以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明に係る現像装置が採用された画像形成装置の全体の構成を示す説明図、である。
本実施形態は、図1に示すように、現像ローラ231により供給される現像剤(トナー)によって画像データに基づき感光体ドラム21(21a,21b,21c,21d)に形成された現像剤像を転写行程を経て記録用紙に転写する画像形成装置1に用いられる現像装置23(23a,23b,23c,23d)であって、トナーが収容されるトナーボトル(トナー収容部)200(200a,200b,200c,200d)を有し現像装置23にトナーを供給するトナー補給装置100(100a,100b,100c,100d)を備え、該現像装置23にトナーを自動供給して画像出力を行うようにしたものである。
本実施形態に係る現像装置23が装着される画像形成装置1は、図1に示すように、色分解された画像情報に応じて各色相に合致した現像剤(以下、トナーと称する。)により形成される現像剤像(以下、トナー像と称する。)が形成される感光体ドラム21(21a,21b,21c,21d)と、この感光体ドラム21の表面に前記現像剤を供給する現像装置23(23a,23b,23c,23d)とを備えた複数のプロセス印刷ユニット(画像形成手段)20(20a,20b,20c,20d)を備え、さらに、画像情報に基づいて色毎に各々の感光体ドラム21上にレーザ光(ビーム)を照射して静電潜像を生成する露光ユニット(光走査装置)10と、供給された記録用紙を搬送する無端の転写ベルト31を備えた転写ベルトユニット30と、加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとにより記録用紙に転写されたトナー像を熱定着させる定着ユニット27とを備えている。
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、画像情報を色分解して色相毎に画像を形成してカラー画像を出力するようにした、いわゆるデジタルカラープリンタであって、大略的に画像形成部108と給紙部109とにより構成され、外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置(図示省略)からの印刷ジョブに基づいて多色画像又は単色画像を記録用紙上に形成するものである。
画像形成部108は、電子写真方式で、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色を用いて多色画像を形成するものであって、主に、露光ユニット10、プロセス印刷ユニット20、定着ユニット27、転写ベルト31を備える転写手段としての転写ベルトユニット30、転写ローラ36、転写ベルトクリーニングユニット37とにより構成されている。
画像形成部108の概略構成は、画像形成装置1の筐体1aの一端側の上部に定着ユニット27を配置し、該定着ユニット27の下方に筐体1aの一端側から他端側に渡り転写ベルトユニット30を配置するとともに、該転写ベルトユニット30の下方にプロセス印刷ユニット20を配置し、さらに該プロセス印刷ユニット20の下方に露光ユニット10を配置している。
また、転写ベルトユニット30の他端側には転写ベルトクリーニングユニット37が設けられている。さらに、画像形成部108の上部には定着ユニット27に隣接して排紙トレイ43が設けられている。そして、この画像形成部108の下側に給紙部109が構成されている。
本実施形態では、プロセス印刷ユニット20として、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対応した4個のプロセス印刷ユニット20a,20b,20c,20dが転写ベルト31に沿って順次設けられている。
これらプロセス印刷ユニット20(20a,20b,20c,20d)は、筐体1a内で略水平方向(図中の左右方向)に平行して並設され、色毎に像担持体たる感光体ドラム21(21a,21b,21c,21d)、該感光体ドラム21を帯電させる帯電器(帯電手段)22(22a,22b,22c,22d)、現像装置(現像手段)23(23a,23b,23c,23d)、クリーナユニット24(24a,24b,24c,24d)等をそれぞれ備えている。
ここで、色毎に対応する構成要素に付したa,b,c,dの記号は、それぞれブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対応するように記載したものであるが、以下の説明において、特定の色に対応する構成要素を指定して説明する場合を除き、各色に対して設けられている構成要素をまとめて、感光体ドラム21、帯電器22、現像装置23、クリーナユニット24と記載するものとする。
感光体ドラム21は、外周面の一部が転写ベルト31の表面に接触するように配置されるとともに、ドラムの外周面に沿って電界発生部としての帯電器22、現像装置23、及びクリーナユニット24が近接配置されている。
帯電器22は、コロナワイヤーチャージャー型帯電器が用いられ、感光体ドラム21を挟んで転写ベルトユニット30が配置する位置と略反対側で感光体ドラム21の外周面に沿って近接配置されている。尚、本実施形態では帯電器22としてコロナワイヤーチャージャー型帯電器を用いているが、コロナワイヤーチャージャー型帯電器の代わりにファーブラシ型帯電器、磁気ブラシ型帯電器、ローラ型帯電器、ノコ歯型帯電器、イオン発生帯電装置等、感光体ドラムに所望の帯電性を付与できるものであれば特に限定せず使用可能である。
現像装置23は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)、ブラック(BK)の各色のトナーが各色ずつ現像装置23a,23b,23c,23d毎に収納されており、感光体ドラム回転方向(図中の矢印A方向)で帯電器22より下流側に配置されている。
現像装置23a,23b,23c,23dには、高速、且つ大量印刷に対応可能にするために、それぞれの現像装置23a,23b,23c,23dに現像剤を補給するための5個のトナー補給部500a,500b,500c,500dを備えたトナー補給装置100a,100b,100c,100dが設けられ、それぞれ現像ローラ231a,231b,231c,231dが感光体ドラム21a,21b,21c,21dに対向して配置されて、それぞれ感光体ドラム21a,21b,21c,21dの外周面に形成された静電潜像に各色のトナーを供給して顕像化するように構成されている。
補給用の現像剤として、トナー補給部500aにはブラック(BK)の現像剤、トナー補給部500bにはシアン(C)の現像剤、トナー補給部500cにはマゼンタ(M)の現像剤、トナー補給部500dにはイエロー(Y)の現像剤が収納されている。
尚、ブラック(BK)の現像剤用のトナー補給部500aは、通常多く用いられるモノ黒印字を考慮して大量印刷が可能なように並列して2個設けられている。
そして、各トナー補給部500は、それぞれ対応する現像剤を用いて現像する現像装置23のほぼ真上に配置されており、対応する現像装置23それぞれに対して、現像剤の補給用通路体612(612a,612b,612c,612d)を介して接続されている。
なお、ブラック(BK)の現像剤を補給するための補給用通路体612aは、2つのトナー補給装置100a,100aからの現像剤を一つにまとめて現像装置23aに補給するような構造となっている。
クリーナユニット24は、感光体ドラム回転方向で帯電器22より上流側に配置されている。また、クリーナユニット24は、クリーニングブレード241を備え、該クリーニングブレード241を感光体ドラム21の外周面に沿って当接配置し、該感光体ドラム21上の残留トナーを掻き取り回収するように構成されている。図中の符号242は回収したトナーを搬送する搬送スクリューである。
本実施例ではクリーニングブレード241を用いたが、特にこれらの構成に限定されるものではなく、クリーニングブレードは1つ以上用いても良いし、ファーブラシや磁気ブラシを単独で用いても良い。またクリーニングブレードとファーブラシ、磁気ブラシを併用しても良い。該感光体ドラム21上の残留トナーを掻き取り回収するように構成されるものであれば使用できる。
露光ユニット10は、主に、箱状に形成された筐体10aと、その内部に配置されるレーザ照射部11aを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)11、ポリゴンミラー12、及び色毎にレーザ光を反射する反射ミラー13a,13b,13c,13d,14a,14b,14c等により構成されている。
レーザスキャニングユニット11のレーザ照射部から発せられたレーザ光は、図示しないポリゴンミラー及びfθレンズにより色分解された後、反射ミラー13a〜13cで反射して、色毎にそれぞれの感光体ドラム21a,21b,21c,21d上に照射されるようになっている。
尚、レーザスキャニングユニット11は、レーザ照射部の代わりにEL(Electro Luminescence)、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子をアレイ状に並べた書込ヘッドを用いる構成であっても良いし、光源と液晶シャッターを用いた構成であっても良く、該感光体ドラム21上に静電潜像を形成できる手段であれば使用できる。
転写ベルトユニット30は、図1に示すように、主に、転写ベルト31、転写ベルト駆動ローラ32、転写ベルト従動ローラ33、中間転写ローラ35a,35b,35c,35dとにより構成されている。
尚、以下の説明においては、中間転写ローラ35a,35b,35c,35dを総じて用いる場合には中間転写ローラ35と記載するものとする。
転写ベルト31は、厚さ75μm〜120μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。転写ベルト31の材質は、主にポリイミド、ポリカーボネイト、サーモプラスチックエラストマーアロイ等が用いられている。
また、転写ベルト31は、その表面が感光体ドラム21の外周面と接触するように、転写ベルト駆動ローラ32、転写ベルト従動ローラ33、中間転写ローラ35により張架され、該転写ベルト駆動ローラ32の駆動力により副走査方向(図中の矢印B方向)へ移動するように構成されている。
転写ベルト駆動ローラ32は、筐体1aの一端側に配置され、転写ベルト31に駆動を掛けて該転写ベルト31を搬送するとともに、転写ベルト31と記録用紙とを重ね合わせた状態で転写ローラ36とで挟み込んで圧接しながら記録用紙を搬送するように設けられている。
転写ベルト従動ローラ33は、筐体1aの他端側に配置され、転写ベルト駆動ローラ32とともに転写ベルト31を定着ユニット27側から筐体1aの他端側に渡り略水平に架設しているが、図1中の画像形成装置1の横幅方向の寸法を小さくする場合、いわゆる幅方向の設置面積を省スペース化する場合には、転写ベルト駆動ローラ32とともに転写ベルト31を定着ユニット27側から筐体1aの他端側に渡り、いずれか一方に傾斜を持たせることも可能であり、それに伴う感光体、現像、レーザ照射部、定着等、種々適切な配置、大きさ等に、適宜設定しても構わない。
中間転写ローラ35は、転写ベルト駆動ローラ32から転写ベルト従動ローラ33に渡り巻回された転写ベルト31の内側空間に配置されているが、軸心を感光体ドラム21に対して図中左右方向に転写ベルト31の移動方向下流側にずらした位置に配置され、転写ベルト31の内側面を押圧して、前記転写ベルト31の外側面が感光体ドラム21の外周面の一部を巻回して所定のニップ量を得るように設けてもよい。
また、中間転写ローラ35は、直径8〜10mmの金属類(例えば、ステンレス)軸を備え、その金属軸の外周面にEPDM、発泡ウレタン等の導電性を有する弾性材が被覆されているが、これら弾性材に限定しなくとも良い。
このように構成された中間転写ローラ35は、感光体ドラム21に形成されたトナー像を転写ベルト31に転写するために高電圧の転写バイアス、すなわち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加され、弾性材により転写ベルト31に対して均一的に高電圧を印加するようにされている。
上述の各感光体ドラム21上で各色相に応じた顕像化されトナー像(静電像)が転写ベルト31で積層され、装置に入力された画像情報となる。このように積層された画像情報は、転写ベルト31の接触位置に配置される転写ローラ36によって記録用紙に転写されるようになっている。
転写手段を構成する転写ローラ36は、転写ベルト31に転写された現像剤像を記録用紙に転写する転写手段を構成するものであって、転写ベルト駆動ローラ32に対して略水平で平行に対向し、該転写ベルト駆動ローラ32に巻回される転写ベルト31に対して所定のニップで圧接するように配設され、該転写ベルト31上に形成された多色トナー像を記録用紙上に転写させるための電圧、すなわち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加されるように構成されている。
また、転写ベルト31と転写ローラ36との間のニップを定常的に得るために、転写ベルト駆動ローラ32又は転写ローラ36の何れか一方のローラを金属等の硬質材料により構成し、他方のローラを弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料により構成するようにしている。
転写ベルト駆動ローラ32と転写ローラ36の下方にはレジストローラ26が設けられている。レジストローラ26は、給紙部109から供給された記録用紙の先端と転写ベルト31上のトナー像の先端とを整合して転写ローラ36側へ搬送するように構成されている。
また上記のように、感光体ドラム21との接触により転写ベルト31に付着したトナー、または転写ローラ36によって記録用紙上に転写画行われずに転写ベルト31残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、転写ベルトクリーニングユニット37によって除去・回収されるように設定されている。
転写ベルトクリーニングユニット37は、転写ベルト従動ローラ33の近傍に設けられ、転写ベルト31に当接(または摺接)するように配置したクリーニングブレード37aと、該クリーニングブレード37aにより転写ベルト31上の残留トナーを掻き取ったトナー(廃トナー)を一旦収納するボックス状のトナー回収部37bとを備え、転写ベルト31上の残留トナーを掻き取り回収するようにされている。
また、転写ベルトクリーニングユニット37は、プロセス印刷ユニット20aより転写ベルト31の移動方向上流側で該プロセス印刷ユニット20aに近接して配置されている。また、転写ベルト31のクリーニングブレード37aが外側面に接触する部分は、その内側面が転写ベルト従動ローラ33で支持されている。
定着ユニット27は、図1に示すように、加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとにより構成された一対の定着ローラ271と、その定着ローラ271の上方に搬送ローラ27cを備え、記録用紙を定着ローラ271の下方より搬入して、搬送ローラ27cの上方に搬出するようにされている。
さらに、定着ユニット27の上方には排紙ローラ28が設けられ、搬送ローラ27cから搬送された記録用紙を該排紙ローラ28により排紙トレイ43上に記録用紙を排紙するようにされている。
定着ユニット27によるトナー像の定着は、加熱ローラ27aの内部若しくは近接して設けられたヒータランプ等の加熱手段(図示省略)を温度検出器(図示省略)の検出値に基づいて制御することにより、加熱ローラ27aを所定の温度(定着温度)に保つとともに、トナー像が転写された記録用紙を加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとにより挟んで回転搬送しながら加熱・加圧することで記録用紙上にトナー像を熱定着するようにされている。
また、定着ユニット27に隣接して、両面印刷用の両面原稿搬送路S3が定着ユニット27の後方から下方に向かい給紙部109付近まで構成され、その両面原稿搬送路S3上に上下方向で並設された搬送ローラ29a,29bにより記録用紙を反転させた状態で、再び転写ローラ36に向かい搬送するようになっている。
具体的には、搬送ローラ29aは定着ユニット27の後方に配置され、搬送ローラ29bは、上下方向で搬送ローラ29aの下方に位置するとともに、横方向でレジストローラ26と略同じ位置に配置されている。
本実施例ではヒータランプ等の加熱手段の加熱ローラ27aと加圧ローラ27bを用いたが、誘導加熱方式を用いても良いし、併用しても構わない。また加圧にローラ状のものを用いなくとも良く、記録用紙上にトナー像を乱すことなく一様に熱定着できる適切な方法であれば特に手段は選ばない。
給紙部109は、画像形成に使用する記録用紙を収容するための手差トレイ41、給紙カセット42を備え、手差トレイ41、給紙カセット42から記録用紙を一枚ずつ画像形成部108に供給するようにされている。
手差トレイ41は、図1に示すように、画像形成装置1の筐体1aの一側端(図中で右側)に、使用時には外方に拡開され、未使用時には一側端に収納可能に設けられ、利用者が所望する種類の記録用紙を少数枚(必要とする枚数)だけ載置して画像形成装置1の筐体1a内部に1枚ずつ取込むものである。
手差トレイ41による記録用紙の給紙方向(図中の矢印C方向)下流側の画像形成装置1の筐体1a内には、露光ユニット10の側方にピックアップローラ41aが設けられ、さらに給紙方向下流側に搬送ローラ41bが略水平に設けられている。
ピックアップローラ41aは、手差トレイ41から給紙された記録用紙の一端部の表面と接触して、ローラの摩擦抵抗により一枚ずつ確実に搬送するようになっている。
前述したピックアップローラ41a及び搬送ローラ41b,41c,41dによって記録用紙搬送路S1が構成されている。
一方、給紙カセット42は、筐体1a内の画像形成部108及び露光ユニット10の下側に設けられ、装置の仕様により規定されたサイズ、又は利用者が予め定めたサイズの記録用紙を大量に収容可能となっている。
給紙カセット42の一端部(図中の左側端部)の上にはピックアップローラ42aが設けられ、該ピックアップローラ42aの記録用紙搬送方向下流側には搬送ローラ42bが設けられている。
ピックアップローラ42aは、出力要求に応じて給紙カセット42にセットされた記録用紙の最上部にある記録用紙の一端部の表面と接触して、ローラの摩擦抵抗により一枚ずつ確実に繰り出して搬送するようになっている。
搬送ローラ42bは、ピックアップローラ42aから繰り出された記録用紙を、筐体1a内の一端側に形成された記録用紙搬送路S2に沿って上方に向かい画像形成部108に搬送するようになっている。
次に、本実施形態の画像形成装置1による画像出力について説明する。
画像形成装置1は、給紙部109から供給される記録用紙上に感光体ドラム21上のトナー像をいわゆる中間転写方式(オフセット方式)によって転写ベルト31を介して記録用紙に転写するようにされている。
まず、帯電器22により感光体ドラム21の外周面を所定の電位に均一的に帯電する。帯電された感光体ドラム21に露光ユニット10からレーザ光を照射することで、色毎の感光体ドラム21上に色毎の静電潜像が生成される。
次に、現像装置23(23a,23b,23c,23d)より感光体ドラム21(21a,21b,21c,21d)のそれぞれの外周面にトナーが供給されて、感光体ドラム21の外周面に形成された静電潜像がトナーによりトナー像として顕像化される。
そして、感光体ドラム21に生成したトナー像が転写ベルト31に転写される。
感光体ドラム21から転写ベルト31へのトナー像の転写は、転写ベルト31の裏側に接触配置された中間転写ローラ35に高電圧を印加することにより行われる。
中間転写ローラ35にトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧を印加することで、転写ベルト31は、この中間転写ローラ35により均一的に高電圧が印加されて逆極性(+)となる。これにより、感光体ドラム21上の帯電極性(−)のトナー像は、感光体ドラム21が転写ベルト31と回転接触する際に転写ベルト31上に転写される。
各々の感光体ドラム21に形成された各色のトナー像は、転写ベルト31が移動しながら各々の感光体ドラム21と回転接触するに従いイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の順に重ねて転写され、転写ベルト31上にはカラーのトナー像が形成される。
このようにして、色毎に感光体ドラム21上でトナーにより顕像化された静電潜像は転写ベルト31上で積層され、印刷用画像が多色トナー像として転写ベルト31上に再現される。
そして、転写ベルト31上に転写された多色トナー像は、転写ベルト31が移動して記録用紙と該転写ベルト31とが重なり合う位置で、転写ローラ36によって転写ベルト31から記録用紙上に転写される。
感光体ドラム21と接触することで転写ベルト31に付着したトナー、又は転写ローラ36によって記録用紙上に転写が行われずに転写ベルト31上に残留したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、転写ベルトクリーニングユニット37によって除去および回収される。
次に、給紙部109による記録用紙の供給動作について説明する。
手差トレイ41に載置された記録用紙を用いる場合は、操作パネル(図示省略)の指示により制御されたタイミングで、図1に示すように、ピックアップローラ41aにより手差トレイ41内から記録用紙が1枚ずつ装置内部に取り込まれる。
装置内部に取り込まれた記録用紙は、搬送ローラ41bにより記録用紙搬送路S1に沿って画像形成部108へ搬送される。
一方、給紙カセット42に収容された記録用紙を用いる場合は、出力要求に応じてピックアップローラ42aにより給紙カセット42内から記録用紙が1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ42bにより記録用紙搬送路S2に沿って上方の画像形成部108へ搬送される。
手差トレイ41、給紙カセット42から搬送された記録用紙は、レジストローラ26により記録用紙の先端と転写ベルト31上のトナー像の先端とを整合するタイミングで転写ローラ36側へ搬送されて、転写ベルト31上のトナー像が記録用紙上に転写される。
トナー像が転写された記録用紙は、略垂直に搬送されて定着ユニット27に到達し、定着ユニット27において、加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとによりトナー像が記録用紙に熱定着される。
定着ユニット27を通過した記録用紙は、片面印刷要求の場合、排紙ローラ28により排紙トレイ43上にフェイスダウンで排出される。
一方、両面印刷要求の場合は、排紙ローラ28により記録用紙をチャックした後、該排紙ローラ28を逆回転させて記録用紙を両面原稿搬送路S3へ導き、搬送ローラ29a,29bにより再度レジストローラ26へ搬送する。
この時、記録用紙は、転写される面が反転するとともに搬送される前後方向が変わる。つまり、最初の転写時にスタート側となる端部が裏面転写時にはエンド側となり、最初の転写時にエンド側となる端部が裏面転写時にはスタート側となる。
そして、記録用紙の裏面にトナー像を転写及び熱定着させた後、排紙ローラ28により排紙トレイ43上に排出される。
このようにして、記録用紙への転写動作が行われる。
次に、本実施形態に係る現像装置23とトナー補給装置100の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図2は本実施形態の画像形成装置を構成する現像装置とトナー補給装置の構成を示す概略側面断面図、図3は前記現像装置とトナー補給装置の構成を示す正面から見た概略図、図4は本実施形態に係る画像形成装置に搭載される現像装置の構成を示す斜視図、図5は本実施形態に係るトナー補給装置を構成するトナー補給部装着機構にトナー補給部を装着した場合の装着例を示す斜視図、図6は前記トナー補給部装着機構の構成を示す斜視図である。
まず、現像装置23について説明する。
現像装置23は、図2,3に示すように、外装部を形成する筐体234の上部には現像剤を導入するためのトナー導入口234aが開口形成され、筐体234内部には現像ローラ231、第1トナー搬送ローラ232、第2トナー搬送ローラ233が配置され、該現像ローラ231を感光体ドラム21と対向させて当接または近接させた状態で画像形成装置本体に装着される。現像装置23のトナー導入口234aは、トナー補給部装着機構600のトナー供給口611と同一側で転写ベルト幅Wよりも外側に形成されている。
第1トナー搬送ローラ232及び第2トナー搬送ローラ233は、筐体234の底部側で互いに現像ローラ231の軸心方向に沿って平行に配置され、筐体234内に供給されたトナーを現像剤とともに撹拌しながら現像ローラ231に搬送するようになっている。現像ローラ231は、第1トナー搬送ローラ232の上側で開口部235から露出した状態で配置されている。
筐体234は、画像形成装置本体に装着した状態で、転写する方向(転写ベルト搬送方向)に対して直角の方向(転写ベルト幅方向)に長い箱状を呈し、現像装置23を画像形成装置本体に装着した状態で内在する現像ローラ231と感光体ドラム21とが対向するように開口部235が開口形成されている。
開口部235は、少なくとも現像ローラ231が感光体ドラム21と対向して当接可能に現像ローラ231の軸心方向に沿って筐体234の幅方向に長く開口形成されている。開口部235の図中下側端縁には、現像ローラ231に軸心方向に沿ってブレード236が設けられている。ブレード236は、該ブレード236の端縁と現像ローラ231の表面との間に所定の隙間を形成するように設けられ、この隙間より現像ローラ231の表面に所定量のトナーを供給するようになっている。
このように構成された現像装置23の上側にトナー補給装置100が配設されている。
次に、トナー補給装置100の構成について図面を参照して説明する。
図7(a)は本実施形態に係るトナー補給装置を構成するトナー補給部の構成を示す側面図、(b)は前記トナー補給部のトナー補給側端面側から見た正面図、図8は前記トナー補給部を構成するトナーボトルの先端部の側面図、図9は前記トナーボトルの先端部にトナー搬送用のスクレイパーを装着した場合の構成を示す側面図、図10は前記スクレイパーの一例を示す説明図、図11は図10に示すスクレイパーをトナーボトルに取り付けた場合の概略を示す説明図、図12は前記トナーボトルの構成を示す正面図、図13は前記トナー補給装置を構成するボトル支持部材の背面側から見た斜視図、図14の(a)は前記ボトル支持部材を構成する第1筐体の構成を示す斜視図、(b)は前記ボトル支持部材を構成する第2筐体の構成を示す斜視図、図15は前記ボトル支持体のトナー排出室とトナーボトルのスクレイパーの配設位置との関係を示す説明図、図16前記トナーボトルの先端部の構成を示す概略断面図である。
本実施形態では、画像形成装置1に搭載されるトナー補給装置100(100a,100b,100c,100d)を構成するトナー補給部500a,500b,500c,500dは何れも同じ構造とする。
トナー補給装置100は、図2、図7(a)に示すように、主に、現像剤であるトナーを収容しているトナーボトル(トナー収容部)200と、該トナーボトル200を一端部側で回動可能に支持するボトル支持部材300とを有するトナー補給部500と、このトナー補給部500が装着されて現像装置23にトナーを供給するトナー補給部装着機構(トナー供給装置)600とにより構成されている。
ボトル支持部材300の底面(画像形成装置1にトナー補給装置100を装着したときの下面)には、図7(b)に示すように、トナーボトル200から補給されるトナーをボトル支持部材300外部に排出するためのトナー排出口(後述する)を開閉するためのシャッター機構400が設けられている。
つまり、シャッター機構400によりボトル支持部材300のトナー排出口が開放状態になると、該トナー排出口と、トナー補給部装着機構600を構成する補給用通路体612とが連通状態となり、現像装置23に接続された補給用通路体612を通ってトナーボトル200から供給されたトナーが現像装置23に補給される。
まず、トナーボトル200について説明する。
トナーボトル200は、図7(a)に示すように、略円筒状に形成された本体部201からなる。本体部201のボトル支持部材300に支持される側の端部を先端部201aとしたとき、この先端部201aには、トナーを排出するための開口部(後述)が形成されている。なお、本体部201の先端部201aとは反対側の端部である後端部201bは、閉塞されている。
本体部201の表面には、回転軸Xに向かって窪んだ複数の溝部201cが形成されている。なお、本体部201の内部では、溝部201cに相当する部分が回転軸X側に突出した形状の突出部となっている。
突出部間に形成される溝は、本体部201内に収容されたトナーを後端部201bから先端部201aに向かって案内するための案内溝として機能するようになっている。
ここでは、溝部201cは、図7(a)に示すように、本体部201が回転軸Xを中心に時計回りのY方向に回転したときに、重力方向である下側が先端部201a方向に、重力方向とは反対側の方向である上側が後端部201b方向に傾くように傾斜して形成されている。これにより、トナーボトル200がY方向に回転することで、該トナーボトル200に収容しているトナーは、本体部201の後端部201bから先端部201aに向かって搬送されるようになる。
なお、溝部201cは、本体部201に収容したトナーを後端部201bから先端部201aに向かって搬送することが可能であれば、どのような形状であってもよい。
先端部201aは、図8に示すように、本体部201の中央部分よりも直径が小さい円筒形状に形成されている。この先端部201aの先端面201dには、外部に突出したリブ202,202が形成されている。
リブ202,202は、トナー補給装置100が画像形成装置1に装着されたときに、図示しない駆動装置の駆動部と嵌合するようになっている。これにより、トナー補給装置100のトナーボトル200は、駆動部からの駆動力がリブ202,202を介して伝達され回転する。
また、先端部201aの周面201eには、図9に示すように、ゴム等の弾性を有する樹脂からなる板状のスクレイパー203,203が設けられている。
スクレイパー203,203は、伸縮性を有する材料(ゴム等の弾性を有する樹脂一般等)からなるリング状の固定部材204の表面に設けられている。
この固定部材204は、内径が先端部201aの外径よりも若干小さめに形成されており、図10に示すように、その内周面に突起部204aが形成されている。
この突起部204aは、図11に示すように、この先端部201aに予め形成された切欠き部201fに嵌合するようになっている。
本実施形態では、このような固定部材204を用いることで、リング部分を少し拡げて先端部201aの周面201eに装着するだけで、簡単にスクレイパー203を本体部201に設けることができる。しかも、固定部材204の先端部201aへの装着時に、固定部材204の突起部204aを先端部201aの周面201eに設けられた切欠き部201fに嵌合することで、固定部材204の先端部201aへの固定を確実に行わせることができる。つまり、固定部材204は、先端部201aの周面201eを空回りすることなく、先端部201aと一体的に駆動することが可能となる。
なお、スクレイパー203は、先端部201aの周面201eに直接設けてもよい。
2つのスクレイパー203,203は、図12に示すように、先端部201aに固定部材204が装着された時に、該先端部201aの中心Oを介して略一直線状になるように形成されている。
本体部201における先端部201aと段差を形成する端面201gには、図12に示すように、本体部201に収容されたトナーを排出するためのボトル側トナー排出口201hが形成されている。
尚、本実施形態では、このボトル側トナー排出口201hを略長方形状に形成した例を示しているが、これに限定されるものではなく、トナーの排出に支障がなければ、例えば略正方形状、多角形状、円形状等の開口形状を有するものであってもよい。
また、スクレイパー203,203は、図12に示すように、ボトル側トナー排出口201hの中心に対して所定の角度αとなる位置に配置されるように固定部材204の装着時に調整される。
ここで、スクレイパー203の配設位置は、ボトル側トナー排出口201hからのトナー排出を邪魔しない位置であるのが好ましく、このような位置であれば、角度αはどのような角度でもよいが、ボトル側トナー排出口201hからのトナー排出不良を確実に防止するには角度αは90°が好ましい。
ボトル側トナー排出口201hから排出されたトナーは、先端部201aを覆うようにして設けられているボトル支持部材300の内部に収容される。ボトル支持部材300には、収容したトナーを排出するためのトナー排出口(後述する)が形成されている。
次に、ボトル支持部材300について説明する。
ボトル支持部材300は、図7の(a),(b)に示すように、略円筒形状に形成されており、本体部201の先端部201aを覆うようにして接合された第1筐体301と第2筐体302とで構成され、該ボトル支持部材300の端部には、先端部201aの先端面201dに設けられたリブ202が少なくとも露出するように開口部300aが形成されている。
第1筐体301の表面には、画像形成装置1にトナー補給装置100を装着して固定するための固定用の板状の第1固定部材(ガイド部)303と第2固定部材(ガイド部)304とが互いに並行となるように形成されている。
この第1固定部材303と第2固定部材304との間には、図7(b)に示すように、トナー補給装置100から補給されたトナーの外部への排出の制御を行うシャッター機構400が設けられている。
従って、第1固定部材303と第2固定部材304とは、シャッター機構400が機能するように、ボトル支持部材300と画像形成装置1とのクリアランスを確保する高さに調整されている。
また、第1固定部材303および第2固定部材304には、図7(a)、図13に示すように、それぞれ一対のリブ体303a,303bおよび304a,304bにより所定の間隔をとって且つトナーボトル200の軸線方向に沿ったガイド部303c,304cが形成されている。
ボトル支持部材300は、図13に示すように、第1筐体301の底面側、すなわち第1固定部材303と第2固定部材304の間にトナー排出口300bが形成されている。なお、このトナー排出口300bは、シャッター機構400によって開閉されるようになっている。
第1筐体301は、図14(a)に示すように、上述したトナー排出口300bの近傍の内周面301aに、トナーをせき止めるための第1堰部301bが形成されると共に、この第1堰部301bからトナー排出口300bとは反対側に壁部301cが延設されている。この壁部301cは、第1筐体301の内部の一方端面である当接面301dと所定の距離を隔て設けられている。この距離は、上述したスクレイパー203の幅よりも少し広い程度に設定されている。
第2筐体302は、図14(b)に示すように、図14(a)に示した第1筐体301と同様に、内周面302aに、トナーをせき止めるための第2堰部302bが形成されると共に、この第2堰部302bから壁部302cが延設されている。この壁部302cは、第2筐体302の内部の一方端面である当接面302dと所定の距離を隔てて設けられている。この距離は、上述したスクレイパー203の幅よりも少し広い程度に設定されている。
第1筐体301と第2筐体302とを接合することで、図13に示すようなボトル支持部材300になる。
また、第1筐体301と第2筐体302とが接合されたとき、図15に示すように、第1筐体301の第1堰部301bおよび第2筐体302の第2堰部302bと、壁部301cおよび壁部302cとによって囲まれた第1空間300cが形成される。
本実施形態では、第1空間300cをトナーの排出を規制するためのトナー排出規制室と称する。一方、第1空間とは別の第1堰部301bと第2堰部302bとの間の他方の空間(第2空間)300dをトナーボトル200からのトナーを一時的にためてから排出するためのトナー排出室と称する。
トナー排出規制室300cは、実際にトナーを排出するための空間ではなく、第1堰部301bを乗り越えたスクレイパー203が通過できるような空間として機能している。なお、トナー排出規制室300cには、スクレイパー203と一緒に第1堰部301bを乗り越えたトナーが若干存在するが、このトナーはスクレイパー203の回転移動により第2堰部302b側から掻きだされることになる。
一方、トナー排出室300dは、トナーボトル200ボトル側トナー排出口201hから排出されたトナーを一時的に蓄積される空間として機能している。
ここで、第1堰部301bのスクレイパー203との当接面301dは、図15に示すように、スクレイパー203がうまく乗り上げることができるように、スクレイパー203の回転方向(図中の矢印方向)に向かって傾斜している。つまり、当接面301dは、トナーボトル200の回転中心Oからの法線Lからスクレイパー203の回転方向に向かってずれるように傾斜している。
換言すると、スクレイパー203によるトナー搬送方向の上流側に第1堰部301bが設けられ、この第1堰部301bのスクレイパー203の当接面301dが回転中心Oからの法線Lから所定の角度β傾斜した状態でトナー排出室300dを仕切っている。この角度βは、スクレイパー203の素材、長さ等の要因により適切に設定されるものとする。
また、第1堰部301bは、トナー排出口300bからスクレイパー203の回転方向に若干ずれた位置に設けられている。これは、トナー排出室300d内にトナーをため易くするためである。このように、トナー排出室300dにトナーをため易くすることで、トナー排出口300bから排出されるトナー供給量を一定に保つことが可能となる。トナーの安定的な供給を可能とする。
さらに、スクレイパー203の長手方向の長さは、トナーボトル200の回転中心Oからボトル支持部材300の内周面までの距離、すなわち内径よりも若干長めに設定されている。これは、トナー排出室300d内に蓄積されたトナーを無駄なく掻きだすための措置である。しかしながら、スクレイパー203の長手方向の長さが長すぎると、ボトル支持部材300の内周面との摩擦力が大きくなり、回転の負荷が増大するので、該回転の負荷があまり増大しない程度の長さにするのが好ましい。
具体的には、本実施形態では、ボトル支持部材300の内径を82mm、固定部材204の外径を44mmmとしたときに、スクレイパー203の長さを20mmに設定する。これにより、スクレイパー203の長さは、ボトル支持部材300の内周面301aと固定部材204との距離よりも1mm長くなる。この距離の差により、スクレイパー203の回転負荷が増大しないで、且つ、該スクレイパー203によりトナーを無駄なく掻きだすことができるという効果を奏する。
また、第2堰部302bは、第1堰部301bと同様に、スクレイパー203の当接面302d(トナー排出規制室300c側の面)が、回転中心Oからの法線Lから所定の角度β傾斜した状態でトナー排出室300dを仕切っている。この角度βは、スクレイパー203の素材、長さ等の要因により適切に設定されるものとする。
なお、第1堰部301bと第2堰部302bとのトナー排出室300d側の間隔は、トナー排出口300bを塞がない程度の距離であればよいが、トナーの安定的な供給の為にはトナーをある程度トナー排出室300dに蓄積する必要があるので、所望するトナー蓄積量に合わせて適宜設定するようにすればよい。
また、上述したスクレイパー203の形状は板状としたが、これに限定されるものではなく、例えば断面略V字状であってもよい。このようにスクレイパー203が断面略V字状となることで、ボトル支持部材300の内周面とトナーボトル200との間をシールするシール機能を有することになるので、別途シール部材を設ける必要がなくなる。
以上のように構成されたトナー補給部500では、トナーボトル200はボトル支持部材300に回動可能に支持されているので、トナーボトル200とボトル支持部材300との間には若干の隙間が生じる。このため、トナーボトル200とボトル支持部材300との間に適切なシールを施さないと、ボトル支持部材300のトナー排出口300b以外からトナーが漏れだすことになる。
そこで、本実施形態では、図16に示すように、トナーボトル200の本体部201の先端部201aにシールとして機能する2つのVリング501,502が装着されている。
Vリング501は、スクレイパー203の装着位置よりも外側の先端部201aの周面201iに装着されており、Vリング502は、スクレイパー203の装着位置よりも内側の先端部201aの端面201gに装着されている。
Vリング501の装着位置のさらに外側には、トナーボトル200とボトル支持部材300との間のクリアランスを確保すると共に、トナーボトル200の回転を滑らかに行わせるための板状の環状部材からなるスリップリング503が装着されている。
Vリング501のシール片501aをスリップリング503に圧接させ、Vリング502のシール片502aをボトル支持部材300の内周面(後述)に圧接させるようにして、それぞれのVリング501,502を本体部201に装着している。これにより、2つのVリング501,502をシールとして機能させている。
スリップリング503は、本体部201の先端部201aの周面201iに回転可能に嵌合し、且つ、ボトル支持部材300をトナーボトル200に取り付けたときに該ボトル支持部材300の内周面で固定されるようになっている。
これにより、スリップリング503は、ボトル支持部材300側で固定され、該スリップリング503の内周面をトナーボトル200の本体部201が回転するようになる。
ここで、スリップリング503の一例について図面を参照して説明する。
図17は本実施形態に係るトナー補給装置を構成するトナーボトルのスナップリングの構成を示す平面図、図18は前記トナーボトルの先端部にボトル支持部材を取り付けた状態の概略断面図である。
スリップリング503は、図17に示すように、内周側において、本体部201の先端部201aにおける装着面となる周面201iに点で当接する複数の突起部503aと、周面201eに線で当接する該周面201iと同じ曲率の略円弧状の支持部503cとが形成され、外周面の頭頂に突起部503bが形成されている。この突起部503bは、図示しないボトル支持部材300の内周面に形成された切欠きに嵌合するようになっている。
通常、スリップリング503とトナーボトル200の本体部201とは摺動するようになっているので、できるだけ摩擦力を小さくする方に負荷がかからず滑らかにトナーボトル200を回転させることができる。
従って、図17に示すように、スリップリング503の内周面に、周面201iに点で当接する複数の突起部503aが設けられることで、トナーボトル200とスリップリング503との接触部分が少なくなり、この結果、スリップリング503とトナーボトル200の本体部201との間の摩擦力を小さくできる。これにより、摩擦力の増加による回転負荷の低減を図ることができるので、スリップリング503内でトナーボトル200を滑らかに回転させることができる。
なお、スリップリング503の形状としては、図17に示すような形状に限定されず、トナーボトル200をピンポイントで支持するような形状、例えば多角形状に形成したものであってもよい。
つまり、板状のスリップリング503の内周側において、トナーボトル200の周面201iとの間に生じる所定のクリアランスを加算した外径の円弧形状である、下側の所定の角度の領域突き出し部503cと、該領域突き出し部503cの他の部分が、さらに大きな曲率で形成されており、かつ、所定の大きな曲率部の一部に突起形状となる突起部503aとが形成されている。
これにより、自重のかかる下方は円弧形状で受けることにより磨耗を防止するとともに、その他の部分は所定間隔の突起、もしくは多角形形状でピンポイントに近い支持を行うことにより摺動負荷の低減を図ることができる。
しかも、このスリップリング503には、Vリング501のシール片501aが当接されているので、ボトル支持部材300における下方(自重方向)のトナー漏れを確実に防止することができる。
Vリング502は、図18に示すように、トナーボトル200の本体部201の先端部201aがボトル支持部材300で支持されるとき、シール片502aがボトル支持部材300の内周面300eに圧接するように先端部201aに装着されている。これにより、ボトル支持部材300の後端部300f側からのトナーの漏れを防止することができる。
なお、第1筐体301と第2筐体302との接合部分においても十分にシールを施している。
以上のように、ボトル支持部材300におけるトナー漏れを起こす可能性のある部分については、全てシールを施している。
また、トナーボトル200の本体部201の先端部201a周面には、図15に示すように、弾性を有する樹脂等からなる板状のリブ210が斜め方向に並行に設けられており、ボトル支持部材300によるトナーボトル200の支持を行う際に、リブ210がボトル支持部材300の内周面eに圧接するように設けられている。これにより、トナーボトル200とボトル支持部材300との隙間に入り込んだトナーをリブ210の回転により吐き出すことが可能となる。
ボトル支持部材300は、第1筐体301、第2筐体302の2つに分割された筐体を接合することで構成されているが、この第1筐体301と第2筐体302とを取り外し可能に接合することで、トナー補給装置100のメンテナンス時に、第1筐体301と第2筐体302との接合を解除するだけで、消耗品であるシール部材(Vリング501,502、スリップリング503、リブ202)の取り替えを容易に行うことが可能となる。つまり、トナー補給装置100におけるメンテナンス性の向上を図ることができる。
尚、一般に、ボトル支持部材300によるトナーボトル200の支持部分においては、トナー漏れ等を生じさせないように、ボトル支持部材300およびトナーボトル200の寸法精度が必要になる。
ところが、一般には、トナーボトル200はブロー成型により形成されるので、成型時の寸法にバラツキが生じ易い。同様に、ボトル支持部材300においても、ブロー成型により形成されるので、成型時の寸法にバラツキが生じ易い。
本実施形態では、上述のように、Vリング502が、シール片502aをボトル支持部材300の内周面300eに圧接させることで、シールとして機能させているので、トナーボトル200とボトル支持部材300との隙間、すなわちトナーボトル200の本体部201の表面とボトル支持部材300との間に形成される空間において、ボトル支持部材300あるいはトナーボトル200の成型誤差を吸収することが可能となる。
次に、シャッター機構400について図面を参照して説明する。
図19の(a)は前記ボトル支持部材のトナー排出口が開放されている状態を示す説明図、(b)は前記トナー排出口がシャッター機構により閉塞されている状態を示す説明図、図20は前記ボトル支持部材における背面の概略構成を示す説明図である。
シャッター機構400は、図19(a),(b)に示すように、ボトル支持部材300の底面において、矢印F方向および矢印R方向にスライド可能な板状のシャッター部材401を備えている。尚、本実施形態では、ボトル支持部材300の先端部の開口部300aかトナーボトル200のリブ202,202が突出している側をフロント(F)側とし、その反対側をリア(R)側とする。
シャッター機構400は、図19(a)に示すように、シャッター部材401が矢印R方向にスライドすると、ボトル支持部材300のトナー排出口300bが開放される。一方、図19(b)に示すように、シャッター部材401が矢印F方向にスライドすると、ボトル支持部材300のトナー排出口300bが閉塞される。
ボトル支持部材300には、図20に示すように、シャッター部材401をガイドするための第1ガイド部材306と第2ガイド部材307が設けられている。
第1ガイド部材306は、ボトル支持部材300の底面にほぼ並行な略平板状の部材からなり、該ボトル支持部材300のトナー排出口300bに連通する開口部306aが形成されている。さらに、第1ガイド部材306の、矢印F・R方向に直行する方向の側端部306b,306bは、ボトル支持部材300への取付側と反対側において肉薄形状となっている。この側端部306b,306bがシャッター部材401のガイドレールとしての機能することになる。
また、第2ガイド部材307は、第1ガイド部材306の取付位置から矢印R方向の下流側で、矢印R方向に向かって延設され、互いに板面が対向配置された2枚の案内板307a,307bからなる。この案内板307a,307bは、シャッター部材401のガイドレールとして機能することになる。
ここで、シャッター部材401について図面を参照して説明する。
図21の(a)は本実施形態に係るトナー補給装置を構成するシャッター機構の構成を示す正面からみた斜視図、(b)は前記シャッター機構の背面からみた斜視図、図22の(a)は前記シャッター機構とボトル支持部材の第1ガイド部材との関係を示す説明図、(b)は前記シャッター機構とトナーボトルの回転との関係を示す説明図である。
シャッター部材401は、板状の樹脂からなり、実際に開口部を覆う側のシャッター部401aと、該シャッター部401aに延設されたガイド部401bとで構成されている。
シャッター部401aには、図21(a)に示すように、シャッター部材401における移動を規制するための規制部材402が形成されている。この規制部材402は、一方端がシャッター部401aに接続された略L字状の本体部402aと、本体部402aのシャッター部401aとの接続側とは反対側端部に形成された第1掛止部402bおよび第2掛止部402cとで構成されている。
第1掛止部402bと第2掛止部402cとの間は、所定の間隔の隙間が形成されている。この隙間は、第2掛止部402cが第1掛止部402b側に倒れ込んだ時に、先端部が接触する程度の距離に設定されている。
また、シャッター部401aの裏面は、図21(b)に示すように、上述したボトル支持部材300のトナー排出口300bが形成された第1ガイド部材306に対してスライド可能に支持する第1スライド部材403がシャッター部材401長手方向に向かって設けられている。すなわち、図22(a)に示すように、第1スライド部材403は、両サイドに設けられた掛止部403a,403aによって第1ガイド部材306をスライド可能に支持している。
また、ガイド部401bの裏面には、図21(b)に示すように、第2ガイド部材307の案内板307aおよび307bに対してスライド可能に支持する第2スライド部材404がシャッター部材401長手方向に向かって設けられている。第2スライド部材404は、第2ガイド部材307の案内板307a,307bによって案内されるスライド板404a,404aが形成されている。
なお、シャッター部401aの裏面には、ボトル支持部材300のトナー排出口300bを密閉するためのスポンジからなるマイラー405が形成されている。このマイラー405の大きさは、シャッター部材401のシャッター部401aがトナー排出口300bを覆う際に、該トナー排出口300bを密閉する大きさであれば特に限定されるものではない。
また、第2スライド部材404のスライド板404a,404aは、シャッター部材401が矢印F方向側に移動しているとき、すなわち、ボトル支持部材300の開口部300aを閉塞しているときには、図22(b)に示すように、トナーボトル200の表面に形成されている突起状の掛止部205がスライド板404a,404aの間に入り込み該トナーボトル200の回転を規制している。また、シャッター部材401が矢印R方向に移動すれば、スライド板404a,404aも矢印R方向に移動し、掛止部205との掛止状態を解除する。
これにより、トナーボトル200の回転規制が解除される。つまり、ボトル支持部材300のトナー排出口300bが開放され、トナー補給装置100がトナー補給動作を行うときには、トナーボトル200の回転を妨げないようなっている。
次に、トナー補給部装着機構600について図面を参照して説明する。
図23は本実施形態に係るトナー補給装置を構成するトナー補給部装着機構の構成を示す説明図、図24は前記トナー補給部装着機構と現像装置とを連結する補給用通路体の構成を示す説明図である。
トナー補給部装着機構600は、図1,2,5,6に示すように、トナー補給部500を、転写ベルトユニット30を挟んで現像装置23と略平行に対向して配置するように構成されている。トナー補給部装着機構600には、黒色トナーを収容するトナー補給部500aが2個まとめて装着できるようになっている。
トナー補給部装着機構600は、上部にトナー補給部500が装着される装着台602が転写ベルト搬送方向に対して略直角方向(転写ベルト幅方向)に長く延設されている。
トナー補給部500は、図5に示すように、ボトル支持部材300側で駆動機構701側に固定されると共に、反対側でトナーボトル200が保持ベルト702により固定されている。
駆動機構701には、トナー補給部500が装着台602に装着されたときに、前述したボトル支持部材300の開口部300aから突出したトナーボトル200のリブ202が嵌合して駆動力(回転力)を伝達する駆動部(図示せず)が設けられている。駆動部は、通常、モータで構成され、トナーを供給する状態に応じて運転制御されている。
一方、保持ベルト702は、トナー補給部500が装着台602に装着されたときに、該トナー補給部500のトナーボトル200を保持するようになっており、装着台602に着脱可能に設けられている。尚、保持ベルト702は、トナーボトル200を保持する際に、該トナーボトル200が回転可能な程度の隙間を開けているか、あるいは回転可能な程度の摩擦力で該トナーボトル200に接触するように装着台602に装着される。
トナー補給部装着機構600において、トナー補給部500が搭載される装着台602は、図6に示すように、上面のトナー補給部500のボトル支持部材300が装着される一端側には、該ボトル支持部材300に設けられたシャッター機構400に対応する箇所にトナー供給口611(611a,611b,611c,611d)が形成され、下側面には該トナー供給口611からトナー補給部装着機構600の下方に設けられている現像装置23に連通するトナー搬送用の補給用通路体612(612a,612b,612c,612d)が設けられている。
尚、図6では、説明の便宜上、黒色トナーのトナー補給部500aに対応する装着台の一部を省略して記載している。
この黒色トナー用のトナー補給部500aの装着台602に設けられた補給用通路体612aは、2つのトナー補給部500aに対応するそれぞれのトナー供給口611,611から供給されるトナーを一つにまとめて、一つの黒色用の現像装置23aに設けられたトナー導入口234aから送り込むように構成されている。
トナー補給部装着機構600は、図23に示すように、転写ベルト搬送方向に対して直角方向の転写ベルト幅Wより外側に設けられたトナー供給口611よりトナー補給部500から供給されるトナーを導入するようになっている。
装着台602は、転写ベルト幅方向に長い箱状で形成された筐体610aを備え、その筐体610aの内部に現像ローラ231の軸線方向と平行に設けられた第1トナー撹拌シャフト(トナー搬送手段)610bと第2トナー撹拌シャフト(トナー搬送手段)610cとが並設して配置されている。
筐体610a内部は、隔壁体610dにより第1トナー撹拌シャフト610bが配置される第1トナー室(トナー貯留部)610eと第2トナー撹拌シャフト610cが配置される第2トナー室(トナー貯留部)610fとに分割形成されている。
第1および第2トナー撹拌シャフト610b,610cは、それぞれトナーを撹拌、搬送するためのスクリュー610b1,610c1が設けられ、また、筐体610aの他端側610a2に設けられた駆動ギヤ610b2,610c2を介して図示しない駆動モータにより回転するようになっている。
また、第1および第2トナー撹拌シャフト610b,610cは、それぞれトナー搬送方向下流側端部にトナー受け板610b3,610c3が設けられ、搬送されたトナーを受けるようになっている。
尚、トナー撹拌用手段としてスクリュー610b1,610c1に限定されるものではなく、例えば、第1および第2トナー撹拌シャフト610b,610cにトナー搬送方向に対して傾斜した複数の撹拌板を設けたものであっても良く、同様な作用を奏し得るものであれば他の構成であっても良い。
隔壁体610dは、筐体610a内で第1トナー撹拌シャフト610bと第2トナー撹拌シャフト610cに沿って筐体幅方向に渡り形成され、筐体610aの両側壁付近では第1トナー室610eと第2トナー室610fとが連通可能にトナー室連通口610d1,610d2が開口形成されている。このトナー室連通口610d1,610d2を通ってトナーが第1トナー室610eから第2トナー室610fへ、及び第2トナー室610fから第1トナー室610eへと循環するようになっている。
筐体610aの一端側610a1には、上方に配置されたトナーボトル200から供給されるトナーを導入するトナー供給口611と、下方に配置されて現像装置23にトナーを導入する補給用通路体612に筐体610a内部のトナーを供給するトナー供給口610a4とが設けられている。
トナー供給口611は、筐体610aの一端側610a1から他端側610a2に向かいトナーを撹拌、搬送する第1トナー撹拌シャフト610bの一部と対向する位置に開口形成されている。
一方、トナー供給口610a4は、筐体610aの他端側610a2から一端側610a1に向かいトナーを撹拌、搬送して循環する第2トナー撹拌シャフト610cの一部と対向する位置に開口形成されている。
補給用通路体612は、図24に示すように、図中上部がトナー補給部装着機構600と一体的に設けられ、一方、下部には、現像装置23と着脱可能に構成された現像装置取付部612aが設けられている。
補給用通路体612の上部にはトナーを導入するためのトナー導入口612b1が開口形成され、このトナー導入口612b1から現像装置取付部612aに渡りトナーを通過させるトナー通路612c1が上下方向で略直線状に設けられている。
また、装着台602の筐体610aの上面の一端側には、図6に示すように、トナー補給部500を装着した状態で、ボトル支持部材300の第1固定部材303及び第2固定部材304と対向する位置に、第1固定部材303及び第2固定部材304のガイド部303c,304cと係合してガイドするボトル支持部材ガイド部620,620が突出形成されている。ボトル支持部材ガイド部620,620は、トナー供給口611を挟んで略平行に、装着台602の長手方向に沿って延設されている。
さらに、装着台602の上面には、トナー補給部500が装着される際にボトル支持部材300を幅方向で挟んでガイドするガイドレール(ガイド手段)630,630が設けられている。
ガイドレール630,630は、ボトル支持部材300の側面と対向する位置で該ボトル支持部材300を幅方向でガイド可能な隙間をとってほぼ並行に配置され、装着台602の長手方向の一端部側から他端部側に渡り長く立設されている。
ガイドレール630,630のうちの一方のガイドレール630には、図6に示すように、トナー補給部500を位置決め保持するストッパー(保持手段)640が設けられている。なお、ストッパー640については後述する。
装着台602のトナー供給口611は、トナー補給部500を装着したときにボトル支持部材300に設けられたシャッター機構400のシャッター部材401と対応する位置に形成されている。つまり、シャッター機構400によりボトル支持部材300のトナー排出口300bが開放されたときに、該トナー排出口300bから排出されるトナーを受け入れることができる位置にトナー供給口611が形成されている。
トナー供給口611の近傍には、シャッター機構400のシャッター部材401に設けられた規制部材402の掛止部(後述する)による掛止により該シャッター部材401の移動を規制する突起部613が形成されている。
一方、装着台602のトナー供給口611とは長手方向反対側には、トナー補給装置100を装着したときにトナーボトル200の後端部(ボトル支持部材300の装着部とは反対側の端部)側を支持するための支持部材614が形成されている。
この支持部材614は、トナーボトル200と装着台602との間に所定のクリアランスを得るためのものであり、トナーボトル200の回転を滑らかにしている。この支持部材614の形状等は特に限定されるものではなく、トナーボトル200の回転が滑らかに回転できるような形状および素材であればどのようなものであってもよい。
トナー供給口611の近傍に設けられた突起部613の形成位置は、規制部材402の規制動作によって決定される。
ここで、突起部613の形成位置の決定について、図面を参照して説明する。
図25の(a)は本実施形態に係るトナー補給装置の装着台への装着完了前の規制部材と突起部との位置関係を示す説明図、(b)は前記トナー補給装置の装着台への装着完了時の規制部材と突起部との位置関係を示す説明図、(c)は前記トナー補給装置の装着台から離脱させるときの規制部材と突起部との位置関係を示す説明図である。
突起部613は、規制部材402との係合により、トナー補給装置100が装着台602に装着完了されるときに、シャッター部材401がボトル支持部材300のトナー排出口300bを開放状態にし、トナー補給装置100が装着台602から離脱するときに、ボトル支持部材300のトナー排出口300bを閉塞状態にするような位置に形成される。
規制部材402は、上述したように本体部402aの先端部(突起部613との係合側端部)に第1掛止部402a、第2掛止部402cが形成されている。
第1掛止部402aは、第2掛止部402c側よりも先端側に設けられていると共に、突起部613への当接したときに該突起部613を乗り越え易いように接触面402dが傾斜するように形成されている。なお、突起部613の頂部との接触面積ができるだけ小さくなるように接触面402dが傾斜されていればよい。
このように第1掛止部402aの接触面402dが傾斜していれば、図25(a)に示す状態から、規制部材402を矢印F方向に移動させれば、第1掛止部402bが第1筐体301上に形成された突起部613を乗り越え、さらに矢印F方向に移動することで、第2掛止部402cも突起部613を乗り越える。これにより、規制部材402が矢印F方向と逆向きに移動しようとした場合、突起部613と第2掛止部402cとにより規制部材402の移動が規制される(図25(b)に示す状態)。
次に、本実施形態に係るストッパー(保持手段)640について図面を参照して説明する。
図26の(a)は本実施形態に係るトナー補給装置を構成するトナー補給部装着機構のストッパーの構成を示す説明図、(b)は(a)のA矢視図、図27は前記ストッパーによる位置決め保持状態を示す説明図である。
ストッパー640は、図26(a),(b)に示すように、主に、板ばね部材(押付け部材)641とローラ体(コロ部材)642とにより構成されている。
板ばね部材641は、ガイドレール630の長手方向に沿って所定量の長さで形成され、その一端部がガイドレール630に固定支持され、一方、その他端部を自由端としてローラ体642が該ガイドレール630の長手方向に沿った方向に回転自在に軸止しされている。また、板ばね部材641は、ローラ体642をガイドレール630内側(トナー補給部500側)に向かい付勢するようになっている。
このストッパー640が設置されるガイドレール630は、ボトル支持部材300の一端部、具体的には、図26(a),(b)に示すように、側面視でボトル支持部材300とトナーボトル200との境界部でボトル支持部材300とトナーボトル200との間に段差が生じる段差部310が露出するように切欠部(または開口部)631が形成されている。
この切欠部631によってローラ体642がトナー補給部500と対向するように配置され、該ローラ体642が段差部310に当接することによりトナー補給部500の位置決めをして、トナーボトル200を押圧することによりトナー補給部500を保持している。
本実施形態おいて、ローラ体642と段差部310との位置関係は、図27に示すように、段差部310の高さH1がローラ体のローラ半径R1よりΔ高さH2分低くなっている。また、板ばね641のガイドレール630への取付け位置と、トナー補給部500を位置決め保持した状態のローラ体642の軸心P0の位置とが略等しい位置(ガイドレール630に対して略平行な直線上)となるようになっている。
このように構成することで、トナー補給部装着機構600にトナー補給部500を装着した状態で、トナー補給部500を位置決め保持したローラ体642と段差部310との当接部P1は、ローラ体の軸心P0より外側(装置の外側)に位置するため、トナー補給部500を装着台602の上面に沿って矢印R方向に引き抜いて取り外す場合、当接部P1におけるローラ体642に作用する力が外側に向かい生じるので、当接部P1とローラ体642とがロック状態になることなく、ローラ体642が段差部310を乗り上げてトナー補給部500を抜き取ることができる。
次に、トナー補給装置100の画像形成装置への装着について説明する。
トナー補給装置100は、トナー補給部500のボトル支持部材300側をトナー補給部装着機構600の装着台602上をスライドさせて該トナー補給部装着機構600に装着するようになっている。
このトナー補給部500のスライド動作により、図25(a),(b),(c)に示すように、ボトル支持部材300に設けられたシャッター機構400のシャッター部材401が該ボトル支持部材300のトナー排出口300bを開閉する。
シャッター部材401の移動は、シャッター部材401に一体的に形成された規制部材402によって規制される。
シャッター機構400により、ボトル支持部材300のトナー排出口300bが開放されるとき、シャッター部材401の矢印R方向の移動に伴って、規制部材402は、図25(b)に示す状態から、さらに矢印R方向に移動するとき、図25(c)に示すように、第2掛止部402cが突起部613と当接することで、第1掛止部402b側に倒れ込み、さらに、矢印R方向に移動することで、第2掛止部402cとともに第1掛止部402bが突起部613を乗り越える。これにより、ボトル支持部材300のトナー排出口300bを開放状態にする。
また、トナー補給部500が装着台602上でスライドさせてトナー補給部装着機構600に装着されると、ローラ体642がボトル支持部300の外周上を移動して、段差部310の位置でトナーボトル200側に落ち込む。この時、ローラ体642によりボトル支持部300の段差部310がローラ体642により押さえられて位置決めされるとともにトナーボトル200の外周部が押圧されて保持状態となる。
トナー補給部装着機構600からトナー補給部500を取り外す場合は、トナー補給部500をトナー補給部装着機構600から引き抜く動作にともない、上述した操作と逆の操作によりローラ体642によるトナー補給部500の位置決め保持状態が解除されるとともに、シャッター部材401が矢印F方向に移動してボトル支持部材300のトナー排出口300bが閉塞される。
以上のように構成したので、本実施形態によれば、トナー補給部装着機構600の装着台602の上面にガイドレール630を設けることで簡単な操作でトナー補給部500を挿入ガイドして装着することができる。
また、ガイドレール630にストッパー640を設けることで、簡単にトナー補給部500をトナー補給部装着機構600に位置決め保持することができる。
尚、本実施形態では、トナーボトル200をローラ体642でボトル支持部材300の端部を押付けて位置決め保持するようにしているが、本発明は位置決め保持する構成に限定されるものではなく、例えば、ボトル支持部材300のトナーボトル200との境界部側の端部をその他の外周部よりも低い位置(凹ませて形成して)にローラ体642により押さえるようにしたものであっても良く、また、ボトル支持部材300に一体的に構成した位置決め部材等にローラ体642を作用させるようにしたものであっても良い。
また、本実施形態では、ストッパー640の構成を板ばね641とローラ体642とのより構成しているが、本発明はストッパーの構成に限定されるものではなく、例えば、いわゆるボールプランジャー等のようにボール体またはローラ体を圧縮ばねを用いてトナー補給部500に対して略垂直方向に押し当てることで位置決め保持するようにしたものであっても良く、ストッパーの構成は如何様にも展開が可能である。
また、本実施形態では、トナー補給部500を挿入ガイドするために装着台602の上面にガイドレール630を突設しているが、本発明は、ガイド部材の構成に限定されるものではなく、例えば、ガイド部の構成を装着台602の上面を凹状に形成して、トナー補給部500側のガイド部をそれに沿わせるように凸状に構成したものであっても良く、ガイド部の構成は如何様にも展開が可能である。
尚、本実施形態では、トナー補給装置100を図1に示すような画像形成装置に適用した例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図28に示すような複写機101に適用してもよい。
複写機101は、図28に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1と略同様な構成を有する画像形成部108の上方に画像読取り装置(スキャナー)110を配置し、この画像形成部108の下側に複数種類の用紙に対応した第1給紙カセット142a,第2給紙カセット142b,第3給紙カセット142c,第4給紙カセット142dを配置して、多種、大量印刷を自動で行うようにしたものである。
図中の符号120は、廃トナーを回収する廃トナーボックスである。
尚、複写機101において、上述した実施形態に係る画像形成装置1と同様な構成を有するものは同一の符号を付することで説明を省略する。
さらに、本発明は、現像剤(トナー)を補給する必要のある画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。