JP2007036699A - 画像形成装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ユーザがトラップ幅等を指定する手間を省くことができ、画像中の色が変わる境界画素(エッジ)の両側の状態にかかわらずトラッピング処理を好適に行って版ずれを防止することができる画像形成装置及び方法を提供する。
【解決手段】 画像形成装置に入力された画像中における色の境界を検出し、当該境界の複数の近傍画素に基づいて画像が記録媒体上に形成される際に版ずれが起こり得るか否かを判定する。そして、版ずれが起こり得ると判定された場合に境界の両側の画素に対してトラップ幅及びトラップ色を決定し、画像のトラッピング処理を行って記録媒体上に形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 画像形成装置に入力された画像中における色の境界を検出し、当該境界の複数の近傍画素に基づいて画像が記録媒体上に形成される際に版ずれが起こり得るか否かを判定する。そして、版ずれが起こり得ると判定された場合に境界の両側の画素に対してトラップ幅及びトラップ色を決定し、画像のトラッピング処理を行って記録媒体上に形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、カラー画像の印刷時にトラッピングを行って版ずれを補正する画像形成装置及び方法に関する。
カラー印刷機等の画像形成装置における画像印刷時に、用紙等の記録媒体上に印刷されたカラー印刷物の色と色の間に白い隙間が現れたり、特定の色が目立つ部分、すなわち「版ずれ」が生じることがある。例えば、版ずれは、CMYKのカラー印刷機の場合、C、M、Y、Kの各色がずれてしまい、本来は隙間がなく印刷される部分に白い隙間が発生するようなものである。
このような版ずれは、主に機械的な問題で起こり得るものであるが、機械的に補正することは一般的に困難である。
これに対し、従来は、大きく2種類のトラッピング処理手法が行われていた。1つ目は、RIP内においてオブジェクトベースでトラッピング処理を施したいオブジェクトの幅を太くしたりすることによりトラッピング処理を行う手法であった。また、もう一つは、レンダリング後にビットマップデータのエッジの両側の画素を調べ、明るい方の色を暗いほうの色にかぶせることでトラッピング処理を行う手法であった。
また、いずれのトラッピング処理手法についても、さまざまな画素の状況に対応するために各種試みがなされた。例えば、エッジの片側又は両側にトラッピング処理を行うものや、トラップの色をエッジからの距離に応じて変える処理等、トラッピング処理を施した部分が見た目に不自然でなくなるような試みがなされてきた。
トラッピング処理をエッジの両側に行う手法の一例として、エッジの両側にトラッピング処理を行う幅(以下、「トラップ幅」という。)の比率を、エッジの両側の画素の濃度又は輝度値等の画素値を元にした比で算出するという手法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、トラップの色をエッジからの距離に応じて変えていくトラッピング処理を行う手法の一例として、次のようなものがある。それは、ハーフトーン処理後にエッジの両側の色とトラップの色をもとにエッジから遠ざかるにつれてトラップの色の画素を少なくして、エッジの両側の元の色の画素を増やすという処理を行う手法である(特許文献2参照。)。
米国特許第6084684号明細書
特開2001−189849号公報
しかしながら、上述したようなトラッピング処理をエッジの両側に行う手法は、エッジの両側へのそれぞれのトラップ幅の合計の長さ(以下、「トラップ幅全体の長さ」という。)が一定であり、かつ、そのトラップ幅全体の長さをユーザが設定する必要があった。
またこの従来の手法は、エッジの両側に明るい画素がある場合は版ずれが生じた場合に目立ち、版ずれが起こらない場合にはトラップした部分が目立つという問題があった。さらに、エッジの両側が暗い画素の場合には、版ずれが起こると白抜けが目立つようになった。
一方、トラップの色に関して、従来は、トラップの色を対象画像の色に調和させるために、トラップの色とトラップ対象領域の色との画素の数をエッジからの距離に応じて調節していた。しかしながら、この手法は画素の数でトラップの色を変えるため、厳密にトラップの色を決めてないという問題があった。
さらにまた、一般に曲線や斜面部分を有する画像に対してトラッピング処理を施した後にハーフトーン処理を行った場合、滑らかな曲線や斜面の部分にギザギザ部分(すなわち、ジャギー)が発生するという問題もあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、次のような画像形成装置及び方法を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、ユーザがトラップ幅等を指定する手間を省くことができ、画像中の色が変わる境界画素(エッジ)の両側の状態にかかわらずトラッピング処理を好適に行って版ずれを防止するようにする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、
画像を入力する入力手段と、
前記画像中における色の境界を検出する検出手段と、
前記境界の複数の近傍画素に基づいて前記画像が記録媒体上に形成される際に版ずれが起こり得るか否かを判定する判定手段と、
版ずれが起こり得ると判定された場合に前記境界の両側の画素に対してトラップ幅及びトラップ色を決定する決定手段と、
前記トラップ幅及びトラップ色に基づいて前記画像のトラッピング処理を行う処理手段と、
トラッピング処理後の前記画像を記録媒体上に形成する形成手段と
を備えることを特徴とする。
画像を入力する入力手段と、
前記画像中における色の境界を検出する検出手段と、
前記境界の複数の近傍画素に基づいて前記画像が記録媒体上に形成される際に版ずれが起こり得るか否かを判定する判定手段と、
版ずれが起こり得ると判定された場合に前記境界の両側の画素に対してトラップ幅及びトラップ色を決定する決定手段と、
前記トラップ幅及びトラップ色に基づいて前記画像のトラッピング処理を行う処理手段と、
トラッピング処理後の前記画像を記録媒体上に形成する形成手段と
を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る上記画像形成装置は、
前記決定手段が、
前記境界を挟んだ色が変化した両側の領域内の濃度を取得する手段と、
前記両側の領域の濃度に基づいて前記境界からのそれぞれの領域へのトラップ幅を算出する手段と
を備えることを特徴とする。
前記決定手段が、
前記境界を挟んだ色が変化した両側の領域内の濃度を取得する手段と、
前記両側の領域の濃度に基づいて前記境界からのそれぞれの領域へのトラップ幅を算出する手段と
を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る上記画像形成装置は、前記決定手段が、前記両側の領域のそれぞれの濃度及び前記それぞれの領域へのトラップ幅に基づいて、それぞれのトラップ色を決定することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係る上記画像形成装置は、トラッピング処理後の画像に対して、所定の線数を持つスクリーンによってハーフトーン画像を生成するスクリーン処理手段をさらに備えることを特徴とする。
さらにまた、本発明に係る上記画像形成装置は、前記スクリーンの線数と該スクリーンに最低限必要な線数との割合を前記トラップ幅に乗じてトラップ幅を調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザがトラップ幅等を指定する手間を省くことができ、画像中の色が変わる境界画素(エッジ)の両側の状態にかかわらずトラッピング処理を好適に行って版ずれを防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるトラッピング処理の詳細について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図である。以下、実施形態では画像形成装置としてデジタル複合機等を想定しているが、複写機だけでなく、カラープリンタ等の他の印刷デバイスであっても同様に考えることが可能である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図である。以下、実施形態では画像形成装置としてデジタル複合機等を想定しているが、複写機だけでなく、カラープリンタ等の他の印刷デバイスであっても同様に考えることが可能である。
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構造について説明する。図1に示すように、画像形成装置は、画像読取部101、画像処理部102、記憶部103、CPU104及び画像出力部105を備える。尚、当該画像形成装置は、LANやインターネット等のネットワークを介して、画像データを管理するサーバや、この画像形成装置に対してプリントの実行を指示するパーソナルコンピュータ(PC)等とも接続可能である。
次に、図1に示す画像形成装置の各構成の働きについて説明する。画像読取部101では、入力画像を読み取る。例えば、画像読取部101はCMYKのカラー画像等を読み取る。次に、画像処理部102は、送られてきた印刷情報を中間情報(以下、「オブジェクト」という。)に変換し、オブジェクトバッファに格納する。この時、濃度補正等の画像処理等が行われる。さらに、画像処理部102は、バッファオブジェクトに基づいてビットマップデータを生成し、バンドバッファに格納する。この時、ディザ処理やハーフトーン処理等が行われる。
ここで、先に述べたように、トラッピング処理はRIP内におけるオブジェクトデータベースで行われる場合、又は、レンダリング後のビットマップに対して行われる場合の2通りがあり、本発明ではどちらでも適応可能である。但し、以下では、代表的にビットマップに対して処理する場合について説明する。
次に、図1に示す画像形成装置の記憶部103、CPU104及び画像出力部105における構成や働きについて説明する。記憶部103は、ランダムアクセスメモリ(RAM)や読み出し専用メモリ(ROM)等のさまざまな記憶媒体から構成される。例えば、RAMはデータや各種情報を格納する領域として用いられたり、作業領域として用いられる。一方、ROMは、各種制御プログラムを格納する領域として用いられる。また、CPU104は、ROMに格納されたプログラムに従って各種処理を判断、制御するものとして用いられる。さらに、画像出力部105は、画像を出力(例えば、印刷用紙等の記録媒体に画像を形成して出力)する働きを持つ。
図7は、図1における画像形成装置の画像読取部101及び画像出力部105のハードウェア構成を模式的に示す図である。
画像読取部101と画像出力部105は、図3に示すように、スキャナ部200とプリンタ部300として一体的に構成されている。スキャナ部200(スキャナ2070)は、原稿給紙ユニット250を搭載する。原稿給紙ユニット250は、原稿を先頭から順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送する。そして、スキャナ部200では、各原稿の読み取り動作が終了する毎に、その原稿をプラテンガラス211から不図示の排出トレイに排出する。
スキャナ部200では、原稿がプラテンガラス211上に給送されると、ランプ212が点灯し、移動ユニット213の移動が開始する。この移動ユニット213の移動により、プラテンガラス211上の原稿に対する読み取り走査が行われる。この読み取り走査中、原稿からの反射光は、各ミラー214、215、216及びレンズ217を経て、CCDイメージセンサ(以下、「CCD」と称す。)218に導かれ、原稿上の画像がCCD218の撮像面上に結像される。CCD218は、撮像面に結像された画像を電気信号に変換し、この電気信号は所定の処理施された後にコントローラユニット2000に入力される。
一方、プリンタ部300(プリンタ2095)は、レーザドライバ321を有しており、レーザドライバ321はコントローラユニット2000から入力された画像データに基づき、レーザ発光部322を駆動する。これにより、レーザ発光部322からは画像データに応じたレーザ光が発光され、このレーザ光は走査されながら感光ドラム323上に照射される。
感光ドラム323上には、照射されたレーザ光により静電潜像が形成され、この静電潜像は現像器324から供給されたトナーにより、トナー像として可視像化される。レーザ光の照射タイミングに同期して、各カセット311、312から記録紙が搬送路を介して感光ドラム323と転写部325との間に給紙され、感光ドラム323上のトナー像が、転写部325により、給紙された記録紙上に転写される。
トナー像が転写された記録紙は、搬送ベルトを介して定着ローラ対(加熱ローラと加圧ローラ)326に送られる。そして、定着ローラ対326は、記録紙を熱圧し、記録紙上のトナー像を記録紙上に定着させる。この定着ローラ対326を通過した記録紙は、排紙ローラ対327により排紙ユニット330に排紙される。
排紙ユニット330は、ソートやステイプル等の後処理を施すことが可能なシート処理装置からなる。また、両面記録モードが設定されている場合には、記録紙を排紙ローラ対327まで搬送した後に、排紙ローラ対327の回転方向を逆転させ、フラッパ328によって再給紙搬送路339へ導く。再給紙搬送路339に導かれた記録紙は、上述したタイミングで感光ドラム323と転写部325との間に再給紙され、この記録紙の裏面にトナー像が転写される。
次に、トラッピング処理の手順について概説し、その後、具体的な処理手順について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置におけるトラッピング処理手順を説明するためのフローチャートである。画像形成装置では、印刷開始が指示されると、画像の読み取り処理及び保存処理が行われる(ステップS201)。そして、保存した画像の走査や各種処理を行って、画像中から色が変わる境界(エッジ)が検出されたか否かを判断する(ステップS202)。その結果、エッジ部分が検出されたと判断された場合(Yes)は、画素の両側を調べて版ずれが起こり得るか否かを判定する(ステップS203)。
その結果、版ずれが起こり得ると判定された場合(Yes)は、トラッピング処理を行うトラップ幅を算出して決定する(ステップS204)。その後、トラッピング処理を行うトラップ色を決定する(ステップS205)。そして、決定したトラップ幅及びトラップ色のトラップデータを用いてトラッピング処理を行い画像中の対象画素の更新処理を行う(ステップS206)。その後、画素を更新したかどうかを判断し(ステップS207)、更新したと判断した場合(Yes)は次の画素において以上の操作を繰り返す。この処理は、対象画素がなくなるまで続けられる。
次に、図2に示すトラッピング処理におけるトラップ幅の決定処理(ステップS204)、及びトラップ色の決定処理(ステップ205)の細部処理手法について順に説明する。
まず、トラップ幅を決定するステップS204の処理の詳細について説明する。図3は、トラッピング処理におけるトラップ幅を決定する処理を説明するための図である。図3において、(a)は、トラッピング対象画像を示す図である。また、(b)は、(a)に示す画像中の部分画像10を拡大した画像であり、ここでは、エッジ314の両側にトラッピング処理が行われていることを示している。
トラップ幅を決定するに際して、まず、白又は黒色に対して明度や濃度に関した値を設定する。例えば、白とある基準で判定されたものに対しては、例えば10の濃度値を、同様に黒に対しては、1の濃度値を設定する。このように、本実施形態では、暗い色が明るい色よりも小さい濃度値になるように設定する。また、白黒以外の色は1から10までの間の濃度値を設定するものとする。尚、この白の値は、トラッピング処理を行うか行わないかを判断する閾値として使用してもよい。或いは、この白の値は、輝度値L*a*b*等を基準にして決定するようにしてもよい。
次に、対象画像におけるエッジの両側の画素の値を白又は黒の設定値を求めた手順と同様にして求める。
そして,本実施形態では、対象画像の画素を先に定めたルールに基づいて、以下に示す式(1)に示す関数を用いてトラップ幅を求める。ここで、図3(a)における領域311への設定値をaとし、領域312への設定値をbとする。また、図3(b)に示すエッジ324の左側の領域322、323は、領域311へのトラップ領域を示している。尚、領域322、323は、それぞれ横幅が1画素に対応している。同様にして、エッジ324の右側の領域325、326は、領域312へのトラップ領域を示している。そして、領域325、326は、それぞれ横幅が1画素に対応している。
ここで、
f(dpi):解像度dpiによりトラップ幅を変化させる関数、
C:定数、
white=10、
0≦a≦10、
0≦b≦10、
TWa*:設定値が aの領域 にかかるトラップ幅、
TWb*:設定値が bの領域 にかかるトラップ幅である。
f(dpi):解像度dpiによりトラップ幅を変化させる関数、
C:定数、
white=10、
0≦a≦10、
0≦b≦10、
TWa*:設定値が aの領域 にかかるトラップ幅、
TWb*:設定値が bの領域 にかかるトラップ幅である。
次に、トラップ幅を求める例について説明する。以下に示す例(1)では、エッジの両側の明度及び濃度が異なる時のトラップ幅について示す例である。また、例(2)では、エッジの両側の明度及び濃度が同じであり、ともに明るい色の場合について示す例である。尚、図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置におけるトラップ幅を求める例(1)及び例(2)について示す図である。
(例1)
エッジの両側の明度及び濃度が異なる場合の例について図4(a)を用いて説明する。図4(a)において、領域411が暗い色a、領域417が明るい色b(b>a)の場合、トラップ幅TWa*,TWb*は式(1)に従うと、暗い色である領域aにはトラップ幅TWa*(領域412,413,414の3画素分)となる。一方、明るい色である領域bにはトラップ幅TWb*(領域416の1画素分)となる。
エッジの両側の明度及び濃度が異なる場合の例について図4(a)を用いて説明する。図4(a)において、領域411が暗い色a、領域417が明るい色b(b>a)の場合、トラップ幅TWa*,TWb*は式(1)に従うと、暗い色である領域aにはトラップ幅TWa*(領域412,413,414の3画素分)となる。一方、明るい色である領域bにはトラップ幅TWb*(領域416の1画素分)となる。
したがって、
TWa*=3>TWb*=1 ・・・ (1.1)
より、明るい色である領域bにおいてのトラップ幅は、暗い色である領域aにかかるトラップ幅よりも短くなる。
TWa*=3>TWb*=1 ・・・ (1.1)
より、明るい色である領域bにおいてのトラップ幅は、暗い色である領域aにかかるトラップ幅よりも短くなる。
ここで、トラップ幅全体の長さTW(1)は、
TW(1)=TWa*+TWb*=4 ・・・ (1.2)
となり、領域412、413、414、416に示す4画素分となる。
TW(1)=TWa*+TWb*=4 ・・・ (1.2)
となり、領域412、413、414、416に示す4画素分となる。
(例2)
エッジの両側の明度及び濃度が同じであって、ともに明るい色の場合の例について図4(b)を用いて説明する。ここで、エッジ423の左側の領域411’は領域417と同じく明るい色a’であるとし、エッジ423の右側の領域417’は領域417と同じく明るい色b’とする。
エッジの両側の明度及び濃度が同じであって、ともに明るい色の場合の例について図4(b)を用いて説明する。ここで、エッジ423の左側の領域411’は領域417と同じく明るい色a’であるとし、エッジ423の右側の領域417’は領域417と同じく明るい色b’とする。
この場合(すなわち、a’=b’=bの場合)は、トラップ幅TWa’*については上記式(1)に従って、領域a’に対するトラップ幅TWa’*は1画素分(領域422の1画素)である。そして、例(1)におけるTWb’*(領域424の1画素)と同じ長さのトラップ幅となる。
また、トラップ幅全体の長さTW(2)は、
TW(2)=TWa’*+TWb’*=2 ・・・ (1.3)
となり、領域422、424に示す2画素分となる。したがって、
TW(1)>TW(2)
である。
TW(2)=TWa’*+TWb’*=2 ・・・ (1.3)
となり、領域422、424に示す2画素分となる。したがって、
TW(1)>TW(2)
である。
以上説明したように、本実施形態では、エッジの両側の画素の値を求めることにより自動的にトラップ幅を算出することができる。そして、エッジの両側の色が明るい色であるときには、トラップ幅全体TWを短くすることができる。
次に、図2に示すトラッピング処理におけるトラップ色を決定するステップS205の処理の詳細について説明する。まず、トラップ色とエッジの両側の画素の色を調べる。次いで、以下の式(2)に示すエッジからの距離の関数を用いることにより、エッジからの距離に従い画素の色を変化させる。尚、図5は、トラッピング処理におけるトラップ色を決定する処理を説明するための図である。
ここで、
TWa*:図5における領域512(色がaの領域)におけるトラップ幅、
TWb*:領域511(色がbの領域)におけるトラップ幅、
TWa :領域512におけるトラップ幅の変数(整数値をとる)、
TWb :領域511におけるトラップ幅の変数(整数値をとる)、
TCa( ):領域512におけるトラップ色、
TCa( ):領域511におけるトラップ色、
である。
TWa*:図5における領域512(色がaの領域)におけるトラップ幅、
TWb*:領域511(色がbの領域)におけるトラップ幅、
TWa :領域512におけるトラップ幅の変数(整数値をとる)、
TWb :領域511におけるトラップ幅の変数(整数値をとる)、
TCa( ):領域512におけるトラップ色、
TCa( ):領域511におけるトラップ色、
である。
そして、式(2)に示すような算出計算に従うことにより、エッジからの距離に従って、領域a、bの色に近い色にすることができ、トラッピング処理による不自然さが最小になるように設定することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、ハーフトーン処理後にハーフトーンセルが大きい場合にジャギーが発生すること考慮し、ジャギーの発生を抑制するトラッピング処理について説明する。このジャギーを考慮した処理は、図2に示すトラッピング処理の全体フロー図における前述したトラップ幅を決定する処理(ステップS204)の時に行う。
第2の実施形態では、ハーフトーン処理後にハーフトーンセルが大きい場合にジャギーが発生すること考慮し、ジャギーの発生を抑制するトラッピング処理について説明する。このジャギーを考慮した処理は、図2に示すトラッピング処理の全体フロー図における前述したトラップ幅を決定する処理(ステップS204)の時に行う。
まず、ジャギーが発生する原因を考慮することにより、ジャギーの発生を抑制する関数を導く。周知の事実として、ジャギーは、スクリーン線数 (lpi(1インチあたりの線数 ) )に大きく影響される。すなわち、線数の値が大きいとハーフトーンセルが小さく、きめ細かい画像を描くことができ、ジャギーが発生しにくい。さらに、ジャギーが発生する場合として、一般に、曲線や斜面を表現する際に起こることが知られている。したがって、トラップ幅の長さを画素ごとに変えていくと、斜面や曲線の勾配が大きくなり、さらにジャギーが発生しやすくなると考えられる。
以上のことを考慮すると、スクリーン線数とトラップ幅の長さに関する関数を考える必要があると考えられる。この関数は、スクリーン線数が少なく、ジャギーが発生しやすい場合は、トラップ幅の変動幅を短くできるという性質と、スクリーン線数が多い時はトラップ幅の変動幅に余裕を持たせることができるという性質を併せ持つ関数である。
以下、以上の性質を持つ関数の例は、
WT’=log(k×WT)
で表す。
WT’=log(k×WT)
で表す。
ここで、k=(線数)/(最低の線数)である。線数が、100lpi,120lpi,…と設定できるような印刷機である場合、最低線数は、設定値の最も線数の少ないものをさすものとする。
次に、図6を用いて関数について説明する。図6は、トラップ幅の調整の一例を説明するための図である。図6において、横軸は調整前のトラップ幅:WTであり、縦軸は調整後のトラップ幅:WT’=log(k×WT)である。ここで、k=(線数)/(最低の線数)とすると、WT≧WT’であり、調整前のトラップ幅と比較して大幅に変化量を抑えることができる。
また、スクリーン線数が大きくなれば、スクリーン線数が少ない場合であっても、トラップ幅と比較してトラップ幅の変化量の変動が大きくなることを許している。これにより、トラップ幅の変化に対してロバストになるので、トラップ幅の変化を抑制することができ,結果としてジャギーの発生を抑えることができる。
尚、ジャギーを考慮したトラップ幅を求める式は式(1)を改良して以下に示すようになる。
このように、本実施形態に係る画像形成装置によるトラッピング処理によれば、画素ごとに画素の明暗(濃淡)に応じたトラップ幅を自動的に設定し、一般ユーザがトラップ幅を指定する手間が省くことができる。さらに、エッジの両側が明るい色の画素の時や両側が暗い画素の時であっても、トラップの色自体が目立たなくなり不自然さをなくすことが可能である。
また、トラップの色をエッジからの距離に従い変更することができるようになることでトラップの色による不自然さがなくなる。さらに、ジャギー発生を抑制する処理を行うことで、ハーフトーン後のジャギーの発生を押さえることができる。
<その他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、次のようなものがある。すなわち、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、次のような方法によっても供給できる。例えば、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
101 画像読取部
102 画像処理部
103 記憶部
104 CPU
105 画像出力部
102 画像処理部
103 記憶部
104 CPU
105 画像出力部
Claims (8)
- 画像を入力する入力手段と、
前記画像中における色の境界を検出する検出手段と、
前記境界の複数の近傍画素に基づいて前記画像が記録媒体上に形成される際に版ずれが起こり得るか否かを判定する判定手段と、
版ずれが起こり得ると判定された場合に前記境界の両側の画素に対してトラップ幅及びトラップ色を決定する決定手段と、
前記トラップ幅及びトラップ色に基づいて前記画像のトラッピング処理を行う処理手段と、
トラッピング処理後の前記画像を記録媒体上に形成する形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記決定手段が、
前記境界を挟んだ色が変化した両側の領域内の濃度を取得する手段と、
前記両側の領域の濃度に基づいて前記境界からのそれぞれの領域へのトラップ幅を算出する手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段が、前記両側の領域のそれぞれの濃度及び前記それぞれの領域へのトラップ幅に基づいて、それぞれのトラップ色を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- トラッピング処理後の画像に対して、所定の線数を持つスクリーンによってハーフトーン画像を生成するスクリーン処理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記スクリーンの線数と該スクリーンに最低限必要な線数との割合を前記トラップ幅に乗じてトラップ幅を調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 画像を画像形成装置に入力して該画像を記録媒体上に形成する画像形成方法であって、
入力された前記画像中における色の境界を検出する検出工程と、
前記境界の複数の近傍画素に基づいて前記画像が記録媒体上に形成される際に版ずれが起こり得るか否かを判定する判定工程と、
版ずれが起こり得ると判定された場合に前記境界の両側の画素に対してトラップ幅及びトラップ色を決定する決定工程と、
前記トラップ幅及びトラップ色に基づいて前記画像のトラッピング処理を行う処理工程と、
トラッピング処理後の前記画像を前記記録媒体上に形成する形成工程と
を有することを特徴とする画像形成方法。 - 入力された画像を記録媒体上に形成させる画像形成装置に、
入力された前記画像中における色の境界を検出する検出手順と、
前記境界の複数の近傍画素に基づいて前記画像が記録媒体上に形成される際に版ずれが起こり得るか否かを判定する判定手順と、
版ずれが起こり得ると判定された場合に前記境界の両側の画素に対してトラップ幅及びトラップ色を決定する決定手順と、
前記トラップ幅及びトラップ色に基づいて前記画像のトラッピング処理を行う処理手順と、
トラッピング処理後の前記画像を前記記録媒体上に形成する形成手順と
を実行させるためのプログラム。 - 請求項7に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005217392A JP2007036699A (ja) | 2005-07-27 | 2005-07-27 | 画像形成装置及び方法 |
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JP2005217392A JP2007036699A (ja) | 2005-07-27 | 2005-07-27 | 画像形成装置及び方法 |
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ID=37795400
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JP2005217392A Withdrawn JP2007036699A (ja) | 2005-07-27 | 2005-07-27 | 画像形成装置及び方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2005
- 2005-07-27 JP JP2005217392A patent/JP2007036699A/ja not_active Withdrawn
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