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JP2007142684A - 無線通信装置 - Google Patents

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JP2007142684A JP2005332186A JP2005332186A JP2007142684A JP 2007142684 A JP2007142684 A JP 2007142684A JP 2005332186 A JP2005332186 A JP 2005332186A JP 2005332186 A JP2005332186 A JP 2005332186A JP 2007142684 A JP2007142684 A JP 2007142684A
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Abstract

【課題】無線LANとBluetooth通信をとともに搭載し、混信を招くことなく2つの通信機能を同時に使用する。
【解決手段】無線LAN通信部とBluetooth通信部からの高周波入出力信号ポートはそれぞれ2つあり、受信ダイバーシティの機能を備える。各通信部の1つの入出力ポートP1はアイソレーション特性を持つ電力分配合成器を介して共用アンテナに接続される。無線LAN通信部が送信信号を出力しているとき、制御回路はこれを検知し、Bluetooth通信部の受信アンテナをP1に設定し、他のBluetooth通信装置からの電波の受信を可能にする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、異なる無線通信規格に則った複数の通信機能を搭載する無線通信装置に係り、特に、同一の周波数帯を利用する2つの異なる通信機能を搭載する無線通信装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、IEEE802.11に代表される無線LAN機能とBluetooth通信機能をともに搭載する無線通信装置に係り、特に、混信を招くことなく互換性のない2つの通信機能を同時に使用する無線通信装置に関する。
有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11が挙げられ、2.4GHzのISM(IndustryScience Medical)バンドと呼ばれるグローバルな無線周波数を使用して無線データ伝送を行なうことができる。最近では、「ホットスポット」に代表される無線LANを用いたブロードバンド・インターネット接続サービスが普及してきており、カフェやホテル、ファーストフード、駅、空港など外出先に設けられたサービス・エリアでもインターネットが利用可能となることから、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの移動端末に無線LAN機能を搭載することが多くなってきている。
他方、さまざまな業界に対して適用可能なワイヤレス接続インターフェースを提供する標準規格として、Bluetooth通信が知られており、“Bluetooth SIG(SpecialInterest Group)”にその運営・管理が委ねられている。Bluetooth通信は、ISMバンドを使用するが、低消費電力及び短距離通信を特徴とし、全体のデータ伝送速度は1Mbpsである。Bluetooth通信の主なアプリケーションとして、電話機本体とハンドセット間の音声通信や、オーディオ機器からヘッドフォンへのオーディオ・データの伝送が想定される。
最近では、携帯電話機やPDAなどの移動端末に無線LAN機能とともに、Bluetooth通信機能を搭載するニーズが高まってきている。無線LANとBluetooth通信という2重の通信モードを備えた通信端末は、無線LANのアクセスポイント経由でインターネットに接続し、所望のデータ・コンテンツをダウンロードできると同時に、オーディオ再生データをBluetooth通信によりヘッドセットに送り、音楽鑑賞することができる。
無線LANとBluetooth通信を同じ端末機器に搭載する場合、両通信方式の送受信機モジュールは基本的には別々の独立したユニットとして実現されるが、フィルタ、アンテナ、RFスイッチといった幾つかのコンポーネントは共有することが可能である。
しかしながら、ともにISMバンドという同じ周波数帯を利用するこれらの通信規格に互換性はないため、同時に通信を行なおうとすると、お互いが妨害となり、混信を招き受信障害を起こすことになる。すなわち、各通信方式の送受信機が独立したアンテナを備える場合には、一方の送受信機のアンテナから空中に放出される信号が他方の送受信機のアンテナで受信され、混信を招くことになる。一方の送受信機が近傍で強力な高周波電力を出力すると、もう一方の送受信機のRF受信回路に永久的なダメージを与えるおそれもある。また、両送受信機でアンテナを共用する場合は、一方の送受信機が送信期間中に他方の送受信機が受信動作を行なうと、アンテナ共用のための結合点で回り込み電流が生じるために、混信を招く。
このため、一方の送受信機が動作中は他方の送受信機の動作を停止せざるを得ない。端末機器が無線LANとBluetooth通信の双方の通信機能を搭載していても、無線LAN経由でデータ伝送中はBluetooth通信を利用したオーディオ再生を行なえない、あるいはBluetooth通信を利用した通話中は無線LAN経由でのインターネット接続できないことになり、2重通信の機能を十分に享受できない。
例えば、無線LANとBluetooth通信の双方の通信機能を搭載し、効率よくダイバーシティ・アンテナを共有するマルチトランシーバ移動端末装置について提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。同移動端末装置は、それぞれ第1及び第2のアンテナ・ポートで接続される2本のダイバーシティ・アンテナを備え、Bluetooth動作モードでは、第2アンテナ・ポートをBluetooth通信機入出力ポートに接続するとともに無線LAN送受信ポートを第2のアンテナ・ポートから切り離し、無線LAN送信モードでは、無線LAN送受信ポートを第1のアンテナ・ポートに接続するとともにBluetooth通信機入出力ポートを第2のアンテナ・ポートから切り離し、無線LAN受信モードでBluetooth通信機送受信ポートが第2のアンテナ・ポートから切り離されるときには、無線LAN送受信ポートをいずれかのアンテナ・ポートに接続するように構成されている。
すなわち、この移動端末装置では、高周波スイッチを組み合わせ、そのスイッチング・アルゴリズムを工夫することにより、無線LANとBluetooth通信の書く送受信機が一対のダイバーシティ・アンテナを共有することを実現している。しかしながら、高周波スイッチの切り替えで混信を避けているため、回路が複雑で高周波スイッチング・ユニットが必要となりコストが嵩むという問題がある。また、これら高周波スイッチング・ユニットをコントロールするための制御回路と、それを動かすためのソフトウェアも必要となることから、全体のシステムが大掛かりになるデメリットがある。さらに、アンテナに接続される通信モジュールをスイッチの切り替えにより選択する構成となっているため、1つの通信機能が動作中はもう1つの通信機能を停止せざるをえない場合も発生してしまう。
特開2001−24579号公報
本発明の目的は、IEEE802.11に代表される無線LANとBluetooth通信のように、同一の周波数帯を利用する2つの異なる通信機能を好適に搭載することができる、優れた無線通信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、IEEE802.11に代表される無線LANとBluetooth通信のように互換性のない2つの通信機能を好適に搭載するとともに、混信を招くことなく2つの通信機能を同時に使用することができる、優れた無線通信装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、互換性のない第1及び第2の通信規格に従う無線通信機能を搭載した無線通信装置であって、
第1の通信規格に従う無線通信動作を行ない、送受信信号を入出力するための第1の送受信ポートを備えた第1の送受信機と、
第2の通信規格に従う無線通信動作を行ない、送受信信号を入出力するための第2の送受信ポートを備えた第2の送受信機と、
前記第1及び第2の送受信機が送受信に共用する共用アンテナと、
前記共用アンテナと前記第1及び第2の送受信ポートを接続するアンテナ接続部と、
前記第1及び第2の送受信機における通信動作を制御する制御部を備え、
前記アンテナ接続部は、前記共用アンテナでの受信電力を前記第1及び第2の送受信ポートにほぼ均等に分配し、前記第1の送受信ポートからの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第2の送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第2の送受信ポートに分配した電力をキャンセルし、前記第2の送受信ポートからの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第1の送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第1の送受信ポートに分配した電力をキャンセルする、
ことを特徴とする無線通信装置である。そして、前記制御部は、一方の送受信機が送信期間中は他方の送受信機を受信動作に切り替えるようになっている。
ここで言う第1の通信規格は例えばIEE802.11であり、第2の通信規格は同じISMバンドを使用するが互換性のないBluetooth通信である。
このような場合、2つの通信方式はともにISMバンドという同じ周波数帯を利用するが互換性がないため、同時に通信を行なおうとすると、お互いが妨害となり、混信を招き受信障害を起こすことになる。一方の送受信機が近傍で強力な高周波電力を出力すると、もう一方の送受信機のRF受信回路に永久的なダメージを与えるおそれがある。このため、一方の送受信機が動作中は他方の送受信機を停止せざるを得ない。
これに対し、本発明に係る無線通信装置では、通信規格に互換性のない第1の送受信機と第2の送受信機とが、アイソレーション特性を持つように設計されたアンテナ接続部を介して共用アンテナに接続されているので、送受信機の一方の機能を完全に停止させることなく、低コストで且つ容易に同時運用することが可能になる。
例えば、第1の送受信機が送信期間中に第2の送受信機が受信動作を行なっている場合について考察してみる。第1の送受信機による送信信号は、第1の送受信ポートから出力されると、アンテナ接続部によって、共用アンテナ及び第2の送受信ポートにほぼ均等に分配され、共用アンテナから空中に放出される。また、第2の送受信ポートに分配した電力はキャンセルされるので、第2の送受信機で混信を招くことはない。この場合、第1の送受信機からの送信電力はアンテナ接続部により分配されるときに半減する(例えば、3dB程度の送信電力のダウンとなる)が、簡単で且つ低コストで実現する回路構成により、互換性のない2つの通信規格による同時運用が可能である。
また、他の無線通信装置からの第2の通信規格に従う無線信号を共用アンテナで受信した場合、アンテナ接続部によって、その受信電力が前記第1及び第2の送受信ポートにほぼ均等に分配されるので、第2の送受信機により受信処理を行なうことができる。
勿論、第2の送受信機が送信期間中に第1の送受信機が受信動作を行なっている場合についても、同様に第1及び第2の送受信機による同時運用が可能である。
このようなアイソレーション特性を持つアンテナ接続部は、例えば、ウィルキンソン型の電力分配合成器や、方向性結合器を用いて実装することができる。
また、第1の送受信機は、第1の受信ポート経由で接続される第1の選択ダイバーシティ受信用アンテナを備えるとともに、第2の送受信機は、第2の受信ポート経由で接続される第2の選択ダイバーシティ受信用アンテナを備えていてもよい。このような場合、第1の送受信機は、第1の選択ダイバーシティ用受信アンテナと共用アンテナという2本のアンテナを用いて選択ダイバーシティ受信動作を行なうことができる。同様に、第2の送受信機は、第2の選択ダイバーシティ用受信アンテナと共用アンテナを用いて選択ダイバーシティ受信動作を行なうことができる。
ところが、一方の送受信機がこのような選択ダイバーシティ受信動作を行なっているときに、他方の送受信機が送信処理を行なうと、共用アンテナから空中に放出される無線信号が一方の送受信機の選択ダイバーシティ用受信アンテナで受信されてしまい、混信を招いてしまうことになる。
そこで、制御部は、他方の送受信機が送信処理を行なっていることを検出すると、一方の送受信機の受信アンテナとして、アイソレーション特性を持つ共用アンテナに設定するという選択ダイバーシティ受信動作を行なわせることによって、上述と同様に混信を防ぎ、同時運用を実現することができる。
また、本発明の第2の側面は、互換性のない第1及び第2の通信規格に従う無線通信機能を搭載し、ダイバーシティ送受信を行なう無線通信装置であって、
第1及び第2の共用アンテナと、
第1の通信規格に従う無線通信動作を行ない、前記第1及び第2の共用アンテナに対し送受信信号をそれぞれ入出力するための2つの送受信ポートを備え、ダイバーシティ送受信動作が可能な第1の送受信機と、
第2の通信規格に従う無線通信動作を行ない、前記第1及び第2の共用アンテナに対し送受信信号をそれぞれ入出力するための2つの送受信ポートを備え、ダイバーシティ送受信動作が可能な第2の送受信機と、
前記第1及び第2の共用アンテナと前記第1及び第2の各送受信ポートをそれぞれ接続する第1及び第2のアンテナ接続部と、
前記第1及び第2の送受信機における通信動作を制御する制御部を備え、
前記の各アンテナ接続部は、前記共用アンテナでの受信電力を前記第1及び第2の送受信機の対応する送受信ポートにほぼ均等に分配し、前記第1の送受信機側からの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第2の送受信機の対応する送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第2の送受信機側に分配した電力をキャンセルし、前記第2の送受信機側からの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第1の送受信機の対応する送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第1の送受信機側に分配した電力をキャンセルする、
ことを特徴とする無線通信装置である。そして、前記制御部は、一方の送受信機が一方の共用アンテナを用いた送信期間中は、他方の送受信機を他方の共用アンテナを用いた受信動作に切り替えるようになっている。
ここで言う第1の通信規格は例えばIEE802.11であり、第2の通信規格は同じISMバンドを使用するが互換性のないBluetooth通信である。
本発明の第2の側面に係る無線通信装置は、互換性のない第1及び第2の通信規格に従う無線通信機能を搭載するとともに、第1及び第2の共用アンテナを備えている。そして、第1及び第2の送受信機は、いずれも第1及び第2の共用アンテナに対し送受信信号をそれぞれ入出力するための2つの送受信ポートを備え、ダイバーシティ送受信動作が可能である。
ところが、2つの通信方式はともにISMバンドという同じ周波数帯を利用するが互換性がないため、同時に通信を行なおうとすると、お互いが妨害となり、混信を招き受信障害を起こすことになる。一方の送受信機が近傍で強力な高周波電力を出力すると、もう一方の送受信機のRF受信回路に永久的なダメージを与えるおそれがある。このため、一方の送受信機が動作中は他方の送受信機を停止せざるを得ないという問題がある。
これに対し、本発明の第2の側面に係る無線通信装置、第1及び第2の送受信機の各送受信ポートは、アイソレーション特性を持つように設計された第1及び第2のアンテナ接続部を介して第1及び第2の共用アンテナに接続されているので、送受信機の一方の機能を完全に停止させることなく、低コストで且つ容易に同時運用することが可能になる。
例えば、第1の送受信機が第1の共用アンテナを用いて送信期間中に第2の送受信機が第2の共用アンテナを用いて受信動作を行なっている場合について考察してみる。第1の送受信機による送信信号は、第1のアンテナ接続部によって第1の共用アンテナ及び第2の送受信機にほぼ均等に分配され、共用アンテナから空中に放出される。また、第2の送受信機側に分配した電力はキャンセルされるので、第2の送受信機で混信を招くことはない。この場合、第1の送受信機からの送信電力はアンテナ接続部により分配されるときに半減する(例えば、3dB程度の送信電力のダウンとなる)が、簡単で且つ低コストで実現する回路構成により、互換性のない2つの通信規格による同時運用が可能である。
また、他の無線通信装置からの第2の通信規格に従う無線信号を第2の共用アンテナで受信した場合、第2のアンテナ接続部によって、その受信電力が前記第1及び第2の送受信機のそれぞれにほぼ均等に分配されるので、第2の送受信機により受信処理を行なうことができる。
勿論、第2の送受信機が送信期間中に第1の送受信機が受信動作を行なっている場合についても、同様に第1及び第2の送受信機による同時運用が可能である。
このようにアイソレーション特性を持つアンテナ接続部は、例えば、ウィルキンソン型の電力分配合成器や、方向性結合器を用いて実装することができる(同上)。
本発明によれば、IEEE802.11に代表される無線LANとBluetooth通信のように、同一の周波数帯を利用する2つの異なる通信機能を好適に搭載することができる、優れた無線通信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、IEEE802.11に代表される無線LANとBluetooth通信のように互換性のない2つの通信機能を好適に搭載するとともに、混信を招くことなく2つの通信機能を同時に使用することができる、優れた無線通信装置を提供することができる。本発明に係る無線通信装置によれば、これら互換性を持たない2つの通信規格からなる送受信機の一方の機能を完全に停止させる必要がなくなり、低コストで且つ容易に同時運用することが可能になる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、IEEE802.11に代表される無線LANとBluetooth通信のように、同一の周波数帯を利用する2つの異なる通信機能を搭載した無線通信装置である。IEEE802.11に代表される無線LANとBluetooth通信は、互換性のない通信規格であるが、本発明に係る無線通信装置は、混信を招くことなく2つの通信機能を同時に使用するよう構成されている。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信装置のハードウェア構成を模式的に示している。
図示の無線通信装置10は、IEEE802.11に従う送受信動作を行なう無線LAN通信部11と、Bluetooth通信に従う送受信動作を行なうBluetooth通信部12と、これら両通信部11及び12における通信動作を制御する制御回路17を備えている。無線通信装置10は、例えば通信モジュールとして、携帯電話機やPDAなどの移動端末機器(図示しない)に搭載することができるものとする。
無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の間にはそれぞれの状態をお互いが認識するための信号線が接続されている。BT_Requestは、Bluetooth通信部12がBluetooth通信動作の開始を無線LAN通信部11に要求する信号線である。また、BT_Stateは、Bluetooth通信部12における通信状態を無線LAN通信部11に通知するための信号線である。また、BT_Freqは、Bluetooth通信部12において現在使用中のホッピング周波数を通知するための信号線である。また、WL_Acticeは、無線LAN通信部11における通信動作のアクティビティをBluetooth通信部12に通知するための信号線である。但し、これらの信号線に基づく動作自体は本発明の要旨に直接関連しないので、以下ではこれ以上説明しない。
また、無線LAN通信部11とBluetooth通信部12はそれぞれ高周波入出力用の送受信ポートP1をそれぞれ備えており、これらの送受信ポートP1は、電力分配合成器13を介して1つの共用アンテナ14に接続されている。
電力分配合成器13は、例えばウィルキンソン(Wilkinson)型のものであり、無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の間でアイソレーション特性を持つように設計されている。具体的には、電力分配合成器13は、共用アンテナでの受信電力を無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の各送受信ポートP1にほぼ均等に分配し、無線LAN通信部11の送受信ポートP1からの送信電力を共用アンテナ14及びBluetooth通信部12の送受信ポートP1にほぼ均等に分配した後にBluetooth通信部12の送受信ポートP1に分配した電力をキャンセルする。また、Bluetooth通信部12の送受信ポートP1からの送信電力を共用アンテナ14及び無線LAN通信部11の送受信ポートP1にほぼ均等に分配した後に、無線LAN通信部11の送受信ポートP1に分配した電力をキャンセルする。
制御回路17は、一方の送受信機が送信期間中は他方の送受信機を受信動作に切り替える。
例えば、無線LAN通信部11が送信期間中にBluetooth通信部12が受信動作を行なっている場合について考察してみる。無線LAN通信部11による送信信号は電力分配合成器13によって、共用アンテナ14及び第2の送受信ポートにほぼ均等に分配され、共用アンテナから空中に放出される。また、Bluetooth通信部12の送受信ポートP1に分配した電力はキャンセルされるので、Bluetooth通信部12で混信を招くことはない。この場合、無線LAN通信部11からの送信電力は電力分配合成器13により分配されるときに半減する(例えば、3dB程度の送信電力のダウンとなる)が、簡単で且つ低コストで実現する回路構成により、互換性のない2つの通信規格による同時運用が可能である。
また、他の無線通信装置からのBluetooth通信信号を共用アンテナ14で受信した場合、電力分配合成器13によって、その受信電力が無線LAN通信部11及びBluetooth通信部12それぞれの送受信ポートP1にほぼ均等に分配されるので、Bluetooth通信部12により受信処理を行なうことができる。
勿論、Bluetooth通信部12が送信期間中に無線LAN通信部11が受信動作を行なっている場合についても、同様に双方の送受信機による同時運用が可能である。
無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の間でアイソレーション特性を持つように共用アンテナ14と接続するためのデバイスとして、ウィルキンソン型の電力分配合成器13以外に、方向性結合器13´を用いることもできる。図2には、この場合の無線通信装置10の構成例を示している。方向性結合器13´による送受信電力の結合動作は、電力分配合成器13による電力分配及び合成作用とほぼ等価であり、また、無線LAN通信部11とBluetooth通信部12、制御回路17の動作は上述と同様なので、ここではこれ以上の説明を省略する。
図3には、本発明の他の実施形態に係る無線通信装置のハードウェア構成を模式的に示している。
図示の無線通信装置10は、IEEE802.11に従う送受信動作を行なう無線LAN通信部11と、Bluetooth通信に従う送受信動作を行なうBluetooth通信部12と、これら両通信部11及び12における通信動作を制御する制御回路17を備えている。無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の間にはそれぞれの状態をお互いが認識するための、上述と同様の信号線が接続されている。
また、無線LAN通信部11とBluetooth通信部12は、1つの高周波入出力用の送受信ポートP1と高周波入力用の受信ポートP2をそれぞれ備えている。このうち、送受信ポートP1は、電力分配合成器13を介して1つの共用アンテナ14に接続されている。また、各通信部11及び12の受信ポートP2はそれぞれ選択ダイバーシティ受信用の受信アンテナ15及び16に接続されており、無線LAN通信部11とBluetooth通信部12はともに、選択ダイバーシティ用受信アンテナ15又は16と共用アンテナ14を用いて、選択ダイバーシティ受信動作を行なうことができる。
電力分配合成器13は、例えばウィルキンソン型のものであり、無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の間でアイソレーション特性を持つように設計されている。具体的には、電力分配合成器13は、共用アンテナでの受信電力を無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の各送受信ポートP1にほぼ均等に分配し、無線LAN通信部11の送受信ポートP1からの送信電力を共用アンテナ14及びBluetooth通信部12の送受信ポートP1にほぼ均等に分配した後にBluetooth通信部12の送受信ポートP1に分配した電力をキャンセルする。また、Bluetooth通信部12の送受信ポートP1からの送信電力を共用アンテナ14及び無線LAN通信部11の送受信ポートP1にほぼ均等に分配した後に、無線LAN通信部11の送受信ポートP1に分配した電力をキャンセルする。
一方の送受信機が選択ダイバーシティ受信動作を行なっているときに、他方の送受信機が送信処理を行なうと、共用アンテナから空中に放出される無線信号が一方の送受信機の選択ダイバーシティ用受信アンテナで受信されてしまい、混信を招いてしまうことになる。また、一方の送受信機が近傍で高周波信号を出力すると、他方の送受信機の受信部に永久的なダメージを与える危惧がある。そこで、制御回路17は、他方の送受信機が送信処理を行なっていることを検出すると、一方の送受信機の受信アンテナとして、アイソレーション特性を持つ共用アンテナに設定するという選択ダイバーシティ受信動作を行なわせることによって、上述と同様に混信を防ぎ、同時運用を実現するようにしている。
無線LAN通信部11が他の無線通信の相手方に対して特定のチャンネルで高周波の信号を出力しているとき、制御回路17はこれを検知すると、Bluetooth通信部12の受信アンテナを送受信ポートP1に設定する。これによって、Bluetooth通信部12は、他のBluetooth通信装置からの送信信号を受信することが可能となる。且つ、電力分配合成器13は無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の間でアイソレーション特性があるので、無線LAN通信部11が送受信ポートP1から高周波の信号を出力しても、Bluetooth通信部12の受信機能に永久的なダメージを与えることはなく、受信妨害の程度も削減することができる。
一方で、Bluetooth通信部12が他の無線通信の相手方に対してある特定のチャンネルで高周波の信号を出力しているとき、制御回路17はこれを検知すると、無線LAN通信部11の受信アンテナを送受信ポートP1に設定する。これによって、無線LAN通信部11は、他の無線LAN通信装置からの送信信号を受信することが可能となる。且つ、電力分配合成器13は装置間でアイソレーション特性があるので、Bluetooth通信部12が送受信ポートP1から高周波の信号を出力しても、無線LAN通信部11の受信機能に永久的なダメージを与えることはなく、受信妨害の程度も削減することができる。
無線LAN通信部11とBluetooth通信部12の間でアイソレーション特性を持つように共用アンテナ14と接続するためのデバイスとして、ウィルキンソン型の電力分配合成器13以外に、方向性結合器13´を用いることもできる。図4には、この場合の無線通信装置10の構成例を示している。方向性結合器13´による送受信電力の結合動作は、電力分配合成器13による電力分配及び合成作用とほぼ等価であり、また、無線LAN通信部11とBluetooth通信部12、制御回路17の動作は上述と同様なので、ここではこれ以上の説明を省略する。
図5には、本発明のさら他の実施形態に係る無線通信装置のハードウェア構成を模式的に示している。
図示の無線通信装置10は、IEEE802.11に従う送受信動作を行なう無線LAN通信部31と、Bluetooth通信に従う送受信動作を行なうBluetooth通信部32と、これら両通信部31及び32における通信動作を制御する制御回路37を備えている。無線LAN通信部31とBluetooth通信部32の間にはそれぞれの状態をお互いが認識するための、上述と同様の信号線が接続されている。
また、無線LAN通信部31とBluetooth通信部32は、2つの高周波入出力用の送受信ポートP1及びP2をそれぞれ備えている。このうち、送受信ポートP1は電力分配合成器33を介してダイバーシティ送受信用のアンテナ35に接続されるとともに、他方の送受信ポートP2は電力分配器34を介してダイバーシティ送受信用のアンテナ36に接続されている。したがって、無線LAN通信部31とBluetooth通信部32はともに、2本の共用アンテナ35及び36を用いて選択ダイバーシティ送受信動作を行なうことができる。
電力分配合成器33は、例えばウィルキンソン型のものであり、無線LAN通信部31とBluetooth通信部32の間でアイソレーション特性を持つように設計されている。具体的には、電力分配合成器33は、アンテナ35での受信電力を無線LAN通信部31とBluetooth通信部32の各送受信ポートP1にほぼ均等に分配し、無線LAN通信部31の送受信ポートP1からの送信電力をアンテナ35及びBluetooth通信部32の送受信ポートP1にほぼ均等に分配した後にBluetooth通信部32の送受信ポートP1に分配した電力をキャンセルする。また、Bluetooth通信部32の送受信ポートP1からの送信電力をアンテナ35及び無線LAN通信部31の送受信ポートP1にほぼ均等に分配した後に、無線LAN通信部31の送受信ポートP1に分配した電力をキャンセルする。また、電力分配合成器34のアイソレーション特性も同様である。
2つの通信方式はともにISMバンドという同じ周波数帯を利用するが互換性がないため、同時に通信を行なおうとすると、お互いが妨害となり、混信を招き受信障害を起こすことになる。一方の送受信機が近傍で強力な高周波電力を出力すると、もう一方の送受信機のRF受信回路に永久的なダメージを与えるおそれがある。このため、一方の送受信機が動作中は他方の送受信機を停止せざるを得ないという問題がある。そこで、制御回路37は、一方の送受信機が一方の共用アンテナを用いた送信期間中は、他方の送受信機を他方の共用アンテナを用いた受信動作に切り替えることによって、上述と同様に混信を防ぎ、同時運用を実現するようにしている。
無線LAN通信部31が他の無線通信の相手方に対してある特定のチャンネルで例えばP1のポートから高周波の信号を出力しているとき、制御回路37はこれを検知すると、Bluetooth通信部32の受信アンテナをP2に設定する。これによって、Bluetooth通信部32は、他のBT無線通信装置の電波を受信することが可能となる。且つ、電力分配合成器34は装置間でアイソレーション特性があるので、無線LAN通信部31がP1から高周波の信号を出力しても、Bluetooth通信部32の受信機能に永久的なダメージを与えることはなく、受信妨害の程度も削減することができる。
一方で、Bluetooth通信部32が他の無線通信の相手方に対して特定のチャンネルで例えばP1のポートから高周波の信号を出力しているとき、制御回路37はこれを検知すると、無線LAN通信部31の受信アンテナをP2に設定する。これによって、無線LAN通信部31は、他の無線LAN通信装置からの送信信号を受信することが可能となる。且つ、電力分配合成器33は装置間でアイソレーション特性があるので、Bluetooth通信部32がP1から高周波の信号を出力しても、無線LAN通信部31の受信機能に永久的なダメージを与えることはなく、受信妨害の程度も削減することができる。
無線LAN通信部31とBluetooth通信部32の間でアイソレーション特性を持つように共用アンテナ14と接続するためのデバイスとして、ウィルキンソン型の電力分配合成器33及び34以外に、方向性結合器33´及び34´を用いることもできる。図6には、この場合の無線通信装置10の構成例を示している。方向性結合器33´又は34´による送受信電力の結合動作は、電力分配合成器33による電力分配及び合成作用とほぼ等価であり、また、無線LAN通信部31とBluetooth通信部32、制御回路37の動作は上述と同様なので、ここではこれ以上の説明を省略する。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、無線通信装置が搭載する互換性のない2つの通信機能として、IEE802.11とBluetooth通信を採り上げたが、勿論その他の通信規格の組み合わせであっても、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信装置のハードウェア構成を模式的に示した図である。 図2は、共用アンテナと各送受信機の接続に方向性結合器を用いた図1の変形例を示した図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係る無線通信装置のハードウェア構成を模式的に示した図である。 図4は、共用アンテナと各送受信機の接続に方向性結合器を用いた図3の変形例を示した図である。 図5は、本発明のさらに他の実施形態に係る無線通信装置のハードウェア構成を模式的に示した図である。 図6は、共用アンテナと各送受信機の接続に方向性結合器を用いた図5の変形例を示した図である。
符号の説明
10…無線通信装置 11…無線LAN通信部
12…Bluetooth通信部
13…電力分配合成器
13´…方向性結合器
14…共用アンテナ
15、16…選択ダイバーシティ受信用アンテナ
17…制御回路
31…無線LAN通信部
32…Bluetooth通信部
33、34…電力分配合成器
33´、34´…方向性結合器
35、36…選択ダイバーシティ送受信用アンテナ
37…制御回路

Claims (12)

  1. 互換性のない第1及び第2の通信規格に従う無線通信機能を搭載した無線通信装置であって、
    第1の通信規格に従う無線通信動作を行ない、送受信信号を入出力するための第1の送受信ポートを備えた第1の送受信機と、
    第2の通信規格に従う無線通信動作を行ない、送受信信号を入出力するための第2の送受信ポートを備えた第2の送受信機と、
    前記第1及び第2の送受信機が送受信に共用する共用アンテナと、
    前記共用アンテナと前記第1及び第2の送受信ポートを接続するアンテナ接続部と、
    前記第1及び第2の送受信機における通信動作を制御する制御部を備え、
    前記アンテナ接続部は、前記共用アンテナでの受信電力を前記第1及び第2の送受信ポートにほぼ均等に分配し、前記第1の送受信ポートからの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第2の送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第2の送受信ポートに分配した電力をキャンセルし、前記第2の送受信ポートからの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第1の送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第1の送受信ポートに分配した電力をキャンセルする、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記制御部は、一方の送受信機が送信期間中は他方の送受信機を受信動作に切り替える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 第1の通信規格はIEE802.11であり、第2の通信規格はBluetooth通信である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記アンテナ接続部は、ウィルキンソン型の電力分配合成器で構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記アンテナ接続部は、方向性結合器で構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  6. 第1の送受信機は、第1の受信ポート経由で接続される第1の選択ダイバーシティ受信用アンテナを備えて、該第1の選択ダイバーシティ受信アンテナ及び前記共用アンテナを用いて選択ダイバーシティ受信動作が可能であり、
    第2の送受信機は、第2の受信ポート経由で接続される第2の選択ダイバーシティ受信用アンテナを備えて、該第2の選択ダイバーシティ受信アンテナ及び前記共用アンテナを用いて選択ダイバーシティ受信動作が可能である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  7. 前記制御部は、一方の送受信機が前記共用アンテナを用いて送信動作を行なっているときに、一方の送受信機の選択ダイバーシティ受信用のアンテナを前記共用アンテナに設定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 互換性のない第1及び第2の通信規格に従う無線通信機能を搭載し、ダイバーシティ送受信を行なう無線通信装置であって、
    第1及び第2の共用アンテナと、
    第1の通信規格に従う無線通信動作を行ない、前記第1及び第2の共用アンテナに対し送受信信号をそれぞれ入出力するための2つの送受信ポートを備え、ダイバーシティ送受信動作が可能な第1の送受信機と、
    第2の通信規格に従う無線通信動作を行ない、前記第1及び第2の共用アンテナに対し送受信信号をそれぞれ入出力するための2つの送受信ポートを備え、ダイバーシティ送受信動作が可能な第2の送受信機と、
    前記第1及び第2の共用アンテナと前記第1及び第2の各送受信ポートをそれぞれ接続する第1及び第2のアンテナ接続部と、
    前記第1及び第2の送受信機における通信動作を制御する制御部を備え、
    前記の各アンテナ接続部は、前記共用アンテナでの受信電力を前記第1及び第2の送受信機の対応する送受信ポートにほぼ均等に分配し、前記第1の送受信機側からの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第2の送受信機の対応する送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第2の送受信機側に分配した電力をキャンセルし、前記第2の送受信機側からの送信電力を前記共用アンテナ及び前記第1の送受信機の対応する送受信ポートにほぼ均等に分配した後に前記第1の送受信機側に分配した電力をキャンセルする、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  9. 前記制御部は、一方の送受信機が一方の共用アンテナを用いた送信期間中は、他方の送受信機を他方の共用アンテナを用いた受信動作に切り替える、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 第1の通信規格はIEE802.11であり、第2の通信規格はBluetooth通信である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
  11. 前記第1及び第2のアンテナ接続部は、ウィルキンソン型の電力分配合成器で構成される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
  12. 前記第1及び第2のアンテナ接続部は、方向性結合器で構成される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
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