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JP2007168663A - 車両用操舵支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者が意図的に転舵操作している際の操舵感覚を改善することができる車両用操舵支援装置を提供する。
【解決手段】ドライバによるステアリングホイールの操舵方向が走行車線TLのカーブの方向と一致し、ドライバが走行車線TLのカーブの方向に意図的にハンドルを切り増して転舵操作している際には、操舵支援の方向が本来の切り戻しの方向から強制的に切り増しの方向へ切り替えられ、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルクが車両の操舵機構に付与される。このため、運転者は違和感のない操舵感覚を得ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両が走行車線の中央付近に沿って適切に走行できるように運転者の操舵を支援する車両用操舵支援装置に関するものである。
近年、車両が走行車線の中央付近に沿って適切に走行できるように運転者の操舵を支援する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この種の操舵支援装置では、自車両の進行方向前方の画像をCCDカメラなどで撮影し、撮影した画像から自車両の走行車線を区画する白線(道路区画線)を画像認識処理によって検出し、検出した白線(道路区画線)で区画された走行車線の中央付近に沿って自車両が走行できるようにするための操舵方向および操舵トルクを求め、その操舵方向に応じた操舵トルクを車両の操舵機構に付与することで運転者の操舵を支援するようにしている。
ここで、特許文献1には、走行車線の中央付近に沿って精度よく車両を走行させるため、走行車線のカーブの曲率、走行車線の中心線に対する車両の中心線の横方向のずれ量(オフセット)および走行車線の中心線に対する車両の中心線のなす車両偏向角を用いて操舵トルクを算出することが記載されている。
特開2001−10518号公報
ところで、車両の操舵機構にはラック・ピニオン機構やサスペンションジョイントなどの摩擦抵抗が操舵抵抗として働くため、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援に際しては、操舵機構の操舵抵抗を見込んだ操舵トルクを操舵機構に付与する必要がある。しかしながら、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援に際しては、車両の車輪を直進状態に復帰させようとする力が路面から操舵機構に作用するため、操舵機構の操舵抵抗を見込んだ操舵トルクをそのまま操舵機構に付与すると、操舵支援のための操舵トルクが過剰となってしまう。
このような問題を解決するため、本件出願人は、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルク量と、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルク量との間に所定のヒステリシス幅を持たせ、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルク量よりも、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルク量を小さく設定する技術を開発し、その内容を特許出願により提案している。
ここで、車両が走行車線のカーブ部分を通過する場合、カーブ部分の内側を通過するように運転者が意図的にハンドルを切り増して転舵操作する際には、ハンドルを切り戻して車両をカーブ部分の外側に向けようとする操舵トルクが操舵支援として操舵機構に付与される。すなわち、運転者が意図的にハンドルを切り増して転舵操作しているにも拘わらず、操舵支援としての操舵トルクがハンドルを反対方向に切り戻すため、運転者は操舵感覚に違和感を覚える。
そこで、本発明は、運転者が意図的に転舵操作している際の操舵感覚を改善することができる車両用操舵支援装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車両用操舵支援装置は、車両が走行車線の所定の位置に沿って走行するように車両の操舵機構に操舵支援の操舵を付与する車両用操舵支援装置であって、走行車線のカーブの方向を検出する手段と、運転者の操舵方向を検出する手段とを備え、運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合には、一致しない場合に比べて操舵支援の操舵の付与を大きく設定することを特徴とする。
本発明に係る車両用操舵支援装置では、運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合には、一致しない場合に比べて操舵支援の操舵の付与が大きく設定されるため、例えば運転者が走行車線のカーブの方向に意図的にハンドルを切り増して転舵操作している場合には、大きく設定された操舵支援の操舵が付与されることとなり、運転者の操舵感覚として違和感のない操舵感覚が得られる。
また、本発明に係る車両用操舵支援装置は、車両が走行車線の所定の位置に沿って走行するように車両の操舵機構に操舵支援の操舵を付与するに当たり、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵よりも、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵が小さく設定されている車両用操舵支援装置であって、走行車線のカーブの方向を検出する手段と、運転者の操舵方向を検出する手段とを備え、運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合には、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵が車両の操舵機構に付与されるように構成されていることを特徴とする。
この発明に係る車両用操舵支援装置では、運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合、すなわち、運転者が走行車線のカーブの方向に意図的にハンドルを切り増して転舵操作している場合には、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵が車両の操舵機構に付与されるため、運転者の操舵感覚として違和感のない操舵感覚が得られる。
この発明に係る車両用操舵支援装置においては、運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する際に、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援への切り替えを禁止するのが好ましい。この場合、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵が確実に車両の操舵機構に付与されるため、運転者の操舵感覚として違和感のない操舵感覚が確実に得られる。
また、この発明に係る車両用操舵支援装置においては、操舵支援のための操舵の付与が操舵トルクの付与であるものとして、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルクの特性曲線と、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルクの特性曲線とが所定のヒステリシス幅を有する特性曲線として設定されているのが好ましい。
さらに、本発明に係る車両用操舵支援装置は、運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合に、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルクより大きく設定された操舵支援の操舵トルクを付与するように構成することができる。この場合、運転者が走行車線のカーブの方向に意図的にハンドルを切り増して転舵操作している際には、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルクより大きく設定された操舵支援の操舵トルクが付与されるため、運転者の操舵感覚として違和感の少ない操舵感覚が得られる。
本発明に係る車両用操舵支援装置では、運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合には、一致しない場合に比べて操舵支援の操舵の付与が大きく設定されるため、例えば運転者が走行車線のカーブの方向に意図的にハンドルを切り増して転舵操作している場合には、大きく設定された操舵支援の操舵が付与される。従って、本発明によれば、運転者が意図的に転舵操作している際の操舵感覚として違和感のない操舵感覚を得ることができ、その操舵感覚を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る車両用操舵支援装置の最良の実施形態を説明する。この説明において、同一または同様の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略することがある。ここで、参照する図面において、図1は一実施形態に係る車両用操舵支援装置が適用される車両およびその走行車線を示す斜視図、図2は一実施形態に係る車両用操舵支援装置の構成の概要を示す模式図である。
図1に示すように、一実施形態に係る車両用操舵支援装置は、車両1が基本的に左右の白線(道路区画線)LL,LRで区画された走行車線TLの中央付近に沿って走行するように操舵支援する装置であり、車両1の進行方向前方の走行車線TLを撮影するCCDカメラ2を車両1の例えばルームミラー3の背面側に配置して備えている。
また、車両用操舵支援装置は、図2に示すように、CCDカメラ2が撮影した画像データから走行車線TLのカーブの状況や車両1の位置および姿勢に関する各種のパラメータを取得する画像処理部4と、後述する操舵機構のステアリングシャフトに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ6と、車両1の走行速度を検出する車速センサ7と、車両1のヨー角の角速度を検出するヨーレートセンサ8とを備えている。
さらに、車両用操舵支援装置は、画像処理部4、トルクセンサ6、車速センサ7およびヨーレートセンサ8から各種の信号を入力して処理するマイクロコンピュータである例えばECU(Electric Control Unit)9と、このECU9から所定の操舵支援信号が入力されるモータドライバ10とを備えている。
なお、ECU9は、入出力インターフェースI/OおよびA/Dコンバータの他、プログラムおよびデータを記憶したROM(Read Only Memory)、入力データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを実行するCPU(CentralProcessing Unit)等をハードウェアとして備えている。
そして、このような車両用操舵支援装置は、操舵機構5に組み込まれた操舵支援用のアシストモータ5Aに対してモータドライバ10が所定の駆動電流を出力することで車両1が基本的に走行車線TL(図1参照)の中央付近に沿って走行するように操舵支援する。
ここで、前述したCCDカメラ2は、撮影した走行車線TLの画像情報をAD(Analogto Digital)変換によりデジタル画像データに変換して画像処理部4に出力する。そして、画像処理部4は、CCDカメラ2から入力されたデジタル画像データに対してエッジ検出処理などの一連の画像認識処理を施すことにより、走行車線TLを区画する白線LL,LR(図1参照)を認識する。
この画像処理部4は、認識した白線LL,LRの情報に基づき、例えば図3に示す走行車線TLのカーブの曲率xを従来公知の一連の画像認識処理により検出する。例えば、車両1の所定距離前方における白線LL,LRの横方向への偏位量や車両1の所定距離前方における白線LL,LRの接線の傾きを参照してカーブの半径Rを幾何学的に求め、このカーブの半径Rの逆数としてカーブの曲率xを検出する。すなわち、画像処理部4は、走行車線TLのカーブの方向を検出する手段して機能する。
また、画像処理部4は、走行車線TLに対する車両1のレーンオフセットD(走行車線TLの中心線LCに対する車両1の中心部の横方向のずれ量)および走行車線TLに対する車両1のヨー角θ(走行車線TLの中心線LCの接線TCに対する車両1の前後方向に延びる中心線1Cとの交差角度)を従来公知の一連の画像認識処理により検出する。
図2に示した操舵機構5は、ステアリングホイール5Bの回転がステアリングシャフト5Cを介して伝達されるラック・ピニオン式のステアリングギヤボックス5Dを備えており、ラックバー5Eの左右の端部は、左右の操舵車輪5F,5Fを操舵するためのナックルアーム5G,5Gにタイロッド5H,5Hを介して連結されている。
ここで、ステアリングギヤボックス5Dには、ラックバー5Eをねじ軸部材として構成された図示しないボールねじ機構が内蔵されている。そして、このボールねじ機構のナット部材をロータにより回転駆動してラックバー5Eを軸方向に駆動するように、前述したアシストモータ5Aがラックバー5Eと同芯状にステアリングギヤボックス5Dに組み込まれている。
トルクセンサ6は、例えば操舵機構5のステアリングシャフト5Cに加えられる操舵トルクの大きさおよび操舵方向を検出するようにステアリングギヤボックス5Dに組み込まれている。このトルクセンサ6は、操舵方向が右方向のときには正の値の検出信号をECU9に出力し、操舵方向が左方向のときには負の値の検出信号をECU9に出力する。
車速センサ7は、車両1の走行速度を検出するためのセンサであって、例えば操舵車輪5F,5Fの回転速度や図示しない変速機出力軸の回転速度を検出するように適宜設置されており、検出した回転速度をパルス信号としてECU9にする。また、ヨーレートセンサ8は、車両1の重心位置の近傍に配置されており、車両1の重心位置を通る鉛直軸廻りのヨー角の角速度を検出し、その検出信号をECU9に出力する。
ECU9は、運転者の操舵方向を検出する手段として、トルクセンサ6からの入力信号に基づいて運転者のステアリングホイール5Bの操作による操舵トルクの大きさと操舵方向とを検出する。また、ECU9は、車速センサ7からの入力信号に基づいて車両1の走行速度を検出すると共に、ヨーレートセンサ8からの入力信号に基づいて車両1の鉛直軸廻りのヨー角の角速度であるヨーレートを検出する。そして、このECU9は、操舵支援のための操舵トルクに関する所定の操舵支援信号をモータドライバ10に出力する。
モータドライバ10は、ECU9から所定の操舵支援信号が入力されると、その操舵支援信号に応じた駆動電流を操舵機構5のアシストモータ5Aに出力する。これにより、アシストモータ5Aは、ステアリングギヤボックス5Dに所定の操舵トルクを付与してラックバー5Eの左右の軸方向移動を支援する。
ここで、図4に示すように、マイクロコンピュータであるECU9には、車両1を図3に示した走行車線TLの中心線LCに沿って走行させるための手段として、フィードフォワードコントローラ(F/Fコントローラ)9A、オフセット係数部9B、ヨー角係数部9Cおよびトルク演算部9Dがソフトウェアとして構成されている。
F/Fコントローラ9Aには、画像処理部4からカーブの曲率xの検出信号が入力される。このF/Fコントローラ9Aは、車両1を走行車線TLの中心線LCのカーブに沿って走行させるために必要なヨーレートωxをカーブの曲率xと車速Vnに応じ所定の特性に基づいて算出する。
オフセット係数部9Bには、車両1が走行車線TLの中心線LCに沿って適切に走行するためのレーンオフセットDの目標値として予め設定されている目標レーンオフセットDと、画像処理部4から出力されるレーンオフセットDとの偏差ΔDである(D−D)の信号が入力される。このオフセット係数部9Bは、(D−D)の偏差ΔDに係数Kdを乗じることにより、レーンオフセットDを補償するためのヨーレートωdを算出する。
ヨー角係数部9Cには、車両1が走行車線TLの中心線LCに沿って適切に走行するためのヨー角θの目標値として予め設定されている目標ヨー角θと、画像処理部4から出力されるヨー角θとの偏差Δθである(θ−θ)の信号が入力される。このヨー角係数部9Cは、(θ−θ)の偏差Δθに係数Kθを乗じることにより、ヨー角θを補償するためのヨーレートωθを算出する。
トルク演算部9Dには、F/Fコントローラ9Aが算出したヨーレートωxと、オフセット係数部9Bが算出したヨーレートωdと、ヨー角係数部9Cが算出したヨーレートωθとを合算した目標ヨーレートω(=ωx+ωd+ωθ)が入力されると共に、車速センサ7から出力される車速Vnの信号が入力される。
このトルク演算部9Dは、入力された車速Vnに基づいて目標ヨーレートωを目標横加速度Gに変換し、この目標横加速度Gに応じた操舵トルクTをマップ検索により求める。そして、トルク演算部9Dは、目標横加速度Gに応じて求めた操舵トルクTに関する操舵支援信号をモータドライバ10に出力する。
これにより、モータドライバ10が操舵支援のための操舵トルクTに対応する駆動電流Iをアシストモータ5Aに出力し、アシストモータ5Aがステアリングギヤボックス5Dに操舵支援のための所定の操舵トルクTを付与してラックバー5Eを軸方向に移動させる。その結果、車両1が走行車線TLの中心線LCに沿って走行するように操舵車輪5F,5Fの操舵が支援される。
ここで、トルク演算部9Dが目標横加速度Gに応じてマップ検索により求める操舵トルクTは、ハンドルを切り増すように操舵車輪5F,5Fを転舵させてゆく操舵支援の際には、操舵機構5の各部の摩擦抵抗による操舵抵抗を見込んだ大きめの操舵トルクTに設定する必要がある。一方、ハンドルを切り戻すように操舵車輪5F,5Fの転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際には、操舵車輪5F,5Fを直進状態に復帰させるように操舵機構5の摩擦抵抗を減じた小さめの操舵トルクTに設定する必要がある。
そこで、トルク演算部9Dが目標横加速度Gに応じてマップ検索により求める操舵トルクTは、図5に示すような特性曲線として設定されている。すなわち、ハンドルを切り増すように操舵車輪5F,5Fを転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルクTは、図5に実線グラフで示すように、目標横加速度Gの絶対値の増加に応じて操舵トルクTの絶対値が増加する特性に設定されている。一方、ハンドルを切り戻すように操舵車輪5F,5Fの転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルクTは、図5に点線グラフで示すように、実線グラフで示した特性曲線に対し所定のヒステリシス幅Wをもって操舵トルクTの絶対値が小さくなるような特性曲線として設定されている。
このような特性曲線を示す図5において、目標横加速度Gおよび操舵トルクTがプラスの領域は右転舵の領域であり、目標横加速度Gおよび操舵トルクTがマイナスの領域は左転舵の領域である。そして、「R+」で示す実線部分は、右方向にハンドルを切り増すように操舵車輪5F,5Fを右転舵させてゆく操舵支援の際の特性曲線を示し、「R−」で示す点線部分は、左方向にハンドルを切り戻すように操舵車輪5F,5Fの右転舵状態を中立状態へ復帰させてゆく操舵支援の際の特性曲線を示している。一方、「L+」で示す実線部分は、左方向にハンドルを切り増すように操舵車輪5F,5Fを左転舵させてゆく操舵支援の際の特性曲線を示し、「L−」で示す点線部分は、右方向にハンドルを切り戻すように操舵車輪5F,5Fの左転舵状態を中立状態へ復帰させてゆく操舵支援の際の特性曲線を示している。
ここで、本実施形態の車両用操舵支援装置においては、例えば図6に示すような走行車線TLのカーブ部分を車両1が通過する際に、基本的には車両1が走行車線TLの中心線LCに沿って走行するように操舵支援すると共に、車両1が走行車線TLのカーブ部分の内側を通過するように運転者が意図的に転舵操作している際には、その操舵感覚を改善するように操舵支援する。このような操舵支援の制御は、ECU9により図7〜図12に示すフローチャートに沿って実行される。
まず、図7に示すように、ECU9はステップS1〜S5のメインルーチンでドライバ右操舵判定処理、ドライバ左操舵判定処理、操舵支援強制切り替え処理、操舵支援判定処理、操舵トルク出力処理を順次実行する。
ステップS1のドライバ右操舵判定処理は、ドライバ(運転者)が意図的にステアリングホイール5Bを右方向に操舵している状況にあるか否かを判定するための処理であり、前述したトルクセンサ6からの入力信号に基づき、図8に示すサブルーチンのフローチャートに沿って実行する。
まず、ステップS10において、ドライバがステアリングホイール5Bを右方向に操舵していた状況を示すフラグの前回値であるフラグFdsrmが「OFF」であるか否かを判定する。この判定結果がYESであってドライバがステアリングホイール5Bを右方向に操舵していなかった場合、つぎのステップS11では、トルクセンサ6からの入力信号に基づき、ドライバによる操舵入力が所定の正の値を持つ閾値MT1より大きいか否かを判定する。なお、ドライバによる操舵入力は、右操舵の場合は正の値であり、左操舵の場合には負の値である。
ステップS11の判定結果がYESであって、ドライバによる操舵入力が閾値MT1より大きい場合には、ドライバがステアリングホイール5Bを右方向に操舵しているものと認定し、つぎのステップS12でドライバ右操舵のタイマに1を加算した後、続くステップS13へ進む。
一方、ステップS11の判定結果がNOであって、ドライバによる操舵入力が閾値MT1より小さい場合には、ドライバがステアリングホイール5Bを右方向に操舵していないものと認定し、ステップS14でドライバ右操舵のタイマをリセットした後、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ドライバ右操舵のタイマがT1より大きいか否かを判定する。この判定結果がYESであってドライバ右操舵のタイマがT1より大きい場合には、ドライバが右操舵状態を意図的に継続しているものと認定し、つぎのステップS15でドライバがステアリングホイール5Bを右方向に意図的に継続して操舵している状況を示すフラグFdsrを「ON」とした後、続くステップS16でフラグFdsrをフラグFdsrmとして記憶する。
一方、ステップS10の判定結果がNOであってドライバがステアリングホイール5Bを右方向に操舵していた場合、ステップS17において、トルクセンサ6からの入力信号に基づき、ドライバによる操舵入力が閾値MT1より小さい所定の正の値を持つ閾値MT2よりも小さいか否かを判定する。
ステップS17の判定結果がYESであってドライバによる操舵入力が閾値MT2よりも小さい場合には、ドライバが実質的に右操舵していないものと認定し、つぎのステップS18でドライバがステアリングホイール5Bを右方向に操舵している状況を示すフラグFdsrを「OFF」とした後、ステップS16へ進む。
一方、ステップS17の判定結果がNOであってドライバによる操舵入力が閾値MT2よりも大きい場合には、ドライバが実質的に右操舵しているものと認定してステップS15へ進む。また、ステップS13の判定結果がNOであってドライバ右操舵のタイマがT1より小さい場合には、ドライバが右操舵状態を継続していないものと認定してステップS18からステップS16へ進む。
図8に示したドライバ右操舵判定処理のサブルーチンが終了すると、図7のメインルーチンへ戻り、ECU9がステップS2のドライバ左操舵判定処理を実行する。このドライバ左操舵判定処理は、ドライバ(運転者)が意図的にステアリングホイール5Bを左方向に操舵している状況にあるか否かを判定するための処理であり、前述したトルクセンサ6からの入力信号に基づき、図9に示すサブルーチンのフローチャートに沿って実行する。
まず、ステップS20において、ドライバがステアリングホイール5Bを左方向に操舵していた状況を示すフラグの前回値であるフラグFdslmが「OFF」であるか否かを判定する。この判定結果がYESであってドライバがステアリングホイール5Bを左方向に操舵していなかった場合、つぎのステップS21では、トルクセンサ6からの入力信号に基づき、ドライバによる操舵入力が−MT1の閾値より小さいか否かを判定する。
ステップS21の判定結果がYESであって、ドライバによる操舵入力が−MT1の閾値より小さい場合には、ドライバがステアリングホイール5Bを左方向に操舵しているものと認定し、つぎのステップS22でドライバ左操舵のタイマに1を加算した後、続くステップS23へ進む。
一方、ステップS21の判定結果がNOであって、ドライバによる操舵入力が−MT1の閾値より大きい場合には、ドライバがステアリングホイール5Bを左方向に操舵していないものと認定し、ステップS24でドライバ左操舵のタイマをリセットした後、ステップS23へ進む。
ステップS23では、ドライバ左操舵のタイマがT1より大きいか否かを判定する。この判定結果がYESであってドライバ左操舵のタイマがT1より大きい場合には、ドライバが左操舵状態を意図的に継続しているものと認定し、つぎのステップS25でドライバがステアリングホイール5Bを左方向に意図的に継続して操舵している状況を示すフラグFdslを「ON」とした後、続くステップS26でフラグFdslをフラグFdslmとして記憶する。
一方、ステップS20の判定結果がNOであってドライバがステアリングホイール5Bを左方向に操舵していた場合、ステップS27において、トルクセンサ6からの入力信号に基づき、ドライバによる操舵入力が−MT2の閾値よりも大きいか否かを判定する。
ステップS27の判定結果がYESであってドライバによる操舵入力が−MT2の閾値よりも大きい場合には、ドライバが実質的に左操舵していないものと認定し、つぎのステップS28でドライバがステアリングホイール5Bを左方向に継続的に操舵している状況を示すフラグFdslを「OFF」とした後、ステップS26へ進む。
一方、ステップS27の判定結果がNOであってドライバによる操舵入力が−MT2の閾値よりも小さい場合には、ドライバが実質的に左操舵しているものと認定してステップS25へ進む。また、ステップS23の判定結果がNOであってドライバ左操舵のタイマがT1より小さい場合には、ドライバが左操舵状態を継続していないものと認定してステップS28からステップS26へ進む。
図9に示したドライバ左操舵判定処理のサブルーチンが終了すると、図7のメインルーチンへ戻り、ECU9がステップS3の操舵支援強制切り替え判定処理を実行する。この操舵支援強制切り替え判定処理は、操舵支援の態様を通常の態様から特定の態様へ強制的に切り替えるべきか否かを判定するための処理であり、図10に示すサブルーチンのフローチャートに沿って実行する。
まず、ステップS30において、画像処理部4からの入力信号により検出された走行車線TLのカーブの方向が左カーブであり、かつ、ドライバがステアリングホイール5Bを左方向に意図的に継続して操舵している状況を示すフラグFdslが「ON」であるか否かを判定する。
ステップS30の判定結果がYESであって、走行車線TLの左カーブの方向にドライバが意図的に継続して左操舵している場合には、車両1が左カーブの走行車線TLの内側を通過するようにドライバが左操舵しているものと認定し、つぎのステップS31で操舵支援の態様を強制的に切り替えるべきことを示すフラグFfdcを「ON」とした後、処理を終了する。
一方、ステップS30の判定結果がNOの場合には、ステップS32で画像処理部4からの入力信号により検出された走行車線TLのカーブの方向が右カーブであり、かつ、ドライバがステアリングホイール5Bを右方向に意図的に継続して操舵している状況を示すフラグFdsrが「ON」であるか否かを判定する。
ステップS32の判定結果がYESであって、走行車線TLの右カーブの方向にドライバが意図的に継続して右操舵している場合には、車両1が右カーブの走行車線TLの内側を通過するようにドライバが右操舵しているものと認定し、ステップS31へ進んで操舵支援の態様を強制的に切り替えるべきことを示すフラグFfdcを「ON」とした後、処理を終了する。
一方、ステップS32の判定結果がNOの場合には、続くステップS33で操舵支援の態様を強制的に切り替えるべきことを示すフラグFfdcを「OFF」とした後、処理を終了する。
図10に示した操舵支援強制切り替え判定処理のサブルーチンが終了すると、図7のメインルーチンへ戻り、ECU9がステップS4の操舵支援判定処理を実行する。この操舵支援判定処理は、操舵支援の操舵方向を判定するための処理であり、図11に示すサブルーチンのフローチャートに沿って実行する。
まず、ステップS40で操舵支援のための目標横加速度Gをローパスフィルタ処理により読み込み、つぎのステップS41で操舵支援の態様を強制的に切り替えるべきことを示すフラグFfdcが「OFF」であるか否かを判定する。
ステップS41の判定結果がYESであって、フラグFfdcが「OFF」である場合には、操舵支援の態様を強制的に切り替える必要がないものと認定し、続くステップS42で目標横加速度Gがその増減の基準値GlimからΔGを減じた値より小さいか否かを判定する。
ステップS42の判定結果がYESの場合には、目標横加速度Gが順次減少して車両1が走行車線TLの中心線LCから右側にそれて行く場合であると認定し、つぎのステップS43で操舵支援の操舵方向を示すフラグFtgdを「左」とする。そして、続くステップS44で目標横加速度Gにより基準値Glimを更新し、つぎのステップS45でフラグFtgdの前回値を更新した後、処理を終了する。
一方、ステップS42の判定結果がNOの場合には、ステップS46で目標横加速度Gがその増減の基準値GlimにΔGを加えた値より大きいか否かを判定する。そして、判定結果がYESの場合には、目標横加速度Gが順次増加して車両1が走行車線TLの中心線LCから左側にそれて行く場合であると認定し、つぎのステップS47で操舵支援の操舵方向を示すフラグFtgdを「右」とした後、ステップS44へ進む。一方、ステップS46の判定結果がNOの場合には、ステップS45へ進む。
ここで、ステップS41の判定結果がNOであって、フラグFfdcが「OFF」でない場合には、操舵支援の態様を強制的に切り替える必要があるものと認定し、ステップS48で操舵支援の操舵方向を示すフラグFtgdを「走行車線のカーブ方向に応じた左または右」とする。そして、続くステップS49で目標横加速度Gにより基準値Glimを更新した後、ステップS45へ進む。
図11に示した操舵支援判定処理のサブルーチンが終了すると、図7のメインルーチンへ戻り、ECU9がステップS5の操舵トルク出力処理を実行する。この操舵トルク出力処理は、図12に示すサブルーチンのフローチャートに沿って実行する。
まず、ステップS50で操舵支援のための目標横加速度Gが0以上の正の値であるか否かを判定する。この判定結果がYESであって目標横加速度Gが図5に示す右操舵の領域であれば、つぎのステップS51で操舵支援の操舵方向を示すフラグFtgdが「右」であるか否かを判定する。
ステップS51の判定結果がYESであれば、右操舵の領域で右方向に操舵支援する場合、すなわち、ハンドルを右方向に切り増すように操舵車輪5F,5Fを転舵させてゆく操舵支援の場合であると認定し、続くステップS52で図5の線図「R+」から目標横加速度Gに応じた操舵トルクTを検索する。
ステップS52に続くステップS53では、検索した操舵トルクTに関する所定の操舵支援信号をECU9がモータドライバ10に出力して操舵トルクTの出力処理を実行する。この操舵トルクTの出力処理により、モータドライバ10が操舵支援信号に応じた駆動電流を操舵機構5のアシストモータ5Aに出力し、アシストモータ5Aがステアリングギヤボックス5Dに所定の操舵トルクTを付与する。その結果、ラックバー5Eおよびタイロッド5H,5Hを介して操舵車輪5F,5Fが所定の操舵支援方向に操舵される。
一方、ステップS51の判定結果がNOであれば、右操舵の領域で左方向に操舵支援する場合、すなわち、ハンドルを左方向に切り戻すように操舵車輪5F,5Fを転舵させてゆく操舵支援の場合であると認定し、続くステップS54で図5の線図「R−」から目標横加速度Gに応じた操舵トルクTを検索した後、ステップS53へ進んで操舵トルクTの出力処理を実行する。
一方、ステップS50の判定結果がNOであって目標横加速度Gが図5に示す左操舵の領域であれば、続くステップS55で操舵支援の操舵方向を示すフラグFtgdが「左」であるか否かを判定する。
ステップS55の判定結果がYESであれば、左操舵の領域で左方向に操舵支援する場合、すなわち、ハンドルを左方向に切り増すように操舵車輪5F,5Fを転舵させてゆく操舵支援の場合であると認定し、続くステップS56で図5の線図「L+」から目標横加速度Gに応じた操舵トルクTを検索した後、ステップS53へ進んで操舵トルクTの出力処理を実行する。
一方、ステップS55の判定結果がNOであれば、左操舵の領域で右方向に操舵支援する場合、すなわち、ハンドルを右方向に切り戻すように操舵車輪5F,5Fを転舵させてゆく操舵支援の場合であると認定し、続くステップS57で図5の線図「L−」から目標横加速度Gに応じた操舵トルクTを検索した後、ステップS53へ進んで操舵トルクTの出力処理を実行する。
ここで、前述したように本実施形態の車両用操舵支援装置では、走行車線TLの左カーブの方向にドライバが意図的に継続して左操舵している場合、操舵支援の態様を強制的に切り替えるべきことを示すフラグFfdcが「ON」とされ(図10のステップS30、S31参照)、操舵支援の操舵方向を示すフラグFtgdが強制的に走行車線TLのカーブの方向に応じた「左」とされるため(図11のステップS48参照)、操舵トルクTの出力に当たっては図5の線図「L+」から目標横加速度Gに応じた操舵トルクTが検索される(図12のステップS50、S55、S56参照)。
同様に、走行車線TLの右カーブの方向にドライバが意図的に継続して右操舵している場合、操舵支援の態様を強制的に切り替えるべきことを示すフラグFfdcが「ON」とされ(図10のステップS32、S31参照)、操舵支援の操舵方向を示すフラグFtgdが強制的に走行車線TLのカーブの方向に応じた「右」とされるため(図11のステップS48参照)、操舵トルクTの出力に当たっては図5の線図「R+」から目標横加速度Gに応じた操舵トルクTが検索される(図12のステップS50、S51、S52参照)。
すなわち、本実施形態の車両用操舵支援装置によれば、ドライバ(運転者)によるステアリングホイール5Bの操舵方向が走行車線TLのカーブの方向と一致し、ドライバが走行車線TLのカーブの方向に意図的にハンドルを切り増して転舵操作している際には、操舵支援の方向が本来の切り戻しの方向から強制的に切り増しの方向へ切り替えられ、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルクが車両の操舵機構に付与される。
図13は、その際の操舵トルクTの時間変化を示しており、操舵支援の方向が本来の切り戻しの方向とされる場合には、操舵トルクTは点線のグラフに示すように急激に減少する。これに対し、本実施形態の車両用操舵支援装置によれば、操舵支援の方向が本来の切り戻しの方向から強制的に切り増しの方向へ切り替えられるため、操舵トルクTは実線のグラフに示すように滑らかに変化する。従って、運転者の操舵感覚として違和感のない操舵感覚を得ることができ、運転者が意図的に転舵操作している際の操舵感覚を改善することができる。
本発明に係る車両用操舵支援装置は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、ドライバによるステアリングホイール5Bの操舵方向が走行車線TLカーブの方向と一致する場合、図5の線図「R+」または「L+」から目標横加速度Gに応じて検索される操舵トルクTに代わり、線図「R+」と線図「R−」との間に設定される別途の平行な線図または「L+」と線図「L−」との間に設定される別途の平行な線図から目標横加速度Gに応じて検索される操舵トルクTを操舵機構5に付与するように構成してもよい。
この場合、ドライバが走行車線TLのカーブの方向に意図的にステアリングホイール5Bを切り増して転舵操作している際には、図5の線図「R+」または「L+」から目標横加速度Gに応じて検索される操舵トルクTよりも小さく設定された特定の操舵トルクが操舵機構5に付与されるため、ドライバの操舵感覚として違和感の少ない操舵感覚が得られる。
本実施形態では、操舵機構5に操舵を付与するものとして操舵トルクTを付与する技術を説明した。しかし、本発明の技術は、操舵を付与するものとして操舵トルクに限定するものではなく、ステアリングの操舵角度、操舵車輪の角度、車両のヨーに基づき制御することが可能である。
本発明の一実施形態に係る車両用操舵支援装置が適用される車両およびその走行車線を示す斜視図である。 一実施形態に係る車両用操舵支援装置の構成の概要を示す模式図である。 図1に示した走行車線のカーブ部分のパラメータと共に走行する車両の位置および進行方向に関するパラメータを示す模式図である。 図2に示したECUの構成を示すブロック図である。 図2に示したECUに記憶されている目標横加速度に対する操舵トルクの特性曲線を示すグラフである。 走行車線のカーブ部分と共にカーブ部分を通過する車両を示す図3に対応した模式図である。 図2に示したECUが実行するメインルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図7に示したドライバ右操舵判定処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図7に示したドライバ左操舵判定処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図7に示した操舵支援強制切り替え処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図7に示した操舵支援判定処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図7に示した操舵トルク出力処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図6に示した走行車線のカーブ部分をドライバがカーブの方向に意図的にハンドルを切り増して転舵操作している際の操舵トルク出力処理による操舵トルクTの時間変化をグラフである。
符号の説明
1…車両、2…CCDカメラ、4…画像処理部、5…操舵機構、5A…アシストモータ、5B…ステアリングホイール、5C…ステアリングシャフト、5D…ステアリングギヤボックス、5E…ラックバー、5F…操舵車輪、6…トルクセンサ、7…車速センサ、8…ヨーレートセンサ、9…ECU9、9A…F/Fコントローラ、9B…オフセット係数部、9C…ヨー角係数部、9D…トルク演算部、10…モータドライバ、TL…走行車線、LC…中心線、LL,LR…白線

Claims (5)

  1. 車両が走行車線の所定の位置に沿って走行するように車両の操舵機構に操舵支援の操舵を付与する車両用操舵支援装置であって、
    走行車線のカーブの方向を検出する手段と、運転者の操舵方向を検出する手段とを備え、
    運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合には、一致しない場合に比べて操舵支援の操舵の付与を大きく設定することを特徴とする車両用操舵支援装置。
  2. 車両が走行車線の所定の位置に沿って走行するように車両の操舵機構に操舵支援の操舵を付与するに当たり、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵よりも、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵が小さく設定されている車両用操舵支援装置であって、
    走行車線のカーブの方向を検出する手段と、運転者の操舵方向を検出する手段とを備え、
    運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合には、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵が車両の操舵機構に付与されるように構成されていることを特徴とする車両用操舵支援装置。
  3. ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援への切り替えを禁止することを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵支援装置。
  4. 操舵支援のための操舵の付与が操舵トルクを付与することであり、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルクの特性曲線と、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルクの特性曲線とが所定のヒステリシス幅を有する特性曲線として設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両用操舵支援装置。
  5. 車両が走行車線の所定の位置に沿って走行するように車両の操舵機構に操舵支援の操舵トルクを付与するに当たり、ハンドルを切り増すように転舵させてゆく操舵支援の際の操舵トルク量よりも、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルク量が小さく設定されている車両用操舵支援装置であって、
    走行車線のカーブの方向を検出する手段と、運転者の操舵方向を検出する手段とを備え、
    運転者の操舵方向が走行車線のカーブの方向と一致する場合には、ハンドルを切り戻すように転舵状態を復帰させてゆく操舵支援の際の操舵トルク量より大きく設定された操舵支援の操舵トルクを付与することを特徴とする車両用操舵支援装置。

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