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JP2007035336A - 蒸着マスク用金属製フレームの製造方法 - Google Patents

蒸着マスク用金属製フレームの製造方法 Download PDF

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Takashi Takehara
隆司 竹原
Yoichi Kawai
洋一 河合
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Abstract

【課題】 蒸着マスクの大型化に対応できる大型の蒸着マスク用金属製フレームを、高い歩留まり率、高い生産性にて製造できる、蒸着マスク用金属製フレームの製造方法を提供する。
【解決手段】 蛍光体を所望の位置に塗装するために形成された、多数の貫通孔が形成された金属薄板製でなるマスク部の縁側を保持する枠状の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法であって、
(1)RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料から、フレームの一辺となる金属製フレーム用部品に加工する工程と、
(2)金属製フレーム用部品同士を接合させて400mm(w)×500mm(l)以上の大きさの枠状部品にする工程と、
(3)枠状部品を平坦化加工して、平坦度が0.05mm以下の蒸着マスク用金属製フレームとする工程、
を含む蒸着マスク用金属製フレームの製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、有機EL素子製造における蒸着工程で使われる蒸着マスクの、マスク部の縁側を保持する枠状の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法に関するものである。
例えば、有機EL素子製造における蒸着工程では、例えば特開2004−323888号公報(特許文献1参照)に示されるような蒸着マスクが用いられる。
蒸着マスク(1)は例えば図1に示されるように、蛍光体を所望の位置に塗装するために形成された、多数の貫通孔(2)が形成された金属薄板製でなるマスク部(3)の縁側(図中の破線部から外側の領域)を保持する枠状の蒸着マスク用金属製フレーム(4)により構成される。
この蒸着マスク用金属製フレームの材質は特開2004−323888号公報に開示されるように、Fe−Ni系の低熱膨張合金やステンレス鋼等が代表的であり、これらのFe−Ni系の低熱膨張合金製蒸着マスク用金属製フレームやステンレス鋼製蒸着マスク用金属製フレームの製造方法としては、所望の化学組成を有する鋼板から削り出して製造されている。
特開2004−323888号公報
最近、薄型ディスプレイの大型化がめざましく、蒸着マスクを用いて製造される、有機ELディスプレイにおいても大型化の検討が進められている。しかしながら、有機ELディスプレイを大型化する際には有機EL素子製造における蒸着工程で使われる蒸着マスクの大型化も避けられない課題である。
蒸着マスクの大型化においては、蒸着マスク用金属製フレームの大型化は必須であるが、特に400mm(w)×500mm(l)以上の大型の蒸着マスク用金属製フレームを製造する際には、従来から行われている鋼板からの削り出しでは、歩留まり率が低すぎること、生産性が悪いこと等の解決すべき課題がある。
本発明の目的は、蒸着マスクの大型化に対応できる大型の蒸着マスク用金属製フレームを、高い歩留まり率、高い生産性にて製造できる、蒸着マスク用金属製フレームの製造方法を提供することである。
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、蛍光体を所望の位置に塗装するために形成された、多数の貫通孔が形成された金属薄板製でなるマスク部の縁側を保持する枠状の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法であって、
(1)RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料から、フレームの一辺となる金属製フレーム用部品に加工する工程と、
(2)金属製フレーム用部品同士を接合させて400mm(w)×500mm(l)以上の大きさの枠状部品にする工程と、
(3)枠状部品のマスク部搭載面を平坦化加工して、平坦度が0.05mm以下の蒸着マスク用金属製フレームとする工程、
を含む蒸着マスク用金属製フレームの製造方法である。
好ましくは、上記の金属製フレーム用部品同士の接合は、四隅部にて溶接し、溶接後の枠状部品の上下方向から荷重を加えつつ熱処理する、蒸着マスク用金属製フレームの製造方法である。
更に好ましくは、上記のRT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料は質量%でNi:25〜50%含有して残部は実質的にFeでなる合金でなるか、或いは、質量%でNi:25〜50%含有し、更にCr:10%以下、Co:15〜42%の何れかを含有し、残部は実質的にFeでなる合金である蒸着マスク用金属製フレームの製造方法である。
更に好ましくは、上記の金属製フレーム用部品に加工する工程は、断面が矩形状に研削する工程、或いは、板状の金属材料を曲げ加工する工程、の何れかである蒸着マスク用金属製フレームの製造方法である。
更に好ましくは、本発明の蒸着マスク用金属製フレームはビッカース硬さが125以上である蒸着マスク用金属製フレームの製造方法である。
本発明の製造方法によって得られる蒸着マスク用金属製フレームは、従来から用いられている削り出しの蒸着マスク用金属製フレームと比較し、ほぼ同等の特性を有し、高い歩留まり率、高い生産性にて製造できることから、蒸着マスクの大型化に対応できる大型の蒸着マスク用金属製フレームとすることができるという効果を奏するものである。
本発明の蒸着マスク用金属製フレームは、例えば図1、図2に示すように、蒸着マスク用金属製フレーム(4)は、例えば蛍光体を所望の位置に塗装するために形成された、多数の貫通孔(2)が形成された金属薄板製でなるマスク部(3)の縁側(図中の破線部から外側の領域)を保持する枠状ものである。
蒸着マスク用金属製フレーム(4)と金属薄板製でなるマスク部(3)とが溶接などによって接合させれば蒸着マスク(1)となる。
以下に、本発明の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法について詳しく説明する。
先ず、RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料を用意し、フレームの一辺となる金属製フレーム用部品に加工する。
RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料とした理由は、使用中の蒸着マスクは、その表面温度が450℃程度まで温度上昇する場合がある。
蒸着マスク用金属製フレームとなる金属材料に、過度に熱膨張係数が大きな金属材料を用いれば、蒸着する蛍光体の位置ずれ等の問題が生じる。特に大型のディスプレイを製造する場合には、ずれる位置も大きくなる。また、マスク部にはFe−Ni系の低熱膨張合金が用いられることが増えてきていることから、マスク部の合金と比較し、過度に熱膨張係数が大きな金属材料を用いれば、マスク部との熱膨張差によってマスク部に捩れや撓みが生じたりする。そのため、RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料を用いることにする。
上述のRT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料としては、質量%でNi:25〜50%含有して残部は実質的にFeでなる合金でなるか、或いは、質量%でNi:25〜50%含有し、更にCr:10%以下、Co:15〜42%の何れかを含有し、残部は実質的にFeでなる合金を用いるのが好ましい。
これらの金属材料は、入手し易いこと、NiやCoの含有量の調整、加工条件により、熱膨張係数を調整し易いため、本発明で用いる金属材料として好適である。
これらの代表的な組成としては、36%Ni−Fe合金、42%Ni−Fe合金、50%Ni−Fe合金、29%Ni−17%Co−Fe合金、42%Ni−6%Cr−Fe合金が挙げられる。また、本願出願人の提案による特開2004−115905号の合金(例えば25%Ni−40%Co−Fe合金)であれば、熱膨張係数が増大する屈曲点(キュリー点)を500℃以上の高温とすることもできる。
上述の金属材料は何れも低熱膨張という共通の効果が得られるが、熱膨張係数が増大する屈曲点の温度は200℃〜500℃以上の温度範囲であることから、蒸着マスク用金属製フレームに用いた材料と、マスク部に用いる材料とは実質的に同じ組成として、蒸着マスク用金属製フレームと、マスク部との熱膨張特性を整合させるのが好ましい。
特に好ましくは、蒸着マスク用金属製フレームとマスク部に用いる金属材料を共に36%Ni−Fe合金とするか、或いは、蒸着マスク用金属製フレームとマスク部に用いる金属材料を共に42%Ni−Fe合金とすることである。
そして、本発明では上記の金属材料を用いて、フレームの一辺となる金属製フレーム用部品に加工する。
金属製フレーム用部品への加工は、例えば金属材料から研削により金属製フレーム用部品に加工する場合は、図5(a)に示すような形状のものや、例えば、図6に示す形状のように、断面を矩形状に加工する。この場合、蒸着マスク用金属製フレームとした時に、接合個所の強度を高く維持できるという利点がある。
また、金属材料が板状であれば例えば図5(b),図5(c)に示すように曲げ加工を施すのが良い。この場合、蒸着マスク用金属製フレームとした時に、軽量化がはかれるという利点がある。
なお、この金属製フレーム用部品への加工時には、マスク部と接する表面と、その反対面は平行研磨等の表面加工も行うのが良く、例えば、図6のような金属製フレーム用部品を用いて、ネジやボルトにて接合・固定するのであれば、予めネジ穴等を設けておくのが良い。また、溶接やロウ付けにて接合するのであれば、被溶接部のクリアランスを0.1mm以下に調整することで溶落等の溶接欠陥を防止することができる。
次に、加工した金属製フレーム用部品同士を接合させて、400mm(w)×500mm(l)以上の大きさの枠状部品にする。
金属製フレーム用部品同士の接合は、嵌合、ネジやボルトによる金属製フレーム用部品同士の接合・固定、溶接やロウ付け等により枠状部品にする。
例えば図6(a)のような(上面方向から見て)台形状の金属製フレーム用部品(7)であれば、I型やL型の接合治具を用いて金属製フレーム用部品同士をネジやボルトで接合・固定できるし、図6(b)、図6(c)のような金属製フレーム用部品(7)であれば、金属製フレーム用部品同士をネジやボルトで接合・固定して枠状部品とすることができる。
また、例えば図5に示すような金属製フレーム用部品(7)であれば、溶接によって接合することができる。特に、蒸着マスク用金属製フレームの寸法が700mm(w)×900mm(l)以上であれば、接合部の強度が高いほど良く、これをより確実に達成するには例えば図4に示すように、四隅部(5)にて金属製フレーム用部品同士を溶接した溶接部(6)とするのが良い。
なお、本発明で言う枠状部品の大きさは、図4に示す全幅(w)、全長(l)を言う。
この本発明で採用した金属製フレーム用部品同士の接合によって、従来から行われている鋼板からの削り出しでは、歩留まり率が低すぎる、400mm(w)×500mm(l)以上の大きさの枠状部品を高い歩留まり率にて容易に製造することができる。
四隅部(5)にて金属製フレーム用部品同士を溶接した枠状部品(4)においては、上下方向(図3の(1),(2)の方向)から荷重を加えつつ熱処理するのが好ましい。荷重を加えつつ熱処理するのは、枠状部品を加熱によって平坦化させるためである。
そのため、加える荷重は、熱処理によって枠状部品を平坦化できるように、例えば、締め付けボルト付き治具で挟み、治具と枠状部品の間の隙間が無くなる程度にボルトで締め付けることにより、荷重を加える方法を適用しても良い。
熱処理の温度は500〜650℃程度で十分である。生産性を高めるには、枠状部品(4)を複数枚積み重ねて熱処理するのが良いが、この時、過度に熱処理温度が高ければ、枠状部品同士が接着しる危険性があるだけでなく、金属材料のビッカース硬さが125未満に低下して蒸着マスク用金属製フレームの剛性が得にくくなる。一方、熱処理温度が低すぎると平坦化させる効果が得にくくなる。そのため熱処理の温度は500〜650℃とすれば良い。
なお、熱処理の雰囲気は大気で十分であり、熱処理時間は1〜5時間であれば良い。
そして、枠状部品を枠状部品のマスク部搭載面を平坦化加工して、平坦度が0.05mm以下の蒸着マスク用金属製フレームとする。
平坦化加工は平行研磨で行い、研削量を調整しながら必要とされる平坦度0.05mm以下に仕上る。平坦度が0.05mm以下よりも粗いと、400mm(w)×500mm(l)以上の大型蒸着マスク用金属製フレームでは、蒸着にて形成される蛍光体の位置精度が得にくくなるためである。
なお、本発明で言う平坦度とは、仕上げの平坦化加工後の蒸着マスク用金属製フレームを定盤上に図3の(2)の側の面を下にして置き、ダイヤルゲージにて図3の(1)の側の表面をランダムに測定した時のダイヤルゲージの振れ幅のことをいう。
また、蒸着マスク用金属製フレームは、蒸着装置への取付けボルト穴や位置決め用穴および固定用クランプ座等を設ける場合があり、これらの加工は平坦化加工の直前か、平坦化加工の途中に行うのが良い。
以上、説明する本発明の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法によれば、容易に蒸着マスク用金属製フレームの大型化が、高い歩留まり率、高い生産性にて達成できる。
以下の実施例で本発明を更に詳しく説明する。
RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料として、RT〜450℃の熱膨張係数が8×10−6/℃の42%Ni−Fe合金を得るため、真空溶解にて鋼塊を作製した。作製した鋼塊を用いて鍛造、熱間圧延を行い、厚さ28mmの金属製フレーム部品用の金属材料とした。表1に化学組成を示す。
なお、金属製フレーム用部品用の金属材料から長さ20mmの熱膨張測定試験片を採取し、昇温速度10℃/分で、SiOの標準試料との比較測定を行う示差膨張測定方式により、30℃から450℃までの熱膨張特性を測定し、RT〜450℃の熱膨張係数が8×10−6/℃であることを確認した。
上記の厚さ28mmの金属製フレーム部品用の金属材料を用いて、三つの有機ELディスプレイ製造用の蒸着マスク用金属製フレームを製造した。
一つは、従来例として削り出しにより蒸着マスク用金属製フレームとした。
厚さ28mmの金属製フレーム部品用の金属材料から780mm(w)×980mm(l)×25mm(t)の蒸着マスク用金属製フレームを削り出して枠状部品とした。そして枠状部品のマスク部搭載面を平坦化加工して、平坦度が0.04mmの蒸着マスク用金属製フレームとした。
蒸着マスクフレームの硬度をビッカース硬度計にて測定したところ、Hv153であった。なお、従来例の蒸着マスク用金属製フレームの歩留まり率は26%であり、歩留まり率は製品体積[製品寸法:外周780mm(w)×980mm(l)×25mm(t)、枠幅70mm]を素材体積[素材方法790mm(w)×990mm(l)×28mm(t)]で割ることで算出した。
本発明の780mm(w)×980mm(l)×25mm(t)の蒸着マスク用金属製フレームは以下の工程にて作製した。なお、作製する蒸着マスク用金属製フレームの大きさを考慮し、溶接法を用いて蒸着マスク用金属製フレームに仕上た。
以下に、本発明方法で製造した第一の蒸着マスク用金属製フレームの製造工程を記す。
先ず、厚さ28mmの金属製フレーム部品用の金属材料の圧延方向が長手方向になるように、断面が図5(a)に示した矩形の金属製フレーム用部品を研削にて作製した。作製したフレームの一辺となる金属製フレーム用部品は、長辺側の76mm(w)×834mm(l)×27mm(t)のものが2本、短辺側の76mm(w)×786mm(l)×27mm(t)のものが2本であり、最後に平行研磨により仕上加工を行い、被溶接部の溶接欠陥を防止するため、被溶接部(長辺側と短辺側の突合せ部)のクリアランスを長辺側及び短辺側部材共に被溶接面と被溶接面につながる他面との直角度が0.05mmになるようにして金属製フレーム用部品とした。
作製した金属製フレーム用部品を電子ビーム溶接にて接合し、図4(b)で示すような枠状部品とした。なお、溶接位置は図4(b)で示すような四隅部にて溶接した。この時、電子ビーム照射面とは反対側の面に、溶接時に形成された溶融金属の凝固部が突出した個所が見られたため、突出した個所を研削により除去した。なお、金属製フレーム部品のサイズは786mm(w)×986mm(l)であった。
次に上記の枠状部品を上下方向(図3に示す(1),(2)の方向)にセラミック板を配して、セラミック板を治具で挟んで、溶接後の枠状部品の上下方向から荷重を加えつつ熱処理した。熱処理は大気中で600℃×4時間行い、空冷した。
常温まで冷却が完了した後、荷重を除去して、平行研磨機を用いてマスク部搭載面に平坦化加工を行ない、図4(b)に示すような本発明の蒸着マスク用金属製フレームとした。
この本発明の蒸着マスク用金属製フレームの平坦度を仕上げ加工後の蒸着マスク用金属製フレームを定盤上に図3の(2)の側の面を下にして置き、ダイヤルゲージにて図3の(1)の側の表面をランダムに測定した時のダイヤルゲージの振れ幅として測定し、平坦度が0.04mmであることを確認した。
作製した蒸着マスク用金属製フレームの四隅部(5)を含んだ一辺を切断し、切断して採取した蒸着マスク用金属製フレームの一辺を用いて、溶接の影響の無い個所と、溶接部とをビッカース硬度計にて硬度を測定した結果、溶接の影響の無い個所のビッカース硬さはHv152であり、溶接図はHv155であった。
また、溶接部を断面顕微鏡観察し、溶接欠陥の有無を調査したところ、ブローホールや割れ等の溶接欠陥は確認できなかった。
歩留まり率は78%であり、従来から行われている削り出しの蒸着マスク用金属製フレームとほぼ同等の硬度を有していることから、強度的には従来から行われている削り出しの蒸着マスク用金属製フレームとほぼ同等と言える。
次に、上述の本発明の蒸着マスク用金属製フレームと同じサイズの蒸着マスク用金属製フレームの第二の製造方法を記す。
先ず、厚さ28mmの金属製フレーム部品用の金属材料を更に冷間圧延と焼鈍とを行って厚さが8mmの冷間圧延後の金属製フレーム部品用の金属材料を得た。この冷間圧延後の金属製フレーム部品用の金属材料を曲げ加工し図5(c)に示すフレームの一辺となる金属製フレーム用部品とした。作製した金属製フレーム用部品は、長辺側の最外部寸法が76mm(w)×834mm(l)×27mm(t)のものが2本、短辺側の最外部寸法が76mm(w)×786mm(l)×27mm(t)のものが2本であり、最後に平行研磨により仕上加工を行い、被溶接部の溶接欠陥を防止するため、被溶接部(長辺側と短辺側の突合せ部)のクリアランスを長辺側及び短辺側部材共に被溶接面と被溶接面につながる他面との直角度が0.05mm以下になるようにして金属製フレーム用部品とした。
作製した金属製フレーム用部品を電子ビーム溶接にて接合し、図4(b)で示すような枠状部品とした。なお、溶接位置は図4(b)で示すような四隅部にて溶接した。この時、電子ビーム照射面とは反対側の面に、溶接時に形成された溶融金属の凝固部が突出した個所が見られたため、突出した個所を研削により除去した。なお、金属製フレーム部品のサイズは最外部で786mm(w)×986mm(l)であった。
次に上記の枠状部品を上下方向(図3に示す(1),(2)の方向)にセラミック板を配して、セラミック板を治具で挟んで、溶接後の枠状部品の上下方向から荷重を加えつつ熱処理した。熱処理は大気中で600℃×4時間行い、空冷した。
常温まで冷却が完了した後、荷重を除去して、平行研磨機を用いてマスク部搭載面に平坦化加工を行ない、図4(b)に示すような本発明の蒸着マスク用金属製フレームとした。
この本発明の蒸着マスク用金属製フレームの平坦度を仕上げ加工後の蒸着マスク用金属製フレームを定盤上に図3の(2)の側の面を下にして置き、ダイヤルゲージにて図3の(1)の側の表面をランダムに測定した時のダイヤルゲージの振れ幅として測定し、平坦度が0.04mmであることを確認した。
作製した蒸着マスク用金属製フレームの四隅部(5)を含んだ一辺を切断し、切断して採取した蒸着マスク用金属製フレームの一辺を用いて、溶接の影響の無い個所と、溶接部とをビッカース硬度計にて硬度を測定した結果、溶接の影響の無い個所のビッカース硬さはHv160であり、溶接図はHv163であった。
また、溶接部を断面顕微鏡観察し、溶接欠陥の有無を調査したところ、ブローホールや割れ等の溶接欠陥は確認できなかった。
歩留まり率は57%であり、従来から行われている削り出しの蒸着マスク用金属製フレームとほぼ同等の硬度を有していることから、強度的には従来から行われている削り出しの蒸着マスク用金属製フレームとほぼ同等と言える。
しかも、重量は同じサイズの従来方法で製造した蒸着マスク用金属製フレームの
29%であり、軽量化も達成できた。
以上、説明するとおり、本発明の製造方法で作成した蒸着マスク用金属製フレームは、従来から行われている削り出しの蒸着マスク用金属製フレームとほぼ同等の機械的特性と、平坦度を得ることができる。
しかも、削り出しという生産性が高くない方法を採用することなく、蒸着マスク用金属製フレームとすることができるため、従来から行われている削り出の方法と比較し、高い生産性と、優れた歩留まり率を達成できる。
上記の説明は、主として有機ELディスプレイ用途の蒸着マスク用金属製フレームについて説明したが、削り出しによる金属製フレームを用いている用途については、本発明の製造方法を適用することが可能である。
蒸着マスクの一例を示す模式図である。 蒸着マスクと蒸着マスク用金属製フレームの一例を示す模式図である。 蒸着マスク用金属製フレームの一例を示す模式図である。 蒸着マスク用金属製フレームの一例を示す模式図である。 金属製フレーム用部品の一例を示す模式図である。 金属製フレーム用部品の一例を示す模式図である。
符号の説明
1. 蒸着マスク
2. 貫通孔
3. マスク部
4. 蒸着マスク用金属製フレーム(枠状部品)
5. 四隅部
6. 接合部(溶接部)
7. 金属製フレーム用部品

Claims (5)

  1. 蛍光体を所望の位置に塗装するために形成された、多数の貫通孔が形成された金属薄板製でなるマスク部の縁側を保持する枠状の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法であって、
    (1)RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料から、フレームの一辺となる金属製フレーム用部品に加工する工程と、
    (2)金属製フレーム用部品同士を接合させて400mm(w)×500mm(l)以上の大きさの枠状部品にする工程と、
    (3)枠状部品のマスク部搭載面を平坦化加工して、平坦度が0.05mm以下の蒸着マスク用金属製フレームとする工程、
    を含むことを特徴とする蒸着マスク用金属製フレームの製造方法。
  2. 金属製フレーム用部品同士の接合は、四隅部にて溶接し、溶接後の枠状部品の上下方向から荷重を加えつつ熱処理することを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法。
  3. RT〜450℃の熱膨張係数が11×10−6/℃以下の金属材料は質量%でNi:25〜50%含有して残部は実質的にFeでなる合金でなるか、或いは、質量%でNi:25〜50%含有し、更にCr:10%以下、Co:15〜42%の何れかを含有し、残部は実質的にFeでなる合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法。
  4. 金属製フレーム用部品に加工する工程は、断面を矩形状に研削する工程、或いは、板状の金属材料を曲げ加工する工程、の何れかであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法。
  5. 蒸着マスク用金属製フレームはビッカース硬さが125以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の蒸着マスク用金属製フレームの製造方法。
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