型化することが可能となる。また、高温下で用いられる部品にも使用できる。
また、本発明の組成物の60℃における粘度は、2.0Pa・s以下であることが好ましく、1.5Pa・s以下であることがより好ましい。組成物の粘度がこの範囲であると、作業性に優れ、微細な隙間にも入り込みやすい。
なお、本発明の組成物は、60℃以上に加温し粘度を下げて使用することができる。
本発明の組成物の用途としては、特に限定されないが、例えば、フライバックトランス、コンデンサー、家電用モーター、ソレノイドコイル等の弱電分野、変圧器、発電機等の重電分野、イグニッションコイル、オルタネーターなどの電装品、LED等の電子分野等の成形用材料およびこれらのポッティング材;航空機部品、プリント基板、スポーツ用品等のFRPが好適に挙げられる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜13および比較例1〜4)
下記第1表の各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し、第1表に示される各組成物を得た。
得られた各組成物を用いて下記の方法により絶縁破壊特性を評価した。また、各組成物の60℃における粘度をE型粘度計で測定した。粘度を第1表に示す。
<絶縁破壊特性の評価>
得られた各組成物を、100℃で1時間、更に150℃で2時間硬化させることにより、100×100×1.0mmのシート状の試験体を作成した。得られた各試験体について、JIS C2110−1994に準じ、絶縁破壊試験器(HAT300−100RHO形、日化テクノサービス社製)を用いて、絶縁破壊電圧を測定した。以下、具体的な測定方法を図に従って説明する。
図1は、絶縁破壊電圧の測定装置の概念図である。試験体1をオイルバス3中で、金属製の直径20mmの球状電極7と、金属製の直径25mmの円柱電極9とで挟んで固定した後、オイルバス3内をシリコン油5で満たし、50℃に加熱した。50℃で2分保持後、昇電圧速度2kV/秒で電圧をかけ始め、試験体1が破壊したときの電圧を測定した。このときの電圧を絶縁破壊電圧という。測定された絶縁破壊電圧を試験体の厚さで除した値(絶縁破壊強さ(kV/mm))を第1表に示す。
また、シリコン油の温度を150℃に変えた他は上記と同様の方法により絶縁破壊強さを求めた。結果を第1表に示す。
Figure 2007138002
第1表に示す各成分は、下記のとおりである。
・エポキシ樹脂(A−1):(下記式(6)で表される化合物)、X−40−2670、信越化学工業(株)製、エポキシ当量185、粘度(40℃)1800mPa・s
・エポキシ樹脂(A−2):3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、エピコート630、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量101、粘度(40℃)300mPa・s
・エポキシ樹脂(E):汎用ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート825、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量178
・エポキシ樹脂(B−1):NBR変性エポキシ樹脂、EPR−1309、旭電化工業社製、エポキシ当量300
・エポキシ樹脂(B−2):CTBN変性エポキシ樹脂、EPR−4023、旭電化工業社製、エポキシ当量230
・エポキシ樹脂(B−3):ウレタン変性エポキシ樹脂、EPU−78−11、旭電化工業社製、エポキシ当量230
・エポキシ樹脂(B−4):ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、YL7217、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量430
・エポキシ樹脂(B−5):ポリブタジエン変性エポキシ樹脂、R45EPT、ナガセケムテック社製、エポキシ当量1545
・エポキシ樹脂(B−6):ポリプロピレングリコール変性エポキシ樹脂、EP4000、旭電化工業社製、エポキシ当量320
・ゴム粒子(B′−1):BRを約20質量%分散したビスフェノールA型エポキシ樹脂
・ゴム粒子(B′−2):シリコーンゴム分散型エポキシ樹脂、ALBIDUR EP2240、Hance Chemie社製、ゴム含有量40質量%
・酸無水物(C−1):メチルテトラヒドロ無水フタル酸、MT−500TZ、新日本理化社製
・酸無水物(C−2):メチルナジック酸無水物、MCD、日本化薬社製
・シリカ(D−1):ヒューズレックスE1、龍森社製、平均粒径10μm
・シリカ(D−2):ヒューズレックスRD120、龍森社製、平均粒径33μm
・シリカ(D−3):アドマファインSO−C2、(株)アドマテックス製、平均粒径0.5μm
・硬化触媒(F):N−メチルイミダゾール、関東化学社製
Figure 2007138002
第1表に示す結果から明らかなように、比較例1〜4の組成物は、50℃および150℃における絶縁破壊強さのうち少なくとも一方が、30kV/mm未満だった。一方、実施例1〜13の組成物は、50℃および150℃における絶縁破壊強さが、30kV/mm以上だった。
図1は、絶縁破壊電圧の測定装置の概念図である。
符号の説明
1 試験体
3 オイルバス
5 シリコン油
7 球状電極
9 円柱電極

Claims (12)

  1. 40℃における粘度が10000mPa・s以下で、エポキシ当量が220未満のエポキシ基を分子内に3個以上有するエポキシ樹脂(A)と、
    エポキシ当量が200以上で、骨格にゴムおよび/またはポリエーテルを有するエポキシ樹脂(B)、および/または、ゴム粒子(B′)と、
    10〜40℃で液状の酸無水物(C)とを含有し、
    50℃および150℃における硬化物の絶縁破壊強さが30kV/mm以上である、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)を全エポキシ樹脂中の5〜95質量%含み、かつ、前記エポキシ樹脂(B)を全エポキシ樹脂中の3〜50質量%含む請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)が、下記式(1)で表される単位を有し、1分子中に少なくとも3個のR2を有し、アルコキシ基を含有しない環状シロキサンであるエポキシシリコーン化合物である請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007138002

    (式中、R1は水素原子または1価の炭化水素基であり、R2はエポキシ基を有する有機基である。)
  4. 前記エポキシシリコーン化合物が、下記式(2)で表される環状エポキシシリコーン化合物である請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007138002

    (式中、R1はそれぞれ独立に水素原子または1価の炭化水素基であり、R2はそれぞれ独立にエポキシ基を有する有機基であり、aは3〜5の整数であり、bは0〜2の整数であり、aとbの和は3〜5の整数である。)
  5. 前記R2が、エポキシシクロヘキシル基を有する有機基である請求項3または4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂(B)が、CTBN変性エポキシ樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ樹脂(B)が、骨格に炭素数2〜12の直鎖または脂環式ポリエーテルを有する請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記ゴム粒子(B′)が、ブタジエンゴムおよび/またはシリコーンゴムである請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 前記エポキシ樹脂(B)および/または前記ゴム粒子(B′)を、エポキシ樹脂とゴム粒子の総量中の5〜50質量%含む、請求項1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 更に、シリカ(D)を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. 前記シリカ(D)の含有量が、樹脂組成物全体の20〜75質量%である請求項10に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  12. 60℃における粘度が、2.0Pa・s以下である請求項1〜11のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
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