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JP2007031346A - 人間とペットの共用化粧品。 - Google Patents

人間とペットの共用化粧品。 Download PDF

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JP2007031346A
JP2007031346A JP2005217356A JP2005217356A JP2007031346A JP 2007031346 A JP2007031346 A JP 2007031346A JP 2005217356 A JP2005217356 A JP 2005217356A JP 2005217356 A JP2005217356 A JP 2005217356A JP 2007031346 A JP2007031346 A JP 2007031346A
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skin
cosmetics
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pet
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Haruhisa Uenoyama
晴久 上野山
Kiichi Shimizu
喜一 清水
Tsuyako Oshima
艶子 大島
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Re & Do Kk
Original Assignee
Re & Do Kk
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Abstract

【課題】 水素イオン濃度を考慮して化粧品などの製剤を処方することは生理学的にも重要な要素の一つである。人間の皮膚の水素イオン濃度と、猫・犬などペットの地肌・被毛の水素イオン濃度が異なることからペット市場ではこの数値のみが一人歩きし、すべて動物用は水素イオン濃度が皮膚の規定値内でなければあたかもペットの身体に悪いような印象を植え付けている。そこで人間と猫・犬などのペットが共用使用できる安全で効果的な化粧品を造り、正しい知識の下でペットの化粧品を選択使用できるようにする。
【解決手段】 薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分を使用し、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、ペットの地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH3.0〜pH9.6の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品を造る。
【選択図】図1

Description

本願発明は、犬や猫などのペットが人間と共に共用使用できるようにした化粧品である。即ち一つの容器に入っている化粧品を人間とペットが共用できるということである。
現在、国内でペットとして飼育されている犬と猫の総数が、子供の数より多い時代になっている。業界団体によると、犬と猫の飼育数は年々、増加。最新の調査では計2408万匹にのぼり、1790万人(2003年)の15歳未満の人口をはるかに上回っている。なかんずく猫は1000万匹を越えている。理由は「手軽に抱ける猫は癒しを求める現代人気質に合うらしい。犬も「番犬型」よりチワワなどの「小型犬」が主流になってきている。
この癒しを求める時代に、飼い主がペットに対する思いやりは留まるところを知らず、自分の身内であり自分の子供であり自分の身以上にペットを大切にしている人が多いことは言うまでもない事実である。ペットが湯船に浸かるか否かは別としても「ペットと共に風呂に入る」などという人も多くなってきている。こういう時代であるにもかかわらず、従来は人間とペットが共用使用できる化粧品はなかった。
人間とペットが共用使用できる化粧品を、それも安心して共用できる化粧品を何故作ることが出来なかったのかを種々検討した結果、次のことが判明した。(1)人間とペットとの皮膚の水素イオン濃度が異なるために、それぞれの皮膚の水素イオン濃度にあった化粧製剤を処方することが好ましいので人間とペットと別々の製品が処方されてきた。例えば、絶対的な数値ではないが、人間の皮膚の水素イオン濃度はpH4.5〜6.0であり、犬の地肌・被毛の水素イオン濃度はpH6.2〜8.6(平均7.5、夏場には、pHが9.2位にまで上昇する)といわれている。(2)法律的にペットなどの動物用の化粧品は所謂雑貨類に該当するが、人間用の化粧品は化粧品を作るための法律(日本では厚生労働省の薬事法)があり、薬事法で許可されたものでなければ化粧品として販売できない。(3)商業上、ペット商品がペット用に特別に処方された製剤であることを強調するためにペット専用として分別化されてきた。
著者日本エアゾール協会技術委員会「エアゾール包装技術・その基礎から応用まで」発行所株式会社エアゾール産業新聞社 監修者小暮規夫・藤井聡「愛犬病気の知識としつけ方」株式会社西東社
人間用の化粧品の水素イオン濃度の範囲の広さについて述べる。
例えば昔から知られる化粧水類の一つとして、みかんやレモン果汁がよいとか言われ、顔や身体の皮膚に使用されてきたし、古の昔より固形石鹸は洗顔に用いられてきた。現在もまだまだ固形石鹸は洗顔に用いられているし、石けん液なるものも販売され洗顔に使用されている。単にこの例を比較するだけでも理解できるように、例えばレモン果汁はpH2.5付近であり、石鹸液などはpH7から10程度の範囲にある。人間の皮膚は弱酸性(pH4.5〜6.0)というものの、汚れや程度、体質によって選んで使用すべきであるし、石鹸で洗顔したから顔が腫れたとか、異常が出たという例は皆無である。
人間の化粧品は顔の皮膚用にしても前述のようにpH2.5〜pH10程度のものまで存在するのである。ところで、前述のように絶対的な数値ではないが健康な、人間の皮膚の水素イオン濃度はpH4.5〜6.0、犬の地肌・被毛のpHは6.2〜8.6、猫の地肌・被毛のpHは4.0〜6.0といわれている。
この水素イオン濃度を考慮して化粧品などの製剤を処方することは生理学的にも重要な要素の一つではあるが絶対的なものではない。例えば日本の水道水の水素イオン濃度はpH5.8〜8.6であり、弱酸性から弱アルカリまでの範囲を持つ。水道水のpHは5.8の時があると言う現実の下、水道水がpH5.8の時に於いても犬は何らかの形でこの水と接しているはずであるにも拘わらず、pHが6.2以下では犬の皮膚には悪いように訴えたりするような表示もあり、ペット市場ではこの数値のみが一人歩きし、すべて動物用は水素イオン濃度が皮膚の規定値内でなければあたかもペットの身体に悪いような印象を植え付けている。
この水素イオン濃度の値がどれほどの巾で我々の生活・身体に接触しているかを身の回りのものを例にとって説明する。前述のようにレモン果汁はpH2.5付近であり、りんごではpH3.0付近、アルカリ性飲料はpH3.0〜4.0、日本酒やビールはpH4.2〜4.5、日本茶はpH4.5〜6.0、コーヒーはpH5.0〜6.5、水道水においては国々によって基準がある。前述のように日本の水道水のpHは5.8〜8.6であり、弱酸性から弱アルカリまでの範囲を持つ。この値も、季節によっての変動巾もあるので、もっと大きな変動幅をもっている。アメリカの基準は州によっても異なると思うが7〜10.6程度である。海水はpH8.0〜8.5である。海水はともあれ、犬の被毛・皮脂のpHが6.2〜8.6だからといって、pH8〜9程度の水道水で犬の身体を洗えないわけはないし、水によって犬の皮膚が犯されるわけでもない。また、アルカリ性飲料や日本茶、コーヒーなどが皮膚に付いたからといって犬の皮膚が犯されるわけでもない。猫についても同様のことが言える。ペット製品に対して、過剰な水素イオン濃度意識が専用の製品に繋がっている部分が大きいと思われる。
さらに、前述の(2)に掲げた、「人間用の化粧品は化粧品を作るための法律(日本では厚生労働省の薬事法)があり、薬事法で許可されたものでなければ化粧品として販売できない」件については、人間用の化粧品に使う原料成分は薬事法などの基準により、汎用の動物用化粧品に使用されている原料成分より確りとした基準のなかで管理されているものであるので、共用化粧品の使用原料成分の全てを人間の薬事法に基く原料成分を使用することによって、人間用の化粧品として許可を受け、且つペット用化粧品として使用するようになれば、従来のように規定のない成分を用いて作った動物用化粧品よりは遥かに安全な成分領域の化粧品を作ったことになる。ペット用の食品を人間が食べるのには何らかの問題が生じる可能性も有るが、人間用の食品を、犬や猫などのペットに食べさせて悪いということがないのと同じで、ペットに人間用の化粧品を使うように、それもペットの地肌にあっていると考えられている製剤の水素イオン濃度の範囲で作られた化粧品をペットが使って悪い理由が生じない。動物用医薬品、動物用医薬部外品及び動物用医療機器は省令により、許可や登録が必要であり、人間用との共用については、安全とか危険とかとは別に、許可や表示などの問題が残るものの動物用化粧品については特に問題となるところはなく、ましてや従来よりもよりよく管理された安全な原料成分が使用された化粧品をペットが使うこととなるので好適である。それに、消費者も自分が納得した上で、同じものをペットに使用出来るので不安感がなくなる。
また(3)の「商業上、ペット商品がペット用に特別に処方された製剤であることを強調するためにペット専用として分別化されてきた」件については、ペット用品の業者が販売上の施策のために誇張していると思われる。
前述した(1)の人間とペットとの皮膚の水素イオン濃度の差、(2)の法的な問題、(3)の商業上、ペット商品がペット用に特別に処方された製剤であることを強調するために分別化されて きた使用法などが複雑に組み合わされ、ペットを愛する消費者を混乱させ、何が本当に良いものか、どれを買えば一番よいのか、どのように使用すれば良いのかが分からなくなっているのが現状である。
例えば、ペット用のシャンプー剤のうたい文句の一例として、「体の汚れ具合は、運動量や生活環境、被毛の状態などによって異なり、頻繁にシャンプーをし、シャンプーをしすぎても皮膚の脂分が落ちすぎ皮膚に負担がかかったり、被毛がパサついたりします。シャンプーは室内犬ならば月に1〜2回くらいが一般的で、シャンプーは犬専用のものを使います。人間と犬では皮膚の水素イオン濃度が違うので、いくら薄めたとしても人間用のシャンプーを使うと、皮膚や被毛がパサついたり、皮膚炎を起こしたりする原因になります」と説明されたものや、「pH4から6の間が健康な毛です。毛を作る蛋白質は、酸に強くアルカリに弱いと言う性質を持っており、アルカリになるとダメージヘアやドライヘアになります。「pH7」以上の製品は、被毛の主成分であるたんぱく質を破壊してしまい、ツヤのないパサパサした毛にし、静電気を起こしやすくしてしまいます。当然、もつれや毛玉の原因となります。「弱酸性」と表示されていても、「pH6.0」以上の製品は被毛を痛めてしまいます。
これが、価格の安いシャンプーです。良いシャンプーは、「pH5前後の弱酸性」でなければなりません。 「pH5]は、皮膚と同じ状態で、最も肌や皮膚を引き締めます。
毛がこよりの状態になっても、毛玉になりにくく、ツヤも出ます。 ツヤは、光りの反射で出るもので、毛の表面が整っていれば、自然にツヤが出ます。 価格が高くても、皮膚と被毛をきれいに保つためには、低刺激性のシャンプーをおすすめします」
というものまで有る。
さらにインターネットの書き込み欄においては「シャンプー剤は、必ず動物用のものを使用してください。人間のシャンプー剤は、ワンちゃんの毛には刺激が強すぎますし、毛量や固さが違うので、ワンちゃんには適しません。動物用のシャンプーでも、価格の安いものは避けた方がいいです。というのも、動物用のシャンプーは、農林水産省が認めているので、雑貨扱いとされます。ですから、安全性は低いのです。
洗浄力はあっても、毛としてのマイルドさがなくなり、ツヤも当然出ません。必要な油までも洗い流してしまい、かゆがる仔もいます。 中には香りをつけるタイプがあり、何日かすると、また臭いがしてくるという状態にもなり、敏感肌の仔は、皮膚の表面がフケのような白い粉が出て来る場合もあります。そしてリンスをしても、毛がバシバシした状態になってしまいます。
また、「リンスインシャンプー」というのもありますが、これは、汚れを落とす前に油がついてしまうかたちになるので、毎日洗えば効果が出ますが、毎日洗えるほど刺激が弱くないのでお薦め出来ません。
それでも、中には人間と同じように安全性の高いシャンプーもあります。これは、やはり価格的にもかなり高くなりますが、汚れは落ちますし、仕上がりはツヤがきれいに出て、被毛を美しく保つことが出来ます。
さわってみても、はっきりと違いがわかると思います」などというのまである。
ペットを愛する消費者が、前述してきた文面をも鵜呑みにするなど、人間とペットが共用できる化粧品がなかった為に、中途半端に「人間とペット達との皮膚の水素イオン濃度が異なることへの配慮」を勘違いした知識で理解し、高価なものでなくてはとか、専用でなくてはペットに良くないと誤った、不安な状態でペット用化粧品を購入していることの多いのが現状である。
そこで本願発明者は、このような現状に鑑み、上記の問題点を解決すべく、鋭意研究を行った結果、人間用の化粧品は人間の皮膚の水素イオン濃度にだけ限定されることなく、巾広い範囲の水素イオン濃度の化粧品が存在すること、又、ペット用の化粧品に使用されるペットの地肌にあっていると考えられている製剤の水素イオン濃度の範囲は狭いが、その水素イオン濃度の範囲は、人間の化粧品に使用される製剤の水素イオン濃度の範囲に十分含まれていることに着眼し、それぞれのペット用の地肌にあっていると考えられている製剤の水素イオン濃度の範囲で、人間が使える化粧品を作る事によって、人間とペットが共用できる化粧品を完成するに至った。
即ち、本願の発明に係る人間とペットが共用できる化粧品は(1)薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、ペットの地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH3.0〜pH9.6の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品、(2)薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、猫の地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH3.0〜pH8.0の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品、(3)薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、犬の地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH4.7〜pH9.6の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品、(4)薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、猫・犬の地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH4.7〜pH8.0の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品である。
本願発明の「人間とペットが共用できる化粧品」が実施されるようになれば、ペットを愛する消費者が「人間とペットとの皮膚の水素イオン濃度が異なる」=「人間用の化粧品はペットには使えない」のではないという意識が芽生えるのは勿論、化粧品と皮膚の水素イオン濃度の関係・意味を正しく理解できるようになるので、正しい知識の下で、ペットと自分の皮膚の水素イオン濃度にあった好適な化粧品を選択購入できようになる。さらに、消費者自身が厚生労働省の薬事法に準拠した人間用の化粧品成分のみから作られる範囲の「安全な化粧品」であることと、自分なりの感覚で使用感も納得でき、不安感を持つことなくその化粧品をペットに使用できる。また、一つの容器に入っている化粧品を自分とペットが共用できるということでペットと同一の匂いの化粧品を楽しめる他、同士、身内、仲間としての共用、共有感を深めることができる。ペット愛好家にとって自分の化粧品を考えるようにペットの化粧品を考えるようにもなる。さらに、共用化粧品であるため自宅での置き場所は勿論、旅行や外出に際しても持ち運ぶ化粧品の数が少なくなるので好適である。
他方ペット製品業者に於いては、本願発明を実施し人間とペットの共用できる化粧品を作ることによって、人間用の化粧品として許可の取れる処方で動物用化粧品を作ることとなるので原料資材の納入業者に対する成分原料の管理(法で決められた基準・規格があるため)が容易となる。また、人間と共用できる化粧品として販売できれば、専用化粧品に比べ量販できることが期待できるので、大量生産可能となり、コストが下がると共に、専用だから高くつくと言う様な中途半端な売り文句もなくなり、正しい表示価格の商品が作られることとなる。換言すれば、ペット用化粧品は適正な商品価格で販売されるようになる。
以下本願発明を完成する上で、基本となる水素イオン濃度について図を用いて説明する。
図1は人間の化粧品の水素イオン濃度とペット、特に猫と犬の地肌・被毛の水素イオン濃度の範囲を表示し、その適合範囲を示唆するための化粧品と皮膚(地肌)・被毛の水素イオン濃度の概念図である。人間用の化粧品の水素イオン濃度範囲の広さについては前述してきたようにかなり広い範囲で存在する。その中で、皮膚用化粧品、特に顔の皮膚用に用いるものに限っても前述してきたように化粧水などとしてpH2.5のレモン果汁が用いられたり、pH7から10程度の範囲にある固形石鹸が用いられるようにpH2.5〜pH10程度もの範囲が存在するのである。人間の皮膚用化粧品の通常使用水素イオン濃度範囲としてはその値を掲げたが実際には、もっと強酸のものやもっと強アルカリのものを使う例も有る。
ところで、健康な人間の皮膚の水素イオン濃度はpH4.5〜6.0であるとされているのになぜこのような大きな巾で人間用の化粧品が存在するかを説明する。人間用の化粧品は、本来その用途と、使用方法によって原料成分自体に使用限定が定められている。例えば使用後に洗い流さない化粧品と、使用後に洗い流す化粧品、それに粘膜部分に使用するものなど、その化粧品に用いることの出来る成分と、用いることが出来ない成分が定められているし、使用できる成分であってもその許容量が制限されたものもある。また、原料成分調整後の調製液の水素イオン濃度は、特に法的規制はないものの必然的に用途と使用方法によってその水素イオン濃度範囲が決まってくるといっても過言ではない。例えば使用後に洗い流さない化粧品は肌に付いたままになるので、出来るだけ人間の肌の水素イオン濃度にあった化粧品とするのが良いし、洗い流す化粧品にあっては、その化粧品の効果を期待できる範囲で出来るだけ人間の肌の水素イオン濃度に影響を及ぼさないものが良い。この一例が固形石鹸である。人間の肌の汚れを洗い流すための石鹸は、皮脂汚れや、埃、油分などの汚れに対しての洗浄性が期待される。皮脂汚れや、油分などの汚れはアルカリ性の方が洗浄力に期待できる。固形石鹸が使用される所以である。
洗い流さない化粧品に於いては、皮膚の水素イオン濃度の範囲にあるものがよいが、絶対的なものではない。
例えば成分の揮発性によっても異なるし、使用後に皮膚上でどれだけの量が残存するのか、又残存成分の動向、皮膚に対する影響等も関係する。前述のレモン(pH2.5)は人間の皮膚の水素イオン濃度の下限値pH4.5よりpH2も低いが、このレモンの果汁を皮膚にぬり伸ばし、皮膚上で乾燥した被膜が洗い流されずに皮膚に付いたままで皮膚に及ぼす影響は、塗布時の殺菌性(余談になるが通常バクテリアが増殖しやすいpH値は4.0〜7.0といわれている。pH2.5は微生物の生息し辛いpH値である)や皮膚への心地よさなどに加え、pH2の差によって起こる皮膚への悪影響より、塗布後は少し酸性に傾いた位の方がむしろ汗腺から出る汗や外部雰囲気のアルカリ性物質に対する中和剤として皮膚を守るための被膜としての効果が勝る為に、よい結果を生むのである。即ちこれら諸々が、pH2.5のレモンを皮膚に使ってよいことの理由であり、pH2.5〜pH10の範囲の化粧品が存在する理由である。とはいえ洗い流す化粧品でもしばらく放置しておくものや、浸透性を示すなど被塗面に対する影響の大きいものは時間的に短くする必要もあるし、出来るだけ皮膚の水素イオン濃度に近いものを使うのが良い。
以上の理由などに加え、人間や犬・猫などペット類のある環境(存在している場所、雰囲気など)を考慮し(たとえば水道水などの水素イオン濃度範囲なども考慮)、さらに生活上で避けることなく曝されてきた常識環境に於ける生態対応性を考慮した上で、人間と猫・犬の皮膚(地肌)や被毛の水素イオン濃度を考えた好ましい化粧品を造ることについて種々検討した結果、猫については好ましくは酸性側に対して猫の地肌・被毛のpH域のマイナス1.0、アルカリ側に対しては最大中性(中性:pH6.0〜8.0)までの範囲、犬については酸性側に対して犬の地肌・被毛のpH域のマイナス1.5、アルカリ側に対しては最大犬の地肌・被毛のpH域のプラス1.0までの範囲が、猫、犬それぞれの地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮して造る適切な良い化粧品の範囲であることが分かった。実験データーは被験動物のばらつきもあり、pHの少しの差が製品の良否を決定着けることを証明するデーターとしては、値が散在するために、「絶対的否定」の値とするには難しいので表1に於いては比較のための否定値は表示していない。しかし、次の(一)〜(三)によりpH域を有る程度、理解納得できるものと考え記述する。それは(一)人間を含め猫・犬などのペットも通常は中性域で生活している。(二)雰囲気などを含め、汗(足から出る汗など)や汚れなどアルカリ性のものが多く存在するし、被毛を汗の付いた足や、自分でなめるなどの行為によってアルカリ性となりやすい。ために、少し酸性側に傾いているくらいの方が規定値を保ちやすい。(三)被毛はアルカリに弱い、これは全ての動物について共通する。これらの値を図−1に示した。猫ではpH3.0〜pH8.0の範囲、 犬ではpH4.7〜pH9.6の範囲である。又、猫と犬の共通化粧品としてはpH4.7〜pH8.0の領域である。人間の肌用化粧品はpH2.5〜pH10程度もの範囲があるので人間と猫との共通化粧品として仕上げるにはpH3.0〜pH8.0の範囲、 人間と犬との共通化粧品として仕上げるにはpH4.7〜pH9.6の範囲、人間と猫と犬の共通化粧品との共通化粧品として仕上げるにはpH4.7〜pH8.0の領域で化粧品を仕上げれば両者、3者に有効なよい化粧品を作る事が可能となる。これらの範囲でさらに用途や使用方法を考慮し水素イオン濃度を管理すればさらに好適な化粧品が出来る。例えば洗い流さない化粧品においてはもっと狭い範囲で水素イオン濃度管理をする事が好ましい。又、特に水素イオン濃度を調整するための酸としては、無機酸ではなく、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸を用いて調整することによって皮膚(地肌)や被毛にとって優しいより好ましい化粧品として仕上げることが出来る。
次に、実施例をあげて説明する。
以下実施例1〜実施例9に本願発明の人間とペットの共用化粧品の処方例を掲げた。又、それぞれの用途対象動物における効果、刺激、パッチテストの夫々の結果を表1に掲げた。表1に於いて、用途対象欄の猫、人、犬列に設けた〇印はそれぞれの化粧品の対象動物を指す。ここで、効果欄の猫、人、犬列に設けた◎、〇、×印はそれぞれの化粧品をそれぞれの対象動物に用いて施術したときの用途効果を示すものであり、◎は顕著に効果の有ったもの、〇は効果のあったもの、×は効果のなかったものを指す。刺激欄の猫、人、犬列に設けた◎、〇、×印はそれぞれの化粧品をそれぞれの対象動物に用いて施術したときの刺激や肌の変化を調べた結果を示すものであり、◎は全く刺激や異常のなかったもの、〇は刺激や異常がなかったもの、×は刺激や異常が有ったものを指す。パッチテストの猫、人、犬列に設けた〇、△、×印はそれぞれの化粧品をそれぞれの対象動物に用いて72時間のパッチテスト(犬・猫については腹部、人間については腕にて)を行った後の刺激や肌の変化を調べた結果を示すものであり、〇は刺激や異常のなかったもの、△は少し刺激や異常があったもの、×は刺激や異常が有ったもの、―は項目不要のものもしくは実施しなかった項目を示し、さらに±はパッチテストを実施した結果擬陽性であったものを示す記号である。
(シャンプー処方)
(1)POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 2.00重量%
(2)N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム液 6.00重量%
(3)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.50重量%
(4)PCA−ナトリウム
2.00重量%
(5)エデト酸二ナトリウム 0.05重量%
(6)1,3ブチレングリコール
4.00重量%
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.20重量%
(8)キトサンピロリドンカルボン酸塩(1%溶液) 20.20重量%
(9)ラウリン酸アミドプロピルベタイン 30.00重量%
(10)精製水 33.05重量%
(11)乳酸(17.7%溶液)
q.s
合 計
100.00重量%
加温溶解と混合撹拌によって仕上げた上記混合液を40度まで撹拌冷却し、のち乳酸でpH5.8に調整したのち、ポリ容器に分注して、犬と猫と人間が3者共用できるシャンプーとした。
(トリートメント処方)
(1)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.075重量%
(2)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液 1.500重量%
(3)高級アルコール(ステアリル、セチル混合物) 1.100重量%
(4)液状ラノリン 0.200重量%
(5)イソオクタンセチル 0.105重量%
(6)POE(5)ベヘニルエーテル 0.300重量%
(7)シリコン
0.300重量%
(8)海草抽出液
0.015重量%
(9)加水分解コラーゲン液
0.300重量%
(10)メチルパラベン 0.100重量%
(11)プロピルパラベン 0.100重量%
(12)香料 0.050重量%
(13)1,3ブチレングリコール 1.500重量%
(14)濃グリセリン 0.500重量%
(15)99%無変性アルコール 4.975重量%
(16)精製水 88.700重量%
(17)クエン酸
0.180重量%
合 計 100.000重量%
加温溶解と混合撹拌によって仕上げた上記混合液を40度まで撹拌冷却し、のちクエン酸でpH4.4〜4.5に調整したのち、耐圧容器に分注した。バルブを取り付けた後、噴射剤としてLPGを用い、調製液:噴射剤を90:10(容量%)となるように噴射剤を圧力充填した。のちスパウトボタンを取り付けて猫と人間が共用できる頭髪及び被毛のトリートメントフォームエアゾールとした。
(水のいらない清拭フォーム処方)
(1)精製水 86.7重量%
(2)POEヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0重量%
(3)メチルパラベン 0.8重量%
(4)エチルパラベン 0.8重量%
(5)茶エキス抽出液 0.1重量%
(6)シソ抽出液 0.1重量%
(7)99%無変性アルコール 10.5重量%
(8)ジエタノールアミン q.s
合 計 100.0重量%
一部加温と混合撹拌によって仕上げた上記混合液を40度まで撹拌冷却し、のちジエタノールアミンでpH8.2に調整したのち調製液とし耐圧容器に分注した。バルブを取り付けた後、噴射剤としてLPGを用い、調製液:噴射剤を88:12(容量%)となるように噴射剤を圧力充填した。のちスパウトボタンを取り付けて犬と人間が共用できる身体及び地肌・被毛用の水のいらない清拭フォームエアゾールとした。
(ボディコンディショナー処方)
(1)95%無変性アルコール 47.935重量%
(2)精製水
43.400重量%
(3)POE(2)ステアリルエーテル
1.200重量%
(4)ビニルピロリドンN,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液

5.450重量%
(5)海草抽出液 0.200重量%
(6)シリコン 0.300重量%
(7)加水分解コラーゲン液 1.000重量%
(8)椰子油脂肪酸ソルビタン 0.500重量%
(9)グリコール 0.010重量%
(10)シソ抽出液 0.005重量%
合 計 100.000重量%
一部加温と混合撹拌によって仕上げた上記混合液(pH6.3±0.5)を耐圧容器に分注した。バルブを取り付けた後、噴射剤としてDME:LPGが40:60(重量%)の噴射剤を用い、調製液:噴射剤を88:12(容量%)となるように噴射剤を圧力充填した。のちスパウトボタンを取り付けて猫と犬と人間の3者が共用できる身体及び地肌・被毛用のボディコンディショナーエアゾールとした。
(水のいらないドライシャンプーフォーム処方)
(1)精製水 88.28重量%
(2)POE(4.2)ラウリルエーテル 0.15重量%
(3)POE(25)ラウリルエーテル 0.20重量%
(4)POE(10)セチルエーテル 0.40重量%
(5)高級脂肪酸 0.05重量%
(6)高級アルコール
0.51重量%
(7)99%無変性アルコール 10.00重量%
(8)メチルパラベン 0.05重量%
(9)プロピルパラベン 0.05重量%
(10)イソステアロイル加水分解コラーゲン液・アミノメチルプロパンジオール塩

0.10重量%
(11)アルキルジアミノエチルグリシン(30パーセント液) 0.11重量%
(12)ジメチルシリコン 0.10重量%
(13)クエン酸
q.s
合 計 100.00重量%
加温溶解と混合撹拌によって仕上げた上記混合液を40度まで撹拌冷却し、のちクエン酸でpH5.8に調整したのち、耐圧容器に分注した。バルブを取り付けた後、噴射剤としてLPGを用い、調製液:噴射剤を88:12(容量%)となるように噴射剤を圧力充填した。のちスパウトボタンを取り付けて犬と猫と人間の3者が共用できる頭髪及び被毛用の水のいらないドライシャンプーフォームエアゾールとした。
(クレンジングフォーム処方)
(1)精製水 78.5重量%
(2)濃グリセリン 8.0重量%
(3)高級脂肪酸(パルミチン、ステアリン混合物) 6.0重量%
(4)POEアルキル(12〜14)エーテル(12E.O.) 2.0重量%
(5)BHT 0.1重量%
(6)POEヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0重量%
(7)TEA 4.0重量%
(8)茶エキス 0.2重量%
(9)メチルパラベン 0.1重量%
(10)エチルパラベン 0.1重量%
合 計 100.0重量%
加温溶解と混合撹拌によって仕上げた上記混合液を40度まで撹拌冷却し調製液(pH9.0・必要に応じTEAを用い微調整)としたのち、耐圧容器に分注した。バルブを取り付けた後、噴射剤としてLPGを用い、調製液:噴射剤を93:7(容量%)となるように噴射剤を圧力充填した。のちスパウトボタンを取り付けて犬と人間が共用できる身体及び地肌・被毛用のクレンジングフォームエアゾールとした。
(艶出し剤処方)
(1)ジメチルシリコン 80.0重量%
(2)飽和炭化水素油 20.0重量%
合 計 100.0重量%
(1)と(2)を混合溶解した(本剤は中性)後、耐圧容器に分注後、バルブを取り付けた後、噴射剤としてLPGを用い、調製液:噴射剤を30:70(容量%)となるように噴射剤を圧力充填した。のちボタンを取り付けて犬と猫と人間が3者共用できる頭髪及び被毛の霧状の艶出し剤スプレーとした。
(皮膚皮脂清浄剤)
(1)カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマー(未中和) 4.0重量%
(2)酢酸ビニル・クロトン酸共重合体 3.0重量%
(3)ジメチルシリコン 0.2重量%
(4)高級脂肪酸
0.3重量%
(5)99%無変性アルコール 92.5重量%
合 計 100.0重量%
(1)〜(5)を混合撹拌し、ポリ容器に分注後(pH5.5〜7.0)、犬と猫と人間が3者共用できる頭皮及び地肌の皮膚皮脂清浄剤とした。
(肌 水)
(1)精製水 98.898重量%
(2)ジュウヤク抽出液 0.030重量%
(3)緑茶エキス 0.010重量%
(4)グリチルリチン K2 0.010重量%
(5)ブチレングリコール 1.050重量%
(6)感光素 0.002重量%
(7)クエン酸
q.s
合 計 100.000重量%
(1)〜(7)を混合撹拌し、クエン酸でpH3.6に調製し、ガラス容器に分注後、猫と人間が共用できる人間の肌及び猫の地肌の肌水とした。
表1において被験者は猫、人間、犬それぞれ3者ずつの結果の平均を表示した。被験者はジャパニーズボブテイルロングヘア風の雑種猫3匹(♀2、♂1、年齢不明)、人間(28才♂、48才♀、62才♂)、犬は柴犬風の雑種3匹(♀1、♂2、年齢不明)であった。結果は表1に掲げたように、効果は全て◎であり、猫、人間、犬とも化粧品としての用途効果が顕著にみられた。刺激等に於いても異常等は全くなかった。刺激欄で人間は◎、猫、犬は〇と記載したが、施術したときの刺激や肌の変化を調べた結果では、猫、人間、犬共に全く異常はなかったものの、判断者が猫・犬本人ではないため、全くという言葉が付けられないため猫、犬は〇とした。パッチテスト結果に於いても全て刺激や異常はなかった(表1中に於いて、△や×の記載がないのは、結果に△や×が存在しなかった為である)。また、表1に記載はしていないが実施例5のドライシャンプーフォームエアゾール(pH5.8)をハムスター(♂1)及びウサギ(♀2)に用いてテストをしたが、効果は全て◎であり、刺激等に於いても、パッチテスト結果に於いても両者共に特に異常はなかった。以上のように本願発明の実施により、人間と猫・犬などのペットが共用使用できる安全で効果的な化粧品を造ることができた。
表1
本発明は人間とペットの共用化粧品を製造、販売及び使用する産業分野で利用することができる。
化粧品と皮膚(地肌)・被毛pHの概念図である。

Claims (4)

  1. 薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、ペットの地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH3.0〜pH9.6の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品。
  2. 薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、猫の地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH3.0〜pH8.0の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品。
  3. 薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、犬の地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH4.7〜pH9.6の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品。
  4. 薬事法上の人体用化粧品として使用できる原料成分からなり、最終的に調製後の調製液の水素イオン濃度が、猫・犬の地肌・被毛の水素イオン濃度を考慮してpH4.7〜pH8.0の範囲にあることを特徴とする人間とペットの共用化粧品。
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