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JP2007198340A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

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JP2007198340A JP2006020482A JP2006020482A JP2007198340A JP 2007198340 A JP2007198340 A JP 2007198340A JP 2006020482 A JP2006020482 A JP 2006020482A JP 2006020482 A JP2006020482 A JP 2006020482A JP 2007198340 A JP2007198340 A JP 2007198340A
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Hideo Kashima
秀雄 加島
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Sanden Corp
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Abstract

【課題】低コストで、且つ簡単な制御だけで冷凍サイクルのハンチングを効果的に防止できる可変容量圧縮機を提供する。
【解決手段】シリンダブロックの他端側に区画された吐出室(70)とシリンダブロックの一端側に区画されたクランク室(20)との間を接続する連通路(86,88,90)と、連通路に介挿され、吐出室からクランク室への冷媒の流量を調整してピストン(58)のストローク長を制御する電磁弁(72)と、電磁弁の開度を調整する容量制御手段(98)とを備え、容量制御手段は、ピストンのストローク長が最小ストローク長近傍の所定の設定値に減少した場合には、ストローク長を設定値よりも小さな所定の固定値に保持すべく電磁弁の開度を調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、可変容量圧縮機に係り、詳しくは、車両用空調装置に適用される可変容量圧縮機に関する。
この種の可変容量型の圧縮機は、例えば自動車用空調システムの冷凍回路に適用され、循環管路の復路から吸入した冷媒を圧縮した後、循環管路の往路にその吐出量を制御しながら圧縮冷媒を吐出する斜板式圧縮機が知られている。この圧縮機は、冷媒吐出量の制御がクランク室内の圧力、即ちピストンの背圧を調整してそのストローク長を変化させることにより実行され、この圧力調整手段として、吐出室とクランク室との間を接続する連通路及びこの連通路に冷媒の吐出容量制御を実施すべく介挿された容量制御弁を有し、この弁は、吸入室から延びる感圧連通路に繋がって冷媒の吸入圧力にも感応して駆動される。
このような制御弁は、吐出室からの圧縮冷媒の流れを制御するとともに、吸入室からの冷媒の圧力にも感応して駆動されるため、吐出圧力及び吸入圧力の変動を受けて、制御弁の弁体が振動を生じやすい。この弁体の振動は、クランク室の圧力、つまりピストンの背圧の変動を引き起こし、ピストンのストローク長が変動して吐出容量の変動をきたし、ひいては冷凍サイクル全体のハンチングを引き起こす。そこで、ピストンストロークに対応して変位する部材を設け、この部材の変位信号によりハンチングを検知し、斜板の傾斜角を直接制御してハンチングを抑える技術がある(特許文献1)。また、ハンチングを伴う不安定な制御状態に陥ったときには、制御動特性の試験を自動的に行って制御ゲインを補正する制御方法も知られている(特許文献2)。
特開平5−231311号公報 特開昭63−284018号公報
しかしながら、上記公報の可変容量圧縮機は、生じたハンチングを機構的、制御的に抑え込むことのみに拘泥し、ハンチングが起こるプロセスとして吐出圧力及び吸入圧力の変動以外に可変容量型の圧縮機特有の問題があるにも拘らず、この点についての考慮がなされていないため、ハンチング防止のための制御域が不要に広くなるとの問題がある。
しかも、圧縮機の構造を変更し、制御装置を新たに設置する必要があるため、コスト高となる上制御の複雑化を招き、汎用性にも欠けるとの問題もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、低コストで、且つ簡単な制御だけで冷凍サイクルのハンチングを効果的に防止できる可変容量圧縮機を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の可変容量圧縮機は、シリンダブロックの一端側に区画されたクランク室と、シリンダブロック内に形成され、冷媒の圧縮が行われるシリンダボアと、シリンダボアに摺動自在に嵌合されたピストンと、シリンダブロックの他端側に区画された吐出室とを具備した可変容量圧縮機において、吐出室とクランク室との間を接続する連通路と、連通路に介挿され、吐出室からクランク室への冷媒の流量を調整してピストンのストローク長を制御する電磁弁と、電磁弁の開度を調整する容量制御手段とを備え、容量制御手段は、ピストンのストローク長が最小ストローク長近傍の所定の設定値に減少した場合には、ストローク長を設定値よりも小さな所定の固定値に保持すべく電磁弁の開度を調整することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、固定値は、最小ストローク長であることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、圧縮機の外部からの情報を検知する外部情報検知手段を備え、容量制御手段は、外部情報検知手段から検知された信号に応じて、ストローク長の保持を解除することを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、冷媒は、二酸化炭素であることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の可変容量圧縮機によれば、ピストンのストローク長が最小ストローク長近傍に減少すると、更に小さなストローク長に固定されるため、簡単な制御でハンチングを確実に且つ効果的に防止できる。
また、請求項2記載の発明によれば、ピストンのストローク長を最小ストローク長に固定することにより、燃費効率の悪い容量制御域を極力使用しないこととなって車両の燃費がより向上する。
更に、請求項3記載の発明によれば、最小ストローク長に固定されていても、外部からの情報に応じて通常の容量制御に復帰できるため、圧縮機の容量制御を必要に応じて適切に実施可能となる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、特に高圧で作動する二酸化炭素冷媒を用いた圧縮機では、吸入圧力及び吐出圧力の変動でより生じやすいハンチングを効果的に防止すすることができる。
図1は、一実施例の可変容量型の斜板式圧縮機10を示しており、この圧縮機10は、例えば、車両用空調装置の冷媒回路に適用される。
圧縮機10はシリンダブロック12を備え、シリンダブロック12はその一端側から軸線方向に延びる外周壁14を有する。外周壁14の開口端には、締結ボルト16を用いてボトムカバー18が気密に取り付けられ、シリンダブロック12とボトムカバー18との間にはクランク室20が区画される。
クランク室20内には、主軸22が配置され、主軸22は、軸受24,26を介してシリンダブロック12及びボトムカバー18に回転自在に支持されている。主軸22の一端は、ボトムカバー18の小径部を通じて外部に突出し、ソレノイド28を内蔵した電磁クラッチ30に連結されている。電磁クラッチ30は、球軸受32を介してボトムカバー18の小径部に回転自在に支持される一方、その外周にプーリ34を有する。
また、クランク室20内には、主軸22によって貫通された環状の斜板36が収容され、斜板36は、傾動ユニットを介して主軸22とともに一体的に回転可能であるとともに、主軸22に対して傾動可能である。より詳しくは、斜板36は円筒状のチルトロータ38に嵌合されている。チルトロータ38は、その内側に配置されたスリーブ40に対してピン42を用いて傾動自在に連結され、スリーブ40は主軸22に対して外側から往復動自在に嵌合している。スリーブ40とボトムカバー18との間には、付勢バネ44を挟んでベースロータ46が設けられ、ベースロータ46は主軸22に対して傾動不能に固定されている。チルト及びベースロータ38,46の双方は、ピン42の軸線方向と直交する周方向位置にて他方の側に立ち上がるアーム部48,50が設けられ、これらアーム部48,50の先端に形成された係合孔52及び係合突起54を介して互いに連結されている。ここで、係合突起54は、ピン42と平行に延び、係合孔52は、主軸22に対するチルトロータ38の傾動及び往復動を許容すべく、長円形状をなしている。
クランク室20に隣接したシリンダブロック12には、複数のシリンダボア56が形成され、これらシリンダボア56は、シリンダブロック12を軸線方向に貫通するとともに、周方向に等間隔を存して配置されている。各シリンダボア56内には、ピストン58が摺動自在に嵌合され、これらピストン58の一端は、そのシリンダボア56からクランク室20内に突出している。ピストン58の突出端にはテール部60が形成され、テール部60は、一対のシュー62を介して斜板36の外周縁を摺動自在に挟んでいる。
シリンダブロック12の他端面には、バルブプレート64を介してシリンダヘッド66が締結ボルト16を用いて気密に固定されている。シリンダヘッド66は、バルブプレート64に向けて開口したカップ形状をなし、シリンダヘッド66内には吸入室68及び吐出室70と、後述する電磁制御弁(電磁弁)72を収容するための制御弁室74が区画されている。
吸入室68は、バルブプレート64に形成された複数の吸入孔76を介して各シリンダボア56に連通し、各吸入孔76はシリンダボア56側から吸入リード弁(図示せず)により開閉される。そして、吸入室68は、バルブプレート64に形成された固定絞り78を介してクランク室20と常時連通している。
吐出室70は、バルブプレート64に形成された複数の吐出孔80を介して各シリンダボア56に連通し、各吐出孔80はリード弁体82及び弁押さえ84からなる吐出リード弁により吐出室70側から開閉される。なお、図1中、出力側連通路(連通路)88が、これらリード弁体82及び弁押さえ84を貫通しているが、作図の都合上であって実際とは異なる。
また、シリンダヘッド66には、吐出室70と制御弁室74との間を連通する入力側連通路(連通路)86が形成される一方、制御弁室74からバルブプレート64まで延びる出力側連通路88が形成されている。この出力側連通路88は、バルブプレート64及びシリンダブロック12を貫通して延びる貫通孔(連通路)90に接続され、これにより制御弁室74とクランク室20との間が連通されている。そして、電磁制御弁72を駆動させることにより、入力側連通路86と出力側連通路88との間を連結又は遮断することができる。
更に、シリンダヘッド66には、吸入室68と制御弁室74との間を延びる感圧連通路92が形成されており、電磁制御弁72は、吐出室70内の圧力変化によっても駆動され、入力側連通路86と出力側連通路88との間を連結又は遮断する。
以下、上述した圧縮機10の動作について説明する。
圧縮機10のプーリ34には、例えばエンジンからの動力を伝達するベルト(図示せず)が架け回され、電磁クラッチ30がオン作動されている間、プーリ40により主軸22が回転駆動される。この主軸22の回転に伴って、ベースロータ46及びチルトロータ38を介して斜板36も回転駆動され、この斜板36の回転運動は、シュー62を介してピストン58の往復動に変換される。そして、各ピストン58の往復動によって、吸入室68内の冷媒が吸入弁を介してシリンダボア56に吸入される吸入プロセスと、シリンダボア56内の冷媒が圧縮を経て吐出リード弁を介して吐出室70に吐出される圧縮/吐出プロセスとが交互に実施される。
そしてこの間、圧縮機10から吐出される圧縮冷媒の吐出容量は、電磁制御弁72を駆動することにより調整される。
より詳しくは、冷媒の吐出容量を減少させる場合には、電磁制御弁72を開作動させ、吐出室70から入力側連通路86及び出力側連通路88及び貫通孔90を通じてクランク室20へと圧縮冷媒の一部を供給する。これにより、クランク室20内の圧力(背圧)が、吸入室68内の圧力、即ち吸入プロセスを実行しているシリンダボア56内の圧力よりも大きくなると、そのピストン58に対して前方(バルブプレート64側)に向かう付勢力が加えられる。このためピストン58のストローク長が減少し、各シリンダボア56からの吐出室70内への圧縮冷媒の吐出容量が減少する。なお、ピストン58に加わる前方への付勢力はテール部60を介して斜板36にも伝達されるので、この付勢力によって、斜板36は、主軸22と直交する仮想面に対して平行に近づくように傾動される。
一方、冷媒の吐出容量を増大させる場合には、電磁制御弁72を閉作動させ、吐出室70からクランク室20への圧縮冷媒の供給を遮断する。ここで、クランク室20は固定絞り78を介して吸入室68と常時連通しているので、クランク室20内の圧力は徐々に吸入室68の圧力まで減少する。従って、ピストン58に加わる前方への付勢力が減少するので、ピストン58のストローク長が増大し、各シリンダボア56からの吐出室70内への圧縮冷媒吐出容量が増大する。なお、ピストン58に加わる前方への付勢力が減少するのに伴い、斜板36は、主軸22と直交する仮想面に対して傾斜するように傾動する。
なお、冷媒の吐出量が過剰となって、例えば蒸発器で気化した後の冷媒圧力が低くなり、吸入室68の圧力が極度に低下した場合、電磁制御弁72は、感圧連通路92を通じてこの圧力低下を感知し、自ら開作動する。これにより、クランク室20内に圧縮冷媒の一部が供給され、吐出容量が減少する。しかし、この電磁制御弁72の自律作動は吸入室68の圧力が極度に低下した場合にのみ行われる安全弁としての機能である。
このように、通常の圧縮機の運転では、電磁制御弁72を駆動する制御信号によってピストン58のストローク長、ひいては吐出容量が一義に決まる。
以下、上述した電磁制御弁72が制御される構成について説明する。
電磁制御弁72は、圧縮機10の総合的な制御を行う電子コントロールユニット(制御ECU)96からの出力信号によって作動する。制御ECU96は、電磁制御弁72の開度の目標値を演算し、この目標値に対応した制御信号、即ち制御電圧を決定する容量制御部(容量制御手段)98を備えている。容量制御部98は、圧縮機の吐出容量をつかさどる情報、例えばA/Cスイッチ(乗員が操作する空調装置のON/OFFスイッチ)、車室内温度を検出する温度センサ、圧縮機から吐出された冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力センサなどから構成される外部情報検知手段100からの信号に基づいて制御電圧を決定する。決められた制御電圧は、駆動回路94に出力され、電磁制御弁72が制御電圧に対応した開度で作動する。なお、電磁制御弁72は、制御電圧が増加すると閉作動し、制御電圧が減少すると閉作動する。この制御電圧と弁開度との関係は、何等かの原因で制御電圧の供給が途絶えても、弁開度が安全方向になるように考慮して決定される。本実施例の電磁制御弁72は、制御電圧が供給されないと全閉になるため、冷媒の吐出圧力が過剰に上昇したまま制御不能に陥ることはない。また、電磁制御弁72がパルス幅変調(PWM)方式におけるパルス信号を受けて駆動する方式の場合には、そのデューティ比(パルスオン時間とパルスオフ時間との比)を変更して電磁制御弁72の開度が調整される。
以下、容量制御部98で行われる容量制御について、図2のフローチャートを参照し、通常の容量制御、特別な容量制御の順で説明する。
通常の容量制御では、容量制御が開始されると、まずステップ1(以下S1と称し、他のステップも同様にステップはSと称する)において、電磁制御弁72の制御電圧の下限設定値E1を設定する(S1)。この下限設定値E1は、ハンチングが始まるときの電磁制御弁72の開度に対応した電圧値(例えば5V)であり、実験等で予め求められたものである。
次に、外部情報検知手段100の一つである吐出圧力センサで検知された吐出圧力が、予め設定された上限設定圧力Hより小さいか否か判定する(S2)。
ここで、吐出圧力が上限設定圧力Hより小さい場合には、制御電圧を増加させる(S3)。制御電圧を増加することにより、電磁制御弁72は閉作動してクランク室20内の圧力は吸入室68の圧力まで徐々に減少する。この結果、ピストン58のストローク長が大きくなるため吐出容量も増大し、ひいては吐出圧力が上昇する。こうして、吐出圧力が上限設定圧力Hを超えるまで、S2、S3のステップが順に繰り返し実行される。
一方、S2において、吐出圧力が上限設定圧力Hより大きい場合には、制御電圧が下限設定値E1より小さいか否かを判定する(S4)。ここで、制御電圧が下限設定値E1より小さい場合には、後述する特別な容量制御に入る。一方、制御電圧が下限設定値E1より大きい場合には、吐出圧力が上限設定値Hより大きいか否かを判定する(S5)。
ここで、吐出圧力が上限設定値Hより大きい場合には、制御電圧を減少させる(S6)。制御電圧を減少させたことにより、電磁制御弁72は開作動してクランク室20内の圧力がシリンダボア56内の圧力よりも大きくなる。この結果、ピストン58のストローク長が小さくなるため吐出容量は減少し、ひいては吐出圧力が減少する。こうして、吐出圧力が上限設定圧力Hを下回るまで、S4において制御電圧が下限設定値E1より小さくならない限り、S5、S6、S4のステップが順に繰り返し実行される。
一方、S5において、吐出圧力が上限設定値Hより小さい場合には、再びS2を経由した後、S3において制御電圧を増加させ、吐出容量、ひいては吐出圧力が増大する方向に制御される。
このように、通常の容量制御では、電磁制御弁72の制御電圧が下限設定値E1より小さくならない範囲内で増減され、S2、S3、又はS5、S6、S4のステップが順に繰り返し実行され、圧縮機10は上限設定値Hの吐出圧力近傍での運転を継続する。
次に、特別な容量制御について説明する。
S4で制御電圧が下限設定値E1より小さいと判定されたときは、制御電圧を下限設定値E1より小さい固定値E0に強制的に変更され、特別な容量制御が実行される(S7)。ここで、S2で吐出圧力が上限設定圧力Hより大きいと判定されたにもかかわらず、制御電圧が下限設定値E1より小さいということは、外部情報検知手段100を構成する吐出圧力センサ以外のセンサ類からの信号が影響している。例えば、乗員がA/CスイッチをOFFしたり、あるいは車室内の設定温度を上げたりすると、これらの信号を容量制御部98が受け、冷媒の吐出容量を小さくすべく制御電圧を減少させたものである。つまり、制御電圧が下限設定値E1より小さくなると、圧縮機10がより最小吐出容量に近い領域で運転される傾向にあることを意味している。
次に、吐出圧力が予め設定された下限設定値Lより小さいか否かを判定する(S8)。
ここで、吐出圧力が下限設定値Lより大きい場合には、再びS7に戻って制御電圧は固定値E0に固定される。こうして、S8において吐出圧力が下限設定値Lより小さくならない限り、S7、S8のステップが順に繰り返し実行され、制御電圧は固定値E0に一定に保持される。
一方、吐出圧力が下限設定値Lより小さいと判定された場合には、当初の制御電圧の下限設定値E1に強制的に復帰させる(S9)。そして、S2に戻って、前述した通常の容量制御に復帰する。
なお、吐出圧力の上限設定値H及び下限設定値Lは、本実施例の容量制御を実施したい範囲内で任意に設定可能である。また、本実施例では、吐出圧力センサからの検出圧力が下限設定値Lより小さくなることを条件として、特別な容量制御から通常の容量制御に復帰するようにしているが、この条件に外部情報検知手段100を構成する他のセンサの信号を使用してもよい。例えば、特別な容量制御を実行していても、車室温度センサにより検出された信号を用いて、車室温度が設定温度に追従しない場合に通常の容量制御に復帰させてもよい。また、特別な容量制御を実行している時間を積算し、この時間が予め設定された設定時間に達した場合に通常の容量制御に復帰するようにしてもよい。
以下、特別な容量制御が実行される場合における電磁制御弁72の制御電圧とピストン58のストローク長との関係を、図3(a)、(b)に基づいて説明する。図3(a)、(b)の太線部分は、本実施例の制御電圧とストローク長との関係であり、点線部分は従来の制御電圧とストローク長との関係を示している。
図3(a)に示されるように、ストローク長が制御電圧の下限設定値E1に対応するストローク長の設定値であるストローク長L1より小さくなると、圧縮機10が最小容量、つまり最小ストローク長Lminに近い領域で運転される傾向にあると判定され、制御電圧の下限設定値E1より小さい固定値E0に対応するストローク長の固定値であるストローク長L0に強制的に変更される。そして、吐出圧力が下限設定値Lより小さくならない限り、このストローク長L0を保持したまま一定の吐出容量で圧縮機10の運転が継続される。つまり、ストローク長が最小ストローク長Lmin近傍のL1からL0の領域(図3(a)の斜線で示す範囲)では、斜板36は主軸22と直交する仮想面に対して平行に近い傾斜角に保持される。
また、図3(b)に示されるように、制御電圧の固定値E0を最小ストローク長Lminに対応する制御電圧に設定すれば、ストローク長L1より小さくなると、ストローク長は最小ストローク長Lminに一定に保持されたまま最小容量で圧縮機10の運転が継続されることとなる。つまり、ストローク長がL1からLminの領域(図3(b)の斜線で示す範囲)では、斜板36は主軸22と直交する仮想面に対して最も平行に近づく傾斜角に保持される。
ところで、斜板36が主軸22と直交する仮想面に対して平行に近い状態、即ち主軸22の軸線方向の仮想面に対して斜板36が立つ状態は、上述したように、吸入プロセス実行時に吐出圧力の一部が供給されるクランク室20内の圧力が、吸入室68内の圧力よりも大きくなって、ピストン58に対して付勢力が加えられてストローク長が最小に近くなるために生じるものである。つまり、吐出圧力及び吸入圧力の圧力差でストローク長が小さくなって、結果的に斜板36が立つのである。
一方、斜板36は主軸22とともに傾斜しながら回転するため、斜板36には主軸22の回転方向に遠心力が作用する。この遠心力に基づいて、主軸22の軸線方向には斜板36が立とうとするジャイロ効果(例えば、回転するコマの原理)による力が作用する。この斜板36に対するジャイロ効果による力は、シュー62を介してピストン58に作用し、ピストン58のストローク長が小さくなるように働く。つまり、ピストン58は、吐出圧力及び吸入圧力の圧力差による力とジャイロ効果による力とがバランスしたところでそのストローク長を決定する。また、このジャイロ効果による力は、斜板36が立てば立つほど、つまり最小容量に近い領域に入るほど、小さくなり、ピストン58のストローク長は吐出圧力及び吸入圧力の圧力差により影響されやすくなる。このため、最小容量に近い領域、即ちストローク長が最小ストローク長近傍になると、斜板36は吐出圧力と吸入圧力との圧力差の些細な変動により吐出容量のハンチングを生じやすくなる。なお、このハンチングが生じやすい吐出容量の領域は、最大容量の50%以下から最小容量までの領域であることが本発明の発明者の実験で明らかとなっている。
このように、上述した本発明の容量制御では、最小容量に近い領域に入るとハンチングを生じやすい点に着目したものである。そして、ピストン58のストローク長が最小ストローク長近傍になると、電磁制御弁72の制御電圧をストローク長がより最小ストローク長に近い値に一定にすることにより、ピストン58のストローク長が最小ストローク長近傍で一定に保持される。これにより、既にある電磁制御弁72の制御電圧を固定するようにして、制御電圧とストローク長との関係を連続的に変化させない簡単な制御のみでハンチングを確実に防止できる。また、上記着目点を得たことにより、ハンチングを検知するための特別なセンサ類を設けなくても効果的にハンチングの防止が可能となる。
また、このような最小容量に近い領域で運転された場合、エンジンから圧縮機10に伝達されるエネルギは、圧縮機10から吐出されて冷房に使用される冷媒のエネルギに比して大幅に大きくなる。この運転条件では体積効率が悪化してエネルギ損失が大きくなり、車両の燃費効率が低下してしまう。一方、本発明では、最小容量に近づくとピストン58のストローク長が最小に固定されるため、燃費効率の悪い容量制御域を極力使用しないこととなって車両の燃費がより向上する。
更に、最小ストローク長に保持されていても、吐出圧力センサなどの外部情報検知手段100からの信号によりストローク長の保持が解除され、必要に応じて通常の容量制御に復帰することができる。よって、ハンチングの発生を防止しながら、圧縮機の容量制御を好適に実施可能となり、乗員の快適性を損なうことなく圧縮機を運転できる。なお、本実施例の吐出圧力センサの他に、外部情報検知手段100を構成する、例えば車室温度センサの信号や、特別な容量制御が実行される時間が予め設定された時間に達した場合等により、通常の容量制御に復帰しても同様の効果が得られる。
また、特に高圧で作動する二酸化炭素冷媒を用いた圧縮機においては、吸入圧力と吐出圧力との圧力差が大きくなってハンチングを生じやすいため、本発明の容量制御は多大な効果を発揮する。
以上で本発明の一実施例についての説明を終えるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施例では、S4からS7、S8からS9において、電磁制御弁72の制御電圧を、それぞれ固定値E0、下限設定値E1に即座に変更しているが、冷凍サイクルの急激な変動を回避するためにも徐々に変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、電磁制御弁72の制御電圧を制御するが、電磁制御弁72がパルス幅変調(PWM)方式におけるパルス信号を受けて駆動する方式の場合には、そのデューティ比を制御しても同様の効果が得られる。
更に、上記実施例では、圧縮機10を斜板式の可変容量圧縮機としたが、斜板と揺動板とピストンとを組み合わせた揺動板式圧縮機にも適用可能である。
本発明の一実施例の可変容量型の斜板式圧縮機の縦断面と電磁制御弁を駆動するシステム構成の概略を示す図である。 図1の容量制御部における容量制御のフローチャートである。 図1の電磁制御弁の制御電圧とピストンのストローク長との関係を示す図である。
符号の説明
10 可変容量圧縮機(斜板式圧縮機)
12 シリンダブロック
20 クランク室
56 シリンダボア
58 ピストン
70 吐出室
72 電磁制御弁(電磁弁)
86 入力側連通路(連通路)
88 出力側連通路(連通路)
90 貫通孔(連通路)
98 容量制御部(容量制御手段)
100 外部情報検知手段(吐出圧力センサ)

Claims (4)

  1. シリンダブロックの一端側に区画されたクランク室と、前記シリンダブロック内に形成され、冷媒の圧縮が行われるシリンダボアと、前記シリンダボアに摺動自在に嵌合されたピストンと、前記シリンダブロックの他端側に区画された吐出室とを具備した可変容量圧縮機において、
    前記吐出室と前記クランク室との間を接続する連通路と、
    前記連通路に介挿され、前記吐出室から前記クランク室への冷媒の流量を調整して前記ピストンのストローク長を制御する電磁弁と、
    前記電磁弁の開度を調整する容量制御手段と
    を備え、
    前記容量制御手段は、前記ピストンのストローク長が最小ストローク長近傍の所定の設定値に減少した場合には、前記ストローク長を前記設定値よりも小さな所定の固定値に保持すべく前記電磁弁の開度を調整することを特徴とする可変容量圧縮機。
  2. 前記固定値は、最小ストローク長であることを特徴とする請求項1記載の可変容量圧縮機。
  3. 前記圧縮機の外部からの情報を検知する外部情報検知手段を備え、
    前記容量制御手段は、前記外部情報検知手段から検知された信号に応じて、前記ストローク長の保持を解除することを特徴とする請求項2記載の可変容量圧縮機。
  4. 前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の可変容量圧縮機。
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