以下、図面を参照して、本発明に係る印刷検査装置の実施の形態について説明する。なお、本実施形態では、プリンタで印刷された連続帳票をオフライン(プリンタによる印刷と非連動)で検査する例について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の印刷検査装置1は、プリンタによりファンフォールド紙(送り穴付折りたたみ印刷用紙)等の連続帳票Fに印刷された画像を読み取る本体ユニット(読取ユニット)10と、連続帳票Fにプリンタで正しく文字、数字、記号(以下、文字という。)が印刷されたかを判断する処理ユニット30と、を備えている。
図2に示すように、本体ユニット10は、略水平な搬送面10Aを有する筺体内に、連続帳票Fの両側に形成された送り穴に係合する複数の突起が形成され、連続帳票Fを一方向(図2の矢印A方向)に搬送する2本のトラクタベルト17を有している。トラクタベルト17はトラクタローラ15、16間に張架されている。なお、連続帳票Fの幅サイズに適合するように、本体ユニット10は、2本のトラクタベルト17間のトラクタ幅を調整するためのトラクタ幅調整モータTMを有している。
一方、筺体の排出口(不図示)近傍には、トラクタベルト17と共働して連続帳票Fを一方向(図2の矢印A方向)に搬送すると共に、本体ユニット10外に連続帳票Fを排出する搬送排出ローラ18、19が配置されている。トラクタローラ16及び搬送排出ローラ18は駆動ローラであり、複数のギアで構成され図示を省略した駆動力伝達機構を介してステッピングモータからなる搬送モータFMからの回転駆動力が伝達される。なお、搬送排出ローラ18、19間は、連続帳票Fをセット可能なように、搬送排出ローラ19が搬送排出ローラ18に対して離間、当接の2位置間で移動可能な構造が採用されている。
トラクタローラ15、16間に張架されたトラクタベルト17の上面と、搬送排出ローラ18、19間の当接点とは略同一の高さ位置に設定されている。このため、連続帳票Fは、搬送面10Aにその裏面を摺接させて略水平に本体ユニット10の筺体内に案内され、搬送排出ローラ18、19及びトラクタベルト17間で一定の力で引っ張られることでほぼ水平状態で搬送され、搬送排出ローラ18、19により筺体外に排出される。なお、本実施形態では、連続帳票Fの最大搬送速度が1.5m/s程度に設定されている。
トラクタベルト17の上方かつ下流側(図2の左側)には、連続帳票Fの表面に印刷された画像を読み取る表面ラインスキャンカメラ11が配置されており、トラクタベルト17の下方かつ表面ラインスキャンカメラ11より若干下流側には、連続帳票Fの裏面に印刷された画像を読み取る裏面ラインスキャンカメラ13が配置されている。ラインスキャンカメラ11、13は、ケーシング内にダイクロイックフィルター、レンズ及びCCDラインセンサを有して構成されている。
ラインスキャンカメラ11、13の読取位置の両側には、それぞれ、読取位置を照射するための白色光LEDアレイ12A、12B及び14A、14Bが配置されている。なお、LEDアレイ12A、12B、14A、14Bの近傍には、読取位置に対し白色光をライン状に集光させるためのロッドレンズ(不図示)がそれぞれ配置されている。
また、本体ユニット10には、トラクタベルト17の上方かつ上流側に連続帳票Fが本体ユニット10にセットされているかを検出する原稿セット検出センサ21、トラクタベルト17と搬送排出ローラ18、19との間に、連続帳票Fが残留しているかを検出する残留紙検出センサ22、トラクタローラ15の回転軸に取り付けられトラクタベルト17の連続帳票Fに対する搬送量を検出するロータリエンコーダ23、2本のトラクタベルト17間のトラクタ幅を調整するためのギア(不図示)の近傍に取り付けられトラクタ幅のホームポジションを検出するトラクタ幅ホームポジション検出センサ24、搬送排出ローラ19の回転軸に取り付けられ連続帳票Fのジャムを検出するジャム検出センサ25が、それぞれ配設されている。
更に、本体ユニット10は、商用交流電源から駆動部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部(不図示)及び本体ユニット10全体の動作制御を行うマイクロコンピュータ(不図示)を有している。マイクロコンピュータには、外部バスを介して、上述したセンサを制御するセンサ制御部、モータ駆動を制御するアクチュエータ制御部、CPUを有しラインスキャンカメラで読み取った1頁分の画像を切り出してスキュー補正を行うと共に、後述するバーコードを読み取る画像処理部及び処理ユニット30との通信を行うためのインターフェースが接続されている。
本体ユニット10の筺体には、連続帳票Fをセットすると共に、点検、修理用の複数の開放扉が設けられている。なお、本体ユニット10の下流側には、連続帳票Fを折りたたむ折りたたみ装置50、折りたたみ装置50の折りたたみ速度と本体ユニット10の連続帳票Fの搬送速度とを調整するためのバッファとなるループ台40が、ループ台40、折りたたみ装置50の順に配置されている。
図1及び図3に示すように、処理ユニット30は、筐体内に配置された検査サーバ31と複数台の同一仕様のコンピュータからなる検査端末32(32A、32B、32C、32D、32E)とで構成されている。換言すれば、処理ユニット30は、図1に示すように、機構的には検査サーバ31及び検査端末32を収容したラックであり、図3に示すように、機能的には、プリンタにより連続帳票Fに正しく文字が印刷されたかを判断するコンピュータ群である。なお、図3は、この機能面を中心に、コンピュータ単位で表した図1の等価ブロック図である。
図1に示すように、処理ユニット30の上部には検査サーバ31のディスプレイ31Aが配置されており、ディスプレイ31Aの両側には複数の操作ボタン31B(図3の検査サーバ31のキーボードに相当)が配置されている。検査サーバ31の下部には検査端末32が配置されている。また、図3に示すように、検査サーバ31、各検査端末32、本体ユニット10は、それぞれ相互間が通信回線で接続されている。
図4に示すように、本体ユニット10のインターフェースは、制御回路20、シリアライザー及びデシリアライザーを有するキャプチャーボード10Bを有している。一方、各検査端末32には、制御回路34(34a、34b、34c、34d、34e)、シリアライザー、デシリアライザー及び2頁分のページメモリを有するインターフェースボード33(33a、33b、33c、33d、33e)が配置されている。本体ユニット10のキャプチャーボード10Bと各検査端末32のインターフェースボードとは、キャプチャーボード10Bを最上流として通信回線を介してデージーチェーン状に接続されている。
(連続帳票)
次に、本実施形態の印刷検査装置1の検査対象となる連続帳票Fについて説明する。なお、以下、説明を簡単にするために、連続帳票Fは、図3に示すように、印刷サーバ60で制御されるシステムプリンタ70で印刷されたものとして説明する。
図5に示すように、連続帳票Fの各頁には、本体ユニット10が連続帳票Fの画像を頁単位で読み取れるように、各頁の開始を表し左側(図1の搬送方向先端側かつ手前側)に配置された開始左マークLM、各頁の開始を表し開始左マークLMと同じ高さ位置の右側(図1の搬送方向先端側かつ奥側)に配置された開始右マークRM、システムプリンタ70による連続帳票Fに対する印刷処理情報(ジョブ及び頁を特定するための情報)がコーディングされ開始左マークLMの下側に配置されたバーコードBC、各頁の終了を表し左側(図1の搬送方向後端側かつ手前側)に配置された終了マークEMが印刷されている。
本実施形態では、これらのマーク及びバーコードはシステムプリンタ70により連続帳票Fに印刷されるが、本体ユニット10の画像処理部が複数のマーク等の一部を認識した場合でも別のマーク等との誤認を防止するために、開始左マークLM及び開始右マークRMは、本体ユニット10の搬送方向に対して左右対称の位置に同一形状で印刷されており、開始左マークLMは終了マークEMより幅が十分に大きく、かつ、長さが十分に短く、終了マークEMはラインスキャンカメラ11、13の読取方向に対して開始左マークLMの主走査位置内に印刷される。また、バーコードBCは、ラインスキャンカメラ11、13の読取方向に対して副走査方向に印刷されており、開始左マークLMの主走査位置内にあり、かつ、バーコードBCの幅は開始左マークLMの幅より十分に小さく印刷される。
図5に示した連続帳票Fは利用明細書として使用される一例を模式的に示しており、連続帳票Fには、上述したマーク及びバーコードの他に、システムプリンタ70により利用明細書の内容を構成する文字列が印刷される。本実施形態では、図5に一点鎖線で示した検査領域EF内の文字が印刷検査装置1により検査される検査対象文字となる。なお、本実施形態では、連続帳票Fの裏面側にも同様のマーク及びバーコードが印刷されているが、検査領域EFは表面側と異なる領域に設定可能である。
(動作)
次に、本実施形態の印刷検査装置1の動作について、辞書作成処理、帳票登録処理、印刷検査処理の順に説明する。なお、辞書作成処理及び帳票登録処理は印刷検査装置1による連続帳票Fの印刷検査(処理)を行う前に実行される。
<辞書作成処理>
辞書作成処理について一言すれば、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る文字のそれぞれの特徴量を演算し、演算した特徴量と文字(情報)との対応関係を定めた辞書を作成するものであるが、詳しくは以下の通りである。
まず、印刷サーバ60は、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る全ての文字のコード、フォント及びフォントサイズを含む文字情報に対応して所定形式で辞書作成用連続帳票に文字列を印刷させると共に、各頁には上述したマーク及びバーコードを印刷させる。本実施形態では、この辞書作成用連続帳票に、図5に示した連続帳票Fとは別の予め所定文字が印刷されていない略無地、かつ、連続帳票Fと同紙質の連続帳票が用いられ、所定形式として、各行に辞書作成用の文字が印刷されることを示す識別マーク、1文字の大きさが分かる参照用文字、フォント毎に複数のフォントサイズの文字を印刷し、一つのフォントサイズに対して2個以上の文字を印刷する形式が用いられている。なお、この「所定形式」は、システムプリンタ70により辞書作成用連続帳票に文字情報を構成する全ての文字がどのように印刷されているかが処理ユニット30側でも把握可能なプトロコルを意味している。
次に、印刷サーバ60により、システムプリンタ70で辞書作成用連続帳票に印刷され得る全ての文字のコード、フォント及びフォントサイズを含む文字情報が上述した所定形式に適合するように記録媒体に書き込まれ、記録媒体を介して文字情報が検査サーバ31に入力される。これにより、辞書作成処理の準備が完了する。一般に、利用明細書や請求書となる連続帳票Fに印刷される文字のフォント及びフォントサイズは限定されているため、印刷サーバ60が記録媒体に記録する情報量はそれ程大きくはならない。従って、上述した「印刷され得る全ての文字」はシステムプリンタ70が印刷可能な全ての文字を意味するものでなく、連続帳票Fに印刷されないフォント、フォントサイズの文字は除かれる意味であるが、記録媒体に余裕がある場合にはシステムプリンタ70が印刷可能な全ての文字を記録するようにしてもよい。
オペレータにより、システムプリンタ70で印刷された辞書作成用連続帳票が本体ユニット10にセットされ、操作ボタン31Bのうち所定ボタンが押下されると、印刷検査装置1は辞書作成処理を開始する。
処理ユニット30(検査サーバ31)から印刷検査処理開始のコマンドを受信した本体ユニット10のマイクロコンピュータは、LEDアレイ12A、12B及び14A、14Bを点灯させると共に、アクチュエータ制御部を介して搬送モータFMを駆動させる。これにより、辞書作成用連続帳票は図2の矢印A方向に一定速度で搬送され、ラインスキャンカメラ11、13は辞書作成用連続帳票の画像読取を開始する。また、マイクロコンピュータは、センサ制御部からの信号を参照して、辞書作成用連続帳票のジャム等の監視を開始する。なお、オペレータは、ある程度辞書作成用連続帳票が本体ユニット10からループ台40に排出されたときに、辞書作成用連続帳票(の先端部)を折りたたみ装置50にセットする。
本体ユニット10の画像処理部は、開始左マークLM又は開始右マークRMと終了マークEMとで区切られた1頁分の画像を切り出す。すなわち、読取位置に対して、開始左マークLMと開始右マークRMのいずれか早く到達した時点の画像から終了マークEMまでの画像を1頁分の画像として切り出す。この画像の切り出しと並行して、画像処理部は、開始左マークLMの後に印刷されたバーコードBCを読み取り、デコードして上述した印刷処理情報を取得し、切り出した1頁分の画像データと、バーコードから読み取った印刷処理情報と、当該頁の文字情報をキャプチャーボード10Bの制御回路20に出力する。
一方、各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、本体ユニット10のキャプチャーボード10Bの制御回路20に対し、所定のレスポンス(応答)と各検査端末32の作動状態を表す状態情報を含むレポートの作成を行っている。レスポンスは、キャプチャーボード10Bが各検査端末32のインターフェースボード33に対して発行する初期化や画像データ転送等のコマンドを実行した結果の状態報告であり、レポートは、ページメモリの使用終了等の各検査端末32の作動状態が変わる度に制御回路34により自律的に作成される報告である。これらのレスポンス及びレポートは、下流側の検査端末のインターフェースボードから上流側の検査端末のインターフェースボードに向けてキャプチャーボード10Bまで送信され、中間の(上流側の)検査端末のインターフェースボード(の制御回路)は、下流側のインターフェースボードが送信したレスポンス及びレポートをキャプチャーボード10Bが受信可能なように、より上流側のインターフェースボード又はキャプチャーボード10Bにレスポンス及びレポートを転送する。
このため、キャプチャーボード10Bの制御回路20は、各検査端末32のインターフェースボード33からのレスポンス及びレポートにより、各検査端末32の作動状態を把握することができる。従って、キャプチャーボード10Bは、検査端末32のうちいずれかの検査端末が1頁分の画像データ等(1頁分の画像データ、バーコードから読み取った印刷処理情報、当該頁の文字情報)を受信可能な状態になる度に、所定条件に基づいて送信先(処理待ちの検査端末)を決定し、決定した検査端末のインターフェースボードに画像処理部から出力された1頁分の画像データ等を送信する。すなわち、キャプチャーボード10Bから各検査端末のインターフェースボード33に送信する際に、検査端末に割り振られたユニークナンバーを指定して、1頁分の画像データ等を送信する。各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、指定されたユニークナンバーが自己のナンバーと一致するか否かを判断し、一致するときには、1頁分の画像データ等を取り込み、一致しないときは、下流側のインターフェースボードに受信した1頁分の画像データ等を転送する。
本実施形態では、上述した所定条件として、キャプチャーボード10Bがn番目の検査端末に画像データ等を送信すると決定する場合に、(1)1番目から(n−1)番目の検査端末がページメモリの1頁目を使用してすべて稼働中であって、n番目の検査端末がページメモリの1頁目を使用して稼働していないとき、又は、(2)すべての検査端末がページメモリの1頁目を使用してすべて稼働中、かつ、1番目から(n−1)番目の検査端末がページメモリの2頁目を使用して稼働中であり、n番目の検査端末がページメモリの2頁目を使用して稼働していないとき、を条件としている。
各検査端末32は、受信した頁分の画像データの画像から、一文字ずつ文字画像を切り出し、切り出した文字画像の画像データおよび印刷処理情報をRAMおよびハードディスクに保存する。辞書作成用連続帳票の読み取りが終了した後に、切り出した文字画像および印刷処理情報をRAMおよびハードディスクから読み出して、例えば、5×5の小領域に分割し8方向(45°)を基準ベクトルとしたときの、各小領域の画像形成方向の傾きについての特徴ベクトルを演算して各特徴ベクトルに重み係数を掛けた特徴量を演算する。なお、5×5の小領域に分割し8方向の基準ベクトルを用いた場合には1文字について200の特徴空間が形成されることになり、重み係数は、例えば、文字の外側部を構成する小領域の特徴ベクトルほど大きくなるように設定することができる。また、本実施形態では、同一文字(コード、フォント及びフォントサイズが同じ文字)について辞書作成用連続帳票に2個以上の文字が印刷されているので、同一文字について平均した特徴量が演算される。各検査端末32は、受信した頁分の文字の特徴量を演算すると、文字情報をインデクスとして、文字情報、特徴量、RAMに保存した文字の画像データを1文字ずつ対応付けて、印刷処理情報と共に、検査サーバ31に送信する。
検査サーバ31は、1台以上の検査端末32が作成した辞書を受信し、検査端末が作成した複数の辞書を1つの辞書に再構築する。この辞書は、特徴量として追加される追加特徴量(後述)を複数持つことができるデータ構造を有している。次に、検査端末32から受信した印刷処理情報を参照して、記録媒体を介して入力された文字情報を構成する全ての文字について、文字情報、特徴量及び画像データの対応関係が定められたか(全ての文字について辞書が作成されたか)否かを判断し、否定判断のときには、残りの辞書の部分を作成するために、処理待ち状態の(特徴量等を検査サーバ31に送信した)検査端末32に、更に、1頁分の画像データ、印刷処理情報及び当該頁の文字情報を送信し、肯定判断のときは、各検査端末32に、作成した辞書について検証させる。
すなわち、検査サーバ31は、作成した辞書のうち、数十文字分の文字情報、特徴量、画像データ及び当該画像データの画像より低い解像度の解像度情報を各検査端末32に送信する。各検査端末32は、受信した画像データから解像度情報に従って解像度を下げた画像を生成し、生成した画像を上述した所定小領域に分割し8方向を基準ベクトルとしたときの、各小領域の画像形成方向の傾きについての特徴ベクトルを演算して各特徴ベクトルに重み係数を掛けた特徴量を演算する。次に、演算した特徴量が受信した特徴量に対して予め設定された検証基準値以上か否かを判断する。肯定判断のときは、検証対象の文字の特徴量が適正である旨を表す情報を文字情報に付加し、否定判断のときは、検証対象の文字の特徴量が不適正である旨を表す情報を文字情報に付加し、数十文字分の文字についての処理が終了したときに、検査サーバ31に文字情報を送信する。
検査サーバ31は、作成した辞書の全ての文字について文字情報を受信したか否かを判断し、否定判断のときは、処理待ち状態の検査端末32に、更に、数十文字分の文字情報、特徴量、画像データ及び解像度情報を送信し、肯定判断のときは、各文字情報に付加された情報を参照することで、特徴量が不適正と判断された文字があるか否かを判断する。特徴量が不適正と判断された文字がないと判断した場合は、作成した辞書に辞書名を付与し、作成した(文字情報、特徴量、画像データ間の対応関係を定めた)辞書の内容をハードディスクに保存すると共に、各検査端末32に、作成した辞書のうち文字情報と画像データとの対応関係の情報を除く辞書の情報と辞書名とを送信して辞書作成処理を終了し、特徴量が不適正と判断された文字があると判断した場合は、当該文字について、検査端末32に検証基準値を変更させて(下げさせて)、作成した辞書の全ての文字の特徴量が適正と判断されるまで続行し、(変更した)検証基準値を後述する判定基準値として設定して(辞書の付属情報として予め設定されていた判定基準値のデフォルト値を変更して)、作成した辞書に辞書名を付与し、作成した辞書の内容をハードディスクに保存すると共に、各検査端末32に、作成した辞書のうち文字情報と画像データとの対応関係の情報を除く辞書の情報と辞書名とを送信して辞書作成処理を終了する。各検査端末32は、受信した辞書の情報及び辞書名をハードディスクに保存する。
<帳票登録処理>
次に、帳票登録処理について説明する。帳票登録処理について一言すれば、上述した連続帳票Fの検査領域EFを設定するものであるが、詳しくは以下の通りである。
検査サーバ31は、検査端末32を介して、本体ユニット10で読み取られた連続帳票Fの1頁分の画像データを取得する。次いで、取得した画像データの画像の開始左マークLM(又は、開始右マークRM)及び終了マークEMを基準に、検査可能領域RF(図5参照)を含むように画像を切り出して倍率補正を行いディスプレイ31Aに切り出した画像を表示させ、オペレータによる検査領域EFの指定があるまで待機する。オペレータは、操作ボタン31B(又は、検査サーバ31にログインした外部コンピュータ)により検査領域EFを順次指定し、検査サーバ31は検査領域EFの位置情報を取得する。
検査サーバ31は検査領域EFの指定を終了する旨の操作ボタンが押下されたか(又は、外部コンピュータから指定を終了するためのコマンドを受信したか)否かを判断し、否定判断のときは、検査領域EFが続けて指定される可能性があるため待機し、肯定判断のときは、検査領域EFが指定された連続帳票Fに登録帳票名を付与し、切り出した連続帳票Fの画像データ及び検査領域EFの位置情報を登録帳票名と関連付けてハードディスクに格納(又は、更新)すると共に、登録帳票名とこの登録帳票名に関連付けられた連続帳票Fの検査領域EFの位置情報とを各検査端末32に送信して帳票登録処理を終了する。検査サーバ31から辞書を受信した各検査端末32は、登録帳票名及び連続帳票Fの検査領域EFの位置情報を関連付けてハードディスクに格納(又は、更新)する。
上述した辞書名及び登録帳票名には、オペレータが識別容易な名称を併せて付加することができ、例えば、オペレータは操作ボタン31Bを操作して(又は、外部コンピュータから検査サーバ31にログインして、以下同じ。)登録帳票名に付加された名称を指定することにより、ディスプレイ31Aに登録帳票及び検査領域EFを表示させることができる。なお、図5は、検査領域EFが9箇所指定された例を示している。
<印刷検査処理>
次に、印刷検査処理について説明する。この印刷検査処理に先立って、印刷サーバ60は、システムプリンタ70に印刷データを出力して連続帳票Fにオペレータが所望する文字列を印刷させると共に、システムプリンタ70に出力した印刷データを基礎として、検査ジョブデータ(正解情報)を作成し、記録媒体に出力する。図6は、検査ジョブデータのデータ構造の一例を示したものである。検査ジョブデータには、辞書名及び登録帳票名を特定するための情報(プリンタを識別するためのコード、帳票を識別するためのコード)の他に、システムプリンタ70による連続帳票Fに対するジョブ及び各頁を特定するための印刷処理情報や上述した文字情報(ジョブ識別ID、フィールドデータ)が含まれている。
オペレータは、操作ボタン31Bを操作して、検査サーバ31に、印刷サーバ60で作成され記録媒体に記録された検査ジョブデータを読み取らせる。検査サーバ31は、検査ジョブデータを読み取ると、読み取った検査ジョブデータを、一旦ハードディスクに保存(記憶)した後、各検査端末32に送信する。これにより、各検査端末32の印刷検査処理の準備が終了する。
オペレータにより、システムプリンタ70で印刷された連続帳票Fが本体ユニット10にセットされ、操作ボタン31Bのうち所定のスタートボタンが押下されると、印刷検査装置1は印刷検査処理を開始する。
辞書作成処理と同様に、処理ユニット30から印刷検査開始のコマンドを受信した本体ユニット10のマイクロコンピュータは、LEDアレイ12A、12B及び14A、14Bを点灯させると共に、アクチュエータ制御部を介して搬送モータFMを駆動させる。これにより、連続帳票Fは図2の矢印A方向に一定速度で搬送され、ラインスキャンカメラ11、13は連続帳票Fの画像読取を開始する。また、マイクロコンピュータは、センサ制御部からの信号を参照して、連続帳票Fのジャム等の監視を開始する。
本体ユニット10の画像処理部は、読取位置に対して、開始左マークLMと開始右マークRMのいずれか早く到達した時点の画像から終了マークEMまでの画像を1頁分の画像として切り出す。この画像の切り出しと並行して、画像処理部(のCPU)は、開始左マークLMの後に印刷されたバーコードBCを読み取る(デコードして印刷処理情報を取得する)。
次に、画像処理部は、切り出した1頁分の画像のスキュー補正を行う。すなわち、開始左マークLMと開始右マークRMの間の画素数Tx[pel]をカウントし、開始右マークRMと開始左マークLMとの搬送方向の偏差量をスキュー量ΔTy[line]をカウントし、座標(x,y)の画像データをV(x,y)としたときに、下式によりスキュー補正を行う:V(x,y)=q(x)・V(x,y+s(x))+r(x)・V(x,y+s(x)+1)。なお、s(x)=int(x・ΔTy/Tx)、r(x)=x・ΔTy/Tx−s(x)、q(x)=1−r(x)である。
また、画像処理部は、検査端末で検査領域EFの画像を切出す際の座標を補正できるように、開始左マークLM及び終了マークEM間の主走査線(ライン)数Ty[line]をカウントし、さらに開始左マークLMと終了マークEMの偏差量をΔx+Offset[pel]としたときのΔxをカウントする。スキュー補正を終了すると、本体ユニット10の画像処理部は、スキュー補正した1頁分の画像データと、読み取ったバーコードデータ(デコードした印刷ジョブ、頁等の印刷処理情報)と、開始左マークLMと開始右マークRMの間の画素数Txと開始左マークLM及び終了マークEM間の主走査線(ライン)数Tyと開始左マークLMと終了マークEMの偏差量をΔx+Offset[pel]としたときのΔxを、キャプチャーボード10Bの制御回路20に出力する。
キャプチャーボード10Bの制御回路20は、上述したように、検査端末のインターフェースボード33で転送されたレスポンス及びレポートにより、各検査端末32の作動状態を把握しており、所定条件に基づいて送信先を決定し、決定した検査端末のインターフェースボードに画像処理部から出力された1頁分の画像データ及び印刷処理情報を送信する。各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、指定されたユニークナンバーが自己のナンバーと一致するか否かを判断し、一致するときには、1頁分の画像データ等を取り込み、一致しないときは、下流側の検査端末に受信した1頁分の画像データ等を転送する。
各検査端末32は、受信したバーコードデータ(印刷処理情報)から自己の処理パートを認識し、既に受信済の検査ジョブデータから該当する頁の文字の照合ジョブデータ(正解情報)を抽出する。また、各検査端末32は、検査ジョブデータから登録帳票名を認識し、登録帳票名から検査領域EFの位置情報を取得し、受信した1頁分の画像データから検査領域EFの画像を切り出すと共に、検査領域EFの検査ジョブデータ(正解情報)を特定する。
各検査端末32は受信した開始左マークLMと開始右マークRMの間の画素数Tx[pel]から、検査ジョブデータ中の当該距離x[mm]を対応させ、光学解像度p[DPI]より主走査方向の倍率補正係数Axを、例えば、Ax=25.4・Tx/(p・x)によって求め、検査領域EFの主走査方向の座標を補正する。この補正には、例えば、(補正後の主走査方向の座標)=Ax・(検査ジョブデータより指示される検査領域EFの主走査方向の座標)を用いることができる。
また、各検査端末32は受信した開始左マークLM及び終了マークEM間の主走査線(ライン)数Ty[line]と、検査ジョブデータ中の当該距離y[mm]を対応させ、光学解像度p[DPI]より副走査方向倍率補正係数Ayを、例えば、Ay=25.4・Ty/(p・y)によって求め、検査領域EFの副走査方向の座標を補正する。この補正には、例えば、(補正後の副走査方向の座標)=Ay・(検査ジョブデータより指示される検査領域EFの副走査方向の座標)を用いることができる。
各検査端末32は受信した開始左マークLMと終了マークEMの偏差量をΔx+Offset[pel]としたときの偏差量Δxに基づいて検査領域EFの切出し位置の主走査方向を補正する。ここで、Offsetは、開始左マークLMと終了マークEMの形状の違いによる主走査方向の位置ズレ量を表している。開始左マークLM及び終了マークEM間の主走査線数Ty[line]を、検査ジョブデータ中の当該距離y[mm]に対応させ、光学解像度p[DPI]より主走査方向スキュー補正係数Ax’を、例えば、Ax’=Δx/Tyによって求め、検査領域EFの座標を次式で補正して、主走査方向のスキューに対して検査領域EFの座標を補正することでスキュー補正を行う。:(補正後の主走査方向の座標)=(検査ジョブデータ情報より指示される検査領域EFの主走査方向の座標)+Ax’・(検査ジョブデータより指示される検査領域EFの副走査方向の座標)。
次に、各検査端末32は、検査領域EF内の画像から一文字ずつ文字画像を切り出し、上述した所定小領域に分割して、各小領域の画像形成方向の傾きの特徴ベクトルを演算して各特徴ベクトルに重み係数を掛けた特徴量を演算する。次いで、切り出された文字の照合ジョブデータ(正解情報)をインデクスとして、演算した特徴量が辞書の当該切り出された文字に対応する特徴量に対して判定基準値以上か否かを判断する。肯定判断のときは、検査領域EF内の画像から切り出された文字(検査対象となる文字)が、システムプリンタ70により連続帳票Fに正しく印刷されたと判断する。
各検査端末32は、判断結果を頁単位にまとめ、検査結果として検査サーバ31に送信する。このとき、否定判断(適正に印刷されなかったと判断)された文字については、当該文字に関する属性情報(印刷処理情報、照合ジョブデータのうち当該文字の文字情報)と共に、当該文字について検査領域EFから切り出した画像の画像データを検査サーバ31に送信する。
検査結果を受信した検査サーバ31は、否定判断された文字が存在するか否かを判断し、肯定判断のときは、適正に印刷されなかったと判断された文字について、順次、属性情報のうちの文字情報をインデクスとして辞書を参照することで抽出した当該文字の画像と、検査領域EFから切り出され検査端末32から送信された当該文字の画像との両者を同時にディスプレイ31Aに表示し、オペレータの目視によるOK又はNGいずれかの判断を仰ぐため、操作ボタン31Bのうち所定のボタンが押下されるまで待機する。操作ボタンが押下されると、検査サーバ31は入力された情報を取り込み、OKを表す情報であるときは、文字情報をインデクスとして、切り出された文字(オペレータにより目視によりOKと判断された文字)の特徴量を追加特徴量として辞書に追加登録すると共に、その画像データとの対応関係を定めた情報を辞書に付加し、更に、検査結果及びオペレータの目視による判断結果(OK)を当該頁の検査ログとして作成し、NGを表す情報であるときは、検査結果及びオペレータの目視による判断結果(NG)を当該頁の検査ログとして作成する。
一方、検査サーバ31は、検査端末32から受信した検査結果に否定判断された文字が存在しないと判断したときには、全ての頁について検査結果を受信するまで待機して、上記と同様の処理を行って全頁の検査ログを保存すると共に、各検査端末32に追加特徴量が登録された文字の文字情報と追加特徴量とを送信し、辞書の情報を更新させ、更に、検査ジョブデータを削除することで、印刷検査を終了する。これにより、処理ユニット30は、次回、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷された文字を検査するときには、辞書に対応付けられている特徴量が複数か否かを判断し、複数の場合には、切り出された文字の特徴量が、辞書に対応づけられている特徴量のいずれかの特徴量に対して判定基準値以上かを判断し、否定判断のときには、いずれか他の特徴量に対して判定基準値以上かを判断することになる。なお、NGと判断された頁は、検査ログを参照して、システムプリンタ70により再度印刷されるか、手書き等により修正されることになる。
(作用等)
次に、本実施形態の印刷検査装置1の作用等について説明する。
本実施形態の印刷検査装置1では、キャプチャーボード10Bの制御回路20は、検査端末のインターフェースボード33で転送されたレスポンス及びレポートにより、各検査端末32の作動状態を把握して画像データ等の送信先の検査端末32を決定し、決定した検査端末32のインターフェースボードに1頁分の画像データを送信し、各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、指定されたユニークナンバーが自己のナンバーと一致するか否かを判断し、一致するときには、1頁分の画像データ等を取り込み、一致しないときは、下流側の検査端末のインターフェースボードに受信した1頁分の画像データ等を転送する。従って、デージーチェーン構成で印刷検査処理を行う場合に、処理待ち状態の検査端末32に順次、1頁分の画像データを送信することができ、検査端末32の稼働率を高めることができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、キャプチャーボード10Bは、1頁分の画像データと該画像データに対応する印刷処理情報とを各検査端末32に送信するので、各検査端末32は、正解情報のうち印刷処理情報を参照して1頁分の画像データに対応する頁の正解情報を抽出して確実に照合検査を行うことができるため、画像データの頁と実際の連続帳票の頁が対応しなくなり、正解情報を誤って抽出することを防止することができる。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、システムプリンタ70により文字情報に対応して所定形式で辞書作成用連続帳票に印刷された文字が、本体ユニット10で読み取られ、処理ユニット30で全ての文字の特徴量が演算され、演算された全ての文字の特徴量と、予め入力されシステムプリンタ70で連続帳票Fに印刷され得る全ての文字の文字情報との対応関係を定めた辞書が作成される。このため、処理ユニット30は、検査対象となる文字が外字であっても、システムプリンタ70で連続帳票Fに文字が正しく印刷されたかを判断することができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、辞書作成処理において、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る全ての文字とその特徴量との対応関係を定めた辞書が予め作成され、印刷検査処理において、連続帳票Fに印字された文字の画像を切り出して文字の特徴量が演算され、照合ジョブデータ(正解情報)をインデクスとして特徴量同士を照合する。処理ユニット30(検査端末32)は特徴量同士を照合するので、認識関数等を用いた複雑な文字認識処理は行われない。このため、文字認識のための複雑な処理が不要となり、文字認識での誤りをなくすことができると共に、特徴量同士を照合するので、文字情報毎に照合時のロジックを作成する必要がない。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、同一プリンタで印刷された文字の特徴量同士を照合するので、プリンタ間で微妙に異なるフォントの形状に影響されず、プリンタの個体差による影響を排除することができる。また、本実施形態の印刷検査装置1では、処理ユニット30により特徴量同士が判定基準値以上かが判定されるので、判定基準値を適性に設定することで、柔軟かつ精度よく印刷検査を行うことができる。
また更に、本実施形態の印刷検査装置1では、連続帳票Fに印刷された複数のマークに個性を持たせているので、処理ユニット30の画像処理部がマークの一部を認識した場合に他のマークとの誤認を防止することができる。また、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷される複数のマーク及びバーコードBCは、特定の印刷位置及び方向に印刷されるので、バーコードBCと複数のマークとが干渉することなく、本体ユニット10の画像処理部は正確に連続帳票Fから各頁の画像を切り出すことができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、本体ユニット10の画像処理部がスキュー補正を行うので、各検査端末32が検査領域EFを切り出す際の位置精度が向上し、検査対象となる文字の画像の欠損を生じることなく1文字ずつ正確に切り出すことができるため、印刷検査装置1の検査精度を高めることができる。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、検査端末32を複数のコンピュータで構成し、検査サーバ31が頁毎に読み取られた画像を処理待ち状態の検査端末32に送信して特徴量演算等の処理を並行して行うと共に、検査端末32は帳票登録処理で設定された検査領域EF内の文字についてのみ連続帳票Fに正しく印刷されたかの判断を行うので、印刷検査を迅速に行うことができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1は、オフラインで印刷検査を行うと共に、複数のプリンタ毎に、辞書作成処理、帳票登録処理及び印刷検査処理を行うことができるため(特定のプリンタに制約されないため)、高い汎用性を確保することができる。
なお、本実施形態では、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る全ての文字とその特徴量との対応関係を定めた辞書が予め作成され、連続帳票Fに印字された文字の画像を切り出して文字の特徴量が演算され、照合ジョブデータをインデクスとして特徴量同士を照合する例を示したが、本発明はこれに制限されず、背景技術欄で説明した印刷に使用した画像データと印刷したものから読み取った画像データを照合する画像照合や、印刷したものを読み取ってOCR処理を行い、文字認識をした上で文字データに変換した結果を照合する文字照合のいずれの技術にも適用可能である。
また、本実施形態では、インターフェースボード33が2頁分のページメモリを有する例を示したが、本発明はこれに制約されず、1頁分のページメモリや3頁分以上のページメモリを有するようにしてもよい。例えば、1頁分のページメモリを有する場合には、上述した所定条件としては、上記(1)の条件を満たすようにすればよい。更に、本実施形態では、処理待ち状態のインターフェースボードを上流側から決定する例を示したが、本発明はこれに限らず、処理待ち状態のいずれのインターフェースボードに画像データ等を送信するようにしてもよい。
更に、本実施形態では、辞書作成用連続帳票や連続帳票Fに複数のマークをシステムプリンタ70で印刷する例を示したが、これらのマークが辞書作成用連続帳票や連続帳票Fに印刷済のものを用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、オフラインでシステムプリンタ70により印刷された連続帳票Fの文字を検査する例を説明したが、背景技術欄で説明したように、連続帳票Fへの印刷から封筒の密封まで一連の処理を連続して行う場合等には、オンライン構成を採るようにしてもよい。この場合には、システムプリンタ70から排出された連続帳票Fを、ループ台によりバッファを持たせて本体ユニット10にセットしてもよく、印刷サーバ60と処理ユニット30とを通信回線で接続してもよい。
また、本実施形態では、連続帳票の画像を高速ラインセンサで読み取る例を示したが、読み取り速度を高めるために、エリアセンサを用いるようにしてもよい。更に、本実施形態では、連続帳票Fの両面を読み取る例を示したが、片面のみを読み取るようにしてもよいことは論を待たない。
更に、本実施形態では、図6に示したように、プリンタを識別するためのコードや帳票を識別するためのコードを検査ジョブデータに持たせる例を示したが、検査ジョブデータからこれらの情報を除き、オペレータが操作ボタン31Bから入力するようにしてもよい。
また、本実施形態では、スキュー処理を本体ユニット10で行う例を示したが、頁毎に検査端末32で行うようにしてもよい。更に、本実施形態では、説明を簡単にするために、辞書作成処理ではスキュー補正をしない例を説明したが、印刷検査処理と同様に、スキュー補正を行うようにしてもよい。
そして、本実施形態では、辞書作成処理において所定形式での文字情報で辞書作成用連続帳票に印刷され文字を特定する例を示したが、印刷検査処理と同様に正解情報を用いるようにしてもよい。また、本実施形態では、連続帳票に印刷された文字を検査する例を示したが、本発明はこれに制約されず、例えば、単票に印刷された文字を連続的ないし間欠的に検査する印刷検査装置に適用可能なことは論を待たない。