JP2007023246A - 新規シリコン含有化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】この発明は、新規シリコン含有化合物に関する。さらに詳しくは、同一分子内にアミノ基またはアミド基およびアリール基を有するシリコン含有化合物およびその製造方法に関する。
【効果】 本発明のシリコン含有化合物は、分子構造中に一級または二級のアミノ基を有することにより、酸クロライドとの縮合、アシル化、アルキル化など種々の反応によって構造修飾が可能となり、不飽和結合の導入による重合性モノマーとしての利用が可能である。さらに、本発明の化合物中のアミノ基と、他のイソシアネート化合物との反応によって得られる縮合体は、ガラス、樹脂、金属などの接着剤、シーラント、プライマー等の用途に好適な硬化性樹脂組成物として用いることができる。
【効果】 本発明のシリコン含有化合物は、分子構造中に一級または二級のアミノ基を有することにより、酸クロライドとの縮合、アシル化、アルキル化など種々の反応によって構造修飾が可能となり、不飽和結合の導入による重合性モノマーとしての利用が可能である。さらに、本発明の化合物中のアミノ基と、他のイソシアネート化合物との反応によって得られる縮合体は、ガラス、樹脂、金属などの接着剤、シーラント、プライマー等の用途に好適な硬化性樹脂組成物として用いることができる。
Description
本発明は、新規シリコン含有化合物に関する。さらに詳しくは、同一分子内にアミノ基またはアミド基を有しさらに好適には芳香族基、ヘテロ芳香族基を有するシリコン含有化合物およびその製造方法に関する。
シロキサン結合(Si−O)は結合間距離が長く、電子密度が低いこともあって、結合の回転が容易である。つまり、C−C鎖に比べ屈曲性に富み、柔軟であるといえる。典型的なジメチルポリシロキサン鎖の場合、ケイ素原子に2個のメチル基が結合して嵩高く、また比較的大きな振幅で振動することもあって、隣接分子が接近しにくい。つまり分子間の距離が大きく、分子間力の低さから、表面張力が小さく、また接触する面の性質によっては配向性を示す。これらの性質は消泡剤、離型剤、撥水剤、柔軟剤、各種のコーティング材料などとして広い応用をもっている。また分子の立体構造からガス、水蒸気の透過性が良く、医用、衣料材料などに利用されている(参考文献:シリコーンハンドブック、伊藤邦雄編、日刊工業新聞社、1990年)。
一方、アミノ基やアミド基の窒素原子は共有結合に関与しない不対電子の存在により極性を有し、極性の溶媒である水との親和性が高く、また、他の官能基たとえばシアノ基やカルボキシル基、水酸基などとの反応性が高い。そこで当該基を有する高分子は、接着剤や、金属・プラスチック・ガラスなどの表面親水化、親水性皮膜形成や防曇処理剤、繊維製品の吸湿性向上、毛髪用化粧料、マニキュアなどの皮膜形成物質として、あるいは、イオン選択電極に使用してバイオセンサーなどとして利用されている。
近年、前記両方の物性を併せ持つ物質として、アミノ基またはアミド基を有するシリコン含有化合物が開発され、特に医療材料としてコンタクトレンズ、眼内レンズなどの眼用レンズ材料に用いられている(米国特許4,711,943号、特開平3−15019号、特開平11−326848号、特表2003−522227号など)。これらは、たとえばコンタクトレンズとして使用したときに必要な角膜への酸素供給を促進し、適度な水濡れ性、光学材料としての透明性および、生体適合性、耐脂質汚れ性などを目的として、シリコン含有化合物の有する酸素透過性、透明性、生体適合性と、アミド基の有する親水性、耐脂質汚れ性を発現するために、両者を一つの化合物中に有する単量体として使用したものである。
ところで、前記両方の物性を併せ持つ化合物の使用に際しては、一つの化合物中に両方の基を有する単量体を用いなくても、それぞれの基を有する単量体を適当な比率で配合して用いればよいとの考え方もある。しかし、シリコン含有単量体は上述したように撥水性が高く、極性を有するアミド基またはアミノ基含有単量体との相容性に問題があり、自ずと配合割合が制限される。また、両者を相容させるためには、他の単量体乃至有機溶媒を使用しなければ均一な混合系が得られないために、本来所望した特性が低下したり、透明な材料が得難くなってしまうという問題があった。
そこで、前記各公報に開示されるようなシリコン含有化合物の提案がなされているのである。これらの公報に提示された化合物においては、各官能基の特性をより明確に発現させるためには、ある程度両官能基の間に距離を持たせた方が、互いの官能基の電気的、構造的影響を受け難いという意味から望ましい。
しかし、前記各公報には、炭素数1〜10のアルキレンを介して、アミド基(中の窒素)とシロキサン基(中のケイ素)とが結合した化合物が提示されてはいるが、その詳細な説明中で具体的に開示されている構造は、いずれも窒素とケイ素との間の炭素数が3(プロピレン)に限定された化合物の例示しかなく、実際にそれ以外の炭素数を有する化合物が具体的に開示されている文献は見あたらない。その理由は明確ではないが、商業的規模でその他の炭素数を介した化合物が合成できない事が、一番の理由と考えられる。
さらにまた、前記以外の他の官能基、特に芳香族基、ヘテロ芳香族基を分子構造中に含有させることができれば、より応用範囲の広い化合物が得られる可能性が高くなることが期待される。
本発明の目的は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、同一分子内にアミノ基またはアミド基を有するシリコン含有化合物であって、窒素とケイ素とを連結する炭素鎖長が長く、さらには第三の官能基として芳香族基、ヘテロ芳香族基を側鎖に有する新規な化合物およびその製造方法を提供することである。
そして、本発明にあっては上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、チオアミドジアニオンに3−クロロプロピルトリシロキシシランなどを反応させることにより、目的とするアミノ基を有するシリコン含有化合物の合成が可能であることを見いだした。また、当該アミノ基を例えばカルボキシル基含有化合物と反応させることにより、アミド結合を介して種々の置換基を結合させうることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1):
本発明のシリコン含有化合物は、分子構造中に一級または二級のアミノ基を有することにより、酸クロライドとの縮合、アシル化、アルキル化など種々の反応によって構造修飾が可能となり、不飽和結合の導入による重合性モノマーとしての利用が可能である。例えば前記重合性モノマーを医療用具(例えば、コンタクトレンズや眼内レンズなどの眼科用レンズ)の素材として利用した場合に、分子構造中のシロキサンによる優れた酸素透過性と、アミノ基由来の結合基による親水性、生体適合性を向上させることが期待できる。また、当該化合物の構造中に含有される第三の官能基である、芳香族基、ヘテロ芳香族基の存在により、当該基への様々な置換基導入によって、より広範囲の分子設計を可能とした。さらに、本発明の化合物中のアミノ基と、他のイソシアネート化合物との反応によって得られる縮合体は、ガラス、樹脂、金属などの接着剤、シーラント、プライマー等の用途に好適な硬化性樹脂組成物として用いることができる。
以下、本発明の化合物およびその製造方法についてさらに詳細に説明する。
本発明の化合物は、一般式(1):
本発明の化合物は、一般式(1):
(メタ)アクリロイル基、アリル基、プロパルギル基、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル基、(メタ)アクリル酸アルキル基などから選択される重合性基、
Arはアリール基、アルコキシカルボニル基、シリル基、ビニル基、から選択される基、
nは3〜10の整数であり、
X1、X2、X3はそれぞれ独立にメチル基、トリメチルシロキシ基、Si原子が18個以下のオルガノシロキシ基を示す)で表されるシリコン含有化合物である。
前記、炭素数1〜18の置換されていてもよい非環式炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシルなどの直鎖アルキル基、イソプロピル、イソブチル、t−ブチルなどの分岐アルキル基、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバリル、ラウロイル、ミリストイルなどのアシル基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシ置換アルキル基、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ヘキサフルオロイソプロピルなどのハロゲン置換アルキル基などの他、メチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシなどのアルコキシ基、ベンジルメチル、トルイルメチル、キシリルメチルなどのアリールメチル基、ピリジルメチル、フリルメチル、チオフリルメチル等のヘテロ環式炭化水素基があげられる。なお、前記「非環式」とは、直接に芳香環、ヘテロ芳香環、シクロ炭化水素環構造などが結合するものではないことを意味し、アルキレン基を介して芳香環、ヘテロ芳香環、シクロ炭化水素環構造が結合するものは含むことを意味する。これらのうち合成が容易である点で、分岐アルキル基、アリールメチル基が好ましい。
前記式(1)のX1、X2、X3は、それぞれ独立にメチル、トリメチルシロキシ、ペンタメチルジシロキシ、メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ、トリス(ペンタメチルシロキシ)シロキシ、などのSi原子が18個以下のオルガノシロキシ基が挙げられる。これらのうち、入手が容易な点で、トリメチルシロキシ基が好ましい。
前記式(1)のArはアリール基、例えばフェニル、トルイル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニルなどの1〜3員環の芳香族炭化水素が好ましく、他に、親水性を増進するためにアルコキシカルボニル基、酸素透過性を向上させるためにシリル基、重合性を向上するためにビニル基などの置換基を有することもできる。
ここで、本発明の化合物の特徴の一つである、芳香族環構造をA、X、Arのうちいずれか一つの置換基に含めることが望ましい。芳香環構造には、種々の置換基を導入することが容易であり、本発明の化合物を用いた材料を形成後に後処理として様々な置換基を導入すれば、より機能性にすぐれた材料を設計することもできるからである。
本発明の化合物は一例として、以下の各反応により出発物質(チオアミド)を経て合成することができる。
前記反応式(a)は、本発明の原料として有用な化合物であり、Rは炭素数1〜18の置換されていてもよい分岐アルキル基または環状アルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基から選択される基である。このような分岐アルキル基としては、イソプロピル、イソブチル、t−ブチルなどが、また環状アルキル基としてはシクロプロピル、シクロヘキシルなどが、アリール基としてはベンジル、トルイル、キシリルなどが、ヘテロ芳香族基としてピリジル、フリル、チオフリルなどが挙げられる。これらは、次の反応であるチオアミドジアニオンを発生する上で高収率であることによる。
なお、反応式(a)中のArは前記と同様である。
この反応は、有機溶媒としてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、Nメチルピロリドン、トルエンなどを用いることができる。これらのうち、反応後水洗する過程で生成物を分離することが容易である観点から、ジメチルホルムアミドが好ましい。
また、この反応は、60〜110℃、好ましくは80〜90℃で行われる。前記温度よりも低い場合には、反応速度が低下し高収率で目的物が得られなくなり、また高い場合には、副反応が起こり易く、精製に手間を要することとなる。
上記反応はアルデヒド基含有化合物:硫黄:アミノ基含有化合物=1:1:1〜1:1.2:1.2のモル比の範囲で行うことができる。この比率のうち最も好ましいのは、1:1.1:1.1であり、アルデヒド基含有化合物を完全に消費させ、後の生成物の精製などを効率よく進めるためである。なお、この反応はWillgercdt−Kindler反応と呼ばれ、文献(Brown,E.V.Synthesis 1975,358)に詳説されている。
上記のようにして出発物質(チオアミド)を得、さらに以下の反応により、本発明のシリコン含有化合物を得ることができる。
前記反応のうち上段の反応はジアニオンを生成させるのであるが、具体的には、文献(Murai,T.et al.,J.Org.Chem.2003,68,8514)に開示されている反応である。この反応の開始における留意すべき事項は、脱水条件下、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う必要があることである。そうでなければ、チオアミドジアニオンが安定に存在しえず、水または酸素の存在により容易に分解するおそれがあるからである。なお、他の有機リチウム反応剤を用いることももちろん可能であるが、nBuLiが最も安価であり、またブタンガスとして反応系から分離が容易であることから最も好ましい。
前記例示の反応溶媒はテトラヒドロフラン(THF)を用いている。他の溶媒としてはトルエン、ジエチルエーテルなども用いることが可能であるが、前者はわずかに副反応が進行するおそれがあり、後者は反応中間体が溶解せずに沈殿し反応収率が低下する場合があり、最も好ましいのはTHFである。また反応温度は−78℃〜室温の範囲で実施することが可能であるが、副反応を抑えかつ効率を考慮して0℃前後が適当である。
反応させる各化合物の混合比率は、用いる化合物により一概には決せられないが、一般的にはチオアミドに対して約2当量のnBuLiを加え、ついで約1.1当量のシリコン含有ハロゲン化物を添加する。nBuLiの当量が少ないと、ジアニオンの発生効率が低下し、シリコン含有ハロゲン化物が多いと副反応生成物が多くなり、精製に手間がかかるようになる。
次いで下段の反応により、チオアミド結合を還元し二級アミンの結合とする。この反応に用いる溶媒はアルコール系の溶媒であれば使用することができ、室温前後の温度下で反応は進行する。なお、この温度が高いと反対側の窒素−炭素結合の開裂する反応が進行する可能性があるため、注意を要する。また、一級アミンとするためには後述する反応によりPd触媒を用いて水素化する反応を用いることができる。
こうして得られた化合物は、上記の3種類(アミノ基、アリール基、シロキサン基)の官能基を有する点に特徴がある。この中で、シロキサン部分は上述の通り、透明性、酸素透過性に優れる反面撥水性が高く、一方、アミノ基またはアミノ基と反応させる他の基によって親水性を付与し、さらに第三の基であるアリール基へ適宜親水性基やアルキル基を付加することにより、多機能を有する化合物へと構造修飾が可能となる。このような特徴を生かして、本化合物を例えば、消泡剤、洗浄剤、分散剤、離型剤、接着剤、防曇剤、塗料用添加剤、樹脂の改質剤のほか医療用具などにも使用できる。
また、本発明の化合物は、芳香族炭化水素を側鎖に有するので屈折率が高く、また紫外線吸収効果を有するので、ガラス、樹脂、金属などの表面被覆剤や、繊維処理剤、シリコーン変性ゴム材料などに使用することができる。
さらに本発明の化合物は、反応式(a)でハロゲン置換アリール基を有するアミンを用いることにより、化合物の構造修飾を行うことができ、モノマーとして重合反応に用いた場合の得られる樹脂の硬さを種々調整することができる。また本発明のシリコン含有化合物を合成した後、アルキルアミノ基を前記アリール基に導入すれば、疎水性のアリール基の親水性を向上させることもできる。さらにまた酸素吸入官能基として、パーフルオロアルキル基の導入で、同一分子内に酸素親和性、酸素吸入性さらに親水性、疎水性官能基を共存させることも可能である。
以下本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る幾つかの実施例を例示する。
以下に示す反応式により本発明のシリコン含有化合物4(N−フェニルメチルN−1−(3−(トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル)フェニルメチルアミン)およびシリコン含有化合物5(N−フェニルメチルN−1−(3−(トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル)フェニルメチルプロペンアミド)を得ることができる。
ベンジルアミン(12.0mL,0.11mol)のジメチルホルムアミド(DMF)(50mL)溶液にベンズアルデヒド(10.1mL,0.1mol)を室温で加えた。ついで硫黄(3.52g,0.11mol)を加え80〜90℃で6時間撹拌しながら加熱した。反応混合液をエチルエーテル(50ML)に注ぎ、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、塩酸(35%,10mL)で洗浄を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過、減圧濃縮を行った。残渣をヘキサン/塩化メチレン(1:1,30mL)で再結晶し、化合物2を黄色固体として21.3g(収率:94%)を得た。
−シロキサニル基の導入による化合物3の合成−
化合物2(1.82g,8.0mmol)をTHF(16mL)に溶かした。この溶液へn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(13mL,16mmol)を0℃で徐々に加えた。30分撹拌を行ったのち、1−クロロ−3−トリストリメチルシロシキシリルプロパン(3.56mL,8.8mmol)を同じ温度で加え、さらに30分撹拌を続けた。反応混合液に水(およそ10mL)を加え、有機層をジエチルエーテル(約20mL)で抽出した。集めた有機層を水(約10mL)で二回洗浄し、さらに水層をジエチルエーテル(約10mL)で再抽出した。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=1:8)を行い、化合物3を黄色固体として3.8g(収率:84%)得た。
化合物2(1.82g,8.0mmol)をTHF(16mL)に溶かした。この溶液へn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(13mL,16mmol)を0℃で徐々に加えた。30分撹拌を行ったのち、1−クロロ−3−トリストリメチルシロシキシリルプロパン(3.56mL,8.8mmol)を同じ温度で加え、さらに30分撹拌を続けた。反応混合液に水(およそ10mL)を加え、有機層をジエチルエーテル(約20mL)で抽出した。集めた有機層を水(約10mL)で二回洗浄し、さらに水層をジエチルエーテル(約10mL)で再抽出した。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=1:8)を行い、化合物3を黄色固体として3.8g(収率:84%)得た。
化合物3の1H−核磁気共鳴スペクトルおよび13C−核磁気共鳴スペクトルは、日本電子製JNMα−400型式を用い、重水素化クロロホルム中、25℃、1H−核磁気共鳴スペクトルは積算回数8回、13C−核磁気共鳴スペクトルは積算回数128回で測定した。
その結果は次に示すとおりである。
1H NMR(CDCl3)δ−0.015(s,27H,CH3),0.48(m,2H,CH2),1.38(m,2H,CH2),1.96(m,1H,CH2),2.10(m,1H,CH2),5.69(q,1H,J=8Hz,CH),7.2−7.4(m,8H,C6H5),7.64(m,2H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.2,20.2,38.9,59.7,126.7,127.0,127.8,128.5,128.9,131.0,140.6,142.4,198.3.
その結果は次に示すとおりである。
1H NMR(CDCl3)δ−0.015(s,27H,CH3),0.48(m,2H,CH2),1.38(m,2H,CH2),1.96(m,1H,CH2),2.10(m,1H,CH2),5.69(q,1H,J=8Hz,CH),7.2−7.4(m,8H,C6H5),7.64(m,2H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.2,20.2,38.9,59.7,126.7,127.0,127.8,128.5,128.9,131.0,140.6,142.4,198.3.
−化合物3の還元反応によるシリコン含有化合物4の合成−
化合物3(4.51g,8.0mmol)をTHF(16mL)に溶かした。そこへ水素化アルミニウムリチウム(1.22g,32.35mmol)を0℃でゆっくり加えた。泡がほとんどでなくなるまで待ち、ついでTHFを2時間還流させた。反応混合液を再び0℃にし、水(1.22mL),15%水酸化ナトリウム水溶液(1.22mL)、さらに水(3.66mL)をゆっくり加えた。反応混合液をろ過することで対応する化合物4を黄色オイルとして3.61g(収率:85%)を得た。
化合物3(4.51g,8.0mmol)をTHF(16mL)に溶かした。そこへ水素化アルミニウムリチウム(1.22g,32.35mmol)を0℃でゆっくり加えた。泡がほとんどでなくなるまで待ち、ついでTHFを2時間還流させた。反応混合液を再び0℃にし、水(1.22mL),15%水酸化ナトリウム水溶液(1.22mL)、さらに水(3.66mL)をゆっくり加えた。反応混合液をろ過することで対応する化合物4を黄色オイルとして3.61g(収率:85%)を得た。
化合物4の1H−核磁気共鳴スペクトルおよび13C−核磁気共鳴スペクトルは次に示す通りである。
1H NMR(CDCl3)δ0.0(s,27H,CH3),0.35(m,2H,CH2),1.1−1.3(m,2H,CH2),1.6−1.8(m,2H,CH2),3.49(d,1H,J=13.2Hz,CH2),3.56(t,1H,J=6.8Hz,CH),3.61(d,1H,J=13.2Hz,CH2),7.15−7.3(m,10H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.4,20.3,41.9,51.6,62.5,126.8,126.9,127.4,128.2,128.33,128.35,140.9,144.4.
1H NMR(CDCl3)δ0.0(s,27H,CH3),0.35(m,2H,CH2),1.1−1.3(m,2H,CH2),1.6−1.8(m,2H,CH2),3.49(d,1H,J=13.2Hz,CH2),3.56(t,1H,J=6.8Hz,CH),3.61(d,1H,J=13.2Hz,CH2),7.15−7.3(m,10H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.4,20.3,41.9,51.6,62.5,126.8,126.9,127.4,128.2,128.33,128.35,140.9,144.4.
−化合物4のアクリロイル化によるシリコン含有化合物5の合成−
化合物4(3.34g,7.0mmol)を塩化メチレン(20mL)に溶かし、0℃で4−ジメチルアミノピリジン(0.065g,0.53mmol)、トリエチルアミン(1.47mL,7.0mmol)を加え、さらに塩化アクリロイル(0.74mL,7.0mmol)をゆっくり加えた。0℃で10分間撹拌を行った後、室温で15時間撹拌した。反応混合液に希塩酸(1N,約3mL)を加えた。反応混合液を水層と有機層に分け、水層から塩化メチレン(約10mL)で抽出を行った。あわせた有機層を希塩酸(約5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(約10mL)で2回洗浄を行った。さらに水層からの抽出の操作を2回繰り返した。あわせた有機層を硫酸マグネシムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=5:1)を行い、化合物5を黄白色オイルとして3.7g(収率:89%)を得た。
化合物4(3.34g,7.0mmol)を塩化メチレン(20mL)に溶かし、0℃で4−ジメチルアミノピリジン(0.065g,0.53mmol)、トリエチルアミン(1.47mL,7.0mmol)を加え、さらに塩化アクリロイル(0.74mL,7.0mmol)をゆっくり加えた。0℃で10分間撹拌を行った後、室温で15時間撹拌した。反応混合液に希塩酸(1N,約3mL)を加えた。反応混合液を水層と有機層に分け、水層から塩化メチレン(約10mL)で抽出を行った。あわせた有機層を希塩酸(約5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(約10mL)で2回洗浄を行った。さらに水層からの抽出の操作を2回繰り返した。あわせた有機層を硫酸マグネシムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=5:1)を行い、化合物5を黄白色オイルとして3.7g(収率:89%)を得た。
化合物5の1H−核磁気共鳴スペクトルおよび13C−核磁気共鳴スペクトルは次に示す通りである。
1H NMR(CDCl3)δ0(s,27H,CH3),0.38(m,2H,CH2),1,25(m,2H,CH2),1.80(m,1H,CH2),1.90(m,1H,CH2),4.45(m,2H,CH2),5.55(m,1H,=CH2),5.96(m,1H,=CH2),6.38(m,2H,=CH.CH),6.94(m,2H,C6H5),7.16−7.4(m,8H,C6H5)
13C NMR(CDCl3)δ1.7,14.2,20.6,34.1,47.1,56.7,126.1,126.7,127.6,127.7,128.2,128.4,128.7,138.3,139.6,167.1
なお核磁気共鳴スペクトルでは、配座異性体に基づくシグナルも観測された。異性体間の比=74:26
1H NMR(CDCl3)δ0(s,27H,CH3),0.38(m,2H,CH2),1,25(m,2H,CH2),1.80(m,1H,CH2),1.90(m,1H,CH2),4.45(m,2H,CH2),5.55(m,1H,=CH2),5.96(m,1H,=CH2),6.38(m,2H,=CH.CH),6.94(m,2H,C6H5),7.16−7.4(m,8H,C6H5)
13C NMR(CDCl3)δ1.7,14.2,20.6,34.1,47.1,56.7,126.1,126.7,127.6,127.7,128.2,128.4,128.7,138.3,139.6,167.1
なお核磁気共鳴スペクトルでは、配座異性体に基づくシグナルも観測された。異性体間の比=74:26
化合物4の水素化による化合物6((1−フェニル)−4−(トリス(トリメチルシロキシ)シリルブチルアミン)の合成(式5)
化合物6の1H−核磁気共鳴スペクトルおよび13C−核磁気共鳴スペクトルは次に示す通りである。
1H NMR(CDCl3)δ0(s,27H,CH3),0.38(m,2H,CH2),1.17(m,1H,CH2),1.25(m,1H,CH2),1.63(m,2H,CH2),2.10(brs,2H,NH2),3.83(t,J=7.2Hz,1H),7.1−7.3(m,5H,C6H5)
13C NMR(CDCl3)δ1.7,14.3,20.4,42.9,56,1,126.4,127.0,128.5,146.1
1H NMR(CDCl3)δ0(s,27H,CH3),0.38(m,2H,CH2),1.17(m,1H,CH2),1.25(m,1H,CH2),1.63(m,2H,CH2),2.10(brs,2H,NH2),3.83(t,J=7.2Hz,1H),7.1−7.3(m,5H,C6H5)
13C NMR(CDCl3)δ1.7,14.3,20.4,42.9,56,1,126.4,127.0,128.5,146.1
N−1−フェニルメチル1−メチルプロパンチオアミド2bの合成(式6)
1H NMR(CDCl3)δ1.06(d,J=6.90Hz,6H,CH3),2.69(m,J=6.90,1H,CH),4.60(d,J=4.9Hz,2H,CH2),7.2−7.4(m,5H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ22.6,44.4,49.9,128.1,128.2,129.0,136.2,211.6.
N−1−フェニル−4−(トリス(トリメチルシロキシ)シリルブチル1−メチルプロバンチオアミド3bの合成(式7)
チオアミド2b(0,97g,5.0mmol)をTHF(5mL)に溶かした。ここにn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(7.5mL,12mmol)を0℃で徐々に加えた。30分撹拌を行ったのち、1−クロロ−3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロパン(2.2 mL,5.5mmol)を同じ温度で加え、さらに30分撹拌を続けた。反応混合液に水(およそ10mL)を加え、有機層をエーテル(およそ20mL)で抽出した。集めた有機層を水(およそ10mL)で二回洗浄し、さらに水層をエーテル(およそ10mL)で再抽出した。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=1:20)を行い、化合物3bを白色固体として0.351g(収率:13%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ0.05(s,27H,CH3),0.55(m,2H,CH2),1.20(d,J=7.0Hz,6H,CH3),1.75(m,2H,CH2),2.55(t,J=7.0Hz,2H,CH2),2.68(m,1H,CH),6.10(m,1H,CH),7.2−7.4(m,5H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.4,17.9,18.2,40.8,43.4,62.5,126.8,127.6,128.8,140.7,210.3.
チオアミド2b(0,97g,5.0mmol)をTHF(5mL)に溶かした。ここにn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(7.5mL,12mmol)を0℃で徐々に加えた。30分撹拌を行ったのち、1−クロロ−3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロパン(2.2 mL,5.5mmol)を同じ温度で加え、さらに30分撹拌を続けた。反応混合液に水(およそ10mL)を加え、有機層をエーテル(およそ20mL)で抽出した。集めた有機層を水(およそ10mL)で二回洗浄し、さらに水層をエーテル(およそ10mL)で再抽出した。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=1:20)を行い、化合物3bを白色固体として0.351g(収率:13%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ0.05(s,27H,CH3),0.55(m,2H,CH2),1.20(d,J=7.0Hz,6H,CH3),1.75(m,2H,CH2),2.55(t,J=7.0Hz,2H,CH2),2.68(m,1H,CH),6.10(m,1H,CH),7.2−7.4(m,5H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.4,17.9,18.2,40.8,43.4,62.5,126.8,127.6,128.8,140.7,210.3.
N−1−フェニル−4−(トリス(トリメチルシロキシ)シリル)ブチルN−1−メチルプロピルアミン4bの合成(式8)
化合物3b(0.35g,0.66mmol)をTHF(1.4mL)に溶かした。そこへ水素化アルミニウムリチウム(0.1g,2.64mmol)を0℃でゆっくり加えた。泡がほとんどでなくなるまで待ち、ついでTHFを2時間還流させた。反応混合液を再び0℃にし、水(0.102mL),15%水酸化ナトリウム水溶液(0.102ml)、さらに水(0.306mL)をゆっくり加えた。反応混合液をろ過することで対応するアミン4bを黄色オイルとして0.286g(収率:87%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ0.21(s,27H,CH3),0.58(m,2H,CH2),1.02(d,J=7.0Hz,6H,CH3),1.3−1.5(m,2H,CH2),1.7−1.9(m,3H,CH,CH2),2.3−2.5(m,2H,CH2),3.70(t,1H,J=6.8Hz,CH),7.28−7.5(m,5H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.4,20.3,20.7,20.8.28.5,42.0,55.8,63.4,126.7,127.2,128.2,144.9.
化合物3b(0.35g,0.66mmol)をTHF(1.4mL)に溶かした。そこへ水素化アルミニウムリチウム(0.1g,2.64mmol)を0℃でゆっくり加えた。泡がほとんどでなくなるまで待ち、ついでTHFを2時間還流させた。反応混合液を再び0℃にし、水(0.102mL),15%水酸化ナトリウム水溶液(0.102ml)、さらに水(0.306mL)をゆっくり加えた。反応混合液をろ過することで対応するアミン4bを黄色オイルとして0.286g(収率:87%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ0.21(s,27H,CH3),0.58(m,2H,CH2),1.02(d,J=7.0Hz,6H,CH3),1.3−1.5(m,2H,CH2),1.7−1.9(m,3H,CH,CH2),2.3−2.5(m,2H,CH2),3.70(t,1H,J=6.8Hz,CH),7.28−7.5(m,5H,C6H5).
13C NMR(CDCl3)δ1.8,14.4,20.3,20.7,20.8.28.5,42.0,55.8,63.4,126.7,127.2,128.2,144.9.
アミン4bのアクリロイル化によるアミド5bの合成(式9)
アミン4b(1.135 g,2.27mmol)を塩化メチレン(9mL)に溶かし、0℃で4−ジメチルアミノピリジン(0.021g,0.00017mmol)、トリエチルアミン(0.475mL,3.4mmol)を加え、さらに塩化アクリロイル(0.24mL,2.95mmol)をゆっくり加えた。0℃で10分間撹拌を行った後、室温で12時間撹拌した。反応混合液に希塩酸(1N,およそ2mL)を加えた。反応混合液を水層と有機層に分け、水層から塩化メチレン(およそ10mL)で抽出を行った。あわせた有機層を希塩酸(およそ5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(およそ10mL)で2回洗浄を行った。さらに水層からの抽出の操作を2回繰り返した。あわせた有機層を硫酸マグネシムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=1:30)を行い、化合物5bを黄白色オイルとして0.736g(収率:59%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ0.05(s,27H,CH3),0.45(t,J=6.8Hz,2H,CH2),0.60(d,J=6.8Hz,3H,CH3),0.75(brs,3H,CH3),1.35−1.45(m,2H,CH2),1.5(m,1H,CH),1.90−2.10(m,2H,CH2),2.9−3.0(m,2H,CH2),5.62(m,1H,=CH2),5.7(m,1H,CH),6.3(m,1H,=CH2),6.5(m,1H,=CH),7.1−7.3(m,5H,C6H5).
なお核磁気共鳴スペクトルでは、配座異性体に基づくシグナルも観測された。異性体間の比=61:39.
アミン4b(1.135 g,2.27mmol)を塩化メチレン(9mL)に溶かし、0℃で4−ジメチルアミノピリジン(0.021g,0.00017mmol)、トリエチルアミン(0.475mL,3.4mmol)を加え、さらに塩化アクリロイル(0.24mL,2.95mmol)をゆっくり加えた。0℃で10分間撹拌を行った後、室温で12時間撹拌した。反応混合液に希塩酸(1N,およそ2mL)を加えた。反応混合液を水層と有機層に分け、水層から塩化メチレン(およそ10mL)で抽出を行った。あわせた有機層を希塩酸(およそ5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(およそ10mL)で2回洗浄を行った。さらに水層からの抽出の操作を2回繰り返した。あわせた有機層を硫酸マグネシムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン=1:30)を行い、化合物5bを黄白色オイルとして0.736g(収率:59%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ0.05(s,27H,CH3),0.45(t,J=6.8Hz,2H,CH2),0.60(d,J=6.8Hz,3H,CH3),0.75(brs,3H,CH3),1.35−1.45(m,2H,CH2),1.5(m,1H,CH),1.90−2.10(m,2H,CH2),2.9−3.0(m,2H,CH2),5.62(m,1H,=CH2),5.7(m,1H,CH),6.3(m,1H,=CH2),6.5(m,1H,=CH),7.1−7.3(m,5H,C6H5).
なお核磁気共鳴スペクトルでは、配座異性体に基づくシグナルも観測された。異性体間の比=61:39.
N−1−フェニルメチル,N−3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル1−フェニル−4−(トリス(トリメチルシロキシ))シリルブチルアミン7およびN−1−フェニルメチル,N−1−ヒドロキシメチル−2−メタクリロキシエチル1−フェニル−4−(トリス(トリメチルシロキシ))シリルブチルアミン7’の合成(式10)
アミン4(1.068g,2mmol)をアセトニトリル(6mL)に加え、ついでメタクリル酸グリシジル(0.546mL,4mmol)、カルシウムトリフラート(Ca(OTf)2,0.338g,1mmol)を加え、60〜65℃で7時間撹拌を行った。反応混合液を濃縮し、塩化メチレン(およそ10mL)を加えて2回洗浄を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン:トリエチルアミン=17:82:1)を行い、化合物7と7’を黄白色オイルとしてあわせて0.592g(収率:43%)を得た。
アミン4(1.068g,2mmol)をアセトニトリル(6mL)に加え、ついでメタクリル酸グリシジル(0.546mL,4mmol)、カルシウムトリフラート(Ca(OTf)2,0.338g,1mmol)を加え、60〜65℃で7時間撹拌を行った。反応混合液を濃縮し、塩化メチレン(およそ10mL)を加えて2回洗浄を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。反応混合液をろ過、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(酢酸エチル:ヘキサン:トリエチルアミン=17:82:1)を行い、化合物7と7’を黄白色オイルとしてあわせて0.592g(収率:43%)を得た。
−化合物7を用いたコンタクトレンズ用材料の重合−
化合物7の100(重量)部に対して重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を添加して溶解したのち、2枚のガラス板(75mm×25mm×2mm)の間にナイロンシートおよびφ15にくりぬいた厚さ0.2mmのシリコーン製スペーサーをサンドした冶具に該溶液を注入した。
次にかかる冶具を液もれしないようにクリップにて止め、プログラム昇温式オーブン中にて室温から60℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間保ち、次いで90℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間保持した。さらに110℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間加熱したのち室温まで徐々に冷却して厚さ0.2mmのフィルム状の重合体を得た。得られたフィルムは透明で硬質であった。
化合物7の100(重量)部に対して重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を添加して溶解したのち、2枚のガラス板(75mm×25mm×2mm)の間にナイロンシートおよびφ15にくりぬいた厚さ0.2mmのシリコーン製スペーサーをサンドした冶具に該溶液を注入した。
次にかかる冶具を液もれしないようにクリップにて止め、プログラム昇温式オーブン中にて室温から60℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間保ち、次いで90℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間保持した。さらに110℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間加熱したのち室温まで徐々に冷却して厚さ0.2mmのフィルム状の重合体を得た。得られたフィルムは透明で硬質であった。
−化合物7を用いた含水性コンタクトレンズ用材料の重合−
化合物7の30部とN,N−ジメチルアクリルアミド70部およびエチレングリコールジメタクリレート0.3部の混合物に重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加して溶解したのち、前記で使用した冶具に溶液を注入し前記と同一条件にて重合操作を行い厚さ0.2mmのフィルム状の重合体を得た。
得られたフィルムを精製水中に約2時間浸したところ透明で柔軟なフィルムであった。
化合物7の30部とN,N−ジメチルアクリルアミド70部およびエチレングリコールジメタクリレート0.3部の混合物に重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加して溶解したのち、前記で使用した冶具に溶液を注入し前記と同一条件にて重合操作を行い厚さ0.2mmのフィルム状の重合体を得た。
得られたフィルムを精製水中に約2時間浸したところ透明で柔軟なフィルムであった。
Claims (4)
- 前記一般式(1)で表される化合物であって、Aが(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル基であり、Xが水素またはアリールメチル基であり、n=3であることを特徴とする請求項1記載のシリコン含有化合物。
- 前記一般式(1)で表される化合物であって、AおよびXが水素であり、n=3であることを特徴とする請求項1記載のシリコン含有化合物。
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2005
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