JP2007172770A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】規格の異なるディスク毎に重畳レベルをより高精度かつ適切に調整し、光ディスクに記録された情報信号の再生信号品質の劣化を防止する。
【解決手段】駆動電流i1に高周波電流を重畳させて半導体レーザ4を発光させ、光ディスク1の情報の記録再生を行う光ディスク装置100であって、上記光ディスク1の特定の領域に、任意の情報を記録する光ピックアップ2と、上記領域に記録された情報を再生し、再生信号として検出するジッター検出器13と、上記ジッター検出器13により検出された再生信号に応じて、上記高周波電流の重畳レベルを設定するコントローラ12とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】駆動電流i1に高周波電流を重畳させて半導体レーザ4を発光させ、光ディスク1の情報の記録再生を行う光ディスク装置100であって、上記光ディスク1の特定の領域に、任意の情報を記録する光ピックアップ2と、上記領域に記録された情報を再生し、再生信号として検出するジッター検出器13と、上記ジッター検出器13により検出された再生信号に応じて、上記高周波電流の重畳レベルを設定するコントローラ12とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体レーザを駆動制御する光ディスク装置に関し、特に、半導体レーザ駆動電流の高周波重畳による再生信号品質の劣化を防止する高周波重畳の制御方法に関するものである。
従来、大容量の情報記録再生装置として光ディスク装置が知られている。上記光ディスク装置は、光源として半導体レーザを備えている。
ところで、半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに照射させることによって、情報の記録再生が行われている。光ディスクに記録された情報信号の再生時の信号品質を向上させるため、次の技術が実施されている。
一般に、半導体レーザは温度ドリフトの影響が大きい。それゆえ、半導体レーザから光ディスクに照射されるレーザ光の発光量を所定の値に保つ制御、いわゆるAPC(自動光出力制御)が実施されている。
また、半導体レーザから出射されたレーザ光が、光ディスクに反射し、再び半導体レーザ自身へ戻ることによって、ノイズ(レーザノイズ)が発生する。このレーザノイズを低減するために、半導体レーザを駆動する駆動電流に高周波電流を重畳させて、半導体レーザを高周波によって変調させる高周波重畳が実施されている。
上記のような光ディスク装置の高周波重畳技術に関連し、いくつもの提案がなされている。
例えば、特許文献1では、高周波重畳の重畳レベルを最適に調整することによって、重畳レベルが高すぎて起こるオーバーパワーによる半導体レーザの劣化を防止するという技術が開示されている。高周波重畳を停止した状態において、半導体レーザの発光量が所定レベルを保つために必要な半導体レーザ駆動電流を測定する。次に、測定した半導体レーザ駆動電流値から所定値を引いた電流によって半導体レーザを駆動する。そして、高周波重畳を開始し、半導体レーザの発光量が所定レベルに戻るように高周波重畳の重畳レベルを加減する。それゆえ、オーバーパワーによる半導体レーザの劣化もなく、レーザノイズの低減もできる。
また、特許文献2では、半導体レーザの動作電流変化に対する半導体レーザの発光量の変化を測定して、高周波重畳の重畳レベルを変化させることによって、最適な高周波重畳を決めるという技術が開示されている。半導体レーザの量子微分効率、すなわち半導体レーザの動作電流変化に対する半導体レーザの発光量の変化は、高周波重畳の重畳レベルによって変化する。それゆえ、光ディスク装置の電源投入時などに、上記量子微分効率を測定し、測定結果に応じて高周波重畳を調整することができる。
また、特許文献3では、高周波重畳開始時または停止時に、半導体レーザがスパイク状に発光し、光ディスクに記録された情報を消去してしまうことを防止するという技術が開示されている。高周波重畳開始時には、重畳レベルが徐々に上昇しながら所望の重畳レベルに整定するような高周波電流がレーザ駆動電流に重畳される。一方、高周波重畳停止時には、重畳レベルが徐々に減少しながらゼロに整定するような高周波電流がレーザ駆動電流に重畳される。それゆえ、半導体レーザがスパイク状に発光することがないため、光ディスクに記録された情報を消去してしまうような不具合が発生することがない。
特開平3−17840号公報(1991年1月25日公開)
特開平3−113736号公報(1991年5月15日公開)
特開2005−142477号公報(平成17年6月2日公開)
近年の光ディスク装置は、複数の種類(規格)の光ディスクを記録再生することが必要である。上記光ディスクには、赤外波長の半導体レーザを用いて記録再生を行うCD(コンパクトディスク)、赤色波長の半導体レーザを用いて記録再生を行うDVD(デジタルバーサタイルディスク)、および青紫色波長の半導体レーザを用いて記録再生を行うBD(ブルーレイディスク)、などがある。
例えば、より高速・高密度な情報の記録再生を行うBDにおいて、重畳レベルの調整は、より精度が求められる。BDにおいて、再生時の平均的なレーザパワーがAPC動作によって所定のパワーに制御されていても、高周波重畳の重畳レベルが高く、再生時のレーザパワーのピーク値が高いと、ディスクに記録された情報は劣化してしまう。最悪の場合は再生できないまでに、ディスクに記録された情報が消去してしまうという問題が生じる。
ところで、高周波重畳は数百MHzという高い周波数を使用している。例えば、CDやDVDにおいて、平均的な再生時のレーザパワーが所定のパワーであれば、重畳レベルが過大となった場合でも、光ディスクからの再生信号品質が一時的に劣化するものの、通常は、重畳レベルを適正なレベルに下げることによって再生信号品質は元に戻る。不可逆的に再生信号品質が劣化するのは稀である。
しかし、より高速・高密度な情報の記録再生を行うBDにおいて、過大な重畳レベルによって高周波重畳された再生時のレーザパワーが、光ディスクに照射されると、不可逆的に再生信号品質が劣化してしまう。再生時のレーザパワーが、平均的な再生時のレーザパワーの10倍を超えると、再生信号品質が劣化する危険性が高まるという問題が生じる。
したがって、複数の光ディスクに対して複数の半導体レーザを切り換えて、情報の記録再生を高品質にて行うために、光ディスクに記録された情報信号の再生信号品質を検出し、規格の異なるディスク毎に適した重畳レベルに調整する技術が求められている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、規格の異なるディスク毎に重畳レベルをより高精度かつ適切に調整し、光ディスクに記録された情報信号の再生信号品質の劣化を防止することができる光ディスク装置を提供することにある。
本発明の光ディスク装置は、上記課題を解決するために、駆動電流に高周波電流を重畳させて半導体レーザを発光させ、光ディスクの情報の記録再生を行う光ディスク装置であって、上記光ディスクの特定の領域に、任意の情報を記録する情報記録手段と、上記領域に記録された情報を再生し、再生信号として検出する再生信号検出手段と、上記再生信号検出手段により検出された再生信号に応じて、上記高周波電流の重畳レベルを設定する重畳レベル設定手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、駆動電流に重畳される高周波電流の重畳レベルは、再生すべき光ディスクに記録された情報の再生信号に応じて設定されるので、高周波電流の重畳レベルを光ディスク毎に設定されることになる。
これにより、再生しようとする光ディスク毎に、高周波電流の重畳レベルが設定されることになるので、規格の異なる光ディスク同士であっても、それぞれの光ディスクに対して高周波電流の重畳レベルを高精度、かつ適切に設定することが可能となる。
また、上記重畳レベル設定手段は、上記再生信号検出手段によって検出された再生信号の品質を判定し、再生信号の品質に応じて、高周波電流の重畳レベルを設定することが好ましい。
また、上記重畳レベル設定手段は、高周波電流の重畳レベルを段階的に増加させ、上記再生信号検出手段によって検出される再生信号の品質があらかじめ設定した品質よりも低下したときに、高周波電流の重畳レベルを1段階下げて設定することが好ましい。
上記の構成によれば、光ディスクに記録された情報信号を再生中に、再生信号品質の劣化を検出した場合には、重畳レベルを低下させるので、高周波重畳レベルの異常な増大によって劣化する情報信号を最小限に留めることができる。
これにより、光ディスクに記録された情報信号の再生信号品質の劣化を防止することができる。
また、上記重畳レベル設定手段は、上記再生信号検出手段によって検出された再生信号のジッター値に基づいて、重畳レベルを設定することが好ましい。
また、上記重畳レベル設定手段は、上記再生信号検出手段によって検出された再生信号から得られる最尤複合における尤度に基づいて、重畳レベルを設定することが好ましい。
上記の構成によれば、再生信号のジッター、あるいは、最尤複合における尤度を検出することによって、高周波重畳のレベルを設定するので、少ないデータ量の再生信号によって再生信号品質を検出することができる。さらに、高周波重畳の重畳レベル設定が短時間で制御できる。
また、上記光ディスクの特定の領域は、実際に情報として再生するデータが記録されている領域以外に設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、光ディスクにおいて、上記高周波電流の重畳レベルを設定するための情報を記録する領域である特定の領域を、実際に情報として再生するデータが記録されている領域以外に設定していることで、高周波電流の重畳レベルの制御過程において、該重畳レベルが過大となっても、重畳レベルを設定するための情報が劣化するだけであり、再生に必要なデータを劣化させることはない。よって、信頼性の高い光ディスク装置を提供することができる。
本発明の光ディスク装置は、以上のように、光ディスクの特定の領域に、任意の情報を記録する情報記録手段と、上記領域に記録された情報を再生し、再生信号として検出する再生信号検出手段と、上記再生信号検出手段により検出された再生信号に応じて、上記高周波電流の重畳レベルを設定する重畳レベル設定手段とを備えているものである。
それゆえ、駆動電流に重畳される高周波電流の重畳レベルは、再生すべき光ディスクに記録された情報の再生信号に応じて設定されるので、高周波電流の重畳レベルを光ディスク毎に設定されることになる。よって、規格の異なるディスク毎に重畳レベルをより高精度かつ適切に調整し、光ディスクに記録された情報信号の再生信号品質の劣化を防止することができる光ディスク装置を提供するという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(1−1)光ディスク装置の構成の概要
本実施の形態にかかる光ディスク装置100は、異なるディスク、例えば、CD(コンパクトディスク),DVD(デジタルバーサタイルディスク),BD(ブルーレイディスク)を再生可能としている。ここで、異なるディスクとは、規格の異なる光ディスクのことである。
本実施の形態にかかる光ディスク装置100は、異なるディスク、例えば、CD(コンパクトディスク),DVD(デジタルバーサタイルディスク),BD(ブルーレイディスク)を再生可能としている。ここで、異なるディスクとは、規格の異なる光ディスクのことである。
図1は、本実施の形態の光ディスク装置100の主要部分を示すブロック図である。図1に示すように、光ディスク1、光ピックアップ2、波形処理器8、A/D変換器9、復号器10、誤り訂正器11、コントローラ12、ジッター検出器13、半導体レーザ駆動回路14、およびAPC回路16を備えている。
光ディスク1は、スピンドルモータ(図示しない)によって回転される。
光ピックアップ2は、情報の記録再生を行うために、光ディスク1に対してレーザ光を照射するものであり、対物レンズ3、半導体レーザ4、コリメータレンズ5、ビームスプリッタ6、再生信号検出用フォトダイオード7、およびフォトダイオード15を備えている。
情報の記録再生時には、半導体レーザ4が、後述する半導体レーザ駆動回路14からの駆動電流i1によって駆動される。例えば、情報の再生時には、半導体レーザ4から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ5、ビームスプリッタ6、および対物レンズ3などの光学系を経て光ディスク1に照射される。光ディスク1からの反射光は、再び、対物レンズ3に入射し再生光学系を経て、再生信号検出用フォトダイオード7において再生信号に光電変換される。そして、再生信号が光ピックアップ2から出力される。
波形処理器8は、光ピックアップ2から出力された再生信号を入力し、再生信号の振幅やオフセットを調整するものである。調整された再生信号は、A/D変換器9へと出力されるとともに、ジッター検出器13へも出力される。
A/D変換器9は、波形処理器8において調整された再生信号を入力し、再生信号をデジタルデータに変換するものである。変換されたデジタルデータは、復号器10へと出力される。
復号器10は、A/D変換器9において変換されたデジタルデータを入力し、デジタルデータを復号するものである。復号されたデジタルデータは、誤り訂正器11へと出力される。
誤り訂正器11は、復号器10において復号されたデジタルデータを入力し、復号されたデジタルデータに誤りがある場合に、誤りの訂正を行うものである。誤りの訂正が行われたデジタルデータは、コントローラ12へと出力される。
ジッター検出器13は、波形処理器8において調整された再生信号を入力し、再生信号のジッターを検出するものである。この再生信号のジッターは、再生信号品質の劣化を判断するために用いられる。検出されたジッター値は、コントローラ12に送られる。
コントローラ12は、誤り訂正器11から出力されたデジタルデータが供給され、情報再生部(図示しない)に対して、デジタルデータを出力する。また、コントローラ12は、ジッター検出器13から送られたジッター値を保管する。コントローラ12は、デジタルデータs1を後述する発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ19へ、記録データs2とクロック信号s3とを後述する記録波形生成回路21へ、および高周波重畳開始信号s4を後述する高周波発振回路18へ出力する。
なお、半導体レーザ4から出射されたレーザ光の一部は、ビームスプリッタ6によって分離される。
フォトダイオード15は、上記ビームスプリッタ6によって分離されたレーザ光を検出し、レーザパワーの検出を行うものである。
APC回路16は、APCを行うための回路であり、フォトダイオード15からの出力信号が入力される。その後、レーザパワーが所定のパワーとなるように、APC回路16はフィードバック制御を行う。
半導体レーザ駆動回路14は、半導体レーザ4を駆動させるための回路であり、ドライバ回路17、高周波発振回路18、発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ19、ドライバ回路20、記録波形生成回路21、およびドライバ回路22を備えている。
ドライバ回路17は、APC回路16からの出力信号を駆動電流に変換するものである。変換された駆動電流は、半導体レーザ4に供給される。
高周波発振回路18は、高周波を発振させるための回路であり、発振振幅レベルを設定するための発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ19が接続されている。発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ19は、コントローラ12から出力されるデジタルデータs1に基づいて、発振振幅レベルが設定される。高周波発振回路18からの出力信号は、ドライバ回路20において高周波電流に変換され、半導体レーザ4に供給される。
なお、情報の再生時には、APC回路16による駆動電流に、高周波発振回路18による高周波電流が重畳され、半導体レーザ4が駆動される。
記録波形生成回路21は、コントローラ12から出力される記録データs2とクロック信号s3とに基づいて、ライトストラテジと呼ばれる記録波形を生成し、出力するものである。
なお、情報の記録時には、記録波形生成回路21からの出力信号は、ドライバ回路22において駆動電流に変換され、半導体レーザ4に供給される。そして、半導体レーザ4は記録波形に応じて変調され、情報が光ディスク1に記録される。
また、情報の記録時には、コントローラ12から出力される高周波重畳開始信号s4によって、高周波発振回路18の発振が停止され、高周波重畳が停止される。これは、高い記録パワーで駆動される半導体レーザ4に、さらに高周波重畳が加えられると、半導体レーザ4の定格を超える恐れがあるためである。さらには、高速に変調される記録波形に、高周波が重畳されると、双方の位相関係が変動することによって記録波形が乱されるのを防止するためである。
なお、半導体レーザ駆動回路14は、数十MHzのクロックの記録波形や、数百MHzの高周波重畳波形を半導体レーザ4に供給するために、光ピックアップ2上の半導体レーザ4の近くに搭載されるのが一般的である。
(1−2)光ディスクのフォーマット例
図2は、光ディスク1のフォーマットの一例を模式的に示した図である。
図2は、光ディスク1のフォーマットの一例を模式的に示した図である。
光ディスク1には、図2に示すように、内周側にリードインと呼ばれる領域と、外周側にリードアウトと呼ばれる領域とが設けられている。上記2つの領域の間はデータ領域である。このデータ領域に、実際に使用される情報(ユーザDATA)が記録される。
上記リードインと呼ばれる領域には、例えば、テスト領域201が設けられている。テスト領域201は、ユーザDATAを記録するに先立って、異なるディスク毎、あるいは周囲温度によって異なる最適な記録パワーおよび記録波形(ライトストラテジ)を求めるために設けられたものである。すなわち、最適な記録条件を求めるために使用される領域である。
(1−3)高周波重畳レベルの調整
図3は、高周波重畳レベルの調整過程を示すフローチャートである。上述したテスト領域201を用いて高周波重畳レベルの調整を行う。高周波重畳レベルの調整は、光ディスク装置100の電源が投入された時点や、光ディスク1が挿入された時点で行われる。
図3は、高周波重畳レベルの調整過程を示すフローチャートである。上述したテスト領域201を用いて高周波重畳レベルの調整を行う。高周波重畳レベルの調整は、光ディスク装置100の電源が投入された時点や、光ディスク1が挿入された時点で行われる。
高周波重畳の重畳レベル調整過程に入ると、図3に示すように、まず、光ピックアップ2を光ディスク1の内周側に設けられているテスト領域201に移動させる(ステップS1)。次いで、高周波重畳の重畳レベルが最小となるように設定される(ステップS2)。さらに、テスト領域201に記録動作を行う(ステップS3)。
ステップS3において記録する情報は、あらかじめコントローラ12に接続されたメモリ(図示しない)に記憶された情報であり、ユーザ情報と関係ないダミー情報である。ただし、ダミー情報の変調方式はユーザ情報と同じ方式で変調されている。ユーザ情報と同じ変調方式をダミー情報にも用いることによって、回路規模を小さくすることができる。
記録されたダミー情報を再生し(ステップS4)、再生信号のジッター値を検出し、検出したジッター値を変数Aとして保管する(ステップS5)。次いで、重畳レベルを増加させる(ステップS6)。具体的には、重畳レベルの調整精度を上げるために、発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ19の値を1ビット分上げる。なお、この重畳レベルの増加量は、重畳レベル調整過程に要する時間と調整精度とに影響するので、光ディスク装置に応じて適切に設計されることが望ましい。
重畳レベルを増加させてテスト領域201に記録されたダミー情報を再生し(ステップS7)、再生信号のジッター値を検出し(ステップS8)、ステップS5において検出したジッター値(変数Aの値)と比較する(ステップS9)。比較した結果、ジッター値が良くなっている(ジッターが小さくなっている)、または同等レベルであれば(Jitter≦Aのとき)、再度ステップS4に戻って、重畳レベルを増加させる動作が繰り返される。ジッター値が悪化していれば(Jitter>Aのとき)、次に進み、重畳レベルを所定量低減させるように、発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ19に値が設定される(ステップS10)。
なお、ジッター値の悪化とは、例えば、ジッター値が1%以上悪くなった場合である。ジッターは、再生するディスク上の位置や、再生時のサーボ状態などによっても変化するので、1%以下の悪化は同等レベルとみなすことができる。また、ステップS10において低減させる重畳レベルは、例えば3dBである。記録された情報が不可逆的に劣化してジッターが悪化している場合を考えると、ユーザDATA領域に記録された情報を守るためには、3dB以上低減することが必要である。
上記のような高周波重畳の重畳レベル調整過程を終えることによって、ディスクに記録された情報を劣化させることなく、かつ十分な重畳レベルで高周波重畳を行うことができる。
また、光ディスク毎に、高周波電流の重畳レベルを適切に設定することが可能となるので、同一規格の光ディスク同士だけでなく、規格の異なる光ディスク同士であっても、それぞれの光ディスクに対して高周波電流の重畳レベルを適切に設定することが可能となる。
また、光ディスク1挿入時に行うことによって、該光ディスク1を再生する前に、異なるディスク毎に最適な重畳レベルに調整することができる。
また、光ディスク装置100の温度を監視する機能を追加して、温度変化が所定量を超えた場合に、重畳レベルの調整を行えばより細かな調整ができる。しかし、調整に要する時間が増えてしまう。それゆえ、重畳レベルの調整の頻度は、光ディスク装置に応じて適切に設計されることが望ましい。
なお、上述の説明では、ディスクの内周側に設けられたテスト領域201を用いたが、必ずしもこれに限定されず、例えば、ディスクの外周側に設けられたテスト領域を用いてもよい。
(1−3)データ再生
次に、調整された高周波重畳レベルのレーザ光によって、データ領域のユーザDATAを再生する場合について説明する。
次に、調整された高周波重畳レベルのレーザ光によって、データ領域のユーザDATAを再生する場合について説明する。
本実施の形態の光ディスク装置100を用いれば、ジッター検出器13を備えているので、データ領域のユーザDATAを再生中にも、常にジッターを検出することができる。それゆえ、データ領域のユーザDATAを再生中に、再生信号品質が悪化した場合には、コントローラ12は高周波重畳の重畳レベルを低下させることが可能となる。
なお、再生信号品質の悪化とは、例えば、ジッターが3%以上悪くなった場合である。データ領域は、上述したテスト領域201とは異なり、光ディスク1のほぼ全域に渡る広い領域である。それゆえ、ジッターのバラツキも大きい。また、ディスク内外周によるディスクの傾き変化や、ディスク内での記録再生条件の違いがあるので、テスト領域201に比べてジッターのバラツキを考慮する必要がある。
したがって、仮に、重畳レベルの異常な増大が発生した場合であっても、データ領域の情報の劣化を最小限に留めることができる。本実施の形態の光ディスク装置100のように、光ディスク1のテスト領域201において高周波重畳のレベルを設定する機能を有する光ディスク装置100であれば、新たな回路の追加なしに、高周波重畳レベルの異常な増大による情報の劣化を最小限に留めることができる。
(1−4)記録モードから再生モードへの動作
図4は、本実施の形態の光ディスク装置100における記録モードから再生モードに変化する際の動作を説明するための図である。
図4は、本実施の形態の光ディスク装置100における記録モードから再生モードに変化する際の動作を説明するための図である。
光ディスク1には、図4に示すように、データ領域にも一定の領域毎にレーザパワーを制御するためのレーザパワー制御領域501が設けられている。レーザパワー制御領域501は、データ領域にユーザDATAを記録中に、記録時のレーザパワーを最適に調整するために設けられた領域であり、ALPC(Auto Laser Power Control)領域やR−OPC(Running Optimum Power Control)領域などと呼ばれる領域である。レーザパワー制御領域501は極短い領域であるが、光ディスク1のトラック毎に1ヶ所以上存在する。
情報の記録時には、前述したように高周波重畳は停止されている。動作が記録モードから再生モードに移行すると、レーザパワーは、記録パワーから再生パワーに制御される。次いで、コントローラ12は、レーザ光がデータ領域中のレーザパワー制御領域501を通過するタイミングで高周波重畳開始信号s4を活動させ、高周波重畳を開始させる。
なお、高周波発振回路18の出力は開始された直後は発振周波数や、発振レベルが不安定な場合がある。数百MHzの高周波重畳波形を半導体レーザ4に供給する場合には、供給する伝送路(配線)においての減衰が大きく、この減衰量が周波数によって大きく変化するためである。それゆえ、発振レベルはもとより、周波数が不安定な場合であっても、半導体レーザ4に重畳される重畳レベルが不安定となってしまう。
上記のような重畳レベルが不安定となる高周波重畳の開始動作を、データ領域中のレーザパワー制御領域501において行うことで、データ領域に記録された情報の劣化を防止することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の他の実施の形態について図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5は、再生信号品質を検出する手段として、再生信号のジッターではなく、最尤複合における尤度を検出する場合の光ディスク装置150の主要部分を示すブロック図である。
本実施の形態の光ディスク装置150では、前記実施の形態1の図1に示すジッター検出器13に代えて、図5に示す差メトリック演算器41を採用している。以下に、前記実施の形態1とは異なる動作を行うものを説明する。
復号器10では、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式により復号が行われる。この復号過程において得られる情報、すなわち、ブランチメトリックの累積値(尤度)は、差メトリック演算器41に供給される。
差メトリック演算器41は、2つのブランチメトリックの累積値の差(差メトリック(尤度差))を算出するものである。算出された尤度差は、コントローラ12に送られる。この尤度差は、再生信号から得られるものであるので、尤度差を用いて、ジッター値を用いた場合と同様に、高周波重畳の重畳レベル調整を行うことができる。
ここで、実際のユーザDATAを再生する方法として、2値検出を行う方法の場合には、2値検出を用いて検出するジッターを用いた前記実施の形態1による方法が、実際の再生品質をより反映しているので、ジッターを用いることで再生信号品質の劣化をより正確に判断することができる。
一方、実際のユーザDATAを再生する方法として、本実施の形態2で説明したPRML検出(最尤複合)を行う場合には、その検出過程の尤度差が実際の再生品質をより反映しているので、該尤度差を用いることで再生信号品質の劣化をより正確に判断することができる。
ところで、光ディスクのエラーレートは10のマイナス5乗程度であるので、エラーの数を用いて再生信号品質を検出しようとすると大量のデータが必要となり、再生信号品質の検出に時間を要する。それゆえ、再生信号品質の検出にジッター値や、最尤複合における尤度を用いることによって、少ないデータ量で信号の品質を検出できるというメリットがある。また、ジッター値や、最尤複合における尤度は、エラー数を検出する場合と異なり、光ディスクの傷などの影響を受けにくいというメリットもある。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の光ディスク装置を用いることによって、光ディスクに記録された情報信号の劣化を防止することができる。本発明の光ディスク装置の半導体レーザの駆動制御技術は、より高品質、かつ高い信頼性の信号検出が要求される光ディスク装置に好適に用いることができる。
したがって、本発明は、単に、光ディスク装置を製造する産業分野のみならず、発光素子や光ディスク媒体を製造する産業分野や、光ディスク装置に関する他の各種電子・電気部品を製造する産業分野に対しても適用することができる。
1 光ディスク
2 光ピックアップ
3 対物レンズ
4 半導体レーザ
5 コリメータレンズ
6 ビームスプリッタ
7 再生信号検出用フォトダイオード
8 波形処理器
9 A/D変換器
10 復号器
11 誤り訂正器
12 コントローラ(重畳レベル設定手段)
13 ジッター検出器(再生信号検出手段)
14 半導体レーザ駆動回路
15 フォトダイオード
16 APC回路
17 ドライバ回路
18 高周波発振回路
19 発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ
20 ドライバ回路
21 記録波形生成回路
22 ドライバ回路
41 差メトリック演算器(再生信号検出手段)
100 光ディスク装置
150 光ディスク装置
201 テスト領域
501 レーザパワー制御領域
i1 駆動電流
s1 デジタルデータ
s2 記録データ
s3 クロック信号
s4 高周波重畳開始信号
2 光ピックアップ
3 対物レンズ
4 半導体レーザ
5 コリメータレンズ
6 ビームスプリッタ
7 再生信号検出用フォトダイオード
8 波形処理器
9 A/D変換器
10 復号器
11 誤り訂正器
12 コントローラ(重畳レベル設定手段)
13 ジッター検出器(再生信号検出手段)
14 半導体レーザ駆動回路
15 フォトダイオード
16 APC回路
17 ドライバ回路
18 高周波発振回路
19 発振振幅レベル設定用D/Aコンバータ
20 ドライバ回路
21 記録波形生成回路
22 ドライバ回路
41 差メトリック演算器(再生信号検出手段)
100 光ディスク装置
150 光ディスク装置
201 テスト領域
501 レーザパワー制御領域
i1 駆動電流
s1 デジタルデータ
s2 記録データ
s3 クロック信号
s4 高周波重畳開始信号
Claims (6)
- 駆動電流に高周波電流を重畳させて半導体レーザを発光させ、光ディスクの情報の記録再生を行う光ディスク装置であって、
上記光ディスクの特定の領域に、任意の情報を記録する情報記録手段と、
上記領域に記録された情報を再生し、再生信号として検出する再生信号検出手段と、
上記再生信号検出手段により検出された再生信号に応じて、上記高周波電流の重畳レベルを設定する重畳レベル設定手段とを備えていることを特徴とする光ディスク装置。 - 上記重畳レベル設定手段は、
上記再生信号検出手段によって検出された再生信号の品質を判定し、再生信号の品質に応じて、高周波電流の重畳レベルを設定することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記重畳レベル設定手段は、
高周波電流の重畳レベルを段階的に増加させ、上記再生信号検出手段によって検出される再生信号の品質があらかじめ設定した品質よりも低下したときに、高周波電流の重畳レベルを1段階下げて設定することを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。 - 上記重畳レベル設定手段は、
上記再生信号検出手段によって検出された再生信号のジッター値に基づいて、高周波電流の重畳レベルを設定することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記重畳レベル設定手段は、
上記再生信号検出手段によって検出された再生信号から得られる最尤複合における尤度に基づいて、高周波電流の重畳レベルを設定することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記光ディスクの特定の領域は、実際に情報として再生するデータが記録されている領域以外に設定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光ディスク装置。
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- 2005-12-23 JP JP2005371178A patent/JP2007172770A/ja active Pending
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