JP2007140049A - ポリイミドベルト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フッ素フィラーを2〜20重量%、カーボンフィラーを3〜30重量%含有するポリアミド酸溶液を主成分とする樹脂溶液を加熱によりイミド転化して得られるポリイミドベルトであって、表面粗さ(Ra)が0.05μm以上0.35μm以下の範囲で前記ポリイミドベルト内面を粗し処理した際に、粗し処理前後の当該ベルトの内周面の摩擦係数(μ)が0.05以上0.25以下の範囲であり、摩擦係数(μ)と表面粗さ(Ra)の近似直線の傾きが−1/3以上1/3以下の関係であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
表面粗さ(Ra)が0.05μm以上0.35μm以下の範囲でポリイミドベルト内面を粗し処理した際に、粗し処理前後の当該ベルトの内周面の摩擦係数(μ)が0.05以上0.25以下の範囲であり、粗し処理前後の摩擦係数(μ)と表面粗さ(Ra)の近似直線の傾きが−1/3以上1/3以下の関係であることを特徴とする。「近似直線」は、最小二乗法による回帰直線として求めることができる。
(数1)
導電性指標=(比表面積×DBP吸油量)1/2/(1+揮発分)
ここで、「DBP吸油量」とは、一定重量のカーボンブラック中の空隙容積を液体で置換し、その容量をストラクチャー指標とするものである。より具体的には、カーボンブラック100gあたりに包含される油の量(ml)をいい、油としてフタル酸ジブチル(dibutyl phtalate)を用いたアブソープトメーターによる値(JIS K 6211に記載の吸油量A法(機械法))をいう。「比表面積」は、BET法(粉体粒子表面に吸着占有面積の判った分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法)にて測定される。
表面粗さ(Ra)が0.05μm以上0.35μm以下の範囲で得られたポリイミドベルト内面を粗し処理した際に、粗し処理前後の当該ベルトの内周面の摩擦係数(μ)が0.05以上0.25以下の範囲であり、粗し処理前後の摩擦係数(μ)と表面粗さ(Ra)の近似直線の傾きが−1/3以上1/3以下の関係であることを特徴とする。
本発明における樹脂溶液の主成分であるポリアミド酸溶液は、公知のものを使用することができ、酸二無水物とジアミンを溶媒中で重合反応させてなるポリアミド酸溶液が使用される。芳香族ポリイミド樹脂であると、得られるベルトの機械的強度や耐熱性が好適なものが得られる。
本発明のポリイミドベルトの製造方法は、好ましくは以下の工程を含む。
(1)ポリイミド樹脂系組成物中のポリイミド樹脂固形分に対し、フッ素フィラーを2〜20重量%、導電性指標が50以上400以下であるカーボンフィラーを3〜30重量%含有するポリアミド酸溶液を主成分とする樹脂溶液を調製する調製工程。
(2)樹脂溶液を筒状金型内面に塗布する塗布工程。
(3)塗布されて形成された樹脂皮膜表面を均一化するために遠心成形する遠心成形工程。
(4)遠心成形後に、溶媒除去、イミド転化するイミド転化工程。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価・試験項目は下記のようにして測定を行った。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
1.引張弾性率
測定機:オリエンテックUTM1000テンシロン、又は相当品
チャック間隔:30mm
引張速度:100mm/分
引張弾性率算出法:応力−歪み曲線の最大接線の傾きより算出
試験片:JIS K 6301の3号形ダンベルで打ち抜いたものを使用する。
2.引裂強度
JIS K 7128−1トラウザー引裂法に準じて行う。ベルト軸方向に試験片の長さを取り、幅の中央に75±1mmのスリットを入れる。次いで、試験片の足をチャックに装着し、引っ張り試験機により下記の条件で引っ張る。
試験片:長さ150mm×幅75mm(75±1mmのスリットを入れる)
引張速度:20mm/分
3.表面粗さ(Ra)
測定機:サーフコム554A(東京精密社)
測定長さ:4mm
速度:0.3mm/sec
触針荷重:70mg
カットオフ:0.8mm
Ra:算術平均粗さ
4.摩擦係数
測定機:オリエンテックAFT−15B
相手材:φ10鋼球
速度:150mm/分
荷重:200g
5.表面抵抗
ロレスタ−GP(三菱化学)に接続した4探針プローブ(MCP−TP03P)をベルト表面に押し当て測定した。
(KCAタイプ)
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にバルカン22wt%(XC−72、キャボット社、導電性指標=85)、PTFE粉末(KTL−8 喜多村社)4wt%を順次投入し、十分攪拌した後、酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンの略当モルを溶解(モノマー濃度20重量%)し、室温で攪拌しながら反応させ、次いで70℃に加温しつつ攪拌して23℃におけるB型粘度計による粘度が2000ポイズのポリアミド酸溶液を作製した。
(KCAタイプ)
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にバルカン22wt%(XC−72、キャボット社、導電性指標=85)、PTFE粉末(KTL−8 喜多村社)8wt%を順次投入し、十分攪拌した後、酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンの略当モルを溶解(モノマー濃度20重量%)し、室温で攪拌しながら反応させ、次いで70℃に加温しつつ攪拌して23℃におけるB型粘度計による粘度が2000ポイズのポリアミド酸溶液を作製した。
(KUCAタイプ)
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にファーネスブラック22wt%(スペシャルブラック4、デグサ社、導電性指標=15)、PTFE粉末(KTL−8 喜多村社)4wt%を順次投入し、十分攪拌した後、酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの混合物(モル比8:2)の略当モルを溶解(モノマー濃度20重量%)し、室温で攪拌しながら反応させ、次いで70℃に加温しつつ攪拌して23℃におけるB型粘度計による粘度が2000ポイズのポリアミド酸溶液を作製した。
(KCタイプ)
実施例1のPTFE粉末を入れないこと以外は実施例1と同様とした。得られたポリイミドベルト寸法は、長さ580mm、直径80mmφ、厚さ75μmとなった。また、このポリイミドベルトの特性は、表面抵抗の常用対数3.6(Ω/□)、引裂強度6.8N/mm、引張弾性率5700Mpaであった。
(KA絶縁タイプ)
実施例1のカーボンを入れないこと以外は実施例1と同様とした。得られたポリイミドベルト寸法は、長さ580mm、直径80mmφ、厚さ75μmとなった。また、このポリイミドベルトの特性は、絶縁性(表面抵抗1014Ω/□以上)、引裂強度8.4N/mm、引張弾性率4900Mpaであった。
(KCAタイプ)
実施例1のPTFE粉末を1wt%に変更したこと以外は実施例1と同様とした。得られたポリイミドベルト寸法は、長さ580mm、直径80mmφ、厚さ75μmとなった。また、このポリイミドベルトの特性は、表面抵抗の常用対数3.7(Ω/□)、引裂強度6.7N/mm、引張弾性率5500Mpaであった。
Claims (4)
- ポリイミド樹脂固形分に対し、フッ素フィラーを2〜20重量%、導電性指標が50以上400以下であるカーボンフィラーを3〜30重量%含有するポリアミド酸溶液を主成分とする樹脂溶液を加熱によりイミド転化して得られるポリイミドベルトであって、
表面粗さ(Ra)が0.05μm以上0.35μm以下の範囲で前記ポリイミドベルト内面を粗し処理した際に、粗し処理前後の当該ベルトの内周面の摩擦係数(μ)が0.05以上0.25以下の範囲であり、粗し処理前後の摩擦係数(μ)と表面粗さ(Ra)の近似直線の傾きが−1/3以上1/3以下の関係であることを特徴とするポリイミドベルト。 - 前記ポリイミドベルトの表面抵抗の常用対数が1〜8(Ω/□)であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドベルト。
- 請求項1又は請求項2に記載のポリイミドベルトの外面側に、ゴム弾性層及び/又はフッ素樹脂離型層を形成してなる定着ベルト。
- ポリイミド樹脂固形分に対し、フッ素フィラーを2〜20重量%、導電性指標が50以上400以下であるカーボンフィラーを3〜30重量%含有するポリアミド酸溶液を主成分とする樹脂溶液を調製する調製工程と、
前記樹脂溶液を筒状金型内面に塗布する塗布工程と、
前記塗布されて形成された樹脂皮膜表面を均一化するために遠心成形する遠心成形工程と、
前記遠心成形後に、溶媒除去、イミド転化するイミド転化工程と、を含むポリイミドベルトの製造方法であって、
表面粗さ(Ra)が0.05μm以上0.35μm以下の範囲で前記製造方法で得られたポリイミドベルト内面を粗し処理した際に、粗し処理前後の当該ベルトの内周面の摩擦係数(μ)が0.05以上0.25以下の範囲であり、粗し処理前後の摩擦係数(μ)と表面粗さ(Ra)の近似直線の傾きが−1/3以上1/3以下の関係であることを特徴とするポリイミドベルトの製造方法。
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