JP2007190526A - 集塵機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 集塵機のフィルタの目詰まりを検出して自動除塵を行う集塵機であって、集塵機の運転モードに関わらず、正確にフィルタの目詰まりを検出できる集塵機を提供する。
【解決手段】 集塵機の運転モードと、フィルタ装置の内部圧力と、吸気装置の動作と、吸気装置の電源周波数と、吸気装置の電源電圧とから定まる目詰まり圧力の閾値と、吸気装置が停止する直前のフィルタ装置の内部圧力とを比較し、フィルタの目詰まりを検知し、フィルタが目詰まり状態の時、除塵手段を運転するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】 集塵機の運転モードと、フィルタ装置の内部圧力と、吸気装置の動作と、吸気装置の電源周波数と、吸気装置の電源電圧とから定まる目詰まり圧力の閾値と、吸気装置が停止する直前のフィルタ装置の内部圧力とを比較し、フィルタの目詰まりを検知し、フィルタが目詰まり状態の時、除塵手段を運転するようにした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、丸のこやジグソー等の木材切断用電動工具や、ハンマードリルや石材カッター等のコンクリートや石材への穴あけや切断、研磨などに用いられる電動工具の切削粉塵や被研削粉塵を工具に併設した集塵機構に接続したホースから集塵したり、作業場の切削粉塵や被研削粉を掃除したりする集塵機に関するものである。
従来の集塵機を図8、図9を用いて説明する。
図8は、従来の、丸のこやジグソー等の木材切断用電動工具や、ハンマードリルや石材カッター等のコンクリートや石材への穴あけや切断、研磨などに用いられる電動工具が使用される作業場の床等を掃除するための集塵機を示す。図8で、集塵機1の吸込み口3には、ホース42、ホース接続ハンドル43、2本の延長管44、床用吸口45等が接続され、通常、操作者は、ホース接続ハンドル43を持って清掃作業を行う。
図8は、従来の、丸のこやジグソー等の木材切断用電動工具や、ハンマードリルや石材カッター等のコンクリートや石材への穴あけや切断、研磨などに用いられる電動工具が使用される作業場の床等を掃除するための集塵機を示す。図8で、集塵機1の吸込み口3には、ホース42、ホース接続ハンドル43、2本の延長管44、床用吸口45等が接続され、通常、操作者は、ホース接続ハンドル43を持って清掃作業を行う。
床にある塵埃は、床用吸口45から、周囲の空気と一緒に吸込まれ、2本の延長管44、ホース接続ハンドル43、ホース42を経由して、吸込み口3から集塵機1に吸込まれる。
図7の集塵機1は操作パネル21上にあるスイッチを操作して運転し、ホース接続ハンドル43を持ち、作業場の床等にある塵埃を吸込ませて集塵する。操作者は、集塵機1の近くにいて操作する場合が多く、ホース42は、直径38mm程度で長さ2.5m程度の太くて短いものを使う場合が多い。
図9は、丸のこやジグソー等の木材切断用電動工具や、ハンマードリルや石材カッター等のコンクリートや石材への穴あけや切断、研磨などに用いられる電動工具の切削粉塵を直接集塵機で吸取って集塵する従来の集塵機を示す。
集塵機1の吸込み口3にホース42を接続し、ホース42の先は電動工具用吸口46を介して電動工具47の集塵機構に接続されていて、電動工具47の切削粉塵を電動工具用吸口46からホース42を経由して、吸込み口3から集塵機1に吸込む構造となっている。
図9の集塵機1を使うときは、操作者は、集塵機1から離れて電動工具47を操作している場合が多く、また、ホース42は直径2.5mm程度で長さ3m以上の細くて長いホースを使う場合が多い。これは、ホース42が太くて短いと電動工具46の操作に支障をきたす場合があるからである。また、集塵機の操作パネル21等にコンセント24を設け、コンセント24から電源供給を受けて電動工具47を運転すると、自動的に集塵機が運転状態になり、電動工具46を停止させると、数秒間集塵機を運転状態にした後、自動的に停止させる連動運転モードとなる機能を備えている場合もある。そして、連動運転モードを備えた集塵機1は、操作スイッチにより、集塵機1を運転状態と停止状態を切替て図7に示した集塵機1と同じ作業を行う機能も揃えている場合が多い。このとき、操作スイッチにより、集塵機1を運転状態と停止状態を切替て運転する運転モードを、単動運転モードと呼び、前記連動運転モードと区別している。
上記した図8及び図9に示した集塵機1が主に集塵する木材や、石材、コンクリート、石膏ボード等の切削粉塵は、微細な粉塵も多く、塵埃を含んだ空気を塵埃と清浄な空気とに分離するフィルタは、目詰まりを起こし易い。このため、従来から、フィルタに付着した塵埃を落とす除塵機構を備えた集塵機は、木材や、石材、コンクリート、石膏ボード等の切削作業の場で用いられている。
このなかで、集塵機外装部に除塵機構を操作する操作アームを有し、作業者がフィルタの目詰まりの都度、操作アームを操作して、人手で除塵する集塵機がある。(例えば、特許文献1参照)
また、フィルタ内部の圧力を電気信号に変える手段と、予め設定した閾値信号とを比較して、フィルタ内部の圧力を変えた電気信号より、予め設定した閾値信号が大きい間だけ除塵装置を自動で運転する集塵装置がある。(例えば、特許文献2参照)
特開平9−000843号公報
特開昭60−212140号公報
また、フィルタ内部の圧力を電気信号に変える手段と、予め設定した閾値信号とを比較して、フィルタ内部の圧力を変えた電気信号より、予め設定した閾値信号が大きい間だけ除塵装置を自動で運転する集塵装置がある。(例えば、特許文献2参照)
上記した従来の人手で除塵する集塵機では、作業者がフィルタの目詰まりの都度、操作アームを操作して、人手で除塵するため、煩わしいという欠点があった。また、作業者が、目詰まりを認識する手段がないことが多く、経験に頼ったり、吸込み力が低下してから気づいたりと、フィルタの目詰まり状態が悪化してから除塵作業を行う場合もあり、集塵能力を十分発揮しない状態で集塵機を使う場合もあった。
また、除塵装置を自動で運転する集塵装置では、同一配線路の電源から、集塵機や他の電気製品など、複数の電気製品を同時運転する場合、集塵機の吸気装置運転に伴う電圧降下や、一緒に使用する電気製品の運転による電圧降下などにより、集塵機の吸気装置の能力が低下し、フィルタに付着した塵埃が多くなり、目詰まり状態になっても、フィルタ内部の圧力が低下せず、目詰まり検知が出来ず、目詰まり状態のまま使用してしまう場合もあった。
また、木材や、石材、コンクリート、石膏ボード等の切削粉塵は、微細な粉塵も多く、フィルタで分離しきれない細かい粉塵が、フィルタを通過して、排気に混じって外部に排出している場合もある。このような場合、フィルタ内部の圧力を検出するための圧力検出端に粉塵が付着して、圧力を検出できなくなってしまう場合もあった。
また、集塵機にコンセントを付帯し、コンセントから電源の供給を受ける電動工具の運転に連動して集塵機を運転する連動モードと、操作スイッチで運転状態と停止状態を切替えて集塵機を運転する単動運転モードを併設している集塵機では、フィルタ内部の圧力変化が、連動運転時と単動運転時で、大きく異なるため、双方の運転状態で適切な塵埃付着状態のときを目詰りとして検知して、自動でフィルタの除塵を行うのはできなかった。
また、誤って、水を吸込んだ時、フィルタ内部にある除塵装置のモータが冠水し、モータの電源を介して、感電の可能性があった。
また、集塵機運転停止後に自動除塵装置を駆動するためには、集塵機のメインスイッチをOFFした後でも集塵機本体への電力供給を継続させているため、無駄な電力を消費してしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記従来の欠点を解消し、粉塵の目詰まりを検出し自動除塵する集塵機であって、集塵機の動作モードに関わらず精度良くフィルタの目詰まりを検出することができ、消費電力の低減が図れる集塵機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、吸込み口を備え塵埃を収納するタンクと、塵埃を吸引する吸気装置と、該吸気装置から排出される排気を排出する排気口と、塵埃を捕捉するフィルタ装置と、該フィルタ装置に付着した塵埃を除去する除塵手段とを有する集塵機であって、該集塵機は、集塵機から他の機器へ電力を供給するコンセントと、前記他の機器の運転状態を検出する機器動作検出手段と、集塵機の運転モードを選択するモード選択手段と、前記フィルタ装置の内部圧力を検出する圧力検出手段と、前記吸気装置の動作を検出する吸気装置動作検出手段と、前記吸気装置の電源周波数を検出する周波数検出手段と、前記吸気装置の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、吸気装置が停止する直前の圧力検出手段の信号と、吸気装置が停止する直前の前記吸気装置動作検出手段、周波数検出手段及び電源電圧検出手段から定まる予め設定した目詰まり圧力の閾値とを比較する手段とを有し、前記目詰まり圧力の閾値を、前記吸気装置動作検出手段が吸気装置の停止を検出した時、前記比較する手段により吸気装置が停止する直前の圧力検出手段の信号と目詰まり圧力の閾値とを比較することによりフィルタの目詰まりを検知し、フィルタが目詰まり状態の時、前記除塵手段を運転するようにした集塵機を提供している。
請求項1記載の集塵機によれば、集塵機の動作モードに関わらず精度良いフィルタの目詰まりを検出することが可能となる。
請求項2記載の集塵機によれば、消費電力の低減を図ることが可能となる。
本発明集塵機の一実施形態を、図1乃至図7、図10、図11を用いて説明する。図1は本発明の集塵機の構造を示す側面の断面図、図2は、操作パネルの外観図、図3は、制御装置の機能を示すブロック図、図4及び図5は、本発明の集塵機の風量と真空度を測定した例、図6及び図7は、本発明集塵機の目詰り圧力を測定した例、図10及び図11は、本発明の集塵機の目詰まり閾値の設定例を示す。
以下、図1に示す上側方向を上側、下側方向を下側として説明する。
以下、図1に示す上側方向を上側、下側方向を下側として説明する。
図1に示すように、集塵機1は、吸込み口3を備えた塵埃を収納する円筒状のタンク2の上側開口部へ、メインモータカバー5が取付けられたメインモータベース4と、ヘッドカバー6が図示せぬ挟持部材によってクランプされていている。メインモータベース4とモータカバー5間に吸気装置7が設けられている。吸気装置7は、吸込みファン8と、吸込みファン8を回転させるメインモータ9を有する。吸気装置7は、外気(空気)を後述する吸込み口3から、フィルタ13、メインモータベース4の下側に設けた吸気口4aを経由して吸込み、メインモータベース4、メインモータカバー5、ヘッドカバー6で構成される排気経路を経由して排気口4bから集塵機1外部に排気する。
一方、タンク2の上側開口部とメインモータベース4の間には、フィルタハウジング11が挟持固定されていて、フィルタハウジング11は、塵埃を捕捉するフィルタ13と、フィルタ13が吸気装置7の動作によりフィルタ13内部の負圧で潰れないようにするフィルタカバー12が取付けられ、フィルタ装置10を構成している。
フィルタハウジング11とフィルタ13で囲まれる部分には、本発明除塵装置14が設けられている。除塵機ベース15に取り付けられている除塵装置14は、除塵装置14を駆動する除塵モータ16と、除塵モータ16に粉塵が入り込まないようにする防塵カバー19と、除塵モータ16の図示せぬ出力軸に結合された減速ギヤ装置17と、減速ギヤ装置の出力軸に設けられ、除塵モータの駆動によってフィルタ13に付着した粉塵を打撃(振動)により除去する除塵子18とを有する。
吸気装置7、フィルタ13、フィルタカバー12及び除塵装置11の水平方向の中心M1はほぼ同一線上にあり、タンク2の中心線M2より吸込み口3の取り付け位置の反対方向に偏向して設置されている。
メインモータカバー5の吸込み口3の上に位置する部分には、操作パネル21、制御回路20及び絶縁トランス40等を設置している。操作パネル21は図2に示すように、連動運転する電動工具47に電源を供給するコンセント24、集塵機1の集塵動作を切り替える強/弱/停止切替スイッチ26、連動/単動切替スイッチ27、除塵モータスイッチ28、警告灯29等が設けられている。
制御装置20が設置されている位置の近傍にあって、メインモータカバー5の吸込み口3の上側に位置する部分で、吸気装置7によってもたらされる空気の主な流路から離れた位置の部位には圧力測定端22が取付けられている。圧力測定端22は、制御回路20内に設置されているゲージ圧センサ30とホース或は配管によって接続されている。これにより、ゲージ圧センサ30は、フィルタ装置10の内部の圧力状態を大気圧との差として検出するセンサとして機能している。そして、制御回路20と、圧力測定端22を近接して設置しているので、短いホースや配管で接続できると共に、ゲージ圧センサ30や後述する負圧検出回路35を制御回路20と一緒に実装できる。
吸込み口3には、図8及び図9に示した従来の集塵機と同様にホース42或は延長管44が接続され、その先に集塵機構付き電動工具47や、床用吸口45が装着され、木材や、石材、コンクリート、石膏ボード等の切削粉塵や塵埃を、空気と共に吸込む構造となっている。
次に、図3を用いて、本発明の集塵機の制御装置を説明する。
電源プラグ23は商用電源(例えば交流100V)に接続され、集塵機1のメインスイッチとなる強/弱/停止切替スイッチ26の一方の接点を介してメインモータ9及びメインモータ9の運転を制御するメインモータ駆動回路37、絶縁トランス40の1次側、および他の電動工具47等の外部装置に電源を供給するコンセント24に電力が供給される。絶縁トランス40の2次側には全波整流を行うダイオードブリッジ48が接続され、ダイオードブリッジ48の出力には、強/弱/停止切替スイッチ26の他方の接点を介して、電源電圧検出回路34、および電源を保持する手段となるリレー49の接点を介してDC電源41に接続されている。
電源プラグ23は商用電源(例えば交流100V)に接続され、集塵機1のメインスイッチとなる強/弱/停止切替スイッチ26の一方の接点を介してメインモータ9及びメインモータ9の運転を制御するメインモータ駆動回路37、絶縁トランス40の1次側、および他の電動工具47等の外部装置に電源を供給するコンセント24に電力が供給される。絶縁トランス40の2次側には全波整流を行うダイオードブリッジ48が接続され、ダイオードブリッジ48の出力には、強/弱/停止切替スイッチ26の他方の接点を介して、電源電圧検出回路34、および電源を保持する手段となるリレー49の接点を介してDC電源41に接続されている。
リレー49はリレー駆動回路50を介してマイクロコンピュータ39の出力ポートD3の出力信号によりON/OFFを制御される。このため、コンセント23が電源に接続され、強/弱/停止切替スイッチ26が「強」又は「弱」に投入されると、絶縁トランス40、ダイオードブリッジ48、強/弱/停止切替スイッチ26の他方の接点を介して電源が供給される。そして、マイクロコンピュータ39の処理により、リレー駆動回路50にリレー49の接点がON状態になるよう出力ポートD3から出力信号が出力され、絶縁トランス40、ダイオードブリッジ48、リレー49の接点を介しても、電源が供給される。
次に、強/弱/停止切替スイッチ26が「停止」に投入されると、絶縁トランス40、ダイオードブリッジ48、強/弱/停止切替スイッチ26の他方の接点を介して電源が供給されている経路は遮断されるが、絶縁トランス40、ダイオードブリッジ48、リレー49の接点を介しての電源は供給され続ける。この操作により、リレー49は自己保持の機能を有す。
DC電源41から電源の供給を受ける除塵モータ16、除塵モータ16を駆動する除塵モータ駆動回路38、及び、制御回路20は絶縁トランス40によってコンセント23から供給される外部電源から絶縁されている。図示しないが、メインモータ駆動回路37の電力制御素子は、フォトトライアック或はフォトカプラと呼ばれる光絶縁カプラによって、電気的絶縁がなされている。これにより、除塵モータ16が冠水した場合でも、使用者の感電を防止することができる。
コンセント24に接続された電動工具47などの外部機器の動作を検出する機器動作検出手段は、コンセント24の電流を電流検出器25で検出し、検出した電流をコンセント電流検出回路33で、マイクロコンピュータ39が認識可能な電圧に変換して、マイクロコンピュータ39のアナログ信号入力ポートAin1に入力し、マイクロコンピュータ39の演算により動作を検出する。コンセント24に接続する電動工具47は、近年、高機能化が進んで直流電源装置を搭載している機器も多い。このため、電動工具47の運転状態を検出する手段は、単に電流検出器25で検出される電流波形の波高値や平均値の値ではなく、直流電源装置の電流と、電動工具47の駆動源である直巻整流子電動機の電流を区別して認識する機能を有することが望ましい。
吸気装置7の運転状態を検出する吸気装置動作検出手段は、強/弱/停止切替スイッチ26の接点情報をメインスイッチ強/弱/停止検出回路26によりマイクロコンピュータ39が認識可能なデジタル電圧に変換し、マイクロコンピュータ39のデジタル信号入力ポートP00及びP01に入力し、マイクロコンピュータ39の演算により動作を検出する。
電源周波数の検出を行う電源周波数検出手段は、図示しないコモン接点に印加する信号を、電源回路の全波整流後で平滑処理前の電圧をクランプ回路により5Vにクランプした信号にすることにより、電源電圧波形のゼロクロスする間隔で5Vからゼロボルトになる方形波となり、このゼロボルトになる間隔をマイクロコンピュータ39の演算により電源周波数を検出する。
吸気装置7は、メインモータ9の電源がOFFになっても、慣性ですぐには停止しない。このため、マイクロコンピュータ39の演算は、メインモータ9への電源がOFFになった時刻から予め設定した吸気装置7の慣性で動作している時間が経過した時刻に達した時に、吸気装置7の運転状態が停止状態になったことを検知したとする処理を行っている。この処理は、マイクロコンピュータ39のデジタル出力ポートD1にOFF信号を出力して、メインモータ9を停止した場合も同様である。慣性で動作している時間は概略10秒程度である。
連動/単動切替スイッチ27は、コンセント24に接続した電動工具47の運転状態を検出する手段(機器動作検出手段)の検出結果に応じて吸気装置を動作させる連動運転モードと、機器動作検出手段の検出結果にかかわらず集塵機1のメインスイッチ(強/弱/停止切替スイッチ2)の設定に応じて吸気装置を動作させる単動運転モードの2つの運転モードを選択するスイッチである。通常、連動/単動切替スイッチ27のコモン電極と、ノーマルオープン電極がOFF状態のとき連動運転モードで、ON状態のとき単動運転モードである。コンセント24に電動工具47が未接続で、床用吸口45等で集塵作業を行うときは、連動/単動切替スイッチ27をONにして、単動運転モードで集塵機1を動作させる。連動運転モードのときは、電動工具47が運転状態から停止状態に変化したとき、数秒間吸気装置7を運転し続けた後、吸気装置7を停止させる。これは、集塵機構付き電動工具47を併用運転するときは、前記したように長いホースを使用することが多いため、粉塵がホースに詰まるのを防ぐためである。
除塵モータONスイッチ28は、除塵装置14を運転させるための操作スイッチである。使用者がこのスイッチを押すと、除塵装置14は、数秒間運転状態になり、フィルタ13の除塵を行う。ただし、マイクロコンピュータ39の処理機能が、吸気装置7の運転状態が停止状態になったことを検知した状態のときだけ、除塵モータONスイッチ28は有効で、吸気装置7の運転状態が停止状態になったことを検知した状態にないときは、使用者がこのスイッチを押しても、除塵装置14は動作しない。これは、吸気装置7が動作中及び慣性で回転している間は除塵しても、フィルタ13に付着した塵埃は負圧で取れないので、吸気装置7が動作中は除塵装置14を運転しないことで、効果のない除塵装置の運転による消費電力の削減や、フィルタ13の損傷を避けるためである。
警告灯29は、マイクロコンピュータ39の処理機能が、フィルタ13の目詰り状態を検知したとき、点灯状態になる表示灯である。
圧力検出手段は、負圧検出回路35が、フィルタ装置10の内部の圧力状態を大気圧との差として検出するゲージ圧力センサ30の信号を受けて、マイクロコンピュータ39が認識可能な電圧に変換して、マイクロコンピュータ39のアナログ信号入力ポートAin2に入力し、マイクロコンピュータ39の演算により、予め設定した目詰まり圧力の閾値と比較・演算可能な、フィルタ内部の圧力の状態を電気信号に変える手段である。
メインモータ9は、界磁巻線を2組有し、強/弱/停止切替スイッチ26の操作で、強運転、弱運転、停止状態に切替わる。また、メインモータ駆動回路37を介して、マイクロコンピュータ39のデジタル出力信号D1によっても、運転と停止の状態を切替えることができる。さらに、メインモータ駆動回路37の電力制御素子に例えば、双方向位相制御素子(トライアック)を用いて、メインモータ9を位相制御すれば、吸気装置7の吸気能力を変化させることも可能である。本実施例の説明では、説明を簡単にするため、強、弱、停止の3運転状態で使用する場合だけ説明する。
除塵モータ16は、除塵モータ駆動回路38を介して、マイクロコンピュータ39のデジタル出力信号D0によって、運転、停止の状態を切替られる。また、電力制御素子をチョッピング動作させることで、ソフトスタート運転をさせることも可能で、ソフトスタート運転で、除塵モータの起動電流による、DC電源の電圧低下を防ぐ方法もある。
電源電圧検出回路34は、絶縁トランス40の2次電圧をマイクロコンピュータ39が認識可能な電圧に変換して、マイクロコンピュータ39のアナログ信号入力ポートAin0に入力し、マイクロコンピュータ39の演算により、電源電圧を検出する手段を形成している。
以上のような構造及び機能を有する集塵機1は、前述した従来の集塵機のように、単動運転と、連動運転の2つの運転形態での使用が可能となっている。
単動運転で使用する時は、連動/単動切替スイッチ27が単動側に投入され、且つ、強/弱/停止切替スイッチ26が強或は弱に投入されたとき、吸気装置7のメインモータ9が運転状態になる。この運転開始時に、強/弱/停止切替スイッチ26が「強」又は「弱」に投入された時点で、マイクロコンピュータ39の処理により、リレー49の接点がON状態に制御さされる。
次に、連動/単動切替スイッチ27が連動側に投入されるか、強/弱/停止切替スイッチ26が停止に投入されるか何れかの状態で、メインモータ9はOFFになる。この時、リレー49の接点がON状態にあるので、前記除塵装置14と、前記制御回路20には、電源が供給され続ける。
連動運転は、連動/単動切替スイッチ27が連動側に投入され、強/弱/停止切替スイッチ26が強或は弱に投入された状態で、コンセント24に電動工具47が接続され、電動工具47が運転状態になったことを検出したとき吸気装置7のメインモータ9が運転状態になる運転形態である。電動工具47の運転状態の検出は、集塵機1のコンセント24に電流が流れたとき、コンセント24の電流を電流検出器25で検出し、検出した電流をコンセント電流検出回路34で、マイクロコンピュータ39が認識可能な電圧に変換して、マイクロコンピュータ39のアナログ信号入力ポートAin1に入力し、マイクロコンピュータ39の演算により、コンセント24に接続した電動工具47が運転状態にあることを検知したとき、マイクロコンピュータ39はデジタル出力信号D1にON信号を出力して、メインモータ駆動回路37によって、メインモータ9が運転状態になる。この運転開始時に、強/弱/停止切替スイッチ26が「強」又は「弱」に投入された時点で、マイクロコンピュータ39の処理により、リレー49の接点がON状態に制御さされる。次に、コンセント24に接続している電動工具がOFFになり、コンセント24に電流が流れないとき、マイクロコンピュータ39のアナログ信号入力ポートAin1の入力はゼロになるので、電動工具47が停止状態にあることを検知する。このとき、数秒間、メインモータ9を運転状態のままにしてから、マイクロコンピュータ39はデジタル出力信号D1にOFF信号を出力して、メインモータ駆動回路37によって、メインモータ9をOFFにする。この時は、強/弱/停止切替スイッチ26が「強」又は「弱」に投入されているので、除塵装置14と、制御回路20には、電源が供給され続ける。連動運転モードで動作しているとき、連動/単動切替スイッチ27が単動側に投入されると、連動運転モードは解除され、前記した単動運転モードで運転している状態に推移するので、強/弱/停止切替スイッチ26が停止に投入されたとき、電動工具の運転状態に関らずメインモータ9は直ちにOFFになる。しかし、前記単動運転で使用する説明で記したように、除塵装置14と、制御回路20には、電源が供給され続ける。
前記したように、メインモータ9がOFFになっても、吸気装置7は、慣性でしばらく回転を続けるため、フィルタ内部の圧力は、大気圧にならない、大気圧になるのは、メインモータ9がOFFになってから約10秒後である。マイクロコンピュータ39の演算は、メインモータ9への電源がOFFになった時刻から10秒経過したら、吸気装置7の運転状態が停止状態になったことを検知したとする処理を行っている。
以上のような構造及び機能を有する集塵機1のフィルタ目詰りの状態は、吸気装置7の運転時のフィルタ13を通過する空気の量である風量が、フィルタに塵埃が付着しない状態からどれくらい低下したかで推定できるが、フィルタ内部の圧力は、風量との相関が強いので、本発明の集塵機では、フィルタ内部の圧力値をフィルタ目詰りの判定に用いる方法を採っている。
また、本発明の集塵機1のような、比較的小型である集塵機1の吸気装置7のメインモータ9は、上記したように、直巻整流子電動機が用いられることが多いが、このような吸気装置7は、その運転状態や、電源周波数、電源電圧で特性が大きく異なる。図4に、吸気装置7を強運転で運転して、電源周波数、電源電圧を変化させた時の風量と真空度の関係を測定した例を、図5に、吸気装置を弱運転で運転して、電源周波数、電源電圧を変化させた時の風量と真空度の関係を測定した例を、各々示す。風量と真空度の測定は、吸込み口の外側で測定している。各々の100V/50Hzで運転した時の入力電力は、概略、強運転時は1200W、弱運転時は600W程度である。図4及び図5から、電源周波数が50Hzと60Hzでは、風量と真空度の関係を示す曲線が異なっていることが判る。
また、電源電圧を70V、80V、100V、110V、と変えて測定した風量と真空度の関係を示す曲線が、電源電圧で異なっていることが判る。更に、図4と図5の電源周波数と電圧が同じの風量と真空度の関係を示す曲線を比較すると、強運転の時と、弱運転の時では、大きく異なっていることが判る。
図5は、電源周波数が50Hzのときと、60Hzのときで、各々吸気装置7のメインモータ9を強運転したときと、弱運転したときの、4種類の運転状態で、電源電圧を変化させてフィルタ目詰り時のフィルタ内部圧力を測定した例である。フィルタ目詰りの判断は、使用者の主観が強く作用するので、図5の測定は、フィルタに塵埃が付着しない状態から、吸込み口3の位置で測定した風量が30%少なくなったときをフィルタ目詰り状態として測定した結果である。図5で示したように、目詰り圧力は、電源周波数、吸気装置7のメインモータ9の運転状態、電源電圧によって異なっている。このため、各々の状態で、目詰り閾値を設定するのが望ましい。特に、電源電圧の変化に対する目詰り圧力の変化が大きいので、細かな閾値を設定する必要がある。
図7は、電源周波数が50Hzで、吸気装置7のメインモータ9を強運転にして、吸込み口3の先に、電動工具用吸口46とそのホースを取り付けたときと、床用吸口45とそのホースを取り付けたときの、電源電圧を変化させてフィルタ目詰り時のフィルタ内部圧力を測定した例である。電動工具用吸口46とそのホースを取り付けたときのフィルタ目詰りの判断は、フィルタに塵埃が付着しない状態で、吸込み口3にホースを取り付けない状態から、吸込み口3の位置で測定した風量が70%少なくなったときをフィルタ目詰り状態として測定した結果である。床用吸口とその専用ホースを取り付けたときのフィルタ目詰りの判断は、図5と同様に30%である。図7に示したように、電動工具用吸口46とその専用ホースを取り付けたときと、床用吸口45とその専用ホースを取り付けたときでは、目詰り圧力が大きく異なる。このため、床用吸口を取り付けて、上記した単動運転のときと、電動工具用吸口46を取り付けて、上記した連動運転のときとでは、各々目詰り圧力の閾値を設定するのが望ましい。
図10及び図11に、本発明の集塵機で採用した、目詰り圧力の閾値設定例を示す。図10は、図8で示した、従来の、床等を掃除するための集塵機と同じ構成で運転される前記した単動運転モードのときの、予め設定する目詰り圧力の閾値の1例で、図11は、図9で示した、従来の、電動工具の切削粉塵を直接集塵機で吸取って集塵する集塵機と同じ構成で運転される前記した連動運転モードのときの、予め設定する目詰り圧力の閾値設定例である。
例えば、単動運転モードで運転し、弱運転で、電源周波数が60Hzで、本発明の集塵機を使用し、電源電圧が96Vに低下した状態の動作を説明する。連動/単動切替スイッチ26の状態から、単動運転モードで運転していることを検知したマイクロコンピュータ39の処理は、吸気装置7が運転状態のとき、吸気装置運転状態及び電源周波数を、前記した強/弱/停止切替スイッチ26の接点情報を基に吸気装置7の運転状態を検出する手段、及び電源周波数検出手段で検出し、電源電圧を、前記した電源電圧検出手段で検出する。そして、連動/単動切替スイッチ26の状態から、目詰り圧力の閾値を図10に記載の閾値から選択することを選び、吸気装置運転状態及び電源周波数の検出結果から図10の列から4列(60Hz、弱運転)を選び、電源電圧検出手段で検出した電圧が98Vであることから、図10の4列(60Hz、弱運転)、6行(92.5〜97.5V)に記載の9.13kPaを予め設定した目詰り圧力の閾値として選択し、フィルタ内部圧力検出手段で検出した圧力と比較し、フィルタ内部圧力検出手段で検出した圧力が、予め設定した目詰り圧力の閾値として選択した9.13kPaより大きい値の時、フィルタ目詰りを検知したとする処理を行う。吸気装置7が運転状態のときのフィルタ目詰りを検知したとする処理は、警告灯29を点灯状態にすることで、フィルタ目詰りを検知しないときの処理は警告灯29を消灯状態にすることである。
吸気装置7が停止したとき、マイクロコンピュータ39の処理は、吸気装置7が停止する直前の運転状態にあるときの、フィルタ目詰り検知状態を記憶し、吸気装置7の運転状態が停止状態になったことを検知したとき、フィルタ目詰り検知状態が、フィルタ目詰りを検知した状態なら、除塵モータを数秒間運転した後、警告灯29を消灯状態にする。フィルタ目詰りを検知しない状態なら、除塵モータを運転しないで処理を終える。
また、例えば、連動運転モードで運転し、強運転で、電源周波数が50Hzで、本発明の集塵機を使用し、電源電圧が105Vの状態で動作している場合、マイクロコンピュータ39の処理は、連動/単動切替スイッチ26の状態から、目詰り圧力の閾値を連動運転モード時の閾値である図11に記載の閾値から選択することを選び、吸気装置運転状態及び電源周波数の検出結果から図11の列から1列(50Hz、強運転)を選び、電源電圧検出手段で検出した電圧が105Vであることから、図111の1列(50Hz、強運転)、8行(102.5〜107.5V)に記載の20.77kPaを予め設定した目詰り圧力の閾値として選択して、単動運転モードで運転した場合と同様の動作を行う。
上記したように、フィルタに付着した塵埃を除塵子で叩き落す方式の除塵装置は、吸気装置7が停止した状態のとき運転する。そして、従来の集塵機の説明で記述したように、吸気装置の運転/停止を行う強/弱/停止切替スイッチ26は、電源のON/OFFの機能も兼ね備えている。このため、強/弱/停止切替スイッチ26が「停止」に投入されても、リレー49の接点をON状態にして、除塵装置14と、制御回路20には、電源が供給され続けるようにし、除塵装置の運転が可能なようにしている。この自己保持の時間は、使用者が除塵モータONスイッチ28を操作して、除塵する場合を考慮して、概略十数分程度に設定される。自己保持時間が経過すると、リレー接点はOFFになり、集塵機の待機電力は、ほとんどなくなる。
メインモータ9の界磁巻線を1組にし、メインモータ駆動回路37の電力制御素子に例えば、双方向位相制御素子(トライアック)を用いて、メインモータ9を位相制御すれば、吸気装置7の吸気能力を変化させることも可能である。このときでも、吸気装置の運転状態を的確に検出し、それに適した目詰り閾値を設定することが可能である。
また、除塵装置14の駆動源がモータではなく、揺動する振動子にしたり、除塵子の動きが、回転運動ではなく、揺動運動する場合や、単に、フィルタに振動を加える除塵装置にしてもよい。
1は集塵機、2はタンク、3は吸込み口、4はメインモータカバー、7は吸気装置、9はメインモータ、10はフィルタ装置、11はフィルタハウジング、14は除塵装置、20は制御回路、22は圧力測定端、26は強弱停止切替スイッチ、49はリレー、50はリレー駆動回路である。
Claims (2)
- 吸込み口を備え塵埃を収納するタンクと、
塵埃を吸引する吸気装置と、
該吸気装置から排出される排気を排出する排気口と、
塵埃を捕捉するフィルタ装置と、
該フィルタ装置に付着した塵埃を除去する除塵手段とを有する集塵機であって、該集塵機は、
集塵機から他の機器へ電力を供給するコンセントと、
前記他の機器の運転状態を検出する機器動作検出手段と、
集塵機の運転モードを選択するモード選択手段と、
前記フィルタ装置の内部圧力を検出する圧力検出手段と、
前記吸気装置の動作を検出する吸気装置動作検出手段と、
前記吸気装置の電源周波数を検出する周波数検出手段と、
前記吸気装置の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
吸気装置が停止する直前の圧力検出手段の信号と、吸気装置が停止する直前の前記吸気装置動作検出手段、周波数検出手段及び電源電圧検出手段から定まる予め設定した目詰まり圧力の閾値とを比較する手段とを有し、
前記目詰まり圧力の閾値を、前記吸気装置動作検出手段が吸気装置の停止を検出した時、前記比較する手段により吸気装置が停止する直前の圧力検出手段の信号と目詰まり圧力の閾値とを比較することによりフィルタの目詰まりを検知し、フィルタが目詰まり状態の時、前記除塵手段を運転することを特徴とする集塵機。 - 前記除塵手段は所定時間運転後停止するようにしたことを特徴とする請求項1記載の集塵機。
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- 2006-01-20 JP JP2006013243A patent/JP2007190526A/ja not_active Withdrawn
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