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JP2007174622A - 音響センサ - Google Patents

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JP2007174622A JP2006261468A JP2006261468A JP2007174622A JP 2007174622 A JP2007174622 A JP 2007174622A JP 2006261468 A JP2006261468 A JP 2006261468A JP 2006261468 A JP2006261468 A JP 2006261468A JP 2007174622 A JP2007174622 A JP 2007174622A
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Abstract

【課題】小型化が可能になるとともに、キャビティを有効利用できる音響センサを提供することにある。
【解決手段】音響センサ1は、実装基板2、及び当該実装基板2の一面との間にキャビティ4aが形成される形で実装基板2に被着されるケース3を用いて構成され音波(音響信号)をキャビティ4a内に導入する音孔(音波導入孔)Pを有するパッケージ4と、パッケージ4のキャビティ4a内で実装基板2の前記一面に実装され受波した音波を電気信号に変換する音響センサチップ5と、音響センサチップ5から出力される電気信号の信号処理を行う信号処理用の電子部品6とを備え、電子部品6は、実装基板2に内蔵されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響センサに関する。
従来から、携帯電話機や、補聴器、車両等に用いられるマイクロホン等の音響センサとしては、音波(音響信号)を電気信号に変換して出力する受波素子にエレクトレットを利用したコンデンサ型(静電容量型)のマイクロホン(以下、「エレクトレットコンデンサマイクロホン」と称する)を利用したものが提供されている。
しかしながら、エレクトレットコンデンサマイクロホンは、振動板や絶縁体に樹脂材料を使用し、更に振動板と振動板リングとが接着剤で張り合わされているために耐熱性が低く、高い信頼性が要求される車両や、高い耐環境性が要望される電化製品等の音響センサには不向きとされてきた。
そこで、上記のようなエレクトレットコンデンサマイクロホンに比べて小型軽量化が可能で耐環境性に優れた音響センサとしては、受波素子としてシリコン基板等をマイクロマシニング技術により加工して形成された音響センサチップ(マイクロホンチップ)を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
このような音響センサ100は、図13に示すように、印刷回路板(プリント配線板)からなる実装基板101、及び当該実装基板101の一面(図13における上面)との間にキャビティ103aが形成される形で実装基板101に被着されるシールド用のケース102を用いて構成され音波をキャビティ内に導入する音孔(図示せず)を有するパッケージ103を備え、パッケージ103のキャビティ103a内で実装基板101の前記一面には、受波した音波を電気信号に変換する音響センサチップ104と、当該音響センサチップ104から出力される電気信号の信号処理を行う信号処理用の電子部品105とが実装されている。
特表2004−537182号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されるような音響センサ100では、音響センサチップ104と電子部品105とが実装基板101の同一平面上(前記一面上)に実装されているので、小型化(小サイズ化)への対応に関して形状的に限界があった。また、キャビティ103a内に電子部品105が配置されているために、電子部品105の体積分だけキャビティ103a内が狭くなり、キャビティ103aを有効利用できていなかった。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、小型化が可能になるとともに、キャビティを有効利用できる音響センサを提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、実装基板、及び当該実装基板の一面との間にキャビティが形成される形で実装基板に被着されるケースを用いて構成され音波をキャビティ内に導入する音孔を有するパッケージと、パッケージのキャビティ内で実装基板の前記一面に実装され受波した音波を電気信号に変換する音響センサチップと、音響センサチップから出力される電気信号の信号処理を行う信号処理用の電子部品とを備え、電子部品は、実装基板に内蔵されていることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、実装基板にはキャビティとパッケージ外とを連通させるリーク孔が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、実装基板は、電子部品が実装された印刷回路板と、当該印刷回路板上にプレス加工により積層されて前記電子部品を覆う絶縁性基材とを少なくとも備えていることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、キャビティ内に位置する絶縁性基材の表面にはキャビティの容積増加用の凹部が前記プレス加工により形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか1項の発明において、実装基板には音響センサチップに電気的に接続される貫通孔配線が設けられていることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項5の発明において、貫通孔配線は、実装基板に当該実装基板の厚み方向に貫設されたスルーホールの内面に設けられ、スルーホール内には、貫通孔配線とともにスルーホール内を充実する充実部が設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項5の発明において、貫通孔配線は、実装基板に当該実装基板の厚み方向に貫設されたスルーホールの内面に設けられ、実装基板の前記一面側と前記一面側とは反対の他面側との少なくとも一方には、スルーホールを閉塞する閉塞部が設けられていることを特徴とする。
請求項1の発明は、音響センサチップから出力される電気信号の信号処理を行う電子部品を実装基板に内蔵しているから、従来のように音響センサチップと電子部品とを実装基板の同一平面上に実装する場合に比べてキャビティを有効利用できるという効果を奏し、また音響センサの小型化が可能になるという効果を奏する。
請求項2の発明は、リーク孔によってキャビティ内の圧力変化を抑制できるから、音響特性の向上を図れるという効果を奏する。
請求項3の発明は、電子部品が実装された印刷回路板上にプレス加工により前記電子部品を覆う絶縁性基材を積層するだけで電子部品が内蔵された実装基板を得ることができるから、実装基板の製造を容易に行えるという効果を奏する。
請求項4の発明は、実装基板に設けたキャビティの容積増加用の凹部の容積分だけキャビティの容積が増加するから、音響特性の向上を図れ、しかもプレス加工により上記凹部を形成しているから、凹部の形成を容易に行うことができるという効果を奏し、その上、プレス加工時に凹部を形成しているから、実装基板の製造工程を増やすことなく凹部を形成できるという効果を奏する。
請求項5の発明は、音響センサチップに電気的に接続される貫通孔配線を設けているから、音響センサチップとの電気的接続用の配線をキャビティ内からパッケージ外に引き出すために、実装基板に当該実装基板の一面においてケースに覆われていない部位を設ける必要がなくなり、パッケージの小型化を図れるという効果を奏する。
請求項6の発明は、スルーホールを介してキャビティにゴミ等の異物が入り込んだり、空気が流入したりすることを防止できるから、音響特性の低下を防止できるという効果を奏する。
請求項7の発明は、スルーホールを介してキャビティにゴミ等の異物が入り込んだり、空気が流入したりすることを防止できるから、音響特性の低下を防止できるという効果を奏する。
(実施形態1)
本実施形態の音響センサ1は、図1に示すように、実装基板2、及び当該実装基板2の一面(図1における上面)との間にキャビティ4aが形成される形で実装基板2に被着されるシールド用のケース3を用いて構成され音波(音響信号)をキャビティ4a内に導入する音孔(音波導入孔)Pを有するパッケージ4と、パッケージ4のキャビティ4a内で実装基板2の前記一面に実装され受波した音波を電気信号に変換する音響センサチップ(マイクロホンチップ)5と、音響センサチップ5から出力される電気信号の信号処理を行う信号処理用の電子部品6とを備え、電子部品6は実装基板2に内蔵されている。
実装基板2は、図2に示すように、電子部品6が一面(図2における上面)に実装される印刷回路板(プリント配線板)20と、当該印刷回路板20上に積層されて電子部品6を覆う絶縁性基材21とを備えている。ここで、電子部品6は、音響センサチップ5から出力される電気信号の信号処理に用いられるものであって、例えば、音響センサチップ5から出力される電気信号を増幅するための電界効果トランジスタ(FET)や、ノイズ除去用の回路を構成するコンデンサ、抵抗、ダイオード等が必要に応じて用いられる。また、電子部品6としては、電界効果トランジスタや、コンデンサ、抵抗、ダイオード等の集積回路を用いることができる。
印刷回路板20は、例えば矩形の平板状に形成された両面銅張積層板であり、一面(図1における上面)には、電子部品6を実装するための4つの電極(以下、「第1電極」と称する)20aを備える回路パターンが形成され、他面(図1における下面)には、図3(b)に示すように音響センサ1を実装する基板(図示せず)上に形成された外部の電気回路に接続するための4つの外部接続用の電極(以下、「第2電極」と称する)20bが形成されている。ここで、第1電極20aと第2電極20bとは、少なくとも一部が印刷回路板20の厚み方向において重複するように形成されている。
また、印刷回路板20には、4つの第2電極20bのうち電子部品6にのみ接続される2つ(図3(b)における右側の2つ)を、これら2つの第2電極20bと印刷回路板20の厚み方向で重複する第1電極20aに電気的に接続するために、印刷回路板20をその厚み方向に貫通するビアホールVが形成されている。このビアホールVの内面には、第1電極20aと第2電極20bとを電気的に接続するビア20cが設けられている。尚、ビア20cは、銅等の導電性を有する金属材料を用いてビアホールVの内面全面をめっきすることや、導電性ペースト(例えば、銅ペーストや、銀ペースト、この他、金、白金、カーボン、ナノ金属粒子等を用いたもの)をビアホールVに充填すること等によって得ることができる。
絶縁性基材21は、絶縁性を有する樹脂を用いた絶縁性シート(例えば、エポキシ樹脂等の有機樹脂に無機フィラーを高密度充填してなる樹脂シートからなる有機シート)であって、図1に示すように表面(図1における上面)が平坦な状態で電子部品6を覆うことができる厚みに設定されるとともに、印刷回路板20の外形サイズと略同サイズの矩形の平板状に形成されている。
また、絶縁性基材21の一面(図1における上面)には、図3(a)に示すように、音響センサチップ5に電気的に接続される一対の電極(以下、「第3電極」と称する)22a、及びグランドパターン22bが形成されている。ここで、音響センサチップ5は、図2に示すように、ダイボンド材を用いて実装基板2の一面側に音孔Pを塞ぐようにして搭載され、この後にボンディングワイヤWを用いて第3電極22aに接続される(音響センサチップ5は、パッケージ4のキャビティ4a内で実装基板2の一面にワイヤボンディング実装される)。尚、音響センサチップ5は、実装基板2にフリップチップ実装するようにしてもよい。
上記の第3電極22aは、4つの第2電極20bのうち音響センサチップ5及び電子部品6に電気的に接続される2つ(図3(b)における左側の2つ)と、実装基板2の厚み方向においてそれぞれ重複するようにして絶縁性基材21の一面に形成されている。また、グランドパターン22bは、ケース3に電気的に接続するために絶縁性基材21の一面の周部の全周に亘って形成されており、絶縁性基材21の一面においてグランドパターン22bで囲まれる部位が実装基板2においてキャビティ4a内に位置する部位となる。
一方、実装基板2には、図4に示すように、キャビティ4aに音波を導入するための音孔Pが実装基板2の厚み方向に貫設されている。また、実装基板2には、キャビティ4aとパッケージ4外とを連通させるリーク孔Lが実装基板2の厚み方向に貫設されている。尚、本実施形態における実装基板2では、図2に示すように一対の第3電極22a,22a間にリーク孔Lを設けているが、リーク孔Lを設ける位置は必ずしも一対の第3電極22a,22a間とする必要はない。また、リーク孔Lを設ける位置は、音響センサチップ5より離れているほうが好ましく、音響センサチップ5より離してリーク孔Lを設けるようにすれば、リーク孔Lを通じての空気の流出入による影響が音響センサチップ5に及ぶことを防止できる。これら音孔Pや、リーク孔Lは、いずれも開口形状が円形状のものであるが、円形状に限らず多角形状等であってもよい。
さらに、実装基板2には、第3電極22aと第1電極20aと第2電極20bとを電気的に接続するための貫通孔配線23が内面に設けられるスルーホールTが、実装基板2の厚み方向に貫設されている。
また、実装基板2のスルーホールT内には、図5に示すように、貫通孔配線23とともにスルーホールT内を充実する(埋める)充実部8が設けられている。この充実部8は、導電性ペースト(例えば、銅ペーストや、銀ペースト、この他、金、白金、カーボン、ナノ金属粒子等を用いたもの)を、貫通孔配線23が形成されたスルーホールT内に注入し、硬化させることで形成されている。尚、充実部8に用いる材料としては、上述した導電性ペーストの他に、樹脂材料(例えば、シリコーン樹脂等)を用いることができる。また、充実部8に用いる材料は導電性を有している必要はないが、導電性を有しているほうが好ましい。
次に、実装基板2の製造方法について図5を参照して説明する。実装基板2の製造工程は、電子部品実装工程と、プレス加工工程と、孔開け工程と、回路形成工程とを有している。
電子部品実装工程は、図6(a)に示すように、ビア20cが形成された印刷回路板20の一面に電子部品6を半田や導電性接着材等を用いて実装する工程である。尚、電子部品6の実装方法としては、フリップチップ実装等が挙げられる。
プレス加工工程は、図6(b)に示すように、印刷回路板20において電子部品6を実装した一面に絶縁性基材21を積層するとともに、絶縁性基材21の一面(図6(b)における上面)に銅箔からなる回路パターン形成用の導電層22を積層するようにして、印刷回路板20と絶縁性基材21と導電層22とを印刷回路板20の外形サイズと略同サイズの開口を有する枠体70の内側に配置する工程と、この工程の後に全体を所定温度まで加熱するとともに平坦な加圧面を有する加圧用金型7を用いて導電層22の一面(図6(b)における上面)から印刷回路板20と絶縁性基材21と導電層22と(主として絶縁性基材21)を加圧する工程とを有している。尚、枠体70は、加圧によって絶縁性基材21が印刷回路板20より外側にはみ出ないように防止するとともに、実装基板2の厚みを決定するために用いられている。
このプレス加工工程により図6(c)に示すような、印刷回路板20、絶縁性基材21、及び導電層22からなる積層板が得られる。この積層板は平坦な加圧面を有する加圧用金型7によってプレス加工して形成されているから、絶縁性基材21の一面、及び導電層22の一面はそれぞれ平坦な面となる。
孔開け工程は、図6(d)に示すように、印刷回路板20、絶縁性基材21、及び導電層22からなる上記積層板にスルーホールTを形成するとともに、音孔P及びリーク孔Lを形成する工程である。ここで、音孔P、リーク孔L、及びスルーホールTは、ピン(図示せず)を用いたパンチング等によって形成することができるが、この他、レーザ光加工やドリル加工等の加工方法を用いてもよい。尚、図6(d)では、図示を簡略化するためにリーク孔Lを省略している。また、孔開け工程を上記プレス加工工程と同時に行うようにしてもよい。
回路形成工程は、図6(e)に示すように、フォトリソグラフィ及びエッチング、又はレーザ光等によって導電層22の不必要部分を除去することによって導電層22から第3電極22a及びグランドパターン22bの形成を行うパターン形成工程と、スルーホールTの内面に第1電極20a、第2電極20b、及び第3電極22aをそれぞれ電気的に接続する貫通孔配線23を形成する貫通孔配線形成工程とを有している。尚、貫通孔配線23は、銅等の導電性を有する金属材料を用いてスルーホールTの内面全面をめっきすることによって形成することができる。また、貫通孔配線形成工程において貫通孔配線23が形成された後には、充実部8の形成を行う。ここで充実部8は、上述した導電性ペーストを貫通孔配線23が形成されたスルーホールT内(すなわち貫通孔配線23で囲まれる空間内)に注入し、硬化させることで形成される。
以上述べた電子部品実装工程、プレス加工工程、孔開け工程、及び回路形成工程を経て図6(e)に示すように、電子部品6が内蔵された実装基板2が得られる。
ケース3は、例えば、導電性材料(例えば、アルミニウム等)を用いて一面(図1における下面)が開口した直方体状に形成されている。また、ケース3の外形サイズは、実装基板2の外形サイズと略同じ大きさに形成され、実装基板2の一面に被着した際には、ケース3の上記一面開口(図1における下面開口)の周縁部が絶縁性基材21のグランドパターン22bに接合されて電気的に接続されるようになっている。例えば、ケース3は、実装基板2のグランドパターン22bに塗布した導電性接着剤(図示せず)を用いて実装基板2に被着される。このようにして実装基板2に被着されたケース3は、導電性接着剤を通じて実装基板2のグランドパターン22bに電気的に接続されているから、音響センサチップ5の機械的保護だけではなく、外来の電磁ノイズの影響が音響センサチップ5に及ばないように電磁ノイズをシールドする機能を有する。尚、導電性接着剤の代わりに半田を用いてケース3を実装基板2に被着するようにしてもよい。
音響センサチップ5は、例えば、半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術によりシリコンウエハ等を加工して形成された受波素子である。この種の受波素子としては、例えば、枠状の支持部と、前記支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部と、振動板部の後面側に絶縁層(例えば、二酸化シリコン層)からなる複数のスペーサ部を介して設けられた背板部とを備える静電容量型のものが提供されている。尚、このような音響センサチップ5の構成は周知のものであるから詳細な説明は省略する。
本実施形態の音響センサ1は、図4に示すように、電子部品6が内蔵された実装基板2に上述したように音響センサチップ5を実装した後に、ケース3を実装基板2に被着することで構成される。
以上により構成された本実施形態の音響センサ1によれば、音響センサチップ5から出力される電気信号の信号処理を行う電子部品6を実装基板2に内蔵しているから、従来のように音響センサチップと電子部品とを実装基板の同一平面上に実装する場合に比べれば、電子部品6の体積の分だけキャビティ4aを有効利用できるという効果を奏する。また、電子部品6の実装に必要な面積分だけ実装基板2の面積を小さくすることが可能になるから、音響センサ5の小型化(小サイズ化)が可能になるという効果を奏する。さらに、電子部品6が実装された印刷回路板20上にプレス加工により電子部品6を覆う絶縁性基材21を積層するだけで電子部品6が内蔵された実装基板2を得ることができるから、実装基板2の製造を容易に行えるという効果を奏する。
加えて、実装基板2にリーク孔Lを設けているから、例えば、音響センサ1の周囲の温度上昇によりキャビティ4a内の空気が膨張した場合、膨張した空気がリーク孔Lからパッケージ4外へ流出して、キャビティ4aの圧力変化を抑制することができる。また、逆に、温度下降によりキャビティ4a内の空気が収縮した場合、リーク孔Lからキャビティ4a内に空気が流入することで、キャビティ4aの圧力変化を抑制することができる。
このように周囲温度の変化によってキャビティ4a内の空気が膨張、収縮しても、リーク孔Lから空気が流出入することでキャビティ4aの圧力変化が抑制されるから、キャビティ4aの圧力の変化によって音響センサチップ5に応力が生じて音響センサチップ5の感度が変動することを防止できて、音響特性の向上を図れるという効果を奏する。
さらに、実装基板2に音響センサチップ5が電気的に接続される貫通孔配線23を設けているから、音響センサチップ5との電気的接続用の配線をキャビティ4a内からパッケージ4外に引き出すために、実装基板2に当該実装基板2の一面(図1における上面)においてケース3に覆われていない部位を設ける必要がなくなり、実装基板2の外形サイズを小さくできてパッケージの小型化を図れるという効果を奏する。
また、図5に示すように、貫通孔配線23を設けるためのスルーホールT内に、貫通孔配線とともにスルーホールT内を充実する充実部8を設けているから、スルーホールTを介してパッケージ4内(キャビティ4a内)にゴミ等の異物が入り込んだり、空気が流入したり(音波が入り込んだり)することを防止できて、音響特性の低下を防止できるという効果を奏する。
ここで、上述したような充実部8を設ける代わりに、図7(a)に示すように、スルーホールTを閉塞する閉塞部9a,9bを実装基板2に設けるようにしてもよい。
閉塞部(以下、「第1閉塞部」と称する)9aは、図7(b)に示すように、実装基板2の一面側(図7(b)における上面側)に、2つの第3電極22a全体を覆うように形成されている。また、閉塞部(以下、「第2閉塞部」と称する)9bは、実装基板2の一面側と反対の他面側図7(b)における下面側)に、2つの第2電極20bにおいてスルーホールTが設けられている部位を覆うようにして形成されている。
このような第1閉塞部9a及び第2閉塞部9bの材料としては、例えばソルダレジスト等のレジスト材や、樹脂材料(例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等)を用いることができる。また、フリップチップ実装を行う際のバンプを第1閉塞部9a及び第2閉塞部9bとして用いてもよい。尚、図7(a)に示す実装基板2では、リーク孔Lが第1閉塞部9a及び第2閉塞部9bで閉塞されないように、図2に示すものとは異なる位置にリーク孔Lを設けている。
以上述べた第1閉塞部9a及び第2閉塞部9bを実装基板2に設ければ、充実部8を実装基板2に設けた場合と同様に、スルーホールTを介してパッケージ4内(キャビティ4a内)にゴミ等の異物が入り込んだり、空気が流入したり(音波が入り込んだり)することを防止できて、音響特性の低下を防止できるという効果を奏する。
尚、図7(a)に示す構成では、2つの第3電極22a全体を覆うように第1閉塞部9aを形成しているが、第3電極22a全体を個別に覆うように第1閉塞部9aを形成してもよい。これらの場合、第1閉塞部9aを形成する前に、第3電極22aに音響センサチップ5を電気的に接続すればよい。また、第1閉塞部9aを形成した後でも第3電極22aに音響センサチップ5を電気的に接続可能となるように、第3電極22aを一部露出させるようにして第1閉塞部9aを形成してもよい。要は、スルーホールTを閉塞できるように第1閉塞部9aを形成すればよい。この点は第2閉塞部9bについても同様である。
ところで、図7(b)に示す構成では、実装基板2の一面側に第1閉塞部9aを、他面側に第2閉塞部9bをそれぞれ設けているが、必ずしも第1閉塞部9aと第2閉塞部9bの両方を実装基板2に設ける必要はなく、第1閉塞部9aと第2閉塞部9bの少なくとも一方を実装基板2に設ければよい(実装基板2の一面側と該一面側と反対の他面側の少なくとも一方に、スルーホールTを閉塞する閉塞部を設ければよい)。
また、上述したような充実部8や、第1及び第2閉塞部9a,9b等を設ける代わりに、上記のような導電性ペーストでスルーホールTを充実することで貫通孔配線23を形成したり、スルーホールT内に導電ピンを導電ピンの外面全体がスルーホールの内面全体に密接するようにして貫挿することで貫通孔配線23を形成したりすることによって、貫通孔配線23自体がスルーホールT内を隙間なく埋める構成としてもよく、このような場合でも、充実部8や第1及び第2閉塞部9a,9bを設ける場合と同様の効果が得られる。
一方、図1に示す音響センサ1では、音響センサチップ5を実装基板2の一面側において音孔Pを閉塞するようにして実装しているが、音響センサチップ5は必ずしも音孔Pを閉塞するようにして実装基板2に実装する必要はなく、図8(a),(b)に示すように、音響センサチップ5を音孔Pからずらした(音響センサチップ5が実装基板2の厚み方向において音孔Pと対向しないようにした)状態で実装基板2に実装するようにしてもよい。尚、図8(a),(b)ではリーク孔Lを省略している。
また、図1に示す音響センサ1では、音孔Pを実装基板2に設けているが、音孔Pはキャビティ4a内にパッケージ4外から音波を導入できるように設けられていればよいものであるから、図9(a),(b)に示すように、ケース3に音孔Pを設けるようにしてもよい。
このようにすれば、実装基板2に音孔Pを設ける必要がないから、図2に示すように実装基板2に音孔Pを設ける場合とは異なり電子部品6を実装基板2に内蔵する際に音孔Pによって電子部品6を内蔵する位置が制限されずに済み、図10に示すように電子部品6を内蔵する位置を自由に設定できて、実装基板2の設計の自由度が高くなるという効果が得られ、また、音孔Pの形成に必要な面積だけ実装基板2の面積を小さくできるから小型化が可能になるという効果が得られる。尚、実装基板2に音孔Pを設ける場合は、実装基板2にスルーホールTを形成する際に同時に音孔Pの形成を行えるから、音孔Pを形成するために製造工数を増やさなくて済むという効果が得られる。
尚、音響センサチップ5から出力される電気信号の信号処理に用いる信号処理用の電子部品6の数は1つに限られるものではなく、複数の電子部品6を設けるようにしてもよい。また、図1に示す構成の実装基板2は、電子部品を実装する印刷回路板20と、電子部品を保護する絶縁性基材21とを1つずつ備えているが、電子部品の数に応じて積層する印刷回路板20と絶縁性基材21の数を増やしてもよい。
(実施形態2)
本実施形態の音響センサ1は、実装基板2の形状に特徴があり、その他の構成については実施形態1と同様であるから、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における実装基板2においてキャビティ4a内に位置する絶縁性基材21の表面(図11における上面)には、図11に示すように、キャビティ4aの容積増加用の直方体状の凹部24が形成されている。尚、図11に示す実装基板2では、音孔Pはケース3(図9参照)に設けるようにしているが、勿論、音孔Pと凹部24をともに実装基板2に設けるようにしてもよい。
次に、本実施形態における実装基板2の製造方法について図12を参照して説明する。実装基板2の製造工程は、電子部品実装工程と、プレス加工工程と、孔開け工程と、回路形成工程とで構成されている。尚、電子部品実装工程は、実施形態1と同様であるから説明を省略する。
プレス加工工程は、実施形態1と同様であるが、使用する加圧用金型7の形状が異なっており、本実施形態のプレス加工工程では、図12(a)に示すように、上記凹部24を形成するための直方体状の突起部7aが平坦な加圧面に設けられた加圧用金型7を用いている。したがって、本実施形態のプレス加工工程によれば、実施形態1と同様に印刷回路板20、絶縁性基材21、及び導電層22からなる積層板が得られるものの、図12(b)に示すように、その一面(図12(b)における上面)には、凹部24が形成されることになる。尚、加圧用金型7の加圧面は、突起部7a以外は平坦であるから、凹部24が設けられている部位以外の絶縁性基材21の一面、及び導電層22の一面は、それぞれ平坦な面となる。
孔開け工程は、実施形態1と同様であるが、図12(c)に示すように、上記積層板に音孔Pを形成しない点で異なっている。尚、図12(c)においても図示を簡略化するためにリーク孔Lを省略している。回路形成工程は、実施形態1と同様であるが、この工程中において、図12(d)に示すように、凹部24の内面に位置している導電層22の部位が除去される。
上記電子部品実装工程、プレス加工工程、孔開け工程、及び回路形成工程を経て図12(d)に示すように、電子部品6が内蔵されるとともに、キャビティ4a内に位置する絶縁性基材21の一面にキャビティ4aの容積増加用の凹部24が形成された実装基板2が得られる。尚、実装基板2への音響センサチップ5の実装方法、及びケース3の被着方法については実施形態1と同様であるから説明を省略する。
以上述べた本実施形態の音響センサ1によれば、実装基板2にキャビティ4aの容積増加用の凹部24を設けているから、キャビティ4aの容積を増加して音響特性の向上を図れるという効果を奏する。
ここで、一般的な印刷回路板からなる実装基板に上述のような凹部を形成しようとした場合には、レジストの塗布やめっき処理、エッチング等を行わなければならないために深さのある凹部を容易に形成することが困難であるが、本実施形態の実装基板2は、印刷回路板20とプレス加工によって印刷回路板20に積層される絶縁性基材21とを備えるものであるから、加圧用金型7を用いたプレス加工によって上記凹部24の形成を行え、深さのある凹部24を容易に形成できるという効果を奏し、その上、絶縁性基材21のプレス加工時に凹部24を形成しているから、実装基板2の製造工程の増加を抑えることができるという効果を奏する。
尚、凹部24の形状は直方体状のものに限らず、円柱状やその他の形状であってもよく、また、実装基板2に凹部24を複数設けるようにしてもよい。
実施形態1の音響センサの概略断面図である。 同上の音響センサの要部の概略斜視図である。 同上の音響センサを示し、(a)は上方からみた概略斜視図、(b)は下方からみた概略斜視図である。 同上の音響センサの概略分解斜視図である。 同上の音響センサの実装基板の概略断面図である。 同上の音響センサの実装基板の製造工程の説明図である。 同上の音響センサの実装基板の他の例を示し、(a)は概略斜視図、(b)は概略断面図である。 実施形態1の音響センサの他の例を示し、(a)は上方からみた概略斜視図、(b)は下方からみた概略斜視図である。 実施形態1の音響センサのさらに他の例を示し、(a)は上方からみた概略斜視図、(b)は下方からみた概略斜視図である。 同上の音響センサの要部の概略斜視図である。 実施形態2の音響センサの実装基板の概略斜視図である。 同上の音響センサの実装基板の製造工程の説明図である。 従来の音響センサの概略断面図である。
符号の説明
1 音響センサ
2 実装基板
3 ケース
4 パッケージ
4a キャビティ
5 音響センサチップ
6 電子部品
8 充実部
9a 第1閉塞部(閉塞部)
9b 第2閉塞部(閉塞部)
20 印刷回路板
21 絶縁性基材
23 貫通孔配線
24 凹部
P 音孔
L リーク孔
T スルーホール

Claims (7)

  1. 実装基板、及び当該実装基板の一面との間にキャビティが形成される形で実装基板に被着されるケースを用いて構成され音波をキャビティ内に導入する音孔を有するパッケージと、パッケージのキャビティ内で実装基板の前記一面に実装され受波した音波を電気信号に変換する音響センサチップと、音響センサチップから出力される電気信号の信号処理を行う信号処理用の電子部品とを備え、電子部品は、実装基板に内蔵されていることを特徴とする音響センサ。
  2. 実装基板にはキャビティとパッケージ外とを連通させるリーク孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の音響センサ。
  3. 実装基板は、電子部品が実装された印刷回路板と、当該印刷回路板上にプレス加工により積層されて前記電子部品を覆う絶縁性基材とを少なくとも備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の音響センサ。
  4. キャビティ内に位置する絶縁性基材の表面にはキャビティの容積増加用の凹部が前記プレス加工により形成されていることを特徴とする請求項3記載の音響センサ。
  5. 実装基板には音響センサチップに電気的に接続される貫通孔配線が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の音響センサ。
  6. 貫通孔配線は、実装基板に当該実装基板の厚み方向に貫設されたスルーホールの内面に設けられ、スルーホール内には、貫通孔配線とともにスルーホール内を充実する充実部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の音響センサ。
  7. 貫通孔配線は、実装基板に当該実装基板の厚み方向に貫設されたスルーホールの内面に設けられ、実装基板の前記一面側と前記一面側とは反対の他面側との少なくとも一方には、スルーホールを閉塞する閉塞部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の音響センサ。
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