本発明は、FED(Fiele Emission Display)などの電子放出素子から放出された電子を発光体に衝突させて発光させるフラットパネルディスプレイ(いわゆる電子線ディスプレイ)に関する。特には2枚の対向する基板間(典型的にはアノード電極)に1kV以上の高電圧を印加する画像表示装置に関する。とくに上記の2枚の基板のいずれかに開口を設けて高圧導入端子とする画像表示装置に関する。
特開2004−139978には、電子放出素子を有する第一の基板と、発光部材を有する第二の基板とを有する画像表示装置において、第二の基板上に開口が設けられている。そして、電子放出素子から放出された電子を加速するための電位(アノード電位)を画像表示装置内(パネル内)の導電性膜(典型的にはアノード電極)に給電する(電位を供給する)ための高圧導入端子が設けられている。また、画像表示装置内側(真空側)で、高圧導入端子周囲には第一の導電性部材が配置され、高圧導入端子と絶縁されている。画像表示装置の外側(大気側)には絶縁物質が配置されており、画像表示装置の大気側における絶縁耐圧を確保している。
特開2004−139978号公報
しかしながら、近年のフラットパネルディスプレイにおいては、表示領域を除く部分(表示領域を囲む部分)の面積を減らすことでよりコンパクトなディスプレイを実現することが求められている。さらには、より明るい表示画像を可能とするディスプレイを実現することが求められている。
そこで、上記した、電子放出素子から放出された電子を発光体に衝突させて発光させるフラットパネルディスプレイでより明るい表示画像を得るには、アノード電極に印加する電圧(上述した2つの対向する基板間に印加する電圧)を上げることが効果的である。しかしながら単純にアノード電極に印加する電圧を上昇させると、画像表示装置内(パネル内)における高圧導入端子近傍で放電が生じる場合があった。そこで、本発明では、画像表示装置内における高圧導入端子近傍での放電耐圧を向上することを目的とする。更に詳しくは、高圧導入端子と、その周りに間隔を置いて配置された導電性部材との間の放電耐圧を向上することを目的とする。
本発明は、
アノード電極を備える第1基板と該第1基板に対向して配置されると共に電子放出素子を備える第2基板とを具備する表示パネルと、前記アノード電極に電気的に接続し且つ前記表示パネルの内部から外部へ導出された配線と、該配線を介して前記アノード電極に電位を供給するための電源と、を備える画像表示装置であって、
前記配線を通すための開口が、前記第1および第2基板の一方の基板に設けられており、
前記開口と間隔を置いて配置された導電性部材が、前記表示パネルの内部であって前記一方の基板上に設けられており、
前記導電性部材の前記開口側の端部が、誘電体膜で覆われていることを特徴とする画像表示装置である。
本発明によれば画像表示装置内(パネル内)の高圧導入端子近傍にある電位に規定できる導電性部材(電極)を設けることにより、意図しない放電を抑制することができる。また、さらに、その導電性部材(電極)と高圧導入端子の間の電界強度によって放電が生じないように、高圧導入端子よりも低電位に規定される上記導電性部材(電極)の、高圧導入端子側の端部を誘電体で覆うことにより絶縁耐圧を向上することができる。これは、上記導電性部材(電極)の高圧導入端子側の電界強度を緩和でき、その結果、高圧導入端子側の上記導電性部材端部からの電子放出を抑制できるためである。
本発明の画像表示装置は、電界放出型素子、MIM型素子、表面伝導型電子放出素子などの電子放出素子を用いた画像表示装置(いわゆる電子線ディスプレイ)に好ましく適用することができる。そして、典型的には、電子放出素子から放出された電子を蛍光体などの発光体に衝突させるために設けられるアノード電極の電圧が1kV以上に設定される画像表示装置に適用できる。
本発明の実施の形態について、まず上記表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置を、図1および図2を用いて以下に具体的に説明する。
図2は表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置の模式化した斜視図(一部をきり欠いて表現している)を示す。図1に画像表示装置に高圧電位を導入するための高圧導入端子1005近傍の断面図を示す。図1では、高圧導入端子1005をパネル内に導入するための開口1500をリアプレート1001に設けた例を示したが、開口1500はフェースプレート1002に設ける場合もある。
図中、1001はリアプレート、1002はフェイスプレート、1003は支持枠で、これらにより画像表示装置内を真空気密に保持する真空容器が形成される。尚、支持枠1003とフェースプレート1002との接続部および支持枠1003とリアプレート1001との接続部には、不図示のフリットガラスやインジウムなどの気密に接合することのできる接合部材が配置される。
リアプレート1001には、電子放出素子1101として表面伝導型電子放出素子が多数配列されており、各電子放出素子1101を選択し駆動するためにマトリクス状に配列された複数の列方向配線1102と複数の行方向配線1103が配置されている。各電子放出素子1101は、複数の列方向配線1102の一つと複数の行方向配線1103の一つとに接続されている。
フェイスプレート1002には、電子放出素子1101から放出された電子を加速させるためのメタルバック(導電性膜)1202および発光体膜1201が配置される。ここで示した例では、発光体膜1201上にメタルバック1202が配置された例を示している。
上記メタルバックにはアノード電位(Va)が高圧導入端子1005を通じて印加されるので「アノード」と呼ぶこともできる。アノード電圧で加速された電子は、メタルバックを通過して発光体膜1201に衝突し、そのエネルギーで発光体が発光し画像が形成される。メタルバック1202は、高圧導入端子1005を介して高圧電源1006に接続される。
尚、上記メタルバックは、導電性の膜であり、典型的には金属膜で構成される。また、メタルバック1202は好ましくはアルミニウム膜から構成することができる。発光体膜1201は典型的には蛍光体膜で構成される。そして、表示画像のコントラストを向上するために、発光体膜1201はいわゆるブラックマトリクスやブラックストライプを含み、ブラックマトリクスやブラックストライプの隙間(開口)に各色の蛍光体粒子を配置することが好ましい。
また、上記メタルバックに加えて発光体膜1201とフェースプレート1002との間に更に、アノード電位あるいはそれと同等の電位が供給される別の導電性膜(不図示)を配置することもできる。あるいはまた、上記別の導電性膜に代わって、ブラックマトリクスやブラックストライプに導電性を付与し、これにアノード電位あるいはそれと同等の電位が供給される場合もある。このような場合、上記アノード電位あるいはそれと同等の電位が供給される導電性の部材を単に「アノード」と呼ぶことができる。
図1は、画像表示装置の断面模式図であり、上述したアノードを模式的に符号1203で示す部材で表している。
高圧導入端子1005は電位をアノード1203に供給する目的で配置される。そのため、リアプレート1001またはフェイスプレート1002に開口1500が設けられ、その開口1500を通して高圧導入端子を表示パネル内部に導入されている。パネル外に配置される高圧電源1006が高圧導入端子を介してフェイスプレートのアノード1203と電気的に接続されている。
図1では、リアプレート1001に開口1500を設けてあり、該開口を通じて画像表示装置内(パネル内)に高圧導入端子1005が導入されており、高圧導入端子1005はアノード1203に接続している。なお、本発明に用いる様な電子線ディスプレイでは、パネル内を真空に保持しなければならない。そのため、高圧導入端子1005が導入されるために設けられた開口(リアプレート1001またはフェースプレート1002に設けられた開口)1500は気密に封止される必要がある。
その方法としては、低融点ガラスにて封止するような方法や、低融点金属にて封止する方法や、リアプレート基板を高圧導入端子1005と直接接合するような方法(CRTで用いられるアノードボタンのような方法)などが挙げられる。
リアプレート1001上(パネル内表面上)には、導電性部材1106が高圧導入端子1005から間隔をあけて配置される(開口1500から間隔をあけて配置される)。導電性部材1106にはアノード1203に印加される電位よりも低い電位が印加される。導電性部材1106の少なくとも高圧導入端子1005側(開口1500側)の端部は誘電体膜1107によって覆われている。
導電性部材1106の電位はアノード電極1203の電位よりも、電子放出素子の電位に近ければよい。リアプレートの多くの部分は電子放出素子を駆動するために、各電子放出素子に接続された配線に占められる。用いる電子放出素子にもよるが、多くの電子放出素子の駆動電圧は数ボルトから数十ボルトの範囲、一般には50V程度である。そのため、リアプレート1001の表面電位は、アノード電圧に比べれば略GND電位と認められるので、導電性部材1106の電位はその簡便さからGND電位に規定するのが好ましい。導電性部材1106の電位と電子放出素子を駆動するための配線に印加される電位との間に数百ボルトの差が生じると配線と導電性部材1106との間での放電が懸念される。そのため、好ましくは前述のように、導電性部材1106の電位はGND電位に規定されるが、配線との電位差が100V未満であれば実用上問題はない。
導電性部材1106は、開口1500を囲むように配置される。従って、もっとも典型的には閉環状に形成されることが好ましい。導電性部材1106の形状は開口1500の形状に合わせて形成することが好ましく、例えば、図7に示す様に、開口1500の形状が円であれば、導電性部材1106も円環状に形成すればよい。
導電性部材1106に必要とされる機能としては、ある所望の電位に規定できることであるため、ある程度の導電性が必要とされる。そのため、導電性部材1106の材料としては、銀などの金属粒子および低融点ガラスからなる導電性ペーストや、Al、Ti、Ptなどの金属薄膜や、ITO、ZnOなどの酸化物導電膜、などが挙げられる。とくにほかに弊害がない場合には、作製が簡便となるように、リアプレート1001やフェイスプレート1002に設ける電極や配線を作製する際に同時に形成することが好ましい。
誘電体膜1107に必要とされる機能としては、高圧導入端子1005と導電性部材1106の間の絶縁耐圧を確保することが求められる。
ここで、図3を用いて真空中の沿面耐圧について説明する。図3(a)は絶縁体基板1405上にアノード電極1404とカソード電極1403が配置されたことを示す断面図である。真空中の沿面放電は、(1)カソード側電極からの電界による電子放出、(2)誘電体表面の正帯電、の2つの要因により発生する。すなわち、カソード側電極からの電界放出電子が、誘電体表面(沿面部)を多重散乱しながらアノードに向かう(二次電子雪崩;SEEA)ことで、誘電体表面が正に帯電し、カソード側電極近傍の電界強度がさらに強くなる、という正帰還を繰り返し放電にいたる。ここで、カソード側電極からの電界電子放出量は、電極表面の電界強度によりきまる。一般に、図3(a)に示すような真空―誘電体―金属の三重点1401は、その形状によっては電界強度が計算上無限大に発散し、容易に電子が電界放出してしまう。上記アノード電極が図1などで示した高圧導入端子1005に相当し、カソード電極1403が図1などで示した導電性部材1106に相当すると考えると理解が容易になる。
そこで、図3(b)、図3(c)に示すように、カソード電極1403のアノード電極1404側の端部を誘電体膜1107で覆うことで、カソード電極1403からの電界による電子放出を抑制する。ここで、誘電体膜1107の機能としては以下の2点が挙げられる。(1)誘電体膜1107がない場合(図3(a)参照)に形成される三重点1401を覆い、当該個所の電界強度を緩和すること。(2)新たにできた三重点1402から電子が放出しても、誘電体膜1107に衝突し、衝突するまでの電子の飛程が短い(図3(b)参照)ことから誘電体1107表面は負帯電し、正帯電⇒電界強度増加⇒電界電子放出の正帰還をかけにくくすること。
このような理由から、図1などで示した導電性部材1106の高圧導入端子1005側(開口1500側)の端部を誘電体膜1107によって覆うことで、導電性部材1106側からの放電が発生することを抑制することができる。
誘電体膜1107の材料としては、体積抵抗率が大きい誘電体材料であり、そのものの絶縁耐圧が高い材料が好適に使用できる。体積抵抗率としては、108Ωm以上のものが好適に使用できる。また、誘電体膜の厚さは、電子が衝突しうる厚さが必要なため、1マイクロメートル以上の膜厚が必要となる。これらのことから、誘電体膜1107として、特に低融点ガラスを含有したペースト材料やエポキシ樹脂などの樹脂材料を含有したペーストをもちいて、スクリーン印刷法もしくはフォトリソグラフィー法で作製するのが好ましい。他の作成方法として、上記のようなペースト材料をディスペンサーで塗布するような方法で形成してもよい。また、低融点ガラスを含有していることで、作成時の焼成温度を下げることができ、容易に誘電体膜1107を形成することができる。また、誘電体膜1107のほかの形成方法として、ガラスなどの誘電体部材を導電性部材1106上に固定・接着するような方法でもよい。
誘電体膜1107が導電性部材1106を覆う領域については、導電性部材1106の電界が強くなるところを覆うことが望まれる。導電性部材1106の高圧導入端子1005側の端部(先端)で電界が強くなる部分は、図3(a)に示すように電界のひずみ方により決まる。ここで電界のひずみ方は、導電性部材1106の配置などにも左右されるがフェイスプレート1002との距離が影響する。即ち導電性部材1106の高圧導入端子1005側の端部(先端)から高圧導入端子1005から離れる方向における誘電体膜1107が導電性部材1106を覆う長さをL[μm]とする。そして、リアプレート1001とフェイスプレート1002の平均間隔をd[μm]とする。そのとき、L≧0.025×d+15の範囲が特に電界が強い。したがってその領域を誘電体1107で覆うことにより、絶縁耐圧が向上する。
また、上記導電性部材1106および誘電体膜1107の配置される個所としては、放電が起こりうると予期される場所に配置することが望まれる。すなわち、高圧導入端子1005とそれよりも低電位に規定される個所との間に配置されることが望ましい。低電位に規定される部材としては、電子放出素子1101や電子放出素子1101を駆動するための列方向配線1102および行方向配線1103は、駆動するために100V以下の低電位であることが多い。また支持枠1003は、大気側で放電するのを避けるため低電位に規定されていることが多い。したがって、導電性部材1106は、高圧導入端子1005と電子放出源1101や支持枠1003の間に配置されることが好ましい。更には、導電性部材1106は高圧導入端子1005を閉環状に囲むように配置されることにより、上記の目的は好ましく果たされる。
次に、電子放出素子1101から放出された電子について考える。放出された電子はアノードに向かって飛翔する。ほとんどの放出電子はフェイスプレート1002に設けられたアノード1203に向かって飛翔するが、アノード1203で生じる反射電子や2次電子などが高圧導入端子1005に飛翔する可能性がある。
高圧導入端子1005に向かった電子の一部は、高圧導入端子1005と導電性部材1106の間の絶縁面に照射され、予期せぬ帯電や放電を引き起こす場合がある。とくに電子放出素子1101が高圧導入端子1005に近接する場合は、上記のような危険性が増すことになる。ここで、図4に示すように、電子放出素子1101と高圧導入端子1005の間に、スペーサ1004などの構造物を配置することが好ましい。この様にすると、電子放出素子1101から放出された電子あるいはアノード1203で発生した2次電子などが導電性部材1106と開口1500との間の絶縁面に向かって飛翔する電子を遮る事ができる。そのため、高圧導入端子1005と電子放出素子1101とを結ぶ直線上にスペーサを設けることが好ましい。電子が導電性部材1106と開口1500との間の絶縁面に照射される可能性を低減するためにも、スペーサは板状であることが好ましい。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
図5の上図は、本実施例の画像表示装置における、高圧導入端子1005近傍の模式的断面図である。また図5の下図は、本実施例の画像表示装置内(パネル内)のフェースプレート側から見た、リアプレート1001のうち、高圧導入端子1005の近傍部分の模式的平面図である。
フェイスプレート1002には、アノード1203が設けられている。アノード1203はアルミニウムからなる導電性膜で構成されており、図5には図示していないが、アルミニウムからなる導電性膜とフェースプレート1002との間には、不図示の蛍光体膜が配置されている。リアプレート1001上の不図示の電子放出素子から放出された電子がアルミニウムからなる導電性膜を通過し、蛍光体膜を照射することで画像が形成される。
アノード1203は、高圧導入端子1005により画像表示パネルの外部の高圧電源と、電気的に接続される。高圧導入端子1005はリアプレート1001の一部に開口1500が形成され、この開口1500を通じてパネル内部からパネル外部に取り出されている。
ここで、パネルは、リアプレート1001とフェイスプレート1002と支持枠1003により構成される。ここで、リアプレート1001とフェイスプレート1002の距離は2mmとした。リアプレート1001とフェイスプレート1002と支持枠1003のそれぞれの接着部分は、低融点ガラスや低融点金属(InやSnなど)をもちいて気密に封着されている。本実施例では不図示の低融点ガラスペーストにより高圧導入端子1005をリアプレート1001接着し、同時に開口1500を不図示の低融点ガラスペーストにより気密に封止した。高圧導入端子1005の材料としては、アノード1203に必要な電位を供給できれば良いので、金属などの導体が良好に用いられる。また、真空気密や機械的強度の観点から、高圧導入端子1005の材料としては、リアプレート1001の基板材料と熱膨張係数が近いことが望ましい。したがって、本実施例では高圧導入端子1005の材料として、426合金を用いた。
次に本発明の特徴である、高圧導入端子1005の周囲に配置された導電性部材1106ならびに誘電体膜1107について説明する。導電性部材1106は、高圧導入端子1005から離れた位置に配置され、もっとも近い部分の距離が2mmとなるようにした。導電性部材1106の材料としては、周囲の部材、ここではリアプレート基板材料、よりも十分抵抗が低ければよく、金属や抵抗体が用いられる。本実施例では、形成の容易さからリアプレート1001に形成される配線と同じ材料で同様なプロセスにて形成した。すなわち本実施例では、導電性部材1106を、銀粒子および低融点ガラスを含んだ導電性ペーストをスクリーン印刷法にて形成し、焼成することにより作製した。また、導電性部材1106の幅は1mmとし、厚さは10μmとした。
次に、誘電体膜1107について説明する。誘電体膜1107は、導電性部材1106の高圧導入端子1005側の端部に形成した。誘電体膜1107は、導電性部材1106と65μmだけ重なり、かつ導電性部材1106から235μmはみだしてリアプレート1001上に形成した。また、誘電体膜1107の形成する領域としては、高圧導入端子1005と導電性部材1106の距離が10mm以下になる領域の、導電性部材1106の端部に形成した。誘電体膜1107の材料としては、十分な絶縁性をゆうしていれば良く、形成の容易さから低融点ガラスペーストをスクリーン印刷法により形成した。使用した低融点ガラスペーストの体積抵抗率を、別途テストピースを用いて測定したところ、109Ω・mであった。また、誘電体膜1107の幅は300μmとし、厚さは10μmとした。
なお、リアプレート1001、フェイスプレート1002、支持枠1003の形成方法は省略した。
このように、フェイスプレート1002およびリアプレート1001および支持枠1003を用いて形成した画像表示装置の耐圧評価を行った。耐圧評価は、リアプレート1001の不図示の配線および導電性部材1106をGND電位に規定した。このような状態でアノード電欲1203を高圧電源に接続し、12kVにて1時間以上放電しないことを確認した。その後、不図示のリアプレート上の配線に駆動回路基板を接続し、アノード電圧12kVで画像を表示したところ、明るくコントラストの大きい良好な画像を得ることができた。その後、再び不図示のリアプレート上の配線をGND電位に接続して、アノード電圧を徐々に印加していった結果、16kVにて放電が発生した。
このようにして、安定して高電圧が印加できる画像表示装置を得ることができた。
本実施例では、高圧導入端子1005がフェイスプレート1002側に形成された開口1500を通してパネル内に導入された例を示す。図6の上図は、本実施例の画像表示装置における、高圧導入端子1005近傍の模式的断面図である。また図6の下図は、本実施例の画像表示装置における、フェイスプレート1002をリアプレート側から見た際の模式図であり、高圧導入端子1005の近傍部分の模式的平面図である。ただし第2の実施例では画像表示装置全般については実施例1と同様なものを使用したため、以下では本実施例において特徴的な部分のみの説明をおこなう。
本実施例では、高圧導入端子1005ならびに開口1500はフェイスプレート1002側に形成されており、アノード電極1203と接続されている。図6の下図に示すように、高圧導入端子1005の配置される部分の周辺には、導電性部材1106および誘電体膜1107が、実施例1と同様な手段・材料で形成されている。なお、導電性部材1106の幅は1mmとし、厚さは10μmとした。また、誘電体膜1107は、導電性部材1106と200μmだけ重なっている。そして、同時に導電性部材1106から200μmはみだしてフェイスプレート1002上に形成した。また、誘電体膜1107の幅は400μmとし、厚さは10μmとした。
このように、フェイスプレート1002およびリアプレート1001および支持枠1003を用いて形成した画像表示装置の耐圧評価を行った。耐圧評価は、リアプレート1001の不図示の配線および導電性部材1106をGND電位に規定した。このような状態でアノード電欲1203を高圧電源に接続し、13kVにて1時間以上放電しないことを確認した。その後、不図示のリアプレート上の配線に駆動回路基板を接続し、アノード電圧13kVで画像を表示したところ、明るくコントラストの大きい良好な画像を得ることができた。その後、再び不図示のリアプレート上の配線をGND電位に接続して、アノード電圧を徐々に印加していった結果、18kVにて放電が発生した。
このようにして、安定して高電圧が印加できる画像表示装置を得ることができた。
本実施例では、リアプレート1001上に形成された高圧導入端子1005の周囲に、環状の導電性部材1106が形成された例を示す。図7の上図は、本実施例の画像表示装置における、高圧導入端子1005近傍の模式的断面図である。また図7の下図は、本実施例の画像表示装置内のフェースプレート1002側からみた、リアプレート1001のうち、高圧導入端子1005の近傍部分の模式的平面図である。ただし第3の実施例では画像表示装置全般については実施例1と同様なものを使用したため、以下では本実施例において特徴的な部分のみの説明をおこなう。
本実施例では、高圧導入端子1005ならびに開口はリアプレート1001側に形成されている。図6の下図に示すように、高圧導入端子1005の配置される部分の周辺には、導電性部材1106および誘電体膜1107が、環状に形成されている。導電性部材1106および誘電体膜1107は、実施例1と同様な手段・材料で形成されている。
なお、導電性部材1106の幅は1mmとし、厚さは10μmとした。また、高圧導入端子1005と導電性部材1106の距離は2mmになるように、略円状に配置した。また、画像表示領域に配置される電子放出素子1101と、導電性部材1106の最も近接する部分の距離を6mmとした。
また、誘電体膜1107は、導電性部材1106と200μmだけ重なり、かつ導電性部材1106から200μmはみだしてフェイスプレート1002上に形成した。また、誘電体膜1107の幅は400μmとし、厚さは15μmとした。
このように、フェイスプレート1002およびリアプレート1001および支持枠1003を用いて形成した画像表示装置の耐圧評価を行った。耐圧評価は、リアプレート1001の不図示の配線および導電性部材1106をGND電位に規定した。このような状態でアノード電欲1203を高圧電源に接続し、13kVにて1時間以上放電しないことを確認した。その後、不図示のリアプレート上の配線に駆動回路基板を接続し、アノード電圧13kVで画像を表示したところ、明るくコントラストの大きい良好な画像を得ることができた。その後、再び不図示のリアプレート上の配線をGND電位に接続して、アノード電圧を徐々に印加していった結果、20kVにて放電が発生した。
このようにして、安定して高電圧が印加できる画像表示装置を得ることができた。
本実施例では、高圧導入端子1005と電子放出素子1101の間にスペーサ1004が配置された例を示す。図8の上図は、本実施例の画像表示装置における、高圧導入端子1005近傍の模式的断面図である。また図8の下図は、本実施例の画像表示装置内のフェースプレート1002側から見たから見た、リアプレート1001のうち、高圧導入端子1005の近傍部分の模式的平面図である。ただし第4の実施例では画像表示装置全般については実施例3と同様なものを使用したため、以下では本実施例において特徴的な部分のみの説明をおこなう。
本実施例では、高圧導入端子1005ならびに開口はリアプレート1001側に形成されている。図6の下図に示すように、高圧導入端子1005の配置される部分の周辺には、導電性部材1106および誘電体膜1107が、環状に形成されている。導電性部材1106および誘電体膜1107は、実施例3と同様な手段・材料で形成されている。
また、本実施例の画像評価装置には、リアプレート1001とフェイスプレート1002の間隔を2mmに規定するために、スペーサ1004(間隔規定部材と表現される場合もある)が配置されている。スペーサは画像表示パネル内部の任意の場所に配置されるが、本実施例では少なくとも高圧導入端子1005ならびに導電性部材1106から、10mm以内の電子放出素子1101との間を遮るように、スペーサ1004が配置されている。したがって電子放出素子1101から放出された電子の一部が、高圧導入端子1005ならびにその近傍に照射される危険性を著しく低下させることができた。そのため、導電性部材1106から電子放出素子1101のうち最も近いものとの距離を、2mmとすることができた。したがって、画像表示領域以外の不要な額縁部を小さくすることができた。
このように、フェイスプレート1002およびリアプレート1001および支持枠1003を用いて形成した画像表示装置の耐圧評価を行った。耐圧評価は、リアプレート1001の不図示の配線および導電性部材1106をGND電位に規定した。このような状態でアノード電欲1203を高圧電源に接続し、13kVにて1時間以上放電しないことを確認した。その後、不図示のリアプレート上の配線に駆動回路基板を接続し、アノード電圧13kVで画像を表示したところ、明るくコントラストの大きい良好な画像を得ることができた。その後、再び不図示のリアプレート上の配線をGND電位に接続して、アノード電圧を徐々に印加していった結果、20kVにて放電が発生した。
このようにして、安定して高電圧が印加できる画像表示装置を得ることができた。
本発明の画像表示装置に用いた高圧導入端子部分の模式的断面図である。
本発明の表面伝導型電子放出素子を備えた画像表示装置の模式的斜視図である。
本発明の画像表示装置に用いた導電性膜の部分の電位分布を示す模式的平面図である。
スペーサを有する場合に好適な配置を示す模式的断面図である。
本発明第1の実施例の画像表示装置を示す模式的断面図および平面図である。
本発明第2の実施例の画像表示装置を示す模式的断面図および平面図である。
本発明第3の実施例の画像表示装置を示す模式的断面図および平面図である。
本発明第4の実施例の画像表示装置を示す模式的断面図および平面図である。
符号の説明
1001 リアプレート
1002 フェイスプレート
1003 支持枠
1004 スペーサ
1005 高圧導入部
1006 高圧電源
1101 電子放出素子
1102 列方向配線
1103 行方向配線
1106 導電性部材
1107 誘電体膜
1201 蛍光体膜