JP2007179865A - イオントラップ質量分析方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオントラップの衝突誘起解離操作を、qz値0.3 位の中領域のフラグメントイオンを捕捉する操作とqz値0.5〜0.8程度の高質量対電荷比のフラグメントイオンを捕捉するのに適した操作と、MS/MSスペクトルの下限値の設定により低質量対電荷比のフラグメントイオンを捕捉するのに適した操作の、主高周波電圧の異なる複数回の操作を行い、得られたスペクトルの各々について、質量対電荷比に対し強度を積算する。
【効果】イオントラップにおいて、主高周波電圧の異なる複数回の操作を行うため、フラグメントイオンの質量対電荷比に応じた最適な井戸型ポテンシャルが形成されることにより、イオンが効率よくイオントラップ内に捕捉されるため、広い範囲のMS/MSスペクトルが取得でき、多くの構造情報を得ることができる。
【選択図】図2
Description
MSn 分析を行うのに適した構成のひとつにイオントラップ質量分析装置が挙げられる。イオントラップ質量分析装置は、特定の質量対電荷比のイオンがイオントラップ内に滞在するような四重極電界を形成し、四重極電界を変化させることによりイオン選択および衝突誘起解離を行うことができる。衝突誘起解離を行った後、イオンを検出器に誘導することなく、衝突誘起解離によって生成されたイオンを再度イオン選択および衝突誘起解離を行えば、複数回のMSn分析を行うことが可能となる。
313276号公報(特許文献3)などがある。
(1)イオントラップ内でのイオンは、図1に示す安定領域内に入る質量対電荷比のイオンのみが安定してイオントラップ内に捕捉されるため、qz=0.908 以上のフラグメントイオンは、イオンをイオントラップ内に捕捉することができず、構造情報が失われてしまう。例えば、衝突誘起解離操作でのqz値は一般的に約0.3が用いられることから、m/z 785の[Glu1]−Fibrinopeptide3価イオンについてMS/MSを行った場合、数(1)より計算されるqz=0.908 での質量対電荷比はm/z 259となり、それ以下のイオンは捕捉できなくなるため、m/z 175のY1イオンの構造情報を得ることができなくなる。
(2)四重極電界内においてイオンを捕捉する井戸型ポテンシャルは、数(3)によって近似され、qz値が下がるほどつまり質量対電荷比が上がるほど小さくなる。
103に主高周波電圧を印加する。また、補助高周波電源108は、イオン選択および衝突誘起解離を行うための補助高周波電界を形成することを目的とし、排出する不要イオンまたは衝突誘起解離を行う目的のイオン、さらに質量分離を行うイオンの質量対電荷比に相当する周波数の補助高周波電圧をエンドキャップ電極104に印加する。これも主高周波電源105と同様にデータ収集・処理用コンピュータ106及び制御用コンピュータ
107より制御可能とする。さらに、イオントラップ前段と後段にゲート電極109及びイオンストップ電極110を配置し、直流電源102より直流電圧を印加する。これらの電極は、イオンをイオントラップに導入または排出する際にイオンを効率よく誘導するように、データ収集・処理用コンピュータ106及び制御用コンピュータ107より制御可能とする。イオンストップ電極110の後段にはイオンの量を検知し、電流値に変換する検出器111と、その電流値を増幅する直流増幅器112を備え、データ収集・処理用コンピュータ106にて、その値を全イオン量またはマススペクトルとして表示する。
amu の範囲で設定する。そして、衝突誘起解離を行う際の補助高周波電圧値405は最適化された電圧値を自動で出力するためAuto と設定する。さらに、衝突誘起解離を行う時間は試料の質量対電荷比及び量に依存して、5〜30msecで設定する。
306。そして、304,305,306において、データ収集・処理用コンピュータ
106に保存したMS/MSスペクトルを、その質量対電荷比に対して強度を積算し、ひとつのMS/MSスペクトルとして表示する。
302…MSの測定、303…プリカーサーイオン検出、304…qz値0.3 でのMS/MS操作、305…高質量対電荷比のMS/MSスペクトルを得るためのMS/MS操作、306…低質量対電荷比のMS/MSスペクトルを得るためのMS/MS操作、401…プリカーサーイオンの質量対電荷比を、MSスペクトルを元に動的に決定するための
ON/OFF、402…衝突誘起解離操作を行うプリカーサーイオンの質量対電荷比、
403…イオン選択操作の補助高周波電圧、404…イオン選択操作の選択幅、405…衝突誘起解離操作の補助高周波電圧、406…衝突誘起解離操作の時間、408…MS/MSスペクトルの下限値、409…衝突誘起解離操作の最大qz値。
Claims (4)
- 高周波電圧を印加してイオンをトラップするイオントラップ部と、
当該イオントラップから排出されたイオンを検出する検出部と、
を備えた質量分析装置において、
前記イオントラップ部に蓄積されたイオンに対し前記高周波電圧を印加して衝突誘起解離を行い、その後、該イオントラップ部に残ったイオンを排出して前記検出部でイオンスペクトルを検出するステップを、前記高周波電圧を変えて複数回実行するように制御する制御部と、
異なる前記高周波電圧でのイオンスペクトルをそれぞれ記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶されたデータを合成するデータ処理部と、
を備えたことを特徴とする質量分析装置。 - 請求項1記載の質量分析装置において、
前記高周波電圧は、予め定められた衝突誘起解離後のイオンスペクトルの下限値質量数及びqz値に基づいて定められることを特徴とする質量分析装置。 - 請求項1記載の質量分析装置において、
前記イオンスペクトルの下限値質量数及びqz値は入力する入力部を備えたことを特徴とする質量分析装置。 - 請求項3の質量分析法において、MS/MSスペクトルの下限値及び目的イオンの質量対電荷比からイオントラップの井戸型ポテンシャルを算出し、補助高周波電圧を決定することを特徴とする質量分析法。
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2005
- 2005-12-28 JP JP2005376853A patent/JP2007179865A/ja active Pending
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