JP2007190064A - 人工視覚装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現状の人工視覚装置においては、網膜刺激電極の数が人間の視細胞の数に対して桁違いに少なく、低い解像度での視力しか回復できない。このため、実生活においては、風景はぼんやり認識できたとしても、信号や道路標識などを視覚により認識することは困難であり、歩行時に危険な状態になることが起こり得る。
【解決手段】カメラ103により外界の映像を入力し、この画像信号を信号作成回路107により神経刺激信号に変換し、この信号を網膜刺激電極アレイに伝えて、網膜細胞に電気刺激として伝える。それと同時に、信号や標識から無線によりその存在を発信し、人工視覚装置においてこれらを検出した場合にはカメラ画像にこれらの種別を重ねた視野画像信号を信号処理装置106により作成し、これを信号作成回路107により神経刺激信号に変換し、この信号を網膜刺激電極アレイに伝えて、網膜細胞に電気刺激として伝える。
【選択図】図1
【解決手段】カメラ103により外界の映像を入力し、この画像信号を信号作成回路107により神経刺激信号に変換し、この信号を網膜刺激電極アレイに伝えて、網膜細胞に電気刺激として伝える。それと同時に、信号や標識から無線によりその存在を発信し、人工視覚装置においてこれらを検出した場合にはカメラ画像にこれらの種別を重ねた視野画像信号を信号処理装置106により作成し、これを信号作成回路107により神経刺激信号に変換し、この信号を網膜刺激電極アレイに伝えて、網膜細胞に電気刺激として伝える。
【選択図】図1
Description
本発明は、人工視覚装置に関するものである。
網膜色素変性症や加齢性黄斑変性症などにより、世界規模では100万人程度の失明患者が存在する。これらの患者は、網膜下の神経が正常であるにも拘わらず、角膜や水晶体をはじめとする組織の異常により、光の刺激が視神経に伝わらず、失明する。失明により、患者は社会生活に支障をきたすのみならず、精神的に重大な影響を受けるため、治療技術が切実に求められている。
これまで提案された失明治療技術の一つとして、特許文献1に示すものがある。本従来例における人工視覚装置の例を図2を用いて説明する。
図8は従来の人工視覚装置の例を示すブロック図である。図8において、801は人体外部に装着する体外装置であり、802は眼球内に装着する眼内埋植装置である。外界の映像は、撮像装置であるカメラ803で撮影する。カメラ803で撮影した映像信号は、画像処理装置804に送られる。画像処理装置804においては、画像の必要な部分のみを切り出すなどの処理を行い、装着者に伝える視野画像を作成する。信号作成回路805において、視野画像を人間の網膜刺激パターンに変換し、神経刺激信号として出力する。神経刺激信号は送信器806により、例えば802.11b通信などの無線信号として眼内埋植装置802側に送られる。眼内埋植装置802において、神経刺激信号は受信機807により受信し、この信号を網膜刺激電極アレイ808の各電極に対して電圧として印加する。網膜はこの刺激を受けて、装着者の脳に画像を伝えることとなる。
一方、体外装置801は電池809を含み、電力を体外装置801の各構成要素に供給するとともに、例えば1次コイルである電力送信器810により、無線電力として眼内埋植装置802側に送られる。眼内埋植装置802において、無線電力は、例えば2次コイルである電力受信器811により受け取り、眼内埋植装置802の各要素に供給する。
なお特許文献1においては、装着者が見ることができる視界を眼球の動きに応じてずらすことができるように、眼球の動きに応じて、画像切り出し手段805において切り出す画像をずらす方法についても言及している。
国際公開第02/080828号パンフレット
一方、体外装置801は電池809を含み、電力を体外装置801の各構成要素に供給するとともに、例えば1次コイルである電力送信器810により、無線電力として眼内埋植装置802側に送られる。眼内埋植装置802において、無線電力は、例えば2次コイルである電力受信器811により受け取り、眼内埋植装置802の各要素に供給する。
なお特許文献1においては、装着者が見ることができる視界を眼球の動きに応じてずらすことができるように、眼球の動きに応じて、画像切り出し手段805において切り出す画像をずらす方法についても言及している。
人間の網膜細胞は1億以上あるため、極めて高い解像度で外界の情報を見ることができる。一方、前記従来の構成では、網膜刺激電極アレイの電極数を網膜細胞の数と同等数にするのは困難であり、現在の技術で実用化されている電極数は、数百から数万程度である。電極数が数万程度である場合、縦/横それぞれ百個程度の画素数の画像として認識することとなる。このため、本システムにより視力を回復したとしても、視力の解像度は極めて悪く、色の認識もできない。このため、屋外を歩行する際に、交通標識や信号機を認識することが困難であり、これを見落としたために危険な状態に陥る可能性があるという問題があった。また、視力の解像度が低いことから、離れたところにある各種表示の文字を読むことが困難であり、所望の情報が得られないという問題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、少ない電極数であっても、交通標識や信号機などを見逃すことなくその存在を認識して安全な歩行が実現では、また、各種表示の文字を視認することのできる人工視覚装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、少ない電極数であっても、交通標識や信号機などを見逃すことなくその存在を認識して安全な歩行が実現では、また、各種表示の文字を視認することのできる人工視覚装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の人工視覚装置は、外界の映像を撮影する撮像手段と、前記撮像手段から出力される第1の信号とは異なる第2の信号を入力して視野画像信号を作成する信号処理手段と、前記視野画像信号を神経刺激信号に変換するための信号作成手段と、前記神経刺激信号を網膜細胞あるいは視神経に伝えるための電極アレイと、を持つことを特徴としたものである。
さらに、本発明の人工視覚装置において、前記信号処理手段は、前記第1と第2の信号のいずれか一つを選択する選択手段を持つことを特徴としたものである。
さらに、本発明の人工視覚装置において、前記選択手段は、切換スイッチを備え、前記切換スイッチに基づいて前記第1と第2の信号のいずれか一つを選択することを特徴としたものである。
さらに、本発明の人工視覚装置において、前記信号処理手段は、前記第1の信号に第2の信号に基づく情報を重畳して前記視野画像信号を作成すること信号重畳手段を持つことを特徴としたものである。
さらに、本発明の人工視覚装置において、前記信号処理手段は、前記第2の信号の有無を判断する第2信号判断手段を備え、前記第2信号判断手段に基づき、前記第2の信号が存在しないときには前記第1の信号を前記視野画像信号とする画像信号合成手段を持つことを特徴としたものである。
さらに、本発明の人工視覚装置において、前記画像信号合成手段は、前記第2信号判断手段により前記第2の信号の存在を検知したときは、検知したことを示す信号を前記第1の信号に重畳して前記視野画像信号とすることを特徴としたものである。
本発明の人工視覚装置によれば、道路標識や信号機などの歩行者が注意すべき対象に近づいた際に、本装置を装着した歩行者の視覚に対してそれら対象の存在を確実に伝えることができるため、危険な事態になることがない。また、各種表示の文字を無線伝送により直接人工視覚装置に伝えるため、離れたところにある各種表示の文字についても読むことが可能となる。このように、本発明の人工視覚装置によれば、網膜刺激電極アレイの電極数が比較的少ない場合であっても、必要な情報を認識することのできる人工視覚装置を提供することができる。
以下に、本発明の人工視覚装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例における人工視覚装置のブロック図を示す。図1において、101は人体外部に装着する体外装置であり、102は眼球内に装着する眼内埋植装置である。外界の映像は、撮像装置であるカメラ103で撮影する。カメラ103の撮像素子は縦640画素、横480画素であり、これで受けた画像を第1の信号として、信号処理装置106に送るものとする。一方、信号機104などの交通インフラストラクチャなどから送られる、信号機の状態等を示す無線信号は、無線受信機105で受信し、これを第2の信号とし信号処理装置106に送るものとする。信号処理装置106においては、後述する方法により、装着者に伝える視野画像信号を作成する。信号作成回路107においては、視野画像信号を人間の網膜刺激パターンに変換し、神経刺激信号として出力する。神経刺激信号は、送信器108により、例えば802.11bなどの無線信号として眼内埋植装置102側に送られる。眼内埋植装置102において、無線による神経刺激信号は受信機109により受信し、この信号を網膜刺激電極アレイ110の各電極に対して電圧パルスとして印加する。網膜はこの刺激を受けて、装着者の脳に画像を伝えることとなる。
一方、体外装置101は電池111を含み、電力を体外装置101の各構成要素に供給するとともに、例えば1次コイルである電力送信器112により、無線電力として眼内埋植装置102側に送られる。眼内埋植装置102において、無線電力は、例えば2次コイルである電力受信器113により受け取り、眼内埋植装置102の各要素に供給する。
図3は眼内埋植装置102の外形図である。赤外線フォトダイオードである受信機109と、2次コイルである電力受信器113は一体で構成されている。受信機109で受けた神経刺激信号および、電力受信器113で受けた電力はフレキシブルプリント基板301上に形成された信号線を通り、網膜刺激電極アレイ110に伝えられる。網膜刺激電極アレイ110は縦100画素×横100画素の電極を持つものとする。
図4は外科手術により、眼球401に眼内埋植装置102を取りつけた状態を示している。受信機109と、電力受信器113は本来瞳がある位置に取り付け、体外装置101から無線による神経刺激信号および電力を受け取りやすい状態に配置する。フレキシブルプリント基板301は眼球内壁に沿って曲げられ、網膜刺激電極アレイ110は、視線軸上奥の最も網膜細胞が集中している位置に取りつける。眼内埋植装置102の固定は専用の釘等で物理的に行う。
さて次に、本発明の特徴である、信号処理装置106において、カメラからの映像信号である第1の信号と、カメラ以外から第2の信号を用いて、装着者に伝える視野画像信号としての視野画像信号を作成する方法について説明する。本実施においては、第2の信号として信号機104などから送られる無線信号の方式として、信号機の発光ダイオードによりパルス変調した信号が送られてくる方式を用いるものとする。この方式は、信号機のいずれかの色が点灯している際に、その色を点灯している発光ダイオードを高速に点滅させて、その点滅パターンにより情報伝達するものであり、公知の技術である。本方式によれば、無線受信機105はフォトダイオードなど、リモコンの受光部などに用いられる安価なものを利用することができる。本フォトダイオードは、カメラ103と同じ方向に向け、且つカメラ103の中央部分の視野から来る光信号を感知するよう配置するものとする。
一方、体外装置101は電池111を含み、電力を体外装置101の各構成要素に供給するとともに、例えば1次コイルである電力送信器112により、無線電力として眼内埋植装置102側に送られる。眼内埋植装置102において、無線電力は、例えば2次コイルである電力受信器113により受け取り、眼内埋植装置102の各要素に供給する。
図3は眼内埋植装置102の外形図である。赤外線フォトダイオードである受信機109と、2次コイルである電力受信器113は一体で構成されている。受信機109で受けた神経刺激信号および、電力受信器113で受けた電力はフレキシブルプリント基板301上に形成された信号線を通り、網膜刺激電極アレイ110に伝えられる。網膜刺激電極アレイ110は縦100画素×横100画素の電極を持つものとする。
図4は外科手術により、眼球401に眼内埋植装置102を取りつけた状態を示している。受信機109と、電力受信器113は本来瞳がある位置に取り付け、体外装置101から無線による神経刺激信号および電力を受け取りやすい状態に配置する。フレキシブルプリント基板301は眼球内壁に沿って曲げられ、網膜刺激電極アレイ110は、視線軸上奥の最も網膜細胞が集中している位置に取りつける。眼内埋植装置102の固定は専用の釘等で物理的に行う。
さて次に、本発明の特徴である、信号処理装置106において、カメラからの映像信号である第1の信号と、カメラ以外から第2の信号を用いて、装着者に伝える視野画像信号としての視野画像信号を作成する方法について説明する。本実施においては、第2の信号として信号機104などから送られる無線信号の方式として、信号機の発光ダイオードによりパルス変調した信号が送られてくる方式を用いるものとする。この方式は、信号機のいずれかの色が点灯している際に、その色を点灯している発光ダイオードを高速に点滅させて、その点滅パターンにより情報伝達するものであり、公知の技術である。本方式によれば、無線受信機105はフォトダイオードなど、リモコンの受光部などに用いられる安価なものを利用することができる。本フォトダイオードは、カメラ103と同じ方向に向け、且つカメラ103の中央部分の視野から来る光信号を感知するよう配置するものとする。
以下、信号処理装置106における働きを図2を用いて説明する。図2は信号処理装置106内部の処理内容を表わすフローチャートである。本図において、201では無線受信機105からの信号を入力する。本装置の装着者が信号機104から充分離れているときは、無線受信機105には何の信号も入ってきておらず、高いエラーレートを示すため、202においてエラーレートが高いと判断し、203の処理を行う。203においては、第1の信号であるカメラ103からの映像信号を視野画像信号とする。ただし、網膜刺激電極101は100×100画素の解像度であることから、視野画像信号は100×100画素でなければならないのに対し、カメラ103は640×480画素の解像度を持つことから、203では640×480画素の画像を100×100画素の解像度の画像に解像度変換しなければならない。ここでは説明を簡単にするため、640×480画素の画像のうち、中央部の100×100画素分を切り抜いて視野画像信号を作るものとする。もちろん、別の方法として、補間演算等で解像度変換してもよい。203において視野画像信号を作成した後は、207においてこれを信号処理回路107に出力する。信号機104が近くに無い場合は、これら処理を繰り返し行うため、装着者はカメラ103が撮影した画像のみを見ることとなる。
次に、装着者が信号機104にある程度近づいてきた場合であっても、例えば交差点において視野に交差する2つの信号機が見えるような状況においては、信号機から充分に離れているときとほぼ同じ扱いとなる。すなわち、201では無線受信機105からの信号を入力する。このときは、信号機104からある程度離れていたり、複数の信号機からの信号が混載することから、高いエラーレートを示す。202においてはエラーレートをチェックするが、ここでは例えば信号の再現率が7割以下であるときは、エラーレートが高いと判断し、203の処理を行う。203においては、第1の信号であるカメラ103からの映像信号から視野画像信号を作成する。その後、207において視野画像信号を信号処理回路107に出力する。
さらに、装着者が信号機104に近づき、信号機104を注視した場合は、以下のようになる。すなわち、201では無線受信機105からの信号を入力する。このときはエラーレートが低くなることから、202においてエラーレートをチェックした際、信号の再現率が7割以上となり、エラーレートが低いと判断される。この判断により、処理は204に移る。204においては、信号機104から送られた情報の中身をチェックし、信号機が現在、赤、黄、青のどれなのかを判断する。もし、現在青でない場合は、205にて視野画像信号を作成する。205で視野画像信号を作成する場合、まず、203と同様の手法により、カメラ画像から100×100の視野画像信号を作成する。205においては、この画像に信号機の色の情報を重畳する。例えば、信号が赤の場合、作成した視野画像信号に×のマークを重ね、信号が黄色の場合、作成した視野画像信号に△のマークを重ねるなどの方法がある。装着者に対してより注意を促すために、これら×や△のマークを点滅させて重ねてもよい。いずれにせよ、205においては、カメラ画像に、信号機の状態を記号化したものを重ねて表示したものを視野画像信号として作成する。作成した視野画像信号は、207において、信号処理回路107に出力する。一方、204において信号機104が青であると判断した場合は、206にて視野画像信号を作成する。206で視野画像信号を作成する場合、まず、203と同様の手法により、カメラ画像から100×100の視野画像信号を作成する。206においては、この画像に信号機があと何秒で黄色に変わるのかという情報を重畳する。残り時間に関する情報は、信号機104から現在の色情報と共に送られてきているものとする。残り時間は、1桁当たり16×16画素の数字として、視野画像信号の隅の方に重ねて表示し、これを出力すべき視野画像信号とする。作成した視野画像信号は、207において、信号処理回路107に出力する。
以上の方法によれば、通常の状態では装着者はカメラに写った画像をそのまま認識しているが、信号を注視した場合には、その信号がどういう状態なのかを確実に知ることができる。さらに、青信号の残り時間など、信号機側から送られてくる追加情報も得ることができ、残り時間が少ない場合には横断をやめるなどの判断が可能となる。
図5は、本発明の第2の実施例における人工視覚装置のブロック図を示す。図5における図1との違いは、信号機104が標識501となっており、信号を受ける無線受信機が502となり、これに対処するために、信号処理装置502内部の機能が変更されるとともに、信号処理装置502に入力するスイッチ504が追加されているのみであり、その他の部分については図1と同じである。したがって、ここでは標識501からの信号を受信したときの働きを中心に説明を行う。
ここで、標識501は、道路標識や工事中の看板などの歩行者の安全に関わるものであってもよいし、また、バスや電車の時刻表などの利便性に関わるものでもよい。いずれにせよ、標識501は、健常者のための通常の視覚表示と共に、無線による信号発信を行っていするものとする。ここで、無線の方式は、たとえば802.11bなどにより、半径10m程度の領域に対して有効なものとし、無線信号上に、標識の種類や表示内容を文字データとして発信しているものとする。以下の説明では、標識501はバス停であり、無線にて時刻表を送ってくる場合を例にとって説明する。
まず、本装置の装着者が標識501から充分離れているときは、無線受信機502には第2の信号が入らないため、実施例1と同様に、信号処理装置503はカメラ103の画像を視野画像信号として作成し、装着者はカメラ103の画像のみを認識するようにする。このときには、信号処理装置503はスイッチ504を無視し、常にカメラ103の画像を視野画像信号とする。次に、装着者が標識501に近づいてきて、無線受信機502が標識501からの無線信号をあらかじめ定めた値以下の低いエラーレートで捉えるようになった場合、信号処理装置503はカメラ103の画像に、検出した標識の種別(この例の場合はバス停)を重畳して視野画像信号を作成する。図6に作成された視野画像信号を示す。図6において、601は視野画像信号全体であり、表示602以外の部分は全てカメラ103が撮影した映像である。表示602は標識501から送られてくる標識の種別であり、信号処理装置503がカメラ103の画像に重ねて表示したものである。表示602は点滅させることにより、より装着者の注意を引きやすくなる。この視野には、無線にて情報を送ってくる標識501が603の部分に入っているが、視野に入っていない場合でも602は表示する。なお、装着者が標識501の存在を認識した後は、表示602は視野の妨げとなるため、消去することが望ましい。そのため、例えば、表示602は表示開始後3秒間のみ表示し、その後は表示602の重畳をやめて、カメラ103が撮影した映像のみにより視野画像信号を作成するようにする。
一方、標識501が近くに存在する状態において、装着者がスイッチ504を押した場合、信号処理装置503はこれを検知し、無線受信機502から受け取ったバスの時刻表を文字表示した視野画像信号を作成する。このとき、カメラ103からの画像は無視し、暗い背景に明るい文字で表示することで、文字をはっきりと表現する。また、視野画像信号の解像度が低いことから、バスの時刻表は大きな文字で一部分のみ表示し、これをスクロールすることで全てを表示するものとする。装着者がスイッチを離した場合、信号処理装置503は再び図6に示す視野画像信号を作成する。この場合、スイッチを押していた時間が例えば2秒以上あった場合は、バス停の存在を既に認識した上で、バスの時刻表を確認したこととなるため、表示602は行わずに、カメラ103が撮影した映像のみにより視野画像信号を作成するようにしてもよいが、スイッチを押していた時間が例えば2秒以下と短い場合は、近くに存在する標識の種類を再度確認したいという意味であることとして、表示602の3秒間の重畳を再度行うものとする。また、装着者が再度スイッチ504を押した場合には、再び最初からバスの時刻表を表示するものとする。
ここで、スイッチ504として、まぶたの動きを利用することが有効である。このためには、体外装置101においてまぶたに向けて視覚センサを配置し、まぶたの開閉を視覚的に認識してこれをスイッチ出力としても良いし、眼内埋植装置102に光センサを配置し、これが受けた光の有無を無線にて体外装置101に送信し、これをスイッチ出力としても良い。スイッチ504として、まぶたの動きを利用することにより、装着者がまぶたをあけているときにはカメラ103が撮影した映像により外界を視覚的に見ることができ、まぶたを閉じたときにはバスの時刻表等の情報が見られることとなる。このことは、目を閉じたまま動くことがないという人間の自然な習性を利用し、外界が見えない状態で動くことによる危険性を回避することができる。
上記の例では、標識501から送られる文字情報を、表示602として視野画像信号に重畳する例を示したが、このままでは標識501と同様の手段により広告などが無線発信され、装着者に強制的に見せるなどの問題が生じる恐れがある。このような状況を回避するために、標識501からは文字情報に加えて認証コードも送信し、信号処理装置503において、送られた認証コードが正当なものであった場合のみ有効な標識として、上記に示す重畳を行うようにする。
図7は、本発明の第3の実施例における人工視覚装置のブロック図を示す。図7における図5との違いは、標識501がPC等の映像出力を持つ機器701となっており、これを有線の映像信号により外部インタフェース702を経由して体外装置101内の信号処理装置703に取り込み、これに対処するために信号処理装置703内部の機能が変更されているのみであり、その他の部分については図5と同じである。したがって、ここではPC等701からの信号を受信したときの働きを中心に説明を行う。
ここで、PC等701は、パソコンやビデオ等の映像出力を持つ機器であり、パソコンの場合はモニタ出力信号を、ビデオの場合はNTSC信号などを出力するものである。外部インタフェース702はこれら信号を接続するコネクタであり、701がパソコンのときは例えばモニタ用コネクタであり、701がビデオのときはNTSCを受ける同軸コネクタである。
まず、外部インタフェース702に何もコネクタが差されていない場合、および、コネクタが差されていてもPC等701から映像信号が出ていない場合には、信号処理装置703はカメラ103の画像を視野画像信号として作成するため、装着者はカメラ103の画像のみを認識することとなる。このときには、信号処理装置703はスイッチ504を無視し、常にカメラ103の画像を視野画像信号とする。
次に、外部インタフェース702にコネクタが差されており、且つ、PC等701から映像信号が出ている場合には、信号処理装置703はスイッチ504をチェックし、スイッチ504がOFFの場合には上記と同様にカメラ103の画像を視野画像信号として作成するが、スイッチ504がONの場合にはPC等701からの映像信号を視野画像信号として作成する。このことにより装着者は、スイッチがOFFのときは通常どおりカメラ103により外界を見ることができるが、スイッチがONのときはPC等701の出力画像を直接見ることができる。PC等701の出力画像を直接見ることにより、カメラ103を経由してPC等701の画面を見る場合よりも、画角が視野全体にちょうど合い、外光等の影響のない鮮明な画像を認識できるようになる。
この実施例においても、実施例2と同様に、スイッチ103としてまぶたの開閉を利用することが有効である。まぶたを閉じているときにはPC等701の出力画像を直接見られるようにし、まぶたを空けたときにカメラ103からの外界の映像を見られるようにすることにより、まぶたを閉じてPC等701の画像を見ている場合でも、目をあけるだけですみやかに外界の映像を見ることが可能となるため、危険な状態になることが少ない。
本発明にかかる人工視覚装置は、解像度の低い網膜刺激電極を用いた場合でも、必要に外部の情報を装着者に認識させることができるため、現有技術により実用性のある人工視覚装置として有用である。
101 人体外部に装着する体外装置
102 眼球内に装着する眼内埋植装置
103 カメラ
104 信号機
105 無線受信機
106 信号処理装置
107 信号作成回路
108 無線送信器
109 無線受信機
110 網膜刺激電極アレイ
111 電池
112 電力送信器
113 電力受信器
201 信号入力処理
202 エラーレート比較判断
203 カメラ画像による視野画像信号作成処理
204 信号色判定
205 カメラ画像に信号の色を重ねた視野画像信号作成処理
206 カメラ画像に残り時間を重ねた視野画像信号作成処理
207 視野画像信号の出力処理
301 フレキシプルプリント基板
401 眼球外形状
501 無線発信標識
502 無線受信機
503 信号処理装置
504 スイッチ
601 視野画像信号
602 オーバレイ表示された標識の種別
603 バス停
701 PC等の映像出力機器
702 外部インタフェース
703 信号処理装置
801 人体外部に装着する体外装置
802 眼球内に装着する眼内埋植装置
803 カメラ
804 画像処理装置
805 画像切り出し手段
806 信号作成回路
807 無線送信器
808 無線受信機
809 網膜刺激電極アレイ
810 電池
811 電力送信器
812 電力受信器
102 眼球内に装着する眼内埋植装置
103 カメラ
104 信号機
105 無線受信機
106 信号処理装置
107 信号作成回路
108 無線送信器
109 無線受信機
110 網膜刺激電極アレイ
111 電池
112 電力送信器
113 電力受信器
201 信号入力処理
202 エラーレート比較判断
203 カメラ画像による視野画像信号作成処理
204 信号色判定
205 カメラ画像に信号の色を重ねた視野画像信号作成処理
206 カメラ画像に残り時間を重ねた視野画像信号作成処理
207 視野画像信号の出力処理
301 フレキシプルプリント基板
401 眼球外形状
501 無線発信標識
502 無線受信機
503 信号処理装置
504 スイッチ
601 視野画像信号
602 オーバレイ表示された標識の種別
603 バス停
701 PC等の映像出力機器
702 外部インタフェース
703 信号処理装置
801 人体外部に装着する体外装置
802 眼球内に装着する眼内埋植装置
803 カメラ
804 画像処理装置
805 画像切り出し手段
806 信号作成回路
807 無線送信器
808 無線受信機
809 網膜刺激電極アレイ
810 電池
811 電力送信器
812 電力受信器
Claims (24)
- 外界の映像を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される第1の信号とは異なる第2の信号を入力して視野画像信号を作成する信号処理手段と、
前記視野画像信号を神経刺激信号に変換するための信号作成手段と、
前記神経刺激信号を網膜細胞あるいは視神経に伝えるための電極アレイと、
を持つ人工視覚装置。 - 前記信号処理手段は、前記第1と第2の信号のいずれか一つを選択する選択手段を持つ請求項1記載の人工視覚装置。
- 前記選択手段は、切換スイッチを備え、前記切換スイッチに基づいて前記第1と第2の信号のいずれか一つを選択する請求項2記載の人工視覚装置。
- 前記信号処理手段は、前記第1の信号に第2の信号に基づく情報を重畳して前記視野画像信号を作成すること信号重畳手段を持つ請求項1記載の人工視覚装置。
- 前記信号処理手段は、前記第2の信号の有無を判断する第2信号判断手段を備え、前記第2信号判断手段に基づき、前記第2の信号が存在しないときには前記第1の信号を前記視野画像信号とする画像信号合成手段を持つ請求項1記載の人工視覚装置。
- 前記画像信号合成手段は、前記第2信号判断手段により前記第2の信号の存在を検知したときは、検知したことを示す信号を前記第1の信号に重畳して前記視野画像信号とする請求項5記載の人工視覚装置。
- 無線により送られてくる前記第2の信号を受信するための受信手段を備えた請求項1記載の人工視覚装置。
- 前記第2の信号は、道路標識から送られてくる標識情報信号である請求項7記載の人工視覚装置。
- 前記第2の信号は、交通信号機から送られてくる信号機情報である請求項7記載の人工視覚装置。
- 前記信号処理手段は、前記第2の信号の強度が予め与えた値以上で受信した際、前記第2の信号の情報を前記第1の信号に重畳して前記視野画像信号とする画像信号合成手段を持つ請求項7記載の人工視覚装置。
- 前記画像合成手段は、前記第2の信号の情報を前記第1の信号に重畳して前記視野画像信号作成する際に、予め与えた第1の時間の間は前記第2の信号の情報を重畳し、その後予め与えた第2の時間の間は前記第2の信号の情報を重畳するのを停止する請求項10記載の人工視覚装置。
- 前記画像合成手段は、予め定められた回数だけ第1の信号と第2の信号の重畳を繰り返す請求項11記載の人工視覚装置。
- 前記信号処理手段は、第2の信号のエラーレートを検出して、前記エラーレートが予め与えられた値以下のときのみ前記第2の信号の情報を第1の信号に重畳して前記視野画像を作成する画像合成手段を持つ請求項7記載の人工視覚装置。
- 前記信号処理手段は、前記切換スイッチとしてまぶたを利用し、まぶたを開いているときは前記第1の信号を前記視野画像信号として出力し、まぶたを閉じているときは前記第2の信号を用いて前記視野画像を作成する請求項3記載の人工視覚装置。
- 眼球内に光を検知するセンサを配置し、まぶたの開閉を光量の変化により検出することを特徴とする、請求項14記載の人工視覚装置。
- 前記第2の信号は、文字情報である請求項14記載の人工視覚装置。
- 無線により送られてきた文字情報を時分割で文字表示し、これを前記視野画像信号とする請求項14記載の人工視覚装置。
- 一旦目まぶたを開き、再度まぶたを閉じた場合は、最初から文字を再表示する請求項17記載の人工視覚装置。
- 無線により送られてきた信号に対して、認証機能を持つことを特徴とする、請求項7および請求項16記載の人工視覚装置。
- 前記第2の信号が指向性のある無線により送られてくる請求項7記載の人工視覚装置。
- 前記指向性のある無線は、光通信である請求項20記載の人工視覚装置。
- 前記指向性のある無線は、信号機に用いられる発光ダイオードを高速に点滅させることにより通信を行う請求項21記載の人工視覚装置。
- 前記信号重畳手段は、予め定めた時間の間は第1の信号に対して第2の信号に基づく情報を重畳して前記視野画像信号とし、前記予め定めた時間の終了後は、前記第1の信号のみを視野画像信号とする請求項4記載の人工視覚装置。
- 前記信号重畳手段は、スイッチを備え、前記スイッチを閉じて開いた時に、再び、予め定めた時間の間は第1の信号に対して第2の信号に基づく情報を重畳して前記視野画像信号とし、前記予め定めた時間の終了後は、前記第1の信号のみを視野画像信号とする請求項23記載の人工視覚装置。
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