JP2007144714A - Vベルトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ベルト底面へのゴム滲み出しを防ぎ、走行において異音や駆動力の発生を抑制したVベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】 底面を帆布で構成したVベルトの製造方法であって、(1)帆布14aの片面を、100°Cにおけるムーニー粘度が50〜80のゴム組成物を用いてコーチング処理することにより、帆布14aにゴムシート14bを付着させたゴム付帆布14を形成する工程、(2)コーチング処理を施した面、即ち、ゴムシート14bが未加硫圧縮ゴムシート17に貼着するようにゴム付帆布14を配置した未加硫ベルトスリーブ11を形成する工程、(3)未加硫ベルトスリーブを加硫して加硫ベルトスリーブを形成する工程、とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 底面を帆布で構成したVベルトの製造方法であって、(1)帆布14aの片面を、100°Cにおけるムーニー粘度が50〜80のゴム組成物を用いてコーチング処理することにより、帆布14aにゴムシート14bを付着させたゴム付帆布14を形成する工程、(2)コーチング処理を施した面、即ち、ゴムシート14bが未加硫圧縮ゴムシート17に貼着するようにゴム付帆布14を配置した未加硫ベルトスリーブ11を形成する工程、(3)未加硫ベルトスリーブを加硫して加硫ベルトスリーブを形成する工程、とを有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は変速装置などの動力伝動に用いられるVベルトの製造方法に関する。
二輪車、雪上車等の変速装置に用いられるコグドVベルトは、心線を埋設した接着ゴム層、接着ゴム層の内周側に配設された圧縮ゴム層、そして接着ゴム層の外周側に配設された伸張ゴム層から構成され、圧縮ゴム層及び伸張ゴム層には、繰返しの曲げ応力に耐えられるように、それぞれコグ山及びコグ谷を交互に配してなるものである。そして必要に応じて、前記圧縮ゴム層の表面に帆布が貼着されてなる。
このような変速装置において、エンジンアイドリング時などに、ベルト底面がプーリシャフトと擦れることにより、異音や駆動力が発生するなどの不具合が生じることがあった。このような問題に際して、帆布の一方の面のみに粘着性を有するゴム層を形成する工程と、ゴムシートの少なくとも底面に上記ゴム層を介して帆布を付着することにより帆布付ゴムシートを形成する工程と、底面を内側にした状態で帆布付ゴムシートを筒状の金型の外周面に巻く工程と、巻いた帆布付ゴムシートの一端と他端とをつなぐ工程と、を備えているVベルトの製造方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開2004−188776号公報
近年、コグドVベルトの長寿命化に対する要求が厳しさを増してきている。この要求に対し、圧縮ゴム層に、ナイロン、アラミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール等の短繊維やカーボンブラックを混入して耐摩耗性、耐久性等を改善させる試みがなされているが、一方で、前記配合により圧縮ゴム配合物の粘度が上昇し、加硫成形後の帆布表面にゴムの滲み出しが生じ、駆動において諸々の不具合をもたらすことが判った。更に研究をすすめたところ、スプレディング処理にてゴムを付着させた帆布を用いた場合、ベルト製造過程において当該ゴムが帆布表面に滲み出すことが判明した。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、異音や駆動力の発生を抑制したVベルトの製造方法及びこれにより得られたVベルトを提供することを目的とする。
本願請求項1の発明は、ベルト底面を帆布で構成したVベルトの製造方法であって、(1)帆布の片面を100°Cにおけるムーニー粘度が50〜80のゴム組成物にてコーチング処理する工程、(2)コーチング処理を施した面がベルト本体に貼着するように帆布を配置した未加硫ベルトスリーブを形成する工程、(3)未加硫ベルトスリーブを加硫して加硫ベルトスリーブを形成する工程、とを有することを特徴とするVベルトの製造方法である。
本願請求項2の発明は、請求項1記載のVベルトの製造方法において、前記ゴム組成物が、クロロプレンゴム100重量部に対してカーボンブラック30〜100重量部の割合で含有することを特徴とする。
本願請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のVベルトの製造方法において、VベルトがコグドVベルトであることを特徴とする。
本願請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項により製造されたことを特徴とするVベルトである。
本発明によれば、ベルト底面となる帆布表面へのゴム滲み出しを抑制し、プーリシャフト等との接触において、異音や駆動力の発生を防止したVベルトを得ることができる。また、特定のゴム組成物を用いることで、ベルト本体との接着性を確保しつつ、帆布表面へのゴム滲み出しを防止することができるものである。更にコグドVベルトに適用することで、コグが形成されたベルト底面へのゴム滲み出しを防止し、アイドリング時などにおいても異音や駆動力の発生を防ぐことができる。
本発明のVベルトの製造方法は、(1)帆布の片面を100°Cにおけるムーニー粘度が50〜80のゴム組成物にてコーチング処理する工程、(2)コーチング処理を施した面がベルト本体に貼着するように帆布を配置した未加硫ベルトスリーブを形成する工程、(3)未加硫ベルトスリーブを加硫して加硫ベルトスリーブを形成する工程、とを有することを特徴とする。
まず、(1)帆布の片面を100°Cにおけるムーニー粘度が50〜80のゴム組成物にてコーチング処理する工程を説明する。コーチング処理とは、帆布の上にゴムシートを積層して100〜200°C程度の範囲で加熱することによって、ゴムをわずかに帆布中に含浸させつつゴムシートを帆布の表面に一体的に付着させるものである。例えば図1に示すような装置を用いて、ゴム組成物をロールA、Bの間で所定厚みのゴムシート14bとし、ついで帆布14aと併せてロールB、Cとの間を通過させることによって加圧することができる。ロールA、B、Cは60〜120°Cに温調されており、ゴムシート14bと帆布14aは積層された状態で加熱・加圧されて、ゴム付帆布14とすることができる。
コーチング処理はゴムシートを積層しているものであり、ゴムに溶剤を加えて流動性を持たせたゴム糊を帆布の上に塗布もしくは流して乾燥させ、帆布上にゴムを付着させるスプレディング処理や、多量の溶剤中にゴムを加えて溶かしたゴム糊中に、帆布を通過させることによって、帆布上にゴムを付着させるソーキング処理などとは異なり、1回の工程でまとまった厚みのゴムを付着させることができる。スプレディング処理を多数回繰り返すことによって付着させるゴムの厚みを増やすことはできるが、コーチング処理では1回で所望の厚みのゴムを付着させることができ、しかもスプレディング処理のように乾燥させる時間をとる必要もない。またスプレディング処理では、コーチング処理に比べて帆布にゴムが含浸してしまう傾向にあり、ひいてはベルト製造過程においてベルト底面となる帆布表面にゴム滲み出しが生じる恐れがある。尚、コーチング処理する前に、RFL処理を行うことも可能である。
本発明において、帆布上にコーチングによって積層させるゴム組成物の厚みは0.2〜0.5mmとすることが好ましい。厚みが0.2mm未満であると、図1に示すようなロール加工が困難であり、帆布が破れるなどの不具合が生じる可能性がある。一方、0.5mmを超えると、ベルト物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明において帆布14aは、織物、編物、不織布などから選択される繊維基材である。構成する繊維素材としては、公知公用のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の有機繊維が挙げられる。織物の場合は、これらの糸を平織、綾織、朱子織等することにより製織される。
ゴムシート14bを構成するゴム組成物、即ち、コーチング処理するゴム組成物は、100°Cにおけるムーニー粘度が50〜80のゴム組成物である。ムーニー粘度が50未満のゴム組成物では、ベルト製造過程において帆布表面へのゴム滲み出しを抑制する効果に乏しい。一方、ムーニー粘度が80を超えるゴム組成物では、帆布へのコーチング処理が困難であると共に、コーチング処理においてゴム組成物の発熱が大きくなってスコーチするなどの不具合がある。
前記ゴム組成物の主材ゴム及び配合剤としては特に限定されるものではなく、所望に応じて選択することができる。具体的には、クロロプレンゴム100重量部に対してカーボンブラック30〜100重量部配合したゴム組成物を用いると、接着性を確保しつつ、静電防止効果が高く、また加工性も良好なものとすることができるため好ましい。
続いて、(2)コーチング処理を施した面が、ベルト本体に貼着するように帆布を配置した未加硫ベルトスリーブを形成する工程を説明する。まず、歯部と溝部とを交互に配した平坦な金型の上に、ゴム付帆布14と圧縮ゴム層となる未加硫圧縮ゴムシート17と接着ゴム層となる未加硫接着ゴムシート12を積層して配置し、加圧することによってコグ山部19とコグ谷部を型付けしたコグパッドに仕上げる。このとき、ゴム付帆布14は、コーチング処理を施した面、即ち、ゴムシート14bが未加硫圧縮ゴムシート17と接するように配置する。
一方、これとは別に歯部21と溝部22を交互に有する円筒モールド20を準備する。(図2参照。)モールド20の溝部22にコグパッドのコグ山部19を嵌合しながら、所定長さのコグパッドをモールド20に一周巻き付けてカット端部同士をジョイントさせた後、心線13をスパイラルに巻き付ける。その上に伸張ゴム層となる未加硫伸張ゴムシート15と帆布16の積層物を巻き付けて、未加硫ベルトスリーブ11を形成する。
尚、未加硫ベルトスリーブの形成において、コグパットを準備することは必須条件ではない。例えば、歯部と溝部を交互に有する円筒モールドに、ゴム付帆布、未加硫圧縮ゴムシート、未加硫接着ゴムシート等を順に巻装して積層体を形成することも可能である。
そして、本発明は(3)未加硫ベルトスリーブを加硫して加硫ベルトスリーブを形成する工程を有する。具体的には、未加硫ベルトスリーブにジャケット(図示せず)を嵌入し、加硫缶へ移して通常の方法で加硫を行うことによって加硫ベルトスリーブを形成する。加硫後、ジャケット、続いて円筒状の加硫ベルトスリーブをモールドから抜き取り、得られた加硫ベルトスリーブを所定幅に切断することにより図3に示すようなコグドVベルト1に仕上げる。
このようにして得られたコグドVベルト1は、図3に示すように、心線3を埋設した接着ゴム層2、接着ゴム層2の内周側に配設された圧縮ゴム層7、そして接着ゴム層2の外周側に配設された伸張ゴム層5から構成され、そして、圧縮ゴム層7には、繰返しの曲げ応力に耐えられるように、それぞれコグ山9及びコグ谷8を交互に配してなるものである。そして圧縮ゴム層7及び伸張ゴム層5の表面には帆布4,6が貼着されてなる。本発明の製造方法により得られたコグドVベルト1は、底面となる帆布4表面へのゴム滲み出しが防止されたものであって、プーリ軸との接触においても、干渉音や駆動力の発生を抑制することができるといった特徴がある。
圧縮ゴム層7、伸張ゴム層5および接着ゴム層2を構成するゴム組成物としては、特に限定されるものではなく、各層で異なる配合のものを用いることも可能である。主材となるゴムは、エチレン・α−オレフィンゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体などのゴムを挙げることができ、これらは単独もしくは併用して用いることができる。
上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては、具体的には、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、ゴム100重量部に対して0.5〜8重量部の範囲で好ましく使用される。
また公知のゴム配合剤を所望に応じて配合できる。具体的には、カーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、粘着剤、加硫促進剤、短繊維等を使用することができる。尚、カーボンブラックはゴム100重量部に対して20〜70重量部配合することが望ましい。
また短繊維の繊維素材としては、PBO短繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の短繊維を挙げることができる。繊維長は繊維種によって異なるが、1〜20mmの短繊維が適当であり、具体的には、PBO短繊維では1〜20mm、アラミド繊維では2〜6mm、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿では5〜10mmのものを使用することができる。配合量としては、ゴム100重量部に対して短繊維が5〜50重量部とすることが望ましい。尚、接着ゴム層2は、心線との接着性などを考慮すると繊維を含有しないほうが好ましい。
心線3としては、ポリエステル繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などを素材とする撚コード等を用いることができる。これらはRFL溶液等で接着処理したものを使用することが望ましい。
また、必要に応じて、伸張ゴム層5の表面にも帆布6を貼着することができる。この帆布6としては、限定されるものではなく、もちろん前述と同様のものも用いることができる。該帆布6は、公知技術に従ってRFL液に浸漬後、未加硫ゴムを擦り込むフリクションを行ったり、またRFL溶液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理したものを用いることができる。
尚、本発明のVベルトは、上述したコグドVベルトの構成に限定されるものではなく、例えば伸張ゴム層にもコグを設けたコグドVベルトなども本発明の実施形態として挙げることができる。
以下、具体的な実施例を伴って説明する。
表1に示す配合にて調製したゴム組成物のムーニー粘度(100°C)をJIS K6300−1に従って測定した。また広角度処理した綿帆布(20s/2,密度80本/5cm)をRFL処理した後、表1に示す配合にて調整したゴム組成物を0.3mmの厚みになるようコーチング処理により積層し、このゴム付帆布を面圧9.0kg/cm2、153°C、20分間の条件で加硫した。得られた加硫ゴム付帆布のコーチング未処理面をスキャナーにて画像取得し、モノクロ化した後、しきい値31で黒色部分をゴム滲み出しとしてその面積割合(%)を算出した。また前記加硫ゴム付帆布の体積固有抵抗値(LogΩ・cm)をJIS K7194に従ってLorestaにて2点測定した。各結果を表2に示す。
表1に示す配合にて調製したゴム組成物のムーニー粘度(100°C)をJIS K6300−1に従って測定した。また広角度処理した綿帆布(20s/2,密度80本/5cm)をRFL処理した後、表1に示す配合にて調整したゴム組成物を0.3mmの厚みになるようコーチング処理により積層し、このゴム付帆布を面圧9.0kg/cm2、153°C、20分間の条件で加硫した。得られた加硫ゴム付帆布のコーチング未処理面をスキャナーにて画像取得し、モノクロ化した後、しきい値31で黒色部分をゴム滲み出しとしてその面積割合(%)を算出した。また前記加硫ゴム付帆布の体積固有抵抗値(LogΩ・cm)をJIS K7194に従ってLorestaにて2点測定した。各結果を表2に示す。
次に、カットエッジタイプのコグドVベルトを作製した。本実施例で作製したコグドVベルトは、表面に1プライの帆布を積層した圧縮ゴム層と、表面に1プライの帆布を積層した伸張ゴム層と、両ゴム層間にポリエステル繊維ロープからなる心線を埋設した接着ゴム層を配置した構成からなる。そしてベルト内周面にはコグが形成されており、また圧縮ゴム層、伸張ゴム層には短繊維が含有されてなり、前記短繊維はベルト幅方向に配向している。
ここで伸張ゴム層、圧縮ゴム層を形成するゴムシートを、表3に示すゴム配合にて調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。また接着ゴム層を形成するゴムシートを、表3に示すゴム配合から短繊維をのぞいたゴム配合にて調整し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。
ベルトの製造方法としては、まず広角度処理した綿帆布(20s/2,密度80本/5cm)帆布に、表1に示す配合にて調整したゴム組成物を0.3mmの厚みになるようコーチング処理により積層したゴム付帆布を準備した。次に、歯部と溝部を交互に配した平坦なコグ付き型に、前記ゴム付帆布をコーチング未処理面が型に接するように配置し、続いて未加硫圧縮ゴムシート、未加硫接着ゴムシートを順に積層して75°Cで加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッドに形成した。続いて、所定の間隔で溝部を設けた円筒状ドラムの周面に前記コグパットを巻き付け、この上に心線となるロープを螺旋状にスピニングし、更に未加硫伸張ゴムシート、1プライのゴム付帆布を巻き付けて積層体(未加硫ベルトスリーブ)を形成した後、これを加硫して加硫ベルトスリーブを作製した。得られた加硫ベルトスリーブをカッターによって所定幅に切断し、個々のコグドVベルトに仕上げた。尚、コグドVベルトは、幅30.5mm、厚み13.5mm、ベルト長さ875mm、側面角度28°のベルトサイズのコグドVベルト(A)、幅27.0mm、厚み14.5mm、ベルト長さ910mm、側面角度24°のベルトサイズのコグドVベルト(B)の2種を作製した。
このようにして得られたコグドVベルト(A)の発音性を評価した。ベルト発音試験では、ベルトクラッチ式CVTプーリ(アイドル状態 駆動:シャフトφ40 従動:巻掛径φ200)からなる2軸の横型走行試験機に前記ベルトを懸架し、室温雰囲気温度下、駆動プーリを800rpmで回転させて、ベルト発音性を評価した。尚、本試験では、ベルト底面が駆動シャフトに接触した状態で走行するように調整されてなる。発音性としては以下の5段階で評価した。発音レベル“5”が最も発音レベルが低い状態を示し、“3”以上を発音が気にならないレベルとして定義した。結果を表2に示す。
5:全く聞こえない。
4:聴診器で聞こえる。
3:微かに聞こえる。
2:聞こえる。
1:はっきりと聞こえる。
5:全く聞こえない。
4:聴診器で聞こえる。
3:微かに聞こえる。
2:聞こえる。
1:はっきりと聞こえる。
次に、コグドVベルト(B)のベルト底面の摩擦係数を測定した。底面摩擦係数試験では、前記ベルトを、案内ローラ(直径70mm)にVリブドベルトの巻き付け角度が45°となるように掛け、コグドVベルトの片一端に2.0kgのウェイトを垂下させ、他方一端を引張速度30mm/secの条件にて引張試験した際のベルト底面の摩擦係数を測定した。結果を表2に併記する。
これらの結果、実施例は、底面となる帆布表面へのゴム滲み出しが改善されており、発音試験においても異音は殆どなく、また摩擦係数を低く維持したコグドVベルトとすることができた。更に導電性も良好であり、静電防止機能を具備できていることが判る。一方、ムーニー粘度が低い比較例1及び比較例3では、帆布表面へのゴム滲み出しが顕著であり、走行試験において異音の発生が確認されると共に、ベルト底面の摩擦係数が高いという不具合があった。あわせて導電性に乏しいことも知見された。またムーニー粘度が高い比較例2では、帆布へのコーチング処理を達成することができず、更に比較例4では、コーチング用ゴム組成物の混練自体が不可能であった。
本発明にかかるVベルトは自動車用あるいは一般産業用の駆動装置、変速装置などに装着することができる。
1 コグドVベルト
2 接着ゴム層
3 心線
4 ゴム付帆布
5 伸張ゴム層
6 帆布
7 圧縮ゴム層
8 コグ谷
9 コグ山
2 接着ゴム層
3 心線
4 ゴム付帆布
5 伸張ゴム層
6 帆布
7 圧縮ゴム層
8 コグ谷
9 コグ山
Claims (4)
- ベルト底面を帆布で構成したVベルトの製造方法であって、(1)帆布の片面を100°Cにおけるムーニー粘度が50〜80のゴム組成物にてコーチング処理する工程、(2)コーチング処理を施した面がベルト本体に貼着するように帆布を配置した未加硫ベルトスリーブを形成する工程、(3)未加硫ベルトスリーブを加硫して加硫ベルトスリーブを形成する工程、とを有することを特徴とするVベルトの製造方法。
- 前記ゴム組成物が、クロロプレンゴム100重量部に対してカーボンブラック30〜100重量部の割合で含有する請求項1記載のVベルトの製造方法。
- Vベルトが、コグドVベルトである請求項1又は2に記載のVベルトの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項により製造されたVベルト。
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