以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した通信システムの一実施の形態を示すブロック図である。通信システム1は、車載システム11、携帯電話機12、リーダライタ13、情報処理装置14、および、サーバ15を含むように構成される。リーダライタ13と情報処理装置14とは接続され、情報処理装置14とサーバ15とは、例えば、インターネットまたは専用線などにより構成されるネットワーク16を介して相互に接続されている。
車載システム11は、各種の自動車(例えば、自家用車、トラック、バスなど)、二輪車などの車両に設けられるシステムであり、車両の動作を制御したり、ドライバや乗客に各種の機能を提供する。車載システム11は、近接通信制御装置31、車載装置32−1乃至32−n、および、通信装置33を含むように構成される。近接通信制御装置31、車載装置32−1乃至32−n、および、通信装置33は、車載ネットワーク41を介して、相互に接続されている。なお、以下、車載システム11が、自動車に設けられる場合の例について説明する。
近接通信制御装置31は、携帯電話機12との間で、所定の周波数の搬送波を使用した、電磁誘導による近接通信を行う。近接通信制御装置31が使用する搬送波の周波数としては、例えば、ISM(Industrial Scientific Medical)バンドの13.56MHzなどを採用することができる。なお、近接通信とは、通信する装置どうしの距離が、数10cm以内となって可能となる通信を意味し、通信する装置同士(の筐体)が接触して行う通信も含まれる。
近接通信制御装置31は、所定の電磁波を発信した状態で付加状態を監視することにより、携帯電話機12が通信可能な位置にあるか否かを検出する。携帯電話機12が通信可能な位置にある場合、近接通信制御装置31は、携帯電話機12との間で各種のコマンドの送受信を行う。
また、近接通信制御装置31は、車載ネットワーク41を介して、車載装置32−1乃至32−nおよび通信装置33と各種の情報の送受信を行い、車載装置32−1乃至32−nの状態を検出したり、車載装置32−1乃至32−nの処理を制御する。
車載装置32−1乃至32−nは、車両の動作を制御したり、ドライバや乗客に各種の機能を提供するために車両に設けられる装置である。車載装置32−1乃至32−nは、例えば、ナビゲーション装置、オーディオ装置、エンジン制御装置、燃料タンク制御装置、キー制御装置などにより構成される。なお、以下、車載装置32−1乃至32−nを特に区別する必要がない場合、単に、車載装置32と称する。
通信装置33は、車載装置の一種であり、無線通信により、ネットワーク16に接続して、ネットワーク16に接続されている情報処理装置14およびサーバ15と通信を行う。通信装置33の通信には、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11(802.11a,802.11b,802.11gなど)により規定される無線LAN(Local Area Network)の規格、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、PIAFS(Personal Handyphone System Internet Access Forum Standard)などの携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)の通信規格、Bluetooth(商標)などの規格を適用することができる。また、通信装置33は、車載ネットワーク41を介して、車載装置32−1乃至32−nと各種の情報の送受信を行う。
携帯電話機12は、PDC(Personal Digital Cellular)方式またはW-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式に準拠した無線通信を、図示せぬ基地局と行う。携帯電話機12は、基地局と通信することにより、他の携帯電話機と通話を行ったり、図示せぬネットワークに接続されているサーバと、各種の情報(例えば、メール、プログラム、ウェブサイトの情報など)の送受信を行う。また、携帯電話機12は、非接触型のIDタグ機能を有しており、近接通信制御装置31、および、リーダライタ13と、近接通信を行う。さらに、携帯電話機12は、自らリーダライタ機能を有しており、自分が有するIDタグ機能に対して、データの読み書きを行う。
リーダライタ13および情報処理装置14は、携帯電話機12に各種のサービスを提供する装置である。
リーダライタ13は、近接通信制御装置31と同様に、携帯電話機12と近接通信を行う。リーダライタ13は、携帯電話機12から受信したコマンドに含まれる情報を情報処理装置14に供給する。また、リーダライタ13は、情報処理装置14から供給された情報を書き込むコマンドを携帯電話機12に送信する。
情報処理装置14は、例えば、コンピュータ、サーバ、ATM(Automatic Teller Machine)、または、POS(Point of Sales)システム、EDI(Electronic Data Interchange)システム、ECR(Efficient Consumer Response)システムなどの端末装置などにより構成される。情報処理装置14は、リーダライタ13を介して携帯電話機12から受信した情報、または、ネットワーク16を介して、車載システム11から受信した情報に基づく処理を行う。
なお、リーダライタ13および情報処理装置14を1つの装置により構成するようにしてもよい。また、リーダライタ13および情報処理装置14は、その用途により、車載システム11が設けられている車両の内部に人や荷物などとともに持ち込まれる場合がある。
サーバ15は、車載システム11に各種のサービスを提供する装置であり、ネットワーク16を介して、車載システム11から受信した情報に基づく処理を行う。
なお、図1では、説明を簡略にするために、車載システム11、携帯電話機12、リーダライタ13、情報処理装置14、サーバ15、および、ネットワーク16を1つずつ設けるようにした例を示しているが、もちろん、それぞれ2つ以上設けるようにすることも可能である。
図2は、近接通信制御装置31の機能の構成の例を示すブロック図である。近接通信制御装置31は、コントローラ101、アンテナ102、入力部103、表示部104、および、センサ105を含むように構成される。また、コントローラ101は、CPU(Central Processing Unit)111、SCC(Serial Communication Controller)112、記憶部113、復調部114、変調部115、発振部116、および、ドライブ117を含むように構成される。入力部103、表示部104、センサ105、CPU111、SCC112、記憶部113、および、ドライブ117は、バス121を介して相互に接続されている。
CPU111は、復調部114を介して携帯電話機12から受信したコマンドや、車載ネットワーク41、SCC112およびバス121を介して、車載装置32または通信装置33から入力される情報に基づいて、記憶部113に記憶されているプログラムに従って、入力されたコマンドや情報に従った処理を実行する。例えば、CPU111は、携帯電話機12に送信するコマンドを変調部115に出力したり、車載装置32または通信装置33に供給する情報を、バス121を介してSCC112に供給する。また、CPU111は、携帯電話機12から送信されたコマンドに対して所定の処理(例えば、マンチェスタ符号化されたデータの復号など)を施す。さらに、CPU111は、携帯電話機12に送信するコマンドに対しても、所定の処理(例えば、マンチェスタ符号化など)を行った後、変調部115に供給する。
SCC112は、車載ネットワーク41を介して車載装置32または通信装置33から入力された情報を、バス121を介して、CPU111に供給する。また、SCC112は、CPU111から、バス121を介して入力された情報を、車載ネットワーク41を介して車載装置32または通信装置33に供給する。
記憶部113は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどにより構成される。記憶部113は、データの処理に必要な情報を予め記憶したり、処理途中のデータを一時的に記憶する。また、記憶部113は、CPU111が使用するプログラムを格納する。また、記憶部113は、近接通信制御装置31を一意に識別し、携帯電話機12との間の認証処理に用いられる車両IDを格納する。また、記憶部113は、携帯電話機12を一意に識別するための携帯IDであって、近接通信制御装置31との情報の送受信が許可されている携帯電話機12の携帯IDを格納する。
復調部114は、アンテナ102を介して、携帯電話機12から受信した変調波(例えば、ASK変調波)を復調し、復調したデータをCPU111に出力する。
変調部115は、発振部116より供給される所定の周波数(例えば13.56MHz)の搬送波を、CPU111より供給されるデータに基づいて変調(例えば、ASK変調)し、生成された変調波を、アンテナ102を介して、電波として携帯電話機12に出力する。
ドライブ117は、必要に応じてバス121に接続される。ドライブ117は、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア118が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部113に転送され、記録される。
入力部103は、例えば、キーボード、マウス、スイッチ、ボタンなどにより構成され、ユーザが近接通信制御装置31に各種の指令やデータなどを入力するとき操作される。
表示部104は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CPU111により処理される画像を表示する。
センサ105は、光電センサ、マイクロ波センサ、超音波センサなどの物体の接近を検出するセンサ、カメラ、座席に人が座っているか否かを検出する着座センサなどにより構成され、主に車内の人の存在を検出するために用いられる。センサ105は、検出したデータを、バス121を介してCPU111に供給する。
図3は、近接通信制御装置31のコントローラ101のCPU111が所定のプログラムを実行することにより実現される機能の構成の例を示すブロック図である。CPU111が所定のプログラムを実行することにより、通信制御部141、読み出し制御部142、書き込み制御部143、認証処理部144、状態監視部145、処理情報取得部146、車載装置制御部147、携帯電話機制御部148、決済処理部149、および、有料情報取得部150を含む機能が実現される。
通信制御部141は、アンテナ102、および、復調部114または変調部115を介して、携帯電話機12との間の通信の確立、各種のコマンドの送受信の制御などを行う。通信制御部141は、携帯電話機12から受信したコマンドを、必要に応じて、読み出し制御部142または書き込み制御部143に供給する。また、通信制御部141は、読み出し制御部142または書き込み制御部143から供給されるコマンドを変調部115に供給する。
読み出し制御部142は、認証処理部144、処理情報取得部146、携帯電話機制御部148、または、決済処理部149から供給された、情報の読み出しの指令に基づいて、携帯電話機12からの情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを生成し、生成した読み出しコマンドを通信制御部141に供給する。読み出し制御部142は、読み出しコマンドに対する携帯電話機12からの応答である読み出し応答コマンドを通信制御部141から取得し、取得した読み出し応答コマンドに格納されている情報を、認証処理部144、処理情報取得部146、携帯電話機制御部148、または、決済処理部149に供給する。
また、読み出し制御部142は、入力部103およびバス121を介して、ユーザにより入力された、情報の読み出しの指令に基づいて、携帯電話機12からの情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを生成し、生成した読み出しコマンドを通信制御部141に供給する。読み出し制御部142は、読み出しコマンドに対する携帯電話機12からの応答である読み出し応答コマンドを通信制御部141から取得し、取得した読み出し応答コマンドに格納されている情報を、必要に応じて、近接通信制御装置31の各部に供給する。
さらに、読み出し制御部142は、車載ネットワーク41、SCC112、および、バス121を介して、車載装置32または通信装置33から供給された、情報の読み出しの指令に基づいて、携帯電話機12からの情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを生成し、生成した読み出しコマンドを通信制御部141に供給する。読み出し制御部142は、読み出しコマンドに対する携帯電話機12からの応答である読み出し応答コマンドを通信制御部141から取得し、取得した読み出し応答コマンドに格納されている情報を、バス121、SCC112、および、車載ネットワーク41を介して、車載装置32または通信装置33に供給する。
書き込み制御部143は、認証処理部144、状態監視部145、携帯電話機制御部148、または、決済処理部149から供給された、情報の書き込みの指令に基づいて、携帯電話機12への情報の書き込みを要求する書き込みコマンドを生成し、生成した書き込みコマンドを通信制御部141に供給する。また、書き込み制御部143は、入力部103およびバス121を介して、ユーザにより入力された、情報の書き込みの指令に基づいて、携帯電話機12への情報の書き込みを要求する書き込みコマンドを生成し、生成した書き込みコマンドを通信制御部141に供給する。さらに、書き込み制御部143は、車載ネットワーク41、SCC112、および、バス121を介して、車載装置32または通信装置33から供給された、情報の書き込みの指令に基づいて、携帯電話機12への情報の書き込みを要求する書き込みコマンドを生成し、生成した書き込みコマンドを通信制御部141に供給する。
認証処理部144は、携帯電話機12から送信された携帯IDを示す情報を読み出し制御部142から取得し、取得した携帯IDを用いて、携帯電話機12の認証を行う。認証処理部144は、携帯電話機12を認証した場合、認証した携帯電話機12と通信を行っていることを示す情報を状態監視部145、処理情報取得部146、車載装置制御部147、携帯電話機制御部148、および、決済処理部149に供給する。また、認証処理部144は、記憶部113に記憶されている車両IDを読み出し、読み出した車両IDを示す情報を読み出し制御部142に供給する。さらに、認証処理部144は、入力部103およびバス121を介して、ユーザにより入力された、車両IDまたは携帯IDの書き込みの指令に基づいて、車両IDまたは携帯IDを記憶部113に記憶させる。
状態監視部145は、車載ネットワーク41、SCC112、および、バス121を介して、車載ネットワーク41に接続されている車載装置32および通信装置33から供給される情報に基づいて、車載システム11が設けられている車両の状態を検出する。なお、状態監視部145が検出する車両の状態には、車載装置32および通信装置33の種類および状態も含まれる。状態監視部145は、検出した車両の状態を示す情報を、処理情報取得部146および携帯電話機制御部148に供給する。また、状態監視部145は、携帯電話機12に通知する必要がある車両の状態を示す情報を、書き込み制御部143に供給する。
処理情報取得部146は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、車両の状態に応じた車載装置32の処理に用いる情報、車両に関する情報など、携帯電話機12から読み出す情報を決定する。処理情報取得部146は、決定した情報を示す情報を読み出し制御部142に供給する。また、処理情報取得部146は、読み出し制御部142から取得した、携帯電話機12から送信された情報を車載装置制御部147に供給する。
車載装置制御部147は、処理情報取得部146または決済処理部149から取得した情報に基づいて、車載ネットワーク41を介して、車載装置32または通信装置33の処理を制御する。
携帯電話機制御部148は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、携帯電話機12の処理を制御するために携帯電話機12から読み出す情報を決定する。携帯電話機制御部148は、決定した情報を示す情報を読み出し制御部142に供給する。また、携帯電話機制御部148は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、車両の状態に応じた携帯電話機12の処理に用いる情報を生成する。携帯電話機制御部148は、生成した情報を書き込み制御部143に供給する。
決済処理部149は、入力部103およびバス121を介して、ユーザにより入力された、サーバ15が提供する所定の有料サービスの決済の指令を取得する。決済処理部149は、ユーザにより決済が指令された有料サービスを示す情報を有料情報取得部150に供給する。また、決済処理部149は、有料サービスに関する情報を有料情報取得部150から取得する。さらに、決済処理部149は、携帯電話機12の電子マネーの情報(例えば、電子マネーの残高など)の取得を指示する情報を読み出し制御部142に供給し、携帯電話機12の電子マネーの情報を読み出し制御部142から取得する。また、決済処理部149は、バス121、SCC112、車載ネットワーク41、通信装置33、および、ネットワーク16を介して、サーバ15と通信を行い、有料サービスの決済を行う。さらに、決済処理部149は、決済後の電子マネーの情報を書き込み制御部143に供給する。また、決済処理部149は、決済が終了した有料サービスに関する情報を車載装置制御部147に供給する。
有料情報取得部150は、バス121、SCC112、車載ネットワーク41、通信装置33、および、ネットワーク16を介して、サーバ15と通信を行い、サーバ15が提供する有料サービスに関する情報を取得する。
図4は、携帯電話機12の機能の構成の例を示すブロック図である。携帯電話機12は、制御部201、アンテナ202、RF(Radio Frequency)部203、DSP(Digital Signal Processor)204、音声コーデック205、スピーカ206、マイクロフォン207、表示部208、入力部209、カメラ210、不揮発性メモリ211、RAM212、および、近接通信部213を含むように構成される。
制御部201は、不揮発性メモリ211に格納されている制御プログラムをRAM212に展開し、展開した制御プログラムに従って、携帯電話機12の全体の動作を制御する。
RF部203は、アンテナ202を介して、基地局との間で電波を送受信し、例えば、音声通話モード時において、アンテナ202で受信されたRF信号を増幅して周波数変換処理およびアナログディジタル変換処理等の所定の処理を施し、得られた音声データをDSP204に出力する。また、RF部203は、DSP204から音声データが供給されてきたとき、ディジタルアナログ変換処理、および周波数変換処理等の所定の処理を施し、得られた音声信号をアンテナ202から送信する。
また、RF部203は、アンテナ202を介して、基地局との間で電波を送受信し、例えば、データ通信モード時において、アンテナ202で受信されたRF信号を増幅して周波数変換処理およびアナログディジタル変換処理等の所定の処理を施し、得られた非音声データ(例えば、テキストデータなど)をDSP204に出力する。また、RF部203は、DSP204から非音声データが供給されてきたとき、ディジタルアナログ変換処理、および周波数変換処理等の所定の処理を施し、得られた非音声信号をアンテナ202から送信する。
DSP204は、RF部203から供給されてきた音声データに対して、例えば、スペクトラム逆拡散処理を施し、得られたデータを音声コーデック205に出力する。また、DSP204は、音声コーデック205から供給されてきた音声データに対してスペクトラム拡散処理を施し、得られたデータをRF部203に出力する。
さらに、DSP204は、RF部203から供給されてきた非音声データに対して、例えば、スペクトラム逆拡散処理を施し、得られたデータを制御部201に出力する。また、DSP204は、制御部201から供給されてきた非音声データに対してスペクトラム拡散処理を施し、得られたデータをRF部203に出力する。
音声コーデック205は、マイクロフォン207により集音されたユーザの音声を音声データに変換し、それをDSP204に出力する。また、音声コーデック205は、DSP204から供給されてきた音声データをアナログ音声信号に変換し、対応する音声信号をスピーカ206から出力する。
表示部208は、例えば、LCDにより構成され、制御部201から供給されてきた情報に対応する画像を表示する。
入力部209は、携帯電話機12の表面に操作部として設けられている通話ボタン、電源ボタン、およびテンキー等のボタンからの入力を検出し、対応する信号を制御部201に出力する。
カメラ210は、撮像した画像を制御部201に供給する。
近接通信部213は、近接通信制御装置31またはリーダライタ13と近接通信を行う。近接通信部213は、リーダライタ13、近接通信制御装置31または制御部201から送信されてくるコマンドに応じて、コマンドとともに送信されてくる情報を記憶したり、コマンドに応じた処理を行う。また、近接通信部213、必要に応じて、リーダライタ13または近接通信制御装置31から送信されてくるコマンドを制御部31に供給したり、制御部201から供給されるコマンドをリーダライタ13または近接通信制御装置31から送信されてくるコマンドを制御部201に供給する。
ドライブ221は、必要に応じて制御部201に接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア222が適宜接続され、そこから読み出されプログラムが、不揮発性メモリ211にインストールされる。
図5は、制御部201が所定のプログラムを実行することにより実現される機能の構成の例を示すブロック図である。制御部201が所定のプログラムを実行することにより、リーダライタ処理部231および動作制御部232を含む機能が実現される。
リーダライタ処理部231は、通信制御部241、読み出し制御部242、および、書き込み制御部243を含むように構成され、近接通信部213への情報の読み出し、または、近接通信部213からの情報の書き込みを行う。
通信制御部241は、近接通信部213との間の通信の確立、各種のコマンドの送受信の制御などを行う。通信制御部241は、近接通信部213から受信したコマンドを、必要に応じて、読み出し制御部242または書き込み制御部243に供給する。また、通信制御部241は、読み出し制御部242または書き込み制御部243から供給されるコマンドの近接通信部213に供給する。
読み出し制御部242は、動作制御部232による情報の読み出しを指令に基づいて、近接通信部213からの情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを生成し、生成した読み出しコマンドを通信制御部241に供給する。読み出し制御部242は、読み出しコマンドに対する近接通信部213からの応答である読み出し応答コマンドを通信制御部241から取得し、取得した読み出し応答コマンドに格納されている情報を動作制御部232に供給する。
書き込み制御部243は、動作制御部232による情報の書き込みを指令する情報に基づいて、近接通信部213への情報の書き込みを要求する書き込みコマンドを生成し、生成した書き込みコマンドを通信制御部241に供給する。
動作制御部232は、リーダライタ処理部231を含む携帯電話機12の全体の動作を制御する。
図6は、近接通信部213の機能の構成の例を示すブロック図である。近接通信部213は、アンテナ261、ASK変復調部262、BPSK変復調部263、CPU264、通信部265、および、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)266を含むように構成される。
近接通信部213がリーダライタ13または近接通信制御装置31からコマンドを受信する場合、ASK変復調部262は、アンテナ261から供給された変調波(ASK変調波)を検波して復調し、復調後のコマンドをBPSK変復調部263に供給する。
BPSK変復調部263は、ASK変復調部262から供給された変調波(BPSK変調波)を復調し、さらにマンチェスタコードの復調(デコード)を行う。BPSK変復調部263は、復調したコマンドをCPU264に供給する。
一方、近接通信部213からリーダライタ13または近接通信制御装置31へコマンドを送信する場合、BPSK変復調部263は、CPU264から供給されたコマンドをマンチェスタ符号化し、さらにBPSK変調する。BPSK変復調部263は、変調したコマンドをASK変復調部262に供給する。
ASK変復調部262は、BPSK変復調部263から供給されたコマンド(データ)に対応して、例えば、図示せぬ所定のスイッチング素子をオン/オフさせる。スイッチング素子がオン状態である場合には、所定の負荷がアンテナ261に並列に接続されることになり、スイッチング素子をオン/オフさせることによって、アンテナ261の負荷が変動する。ASK変復調部262は、アンテナ261の負荷の変動により、アンテナ261を介して受信している変調波をASK変調し、その変調波を、(アンテナ261を介して)リーダライタ13のアンテナ302(図8)または近接通信制御装置31のアンテナ102(図2)に送信する。
逆に言えば、リーダライタ13または近接通信制御装置31は、近接通信部213からコマンドを受信するとき、すなわち、近接通信部213に所定のコマンドを送信させるとき、変調波の最大振幅を一定にして変調波(キャリア)を出力する。この近接通信制御装置31が出力する変調波(キャリア)が、リーダライタ13のアンテナ302または近接通信部213のアンテナ102の負荷の変動により、ASK変調(負荷変調)される。
CPU264は、BPSK変復調部263から供給されたコマンド、または、通信部265を介して制御部201から受信したコマンドに基づいて、所定の処理を実行する。例えば、入力されたコマンドがEEPROM266への情報(データ)の書き込み要求である場合、書き込みが要求された情報をEEPROM266に記憶させる(書き込む)。また、入力されたコマンドがEEPROM266に記憶されている情報(データ)の読み出し要求である場合、CPU264は、対応する情報をEEPROM266から読み出し、BPSK変復調部263、または、通信部265に出力する。
EEPROM266は、不揮発性のメモリであり、近接通信部213が、近接通信制御装置31との通信を終了し、その電力供給が停止された後も、情報を記憶し続ける。また、EEPROM266は、携帯電話機12(近接通信部213)を一意に識別し、近接通信制御装置31との間の認証処理に用いられる携帯IDを格納する。また、記憶部113は、携帯電話機12との情報の送受信が許可されている近接通信制御装置31の車両IDを格納する。
通信部265は、制御部201と各種のコマンドの送受信を行なう。
図7は、近接通信部213のCPU264が所定のプログラムを実行することにより実現される機能の構成の例を示す図である。CPU264が所定のプログラムを実行することにより、通信制御部281、読み出し制御部282、書き込み制御部283、および、認証処理部284を含む機能が実現される。
通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、リーダライタ13または近接通信制御装置31との間の通信の確立、各種のコマンドの送受信の制御などを行う。また、通信制御部281は、リーダライタ13または近接通信制御装置31から受信したコマンドを、必要に応じて、読み出し制御部282もしくは書き込み制御部283、または、通信部265を介して、制御部201に供給する。また、通信制御部281は、制御部201、読み出し制御部282または書き込み制御部283から供給されるコマンドのリーダライタ13または近接通信制御装置31への送信を制御する。
読み出し制御部282は、情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを通信制御部281から取得する。読み出し制御部282は、読み出しコマンドにより読み出しが要求された情報をEEPROM266から読み出す。読み出し制御部282は、読み出した情報を格納した読み出し応答コマンドを生成し、生成した読み出し応答コマンドを通信制御部281に供給する。
書き込み制御部283は、情報の書き込みを要求する書き込みコマンドを通信制御部281から取得する。書き込み制御部283は、書き込みコマンドに格納されている情報をEEPROM266に書き込む。
認証処理部284は、近接通信制御装置31から送信された車両IDを示す情報を読み出し制御部282から取得し、取得した車両IDを用いて、近接通信制御装置31の認証を行う。また、認証処理部284は、EEPROM266に記憶されている携帯IDを読み出し、読み出した携帯IDを示す情報を読み出し制御部282に供給する。さらに、認証処理部284は、書き込み制御部283から車両IDまたは携帯IDの書き込みを要求する書き込みコマンドが供給された場合、書き込みコマンドに含まれる車両IDまたは携帯IDをEEPROM266に記憶させる。
図8は、リーダライタ13の機能の構成の例を示すブロック図である。リーダライタ13は、コントローラ301およびアンテナ302を含むように構成される。また、コントローラ301は、CPU311、SCC312、記憶部313、復調部314、変調部315、発振部316、および、ドライブ317により構成される。CPU311、SCC312、記憶部313、および、ドライブ317は、バス321を介して相互に接続されている。なお、図中、図2と対応する部分については下2桁が同じ符号を付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。
CPU311は、復調部314を介して携帯電話機12から受信したコマンドや、SCC312およびバス321を介して、情報処理装置14から入力される情報に基づいて、記憶部313に記憶されているプログラムに従って、入力されたコマンドや情報に従った処理を実行する。
SCC312は、情報処理装置14から入力された情報を、バス121を介して、CPU311に供給する。また、SCC312は、CPU311から、バス321を介して入力された情報を情報処理装置14に出力する。
図9は、リーダライタ13のCPU311が所定のプログラムを実行することにより実現される機能の構成の例を示すブロック図である。CPU311が所定のプログラムを実行することにより、通信制御部341、読み出し制御部342、および、書き込み制御部343を含む機能が実現される。
通信制御部341は、アンテナ302、および、復調部314または変調部315を介して、携帯電話機12との間の通信の確立、各種のコマンドの送受信の制御などを行う。通信制御部341は、携帯電話機12から受信したコマンドを、必要に応じて、読み出し制御部342または書き込み制御部343に供給する。また、通信制御部341は、読み出し制御部342または書き込み制御部343から供給されるコマンドを変調部315に供給する。
読み出し制御部342は、SCC312およびバス321を介して情報処理装置14から供給された、情報の読み出しの指令に基づいて、携帯電話機12からの情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを生成し、生成した読み出しコマンドを通信制御部341に供給する。読み出し制御部342は、読み出しコマンドに対する携帯電話機12からの応答である読み出し応答コマンドを通信制御部341から取得し、取得した読み出し応答コマンドに格納されている情報を、バス321およびSCC312を介して、情報処理装置14に供給する。
書き込み制御部343は、SCC312およびバス321を介して情報処理装置14から供給された、情報の書き込みの指令に基づいて、携帯電話機12への情報の書き込みを要求する書き込みコマンドを生成し、生成した書き込みコマンドを通信制御部341に供給する。
図10は、情報処理装置14の機能の構成の例を示すブロック図である。情報処理装置14は、CPU401、ROM402、RAM403、入力部404、出力部405、記録部406、通信部407、および、ドライブ408を含むように構成される。CPU401、ROM402、およびRAM403は、バス411を介して相互に接続され、入力部404、出力部405、記録部406、通信部407、および、ドライブ408は、入出力インタフェース412を介して相互に接続される。また、リーダライタ13が、入出力インタフェース412に接続される。バス411および入出力インタフェース412は、相互に接続される。
CPU401は、入出力インタフェース412およびバス411を介して、ユーザが入力部404を用いて入力した処理の指示やデータの入力を受け、入力された処理の指示などに基づいて、ROM402に記憶されているプログラム、または、記録部406からRAM403にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
また、CPU401は、バス411および入出力インタフェース412を介して、リーダライタ13と各種のコマンドの送受信を行う。さらに、CPU401は、バス411、入出力インタフェース412、通信部407、および、ネットワーク16を介して、車載システム11またはサーバ15と各種の情報の送受信を行う。
ROM402は、CPU401が使用するプログラムや演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータを格納する。
RAM403は、CPU401の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータやデータを格納する。
入力部404は、例えば、キーボード、マウス、マイクロフォンなどにより構成され、ユーザがリーダライタ13または情報処理装置14に各種の指令やデータなどを入力するとき操作される。
出力部405は、例えば、ディスプレイ、スピーカなどにより構成され、CPU401により処理される画像を表示したり、各種のデータや音声などを出力する。
記録部406は、例えば、ハードディスクなどにより構成され、CPU401が実行するプログラムや各種のデータを記録する
通信部407は、例えば、ルータ、モデムなどのインタフェースにより構成され、有線通信または無線通信によりネットワーク16に接続して、ネットワーク16に接続されている車載システム11またはサーバ15と通信を行う。
ドライブ408は、必要に応じて入出力インタフェース412に接続される。ドライブ408は、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア409が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部406に転送され、記録される。
図11は、サーバ15の機能の構成の例を示すブロック図である。サーバ15は、CPU501、ROM502、RAM503、入力部504、出力部505、記録部506、通信部507、および、ドライブ508を含むように構成される。CPU501、ROM502、およびRAM503は、バス511を介して相互に接続され、入力部504、出力部505、記録部506、通信部507、および、ドライブ508は、入出力インタフェース512を介して相互に接続される。バス511および入出力インタフェース512は、相互に接続される。なお、図中、図10と対応する部分については下2桁が同じ符号を付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。
CPU501は、入出力インタフェース512およびバス511を介して、ユーザが入力部504を用いて入力した処理の指示やデータの入力を受け、入力された処理の指示などに基づいて、ROM502に記憶されているプログラム、または、記録部506からRAM503にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
また、CPU501は、バス511、入出力インタフェース512、通信部507、および、ネットワーク16を介して、車載システム11または情報処理装置14と各種の情報の送受信を行う。
通信部407は、例えば、ルータ、モデムなどのインタフェースにより構成され、有線通信または無線通信によりネットワーク16に接続して、ネットワーク16に接続されている車載システム11または情報処理装置14と通信を行う。
次に、図12乃至図14を参照して、通信システム1の処理を説明する。
まず、図12および図13のフローチャートを参照して、近接通信制御装置31により実行される車載システム制御処理を説明する。なお、この処理は、例えば、近接通信制御装置31の図示せぬ電源スイッチがオンにされたとき開始される。
ステップS1において、通信制御部141は、携帯電話機12との通信が可能であるか否かを判定する。通信制御部141は、アンテナ102および復調部114を介して入力される信号を基に、携帯電話機12との通信が可能であるか否かを判定する。この判定処理は、携帯電話機12との通信が可能であると判定されるまで、定期的に繰り返され、携帯電話機12との通信が可能であると判定された場合、例えば、携帯電話機12が近接通信制御装置31のアンテナ102付近に翳された場合、処理はステップS2に進む。
ステップS2において、認証処理部144は、認証情報を交換する。具体的には、通信制御部141は、変調部115およびアンテナ102を介して、所定の手順に基づいて、携帯電話機12の通信制御部281(図7)との間の通信を確立する。通信が確立した後、認証処理部144は、記憶部113に記憶されている車両IDを読み出し、読み出した車両IDを読み出し制御部142に供給する。読み出し制御部142は、取得した車両IDを含み、携帯電話機12の携帯IDの読み出しを要求する読み出しコマンドを生成する。読み出し制御部142は、通信制御部141、変調部115、および、アンテナ102を介して、生成した読み出しコマンドを携帯電話機12に送信する。
携帯電話機12は、後述する図14のステップS34において、近接通信制御装置31から送信された読み出しコマンドを受信し、読み出しコマンドに対する応答であり、携帯電話機12の携帯IDを含む読み出し応答コマンドを送信する。
読み出し制御部142は、アンテナ102および復調部114を介して、携帯電話機12から送信された読み出し応答コマンドを受信する。読み出し制御部142は、読み出し応答コマンドに含まれる携帯IDを示す情報を認証処理部144に供給する。
なお、近接通信制御装置31と携帯電話機12との間の認証情報の交換は、なりすまし、データ改ざん、盗聴などを防止することができるセキュリティが高いプロトコルに基づいて行うことが望ましい。
ステップS3において、認証処理部144は、登録された携帯電話機であるか否かを判定する。認証処理部144は、予め記憶部113に記憶されている携帯IDのうち、ステップS2において取得した携帯IDと一致するものがない場合、現在通信している携帯電話機12が登録された携帯電話機でないと判定し、処理はステップS1に戻る。すなわち、これ以降の携帯電話機12との間の情報の送受信は行われない。その後、上述したステップS1以降の処理が実行される。
一方、ステップS3において、認証処理部144は、予め記憶部113に記憶されている携帯IDのうち、ステップS2において取得した携帯IDと一致するものがある場合、現在通信している携帯電話機12が登録された携帯電話機であると判定し、携帯IDが登録されている携帯電話機12と通信を行っていることを示す情報を、状態監視部145、処理情報取得部146、車載装置制御部147、携帯電話機制御部148、および、決済処理部149に供給する。その後、処理はステップS4に進む。
ステップS4において、状態監視部145は、車両の状態を検出する。具体的には、状態監視部145は、車載ネットワーク41、SCC112、および、バス121を介して、車載ネットワーク41に接続されている車載装置32および通信装置33から供給される情報に基づいて、車載装置32および通信装置33の種類および状態を含む車両の状態を検出する。状態監視部145は、検出した車両の状態を示す情報を処理情報取得部146および携帯電話機制御部148に供給する。
ステップS5において、読み出し制御部142は、携帯電話機12から情報を取得するか否かを判定する。具体的には、処理情報取得部146は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、車両の状態に応じた車載装置32の処理に用いる情報、車両に関する情報など、携帯電話機12から読み出す情報を決定する。処理情報取得部146は、決定した情報を示す情報を読み出し制御部142に供給する。
また、携帯電話機制御部148は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、携帯電話機12の処理を制御するために携帯電話機12から読み出す情報を決定する。携帯電話機制御部148は、決定した情報を示す情報を読み出し制御部142に供給する。
読み出し制御部142は、処理情報取得部146および携帯電話機制御部148から取得した情報に基づいて、携帯電話機12から取得する情報があると判定した場合、処理はステップS6に進む。
ステップS6において、読み出し制御部142は、情報の送信を要求する。具体的には、読み出し制御部142は、車載装置制御部147または携帯電話機制御部148から指示された情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを生成する。読み出し制御部142は、通信制御部141、変調部115、および、アンテナ102を介して、生成した読み出しコマンドを携帯電話機12に送信する。
携帯電話機12は、後述する図14のステップS36において、近接通信制御装置31から送信された読み出しコマンドを受信し、ステップS37において、読み出しコマンドに対する応答であり、要求された情報を含む読み出し応答コマンドを送信する。
ステップS7において、読み出し制御部142は、情報を受信する。具体的には、読み出し制御部142は、アンテナ102および復調部114を介して、携帯電話機12から送信された読み出し応答コマンドを受信する。読み出し制御部142は、読み出し応答コマンドに含まれる情報を、必要に応じて、処理情報取得部146または携帯電話機制御部148に供給する。
ステップS8において、車載装置制御部147は、車載装置の処理を制御する。具体的には、処理情報取得部146は、ステップS7において携帯電話機12から所得した情報を車載装置制御部147に供給する。車載装置制御部147は、取得した情報に基づいて、例えば、車載装置32または通信装置33の各種の設定を行ったり、取得した情報を車載装置32または通信装置33に供給し、その情報に対応した処理を車載装置32または通信装置33に実行させる。また、処理情報取得部146は、必要に応じて、バス121を介して、携帯電話機12から取得した情報を記憶部113に記憶させる。
一方、ステップS5において、携帯電話機12から取得する情報がないと判定された場合、ステップS6乃至S8の処理はスキップされ、処理はステップS9に進む。
ステップS9において、状態監視部145は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、車両の状態を通知するタイミングであるか否かを判定する。車両の状態を通知するタイミングであると判定された場合、処理はステップS10に進む。
ステップS10において、書き込み制御部143は、情報を送信する。具体的には、状態監視部145は、通知する必要がある車両の状態を示す情報を書き込み制御部143に供給する。書き込み制御部143は、車両の状態を示す情報を含む書き込みコマンドを生成する。書き込み制御部143は、通信制御部141、変調部115、および、アンテナ102を介して、生成した書き込みコマンドを携帯電話機12に送信する。
携帯電話機12は、後述する図14のステップS39において、近接通信制御装置31から送信された書き込みコマンドを受信する。
一方、ステップS9において、車両の状態を通知するタイミングでないと判定された場合、ステップS10の処理はスキップされ、処理はステップS11に進む。
ステップS11において、携帯電話機制御部148は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、携帯電話機12の処理を制御するタイミングであるか否かを判定する。携帯電話機12の処理を制御するタイミングであると判定された場合、処理はステップS12に進む。
ステップS12において、書き込み制御部143は、情報を送信する。具体的には、携帯電話機制御部148は、車両の状態、または、予め近接通信制御装置31に設定されている設定情報などに基づいて、車両の状態に対応した携帯電話機12の処理に用いる情報を生成する。携帯電話機制御部148は、生成した情報を書き込み制御部143に供給する。書き込み制御部143は、取得した情報を含む書き込みコマンドを生成する。書き込み制御部143は、通信制御部141、変調部115、および、アンテナ102を介して、生成した書き込みコマンドを携帯電話機12に送信する。
一方、ステップS11において、携帯電話機12の処理を制御するタイミングでないと判定された場合、ステップS12の処理はスキップされ、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、通信制御部141は、通信を終了するか否かを判定する。通信を終了しないと判定された場合、処理はステップS4に戻り、ステップS13において、通信を終了すると判定されるまで、ステップS4乃至S13の処理が繰返し実行される。
一方、ステップS13において、通信制御部141は、例えば、携帯電話機12との間で所定の時間以上コマンドの送受信が行われなかった場合、携帯電話機12との間の通信が不可能になった場合、または、ユーザが入力部103を介して、携帯電話機12との間の通信の終了を指示する情報を入力した場合、通信を終了すると判定し、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、通信制御部141は、所定の手順に基づいて、携帯電話機12との間の通信を終了する。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
次に、図14のフローチャートを参照して、図12および図13の近接通信制御装置31の車載システム制御処理に対応して、携帯電話機12により実行される通信処理を説明する。
ステップS31において、通信制御部281は、車載システム用の情報が入力されたか否かを判定する。具体的には、例えば、携帯電話機12がリーダライタ13に翳され、車載システム11が使用したり蓄積したりする車載システム用の情報の書き込みを要求する書き込みコマンドがリーダライタ13から送信されてきた場合、通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、その書き込みコマンドを受信する。
また、例えば、制御部201の動作制御部232(図5)は、基地局からメールで送信されてきたり、ウェブサイトからダウンロードした車載システム用の情報を、アンテナ202、RF部203、および、DSP204を介して受信したり、ユーザが入力部209などを介して入力した車載システム用の情報を取得した場合、取得した車載システム用の情報を書き込み制御部243に供給する。書き込み制御部243は、取得した車載システム用の情報を含む書き込みコマンドを生成し、生成した書き込みコマンドを、通信制御部241および通信部265を介して、通信制御部281に供給する。
通信制御部281は、リーダライタ13または制御部201から車載システム用の情報を含む書き込みコマンドを取得した場合、車載システム用の情報が入力されたと判定し、処理はステップS32に進む。
ステップS32において、書き込み制御部283は、情報を記憶させる。具体的には、通信制御部281は、ステップS1において取得した書き込みコマンドを書き込み制御部283に供給する。書き込み制御部283は、書き込みコマンドに基づいて、書き込みコマンドに含まれる車載システム用の情報をEEPROM266に記憶させる。
一方、ステップS31において、車載システム用の情報が入力されていないと判定された場合、ステップS32の処理はスキップされ、処理はステップS33に進む。
ステップS33において、通信制御部281は、近接通信制御装置31との通信が可能であるか否かを判定する。近接通信制御装置31との通信が可能でないと判定された場合、処理はステップS31に戻り、上述したステップS31以降の処理が実行される。
一方、ステップS33において、通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、近接通信制御装置31から通信を確立するためのコマンドを受信した場合、近接通信制御装置31との通信が可能であると判定し、処理はステップS34に進む。
ステップS34において、認証処理部284は、認証情報を交換する。具体的には、通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、所定の手順に基づいて、近接通信制御装置31との間の通信を確立する。通信が確立した後、読み出し制御部282は、アンテナ261、ASK変復調部262、BPSK変復調部263、および、通信制御部281を介して、上述した図12のステップS2において、近接通信制御装置31から送信された読み出しコマンドを受信する。
読み出し制御部282は、受信した読み出しコマンドに含まれる車両IDを示す情報を認証処理部284に供給する。認証処理部284は、EEPROM266に記憶されている携帯電話機12の携帯IDを読み出し、読み出し制御部282に供給する。読み出し制御部282は、読み出しコマンドに対する応答であり、携帯電話機12の携帯IDを含む読み出し応答コマンドを生成する。読み出し制御部282は、BPSK変復調部263、ASK変復調部262、および、アンテナ261を介して、生成した読み出し応答コマンドを近接通信制御装置31に送信する。
ステップS35において、認証処理部284は、登録された車両であるか否かを判定する。認証処理部284は、予めEEPROM266に記憶されている車両IDのうち、ステップS34において取得した車両IDと一致するものがない場合、近接通信制御装置31が設けられている車両が登録された車両でないと判定し、処理はステップS31に戻る。すなわち、これ以降の近接通信制御装置31との間の情報の送受信は行われない。その後、上述したステップS31以降の処理が実行される。
一方、ステップS35において、認証処理部144は、予めEEPROM266に記憶されている車両IDのうち、ステップS34において取得した車両IDと一致するものがある場合、近接通信制御装置31が設けられている車両が登録された車両であると判定し、処理はステップS36に進む。
ステップS36において、通信制御部281は、情報の送信が要求されたか否かを判定する。通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、上述した図12のステップS6において、近接通信制御装置31から送信された読み出しコマンドを受信した場合、情報の送信が要求されたと判定し、処理はステップS37に進む。
ステップS37において、読み出し制御部282は、情報を送信する。具体的には、通信制御部281は、受信した読み出しコマンドを読み出し制御部282に供給する。読み出し制御部282は、読み出しコマンドにより要求された情報をEEPROM266から読み出し、読み出した情報を含む読み出し応答コマンドを生成する。読み出し制御部282は、通信制御部281、BPSK変復調部263、ASK変復調部262、および、アンテナ261を介して、生成した読み出し応答コマンドを近接通信制御装置31に送信する。
一方、ステップS36において、情報の送信が要求されていないと判定された場合、ステップS37の処理はスキップされ、処理はステップS38に進む。
ステップS38において、通信制御部281は、情報が送信されてきたか否かを判定する。通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、上述した図12のステップS10またはS12において、近接通信制御装置31から送信された書き込みコマンドを受信した場合、情報が送信されてきたと判定し、処理はステップS39に進む。
ステップS39において、通信制御部281は、情報を供給する。具体的には、通信制御部281は、ステップS38において受信した書き込みコマンドを、必要に応じて、書き込み制御部283、または、通信部265を介して、動作制御部232に供給する。
ステップS40において、携帯電話機12は、受信した情報に対応した処理を行う。具体的には、例えば、書き込み制御部283は、ステップS39において、書き込みコマンドを取得した場合、書き込みコマンドに基づいて、書き込みコマンドに含まれる情報をEEPROM266に記憶させる。また、例えば、動作制御部232は、ステップS39において、書き込みコマンドを取得した場合、書き込みコマンドに含まれる情報に基づいて、携帯電話機12の処理を制御する。
一方、ステップS38において、情報が送信されてきていないと判定された場合、ステップS39およびS40の処理はスキップされ、処理はステップS41に進む。
ステップS41において、通信制御部281は、通信を終了するか否かを判定する。通信を終了しないと判定された場合、処理はステップS36に戻り、ステップS41において、通信を終了すると判定されるまで、ステップS36乃至S41の処理が繰返し実行される。
一方、ステップS41において、通信制御部281は、例えば、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、近接通信制御装置31から通信の切断を要求するコマンドを受信した場合、または、近接通信制御装置31との間で所定の時間以上コマンドの送受信が行われなかった場合、通信を終了すると判定し、処理はステップS42に進む。
ステップS42において、通信制御部281は、所定の手順に基づいて、近接通信制御装置31との間の通信を終了する。その後、処理はステップS31に戻り、ステップS31以降の処理が実行される。
ここで、図12乃至図14を用いて説明した通信システム1の処理を利用することにより、車載システム11が設けられている車両を利用するユーザの利便性を向上させる方法の具体的な例について説明する。
例えば、表示部208を見ながら車両の各種の設定を行うための設定情報の生成および変更を行うことができるアプリケーションプログラムを携帯電話機12にインストールし、そのアプリケーションプログラムを利用して生成または変更した設定情報を携帯電話機12に記憶させる。そして、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、携帯電話機12から設定情報を読み出し、その設定情報に基づいて、車両(車載装置32)の各種の設定を行う。
例えば、この方法により車両の各種のスイッチの設定を行うようにした場合、直接操作しなくてもスイッチの設定を変更することができるようになる。これにより、例えば、使用頻度が少ないスイッチを目につかない場所に設けることができ、誤操作が減るとともに、車両のデザインの自由度が向上する。
また、例えば、この方法により自動車のインストルメントパネル(インパネ)に表示される計器類のデザインの設定を行うようにすることができる。
なお、例えば、専用のアプリケーションプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータなど外部の装置を利用して設定情報を生成または変更し、その設定情報を携帯電話機12に入力し記憶させるようにしてもよい。
また、例えば、所定のアプリケーションプログラムなどを利用して携帯電話機12に事前に立てた車両の運行スケジュールを記憶させる。そして、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、携帯電話機12から運行スケジュールの情報を読み出し、読み出した情報を端末装置32であるナビゲーション装置に転送する。ナビゲーション装置は、取得した情報に基づいて、迅速に運行ルートを設定し、運行案内を開始する。これにより、自宅などで旅行の計画を立てながら、運行スケジュールを登録することができ、出発時にナビゲーション装置を設定する手間を省略することができる。
さらに、例えば、メール、ウェブサイトなどを通じて取得したり、各種の店舗、施設などに設置されたリーダライタ13から取得した観光情報、位置情報、店舗情報などを携帯電話機12に記憶させる。そして、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、携帯電話機12からそれらの情報を読み出し、読み出した情報を端末装置32であるナビゲーション装置に転送する。ナビゲーション装置は、取得した情報に基づいて、迅速に運行ルートを設定し、運行案内を開始する。これにより、所望の運行ルートを簡単に設定することができるともに、ナビゲーション装置を設定する手間を省略することができる。
また、例えば、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、携帯電話機12が受信したメールを読み出し、読み出したメールを車載装置32であるナビゲーション装置またはオーディオ装置に転送する。ナビゲーション装置またはオーディオ装置は、メールの内容を音声で通知する。これにより、運転しながらでも、メールの内容を確認することができる。なお、複数の人が乗車している場合、他の人にメールの内容を知られないように、骨伝導などの生体伝導手段により、メールの内容を通知するようにしてもよい。
さらに、例えば、表示部208に表示させたTV番組表、ラジオ番組表などに基づいて、所望の番組のリストを設定した番組情報を携帯電話機12に記憶させる。そして、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、携帯電話機12から番組情報を読み出し、読み出した番組情報を車載装置32であるテレビジョン装置またはオーディオ装置に転送する。テレビジョン装置またはオーディオ装置は、番組情報に設定された番組を順次受信し、表示または出力する。これにより、所望の番組を見たり聞いたりするために、テレビジョン装置またはオーディオ装置を操作する手間を省略することができ、例えば、運転に集中することができるようになる。
また、例えば、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、カメラ210により撮影されたり、携帯電話機12に記憶されている画像を読み出し、読み出した画像を車載装置32であるナビゲーション装置またはテレビジョン装置に転送する。ナビゲーション装置またはテレビジョン装置は、取得した画像を表示させる。また、近接通信制御装置31は、所定のメールアドレスを携帯電話機12から読み出し、通信装置33を介して、読み出したメールアドレス宛に画像を転送するようにすることも可能である。なお、例えば、顔や指紋などの生体情報の画像、生体情報の特徴量を示す画像、携帯電話機12に予め登録されている認証用の画像を携帯電話機12から読み出し、読み出した画像を用いてドライバの認証を行うようにすることも可能である。
さらに、例えば、通信装置33が、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(商標)など、通信を行うためにIDなどを設定する必要がある方法により通信を行う場合、携帯電話機12にそのIDなどの情報を記憶させておく。そして、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、携帯電話機12に予め記憶されているIDなどの情報を読み出し、読み出した情報に基づいて、通信装置33の設定を行う。これにより、通信の開始時にIDなどの入力の操作を行う手間を省略することができる。
また、例えば、販売店、整備サービス店などに設置されたリーダライタ13を用いて、携帯電話機12に車両の整備記録の情報を記憶させる。そして、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31は、その整備記録の情報を携帯電話機12から読み出し、例えば、記憶部113などに記憶させる。その後、近接通信制御装置31は、所定の条件が満たされた場合、例えば、前回の車両の整備から所定の期間が経過した場合、車載装置32を制御して、整備を促すメッセージを画像や音などによりユーザに通知するようにする。これにより、ユーザは必要な情報を必要な時期に知ることができる。また、逆に、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31が、その整備記録の情報を携帯電話機12に送信し、携帯電話機12を用いて車両の整備記録を閲覧できるようにしてもよい。
さらに、例えば、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、車両の状態に応じて、携帯電話機12の設定を変更することが可能である。例えば、車両のエンジンの動作中に、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31が、運転中モードに設定するように指示する情報を携帯電話機12に送信し、携帯電話機12を運転中モードに設定するようにすることができる。なお、設定の変更を許可するか否かを携帯電話機12に設定できるようにしてもよい。
また、例えば、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31が、例えば、走行距離、燃費情報、乗車人数など、車両の状態を示す情報を携帯電話機12に記憶させるようにしてもよい。そして、それらの情報の利用方法として、例えば、店舗や施設などが、それらの情報を用いて各種のサービスを提供することが考えられる。例えば、走行距離に応じて、オイルの無料交換の特典を提供したり、新車の割引特典を提供したりすることが可能である。また、例えば、携帯電話機12が有する電子マネーの機能を用いて有料道路の通行料金の決済を行う場合、走行距離に応じた割引サービスを提供したり、乗車人数に応じた環境割引サービス(例えば、乗車人数が多いほど、エネルギー効率がよいため、その分、通行料金が安くするなど)を提供することができる。さらに、例えば、車両の燃費に応じて、ガソリン価格の割引など、各種の環境割引サービスを提供することができる。
さらに、例えば、ホルダーなどを用いて携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した状態にしておき、車両の状態が変化したとき、例えば、停車または発車したとき、車載装置32から取得した位置情報、時刻情報、車両の状態などを携帯電話機12に記憶させるようにすることも可能である。例えば、車両に異常(例えば、故障や盗難など)が発生した場合、携帯電話機12に記憶された情報が、異常を解決するための重要な手がかりとなる場合がある。
また、例えば、ユーザが携帯電話機12を近接通信制御装置31に翳した場合、近接通信制御装置31が、車両の車体番号を携帯電話機12に送信する。そして、メール、ウェブサイト、雑誌などの媒体を用いて入手したリコール情報やキャンペーン情報が携帯電話機12に記憶されている場合、取得した車体番号を用いて、それらの情報が自分が所有する車両に該当する情報であるか否かを携帯電話機12に判別させるようにすることができる。
次に、図15および図16を参照して、通信システム1により実行される他の処理の例を説明する。
まず、図15のフローチャートを参照して、近接通信制御装置31により実行される決済処理を説明する。なお、この処理は、例えば、ユーザが、入力部103を介して、サーバ15が提供する所定の有料サービスの決済の指令を入力したとき、開始される。
ステップS61において、有料情報取得部150は、バス121を介して、入力部103から有料サービスに関する情報を取得する。具体的には、決済処理部149は、ユーザにより入力された有料サービスの決済の指令を取得する。決済処理部149は、ユーザにより決済が指令された有料サービスを示す情報を有料情報取得部150に供給する。
有料情報取得部150は、ユーザにより指定された有料サービスに関する情報の送信を要求する情報を、バス121、SCC112、車載ネットワーク41、通信装置33、および、ネットワーク16を介して、サーバ15に送信する。サーバ15のCPU501は、通信部507、入出力インタフェース512、および、バス511を介して、近接通信制御装置31より送信された情報を受信する。CPU501は、記録部506に記録されている、指定された有料サービスに関する情報を、入出力インタフェース512、通信部507、および、ネットワーク16を介して、車載システム11に送信する。有料情報取得部150は、通信装置33、車載ネットワーク41、SCC112、および、バス121を介して、サーバ15から送信された有料サービスに関する情報を受信する。
なお、この有料サービスとして、例えば、デジタル放送の各種コンテンツ、ナビゲーション装置用の地図情報などが考えられる。また、盗難や車上荒らしなどの被害に遭う確立が高い所定の場所(例えば、空港の駐車場など)に駐車する場合に、その場所を管理する管理会社などから提供される短期間用の車両保険などが考えられる。
ステップS62において、上述した図12のステップS1の処理と同様に、携帯電話機12との通信が可能であるか否かが判定され、携帯電話機12との通信が可能であると判定された場合、処理はステップS63に進む。
ステップS63において、上述した図12のステップS2の処理と同様に、携帯電話機12との間で認証情報が交換される。
ステップS64において、上述した図12のステップS3の処理と同様に、通信中の携帯電話機12が登録された携帯電話機であるか否かが判定され、登録された携帯電話機であると判定された場合、処理はステップS65に進む。
ステップS65において、読み出し制御部142は、電子マネーの情報の送信を要求する。具体的には、有料情報取得部150は、有料サービスに関する情報を決済処理部149に供給する。決済処理部149は、携帯電話機12の電子マネーの情報(例えば、電子マネーの残高など)の取得を指示する情報を読み出し制御部142に供給する。読み出し制御部142は、電子マネーの情報の読み出しを要求する読み出しコマンドを生成する。読み出し制御部142は、通信制御部141、変調部115、および、アンテナ102を介して、生成した読み出しコマンドを携帯電話機12に送信する。
携帯電話機12は、後述する図16のステップS94において、近接通信制御装置31から送信された読み出しコマンドを受信し、ステップS95において、読み出しコマンドに対する応答であり、電子マネーの情報を含む読み出し応答コマンドを送信する。
ステップS66において、読み出し制御部142は、電子マネーの情報を受信する。具体的には、読み出し制御部142は、アンテナ102、復調部114、および、通信制御部141を介して、携帯電話機12から送信された読み出し応答コマンドを受信する。読み出し制御部142は、読み出し応答コマンドに含まれる電子マネーの情報を決済処理部149に供給する。
ステップS67において、決済処理部149は、電子マネーによる決済を要求する。具体的には、決済処理部149は、ユーザにより指定された有料サービスの電子マネーによる決済を要求する情報を、バス121、SCC112、車載ネットワーク41、通信装置33、および、ネットワーク16を介して、サーバ15に送信する。
サーバ15のCPU501は、通信部507、入出力インタフェース512、および、バス511を介して、近接通信制御装置31より送信された情報を受信する。CPU501は、電子マネーによる決済の可否を判定し、判定結果を示す情報を、バス511、入出力インタフェース512、通信部507、および、ネットワーク16を介して、車載システム11に送信する。
ステップS68において、決済処理部149は、電子マネーによる決済が承認されたか否かを判定する。具体的には、決済処理部149は、通信装置33、車載ネットワーク41、SCC112、および、バス121を介して、サーバ15から送信された電子マネーによる決済の可否を示す情報を受信する。決済処理部149は、受信した情報に基づいて、電子マネーによる決済が承認されたと判定した場合、処理はステップS69に進む。
ステップS69において、決済処理部149は、決済後の電子マネーの残高を計算する。
ステップS70において、書き込み制御部143は、決済後の電子マネーの情報を送信する。具体的には、決済処理部149は、残高を更新した決済後の電子マネーの情報を書き込み制御部143に供給する。書き込み制御部143は、決済後の電子マネーの情報を含む書き込みコマンドを生成する。書き込み制御部143は、通信制御部141、変調部115、および、アンテナ102を介して、生成した書き込みコマンドを携帯電話機12に送信する。
携帯電話機12は、後述する図16のステップS97において、近接通信制御装置31から送信された書き込みコマンドを受信する。
ステップS71において、車載装置制御部147は、有料サービスの利用を開始させ、決済処理は終了する。具体的には、決済処理部149は、決済が終了した有料サービスに関する情報を車載装置制御部147に供給する。車載装置制御部147は、その有料サービスを利用する車載装置32に、有料サービスの利用の開始を指示する情報を供給する。
有料サービスの利用の開始が指示された車載装置32は、必要に応じて、車載ネットワーク41、通信装置33、および、ネットワーク16を介して、サーバ15と通信しながら、ユーザにより指定された有料サービスの利用を開始する。
一方、ステップS68において、電子マネーによる決済が承認されなかったと判定された場合、ステップS69乃至S71の処理はスキップされ、決済処理は終了する。
また、ステップS64において、登録された携帯電話機ではないと判定された場合、ステップS65乃至S71の処理はスキップされ、決済処理は終了する。
次に、図16のフローチャートを参照して、図15の近接通信制御装置31の処理に対応して、携帯電話機12により実行される電子マネー処理を説明する。
ステップS91において、上述した図14のステップS33の処理と同様に、近接通信制御装置31との通信が可能であるか否かが判定される。近接通信制御装置31との通信が可能であると判定された場合、処理はステップS92に進む。
ステップS92において、上述したステップS34の処理と同様に、近接通信制御装置31との間で認証情報が交換される。
ステップS93において、上述した図15のステップS35の処理と同様に、通信中の近接通信制御装置31が設けられている車両が、登録された車両であるか否かが判定される。登録された車両であると判定された場合、処理はステップS94に進む。
ステップS94において、通信制御部281は、電子マネーの情報の送信が要求されたか否かを判定する。この判定処理は、電子マネーの情報の送信が要求されたと判定されるまで繰り返し実行される。通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、上述した図15のステップS65において、近接通信制御装置31から送信された電子マネーの読み出しを要求する読み出しコマンドを受信した場合、電子マネーの情報の送信が要求されたと判定し、処理はステップS95に進む。
ステップS95において、読み出し制御部282は、電子マネーの情報を送信する。具体的には、通信制御部281は、受信した読み出しコマンドを読み出し制御部282に供給する。読み出し制御部282は、要求された電子マネーの情報をEEPROM266から読み出し、電子マネーの情報を含む読み出し応答コマンドを生成する。読み出し制御部282は、通信制御部281、BPSK変復調部263、ASK変復調部262、および、アンテナ261を介して、生成した読み出し応答コマンドを近接通信制御装置31に送信する。
ステップS96において、通信制御部281は、電子マネーの情報が送信されてきたか否かを判定する。この判定処理は、電子マネーの情報が送信されてきたと判定されるまで繰り返し実行される。通信制御部281は、アンテナ261、ASK変復調部262、および、BPSK変復調部263を介して、上述した図15のステップS70において、近接通信制御装置31より送信された書き込みコマンドを受信した場合、電子マネーの情報が送信されてきたと判定し、処理はステップS97に進む。
ステップS97において、書き込み制御部283は、電子マネーの情報を記憶させ、電子マネー処理は終了する。具体的には、通信制御部281は、ステップS96において受信した書き込みコマンドを書き込み制御部283に供給する。書き込み制御部283は、書き込みコマンドに基づいて、書き込みコマンドに含まれる電子マネーの情報をEEPROM266に記憶させる。これにより、決済後の情報に電子マネーの情報が更新される。
一方、ステップS93において、登録された車両でないと判定された場合、ステップS94乃至S97の処理はスキップされ、電子マネー処理は終了する。
このように、車両に関連する有料サービスの決済を、携帯電話機12を用いて簡単に行うことができる。
なお、以上の説明では、有料サービスを利用する前に決済する場合の処理の例を示したが、本発明は、有料サービスを利用した後(例えば、有料道路の通行料金の支払い時など)に決済する場合の処理にも適用することができる。
また、有料道路の料金やガソリン代などを乗車人数で割り勘する場合があるが、近接通信端末装置31に以下に述べる割り勘機能を設けるようにしてもよい。すなわち、例えば、乗車人数を入力したり、全員の携帯電話機を近接通信端末装置31に順番に翳すことにより、近接通信端末装置31に乗車人数を把握させる。そして、近接通信端末装置31は、決済した金額を乗車人数で割ることにより、1人あたりの金額を計算する。その後、再び全員の携帯電話機を近接通信端末装置31に順番に翳すことにより、近接通信端末装置31は、決済を行っていない携帯電話機の電子マネーの残高から計算した金額を差し引き、決済を行った携帯電話機の電子マネーの残高に、他の携帯電話機の電子マネーから差し引いた金額の合計を加算する。
さらに、上述した処理により決済できる店舗、施設などを限定する情報を携帯電話機12に登録するようにしておき、登録された店舗、施設などが提供する有料サービスに対してのみ、この処理を利用して決済をできるようにしてもよい。
次に、図17を参照して、通信システム1を利用したさらに他の処理の例を説明する。
図17は、近接通信制御装置31の認証処理を説明するためのフローチャートである。なお、この処理は、例えば、近接通信制御装置31の図示せぬ電源スイッチがオンにされたとき開始される。
ステップS121において、上述した図12のステップS1の処理と同様に、携帯電話機12との通信が可能であるか否かが判定され、携帯電話機12との通信が可能であると判定された場合、処理はステップS122に進む。
ステップS122において、上述した図12のステップS2の処理と同様に、携帯電話機12との間で認証情報が交換される。
ステップS123において、上述した図12のステップS3の処理と同様に、通信中の携帯電話機12が登録された携帯電話機であるか否かが判定され、登録された携帯電話機であると判定された場合、処理はステップS124に進む。
ステップS124において、車載装置制御部147は、認証許可時の処理を行い、認証処理は終了する。具体的には、例えば、車載装置制御部147は、車載装置32を制御して、自動車のドアロックやトランクの鍵を解錠させたり、車両のエンジンを始動させたりする。これにより、例えば、キーレスエントリシステムのキーを忘れた場合において、携帯電話機12を補助キーとして用いることができる。また、例えば、車載装置制御部147は、車載装置32を制御して、インストルメントパネルの計器類の表示を、認証されたユーザ用に予め設定されているデザインに変更する。
さらに、例えば、車載システム11が設けられている車両が電気自動車である場合、給電口に設けられている近接通信制御装置31に携帯電話機12を翳し、認証が許可された場合、車載装置制御部147は、車載装置32を制御して、給電口の使用を許可させる。また、充電装置にも認証機能を設けておき、携帯電話機12を充電装置に翳し、認証が許可された場合、充電を開始できるようにする。
一方、充電装置側の認証が許可されなかった場合、充電装置は、例えば、画像や音などで通知するとともに、課金することにより充電を許可するようにする。この場合、充電装置は、例えば、課金した金額が入力されるまで(課金した金額が支払われるまで)、自動車の給電口から給電ケーブルが外れないように制御する。
なお、携帯電話機12(携帯ID)ごとに、許可する処理の内容を切換えるようにしてもよい。例えば、携帯電話機12(携帯ID)ごとに、解錠できるドアを限定する(例えば、自動車の後ろのスライドドアのみに限定したり、運転席のドアのみに限定する)ようにしてもよい。
ステップS123において、登録された携帯電話機でないと判定された場合、認証処理はステップS125に進む。
ステップS125において、車載装置制御部147は、認証不可時の処理を行い、処理は終了する。具体的には、例えば、車載装置制御部147は、車載装置32を制御して、車両の盗難を防止するために、インストルメントパネルに警告表示を表示させたりする。
このように、携帯電話機12を用いて、車両の各種の操作を行う前の認証に用いることができる。
以上のようにして、車載システム11が設けられた車両を利用するユーザの利便性を高めることができる。また、従来、専用のリモートコントローラまたはキーなどを利用したり、車載装置の操作部を利用したりして行っていた複数の車載装置の操作を、1つの携帯電話機12を利用することにより操作することができる。
図18は、車載装置の構成をより具体的に示した本発明を適用した通信システムの一実施の形態を示すブロック図である。通信システム601は、車載システム611、携帯電話機12、リーダライタ13、情報処理装置14、および、サーバ15を含むように構成される。また、車載システム611は、近接通信制御装置31、通信装置33、ナビゲーション装置621、オーディオ装置622、ビデオレコーダ623、開閉部制御装置624、エンジン制御装置625、および、燃料タンク制御装置626を含むように構成される。車載システム611は、AVネットワーク631および車両ネットワーク632の2つのネットワークを備える。近接通信制御装置31、通信装置33、ナビゲーション装置621、オーディオ装置622、および、ビデオレコーダ623は、AVネットワーク631を介して相互に接続され、近接通信制御装置31、開閉部制御装置624、エンジン制御装置625、および、燃料タンク制御装置626は、車両ネットワーク632を介して相互に接続される。なお、図中、図1と対応する部分については、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。
開閉部制御装置624は、キーレスエントリシステムやスマートエントリシステムのキーとの間で無線通信を行うことにより、自動車のドア、テールゲートなどのロックの開閉の制御、パワーウィンドウの開閉の制御などを行う。
エンジン制御装置625は、車両のエンジンの制御を行う。また、エンジン制御装置625は、キーレスエントリシステムやスマートエントリシステムのキーとの間で無線通信を行うことにより、エンジンのスタートを制御するようにすることができる。
燃料タンク制御装置626は、例えば、車両の給油口の制御を行う。例えば、車両がガソリンスタンドに駐車された場合、携帯電話機12が近接通信制御装置31のアンテナ102に翳され、携帯電話機12と近接通信制御装置31との間の認証処理が成功した場合、近接通信制御装置31は、燃料タンク制御装置626を制御して、車両の給油口のカバーのロックを解除し、カバーを開ける。なお、近接通信制御装置31は、車両がガソリンスタンドに駐車されたことを、例えば、図示せぬ車載装置であるGPS(Global Positioning System)受信装置により取得される位置情報、ガソリンスタンドの給油装置に組み込まれたICタグから読み出した情報などに基づいて検出する。また、ガソリンスタンドでの支払いを、図15および図16を参照して上述した処理により、携帯電話機12を用いて行うようにすることも可能である。さらに、図12乃至図14を参照して上述した処理により、会員カードを提示する代わりに、携帯電話機12を用いて会員特典を享受することも可能である。このように、携帯電話機12を用いて、給油口の操作、決済、および、会員特典の享受が一括して行われるため、運転者の利便性が向上する。なお、電気自動車の場合、燃料タンク制御装置626が、車両の給電口を介しての充電を制御するようにしてもよい。
近接通信制御装置31は、上述したように、携帯電話機12から読み出した情報に基づいて、AVネットワーク631に接続されている通信装置33、ナビゲーション装置621、オーディオ装置622、および、ビデオレコーダ623の処理を制御し、車載ネットワーク632に接続されている開閉部制御装置624、エンジン制御装置625、および、燃料タンク制御装置626の処理を制御する。
なお、以上の説明では、通信システムの端末として携帯電話機を用いる例を示したが、本発明では、携帯情報端末(Personal Digital Assistants)、時計、コンピュータ、リモートコントローラ、ページャ、ゲーム機器、マルチメディア端末、携帯用オーディオ機器など、近接通信機能を搭載することができる携帯可能な装置を用いるようにすることもできる。
また、携帯電話機12などの端末装置を車外および車内の両方から近接通信端末装置31のアンテナ102に翳すことができるように、アンテナ102を可動式として、センサ105により検出されたデータに基づいて、アンテナ102を移動させるようにしてもよい。例えば、車内に人がいることが検出された場合、アンテナ102を座席付近に移動させ、車内に人がいないことが検出された場合、アンテナ102を車両の窓付近に移動させるようにしてもよい。
さらに、車載システムに設ける車載ネットワークを、例えば、車両の走行に関する処理を行う車載装置を接続するネットワーク、車両のボディに関する処理を行う車載装置を接続するネットワークのようにネットワークの種類を分類するようにしてもよい。
また、セキュリティを確保するために、近接通信制御装置31またはリーダライタ13と携帯電話機12との間で送受信される情報は、近接通信制御装置31、リーダライタ13、または、携帯電話機12において必要に応じて暗号化される。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを記録する記録媒体は、図2のリムーバブルメディア118、図4のリムーバブルメディア222、図8のリムーバブルメディア318、図10のリムーバブルメディア409、または、図11のリムーバブルメディア509により構成されるだけでなく、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されている図2の記憶部113、図4の不揮発性メモリ211、図6のEEPROM266、図8の記憶部313、図10の記録部406、図11の記録部506などで構成される。
なお、本明細書において、プログラム格納媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。