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JP2007185130A5 - - Google Patents

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JP2007185130A5
JP2007185130A5 JP2006004953A JP2006004953A JP2007185130A5 JP 2007185130 A5 JP2007185130 A5 JP 2007185130A5 JP 2006004953 A JP2006004953 A JP 2006004953A JP 2006004953 A JP2006004953 A JP 2006004953A JP 2007185130 A5 JP2007185130 A5 JP 2007185130A5
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スピニングリールのロータ制動装置
本発明は、制動装置、特に、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたロータの糸繰り出し方向の回転を制動するスピニングリールのロータ制動装置に関する。
一般に、磯釣りを行う場合、制動レバー(制動操作部の一例)によってロータの糸繰り出し方向の回転(逆転)が制動されるロータ制動機構を有するレバーブレーキ型のスピニングリールがしばしば使用される。レバーブレーキ型のスピニングリールは、魚が餌を咥えるのを妨げない程度に制動力を緩めるために使用される。
この種の従来のレバーブレーキ型のスピニングリールのロータ制動装置は、ロータの糸繰り出し方向の回転を伝達するワンウェイクラッチと、ワンウェイクラッチから伝達されたロータの糸繰り出し方向の回転に連動して回転する円板形状の回転部材と、回転部材を制動操作するための制動レバーとを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
制動レバーの先端には押圧プレートが取り付けられており、押圧プレートは、リール本体に装着されたブレーキシューを制動レバーの操作により移動させるように構成されている。回転部材は、ブレーキシューと、リール本体に回転部材を跨いで配置された圧接片とにより挟まれて制動される。
特開2000−14291号公報
前記従来のスピニングリールのロータ制動装置では、移動するブレーキシューと固定の圧接片とにより挟まれて回転部材が制動される。このため、制動時に回転部材を傾けるような力が回転部材に作用する。この傾ける力は、制動力が強くなればなるほど強くなる。この結果、制動レバーを強く操作しても制動力が効率よく上昇しにくい。
本発明の課題は、スピニングリールのロータ制動装置において、制動操作部による操作に応じて効率よく制動力を上昇できるようにすることにある。
発明1に係るスピニングリールのロータ制動装置は、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたロータの糸繰り出し方向の回転を制動する装置であって、ワンウェイクラッチと、回転部材と、制動操作部と、連動機構とを備えている。ワンウェイクラッチは、ロータの糸繰り出し方向の回転を伝達するものである。回転部材は、両面に制動面を有する制動部を有し、ワンウェイクラッチから伝達されたロータの糸繰り出し方向の回転に連動して回転する部材である。制動操作部は、リール本体に移動自在に装着され、移動のための第1操作部を一端に有し第1操作部の操作により制動面のいずれか一方に接触する第1制動作用部を他端に有する。連動機構は、リール本体に移動自在に装着され、制動操作部の移動に連動して制動面のいずれか他方に接触して制動部を第1制動作用部とで挟持可能な第2制動作用部を一端に有する部材である。
この制動装置では、ロータが糸繰り出し方向に回転すると、その回転がワンウェイクラッチを介して回転部材に伝達される。一方、ロータが糸巻取方向に回転した際には、その回転を回転部材に伝達されない。ロータが糸繰り出し方向に回転しているときに、第1操作部により制動操作部を移動操作すると、制動操作部の第1制動作用部が制動面のいずれかに接触する。これと同時に、連動機構の第2制動作用部が制動操作部と連動して制動面の他方に接触して制動部が両制動作用部で挟持され、回転部材が制動される。ここでは、回転部材の制動部の2つの制動面を、連動して移動する制動操作部の第1制動作用部と連動機構の第2制動部材とで挟持して制動するので、制動部を傾ける力が作用しにくくなる。このため、制動操作部による操作に応じて効率よく制動力を上昇できるようになる。
発明2に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明1に記載の装置において、制動部は、筒状であり、その外周面と内周面とに制動面を有する。この場合には、制動部が円板状ではなく、筒状であるため、制動面の筒状の制動部の内周面と外周面とに配置できる。このため、2つの制動面に接触する制動操作部と連動機構とを簡素な構造で実現できる。
発明3に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明2に記載の装置において、リール本体は、竿装着部と、竿装着部と間隔を隔てて配置されたリールボディと、竿装着部とリールボディとを連結する脚部とを有し、制動操作部は、竿装着部と接近・離反する方向に第1揺動軸回りに揺動自在にリール本体に装着された制動レバーを有し、第1操作部は、竿装着部に対して接近・離反するように制動レバーの一端に設けられ、第1制動作用部は、第1操作部と第1揺動軸を挟んで制動レバーの他端に配置され制動部の内周面を押圧する。この場合には、ひとつの制動レバーの両端に第1操作部と第1制動作用部とが配置されるので、制動操作部の構成が簡素になる。
発明4に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明3に記載の装置において、連動機構は、制動レバーの第1揺動軸と平行な第2揺動軸回りに揺動自在であり、第2制動作用部は、第1制動作用部と対向する位置で制動部の外周面を押圧する。この場合には、制動レバーと連動機構とが平行な軸回りで揺動するので、2つの制動作用部を対向して配置しやすくなるとともに、回転部材を挟持しやすくなる。
発明5に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明3又は4に記載の装置において、連動機構は、制動レバーに係合する係合部を有し、制動レバーが竿装着部に接近する方向に操作されると、係合部が制動レバーに接触して第2制動作用部が制動部に接触するように移動する。この場合には、連動機構を制動レバーに直接係合させて制動レバーと連動するように構成したので、簡素な構造で連動機構を制動レバーに連動させることができる。
発明6に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明2から5のいずれかに記載の装置において、回転部材に相対回転可能に装着され制動部の内周面及び外周面のいずれか一方に摩擦係合する摩擦部材、及び摩擦部材に係合して摩擦部材の糸繰り出し方向の回転を禁止し回転部材を摩擦部材に対して相対回転させてロータの糸繰り出し方向の回転を制動する制動位置と摩擦部材から離反して摩擦部材の回転を許可し制動解除する離反位置とに切換可能に前記リール本体に装着された切換動作部を有する第1所定制動部をさらに備える。この場合には、切換動作部を制動位置に配置すると、摩擦部材の回転が禁止され、回転部材が摩擦部材に対して摩擦係合した状態で相対回転可能になる。この状態でロータが糸繰り出し方向に回転すると、ワンウェイクラッチを介してその回転が回転部材に伝達され回転部材が回転する。このとき、摩擦部材は切換動作部により回転が禁止されているので、回転が禁止された摩擦部材に対して回転部材が回転し、回転部材に摩擦係合する摩擦部材により回転部材が制動され、回転部材にワンウェイクラッチで連結されたロータが所定制動状態で制動される。ここでは、摩擦部材が回転部材に摩擦係合した状態で装着されているので、所定制動状態のときに全体的に均等に回転部材を制動することができる。このため、強力かつ安定した所定制動状態でロータを制動することができる。しかも、回転部材に摩擦部材を摩擦係合した状態に装着し、その摩擦部材を切換動作部により回転禁止・回転許可に切り換えるだけでよいので、複数のディスク部材で制動する構造に比べて構造が簡素になる。
発明7に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明6に記載の装置において、制動部は、摩擦部材が内周面に摩擦係合する第1円筒部と、第1円筒部と一体形成され前記第1円筒部より小径であり第1及び第2制動作用部が接触する第2円筒部とを有する。この場合には、摩擦部材を回転部材の内周側に配置することにより切換動作部の構成が簡素になるとともに、小径の第2円筒部に第1及び第2制動作用部が接触するので、2つの制動作用部を第2円筒部の内外周部に配置しても、リールの大型化を招かない。
発明8に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明6又は7に記載装置において、摩擦部材と制動部との間に装着された少なくとも1つの摩擦リングをさらに備え、摩擦部材は、摩擦リングを介して円筒部の内周面と摩擦係合している。この場合には、摩擦リングより摩擦部材を回転部材に摩擦係合させているので、より安定した摩擦力を得やすい。
発明9に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明8に記載の装置において、摩擦部材の外周面には、摩擦リングを装着するための少なくとも1つの環状装着溝が形成されている。この場合には、制動時に回転しない摩擦部材に摩擦リングが確実に保持される。
発明10に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明6から9のいずれかに記載の装置において、制動レバーは、先端に第1制動操作部と竿装着部から離反する方向に間隔を隔てて配置された第2操作部と、第1制動作用部に近接して配置され切換動作部に係合する切換係合部と、をさらに有し、切換動作部は、切換係合部に係合し、制動レバーの竿装着部から接近・離反する方向の揺動に応じて制動位置と離反位置とに移動する。この場合には、この場合には、制動レバーを用いて第1所定制動部を切換動作させることができるので、第1所定制動部の操作が容易になる。
発明11に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明6から10のいずれかに記載の装置において、制動部の内周面に接触可能な第3制動作用部を有し、前記第3制動作用部が前記制動部の内周面に接触して押圧可能な制動位置と、前記内周面から離反する制動解除位置とに移動自在に前記リール本体に装着された移動部材と、移動部材を制動位置と制動解除位置とに切換操作するための切換操作部とを有し、ロータを第1所定制動部より弱い制動力で制動可能な第2所定制動部をさらに備える。この場合には、2つの所定制動力が得られるので、釣り場を移動するときは、第2所定制動部を利用して釣り糸が誤って繰り出されるのを防止でき、釣りしているときには、第1所定制動部を利用して強い所定制動力を得ることができる。
本発明によれば、回転部材の制動部の2つの制動面を、連動して移動する制動操作部の第1制動作用部と連動機構の第2制動部材とで挟持して制動するので、制動部を傾ける力が作用しにくくなる。このため、制動操作部による操作に応じて効率よく制動力を上昇できるようになる。
〔全体構成〕
図1に示す本発明の一実施形態によるスピニングリールは、釣り竿の長手方向に沿う第1軸X回りに釣り糸を巻き取るリールであって、ハンドル1を備えたリール本体2と、リール本体2の前部に第1軸X回りに回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配置された釣り糸を巻き取るスプール4とを備えている。
リール本体2は、たとえば、アルミニウムやマグネシウム合金などの軽金属製である。リール本体2は、図1から図3に示すように、釣り竿に装着される前後に長い竿装着部2cと、竿装着部2cと間隔を隔てて配置されたリールボディ2aと、竿装着部2cとリールボディ2aとを連結する脚部2bとを有している。リールボディ2aは、内部に機構装着空間を有し、脚部2bと一体形成され側部が開口する筐体部2fと、筐体部2fを塞ぐ蓋部材2d(図3)とを有している。リールボディ2aの前部には、取付フランジ付きの金属製の筒状の取付部材2eが装着されている。
リールボディ2aの内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、ロータ3の糸繰り出し方向の回転(逆転)を制動するためのレバーブレーキ機構(ロータ制動装置の一例)6と、スプール軸8を介してスプール4を前後に往復移動させるオシレーティング機構20とが設けられている。
ロータ3は例えば合成樹脂又は金属製であり、リール本体2に回転自在に支持されている。ロータ3は、円筒部3aと、円筒部3aの側方に互いに対向して設けられた第1アーム部3b及び第2アーム部3cとを有している。図5に示すように、円筒部3aの前壁3dの中央部には貫通孔3eを有するボス部3fが形成されている。この貫通孔3eにスプール軸8及びピニオンギア12の前部12aが貫通している。第1アーム部3bの先端と第2アーム部3cの先端部とには、揺動自在にベールアーム9が設けられている。このベールアーム9により釣り糸がスプール4に案内される。
スプール4は、たとえば、アルミニウム合金製のものである。スプール4は、ロータ3の第1アーム部3bと第2アーム部3cとの間に配置されており、スプール軸8の先端にワンタッチ着脱機構19を介して着脱自在かつ回転不能に装着されている。スプール4は、糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後端部に一体形成された大径のスカート部4bと、糸巻胴部の前端部に一体形成された前フランジ部4cとを有している。前フランジ部4cの外周部には、硬質なスプールリング4dが装着されており、糸巻胴部4aの前端部にねじ込み可能なリング固定部材4eにより固定されている。
ロータ駆動機構5は、図1及び図4に示すように、ハンドル1がねじ込み固定されたマスターギア軸10とともに回転するマスターギア11と、このマスターギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。マスターギア軸10は、リール本体2に左右に間隔を隔てて配置された、好ましくは玉軸受の形態の軸受15a,15bによりリール本体2に回転自在に支持されている。図4に示すように、軸受15aは、蓋部材2dに外方に突出して形成されたボス部16aに装着されている。軸受15bは、筐体部2fに外方に突出して形成されたボス部16bに装着されている。軸受15a,15bとマスターギア軸10の外周面との間には、ハンドル1のねじ込みによるマスターギア軸10の変形により軸受15a,15bが抜けにくくなるのを防止するためのパイプ形状のスリーブ17a,17bが装着されている。スリーブ17a,17bは、マスターギア軸10の軸端部を覆うような内フランジ部を有している。また、図4左側の蓋部材2dに装着された軸受15aとマスターギア11の背面との間には、ばね部材18が介装されている。ばね部材18は、軸受15aとマスターギア11とを両者が離反する方向に付勢してマスターギア11の軸方向のがたを防止するために設けられている。ばね部材18としては、皿ばねや波板ばねやスプリングワッシャなどのリング形状でコンパクトなものが好ましい。
図1に示すように、ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の貫通孔3eを貫通してスプール4側に延びている。図5に示すように、この前部12aで、ロータ3はナット13によりピニオンギア12に回転不能に固定されている。ピニオンギア12は、前部と中間部とで転がり軸受の形態の軸受14a,14bによりリール本体2に回転自在に支持されている。なお、前部の軸受14aは、リール本体2を構成する取付部材2eの内周面に装着されている。ナット13は、リテーナ27により緩み止めされている。リテーナ27は前壁3dに形成されたねじ孔にねじ止め固定されたビスにより固定されている。また、ナット13の内周部には、滑り軸受の形態のブッシュ14cが装着されており、スプール軸8を前後移動自在に支持している。スプール軸8は、ピニオンギア12の後方で筐体部2fに装着されたブッシュ14dにも前後移動自在に支持されている。また、ピニオンギア12の内周面とスプール軸8の外周面との間には所定の隙間が形成されており、接触していない。このため、スプール軸8の前後移動がスムーズになる。
オシレーティング機構20は、図1に示すように、トラバースカム式のものであり、ハンドル1の回転に連動してスプール4を前後往復移動させる。オシレーティング機構20は、スプール軸8と平行に配置された螺軸20aと、螺軸20aの先端に配置されピニオンギア12に噛み合う中間ギア20bと、螺軸20aに係合して螺軸20aの回転により前後往復移動するスライダ20cとを有している。スライダ20cにスプール軸8の後端部が回転不能かつ軸方向移動不能に取り付けられている。
〔レバーブレーキ機構の構成〕
レバーブレーキ機構6は、図1〜図3及び図5〜図9に示すように、ロータ3の糸繰り出し方向の回転だけを伝達するワンウェイクラッチ21と、ロータ3とワンウェイクラッチ21を介して連結された回転部材22と、回転部材22に接触して制動する制動操作部23と、制動操作部23と連動して移動する連動機構24とを有している。また、レバーブレーキ機構6は、制動レバー50により第1所定制動状態と制動解除状態とに切換可能な第1所定制動部25(図参照)と、第1所定制動部25より弱い制動力でロータ3を制動可能な第2所定制動部26とを有している。
〔ワンウェイクラッチの構成〕
ワンウェイクラッチ21は、爪式のものであり、ロータの前壁3dに回転不能に装着された筒状のラチェットホイール32と、ラチェットホイール32に接触可能なクラッチ爪33と、クラッチ爪33を先端がラチェットホイール32に接触する方向及び離反する方向に付勢するばね部材34とを有している。ワンウェイクラッチ21は、ロータ3の糸繰り出し方向の回転にのみ回転部材22に伝達し、回転部材22を糸繰り出し方向に回転させる。
ラチェットホイール32は、内周面に鋸歯状のラチェット歯32aを有しており、このラチェット歯32aにクラッチ爪33の先端が接触して糸繰り出し方向のロータ3の回転が回転部材22に伝達される。
クラッチ爪33は、図3に示すように、回転部材22の前面に基端が揺動自在に装着されており、先端部にラチェット歯32aに係止される鋭角の爪部33aが形成されている。また、中間部には、ばね部材34が係止される係止孔33bが形成されている。
ばね部材34は、弾性線材を加工して形成されたものであり、図3及び図5に示すように、基端にロータ3のボス部3fの外周面に摩擦係合するリング状の装着部34aを有し、中間部に径方向に延びるつなぎ部34bを有し、先端に係止孔33bに係止される係止部34cを有している。ばね部材34は、ロータ3の回転方向に応じて付勢方向が変化する。具体的には、ロータ3が糸巻取方向に回転すると、クラッチ爪33をラチェットホイール32から離反する方向に付勢し、糸繰り出し方向に回転するとラチェットホイール32に接近する方向に付勢する。これにより、ロータ3を糸巻取方向に回転するときに、クラッチ爪33がラチェットホイール32に衝突しなくなり、クリック音が発生しなくなる。このため、爪式のワンウェイクラッチ21であっても、糸巻取時の回転抵抗を低減できる。
〔回転部材の構成〕
回転部材22は、ワンウェイクラッチ21から伝達されたロータ3の糸繰り出し方向の回転に連動して回転する。回転部材22は、図3及び図5に示すように、取付部材2eの先端外周面に装着された軸受35により取付部材2eに回転自在に支持されている。回転部材22は、軸受35が内周面に配置された支持部材36と、支持部材36にねじ止め固定された円板部材37と、円板部材37の外周部に一体回転可能に装着され制動操作部23により制動される筒状の制動部材(制動部の一例)38とを有している。
支持部材36は、たとえば、合成樹脂製の円板状の部材であり、内周部に軸受35をその外輪の前方への移動を規制して収納可能な軸受収納部36aを有している。また、前面にクラッチ爪33を揺動自在に装着可能な爪装着部36bを有している。
円板部材37は、たとえば金属板をプレス成形して得られたものであり、軸受35の後方への移動を規制する規制部37aを内周部に有し、周方向に間隔を隔てて配置された、たとえば4つの規制突起37bを外周部に有している。この規制突起37bに制動部材38が係合して、制動部材38が円板部材と一体回転する。
制動部材38は、たとえば、金属製の筒状部材をプレス成形して得られたものであり、円板部材37の外周部に装着された大径の第1円筒部38aと、第1円筒部38aの後端部に第1円筒部38aより縮径して形成された第2円筒部38bとを有している。第1円筒部38aの前端部には、規制突起37bに係合するたとえば、4つの規制凹部38cが周方向に間隔を隔てて形成されている。また、前側内周面には、環状装着溝38dが形成されている。環状装着溝38dには、制動部材38を抜け止めするための、たとえば止め輪の形態の抜け止め部材39が装着されている。
第2円筒部38bは、内周面と外周面がそれぞれ制動面38e,38fとなっている。第2円筒部38bの2つの制動面38e,38fを制動操作部23が挟持して回転部材22が制動される。
〔制動操作部の構成〕
制動操作部23は、図1に示すように、第1軸Xと食い違う第2軸(第1揺動軸の一例)Y1回りに竿装着部2cと接離する方向にリールボディ2aに揺動自在に装着された制動レバー50を有している。制動レバー50は、リール本体2のリールボディ2aに第2軸Yに沿って配置された支持軸43によりリール本体2に揺動自在に支持されている。支持軸43は、図3に示すように、鍔付きの軸部材であり、蓋部材2dを筐体部2fに装着するためのねじ部材である。支持軸43は、蓋部材2d側から挿入されたねじ部材44に螺合してリール本体2に固定されている。この支持軸43及びねじ部材44は、蓋部材2dを筐体部2fに固定するのにも用いられている。また、制動レバー50は、脚部2bに収納されたコイルばね49により竿装着部2cと離反する方向に付勢されている。
制動レバー50は、図1に二点鎖線で示す所定制動位置と、実線で示す制動解除位置より竿装着部2cに接近した破線で示す制動位置との間でリール本体2に揺動自在に取り付けられている。なお、制動レバー50は、通常は、コイルばね49及び第1所定制動部25の機構により図1に実線で示す制動解除位置と二点鎖線で示す所定制動位置とのいずれかに保持される。
制動レバー50は、支持軸43による支持部分から湾曲して前方に延びる操作部50aと、支持部分から湾曲して斜め前下方に延びる作用部50bとを有している。操作部50aは、支持軸43での支持部分から竿装着部2cに沿ってベールアーム9の外方付近まで前方に延びた後、径方向外方と前方とに分岐して延び、さらに径方向外方に分岐した先端が前方に向けて湾曲した形状である。操作部50aは、湾曲部分から前方に設けられ、釣り竿を握る手の人差し指で操作可能な第1操作部50cと、分岐部分から前方に設けられ第1所定制動操作時に使用する第2操作部50dとを有している。したがって、第2操作部50dは第1操作部50cより竿装着部2cから離反する方向に離反して配置されている。
作用部50bの先端は、制動部材38の第2円筒部38bの内周面に対向して配置されている。作用部50bの先端には、第2円筒部38bの内周側の制動面38eに接触可能な第1ブレーキシュー(第1制動作用部の一例)51が装着されている。第1ブレーキシュー51は、たとえば、ポリアミド系合成樹脂やポリアセタールなどの弾性を有する合成樹脂製であり、制動レバー50に着脱可能に圧入固定されている。第1ブレーキシュー51は、制動面38eに沿うように円弧状に凸に湾曲する接触面51aを有しており、制動レバー50の揺動により第2円筒部38bを径方向外方に押圧する。
制動レバー50は、何も操作されないとコイルばね49により付勢されて、図1に実線で示すように、制動解除位置に配置されて第1ブレーキシュー51が第2円筒部38bから離反している。
コイルばね49は、制動レバー50の操作部50aとリール本体2の脚部2bとの間に圧縮状態で配置されている。コイルばね49は、制動レバー50を制動解除側に向けて図1反時計回りに付勢している。これにより、制動状態から制動レバー50から手を離すと、ロータ3は制動解除状態になる。
また、制動レバー50は、第1所定制動部25を図8に示す制動解除状態と図9に示す所定制動状態とに切り換える操作を行うためにも使用される。作用部50bの第1ブレーキシュー51の装着部分の下方には、第1所定制動部25の後述するレバー部材61の先端が係止される長円形の係止凹部50e(図2,図3参照)が形成されている。係止凹部50eは、後述するレバー部材61の先端部の横断面積より大きい面積の長円形の凹部である。さらに、作用部50bの第1ブレーキシュー51の装着部分の後方には、連動機構24を連動して動作させるための係合切欠き部50fが形成されている。係合切欠き部50fは、作用部50bの上縁に下方に湾曲して切り欠いた形状に形成されている。
〔連動機構の構成〕
連動機構24は、図2、図3及び図5に示すように、リール本体2の筐体部2fの前部に移動自在に装着された連動部材52を有している。連動部材52の先端には、制動レバー50の揺動に連動して第2円筒部38bの外周側の制動面38fに接触して第2円筒部38bを第1ブレーキシュー51とで挟持可能な第2ブレーキシュー(第2制動作用部の一例)53が着脱自在に装着されている。連動部材52は、筐体部2fの前部に前方に突出して形成されたボス部2g(図3)に揺動自在に装着されている。具体的には、ボス部2gには、制動レバー50の第2軸Y1と平行な第3軸(第2揺動軸の一例)Y2方向に沿って配置されたねじ孔2hが形成されており、連動部材52は、ボス部2gのねじ孔2hにねじ込まれるボルト部材54により、第3軸Y2回りに揺動自在に配置されている。連動部材52は、たとえば金属板を折り曲げて形成されている。連動部材52は、ボルト部材54によりボス部2gに装着される装着部52aと、装着部52aから折り曲げられ、制動レバー50の係合切欠き部50fに後部が係合する係合部52bと、係合部52bから折り曲げられて第1円筒部38aの外周面に対向可能なシュー取付部52cとを有している。このシュー取付部52cに第2ブレーキシュー53が第2円筒部38bの外周側の制動面38fに対向して装着されている。第2ブレーキシュー53は、たとえば、ポリアミド系合成樹脂やポリアセタールなどの弾性を有する合成樹脂製であり、連動部材52に着脱可能に圧入固定されている。第2ブレーキシュー53は、制動面38fに沿うように円弧状に凹に湾曲する接触面53aを有しており、第1ブレーキシュー51と対向する位置で第2円筒部38bの外周側の制動面38fを押圧する。
連動部材52は、制動レバー50が竿装着部2cに接近する方向に操作されると、係合部52bの後部が制動レバー50の係合切欠き部50fに接触して第2ブレーキシュー53が第2円筒部38bの外周側の制動面38fを径方向内方に押圧するように図5反時計回りに揺動する。これにより、図6に示すように、第1ブレーキシュー51とで第2円筒部38bを挟持し、回転部材22を制動し、ロータ3の糸繰り出し方向の回転が制動される。また、制動レバー50から指を離して制動レバー50が制動解除位置に戻ると、第2ブレーキシュー53による押圧が解除される。
ここでは、回転部材22の第2円筒部38bの2つの制動面38e,38fを、連動して移動する制動レバー50の第1ブレーキシュー51と連動機構24の第2ブレーキシュー53とで挟持して制動するので、回転部材22を傾ける力が作用しにくくなる。このため、制動レバー50による操作に応じて効率よく制動力を上昇できるようになる。
〔第1所定制動部の構成〕
第1所定制動部25は、図3、図5及び図8に示すように、制動部材38の内周面に相対回転可能に装着され制動部材38に摩擦係合する摩擦部材63と、摩擦部材63に係合・離反可能な切換動作部60とを有している。切換動作部60は、摩擦部材63に係合して摩擦部材63の糸繰り出し方向の回転を禁止し摩擦部材63を回転部材22に対して相対回転させてロータ3の糸繰り出し方向の回転を制動する制動位置と、摩擦部材63から離反して摩擦部材63の回転を許可し制動解除する離反位置とに切換可能にリール本体に装着されている。具体的には、切換動作部60は、制動レバー50と連動して揺動するレバー部材61と、レバー部材61を制動解除位置(離反位置)と所定制動位置とで保持するトグルばね62とを有している。
レバー部材61は、図3及び図8に示すように、リール本体2の取付部材2eの取付部分にスプール軸8と平行に配置された揺動軸65に揺動自在に装着されている。レバー部材61の基端から揺動中心までの距離は、先端から揺動中心までの距離より2倍以上長い。レバー部材61の先端は、係止凹部50eに係止されており、レバー部材61は、制動レバー50と連動して制動解除位置(図8)と所定制動位置(図9)との間で揺動する。レバー部材61の中間部には、係止爪70が揺動自在に装着されている。係止爪70は、基端にばね係止部70aを有し、先端に鋭角の爪部70bを有しており、コイルばね71により爪部70bが突出する方向(図8反時計回り)に付勢されている。レバー部材61の基端には、トグルばね62が係止されている。また、レバー部材61の揺動中心と係止爪70の装着部分との間には、制動面38eに接触して第1所定制動位置におけるレバー部材61の揺動位置を位置決めする位置決め部材66が装着されている。位置決め部材66は、レバー部材61と後述する摩擦部材63のラチェット歯63aとの間隔を一定に維持するため設けられている。
ここで、制動解除位置あるときレバー部材61はトグルばね62により付勢され、先端が係止凹部50eの上面に接触する。また、第1所定制動位置にあるとき、先端が係止凹部50eの下面に接触する。コイルばね71は、一端がばね係止部70aに係止され、他端がレバー部材61の揺動軸65に係止されている。このように係止爪70を揺動自在にレバー部材61に装着しかつコイルばね71で爪部70bが突出する方向に付勢することにより、第1所定制動位置にレバー部材61が揺動したときに爪部70bと、摩擦部材63の後述する第2ラチェット歯63aとの回転位相が合わずに、爪部70bが第2ラチェット歯63aの突出部分に接触しても、ショックを吸収して摩擦部材63を確実に回り止めできる。
摩擦部材63は、図5及び図8に示すように、筒状の部材であり、制動部材38の第1円筒部38aの内周に回転自在に装着されている。摩擦部材63の一端(図5右端)内周面には、係止爪70の爪部70bに係合する鋸歯状の第2ラチェット歯63aが径方向内方に突出して形成されている。第2ラチェット歯63aは、レバー部材61が所定制動位置(図9)にあるとき、係止爪70に係合して摩擦部材63の糸繰り出し方向の回転を禁止するために設けられている。摩擦部材63の外周面には、少なくとも1つ(たとえば2つ)の環状装着溝63bが形成されている。この環状装着溝63bに第1円筒部38a及び摩擦部材63と摩擦係合する摩擦リング64が装着されている。摩擦リング64は、摩擦部材63を制動部材38に摩擦係合させるために装着された、たとえばOリングからなる少なくとも1つ(たとえば2つ)のリングである。
摩擦部材63の両端には、座金部材73a,73bがそれぞれ配置されている。座金部材73aは、円板部材37と摩擦部材63との隙間に配置され、座金部材73bは、摩擦部材63と、第1及び第2円筒部38a,38bの段差部分との間に配置されている。これらの座金部材73a,73bは、摩擦部材63の軸方向の取り付け寸法を調節して摩擦部材63ががたつかないように設けられている。
このような構成の摩擦部材63では、レバー部材61が所定制動位置に配置され係止爪70が第2ラチェット歯63aに係合したとき、摩擦部材63の糸繰り出し方向の回転が禁止され、摩擦リング64の作用により制動部材38に対して摩擦摺動し、制動部材38を第1所定制動状態で制動する。
ここでは、制動レバー50を所定制動位置に押し込み操作すると、それに連動してレバー部材61も制動解除位置から第1所定制動位置に揺動する。この結果、係止爪70が摩擦部材63の第2ラチェット歯63aに係合し、ロータ3の糸繰り出し方向の回転を第1所定制動状態で制動する。
トグルばね62は、図8及び図9に示すように、レバー部材61を付勢して制動レバー50を所定制動位置と制動解除位置とに付勢し、その姿勢を保持することができる。トグルばね62は、レバー部材61の基端に装着された捩じりコイルばねである。トグルばね62は、一端がレバー部材61の基端に係止され、他端が筐体部2fの前端面に係止されている。トグルばね62は、図8に示すように、レバー部材61が制動解除位置に配置されると、レバー部材61を図9の時計回りに付勢し、所定制動位置に配置されると図9の反時計回りに付勢する。これにより、レバー部材61が制動解除位置と所定制動位置とで保持され、さらに制動レバー50が制動解除位置と所定制動位置とに保持される。
〔第2所定制動部の構成〕
第2所定制動部26は、図2及び図3に示すように、筐体部2fの前面に装着された移動部材75と、移動部材75を切換操作するための切換操作部76とを有している。移動部材75は、たとえば、ポリアミド系合成樹脂やポリアセタールなどの弾性を有する合成樹脂製であり、先端に制動面38eを押圧可能な第3ブレーキシュー(第3制動作用部の一例)75aを有している。また、基端に切換操作部76に係合する切換突起75bを有している。移動部材75は、制動面38eに接触して押圧可能な制動位置と、制動面38eから離反する制動解除位置とに移動自在に筐体部2fの前面に案内され、取付部材2eにより脱落が防止されている。移動部材75は、たとえばコイルばねの形態のばね部材77により制動位置に向けて付勢されている。移動部材75には、ばね部材77が装着されるばね装着穴75cが押圧方向に沿って形成されている。ばね部材77は、基端が筐体部2fに接触して圧縮状態でばね装着穴75cに装着されている。第3ブレーキシュー75aは、制動面38eに沿うように円弧状に凸に湾曲して形成された接触面75dを有している。切換突起75bは、押圧方向と交差する方向に延びている。
切換操作部76は、蓋部材2dの前面に揺動自在に装着された切換レバー80と、切換レバー80に一体的に揺動するカム部材81とを有している。カム部材81は、制動位置と制動解除位置とに切り換えるために所定範囲内で回動するように回動範囲が規制されている。また、カム部材81は、トグルばね82によりトグルばね82の死点を挟んで両方向に付勢されている。カム部材81は、移動部材75の切換突起75bに接触可能なカム突起81aを有しており、図2に実線で示すカム突起81aが切換突起75bに接触した位置で、移動部材75が制動解除位置に配置され、細線で示す位置ではカム突起81aが切換突起75bから離反し、移動部材75がばね部材77の付勢力により制動位置に配置され制動面38eを押圧する。
〔リールの動作及び操作〕
キャスティング時にはベールアーム9を糸開放姿勢側に倒し、キャスティングすることにより、スプール4の外周から釣り糸が繰り出される。糸巻取時には、ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると、ベールアーム9が図示しない戻し機構により糸巻き取り姿勢に戻る。ハンドル1の回転力は、マスターギア軸10、マスターギア11を介してピニオンギア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部12aを介してロータ3に伝達される。このときロータ3は糸巻き取り方向に回転するので、ワンウェイクラッチ21の作用によりこの回転力は回転部材22には伝達されない。ピニオンギア12が回転すると、スプール軸8が前後方向に往復移動する。
制動レバー50を何も操作しなければ、制動レバー50はコイルばね49及び第1所定制動部25の作用により押圧され制動解除位置または所定制動位置に配置される。
ロータ3を逆転させて魚とやりとりする時には、制動レバー50の第1操作部50cをたとえば人差し指により竿装着部2c側に引き込み操作して制動力を調整する。このとき、前述したように、制動レバー50の第1ブレーキシュー51が第2円筒部38bの内周側の制動面38eを押圧するとともに、連動部材52の第2ブレーキシュー53が第2円筒部38bの外周側の制動面38fを押圧する。この結果、制動部材38が2つのブレーキシュー51,53により挟持され、回転部材22を傾ける力が作用しにくくなる。このため、制動レバー50による操作に応じて効率よく制動力を上昇できるようになる。
釣り糸が魚により引かれてロータ3が糸繰り出し方向に逆転すると、その回転力がワンウェイクラッチ21を介して回転部材22に伝達される。この結果、回転部材22がロータ3と一体で糸繰り出し方向に回転する。制動レバー50の第1操作部50cを竿装着部2cに接近する方向に引き込み操作すると、たとえ制動レバー50が所定制動位置にあっても、レバー部材61が制動解除位置側に揺動する。この結果、第1所定制動部25による第1所定制動状態が一旦解除される。このとき、トグルばね62がレバー部材61の揺動により反転し、レバー部材61が制動解除位置側に付勢され、レバー部材61が制動解除位置側で保持される(図8)。また、第2所定制動部26が第2所定制動状態である場合は、制動レバー50を制動解除位置に配置しても、第2所定制動状態は維持される。
この状態でさらに制動レバー50を竿装着部2cに接近する方向に操作すると、制動レバー50の第1ブレーキシュー51及び連動部材52の第2ブレーキシュー53により第2円筒部38bが挟持されロータ3の糸繰り出し方向の回転が制動される。この制動力は制動レバー50に加える力を加減することにより調整でき、ロータ3の逆転量を任意に調整できる。この結果、制動レバー50の操作力に応じた制動力がロータ3に付与される。このように、第1所定制動状態の解除を忘れても、制動レバー50を引き込み操作するだけで、第1所定制動状態を解除できる。
釣り場を移動する時やリールを収納する時には、第2所定制動部26の切換操作部76により第2所定制動部26を第2所定制動状態にしたり、第2操作部50dの押圧操作により制動レバー50を所定制動位置に配置して第1所定制動部25を第1所定制動状態にしたりする。
第2所定制動状態では、図2に示すように、移動部材75が制動位置に配置さればね部材77の付勢力により弱い制動力でロータ3の逆転(糸繰り出し方向の回転)を制動する。
第1所定制動状態では、制動レバー50の押圧操作によりレバー部材61が、トグルばね62により付勢されて図9に示す第1所定位置に向けて揺動する。すると、レバー部材61に装着された位置決め部材66により第1所定位置に位置決めされる。そして、係止爪70がラチェットは63aに噛み合って摩擦部材63の糸繰り出し方向の回転が禁止される。したがって、第2所定制動状態における制動力は、摩擦部材63と制動部材38との間に装着された摩擦リング64の弾性力によって定められる。このため、移動途中にハンドル1に何かが当たってもハンドル1が回らない程度に強い所定制動力を得やすくなり、釣り場の移動途中に糸ふけが生じない程度に強く所定制動力を設定できる。また、摩擦部材63と制動部材38との相対回転により制動するので、制動力が変動しにくくなり安定する。
さらに、仕掛けの垂らし長さを変更するためや、魚に当たりがあった時に魚に仕掛けを確実に食い込ませるために、ロータ3を所定制動状態から制動解除状態にしたい場合には、制動レバー50を僅かに竿装着部2cに接近する方向に操作すればよい。すると、前述したように、制動レバー50によりレバー部材61が制動解除位置に揺動して第1所定制動状態が一旦解除される。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、釣り行う際の利便性を向上させるために、第1所定制動部25や第2所定制動部26を設けたが、これらを設けなくてもよい。
(b)前記実施形態では、制動部材を円筒状の部材で構成したが、円板状の部材で構成してもよい。この場合制動レバーをレバー本体とレバー本体の揺動により前後移動する第1ブレーキシューとのに分割してもよい。
(c)前記実施形態では、摩擦リング64としてOリングを用いたが、摩擦リングはOリングに限定されない。
(d)前記実施形態では、制動レバー50をリールボディ2aに揺動自在に装着したが、制動レバーを装着部に対して上下に移動するようにリールボディに装着してもよい。
(e)前記実施形態では、摩擦部材に摩擦リングを装着したが、制動部材に摩擦リングを装着してもよい。
本発明の一実施形態によるスピニングリールの側面断面図。 図1のII−II断面図 レバーブレーキ機構の分解斜視図。 図1のIV−IV断面図。 制動レバーが制動解除状態のときの断面拡大図。 制動レバーが所定制動状態のときの断面拡大図。 制動レバーが制動状態のときの断面拡大図。 制動解除状態のときのレバー部材を示す正面図。 所定制動状態のときのレバー部材を示す正面図。
符号の説明

2a リールボディ
2b 脚部
2c 竿装着部
3 ロータ
6 レバーブレーキ機構(ロータ制動装置の一例)
21 ワンウェイクラッチ
22 回転部材
23 制動操作部
24 連動機構
25 第1所定制動部
26 第2所定制動部
38 制動部材(制動部の一例)
38a 第1円筒部
38b 第2円筒部
38e,38f 制動面
50 制動レバー
50a 操作部
50b 作用部
50c 第1操作部
50d 第2操作部
50e 係合凹部(切換係合部の一例)
50f 係合切欠き部
51 第1ブレーキシュー(第1制動作用部の一例)
52 連動部材
52b 係合部
53 第2ブレーキシュー(第2制動作用部の一例)
60 切換動作部
61 レバー部材
63 摩擦部材
63b 環状装着溝
64 摩擦リング
75 移動部材
75a 第3ブレーキシュー(第3制動作用部の一例)
76 切換操作部
Y1 第2軸(第1揺動軸の一例)
Y2 第3軸(第2揺動軸の一例)
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