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JP2007153891A - 慢性進行性腎障害の抑制のための医薬 - Google Patents

慢性進行性腎障害の抑制のための医薬 Download PDF

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JP2007153891A JP2006321293A JP2006321293A JP2007153891A JP 2007153891 A JP2007153891 A JP 2007153891A JP 2006321293 A JP2006321293 A JP 2006321293A JP 2006321293 A JP2006321293 A JP 2006321293A JP 2007153891 A JP2007153891 A JP 2007153891A
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展宏 佐藤
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隆 中川
Shinsuke Ito
晋介 伊藤
Ryohei Sekimoto
亮平 堰本
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Abstract

【課題】血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の進展を抑制する医薬を提供すること。
【解決手段】1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩を有効成分とする血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の抑制のための医薬。
【選択図】なし

Description

本発明は慢性進行性腎障害の抑制及び治療に有用な医薬に関する。
近年の透析移行患者の増加は、QOLや国民医療費の面で問題となっている。慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症および多発性嚢胞腎をはじめとする多くの慢性腎疾患は、その障害過程が進行性であり、治療が奏功しなければ最終的には腎機能の廃絶をきたし腎不全ならびに透析移行に至る。透析移行に至る腎障害の進展因子として、レニン-アンジオテンシン系(RA系)の活性化、エンドセリン、最終糖化産物など多種多様な因子が複雑に絡み合っていると考えられている。それらのうち、RA系抑制剤であるエナラプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、ロサルタンなどのアンジオテンシンIItype 1受容体拮抗薬(ARB)による腎障害の進展抑制が動物試験のみならず実際の臨床でも認められるとする報告(非特許文献1、非特許文献2)が近年多くみられる。しかしながら、RA系抑制剤では、血圧及びタンパク尿は十分に低下させるものの、糸球体基底膜におけるタンパクの濾過機構であるcharge barrierに加え、sizebarrierまでの破綻を生じている不可逆的な状態、即ち血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害に対しての治療効果は無く、透析移行率の抑制には至っていない。
1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩は公知の化合物であり、サブスタンスP拮抗作用、ロイコトリエンD4拮抗作用、Rhoキナーゼ阻害作用、平滑筋弛緩作用、脳血管攣縮抑制作用及び血流増加作用を有し、喘息及び脳血管障害の予防又は治療に有用なことが知られている(特許文献1、特許文献2)。
Rhoキナーゼはsmall Gタンパク質であるRhoのエフェクターであり、血管平滑筋やマクロファージに作用し、高血圧、狭心症・肺高血圧や動脈硬化などの病態に関与していることが知られている(非特許文献3)。また、近年では腎においてもRho/Rhoキナーゼ系の活性化が、腎間質領域における線維化の原因となるstress fiberの形成や細胞増殖、成長因子、炎症性サイトカインの調節に関与するとされ、腎障害の発症・進展を引き起こすことが報告されている(非特許文献4)。
実際に、Rhoキナーゼ阻害剤が各種腎疾患モデルにおいて、タンパク尿を抑制し、病理組織的には糸球体および間質病変を抑制することが報告されている(非特許文献5、非特許文献6)。また、代表的なRhoキナーゼ阻害剤であるファスジルは、慢性腎不全モデルにおいて、血圧には影響せず、タンパク尿を抑制すること、および腎病理組織障害を抑制することが報告されている(非特許文献7)。
腎機能およびその障害の程度は糸球体濾過率(GFR)で表されるが、臨床では主に血清クレアチニン濃度およびクレアチニンクリアランスとして評価される。これらの指標は(GFR)を反映し、腎機能障害により血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下になると、腎障害の回復が不可能な状態、即ち腎機能低下を伴う慢性進行性腎障害として診断される (非特許文献8、非特許文献9)。低下した腎機能を放置しておくといずれは腎不全、すなわち透析導入へ移行する。従って、血清クレアチニン濃度、クレアチニンクリアランスの低下抑制は腎機能の低下抑制を意味し、透析移行を抑制すると考えられる。
血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害に対する有効性は、タンパク尿の抑制および腎病理組織障害の抑制ではその効果を確認することは出来ず、腎機能のマーカーとして血清クレアチニンまたはクレアチニンクリアランスの低下抑制効果の確認が必要である。しかしながら、初期の慢性進行性腎障害である高血圧性糸球体硬化の実験において、Rhoキナーゼ阻害剤であるファスジルによりクレアチニンクリアランスの低下抑制効果が示されているものの(非特許文献10)、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害のモデルにおいては、その効果が得られないことが知られている(非特許文献7)。このことは逆に、Rhoキナーゼ阻害剤と呼ばれる一群の化合物が、同様に血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害には有効でないことを示すものである。
従って、RA系抑制剤に限らず、Rhoキナーゼ阻害剤についても血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害におけるクレアチニンクリアランスの低下抑制作用、即ち腎機能の低下抑制効果を示す化合物は、全く知られておらず、透析移行の遅延を示唆する知見は未だ得られていない。
このように、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の抑制作用を有する治療薬の開発には未だ至っていないのが現状であり、近年のさらなる透析移行患者の増加も鑑みると、新規薬剤の開発が切望されている。
特開平11−349482号公報 国際特許公開第99/20620号パンフレット Strippoli GF, Craig M, Schena Fpcraig JC. Antihypertensive Agents for Primary Prevention of Diabetic Nephropathy. J Am Soc Nephrol. 16(10):3081-3091, 2005 Brenner BM, Cooper ME, de Zeeuw D, Keane WF, Mitch WE, Parving HH, Remuzzi G, Snapinn SM, Zhang Z, Shahinfar S. Effects of losartan on renal and cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes and nephropathy. N Engl J Med. 20;345(12):861-9,2001 Ito K, Hirooka Y, Kimura Y, Shimokawa H, Takeshita A Effects of hydroxyfasudil administered to the nucleus tRActus solitarii on blood pressure and heart rate in spontaneously hypertensive rats. Clin Exp Hypertens. 27(2-3): 269-77,2005 Moriyama T. et al, Drug News Perspect, 17(1), 29, 2004 Yang Y, Ohta K, Shimizu M, Nakai A, Kasahara Y, Yachie A, Koizumi S. Treatment with low-dose angiotensin-converting enzyme inhibitor (ACEI) plus angiotensin II receptor blocker (ARB) in pediatric patients with IgA nephropathy.Clin Nephrol. 2005 Jul;64(1):35-40. Kurokawa K. Effects of candesartan on the proteinuria of chronic glomerulonephritis.J Hum Hypertens. 1999 Jan;13 Suppl 1:S57-60; discussion S61 Kanda T. et al, Kidney int.,64(6) 2009, 2003 黒川 清 編集、「腎臓学 病態生理からのアプローチ」南江堂、1997年3月20日発行、345〜347頁 山崎 勝也、小林 正 著「腎と透析2001年Vol.51増刊号「糖尿病性腎症のすべて」」東京医学社 出版、2001年12月21日 31〜35頁 Nishikimi T. et al, Fasudil, a Rho-kinase inhibitor, attenuates glomerulosclerosis in Dahl salt-sensitive rats. J Hypertens. 2004 Sep;22(9):1787-96.
従って、本発明は血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の抑制作用を有する医薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み鋭意研究した結果、Rhoキナーゼ阻害作用として知られている1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩が、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害におけるクレアチニンクリアランスの低下抑制作用を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩を有効成分とする血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の抑制のための医薬に関する。
更に、本発明は1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩を有効成分とする血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害に伴う透析移行を遅延又は阻止するための医薬に関する。
本発明の医薬を用いれば、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の進展を抑制し、その結果、透析移行を遅延又は阻止することができる。
本発明において、1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジンは、サブスタンスP拮抗作用、ロイコトリエンD4拮抗作用、Rho キナーゼ阻害作用、平滑筋弛緩作用、脳血管攣縮抑制作用及び血流増加作用を有する公知の化合物であり、公知の方法により製造することができる(特許文献1、特許文献2)。本発明で用いられる1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジンとしては、(S)−(−)−1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジンが好ましい。
1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジンの塩としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等の無機酸の塩、又は酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸の塩等が挙げられ、特に塩酸塩が好ましい。
また、1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩は、未溶媒和型のみならず、水和物又は溶媒和物としても存在することができ、本発明においては、全ての結晶型及び水和物又は溶媒和物を含むものである。
本発明において、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害とは、慢性腎不全、腎糸球体硬化症、糖尿病性腎症、腎硬化症、慢性糸球体腎炎又は多発性嚢胞腎等の慢性進行性腎障害のうち、透析移行性のリスクのある状態であり、タンパクの濾過が行われる糸球体基底膜のバリア機構であるcharge barrierに加え、size barrierの破綻が生じており、組織学的にも結節性病変などの糸球体硬化並びに尿細管周囲の間質領域に線維化形成が一部生じており、腎機能回復の見込みが弱い状態を示す。このような状態は、治療方法によるSeldinの分類上では、第II期の慢性腎不全であり、一般的に代謝性腎不全と言われ、軽度の高窒素症、軽度の貧血及び夜間尿等が現れる(非特許文献8)。また、慢性進行性腎疾患の一般的病態の一つである糖尿病性腎症においては、第三期−B(顕性腎症後期)と称され、高度のびまん性病変及び高頻度で結節性病変が現れる(非特許文献9)。いずれの状態を過ぎても、透析療法による治療が必要となる。
本発明においてクレアチニンクリアランスは、以下の式により求められる。
クレアチニンクリアランス:Ccr (mL/分/man)
=〔尿中クレアチニン濃度(mg/dL)/血清クレアチニン濃度(mg/dL)〕×尿量(mL/24時間)×(1/1440)
後記実施例に記載のように、1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩は、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の動物モデルとして知られている5/6腎摘ラットモデルにおいて、血清クレアチニン濃度及びクレアチニンクリアランスを有意に改善する作用を有する。Rhoキナーゼ阻害剤の代表例であるファスジルが、血清クレアチニン濃度やクレアチニンクリアランスの改善作用を有さないにもかかわらず、本発明化合物が、前記のように血清クレアチニン濃度及びクレアチニンクリアランスを改善することは驚くべきことである。
本発明の医薬の投与形態は、特に限定されず治療目的に応じて適宜選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、フィルムコ−ティング剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等による非経口投与が挙げられるが、経口投与するのが好ましい。
これらの投与形態に適した医薬製剤には、薬学的に許容される担体、例えば、デンプン類、ラクト−ス、ショ糖、マンニト−ル、珪酸等の賦形剤や増量剤;寒天、炭酸カルシウム、バレイショ又はタピオカデンプン、アルギン酸、複合珪酸塩等の崩壊剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、アラビアゴム等の結合剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコ−ル類、ラウリル硫酸ナトリウム又はその混合物等の滑沢剤;乳糖、トウモロコシデンプン等の希釈剤;クエン酸、リン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、トリエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、ジイソプロパノ−ルアミン等の有機アミン類等の緩衝剤;パラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル等の非イオン性界面活性剤等の乳化剤;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソ−ル、エデト酸等の安定化剤のほか、必要に応じて更に矯臭剤、分散剤、保存剤、香料等を適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明の1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩の投与量は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって適宜選択されるが、通常成人の場合、1日当たり0.1〜1000mg、好ましくは1〜100mg投与するのがよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例
(1)5/6腎摘ラットモデルの作成
雄性SDラット(7週齢、日本チャールズリバーより購入)をペントバルビタール麻酔下にて左腎動脈分枝を部分的に遮断し、その翌週に同麻酔下にて右腎を全摘出し、5/6腎摘ラットモデルを作成した。モデル作成後2および4週において無麻酔下にて頚静脈より採血を行い、血漿中クレアチニン濃度(Plasma creatinine:PCr)を測定した。術後2週から術後4週におけるPCrの推移、術後4週におけるPCr及び体重をもとに群分けを行った。モデル作成後4週においてPCrは非手術群に比べて高く、既に腎機能は低下していた。(S)−(−)−1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン塩酸塩(以下、化合物Aと表記)の投与は既に血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害がみられているモデル作成後5週より開始し、投与期間は16週間とした。
(2)群構成
i) 非手術群 (N=4)
5/6腎摘モデル
ii) 薬剤未処置群 (コントロール群、N=3)
iii) 化合物A 0.03mg/kg 1日2回経口投与群 (N=7)
iv) 化合物A 0.1mg/kg 1日2回経口投与群 (N=4)
v) 化合物A 0.3mg/kg 1日2回経口投与群 (N=6)
(3)腎機能パラメータ測定
PCrは、飽食・無麻酔下にて採血し、その後の処理によって得た血漿を用いて、クレアチニン-テストワコー(和光純薬工業(株))によって測定した。クレアチニンクリアランス(creatinine crealance:Ccr)は、メタボリックケージによって回収した尿(18時間の蓄尿)を用いて、上記キットにより尿中クレアチニン濃度(urinary creatinine:UCr)を測定し、次式により算出した。
クレアチニンクリアランス:Ccr (mL/min/kg BW)
= {UCr(mg/dL)×1分当たりの尿量(mL/min)}/{PCr(mg/dL)×体重(kg)}
図1に投与後16週における PCrを示す。5/6腎摘モデル 薬剤未処置群(ii:上記群構成参照)では、PCrの顕著な増加がみられ、腎不全(PCr≧2.0mg/dL)へ至っていると考えられた。一方、化合物A処置群(iv、v:上記群構成参照)ではPCrの増加が抑制される成績が得られた。
図2に投与後16週でのCcrを示す。5/6腎摘モデル 薬剤未処置群(ii:上記群構成参照)では、Ccrの顕著な低下がみられたが、化合物A処置群ではCcrの低下が有意に抑制され、その結果、腎不全への移行抑制または移行遅延が示唆された。
なお、ラットにおける血漿クレアチニン濃度2mg/dLは、ヒトにおける血清クレアチニン濃度2mg/dLに相当すると考えられ、ラットにおけるクレアチニンクリアランス1mL/分/kg BWは、ヒトにおけるクレアチニンクリアランス60mL/分/manに相当すると考えられるので、ここで用いた5/6腎摘モデルは、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害のモデルとして適当であると考えられる。
よって、化合物Aは血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性腎不全モデルとして代表的なラット5/6腎摘モデルにおいて、腎機能低下時からの投与により、腎機能障害を遅延または抑制する作用を有することが証明された。
5/6腎摘ラットにおける血漿中クレアチニン濃度(PCr)を示す図である。 5/6腎摘ラットにおける血漿中クレアチニンクリアランス(Ccr)を示す図である。

Claims (4)

  1. 1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩を有効成分とする血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害の抑制のための医薬。
  2. 1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩を有効成分とする血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL以上またはクレアチニンクリアランスが60mL/分/man以下である慢性進行性腎障害に伴う透析移行を遅延又は阻止するための医薬。
  3. 慢性進行性腎障害が、慢性腎不全、腎糸球体硬化症、糖尿病性腎症、腎硬化症、慢性糸球体腎炎又は多発性嚢胞腎である請求項1または2記載の医薬。
  4. 1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン又はその塩が、1−(4−フルオロ−5−イソキノリンスルフォニル)−2−メチルホモピペラジン塩酸塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬。
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