JP2007107717A - 動力伝達装置および動力出力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車の噛み合いのみで効率よく回転力を伝達でき、かつ、簡単な構成で安価な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】入力軸2の偏心軸部2aと、入力軸2と同軸上の出力軸5とに内歯車1と外歯車4を設け、内歯車1の側面と、側面が対向する外輪7の端板6の内面間に対向一対の第2プレート11a、11bと、一対の第2プレート間に第1プレート12を設け、第1プレートを内歯車1に連結し、一対の第2プレートを端板6に固定する。第1プレートの両側面と一対の第2プレートの対向面に対向一対の円形のボール案内凹部18、19を、第1プレート側のボール案内凹部18が第2プレートにボール案内凹部19に対して偏心軸部2aの偏心量に相当する寸法だけ偏心軸部の偏心方向に位置をずらして形成し、対向一対のボール案内凹部間にボール20を介在させる。
【選択図】図1
【解決手段】入力軸2の偏心軸部2aと、入力軸2と同軸上の出力軸5とに内歯車1と外歯車4を設け、内歯車1の側面と、側面が対向する外輪7の端板6の内面間に対向一対の第2プレート11a、11bと、一対の第2プレート間に第1プレート12を設け、第1プレートを内歯車1に連結し、一対の第2プレートを端板6に固定する。第1プレートの両側面と一対の第2プレートの対向面に対向一対の円形のボール案内凹部18、19を、第1プレート側のボール案内凹部18が第2プレートにボール案内凹部19に対して偏心軸部2aの偏心量に相当する寸法だけ偏心軸部の偏心方向に位置をずらして形成し、対向一対のボール案内凹部間にボール20を介在させる。
【選択図】図1
Description
この発明は、動力伝達装置および動力出力装置に関するものである。
第1軸と第2軸とを同一軸上に配置し、その第1軸の回転を第2軸に大きな減速比をもって伝達するようにした動力伝達装置として、特許文献1あるいは特許文献2に記載されたものが従来から知られている。
特許文献1に記載された動力伝達装置においては、入力軸の偏心軸部に第1外歯車と第2外歯車を設け、第1外歯車を同軸上に固定した第1内歯車に振れ回りするように噛み合わせ、入力軸と同軸上に配置された出力軸に第2内歯車を設け、その第2内歯車に第2外歯車を振れ回りするように噛み合わせて、第1および第2外歯車の公転運動を第2内歯車の自転運動として伝達し、この第2内歯車の自転運動を出力軸に取り出すようにしている。
また、特許文献2に記載された動力伝達装置においては、入力軸の偏心軸部に設けた外歯車を同軸上に固定した内歯車に振れ回りするように噛み合わせ、この入力軸側の外歯車の端面部と出力軸の端面部とに複数の円形の凹部を設け、これらの凹部間に鋼球を配置して、内歯車の自転運動を出力軸に伝達するようにしている。なお、内歯車の振れ回りを許容するために、一方の円形の凹部は鋼球が移動できるように大径に形成され、他方の凹部は鋼球が固定されるように鋼球とほぼ等径に形成されている。
ところで、特許文献1に記載された動力伝達装置は、摺動部分を有するオルダム継手等を用いずに、歯車の噛み合いのみで入力軸の回転力を出力軸に効率よく伝達できるが、入力軸の偏心軸部に2つの外歯車を設け、これらの外歯車と噛み合う2つの内歯車を固定部と出力軸に設ける必要があるので、構成が複雑で高価なものとなる問題がある。
また、特許文献2に記載された動力伝達装置においては、互いに噛み合う内歯車と外歯車とからなる比較的簡単な構成であるが、鋼球を凹部に係止する継手を用い、鋼球とほぼ等径の他方の凹部で固定される鋼球が摺動するので、摩擦による回転抵抗が大きく、動力伝達効率が低いという問題がある。
この発明の課題は、歯車の噛み合いのみで効率よく回転力を伝達でき、かつ、簡単な構成で安価な動力伝達装置および動力出力装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明に係る動力伝達装置おいては、外輪と、
その外輪の内部に挿入されて相対的に回転自在に支持され、外輪内部に位置する箇所に偏心軸部が設けられた第1軸と、前記外輪の内部に挿入されて前記第1軸と同軸に配置され、かつ回転自在に支持された第2軸と、前記偏心軸部に回転自在に支持された第1歯車と、前記外輪または前記第2軸に設けられ、前記第1歯車に対して歯数差のある第2歯車と、前記外輪と前記第2軸のうち前記第2歯車が設けられていない側の部材と第1歯車の相互間に設けられ、偏心軸部を中心とする第1歯車の自転運動を阻止して、その第1歯車に第1軸を中心とする公転運動のみを行わせる自転運動阻止手段とからなり、前記自転運動阻止手段が、前記外輪と前記第2軸のうち前記第2歯車が設けられていない側の部材の前記第1歯車の側面と対向する面に対向一対のリング状の第2プレートが取付けられ、その一対の第2プレート間に配置された第1プレートが第1歯車に連結され、その第1プレートの両側面と一対の第2プレートの第1プレートと対向する面のそれぞれに、ボールの軌道円直径が偏心軸部の偏心量に等しくなるようボールを円運動可能に案内する対向一対のボール案内凹部が周方向に間隔をおいて形成され、かつ、第1プレート側のボール案内凹部が第2プレート側のボール案内凹部に対して偏心軸部の偏心量に相当する寸法だけ偏心軸部の偏心方向に位置をずらして設けられ、その対向一対のボール案内凹部間に、各ボール案内凹部に沿って転動可能なボールが組込まれた構成から成るものを採用したのである。
その外輪の内部に挿入されて相対的に回転自在に支持され、外輪内部に位置する箇所に偏心軸部が設けられた第1軸と、前記外輪の内部に挿入されて前記第1軸と同軸に配置され、かつ回転自在に支持された第2軸と、前記偏心軸部に回転自在に支持された第1歯車と、前記外輪または前記第2軸に設けられ、前記第1歯車に対して歯数差のある第2歯車と、前記外輪と前記第2軸のうち前記第2歯車が設けられていない側の部材と第1歯車の相互間に設けられ、偏心軸部を中心とする第1歯車の自転運動を阻止して、その第1歯車に第1軸を中心とする公転運動のみを行わせる自転運動阻止手段とからなり、前記自転運動阻止手段が、前記外輪と前記第2軸のうち前記第2歯車が設けられていない側の部材の前記第1歯車の側面と対向する面に対向一対のリング状の第2プレートが取付けられ、その一対の第2プレート間に配置された第1プレートが第1歯車に連結され、その第1プレートの両側面と一対の第2プレートの第1プレートと対向する面のそれぞれに、ボールの軌道円直径が偏心軸部の偏心量に等しくなるようボールを円運動可能に案内する対向一対のボール案内凹部が周方向に間隔をおいて形成され、かつ、第1プレート側のボール案内凹部が第2プレート側のボール案内凹部に対して偏心軸部の偏心量に相当する寸法だけ偏心軸部の偏心方向に位置をずらして設けられ、その対向一対のボール案内凹部間に、各ボール案内凹部に沿って転動可能なボールが組込まれた構成から成るものを採用したのである。
上記の構成からなる動力伝達装置において、第2歯車を第2軸に設け、第2プレートを外輪に固定した動力伝達装置においては、外輪を固定した状態において、第1軸の回転によって偏心軸部を偏心回転させると、その偏心軸部に支持された第1歯車が第1軸を中心として偏心回転する。このとき、第1歯車は自転運動阻止手段によって偏心軸部を中心として自転するのが防止されているため、第1歯車は第1軸を中心に公転し、その第1歯車の公転運動は第2歯車に伝達され、第2歯車が第1歯車の1公転当たり、第1歯車との歯数差分だけ自転して第2軸に伝達されることになり、第1軸に入力される動力を第2軸に減速して伝達することができる。
ここで、第1歯車が内歯車とされ、第2歯車が外歯車とされて、第1歯車の歯数が第2歯車の歯数より多い場合、第2歯車は第1歯車との歯数差分だけ公転方向と逆方向に自転する。一方、第1歯車が外歯車とされ、第2歯車が内歯車とされて、第1歯車の歯数が第2歯車の歯数より少ない場合、第2歯車は第1歯車との歯数差分だけ公転方向と同方向に自転する。
また、第2軸を固定して第1軸を回転し、偏心軸部を偏心回転させると、第1歯車は固定状態の第2歯車の周囲を公転する。このとき、第1歯車と第2歯車は歯数が相違するため、第1歯車は1公転あたり第2歯車との歯数差分だけ第2歯車に対して相対回転し、その回転が自転運動阻止手段を介して外輪に伝達されることになり、第1軸に入力される動力を外輪に減速して伝達することができる。
ここで、外歯車の外歯及び内歯車の内歯は、インボリュート歯形としてもよく、あるいは、外歯車の外歯をトロコイド曲線歯形とし、その外歯が噛合する内歯を外ピンとしてもよい。後者のように、外歯をトロコイド曲線歯形とし、内歯を外ピンとすることによって、噛み合い率を高めることができると共に、歯が折損することの少ない耐久性に優れた動力伝達装置を得ることができる。
上記動力伝達装置において、対向一対のボール案内凹部を周方向に等間隔に設けることにより、第1歯車に連結された第1プレートに負荷されるスラスト力をバランスよく支持することができる。ここで、ボール案内凹部は、円環状溝からなるものであってもよく、あるいは、円形凹部からなるものであってもよい。
また、一対の第2プレートの第1歯車側の第2プレートに複数の貫通孔を周方向に等間隔に設け、各貫通孔に挿通された連結ピンにより第1歯車と第1プレートを連結することにより、余分な連結スペースを不要として動力伝達装置そのもののコンパクト化を図ることができると共に、第1歯車の自転運動をバランスよく阻止することができる。
上記の課題を解決するために、この発明に係る動力出力装置おいては、車体側に固定されるケーシングと、そのケーシングの内周に固定されたステータ内にロータを回転自在に設けた電動モータと、前記ロータの内部に組込まれてロータと一体に回転し、軸端部に偏心軸部が形成された入力輪と、その入力輪内に挿通されて回転自在に支持されたハブ軸と、前記偏心軸部に回転自在に支持された外歯車と、ケーシングまたはハブ軸に固定され、前記外歯車に対して歯数差のある内歯車と、前記ケーシングとハブ軸のうち内歯車が設けられていない側の部材と前記外歯車の相互間に設けられて外歯車の公転運動を吸収して、外歯車の自転運動をハブ軸に伝達するトルク伝達手段と、前記ハブ軸の軸端部に嵌合されて回り止めされ、車輪取付け用フランジを外周に有する出力輪と、車体側取付け用フランジを外周に有し、複列のボールを介して前記出力輪を回転自在に支持する外方部材とからなり、前記トルク伝達手段が、前記外歯車の側面に対向配置された対向一対のリング状の第2プレートがハブ軸とケーシングのうち内歯車が形成されていない側の部材に一体化され、その一対の第2プレート間に配置された第1プレートが外歯車に連結され、その第1プレートの両側面と一対の第2プレートの第1プレートと対向する面のそれぞれに、ボールの軌道円直径が偏心軸部の偏心量に等しくなるようボールを円運動可能に案内する対向一対のボール案内凹部が周方向に間隔をおいて形成され、かつ、第1プレート側のボール案内凹部が第2プレート側のボール案内凹部に対して偏心軸部の偏心量に相当する寸法だけ偏心軸部の偏心方向に位置をずらして設けられ、その対向一対のボール案内凹部間に、各ボール案内凹部に沿って転動可能なボールが組込まれた構成から成るものを採用したのである。
ここで、ボール案内凹部は、円環状溝からなるものであってもよく、あるいは、円形凹部からなるものであってもよい。
上記の構成からなる動力出力装置において、内歯車をケーシングに固定し、第2プレートをハブ軸に固定した動力伝達装置においては、ステータに対する通電によってロータを回転させると、そのロータと共に入力輪が回転し、その入力輪の軸端部に設けられた偏心軸部が偏心回転する。この偏心軸部の偏心回転により、その偏心軸部に支持された外歯車の外歯が内歯車の内歯と1つずつ噛み合いながら入力輪の回転軸心を中心に公転する。
このとき、外歯車の外歯の数は内歯車の内歯の数より少ないため、外歯車は入力輪の1回転当たりに、内歯車と外歯車の歯数差分だけ入力輪の回転方向と逆方向に自転し、その自転運動がトルク伝達手段を介してフランジに伝達され、ハブ軸およびそのハブ軸に固定された出力輪が減速回転する。
ここで、前記外歯車の外歯および内歯車の内歯はインボリュート歯形としてもよく、外歯車の外歯をトロコイド曲線歯形とし、内歯車の内歯を外ピンとしてもよい。後者のように、外歯車の外歯をトロコイド曲線歯形とし、内歯車の内歯を外ピンとすると、噛み合い率を高めることができると共に、歯が折損することの少ない耐久性に優れた動力出力装置を得ることができる。
上記動力出力装置において、入力輪に形成された偏心軸部を2つとし、各偏心軸部で外歯車を回転自在に支持し、各外歯車に噛合する内歯車のそれぞれをケーシングに固定し、前記ハブ軸と各外歯車の相互間にトルク伝達手段を設けると、入力輪の回転動力を2つの経路からハブ軸および出力輪に伝達することができ、1つの経路から伝達される回転動力の負荷を低減し、より安定して回転動力を伝達することができる。
ここで、上記2つの偏心軸部を周方向に180°位相をずらして設けると、偏心軸部の偏心回転によって発生する振動を互いに打ち消すことができるため、振動の発生の少ない動力出力装置を得ることができる。
この発明にかかる動力伝達装置においては、外輪に対して相対的に回転自在に支持された第1軸の偏心軸部に第1歯車を回転自在に設け、外輪またはその外輪に対して相対的に回転自在に支持された第2軸に、上記第1歯車と歯数差があって、その第1歯車と内外で噛合する第2歯車を設け、上記外輪と第2軸のうち第2歯車が設けられていない側の部材と第1歯車との間に、第1軸を中心とする第1歯車の公転時に、その第1歯車が偏心軸部を中心として自転するのを阻止する自転運動阻止手段を設けたことにより、第1軸に入力される動力を第2軸と外輪の一方に減速して伝達することができる。
また、外輪と第2軸のうち第2歯車が設けられていない側の部材と第1歯車との間に自転運動阻止手段を設けたことにより、第1歯車と第2歯車の噛み合いのみで第1軸の動力を減速して第2軸と外輪の一方に効率よく伝達することができ、部品点数の少ない簡単な構成の動力伝達装置を得ることができる。
さらに、第1歯車の公転時、ボールは2つのボール案内凹部に沿って転がり運動するため、摩擦損失が少なく、動力伝達効率の高い動力伝達装置を得ることができる。
この発明に係る動力出力装置においては、ロータの回転により内歯車と外歯車の一方をその歯数差分だけ自転させ、その自転運動をトルク伝達手段を介してハブ軸およびそのハブ軸に固定された出力輪に伝達するようにしたので、ステータおよびロータからなる電動モータの動力を大きな減速比でもって出力輪に出力することができる。
また、減速機構が、内歯車と外歯車とから成る部品点数の少ない構成であるため、小型、コンパクトな動力出力装置を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1乃至図7はこの発明に係る動力伝達装置の実施の形態を示す。図1および図2に示すように、第1歯車としての内歯車1が第1軸としての入力軸2の偏心軸部2aに針状ころ軸受3で回転自在に支持され、この内歯車1と噛み合う内歯車1よりも歯数の少ない第2歯車としての外歯車4が入力軸2と同軸上に配設された第2軸としての出力軸5に設けられており、入力軸2側の内歯車1が出力軸5側の外歯車4に振れ回りするようになっている。なお、第1軸としての入力軸2と第2軸としての出力軸5は、それぞれ端板6を有する外輪7に玉軸受8a、8bで回転自在に支持されている。
前記内歯車1は外歯車4側で開口する断面コの字形とされており、その内歯車1の側面と、この側面が対向する外輪7の端板6内面の相互間には、偏心軸部2aを中心とする内歯車1の自転運動を阻止して、その内歯車1に公転運動のみを行わせる自転運動阻止手段10が設けられている。
自転運動阻止手段10は、対向一対のリング状の第2プレート11a、11bと、その一対の第2プレート11a、11b間に設けられたリング状の第1プレート12とを有している。
一対の第2プレート11a、11bのうち、一方の第2プレート11bの外周には他方の第2プレート11aに向けて円筒部13が形成されている。この一対の第2プレート11a、11bは外輪7の開口端部に形成された大径孔部14内に嵌合されて入力軸2と同軸上の配置とされ、複数のピン15を介して外輪7の端板6に固定されている。
一方、第1プレート12は、偏心軸部2aと同軸上に配置され、複数の連結ピン16を介して内歯車1に連結されている。ここで、複数の連結ピン16のそれぞれは、一方の第2プレート11bに形成された複数の貫通孔17のそれぞれ内部に挿通されている。
図4(a)、(b)、(c)に示すように、第1プレート12の両側面には、複数の円環状溝からなるボール案内凹部18が偏心軸部2aを中心とする一つの円上に等間隔に形成されている。一方、一対の第2プレート11a、11bの上記第1プレート12と対向する面にも、図4および図5に示すように、上記ボール案内凹部18と同数の円環状溝からなるボール案内凹部19が入力軸2を中心とする一つの円上に等間隔に形成されている。
ここで、ボール案内凹部18、19のそれぞれは、その溝幅中心円の直径Rが、図1に示す偏心軸部2aの偏心量δと等しくされている。また、第1プレート12に形成されたボール案内凹部18は、第2プレート11a、11bのボール案内凹部19に対して偏心軸部2aの偏心量δに相当する寸法だけ偏心軸部2aの偏心方向に位置がずれる相対的な位置関係とされており、その径方向で位置ずれして軸方向で対向するボール案内凹部18、19の重なり部にボール20が組込まれている。このボール20は、各ボール案内凹部18、19のそれぞれに沿って転動自在とされている。
なお、ボール案内凹部18、19は円環状溝に限定されるものではない。例えば円形の凹部からなるものであってもよい。
実施の形態で示す動力伝達装置は上記の構造からなり、外輪7を固定した状態において、入力軸2に動力を入力して、その入力軸2を回転させると、偏心軸部2aが偏心回転し、これに伴って偏心軸部2aに支持された内歯車1も同様に偏心回転する。
内歯車1の偏心回転により、その内歯車1に連結された第1プレート12も内歯車1と共に回転し、ボール20は第1プレート12のボール案内凹部18および第2プレート11a、11bのボール案内凹部19のそれぞれに沿って転動し、その転動によって内歯車1は自転するのが阻止される。このため、内歯車1は入力軸2を中心として公転することになる。
上記内歯車1の公転により、その内歯車1は外歯車4の歯と一つずつ噛み合って、その外歯車4に動力を伝達する。このとき、外歯車4は、内歯車1の1公転当たり、内歯車1との歯数差分だけ内歯車1の公転方向と逆方向に回転することになり、その内歯車1と共に出力軸5が減速回転する。
ここで、内歯車1の歯数をZ1、外歯車4の歯数をZ2とすると、出力軸5の減速比は (Z1−Z2)/Z2で表すことができる。
外輪7を固定する上記のような使用においては、その外輪7が静止部材となるため、入力軸2に入力される動力を出力軸5にのみ減速して伝達することができる。
また、出力軸5を固定して入力軸2を回転し、偏心軸部2aを偏心回転させると、内歯車1は固定の状態とされた外歯車4の歯と一つずつ噛み合いつつ、その外歯車4の周囲を公転する。このとき、内歯車1と外歯車4は歯数差があるため、内歯車1は1公転あたり、外歯車4との歯数差分だけその外歯車4に対して相対回転し、その回転がボール案内凹部18、19間に組込まれたボール20を介して外輪7に伝達されることになり、外輪7が減速回転する。
このように、実施の形態で示す動力伝達装置においては、第1軸としての入力軸2に入力される動力を第2軸としての出力軸5にのみ減速して伝達したり、あるいは出力軸5と外輪7の一方に減速して伝達することができる。
また、内歯車1と外輪7の端板6間に、内歯車1の自転運動を阻止する自転運動阻止手段10を設けたことにより、内歯車1と外歯車4の噛み合いのみで入力軸2の動力を減速して出力軸5と外輪7の一方に効率よく伝達することができ、部品点数の少ない簡単な構成の動力伝達装置を得ることができる。
さらに、内歯車1の公転時、ボール20は2つの円環状のボール案内凹部18、19のそれぞれに沿って転がり運動するため、摩擦損失が少なく、動力伝達効率の高い動力伝達装置を得ることができる。
実施の形態では、入力軸2の偏心軸部2aに内歯車1を回転自在に設け、出力軸5に外歯車4を設けたが、入力軸2の偏心軸部2aに外歯車を回転自在に設け、出力軸5に内歯車を設けるようにしてもよい。この場合、外歯車と外輪の端板間に自転運動阻止手段10を設けるようにする。
上記のように、入力軸の偏心軸部に外歯車を設け、出力軸に内歯車を設けた動力伝達装置においては、外輪を固定して入力軸を回転すると、出力軸は、入力軸の1回転当たり(外歯車の1公転当たり)に外歯車と内歯車の歯数差分だけ入力軸と同方向に回転することになり、入力軸に入力される動力を出力軸に減速して伝達することができる。
実施の形態では、各プレート11a、11b、12のそれぞれに複数のボール案内凹部18、19を同一円周上に設け、各ボール案内凹部18、19間に1つずつボール20を介在させたが、これらのボール案内凹部18、19は必ずしも同一円周上に設ける必要はない。
実施の形態で示すように、各プレート11a、11b、12の同一円周上にボール案内凹部18、19を等間隔に形成し、第2プレート11a、11bを入力軸2と同軸上に配置して外輪7に固定し、第1プレート12を偏心軸部2aと同軸上に配置して内歯車1に連結することによって、対向一対のボール案内凹部18、19を偏心軸部2aの偏心量に相当する量だけ偏心軸部2aの偏心方向に位置をずらして対向配置させることができる。
図2では、内歯車1の内歯および外歯車4の外歯をインボリュート歯形としたが、図7に示すように、外歯車4の外歯4aをトロコイド曲線歯形とし、内歯車1の内歯1aを外ピンとしてもよい。
図7に示すように、外歯車4の外歯4aをトロコイド曲線歯形とし、内歯車1の内歯1aを外ピンとすると、噛み合い率を高めることができると共に、歯が折損することの少ない耐久性に優れた動力伝達装置を得ることができる。
さらに、図1に示す実施の形態では、偏心軸部2aによって内歯車1を回転自在に支持し、出力軸5に外歯車4を設け、外輪7に対向一対の第2プレート11a、11bを固定したが、偏心軸部2aによって外歯車を回転自在に支持し、外輪7の内周にその外歯車より歯数の多い内歯車を設け、出力軸5に対向一対の第2プレートを固定し、その第2プレート間に設けた第1プレートを上記外歯車に連結するようにしてもよい。
図8乃至図10は、この発明に係る動力出力装置を示す。図示のように、車体としてのナックル30のインボード側にはケーシング31が設けられている。このケーシング31は後述する外方部材32のフランジ32aにボルト33の締付けにより固定され、その内部には電動モータ34が組込まれている。
電動モータ34は、ケーシング31の内径面に取付けられたステータ35と、そのステータ35の内側に組込まれたロータ36とからなり、上記ステータ35に対する電力の供給によってロータ36が回転するようになっている。
ロータ36の内側には入力輪37が嵌合されてロータ36と一体化されている。入力輪37は、ロータ36の内径面に嵌合される外筒部37aと、内筒部37bを有し、上記内筒部37bの両端部に偏心軸部38a、38bが形成されている。この2つの偏心軸部38a、38bは周方向に180°位相がずれ、各偏心軸部38a、38bの外側に針状ころ軸受39を介して外歯車40a、40bが回転自在に支持されている。
外歯車40a、40bのそれぞれの外側には内歯車41a、41bが設けられている。内歯車41a、41bは、その一方の端部が入力輪37の外筒部37aと内筒部37b間に位置するようにして入力輪37と同軸上の配置とされ、上記入力輪37の側面から外部に位置する外側端に外向きの鍔42が形成され、その鍔42がケーシング31の端板31aに固定されている。
図9に示すように、外歯車40a、40bの外歯43および内歯車41a、41bの内歯44はインボリュート歯形からなり、上記外歯43の歯数は内歯44の歯数より少なく、一部において内歯44と噛合している。
図8に示すように、内歯車41a、41bの内側端部と入力輪37の内筒部37b間にはシール部材45が設置されており、ステータ35のコイル部分への潤滑油の漏れを防いでいる。
入力輪37の内側にはハブ軸46が挿入され、そのハブ軸46と入力輪37とは、各偏心軸部38a、38bの内側に組込まれた転がり軸受47によって相対的に回転自在に支持されている。
ハブ軸46と外歯車40a、40bの相互間には、外歯車40a、40bの公転運動を吸収して、外歯車40a、40bの自転運動をハブ軸46に伝達するトルク伝達手段50が設けられている。
図10は、外歯車40aの自転運動をハブ軸46に伝達するトルク伝達手段50を示す。このトルク伝達手段50は、対向一対のリング状の第2プレート51a、51bをハブ軸46の端部に設けられた小径軸部46aに嵌合して、その小径軸部46aにねじ係合されたナット52の締付けにより固定し、その一対の第2プレート51a、51b間に配置された第1プレート53を、一方の第2プレート51bに形成された複数の貫通孔54のそれぞれに挿通された連結ピン55を介して外歯車40aに連結している。
また、第1プレート53の両側面と、一対の第2プレート51a、51bの第1プレート53と対向する面のそれぞれに内径が偏心軸部38aの偏心量δ2に等しくされた対向一対の円形凹部からなるボール案内凹部56、57を周方向に間隔をおいて設けると共に、第1プレート側のボール案内凹部56を第2プレート51a、51b側のボール案内凹部57に対して偏心軸部38aの偏心量δ2に相当する寸法だけ偏心軸部38aの偏心方向に位置をずらして設け、その対向一対のボール案内凹部56、57間に、各ボール案内凹部56、57に沿って転動可能なボール58を組込んだ構成としている。
上記ボール案内凹部56、57は、円形凹部に変えて、図4に示すような円環状溝を採用するようにしてもよい。
なお、外歯車40bの自転運動をハブ軸46に伝達するトルク伝達手段50は、図10に示すトルク伝達手段50と同一の構成であり、一方の第2プレート51aをハブ軸46に一体的に設けている点でのみ相違している。このため、同一の部品には同一の符号を付して、説明を省略する。
図8に示すように、ハブ軸46のアウトボード側の端部には出力輪60が嵌合されている。出力輪60は、ハブ輪61と、軸受内輪62とからなり、軸受内輪62は端部に筒部62aを有し、その筒部62aがハブ輪61内に嵌合され、内径部から拡径加締めによりハブ輪61に一体化されている。一方、ハブ輪61の外周には車輪取付け用フランジ63が形成され、その車輪取付け用フランジ63に車輪固定用のボルト64が取付けられている。
上記出力輪60は、軸受内輪62の筒部62aとハブ軸46がスプライン64により結合されてハブ軸46と一体に回転するようになっている。また、出力輪60は、ハブ軸46の軸端部のねじ軸46bにねじ係合したナット65の締付けによりハブ軸46に固定されている。
出力輪60の外側には外方部材32が設けられ、その外方部材32と出力輪60との間に組込まれた複列のボール66によって出力輪60は回転自在に支持されている。
外方部材32は、外周に車体取付け用フランジ32aを有し、その車体取付け用フランジ32aはナックル30のアウトボード側の側面に衝合されて、ボルト68の締付けによりナックル30に固定されている。そして、その車体取付け用フランジ32aに前述のケーシング31が固定されている。
実施の形態で示す動力出力装置は上記の構造からなり、図8に示す電動モータ34のステータ35のコイルに対する電力の供給によってロータ36を回転させると、そのロータ36と共に入力輪37が回転し、偏心軸部38a,38bが偏心回転する。
上記偏心軸部38a,38bの偏心回転により、その偏心軸部38a,38bで支持された外歯車40a、40bも偏心回転し、外歯車40a、40bの外歯43は内歯車41a、41bの内歯44と1つずつ噛み合いながらハブ軸46を中心に回転する。
このとき、外歯車40a、40bの外歯43の歯数は内歯車41a、41bの内歯44の歯数より少ないため、外歯車40a、40bは内歯車41a、41bとの歯数差分だけ入力輪37の回転方向と逆方向に自転する。
このとき、第1プレート53も外歯車40a、40bと共に回転して、その第1プレート53に形成されたボール案内凹部56が振れ回り、ボール58はそのボール案内凹部56および第2プレート51a、51bのボール案内凹部57のそれぞれに沿って転動することになり、そのボール58を介して外歯車40a、40bが自転し、その自転運動は連結ピン55を介して第2プレート51a、51bに伝達され、ハブ軸46および出力輪60が減速回転する。
ここで、内歯車41a、41bの内歯44の歯数をZ1、外歯車40a、40bの外歯43の歯数をZ2とすると、減速比は、(Z1−Z2)/Z2で表すことができる。
このように、図8乃至図10に示す動力出力装置においては、ロータ36と一体に回転する入力輪37の回転により固定の内歯車41a、41bに噛合する外歯車40a、40bが上記入力輪37の1回転当たりに内歯車41a、41bと外歯車40a、40bの歯数差分だけ自転し、その自転運動がトルク伝達手段50の連結ピン55および第2プレート51a、51bを介してハブ軸46および出力輪60に伝達されるため、ステータ35およびロータ36からなる電動モータ34の回転を大きな減速比でもって出力輪60に出力することができる。
また、減速機構が、内歯車41a、41bと外歯車40a、40bとから成る部品点数の少ない構成であるため、小型、コンパクトな動力出力装置を得ることができる。実施の形態で示すように、入力輪37に外筒部37aと内筒部37bを設け、その外筒部37aと内筒部37b間に内歯車41a、41bの一部を収容させるようにすることによって、動力出力装置の軸方向長さのよりコンパクト化を図ることができる。
上述の動作説明では、電動モータ34に電力を供給して電動モータ34を駆動し、その電動モータ34からの動力を車輪が取り付けられる出力輪60に伝達したが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときには、車輪からの動力を減速部で高回転低トルクに変換して電動モータ34に伝達し、電動モータ34で発電してもよい。さらに、ここで発電した電力は、バッテリィに一時蓄電した後に電動モータ34や車両に備えられた他の電気機器に用いてもよい。
図8では、外歯車40a、40bの外歯43および内歯車41a、41bの内歯44をインボリュート歯形としたが、図7に示す場合と同様に、外歯車40a、40bの外歯43をトロコイド曲線歯形とし、内歯車41a、41bの内歯44を外ピンとしてもよい。
図8乃至図10に示す実施の形態では、ケーシング31に内歯車41a、41bを固定し、外歯車40a、40bとハブ軸46との間にトルク伝達手段50を設けたが、ハブ軸46に内歯車を設け、外歯車40a、40bとケーシング31との間にトルク伝達手段を設け、偏心軸部38a、38bの偏心回転により、内歯車を外歯車との歯数差分だけ自転させて、ハブ軸を共に回転させるようにしてもよい。
1 内歯車(第1歯車)
2 入力軸(第1軸)
2a 偏心軸部
3 針状ころ軸受
4 外歯車(第2歯車)
5 出力軸(第2軸)
6 端板
7 外輪
10 自転運動阻止手段
11a 第2プレート
11b 第2プレート
12 第1プレート
16 連結ピン
17 貫通孔
18 ボール案内凹部
19 ボール案内凹部
20 ボール
31 ケーシング
32 外方部材
32a 車体取付け用フランジ
34 電動モータ
35 ステータ
36 ロータ
37 入力輪
38a 偏心軸部
38b 偏心軸部
40a 外歯車
40b 外歯車
41a 内歯車
41b 内歯車
46 ハブ軸
50 トルク伝達手段
51a 第2プレート
51b 第2プレート
53 第1プレート
56 ボール案内凹部
57 ボール案内凹部
58 ボール
60 出力輪
63 車輪取付け用フランジ
67 車体取付け用フランジ
2 入力軸(第1軸)
2a 偏心軸部
3 針状ころ軸受
4 外歯車(第2歯車)
5 出力軸(第2軸)
6 端板
7 外輪
10 自転運動阻止手段
11a 第2プレート
11b 第2プレート
12 第1プレート
16 連結ピン
17 貫通孔
18 ボール案内凹部
19 ボール案内凹部
20 ボール
31 ケーシング
32 外方部材
32a 車体取付け用フランジ
34 電動モータ
35 ステータ
36 ロータ
37 入力輪
38a 偏心軸部
38b 偏心軸部
40a 外歯車
40b 外歯車
41a 内歯車
41b 内歯車
46 ハブ軸
50 トルク伝達手段
51a 第2プレート
51b 第2プレート
53 第1プレート
56 ボール案内凹部
57 ボール案内凹部
58 ボール
60 出力輪
63 車輪取付け用フランジ
67 車体取付け用フランジ
Claims (12)
- 外輪と、
前記外輪の内部に挿入されて相対的に回転自在に支持され、外輪内部に位置する箇所に偏心軸部が設けられた第1軸と、
前記外輪の内部に挿入されて前記第1軸と同軸に配置され、かつ回転自在に支持された第2軸と、
前記偏心軸部に回転自在に支持された第1歯車と、
前記外輪または前記第2軸に設けられ、前記第1歯車に対して歯数差のある第2歯車と、
前記外輪と前記第2軸のうち前記第2歯車が設けられていない側の部材と第1歯車の相互間に設けられ、偏心軸部を中心とする第1歯車の自転運動を阻止して、その第1歯車に第1軸を中心とする公転運動のみを行わせる自転運動阻止手段とからなり、
前記自転運動阻止手段が、
前記外輪と前記第2軸のうち前記第2歯車が設けられていない側の部材の前記第1歯車の側面と対向する面に対向一対のリング状の第2プレートが取付けられ、その一対の第2プレート間に配置された第1プレートが第1歯車に連結され、その第1プレートの両側面と一対の第2プレートの第1プレートと対向する面のそれぞれに、ボールの軌道円直径が偏心軸部の偏心量に等しくなるようボールを円運動可能に案内する対向一対のボール案内凹部が周方向に間隔をおいて形成され、かつ、第1プレート側のボール案内凹部が第2プレート側のボール案内凹部に対して偏心軸部の偏心量に相当する寸法だけ偏心軸部の偏心方向に位置をずらして設けられ、その対向一対のボール案内凹部間に、各ボール案内凹部に沿って転動可能なボールが組込まれた構成から成る動力伝達装置。 - 前記第2歯車が第2軸に設けられ、前記第2プレートが外輪に固定された請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記第2歯車が外輪に固定され、前記第2プレートが第2軸に設けられた請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記第1歯車の歯および第2歯車の歯がインボリュート歯形からなる請求項1乃至3のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記第1歯車の歯と前記第2歯車の歯の一方の歯がトロコイド曲線歯形からなり、他方の歯がピンからなる請求項1乃至3のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記対向一対のボール案内凹部が周方向に等間隔に設けられた請求項1乃至5のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記一対の第2プレートの第1歯車側の第2プレートに複数の貫通孔が周方向に等間隔に設けられ、各貫通孔に挿通された連結ピンにより第1歯車と第1プレートが連結された請求項1乃至6のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 車体側に固定されるケーシングと、
前記ケーシングの内周に固定されたステータ内にロータを回転自在に設けた電動モータと、
前記ロータの内部に組込まれてロータと一体に回転し、軸端部に偏心軸部が形成された入力輪と、
前記入力輪内に挿通されて回転自在に支持されたハブ軸と、
前記偏心軸部に回転自在に支持された外歯車と、
ケーシングまたはハブ軸に固定され、前記外歯車に対して歯数差のある内歯車と、
前記ケーシングとハブ軸のうち内歯車が設けられていない側の部材と前記外歯車の相互間に設けられて外歯車の公転運動を吸収して、外歯車の自転運動をハブ軸に伝達するトルク伝達手段と、
前記ハブ軸の軸端部に嵌合されて回り止めされ、車輪取付け用フランジを外周に有する出力輪と、
車体側取付け用フランジを外周に有し、複列のボールを介して前記出力輪を回転自在に支持する外方部材とからなり、
前記トルク伝達手段が、
前記外歯車の側面に対向配置された対向一対のリング状の第2プレートがハブ軸とケーシングのうち内歯車が設けられていない側の部材に一体化され、その一対の第2プレート間に配置された第1プレートが外歯車に連結され、その第1プレートの両側面と一対の第2プレートの第1プレートと対向する面のそれぞれに、ボールの軌道円直径が偏心軸部の偏心量に等しくなるようボールを円運動可能に案内する対向一対のボール案内凹部が周方向に間隔をおいて形成され、かつ、第1プレート側のボール案内凹部が第2プレート側のボール案内凹部に対して偏心軸部の偏心量に相当する寸法だけ偏心軸部の偏心方向に位置をずらして設けられ、その対向一対のボール案内凹部間に、各ボール案内凹部に沿って転動可能なボールが組込まれた構成から成る動力出力装置。 - 前記入力輪に形成された偏心軸部が2つとされ、各偏心軸部で外歯車が回転自在に支持され、各外歯車に噛合する内歯車のそれぞれがケーシングまたはハブ軸に固定され、そのケーシングとハブ軸のうち内歯車が設けられていない側の部材と各外歯車の相互間に前記トルク伝達手段が設けられた請求項8に記載の動力出力装置。
- 前記2つの偏心軸部が、周方向に180°位相をずらして設けられた請求項8又は9に記載の動力出力装置。
- 前記内歯車がケーシングに固定され、第2プレートがハブ軸に固定された請求項8乃至10のいずれかに記載の動力出力装置。
- 前記内歯車がハブ軸に固定され、前記第2プレートがケーシングに固定された請求項8乃至10のいずれかに記載の動力出力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006249260A JP2007107717A (ja) | 2005-09-14 | 2006-09-14 | 動力伝達装置および動力出力装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005267057 | 2005-09-14 | ||
JP2006249260A JP2007107717A (ja) | 2005-09-14 | 2006-09-14 | 動力伝達装置および動力出力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=38033725
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JP2006249260A Pending JP2007107717A (ja) | 2005-09-14 | 2006-09-14 | 動力伝達装置および動力出力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007107717A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1983585A2 (en) | 2007-04-17 | 2008-10-22 | Mitsumi Electric Co., Ltd. | Driving device capable of improving a shock and vibration resistance thereof |
CN111853168A (zh) * | 2020-08-28 | 2020-10-30 | 许昌学院 | 一种内置行星齿轮减速器 |
WO2022065106A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 株式会社クボタ | 回転電機 |
CN114270074A (zh) * | 2019-09-05 | 2022-04-01 | 池田昌幸 | 齿轮变速装置 |
-
2006
- 2006-09-14 JP JP2006249260A patent/JP2007107717A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1983585A2 (en) | 2007-04-17 | 2008-10-22 | Mitsumi Electric Co., Ltd. | Driving device capable of improving a shock and vibration resistance thereof |
CN114270074A (zh) * | 2019-09-05 | 2022-04-01 | 池田昌幸 | 齿轮变速装置 |
CN114270074B (zh) * | 2019-09-05 | 2024-02-20 | 池田昌幸 | 齿轮变速装置 |
CN111853168A (zh) * | 2020-08-28 | 2020-10-30 | 许昌学院 | 一种内置行星齿轮减速器 |
WO2022065106A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 株式会社クボタ | 回転電機 |
JP7483912B2 (ja) | 2020-09-25 | 2024-05-15 | 株式会社クボタ | 回転電機 |
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