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JP2007025358A - カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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JP2007025358A JP2005208731A JP2005208731A JP2007025358A JP 2007025358 A JP2007025358 A JP 2007025358A JP 2005208731 A JP2005208731 A JP 2005208731A JP 2005208731 A JP2005208731 A JP 2005208731A JP 2007025358 A JP2007025358 A JP 2007025358A
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徹 山田
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Abstract

【課題】 ドライエッチングが良好に行なえると共に、分光特性及び表面性状が良好でパターンの矩形性に優れると共に、剥れを抑えた密着性の高いカラーフィルタの作製を可能とする。
【解決手段】 着色剤と光硬化性化合物とを含むと共に、全固形分中の着色剤の濃度が50質量%以上100質量%未満である着色剤含有光硬化性組成物を用いて塗設された着色層を、露光により前記着色層上への感光性樹脂層形成前に光硬化させる工程を有している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カラーフィルタ及びその製造方法に関し、詳しくは、液晶表示素子や固体撮像素子等の構成に好適なカラーフィルタ、及びドライエッチング法によってパターン形成を行なうカラーフィルタの製造方法に関する。
液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOSなど)に用いられるカラーフィルタを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法及び顔料分散法が知られている。
このうち、顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法であり、顔料を使用しているために光や熱等に安定であるという利点を有している。また、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルタを作製するのに好適な方法として広く利用されてきた。
顔料分散法によりカラーフィルタを作製する場合、ガラス基板上に感放射線性組成物をスピンコーターやロールコーター等により塗布、乾燥させて塗膜を形成した後、この塗膜をパターン露光、現像することで着色された画素が形成され、この操作を所望の色相数に合わせて各色ごとに繰り返し行なうことによってカラーフィルタが得られる。このような顔料分散法として、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤とを併用したネガ型感光性組成物を用いた例が記載されたものがある(例えば、特許文献1〜4参照)。
一方、近年、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては更なる高精細化が望まれている。しかしながら、従来の顔料分散系では解像度を更に向上させることは困難であり、顔料の粗大粒子により色ムラが発生する等の問題があるため、固体撮像素子のように微細パターンが要求される用途には適さなかった。
かかる問題に鑑み、従来から顔料に代えて染料を使用する技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、染料を用いた硬化性組成物は、例えば耐光性、耐熱性、溶解性、塗布均一性など様々な性能において、一般に顔料に比べて劣るという問題がある。また、固体撮像素子用カラーフィルタの作製用途の場合には1.5μm以下の膜厚が要求されるため、硬化性組成物中に多量の色素を添加しなければならず、したがって基板との密着や硬化度が不充分となったり、フィルタをなす露光部で染料が抜けてしまうなど、パターン形成性が著しく低下してしまうといった問題もある。
また、顔料及び染料に関わらず、フォトリソ法を用いたカラーフィルタは、着色剤以外の成分、すなわちバインダー樹脂、光重合性化合物、開始剤を相当量入れる必要があり、膜厚を薄くできない欠点がある。
前記フォトリソ法を利用するカラーフィルタの製造法に対して、より薄膜でかつ微細パターンの形成に有効な方法としてドライエッチング法が古くから知られている。ドライエッチング法は、色素の蒸着薄膜にパターン形成する方法として従来から採用されており(例えば、特許文献6参照)、薄膜形成に関してはフォトリソ系に比べ、分光特性を同じ程度としながら膜厚が1/2以下の薄膜の形成も可能である。
特開平2−181704号公報 特開平2−199403号公報 特開平5−273411号公報 特開平7−140654号公報 特開平6−75375号公報 特開昭55−146406号公報
しかしながら、近年のカラーフィルタについては、シェーディング低減による画質向上のため、薄膜化に対する強い要求がある。また、上記した蒸着による薄膜形成では、蒸着装置の汚染が避けられず、カラーフィルタの作製には大きな負荷となると共に、顔料又は染料を主として画素形成されるため、下層をなす平坦化膜や上層との密着性が悪く、歩留まりが上がらない原因の一つにもなっていた。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、分光特性及び表面性状が良好でパターンの矩形性に優れると共に、基体や隣接層との間の密着性の高いカラーフィルタ、及び該カラーフィルタの作製に好適であり、ドライエッチング法を利用したコストパフォーマンスの高いカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (1)着色剤と光硬化性化合物とを含むと共に、全固形分中の前記着色剤の濃度が50質量%以上100質量%未満である着色剤含有光硬化性組成物を基板上に設けて着色層を形成する工程と、(2)基体上に形成された着色層を露光して硬化する工程と、(3)硬化された前記着色層上に感光性樹脂層を設けて感光性樹脂層を形成する工程と、(4)少なくとも前記感光性樹脂層を画像様に露光し、現像して前記感光性樹脂層からなるパターンを形成する工程と、(5)前記着色層に前記パターンをマスクとしてドライエッチング処理を施し、着色パターンを形成する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法である。
<2> 前記濃度が、60質量%以上95質量%以下である前記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<3> 前記濃度が、65質量%以上90質量%以下である前記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 前記光硬化性化合物が、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有すると共に、常圧下での沸点が100℃以上であるラジカル重合性モノマーである前記<1>〜<3>のいずれか一つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<5> 前記着色剤含有光硬化性組成物が、光重合開始剤を更に含んでネガ型に構成されている前記<1>〜<4>のいずれか一つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 前記着色剤含有光硬化性組成物が、o−ナフトキノンジアジド化合物を含んでポジ型に構成されている前記<1>〜<4>のいずれか一つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 前記着色層の厚さが、0.005〜0.9μmである前記<1>〜<6>のいずれか一つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<8> 前記<1>〜<7>のいずれか一つに記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたことを特徴とするカラーフィルタである。
本発明によれば、分光特性及び表面性状が良好でパターンの矩形性に優れると共に、基体や隣接層との間の密着性の高いカラーフィルタ、及び該カラーフィルタの作製に好適であり、ドライエッチング法を利用したコストパフォーマンスの高いカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明のカラーフィルタについても詳述することとする。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色されると共に光で硬化された着色層をドライエッチング法によりパターン形成する、具体的には下記(1)〜(5)に示す工程を設けて構成されたものであり、必要に応じて他の工程を含んでいてもよい。
(1)着色剤と光硬化性化合物とを含むと共に、全固形分中の前記着色剤の濃度が50質量%以上100質量%未満である着色剤含有光硬化性組成物を基体上に設けて(例えば塗布し、乾燥させて)着色層を形成する工程(以下、「着色層形成工程」ということがある。)
(2)基体上に形成された着色層を露光して硬化する工程(以下、「光硬化工程」ということがある。)
(3)硬化された前記着色層上に感光性樹脂層を設けて(例えば塗布し、乾燥させて)感光性樹脂層を形成する工程(以下、「レジスト形成工程」ということがある。)
(4)少なくとも前記感光性樹脂層を画像様に露光し、現像して前記感光性樹脂層からなるパターンを形成する工程(以下、「マスク形成工程」ということがある。)
(5)前記着色層に前記パターンをマスクとしてドライエッチング処理を施し、着色パターンを形成する工程(以下、「エッチング工程」ということがある。)
本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されるカラーフィルタは、単色よりなるものであってもよいし、2色以上の複数色よりなるものであってもよい。複数色よりなる場合は、上記の着色層形成工程、光硬化工程、レジスト形成工程、マスク形成工程、及びエッチング工程、並びに必要に応じて他の工程を複数回繰り返し行なうことによって、複数色よりなるカラーパターンを作製することができる。このとき、最終に形成する色のパターン形成の際には、ドライエッチング処理用のマスクは不要であるため、光硬化を施した後そのまま前記(3)及び(4)の工程を行なわずに既設のパターン上等に存在する余分な着色剤含有光硬化性組成物を除去すると共に平坦化を行なうことにより、多色のカラーフィルタを形成することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
−着色層形成工程−
着色層形成工程では、着色剤含有光硬化性組成物を基体上に設けて着色層を形成する。着色剤含有光硬化性組成物は、全固形分中の濃度が50質量%以上100質量%未満の範囲である着色剤と光硬化性化合物とを含んでなるものであり、具体的には後述する。
着色層の形成は、例えば、塗布、乾燥する方法等により行なえる。塗布による場合、直接あるいは他の層を介して着色剤含有光硬化性組成物を基体上に、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布し、乾燥させることで形成できる。
着色層の層厚としては、0.005〜0.9μmが好ましく、0.01〜0.65μmがより好ましく、0.02〜0.6μmが特に好ましい。
前記基体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板(例えばシリコン基板等)、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)などが挙げられる。これらの基体は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの基体上には必要に応じて、設けられる層(例えば着色層)との密着改良、物質の拡散防止あるいは表面平坦化の目的で下塗り層を設けてもよい。
−光硬化工程−
光硬化工程では、光もしくは放射線を用いた露光により、基体上に形成された着色層を光硬化する。本工程は、前記着色層形成工程での着色層の形成を塗布で行なう場合に塗布後の乾燥と同時に行なうようにしてもよく、塗布乾燥後、光硬化するために別途工程を設けて行なうようにしてもよい。
本工程で用いられる光もしくは放射線としては、光源として従来公知のものを選択し、利用することができる。具体的には、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視域ないし紫外域の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、及び太陽光等が使用できる。このうち、好ましくは水銀灯であり、特に好ましくは、g線、h線、i線を含む高圧水銀灯である。
照射時間、照射量等の露光条件については、着色剤含有光硬化性組成物に対して所望の硬化性が得られるように適宜選択することができ、具体的な硬化に要する光量として、0.001〜2000mJ/cm2の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜850J/cm2の範囲である。
−レジスト形成工程−
レジスト形成工程では、前記光硬化工程で硬化された着色層上にポジ型もしくはネガ型の感光性樹脂組成物を設けて感光性樹脂層を形成する。この感光性樹脂層は、後述のマスク形成工程で形成されるマスクパターンを構成する層である。
感光性樹脂層の形成は、例えば、塗布、乾燥する方法等により行なえる。塗布による場合、着色層上に直接もしくは他の層を介して、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法を利用して好適に行なうことができる。
前記ポジ型の感光性樹脂組成物としては、g線、h線、i線等の紫外線、エキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビーム、及びX線等の放射線に感応する、ポジ型フォトレジストとして好適なポジ型の感光性樹脂組成物が使用できる。この場合、光もしくは放射線としてg線、i線が好適であり、中でも、i線による露光が好ましい。
具体的には、前記ポジ型の感光性樹脂組成物として、キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感光性樹脂組成物は、500nm以下の波長光の照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、アルカリ不溶な状態からアルカリ可溶な状態への変化を利用したポジ型フォトレジストとして使用できる。なお、このポジ型フォトレジストは、解像力に著しく優れるので、ICやLSI等の集積回路の作製に用いられている。前記キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が好適に挙げられる。
近年、集積回路については集積度の向上に伴なって配線の幅が微細化され、このためエッチングも従来のウェットエッチングに代えてドライエッチングが主流になっている。このドライエッチングではレジストの形状がそのまま被エッチング層の形状に反映されるので、レジストの形状が悪いとエッチング不要の部分までエッチングされてしまい、集積回路の不良や歩留り悪化の原因となる。このため、現像残さ(スカム)等の少ないプロファイルの良好なレジストが従来以上に要求されている。また、ドライエッチングでは基板の温度が上昇し、レジストパターンが熱変形を起こして寸法精度が低下することがある。このため、レジストの耐熱性が従来以上に要求されている。このような観点から、ポジ型フォトレジストとしては、プロファイル、スカム、解像度、及び耐熱性等の諸性能について満足するものが数多く市販されており、好適なものとして例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製のFH−6000シリーズ、例えばFH−6400L、FH−6800Lなど、同社製のFHi−3000シリーズ、例えばFHi−3200、FHi−3950等、同社製のFHi−600シリーズ、例えばFHi−644、FHi−645、同社製のFi−SPシリーズ、例えばFi−SP2等が挙げられる。但し、これに限らずパターン形成に好ましいマスク形状のものができるのであれば、市販の有無に関わらずポジ型の感光性樹脂組成物として使用可能である。
前記ネガ型の感光性樹脂組成物としては、g線、h線、i線等の紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線等の輻射線に感応するネガ型フォトレジストが挙げられる。更には、解像力及び感度に優れ、かつ現像残りによる微小欠陥が実質上発生しないネガ型フォトレジストが好ましい。
例えば、ネガ型フォトレジストを着色層上に前記塗布方法にて例えば0.5〜3μmの厚みに塗布した後、加熱、乾燥し、露光マスクを介して所望パターンに紫外線照射などによりパターン状に硬化させ、必要に応じて露光後に更に加熱工程(PEB)を経た後、現像することによって、フォトレジスト(感光性樹脂層)がパターン状に加工されてなるネガ画像が得られ、このネガ画像を次工程で露光する際のマスクとして用いることができる。
代表的な例としてはICなどの半導体製造工程、液晶、サーマルヘッドなどの回路基板の製造、更にその他のフォトアプリケーション工程などである。またこの画像と支持基板とのインクへの親和性の差を利用して平版印刷版に適用することもできる。半導体基板の加工の高集積度化に伴いフォトレジストの高解像力化が求められている。
ネガ型の感光性樹脂層としては、光重合開始剤とエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物とを含む層であるのが好ましい。かかる感光性樹脂層の形成に使用可能なネガ型の感光性樹脂組成物について以下に示す。例えば、特公昭54−23574号公報には、有機ハロゲン化物からなる光酸発生剤と組み合せてノボラック樹脂を光硬化させる技術が、西独公開特許2057473号公報には、ジアゾ化合物からなる光酸発生剤とメチロール化メラミンなどからなる光硬化性組成物との結合剤としてノボラックなどのフェノール樹脂を適用できることが、また、特開昭60−263143号公報には、光酸発生剤とメラミン樹脂などの酸硬化性アミノブラスト樹脂、一般的なノボラック樹脂とからなる組成物が開示されており、水性現像可能で熱安定性の高いネガ画像が得られるとされている。また、特開昭62−164045号公報には、光酸発生剤として遠紫外域に光吸収を有する有機ハロゲン化物が有利に使えることが記載されており、同様に特開平2−52348号公報には、類似の系の光酸発生剤として、特定領域のpKa値を持つ有機ハロゲン化物が有利であることが記載されている。更に、特開平2−154266号公報には、光硬化性組成物の光酸発生剤として、オキスムスルフォン酸エステル類が有効であることが記載されている。また別の例として、特開平2−146044号公報において、特定のトリクロロトリアジン基を有する光酸発生剤とアルコキシ化メラミンにm−クレゾールを30%以上含有するノボラック樹脂とを組み合わせた組成物が、高エネルギー線露光用に有用であることが記載されている。更に、欧州特許397460A号公報にも同様の組成物において、分岐度の高いノボラック樹脂を用いることが記載されている。
上記のようなネガ型の感光性樹脂組成物は、市販されたものがあり、例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製のSCシリーズ(例えば、SC−60、SC−450等)、同社製のHRシリーズ(例えば、HR−100、HR−200等)、同社製のHNRシリーズ(例えば、HNR−80、HNR−120等)などが挙げられる。但し、これらに限らず、パターン形成に好ましいマスク形状のものができるのであれば、市販の有無に関わらず使用可能である。
前記感光性樹脂層の層厚としては、0.01〜3μmが好ましく、0.1〜2.5μmがより好ましく、0.15〜2μmが更に好ましい。
−マスク形成工程−
マスク形成工程では、少なくとも前記レジスト形成工程で設けられた感光性樹脂層を画像様に露光、現像し、フォトリソ法により、着色層上に感光性樹脂層からなるパターン(エッチング用マスク)を形成する。
露光は、少なくとも感光性樹脂層の感光波長に対応する波長光を発する光源を選択して好適に行なうことができ、g線、h線、i線等、特に好ましくはi線を所定のマスクパターンを介して照射する等によりパターン状に行なえる。
現像は、前記露光がなされた後の感光性樹脂層を現像液でアルカリ現像する。本工程でのアルカリ現像により、前記露光で感光性樹脂層に形成された潜像にしたがってポジ型もしくはネガ型の感光性樹脂組成物の非硬化部が現像除去され、硬化されたフォトレジストからなるパターンが形成される。このパターンは、後述のエッチング工程で着色層にパターン形成する際のマスクとして機能するものである。
現像は、現像液を用いて行なえ、該現像液としては、着色層に悪影響を与えず、ポジ型フォトレジストの露光部あるいはネガ型フォトレジストの非露光部を溶解し得るものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
前記アルカリ性の水溶液は、アルカリ現像液でもよく、一般に市販されているものは性能が安定しており再現性のよい結果が得られる。市販されているものとしては、例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製のFHD−5、CD−2000等が好適であるが、これに制限されるものではない。
現像時の現像温度、現像時間等の処理条件については、画像記録材料の構成や用いる現像液の種類等により適宜選択することができる。
−エッチング工程−
エッチング工程では、前記マスク形成工程でアルカリ現像されて露出した着色層をドライエッチング処理し、着色層をパターン状に加工する。本工程で形成されたパターンは、カラーフィルタもしくはカラーフィルタの着色画素を構成するものである。
ドライエッチング法の代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載のように、着色剤を蒸着した上にマスク用のレジストを塗布しパターニングを行なった状態でエッチングする方法等が挙げられる。
本工程のドライエッチングでは、酸素やCF4などのCF系ガス、CO、CO2ガスなどを用い、異方性エッチングすることが可能であり、パターンマスクのパターンにしたがって着色層がエッチングされ、矩形性に優れた色パターン(カラーフィルタ)を形成することができる。
前記エッチング工程後には、パターンマスク、すなわちパターン状に着色層上に設けられている感光性樹脂層(フォトレジスト)を専用の剥離液や溶剤を用いて除去することができる。かかる除去は、上記した5つの工程の全てが終了した後に行なってもよく、除去後、引き続いて二色目以降の色パターンを同様の工程を繰り返して作製することができる。なお、最後の色パターンを形成する場合には、光硬化を行なった後、既設の色パターン上に残存する余分な光硬化性組成物を除去、平坦化を行なって全色のパターン作製を行なうようにしてもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、カラーフィルタ又はその着色画素を構成する着色層を光硬化すればよく、アルカリ現像で現像する必要が全くなく、フォトリソ法で作製するカラーフィルタに対して同等程度の分光特性を有しながら、アルカリ可溶性バインダーを極力減らせる分、薄膜化を実現させることができる。通常、薄膜化実現のためには、フォトリソ法で作製した塗布膜に対して固形分濃度を上げる必要がある。これに対し、所望とする分光特性を得るためには着色剤の濃度を向上させる必要がある。このため、フォトリソ法で所望の分光特性を保持したまま薄膜化を行なおうとすると、着色剤以外の固形分を下げることとなり、結果的に硬化不良やこれに伴なうアルカリ現像によるパターンの消失(現像、リンス工程での流れ)を招来する。このため、フォトリソ法による薄膜化するにあたっては着色剤濃度に限界があり、特に着色剤濃度が65質量%以上になると、ほとんどパターン形成が不可能となるのが実情である。
これに対して、本発明のカラーフィルタは、光で着色剤を含む着色層を硬化させるようにし、ドライエッチングを利用して着色パターンの形成を行なうため、フォトリソ法に必須成分であるアルカリ可溶性バインダーは、塗布面状保証のために添加剤的に加える以外は着色層に含ませる必要がない。このため、着色剤及び光硬化性化合物と必要に応じて光重合開始剤とで構成し得、着色剤の濃度を50質量%以上、特に65質量%以上の高濃度にすることができる。
また、本発明においては、着色剤濃度が50%質量以上であれば、着色層、すなわちカラーフィルタの厚みを既述した範囲に薄くすることが可能であるが、熱硬化を併用する場合には例えば更に着色剤濃度を70質量%以上とすることが可能である。すなわち、分光特性をほとんど変えずにフォトリソ法での限界以下の膜厚よりも薄い膜の形成が可能である。加えて、着色剤以外の成分に密着性を持たせることで、蒸着法では得られなかった密着性能が高着色剤濃度の系でも実現できる。
なお、着色剤濃度については、蒸着法によるような100質量%であるのが望ましく、膜厚についても蒸着法によるのが最も薄くなるが、蒸着法では、(1)装置汚染の問題があること、(2)基体及び隣接層との間の密着性が不充分な場合がある。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法に用いられる着色剤含有光硬化性組成物について説明する。
本発明に係る着色剤含有光硬化性組成物は、着色剤と光硬化性化合物とを少なくとも含んでなり、前記着色剤の全固形分中における濃度を50質量%以上100質量%未満となるように構成したものである。また、好ましくは、光重合開始剤を含んでなり、更に必要に応じてその他添加物が含有されていてもよい。
−着色剤−
本発明に係る着色剤含有光硬化性組成物は、着色剤の少なくとも1種を含有する。この着色剤には、公知の顔料、染料が含まれ、目的や場合に応じて適宜選択することができる。
〈顔料〉
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また顔料は、無機であれ有機であれ、なるべく細かいものを用いることが好ましく、ハンドリング適性を考慮すると、顔料粒子の粒子径としては、平均粒子径で0.001〜0.1μmが好ましく、0.005〜0.05μmがさらに好ましい。
さらに、前記顔料は、粒子径分布が0.01±0.005μmの範囲内にある顔料粒子を、顔料の総質量に対して75質量%以上含むことが特に好ましい。かかる粒子径分布は、後述する分散方法により顔料を分散することで特に好適に得られる。
前記無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩などで示される金属化合物が挙げられ、具体的には、アルミニウム、鉄、コバルト、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどの金属酸化物及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、
C.I.Pigment Yellow 11,24,31,53,83,93,99,108,109,110,138,139,147,150,151,154,155,167,180,185,199;
C.I.Pigment Orange 36,38,43,71;
C.I.Pigment Red 81,105,122,149,150,155,171,175,176,177,209,220,224,242,254,255,264,270;
C.I.Pigment Violet 19,23,32,39;
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Brown 25,28;
等を挙げることができる。
上記のうち、好ましい有機顔料を以下に挙げる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185;
C.I.Pigment Orange 36,71;
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.Pigment Violet 19,23,32;
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
前記有機顔料は、単独で用いてもよいし、色純度を上げるために複数種を組合せて用いることもできる。具体的な例としては、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料の単独、或いは、それらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料との組み合わせなどを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としてはC.I.ピグメントレッド177、ペリレン系顔料としてはC.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224、ジケトピロロピロール系顔料としてはC.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点で、C.I.ピグメントイエロー83又はC.I.ピグメントイエロー139との組み合わせが好ましい。赤色顔料(R)と黄色顔料(Y)との質量比(R:Y)は、100:5〜100:50が好ましく、100:10〜100:30がさらに好ましい。この質量比が前記範囲内にあると、光透過率を抑えて色純度を向上させることができ、さらに主波長が短波長よりになってNTSC目標色相からずれるのを防止することができる。赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料単独、或いは、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料又はイソインドリン系黄色顔料との組み合わせを用いることができる。例えば、C.I.ピグメントグリーン7,36,37とC.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー138,C.I.ピグメントイエロー139,C.I.ピグメントイエロー150,C.I.ピグメントイエロー180又はC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑色顔料(G)と黄色顔料(Y)との質量比(G:Y)は、100:5〜100:150が好ましく、100:30〜100:120がさらに好ましい。この質量比が前記範囲内にあると、400〜450nmの光透過率が抑えられ、色純度を向上させることができると共に、更に主波長が長波長よりになってNTSC目標色相からずれるのを防止することができる。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料単独、或いは、これとジオキサジン系紫色顔料との組み合わせを用いることができる。該組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料(B)と紫色顔料(V)との質量比(B:V)は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:0〜100:10である。
更に前記顔料が、アクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、エチルセルロース樹脂等に微分散された粉末状加工顔料を用いることによって、分散性及び分散安定性の良好な組成物を調製することができる。
本発明の着色剤含有光硬化性組成物は、顔料粒子を微粒子化し、且つその粒子サイズ分布をシャープにした顔料を用いるのが好適である。具体的には、平均粒子径が0.01μm程度であり、且つ75質量%以上の粒子径が0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子から構成される顔料を用いるのが好ましい。顔料の粒子サイズ分布を上述の範囲に調整するためには、顔料の分散方法が特に重要であり、顔料の分散方法については後述する。
また、本発明においては、あらかじめアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等で処理した加工顔料も好適に用いることができる。本発明において、前記の種々の樹脂で処理された加工顔料の形態としては、樹脂と顔料が均一に分散している粉末、ペースト状、ペレット状、ペースト状が好ましい。
〈染料〉
染料としては、特に制限なく使用することができ、従来カラーフィルタ用として公知の染料などが挙げられる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。
化学構造の観点からは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系等のアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、アンスラピリドン系等の染料が使用でき、好ましくは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系の染料である。
また、水又はアルカリ現像を行なうレジスト系に構成される場合には、現像により後述するバインダー及び/又は染料を完全に除去する観点から、酸性染料及び/又はその誘導体を好適に使用できることがある。そのほか、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及び/又はこれらの誘導体等も有用に使用することができる。
以下、酸性染料及びその誘導体について詳述する。
−酸性染料及びその誘導体−
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸やフェノール性水酸基等の酸性基を有する色素であれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下、前記酸性染料の具体例を挙げる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。例えば、
Acid alizarin violet N;
Acid black 1,2,24,48;
Acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,42,45,51,62,70,74,80,83,86,87,90,92,96,103,112,113,120,129,138,147,150,158,171,182,192,210,242,243,256,259,267,278,280,285,290,296,315,324:1,335,340;
Acid chrome violet K;
Acid Fuchsin;
Acid green 1,3,5,9,16,25,27,50,58,63,65,80,104,105,106,109;
Acid orange 6,7,8,10,12,26,50,51,52,56,62,63,64,74,75,94,95,107,108,169,173;
Acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,182,183,198,206,211,215,216,217,227,228,249,252,257,258,260,261,266,268,270,274,277,280,281,195,308,312,315,316,339,341,345,346,349,382,383,394,401,412,417,418,422,426;
Acid violet 6B,7,9,17,19;
Acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,38,40,42,54,65,72,73,76,79,98,99,111,112,113,114,116,119,123,128,134,135,138,139,140,144,150,155,157,160,161,163,168,169,172,177,178,179,184,190,193,196,197,199,202,203,204,205,207,212,214,220,221,228,230,232,235,238,240,242,243,251;
Direct Yellow 2,33,34,35,38,39,43,47,50,54,58,68,69,70,71,86,93,94,95,98,102,108,109,129,136,138,141;
Direct Orange 34,39,41,46,50,52,56,57,61,64,65,68,70,96,97,106,107;
Direct Red 79,82,83,84,91,92,96,97,98,99,105,106,107,172,173,176,177,179,181,182,184,204,207,211,213,218,220,221,222,232,233,234,241,243,246,250;
Direct Violet 47,52,54,59,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
Direct Blue 57,77,80,81,84,85,86,90,93,94,95,97,98,99,100,101,106,107,108,109,113,114,115,117,119,137,149,150,153,155,156,158,159,160,161,162,163,164,166,167,170,171,172,173,188,189,190,192,193,194,196,198,199,200,207,209,210,212,213,214,222,228,229,237,238,242,243,244,245,247,248,250,251,252,256,257,259,260,268,274,275,293;
Direct Green 25,27,31,32,34,37,63,65,66,67,68,69,72,77,79,82;
Mordant Yellow 5,8,10,16,20,26,30,31,33,42,43,45,56,50,61,62,65;
Mordant Orange 3,4,5,8,12,13,14,20,21,23,24,28,29,32,34,35,36,37,42,43,47,48;
Mordant Red 1,2,3,4,9,11,12,14,17,18,19,22,23,24,25,26,30,32,33,36,37,38,39,41,43,45,46,48,53,56,63,71,74,85,86,88,90,94,95;
Mordant Violet 2,4,5,7,14,22,24,30,31,32,37,40,41,44,45,47,48,53,58;
Mordant Blue 2,3,7,8,9,12,13,15,16,19,20,21,22,23,24,26,30,31,32,39,40,41,43,44,48,49,53,61,74,77,83,84;
Mordant Green 1,3,4,5,10,15,19,26,29,33,34,35,41,43,53;
Food Yellow 3;
、及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
前記酸性染料の中でも、Acid black 24;
Acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;
Acid orange 8,51,56,74,63;
Acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217,249;
Acid violet 7;
Acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,134,155,169,172,184,220,228,230,232,243;
Acid green 25;
などの染料及びこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、前記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44,38;C.I.Solvent Orange45;Rhodamine B,Rhodamine 110、3−[(5−chloro−2−phenoxyphenyl)hydrazono]−3,4−dihydro−4−oxo−5−[(phenylsulfonyl)amino]−2,7−Naphthalenedisulfonic acid等の酸性染料及びこれらの染料の誘導体も好適に使用することができる。
酸性染料の誘導体としては、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等が使用でき、硬化性組成物溶液として溶解させることができるものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とする性能の全てを考慮して選択される。
前記「酸性染料と含窒素化合物との塩」を形成する方法は、酸性染料の溶解性改良(有機溶剤への溶解性付与)や、耐熱性及び耐光性改良に効果的な場合がある。
次に、酸性染料と塩を形成する含窒素化合物、及び酸性染料とアミド結合を形成する含窒素化合物について説明する。
前記含窒素化合物は、塩又はアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、着色剤としての耐熱性及び耐光性等の全てを勘案して選択される。吸光度・色価の観点のみで選択する場合には、前記含窒素化合物としてはできるだけ分子量の低いものが好ましく、中でも、分子量300以下のものが好ましく、分子量280以下のものがより好ましく、分子量250以下のものが特に好ましい。
前記「酸性染料と含窒素化合物との塩」における含窒素化合物/酸性染料のモル比(以下、nとする。)は、酸性染料分子と対イオンであるアミン化合物とのモル比率を決定する値であり、酸性染料−アミン化合物の塩形成条件によって自由に選択することができる。
具体的には、酸性染料中の酸の官能基数の0<n≦5の間の数値が実用上多く用いられ、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の全てを考慮して選択される。吸光度のみの観点で選択する場合には、nは0<n≦4.5の間の数値をとることが好ましく、0<n≦4の間の数値をとることがより好ましく、0<n≦3.5の間の数値をとることが特に好ましい。
前記酸性染料は、構造上酸性基を導入したことによって酸性染料となっていることから、その置換基を変更することで非酸性染料とすることもできる。また、酸性染料は、アルカリ現像の際に好適に作用する場合もあるが、一方で過現像となることもあり、非酸性染料を好適に使用する場合もある。
着色剤の着色層中における濃度としては、全固形分に対して50質量%以上100質量%未満が好ましく、60質量%以上95質量%以下がより好ましく、65質量%以上90質量%以下が特に好ましい。着色剤の濃度が前記範囲内であると、所望の分光特性が得られると共に、グレーバランスの良好な画像(カラーフィルタを含む。)の形成に有効であると共に、硬化性の点でも好ましい。
−光硬化性化合物−
着色層(又は着色剤含有光硬化性組成物)は、光硬化性化合物の少なくとも1種を含有する。光硬化性化合物の例としては、ラジカル重合性モノマーである単管能や多官能アクリレートなど、ラジカル重合オリゴマーとしてポリエステルアクリレートやウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなど、ラジカル重合ポリマーの他、カチオン重合化合物としてのエポキシ、オキセタン等が一般に挙げられる。
前記ラジカル重合性モノマーとしては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有すると共に、常圧下での沸点が100℃以上である化合物が好ましい。このラジカル重合性モノマーは、後述する光重合開始剤等と共に含有することにより、着色剤含有光硬化性組成物をネガ型の光硬化性に構成することができる。
ラジカル重合性モノマーの例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
ラジカル重合性モノマーを用いる場合の着色剤含有光硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜70質量が好ましく、1.0〜60質量%が更に好ましく、2.0〜50質量%が特に好ましい。
また、光硬化性化合物の着色剤含有光硬化性組成物中における総含有量としては、素材でも異なるが、該組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜90質量%が好ましく、0.2〜80質量%がより好ましく、1〜70質量%が特に好ましい。
−光重合開始剤−
本発明に係る着色剤含有光硬化性組成物には、上記以外に、前記光硬化性化合物(特にラジカル重合性モノマー)と共に、光重合開始剤の少なくとも一種を含有することが好ましい。この光重合開始剤を既述の光硬化性化合物(特にラジカル重合性モノマー)と共に含有することで、光着色剤含有硬化性組成物をネガ型に好適に構成することができる。
光重合開始剤としては、光硬化性化合物(特にラジカル重合性モノマー)を重合させ得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール系化合物及びハロメチル−s−トリアジン系化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物等が挙げられる。
前記ハロメチルオキサジアゾール系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、等が挙げられる。
前記ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が挙げられる。
具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、等が挙げられる。
その他、みどり化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ(例えばダロキュア1173)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用である。
これら光重合開始剤には、増感剤や光安定剤を併用することができる。具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
また、前記光重合開始剤以外に他の公知の開始剤を使用することもできる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
光重合開始剤(及び公知の開始剤)の総使用量としては、前記光硬化性化合物(特にラジカル重合性モノマー)の固形分(質量)に対して、0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。該総使用量が前記範囲内であると、良好な重合反応性、膜強度を確保することができる。
−その他各種添加物−
着色層及び、これを構成する着色剤含有光硬化性組成物には、上記した成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の各種添加物、例えば、バインダー、架橋剤、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤等の各種添加物を添加することができる。
〈バインダー〉
着色層(又は着色剤含有光硬化性組成物)は、バインダーの少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。本発明においては、塗布時に光硬化性化合物が膜形成可能であれば特に含有する必要はなく、塗布膜面状改良の目的で補助的に用いることができる。また、本発明のカラーフィルタの製造方法ではフォトリソ工程を必要としないため、バインダーとしては、特に制限はなく、水可溶性又はアルカリ可溶性のいずれに関わらず、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。また、顔料分散液の調製の際にバインダーを添加する場合には、アルカリ可溶性は要しないが有機溶剤可溶性を有することが好ましい。
バインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
前記以外に、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。
また、親水性を有するモノマーを共重合してもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級又は3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐又は直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐又は直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
上記以外に、親水性を有するモノマーとして、テトラヒドロフルフリル基、燐酸部位、燐酸エステル部位、4級アンモニウム塩の部位、エチレンオキシ鎖部位、プロピレンオキシ鎖部位、スルホン酸及びその塩の部位、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
また、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等の重合性基を側鎖に含有するポリマー等も有用である。前記「重合性基を側鎖に含有するポリマー」の例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を高める観点から、アルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これら各種バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、例えばベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸、ベンジルメタアクリレート/ベンジルメタアクリルアミドのような各共重合体、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
これらのバインダー中に前記着色剤を高濃度に分散させることで、下層等との密着性を付与でき、これらはスピンコート、スリットコート時の塗布面状にも寄与している。
前記バインダーとしては、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105の重合体が好ましく、2000〜1×105の重合体がより好ましく、5000〜5×104の重合体が特に好ましい。
バインダーの着色層又は着色剤含有光硬化性組成物中における含有量は、全固形分(質量)に対して、0.1〜50質量%が好適であり、着色層の薄膜化の観点からは極力少量であるのが好ましいことから、0.2〜40質量%がより好ましく、1〜35質量%が特に好ましい。
〈架橋剤〉
本発明においては、補足的に架橋剤を用いることにより更に高度に硬化させた膜を得るようにすることも可能である。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも特に、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
前記(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれであってもよく、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物;同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物;同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノールAテトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物;同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物;ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物、等が挙げられる。
前記(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数としては、メラミン化合物の場合は2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、及びウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合は5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、及びウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物及びウレア化合物を総じて、(b)に係る(メチロール基、アルコキシメチル基又はアシロキシメチル基含有)化合物という。
前記(b)におけるメチロール基含有化合物は、(b)におけるアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。前記(b)におけるアシロキシメチル基含有化合物は、(b)におけるメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
以下、前記置換基を有する(b)における化合物の具体例を挙げる。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物、などが挙げられる。
前記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
前記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物又はその混合物、などが挙げられる。
前記ウレア化合物として、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレア、などが挙げられる。
これら(b)における化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
前記(c)における化合物、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物は、前記(b)における化合物の場合と同様、上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、これら化合物を総じて、(c)における(メチロール基、アルコキシメチル基又はアシロキシメチル基含有)化合物ということがある。
前記(c)における化合物に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基又はアルコキシメチル基の数としては、一分子当り最低2個必要であり、硬化及び保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位及びパラ位が全て置換されている化合物が好ましい。前記フェノール化合物の3位又は5位は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
前記ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
前記(c)におけるメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基の2位又は4位が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。
前記(c)におけるアルコキシメチル基含有化合物は、前記(c)におけるメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
前記(c)におけるアシロキシメチル基含有化合物は、前記(c)におけるメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
前記(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位又はパラ位が未置換の、フェノール化合物、ナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール類;4,4'−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等が使用される。
前記(c)の具体例としては、フェノール化合物又はナフトール化合物として、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、テトラメトキシメチルビスフェノールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4'−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4'−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール、等が挙げられる。
また、ヒドロキシアントラセン化合物として、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、前記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部又は全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
これらの化合物の中で好ましいものとしては、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体又はそれらのメチロール基がアルコキシメチル基及びメチロール基とアルコキシメチル基の両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。
これら(c)における化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組合わせて使用してもよい。
前記架橋剤の着色層又は着色剤含有光硬化性組成物中における総含有量としては、素材により異なるが、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。
〈熱重合防止剤〉
本発明に係る着色剤含有光硬化性組成物には、熱重合防止剤を更に加えることもできる。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
〈硬化剤〉
着色層(又は着色剤含有光硬化性組成物)は、少なくとも1種の硬化剤を用いて好適に構成することができる。前記光硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤を添加することが好ましい。この場合、エポキシ基と反応して重合反応し、架橋密度が向上することで硬化する。
エポキシ樹脂の硬化剤は、種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。硬化剤に関しては、垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。以下、硬化剤の例を挙げる。
触媒的に作用するものとして、第3アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックスが、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等が、また、常温硬化のものとしては、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂が、中温硬化のものとしては、ジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが、高温硬化のものとしては、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等が挙げられる。また、化学構造の観点からは、アミン類では、脂肪族ポリアミンとしてジエチレントリアミンが、芳香族ポリアミンとしてメタフェニレンジアミンが、第二及び第三アミンとしてトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが、酸無水物として無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックスが、合成樹脂初期縮合物としてフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド、等が挙げられる。
硬化剤を添加する場合、着色層の薄膜化の観点からは極力少量の方が好ましく、具体的には着色層の固形分(質量)に対して、35質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、更に好ましくは25質量%以下である。
〈硬化触媒〉
着色層(又は着色剤含有光硬化性組成物)は、少なくとも1種の硬化触媒を用いて好適に構成することができる。
高い着色剤濃度を実現するためには、前記硬化剤との反応による硬化以外に、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。この場合には、硬化剤を用いずに硬化触媒を用いて構成することが好ましい。
前記硬化触媒の具体例としては、市販されているものもあり、例えば、ジャパンエナジー(株)製のイミダゾールシランシリーズIS−1000、同IS−1000D、同IM−1000、同SP−1000、同IA−1000A、同IA−100P、同IA−100F、同IA−100AD、同IA−100FD、同IM−100F、同IS−3000、同IS−4000などのほか、四国化成(株)製の1B2PZ、SFZ等が有用である。但し、これらに制限されるものではない。
硬化触媒を用いる場合の、該硬化触媒の着色層中における添加量としては、エポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度が好ましく、より好ましくは1/20〜1/500程度、更に好ましくは1/30〜1/250程度であり、前記範囲のわずかな量で硬化させることが可能である。
〈溶剤〉
着色層の形成は、上記したように、既述の着色剤及び光硬化性化合物、並びに必要に応じてバインダー、硬化剤、硬化触媒等を含んで調製された着色剤含有光硬化性組成物を用いて行なえるが、着色剤含有光硬化性組成物の調製には一般に、溶剤を用いることができる。すなわち、着色剤含有光硬化性組成物は、各種成分が溶剤に溶解された溶液(例えば塗布液)として用いることができる。
前記溶剤としては、各成分の溶解性や着色剤含有光硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定はなく、特に染料、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
具体的には、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、等;
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、等;
芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、等が好適に挙げられる。
〈分散剤〉
分散剤は、前記顔料の分散性を向上させるために添加することができる。
分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
さらに、特開平10−254133号公報に記載の、主鎖部に特定の酸アミド基含有モノマー及び四級アンモニウム塩モノマー残基を有するグラフト共重合体もまた、顔料を微分散する優れた作用を有することから分散剤として用いることができる。前記グラフト共重合体を用いることで、エネルギーや時間の消費を低減しながら顔料を微細に分散させることができると共に、分散した顔料が時間経過に伴なって凝集したり沈降することがなく、長期間にわたる分散安定性を維持することができる。
分散剤は、1種単独で用いる以外に2種以上組み合わせて用いてもよい。
分散剤の着色層(又は着色剤含有光硬化性組成物)中における添加量としては、通常顔料100質量部に対して、0.1〜50質量部程度が好ましい。
上記以外の各種添加物の具体例として、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
〜着色剤含有光硬化性組成物の調製〜
以下、本発明に係る画像記録材料の着色層の形成に用いる着色剤含有光硬化性組成物の調製方法について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
前記着色剤として顔料を用いる場合、顔料はその粒子サイズ分布が既述の範囲、具体的には平均粒子径が0.001〜0.1μmの範囲にあり、かつ粒子径分布が0.01±0.005μmの範囲にシャープとなるように分散させて用いるのが好ましいが、その調整には分散方法が重要であり、好適な分散方法として、例えば、ニーダーや二本ロールなどのロールミルを用いて高粘度状態で分散する乾式分散(混練分散処理)と、三本ロールやビーズミル等を用いて比較的低粘度状態で分散する湿式分散(微分散処理)とを組み合わせた分散方法が挙げられる。また、前記分散方法においては、2種以上の顔料を共分散したり、混練分散処理時には溶剤を使用しないか若しくは使用量をできるだけ少なくしたり、各種分散剤を用いる方法も好適である。更に、ソルベントショックを和らげるために樹脂成分を前記混練分散処理時と微分散処理時とに分けて添加(2分割使用)したりすることが好ましく、また、混練分散処理から微分散処理に移行する際に顔料粒子が再凝集するのを防止するために溶解性に優れた樹脂成分を用いるのが好ましい。更に、微分散処理時に使用するビーズミルのビーズに高硬度のセラミックスを使用したり、粒径の小さいビーズを使用したりする手段も有効である。尚、前記樹脂成分としては、例えば、上述のアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。
本発明においては、特に、2種以上の顔料を用い、更に2種以上の顔料を50,000mPa・s以上の高粘度状態で分散した後に、更に1,000mPa・s以下の低粘度状態で分散して得られた着色剤を用いるのが好ましい。
なお、一般に顔料は合成後、種々の方法で乾燥を経て供給される。通常は水媒体から乾燥させて粉末体として供給されるが、水が乾燥するには大きな蒸発潜熱を必要とし、乾燥して粉末とさせるには大きな熱エネルギーを与えるため、顔料は一次粒子が集合した凝集体(二次粒子)を形成しているのが普通である。
着色剤として顔料を用いる場合、まず顔料にバインダーを、混練分散処理後の粘度が50,000mPa・s以上(好ましくは50,000〜100,000mPa・s)の比較的高粘度になるように加えて混練分散処理を施すのが好ましい。ここで、混練分散処理は、高粘度分散であってもよいし、乾式分散であってもよい。次いで、必要に応じて混練分散処理後の分散物にバインダーを追加添加し、微分散処理後の粘度が1000mPa・s以下(好ましくは100mPa・s以下)の比較的低粘度になるように微分散処理を施すことが好ましい。なお、微分散処理は、低粘度分散であってもよいし湿式分散であってもよい。
混練分散処理においては、溶剤の比率が被分散物に対して0〜20質量%であることが好ましい。溶剤を多く使用せずに分散を行なうと、顔料粒子の表面をビヒクルの樹脂成分を主体とした構成成分との濡れを促進させることができ、顔料粒子表面が形成する界面を、顔料粒子と空気との固体/気体界面から、顔料粒子とビヒクル溶液との固体/溶液界面に変換することができる。顔料粒子の表面が形成する界面を空気から溶液に変換し混合攪拌すると、顔料を一次粒子に近い微小な状態にまで分散することができる。
このように、顔料を高度に分散させるためには、顔料粒子表面が形成する界面を空気から溶液に変換することが有効である。かかる変換には強い剪断力や圧縮力が必要である。このため、前記混練分散処理においては、強い剪断力や圧縮力を発揮できる混練機を用い、被混練物として高粘度のものを用いるのが好ましい。
また、前記微分散処理時においては、ガラスやセラミックの微粒状の分散用メディアと共に混合攪拌することが好ましい。さらに、微分散処理時における溶剤の比率は、被分散物の20〜90質量%であることが好ましい。前記微分散処理時においては、顔料粒子を微小な状態にまで均一に安定させて分布させることが必要であることから、凝集している顔料粒子に衝撃力と剪断力とを付与できる分散機とを用い、被分散物として低粘度のものを用いるのが好ましい。
着色剤として染料を用いる場合には、上記のような分散を必要とせず、溶剤にバインダーと共に溶解させて用いることができる。
上記のようにして得られた顔料の分散物又は染料溶解液に、光硬化性化合物及び必要に応じて光重合開始剤を添加し、あるいは既にバインダー自体が光硬化性化合物である場合には、これに必要に応じて光重合開始剤を添加して光硬化機能を付与し、必要に応じて溶剤を添加することによって、着色剤含有光硬化性組成物を調製することができる。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されたものである。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
本発明においては、これまで以上に高い着色剤濃度(具体的には、着色層又は着色剤含有光硬化性組成物中の全固形分に対して50質量%以上の濃度)に調整しスピンコーターやスリットコートにより均一な塗布を行なうこと、フォトリソ法によるのではなく光硬化法の利用によることで着色剤以外の固形分を極力低減され薄膜化を実現したこと、ドライエッチング法によりパターンの異方性を維持したまま矩形パターンを形成したこと、並びにこれらの組み合わせによって、従来成し得なかった蒸着に近い薄膜が得られると共に、矩形性及び密着性をともに実現することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<着色剤含有光硬化性組成物の調製>
−顔料分散液の調製−
緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色についてそれぞれ下記表1に示す各素材をそれぞれニーダーで均一に混練した後に、混練物を二本ロールで乾式分散処理(混練分散処理)した。
次いで、乾式分散処理が施された分散物に、溶剤成分としてプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートを785質量部加えた。その後、ホモジナイザーにて2000rpmで30分間攪拌処理し、顔料が均一に分散した、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色の分散組成物を調製した。得られた分散組成物を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて微分散処理を施した。
その後、2.5μmフィルターにて濾過を行ない、顔料が均一に分散された各色の顔料分散液(1)〜(3)を得た。尚、各顔料分散液について混練分散処理時及び微分散処理時における混練物(分散物)の粘度、並びに、各顔料分散液における顔料の平均粒子径及び粒子径0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子の占める割合を表1に示す。なお、顔料の粒子径の測定は、日機装(株)製のMICROTRAC UPA 150を用い、各着色樹脂組成物をプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートで希釈したものをサンプルとして測定した。
Figure 2007025358
−着色剤含有光硬化性組成物の調製−
前記表1中の各色の顔料分散液について、顔料分散液(1)については79.5質量%、顔料分散液(2)については73.2質量%、顔料分散液(3)については80.0質量%の高い顔料濃度となるように下記の光硬化性化合物及び光重合開始剤をそれぞれ加えて、着色剤含有光硬化性組成物(青色の着色剤含有光硬化性組成物B、緑色の着色剤含有光硬化性組成物G、及び赤色の着色剤含有光硬化性組成物R)を調製した。
*緑色の着色剤含有光硬化性組成物G
顔料分散液(1)に下記組成を添加した。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・・・15部
・光重合開始剤・・・3部
(CGI−242、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
*青色の着色剤含有光硬化性組成物B
顔料分散液(2)に下記組成を添加した。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・・・10部
・光重合開始剤・・・3部
(CGI−242、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
*赤色の着色剤含有光硬化性組成物R
顔料分散液(3)に下記組成を添加した。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・・・7部
・光重合開始剤・・・3部
(CGI−242、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
<カラーフィルタの作製>
富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製の「CT−2010L」を用いて形成された下塗り層を有するシリコンウェハー基板を3枚用意し、上記より得た着色剤含有光硬化性組成物の各々を、別個のシリコンウェハー基板の各下塗り層上にスピンコータにより膜厚が0.5μmの塗布膜となるようにそれぞれ塗布した後、ホットプレートにより100℃で2分間加熱処理を行ない、塗布膜を乾燥させて、青色、緑色、又は赤色の着色層を形成した(着色層形成工程)。
次いで、i線ステッパー(キャノン(株)製)を用いて、500mJ/cm2の露光量で各色の着色層を全面露光し、着色層の光硬化を行なった(光硬化工程)。
次いで、光硬化された各色の着色層上に、上層としてフォトレジストFHi−3950(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製;ポジ型フォトレジスト)を膜厚が1.5μmになるようにスピンコータで塗布した。その後、100℃で2分間加熱処理を行ない、乾燥させてレジスト層を形成した(レジスト形成工程)。
次いで、形成されたレジスト層を、該層の上方からi線ステッパー(キャノン(株)製)を用いて、200mJ/cm2の露光量で1.5μm×1.5μmサイズの格子状にマスクを通してパターン露光を行なった。そして、各色について、露光後のレジスト層を現像液FHD−5(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を用いて1分間現像処理を行ない、1.5μm×1.5μmサイズのエッチング用マスクを形成した(マスク形成工程)。
エッチング用マスクが形成された各色の着色層について、CF4/O2/Ar=2/2/1の比率の混合ガスにて非マスク部の露出した着色層のドライエッチングを行ない、色パターンを形成した。その後、剥離液MS−230(富士フイルムエレクトロマテリアルズ社製)を用いて、エッチング用マスクをなすレジスト層の剥離を行ない、矩形性の高い1.5μm四方の色パターン(ブルーパターン、グリーンパターン、又はレッドパターン)で構成された単色のカラーフィルタを作製した。
(実施例2)
−Blueパターンの形成−
実施例1と同様にして、ブルー(Blue)パターンを形成した。
−Greenパターンの形成−
Blueパターンが形成されたシリコンウェハー基板を用い、既述のようにして調製した緑色の着色剤含有光硬化性組成物Gを、シリコンウェハー基板のBlueパターンが形成されている側にスピンコータで塗布し、塗布膜を乾燥させて、層厚0.5μmの緑色パターン形成用の着色層(G層)を形成した。続いて、i線ステッパー(キャノン(株)製)を用いて、G層を800mJ/cm2の露光量で全面露光し、更に650mJ/cm2の露光量で全面露光して、G層を光硬化させた。
続いて、光硬化したG層(着色層)上に、フォトレジストFHi−3950(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製;ポジ型フォトレジスト)を膜厚が1.5μmとなるようにスピンコータで塗布し、実施例1と同様にしてレジスト層を形成した。
形成されたレジスト層に対し、該層の上方からi線ステッパー(キャノン(株)製)を用いて、200mJ/cm2の露光量で1.5μm×1.5μmサイズの格子状にマスクを通してパターン露光を行ない、実施例1と同様にして、露光後のレジスト層を現像処理して1.5μm×1.5μmサイズのエッチング用マスクを形成すると共に、非マスク部の露出した着色層のドライエッチングを行なって、シリコンウェハー基板上に2色目のグリーン(green)パターンを形成した。その後、G層上に残存するエッチングマスクをなすレジスト層を剥離液MS−230(富士フイルムエレクトロマテリアルズ社製)を用いて剥離し、除去した。
−Redパターンの形成−
上記より、Blueパターン及びGreenパターンが形成されたシリコンウェハー基板を用い、既述のようにして調製した赤色の着色剤含有光硬化性組成物Rを、シリコンウェハー基板のBlueパターン及びGreenパターンが形成されている側に更に塗布した後、ホットプレートを使用して100℃で2分間加熱処理し、塗布膜を乾燥させた後(乾燥層厚0.5μm)、i線ステッパー(キャノン(株)製)を用いて800mJ/cm2の露光量で全面露光し、R層(着色層)を光硬化させた。
続いて、光硬化したR層をO2ガスにてドライエッチングを行ない、Blueパターン及びGreenパターン上に存在するR層を除去し、更にCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術を利用して平坦化すると共に、3色目のレッド(Red)パターンを形成した。
以上のようにして、RGB3色の本発明のカラーフィルタを作製した。また、カラーフィルタは、3色目が形成されるまでの工程で剥がれの発生はなく、密着性に優れていた。
(実施例3)
実施例2において、緑色の着色剤含有光硬化性組成物Gの調製に用いた顔料分散液(1)中のPY−139(着色剤)をPY−150に代え、シリコンウェハー基板のCT−2010Lを用いてなる下塗り層をSiN膜で構成すると共に、G層のドライエッチング処理を、エッチングガスをCO2/O2=1/1の混合ガスに代えて行なったこと以外、実施例2と同様にして、RGB3色のカラーフィルタを作製した。
(実施例4)
実施例2において、青色の着色剤含有光硬化性組成物B、緑色の着色剤含有光硬化性組成物G、及び赤色の着色剤含有光硬化性組成物Rを、それぞれ下記青色の染料含有光硬化性組成物B2、緑色の染料含有光硬化性組成物G2、及び赤色の染料含有光硬化性組成物R2に代えたこと以外、実施例2と同様にして、RGB3色のカラーフィルタを作製した。
*緑色(G)の染料含有光硬化性組成物G2の組成
・Acid Green 25・・・115部
・Acid Yellow 17・・・40部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・・・25部
・光重合開始剤・・・20部
(CGI−124、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
*青色(B)の染料含有光硬化性組成物の組成
・Acid Blue 23・・・125部
・Acid violet 7・・・25部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・・・20部
・光重合開始剤・・・20部
(CGI−124、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
*赤色(R)の染料含有光硬化性組成物の組成
・Acid Red 8・・・80部
・Acid Yellow 34・・・20部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・・・15部
・光重合開始剤・・・10部
(CGI−242、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
(比較例1)
<着色剤含有光硬化性組成物の調製>
−顔料分散液の調製−
実施例1における「−顔料分散液の調製−」と同様にして、下記表2に示す組成よりなる顔料分散液を調製した。
Figure 2007025358
−着色剤含有光硬化性組成物の調製−
前記表2中の各色の顔料分散液について、下記組成を加えて各々攪拌機にて均一に混合し、実施例1と同一の顔料濃度となるように、フォトリソ機能を付与した高い顔料濃度の着色剤含有光硬化性組成物(青色の着色剤含有光硬化性組成物B3、緑色の着色剤含有光硬化性組成物G3、及び赤色の着色剤含有光硬化性組成物R3)を調製した。
*緑色の着色剤含有光硬化性組成物G3
緑色の顔料分散液(4)に下記組成を添加した。
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(モノマー)・・・10部
・プロピレングリコールモノメチルエチルアセテート(溶剤)・・・120部
・エチル−3−エトキシプロピオネート(溶剤)・・・50部
・ハロメチルトリアジン系開始剤・・・2部
*青色の着色剤含有光硬化性組成物B3
青色の顔料分散液(5)に下記組成を添加した。
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(モノマー)・・・7部
・プロピレングリコールモノメチルエチルアセテート(溶剤)・・・100部
・エチル−3−エトキシプロピオネート(溶剤)・・・40部
・ハロメチルトリアジン系開始剤・・・2部
*赤色の着色剤含有光硬化性組成物R3
赤色の顔料分散液(6)に下記組成を添加した。
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(モノマー)・・・5部
・プロピレングリコールモノメチルエチルアセテート(溶剤)・・・70部
・エチル−3−エトキシプロピオネート(溶剤)・・・30部
・ハロメチルトリアジン系開始剤・・・1部
富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製の「CT−2000L」を塗布し硬化させた下塗り層を有するシリコンウェハー基板を3枚用意し、上記より得た着色剤含有光硬化性組成物の各々を、別個のシリコンウェハー基板の各下塗り層上にスピンコータにより膜厚0.5μmの塗布膜が形成されるように塗布した後、ホットプレートにて100℃で2分間の加熱処理を行ない、塗布膜を乾燥させた。
次いで、i線ステッパー(キャノン(株)製)を用いて、200mJ/cm2の露光量で1.5μm×1.5μmサイズの格子状にマスクを通してパターン露光を行なった後、アルカリ現像液CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製)にて現像処理を行なった。
このとき、全色とも溶解してしまい、パターン形成ができなかった。すなわち、高顔料濃度の領域では、光硬化系に構成されドライエッチングによるパターン形成が最適であることが明らかであり、薄膜化に好適であった。
(評価)
各実施例及び比較例について、下記評価を行なった。評価結果は下記表3に示す。なお、比較例については、評価可能であった項目について結果を示した。
−1.矩形性−
得られたカラーフィルタの断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真を観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〔評価基準〕
○:断面が良好な矩形形状であった。
×:断面がテーパ−状等を有し、良好な矩形形状が得られなかった。
−2.現像性−
エッチング用マスクの剥離除去時における着色層の溶解の有無及び画像欠陥の発生の有無を目視により下記の評価基準により評価した。
〔評価基準〕
○:着色層の溶解及び画像欠陥は認められなかった。
×:着色層の溶解及び画像欠陥が認められた。
−3.表面性(表面状態)−
エッチング用マスクの剥離除去後のカラーフィルタの表面状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真にて観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〔評価基準〕
○:カラーフィルタの表面、側面に凹凸はほとんど認められなかった。
△:カラーフィルタの表面、側面に明らかな凹凸が認められた。
×:カラーフィルタの表面、側面には、凹凸のみならず穴や欠損部も認められた。
−4.密着性−
得られたカラーフィルタについて、各色の色パターンのシリコンウェハー基板(具体的には下塗り層)との密着性について、CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術による研磨耐性を下記の評価基準にしたがって評価した。
〔評価基準〕
○:剥れは認められなかった。
△:20%未満の範囲で剥れがみられた。
×:20%以上の範囲で剥れがみられた。
Figure 2007025358
前記表3に示すように、実施例では、分光特性に優れると共に、表面性状が良好でパターンの矩形性に優れており、各色の色パターンの基板への密着性の高いカラーフィルタを作製することができた。また、実施例3に示すように、着色剤として顔料を用いる場合に限らず、染料を用いた場合もエッチングが可能であり、RGB三色のカラーフィルタを作製できた。
なお、上記の比較例では、全色とも着色層が溶解してパターン形成ができず、着色剤が高濃度の領域では、実施例のように光硬化系に構成してドライエッチングによるパターン形成を行なうのが最適であり、薄膜化にも有効であった。

Claims (2)

  1. (1)着色剤と光硬化性化合物とを含むと共に、全固形分中の前記着色剤の濃度が50質量%以上100質量%未満である着色剤含有光硬化性組成物を基体上に設けて着色層を形成する工程と、
    (2)基体上に形成された着色層を露光して硬化する工程と、
    (3)硬化された前記着色層上に感光性樹脂組成物を設けて感光性樹脂層を形成する工程と、
    (4)少なくとも前記感光性樹脂層を画像様に露光し、現像して前記感光性樹脂層からなるパターンを形成する工程と、
    (5)前記着色層に前記パターンをマスクとしてドライエッチング処理を施し、着色パターンを形成する工程と、
    を含むカラーフィルタの製造方法。
  2. 請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
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