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JP2007016206A - 顔料分散液の製造方法、およびカラーフィルター用ペースト - Google Patents

顔料分散液の製造方法、およびカラーフィルター用ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】顔料を効率的に微細化分散させ、顔料の再凝集を防止し、ひいては透過率、コントラスト、表面平滑性の高いカラーフィルターを供与できるカラーフィルター用ペーストを高い生産性で製造する。
【解決手段】メディアと分散処理槽を有するメディア攪拌型分散機を用いて顔料を溶媒中に分散させる複数の分散工程を有する顔料分散液の製造方法であって、第1の分散工程で用いるメディアの平均粒径をφ(1)(mm)、第2の分散工程で用いるメディアの平均粒径をφ(2)(mm)としたときに、φ(1)/φ(2)が4以上40以下であり、かつφ(2)が0.1mm以下であることを特徴とする顔料分散液の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、分散安定性、透明性、生産性に優れた顔料分散体の製造方法ならびに該製造方法によって製造された分散体を用いたカラーフィルター用ペーストおよびカラーフィルターに関するものである。
通常、液晶表示装置には、透明基板の画素部位に複数の異なる色(例えば赤、緑、青の光の3原色)を配列したカラーフィルターを使用する。透明基板上に複数色の画素を規則正しく配列させる方法としては、感光性着色ペーストを使用したフォトリソグラフィー技術によるもの、非感光性着色ペーストと感光性ポジ型レジストを組み合わせたフォトリソグラフィー技術によるもの、印刷法によるもの、電着法によるもの、フィルム転写法によるもの、インクジェット方式によるものなどが知られている。これらの中で、パターン精度や光の透過率・コントラストといったカラーフィルターの性能と、製造歩留まりやコストとの兼ね合いから、フォトリソグラフィー技術によるものが一般的に使用されている。
フォトリソグラフィー技術によるカラーフィルター製造に使用される着色ペーストとして、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の溶液に顔料を分散した着色ペーストが知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。また、ポリビニルアルコールを主成分とする樹脂溶液に顔料を分散した着色ペーストも知られている(例えば、特許文献4参照。)。さらに、アクリル樹脂を主成分とする樹脂溶液に顔料を分散した着色ペーストも知られており(例えば、特許文献5、6、7参照)、これら顔料分散タイプの着色ペーストがカラーフィルターの製造に一般的に使用されている。
通常は、着色層を形成するに先立ち、ブラックマトリックスと呼ばれる遮光層を形成する。ブラックマトリックスは、各画素間に配列された格子状の遮光領域であり、液晶表示装置の表示コントラストを向上させるために設けられている。ブラックマトリックスとしては、Cr、Al、Niなどの金属薄膜(厚さ約0.1〜0.2μm)やCrと透明基板間に酸化クロムや酸窒化クロム等の層を設けた多層クロム膜が用いられるが、コストや環境汚染の面から、遮光剤と樹脂からなるブラックペーストを使用した樹脂ブラックマトリックスが使用されることもある(例えば、特許文献8参照)。
近年、カラーフィルターに要求される透過率・コントラスト、表面平滑性等の特性が高性能化するのにともない、着色ペーストおよびブラックペースト(以下、両者を合わせて単に「ペースト」と呼ぶ)に要求される特性も高くなっている。特に顔料分散着色ペーストにおいては、顔料を微細に分散することが重要であり(例えば、特許文献9、10参照)、要求される粒径としても数十nmオーダーとなっている。
顔料を溶媒中へ微細に分散させる装置として、メディアを用いた分散機(以下、「ビーズミル」と呼ぶ)が知られており、ボールミル、アトライター、サンドミル等がある。ビーズミルは分散メディアを用い、処理槽内に供給した処理材料と分散メディアを攪拌子で攪拌し、攪拌子と分散メディアの運動で、処理材料に与えるずり力とせん断力および分散メディアによる粒体の補足と破壊により、該処理材料を微細化するものであり、処理材料の分散に影響を与える因子として、メディアの直径、処理槽内への充填率、およびメディアを処理材料に衝突させるための攪拌子の回転速度が支配的である。
特に分散メディアの直径は粉砕効率に大きな影響を与え、直径が大きいほど大きな粒子を、小さいほど小さな粒子を効率よく粉砕することが知られている。このことから、単一の処理槽内に、直径が大きいメディアと小さいメディアを混合させて分散させることが考えられるが、直径の異なる2種類以上の分散メディアを混合して用いた場合、一部の処理材料が小さい方のメディアの影響で先に凝集限界粒度に到達し、その一部の処理材料が再凝集し、処理材料全体の品質を低下させる弊害が発生する。また直径の小さい分散メディアの方が、直径の大きい分散メディアの衝突により、表面が削られまたは破壊されることもある。単一の装置で、処理槽内を分割し、メディアの径を順次小さくして効率よく分散するメディア攪拌型分散機が提案されているが(例えば、特許文献11参照)、これは処理材料が循環ではなく本体の中を1回通るだけであり、装置の機構が複雑になる上、前記再凝集の問題を含むので循環分散には向かない。
また、サンドミル等のメディア撹拌型分散機を用いて、着色剤の分散を多段階で行い、各段階におけるメディアの径を0.1−1.0mmφの範囲において順次小さくし、かつ分散を循環で行う方法が知られている(例えば、特許文献12参照)。しかしながら、3段階以上の多段階工程により分散を行うことは工程数増加により生産性および収率が大幅に低下するため好ましくなく、2段階からなる分散工程においても0.1−1.0mmφのメディアによる分散ではサブμmオーダーの粒径まで到達させることは可能であっても数十nmオーダーまでの顔料分散は困難であった。
また、効率よく顔料を微細に分散させる方法として、遠心力によりメディアと被分散体を分離し、粒径が0.3mmφ以下のメディアを用いる方法や(例えば、特許文献13,14参照)、粒径が0.3mmφ以下のメディアを用い、ロータピンを備えた湿式分散機に、顔料、顔料誘導体、及び液状媒体を含む顔料組成物を供給して分散する方法(例えば、特許文献15参照)が知られている。しかしながら、上記の通りメディアの平均粒径が0.3mmφ−0.1mmφの範囲では被分散体を数十nmオーダーまで分散することは非常に困難であり、達したとしても非常に長い分散時間を要し、分散後も不安定なため再凝集し易いといった問題が生じる。一方、0.1mmφ以下という更に微小なメディアを用いた分散のみでは、顔料と液状溶媒を予備的に混練した直後の顔料分散体に含まれる一部の粗大な粒子を最後まで粉砕・分散することができず、最終製品に混入し濾過閉塞を引き起こしたり、濾過等により分離することによって製品に含まれる顔料比率が変化するといった問題が生じる。
特開昭60−184202号公報 特開昭60−184203号公報 特開昭61−180203号公報 特開昭60−129707号公報 特開平2−144502号公報 特開平2−199404号公報 特開平3−53201号公報 特開平5−72524号公報 特開昭60−129739号公報 特開昭60−129707号公報 特開平5−137990号公報 特開平11−352319号公報 特開2000−171931号公報 特開2002−105356号公報 特開2004−81945号公報
本発明は 、かかる従来技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、メディア攪拌型分散機を用いた顔料分散体の製造工程において、粗大な顔料を残存させることなく顔料を効率的に微細化分散させ、マイルドに分散することにより顔料の再凝集を防止し、ひいては透過率、コントラスト、表面平滑性の高いカラーフィルターを供与できるカラーフィルター用ペーストを高い生産性で製造することを可能とする方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は以下の構成により達成される。
すなわち、メディアと分散処理槽を有するメディア攪拌型分散機を用いて顔料を溶媒中に分散させる複数の分散工程を有する顔料分散液の製造方法であって、第1の分散工程で用いるメディアの平均粒径をφ(1)(mm)、第2の分散工程で用いるメディアの平均粒径をφ(2)(mm)としたときに、φ(1)/φ(2)が4以上40以下であり、かつφ(2)が0.1mm以下であることを特徴とする顔料分散液の製造方法である。
上記方法で分散機処理槽内における顔料分散体の滞留時間をRTとした際に、第1の分散工程における滞留時間RT(1)が、第2の分散工程における滞留時間(2)よりも短くすることが本発明の効果を一層顕著とする点で好ましい。
また、前記第1の分散工程と第2の分散工程にて用いるメディア撹拌型分散機において、それぞれ異なる方式によりメディアと被分散体を分離しており、かつ、該第2の分散工程で用いるメディア撹拌型分散機は遠心分離によりメディアと被分散体を分離することが更に好ましい。
そして、上記第2の分散工程で用いるメディアの嵩密度が4.0g/cm以上、メディアの粒径分布の標準偏差をσ(mm)としたとき、σ/φ(2)が0.15以下であることが好ましい。また、顔料が有機顔料であることが好ましい。また、顔料分散液の粘度としては、第2の分散工程で用いる顔料分散液の25℃における剪断速度38/秒での粘度が50mPa・s未満であることが好ましい。
本発明は着色剤と樹脂、及び溶媒を主成分とする顔料組成物をメディア攪拌型分散機を用いて湿式分散する際に、メディア経の異なる2段階の工程を経て分散を行い、各工程におけるメディアの平均粒径の比率、メディアの平均粒径の範囲、更には被処理物の分散機内での滞留時間を適切な範囲とすることにより、分散安定性に優れた顔料分散体を高い生産性で製造することを可能とするものである。そしてこのような分散処理を施した顔料分散体とマトリックス樹脂を混合することにより、透過率、コントラスト、表面平滑性の高いカラーフィルターを製造しうるカラーフィルター用ペーストを製造するものである。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
すなわち、本発明は、一般にビーズミルと通称されているメディア攪拌型分散機を用いて、処理材料を分散処理することにより可能とされるものである。ビーズミルは、ステーターとロータの間隙に処理材料の流路を設け、この流路内に充填されたメディアで分散処理を行うタイプ、ベッセルと呼ばれる円筒形の処理槽内に充填されたメディアで分散処理を行うタイプなど、機種も多く、機構的にも各種のものがあるが、メディアを攪拌することで粒体を分散するという基本構造は共通している。後者の代表的なものは以下の通りであるが、この形態に特に限定されない。
円筒形のベッセルと、この両端の、一方に処理材料の入り口、他方に処理材料の出口を有し、処理材料の出口には、処理材料とメディアを分離し、処理材料のみを取り出すセパレーターを具備する。セパレーターには大きく分けてスクリーンセパレーター、ギャップセパレーター及び遠心分離方式セパレーターがあり、近年はこれら各種セパレーターを組み合わせたセパレーターも開発されている。スクリーンセパレーターは、メディアを通さない大きさの編み目を持ち、処理材料のみを処理槽の外へ排出する機構であり、ギャップセパレーターは、回転軸に取り付けられたロータと軸受け部に具備されたステータに隙間を作り、ここでメディアと処理材料を分離する機構となっている。
図1にギャップセパレーターを有する分散機の概略図の一例を示す。処理材料は入口4よりメディアで満たされた粉砕処理室7に導入され、粉砕処理される。その後、処理材料をメディアの平均粒径以下の隙間が設けられたギャップセパレーター2に通液させることで、処理材料とメディアを分離し、処理材料のみが出口1より取り出される。この様な構造を持つ分散機の具体的な例としては、株式会社シンマルエンタープライゼス製“DYNO−MILL”を挙げることができる。また、遠心分離セパレーターはメディアと処理材料の混合物を回転翼等からなる遠心分離部に通液させることにより遠心力によって比重の重いメディアのみを分離するものである。図2に遠心分離セパレーターを有する分散機の概略図の一例を示す。処理材料は入口14よりメディアで満たされた粉砕処理室15に導入され、粉砕処理される。その後、処理材料はセントリセパレーターと呼ばれる遠心分離セパレーター10に通液され、回転主軸11と同期して高速で回転するローターセパレーターと呼ばれる撹拌翼によってメディアと処理材料は遠心分離され、出口8より取り出される。この様な構造を持つ分散機の具体的な例としては、寿工業株式会社製UAM(“ウルトラアペックスミル”)を挙げることができる。本発明では、第1の分散工程と第2の分散工程にて用いるビーズミルにおいて、それぞれ異なる方式によりメディアと被分散体を分離することが望ましい。第1の分散工程においては、顔料と液状溶媒を予備的に混練した直後の顔料分散体に含まれる一部の粗大な粒子を選択的に粉砕・分散することを目的としており、φ(1)が0.1mm以上の比較的大きなメディアを用いて大流量で被分散体を循環させ短時間で処理することが本発明の効果を顕著とするために好ましい。よって、第1の分散工程で用いるビーズミルのセパレーターとしては、スクリーンセパレーターあるいはギャップセパレーターを用いることが好ましい。一方、第2の分散工程においては0.1mmφ以下のメディアを用いることが必要であるが、スクリーンセパレーター或いはギャップセパレーターでは、加工精度の問題上完全にメディアを分離するのが困難であったり、分離部での目詰まりにより十分な流量で通液できないといった問題が有る。よって、遠心分離方式によりメディアを分離するのが好ましく、更には遠心分離とスクリーンを併せて用いることが好ましい。図3に遠心分離スクリーンセパレーターを有する分散機の概略図の一例を示す。この様な構造を持つ分散機の具体的な例としては、アシザワファインテック株式会社製“スターミルLMZ”、“スターミルZRS”等を挙げることができる。
ベッセルの一方には軸受けが固定され、その軸受けに円筒形の処理槽内を円周方向に攪拌するための回転軸が槽内中央に設けられている。軸受けと回転軸の接合部には、処理材料が軸受けを介して流出しないためのシール機構を有する。シール機構には、グランドパッキン、リップシール、シングルメカニカルシール、ダブルメカニカルシール等があり、耐久性の高いダブルメカニカルシールが好ましく用いられるが、特にこれらに限定されない。
回転軸には種々の形状をした攪拌羽根が一定の間隔で取り付けられ、円周方向に回転しメディアおよび処理材料に運動エネルギーとせん断力を与える。攪拌羽根の形状にはディスク型、ピン型、ピン付きディスク型等がある。ピン型は、回転軸に取り付けるリングから、円周方向にピンが何本か突き出た構造をしている。ピンの太さ、形状、本数には様々なものがあるが、特にこれらに限定されない。
ディスクは穴あき型、カム型、波状円盤型、突起付き円盤型、ピン付き円盤型等があるが、特にこれらに限定されない。撹拌羽根の材質には、セラミック、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、ポリエチレン等が用いられ、中でも耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の点からはセラミックが好ましく用いられ、被分散体への衝撃を抑えマイルドに分散する観点からは樹脂製の撹拌羽根が好ましく用いられる。ベッセルは、その設置方向により縦型と横型が存在し、また横型の中には分散状況により、ベッセルの角度を変化させる機構を持ったものもあるが、特にこれらに限定されない。ベッセル内側の材質には、ガラス、超硬合金、ステンレス、鉄、セラミック等が用いられ、中でも耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の点からセラミックが好ましく用いられる。メディアが激しく衝突して高温を発するため、耐摩耗性が高く、熱伝導が良く冷却効果の高いジルコニアや、ジルコニア強化アルミナが特に好ましく用いられるが、特にこれらに限定されない。
入口部、出口部に関しても、メディアの衝突が考えられる部位の材質は、ベッセルと同様の考え方で材料選択がなされるが、特にこれらに限定されない。ベッセルの外側は、ベッセル内部を冷却するためのジャケットを具備しているのが好ましいが、特にこれらに限定されない。この様に構成された装置の処理槽内に、メディアを一定の充填率で満たし、処理材料と一緒に攪拌羽根で攪拌され分散が行われる。
本発明の効果を顕著なものとするためには、適切なメディアを選択し用いることが非常に重要となり、その特徴を以下に述べる。
本発明はメディアの平均粒径の異なる2段階の工程からなるが、第一の分散工程にて使用されるメディアの平均粒径をφ(1)(mm)としたときに、φ(1)は、0.1〜1.0mmの範囲が好ましく、0.3〜1.0mmの範囲が特に好ましい。ここで、本発明における平均粒径とは、メディアの円相当径をいい、メディア100個の最長径と最短径の平均値をもって求めたものである。具体的には、メディアを実体顕微鏡で拡大撮影し、その画像から粒径を求めることができる。第一の分散工程においては、粗大な被分散体の粉砕を目的としており、メディアの平均粒径が大きいほどより効果的に粗大粒子を破砕することが可能となる。一方、第2の分散工程において用いるメディアの平均粒径をφ(2)(mm)としたときに、φ(2)としては0.01mm以上0.10mm以下が好ましく、0.01mm以上0.05mm以下であることが特に好ましい。より小さな径のメディアを使用することにより短時間で被分散体にダメージを与えることなくマイルドに分散することが可能となる。
この第一の分散工程で使用するメディアの平均粒径φ(1)と第2の分散工程で使用するメディアの平均粒径φ(2)の比率Rを適切な範囲にて設定することが本発明において最も重要であり、適切な比率とする事で、顔料分散体に粗大粒子を残留させることなく、かつ分散処理時間を大幅に短縮させることが可能となる。比率の範囲としてはR=φ(1)/φ(2)が4以上40以下であることが好ましく、更には6以上20以下であることが特に好ましい。比率Rが4未満においては、2段階分散による生産性向上が見られず、比率Rが40を超える場合においては、第一工程にて粉砕した後の被分散体が大きいため第2工程において粉砕できず粗大な粒子として残留するといった問題が生じる。
メディアの材質には、ガラス、超硬合金、鋼球、セラミック等のビーズが用いられ、中でも耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の点からセラミックが好ましく用いられ、さらに好ましくは耐摩耗性が高く、熱伝導が良く冷却効果の高いジルコニアや、ジルコニア強化アルミナが用いられるが、特にこれらに限定されない。ただし、第2の分散工程に使用するメディアの嵩密度としては4.0g/cm以上が好ましく、高いほど衝撃力が大きくなり分散処理時間を短縮させることが可能となる。ここでいう嵩密度とは、メディア材料に存在する気孔を材料の一部と考慮して得られる密度をいうが、分野により用語が統一されていないので、上記定義の嵩密度を見掛け密度あるいは単に密度と呼ぶ場合もある。ここで、メディアの密度は、約20gのメディアを容器に入れ、アルキメデス法によって求められる。また、φ(2)が0.10mm以下と微小なメディアを遠心分離方式によって分離する際にも、メディアの嵩密度が高い方が安定な分離が可能となり好ましい。また、第2の分散工程に使用するメディアの平均粒径の分布としては、本発明の効果を顕著なものとするために第2の分散工程に用いるメディアの粒径分布の標準偏差をσ(mm)としたとき、σ/φ(2)が0.15以下であることが好ましく、更にはσ/φ(2)が0.10以下であることがより好ましい。メディアの平均粒径φ(2)が0.10mm以下の範囲において粒径分布のシャープなメディアを用いることにより、被分散体の粒度分布もよりシャープなものとなり、透明性・安定性の良好な分散体を得ることが可能となる。メディアの粒度分布をシャープにする方法としては、スクリーン(篩やメッシュ等)を用いて分級する方法が挙げられる。
メディアの充填率は50〜90(%)が好ましく、70〜87(%)がより好ましい。ここでいう充填率とは、分散機の粉砕処理室内の空間体積に対する最密に充填されたメディアのメディア間の空隙を含めた体積の比率をいう。メディアの充填率が50(%)以下の場合、ショートパスの影響が顕著となり、滞留時間が長時間必要となり分散効率が悪くなる。さらに滞留時間が長くなると、前記一部または全部の処理材料が過分散されてしまい、その一部または全部の処理材料が再凝集し、処理材料全体の品質を低下させる弊害が発生する。メディアの充填率が90(%)以上の場合、起動時の回転軸への負荷が増大し装置の損傷を引き起こす。この為必要以上に充填率を高くして分散効率を高くすることは出来ない。
本発明で行う分散は、処理材料を多段階で各段階を循環させる形式(以下、循環分散という)を採用しており、循環分散における処理時間の計算は、滞留時間RT(分)を定義することにより、処理槽および処理材料の量に関わらず、処理効率を比較することが出来る。滞留時間の計算は、処理材料の体積=v(cm)、処理槽の有効容積=V(cm)、運転時間=t(分)としたとき、下記の式で表される。
滞留時間(RT)=V/v×t
この第一の分散工程における滞留時間RT(1)を第2の分散工程における滞留時間RT(2)よりも短くすることにより、高い生産性で安定な顔料分散体を得ることが可能となる。また、各滞留時間を適当な値とすることで、顔料分散体の保存安定性および、塗膜とした際の透過率、コントラストといった特性を、選択的に向上させることが可能となる。その範囲としては、RT(1)<RT(2)の関係を満たし、RT(1)の範囲としては2分以上20分以下が好ましく、更には2分以上10分以下が好ましく、RT(2)の範囲としては2分以上60分以下が好ましく、更には2分以上30分以下が好ましい。第一の分散工程においては、上記の通り粗大顔料の粉砕を目的とし径の大きいメディアが使用されるため、被分散体に与えるエネルギーを極小とし粒子の表面活性を抑えるため、滞留時間RT(1)としては粗大粒子を十分に粉砕できる範囲において短い方が好ましい。一方、第2の分散工程においても、生産性および分散体の安定性の観点から、滞留時間RT(2)は被分散体を微細化できる範囲において短い方が好ましい。
処理材の分散に大きく寄与する因子として撹拌翼等のローターの回転速度が挙げられるが、本発明における回転速度としては5m/s以上15m/s以下が好ましく、更には7m/s以上14m/s以下が好ましい。ローター回転速度が5m/s以下においては、被分散体を十分に粉砕・分散することができなかったり、遠心分離方式のセパレーターを用いた分散機においては、遠心分離能力低下によるメディアの偏りやメディアの流出といった問題が生じる。また、ローター回転速度が15m/s以上においては、被分散体に過剰なエネルギーがかかり過分散になりやすいといった問題が生じる。
本発明において、湿式分散機に供給される顔料分散体としては顔料及び溶媒を主成分とし、必要により、樹脂、顔料誘導体、分散剤、及び界面活性剤等の添加剤等を混合してからなるものを使用する。
本発明の第2の分散工程において、安定に分散を行うために顔料分散液の粘性が重要となる。顔料分散液の粘度が高すぎると、微小なメディアが十分に遠心分離できずに、メディアの偏りが生じ、セパレーター部での閉塞やメディアの流出といった問題が生じる。よって、本発明の第2の分散工程に用いる顔料分散液の粘度としては、25℃における剪断速度38/秒での粘度が50mPa・s未満であることが好ましく、更には25℃における剪断速度38/秒での粘度が30mPa・s未満であることが好ましい。
顔料分散液に使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも好適に用いることができるが、色度特性の点で有機顔料を使用することが望ましい。顔料のうち、透明性が高く、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものは特に好ましい。代表的な顔料の具体的な例をカラーインデックス(CI)ナンバーで示すと、次のようなものが好ましく使用されるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
赤色顔料の例としては、ピグメントレッド(以下PRと略す)9、PR48、PR97、PR122、PR123、PR144、PR149、PR166、PR168、PR177、PR179、PR180、PR192、PR209、PR215、PR216、PR217、PR220、PR223、PR224、PR226、PR227、PR228、PR240、PR254などが使用される。
オレンジ色顔料の例としては、ピグメントオレンジ(以下POと略す)13、PO36、PO38、PO43、PO51、PO55、PO59、PO61、PO64、PO65、PO71などが使用される。
黄色顔料の例としては、ピグメントイエロー(以下PYと略す)PY12、PY13、PY17、PY20、PY24、PY83、PY86、PY93、PY95、PY109、PY110、PY117、PY125、PY129、PY137、PY138、PY139、PY147、PY148、PY150、PY153、PY154、PY166、PY168、PY185などが使用される。
また、紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)19、PV23、PV29、PV30、PV32、PV37、PV40、PV50などが使用される。
また、青色顔料の例としては、ピグメントブルー(以下PBと略す)15、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PB22、PB60、PB64などが使用される。
また、緑色顔料の例としては、ピグメントグリーン(以下PGと略す)7、PG10、PG36、などが使用され、また、黒色顔料の例としては、ピグメントブラック7、酸化チタン、酸窒化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉などが使用される。
これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理がされていてもかまわず、分散剤として顔料誘導体を添加することもできる。
顔料分散液に使用される溶媒については、特に限定はなく、分散する顔料の分散安定性および添加する樹脂等の溶解性に併せて、水および有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、あるいは、脂肪族エステル類、あるいは、脂肪族アルコール類、ケトン類、アミド系極性溶媒、ラクトン系極性溶媒を用いることができ、これらの単独、あるいは2種類以上の混合溶媒も好ましく用いることができる。またこれら以外の溶剤との混合も好ましく用いられる。
顔料分散液に使用される樹脂としては、特に制限はなく、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゼラチンなどの感光性または非感光性の材料が好ましく用いられる。
顔料分散液に添加される分散剤としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル、ポリアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、などのポリマー、またはこれらの共重合体など、種々のものを単独、または混合して用いることができる。
本発明で対象となるカラーフィルター用ペーストは、着色ペースト、ブラックペーストのいずれでも良く、上記顔料分散体に樹脂及び溶媒等を添加し希釈して得られる。さらに、紫外線吸収剤、分散剤、界面活性剤などの種々の添加剤を添加しても良く、感光性のペーストについては、更に光重合開始剤、重合性モノマー等が添加される。
ペーストとする際に用いられる樹脂としては上記顔料分散液に用いられるものと同じく、特に制限はなく、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゼラチンなどの感光性または非感光性の材料が好ましく用いられる。感光性の樹脂としては、光分解型樹脂、光架橋型樹脂、光重合型樹脂などのタイプがあり、特に、エチレン不飽和結合を有するモノマ、オリゴマまたはポリマと紫外線によりラジカルを発生する開始剤とを含む感光性組成物、感光性ポリアミック酸組成物などが好適に用いられる。非感光性の樹脂としては、上記の各種ポリマなどで現像処理が可能なものが好ましく用いられるが、透明導電膜の成膜工程や液晶表示装置の製造工程でかかる熱に耐えられるような耐熱性を有する樹脂が好ましく、また、液晶表示装置の製造工程で使用される有機溶剤への耐性を持つ樹脂が好ましいことから、ポリイミド系樹脂、アクリル樹脂が特に好ましく用いられる。
ペーストに用いるポリイミド系樹脂としては、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を、加熱もしくは適当な触媒によってイミド化したものが好ましく用いられる。ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物を次アミンを反応させることにより得られる。また、ポリイミド系樹脂には、イミド結合の他に、アミド結合、スルフォン結合、エーテル結合、カルボニル結合などのイミド結合以外の結合が含まれていても差し支えない。
テトラカルボン酸二無水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることができる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができる。また、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができる。なお、本発明は、これらに限定されずにテトラカルボン酸二無水物が1種または2種以上用いられる。
ジアミンとしては、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることができる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができる。また、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができる。
また、シロキサンジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にすることができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。本発明は、これらに限定されずにジアミンが1種または2種以上用いられる。
ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中でジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させることにより行うのが一般的である。この時、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により得られるポリアミック酸の重合度を調節することができる。このほか、テトラカルボン酸ジクロライドとジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩酸と溶媒を除去することによってポリアミック酸を得るなど、ポリアミック酸を得るには種々の方法がある。しかし、本発明はその合成法によらずにポリアミック酸に対して適用が可能である。
次に、ポリアミック酸の構造単位の繰り返し数について述べる。ポリイミド膜の力学的特性は、分子量が大きいほど良好であるため、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸の分子量も大きいことが望まれる。一方、ポリアミック酸膜を湿式エッチングによりパターン加工を行う場合、ポリアミック酸の分子量が大きすぎると、現像に要する時間が長くなりすぎるという問題がある。したがって、構造単位の繰り返し数の好ましい範囲としては15〜10000、より好ましくは18〜400、さらに好ましくは20〜100である。なお、ポリアミック酸の分子量には一般にばらつきがあるため、ここでいう構造単位の繰り返し数の好ましい範囲とは、この範囲の中に全ポリアミック酸の50モル%以上、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上が入っていることを意味する。
ペーストに用いるアクリル系樹脂としては、特に限定されないが、不飽和カルボン酸の重合体や不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、などがあげられ、共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物、カルボン酸ビニルエステル、シアン化ビニル化合物、脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するマクロモノマーなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
ペーストに用いられる光重合開始剤としては、特に限定はなく、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、オキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物あるいはチタネート等の無機系光重合開始剤など公知のものが使用できる。また、芳香族、脂肪族の第3級アミンなどの増感助剤を添加すると、さらに感度を向上させることができ好ましい。また、これらの光重合開始剤は2種類以上を併用して用いることもできる。
光重合開始剤の添加量としては、特に限定はないが、着色剤組成物全固形分に対して、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
ペーストで用いられる重合性モノマーとしては、多官能、単官能のアクリル系モノマーあるいはオリゴマーを用いることができる。多官能及び単官能モノマーやオリゴマーの選択と組み合わせにより、レジストの感度や加工性の特性をコントロールすることが可能である。とくに感度を上げるためには、官能基が3以上、より好ましくは5以上ある化合物が望ましい。
ペーストに用いられる溶媒としては上記顔料分散液に用いられるものと同じく、特に限定はなく、水および有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、あるいは、脂肪族エステル類、脂肪族アルコール類、ケトン類、アミド系極性溶媒、ラクトン系極性溶媒を用いることができ、これらの単独、あるいは2種類以上の混合溶媒も好ましく用いることができる。またこれら以外の溶剤との混合も好ましく用いられる。
ただし、本発明の着色剤組成物をダイコーティング法により基板に塗布する場合には、膜厚の均一性、及び吐出スリット部に顔料凝集物が生じるのを防止する観点から、沸点が比較的高い溶剤を使用するのが好ましい。一方、沸点が高すぎると乾燥性が悪化するので、具体的には、特に限定されるわけではないが、158℃以上214℃以下の範囲に沸点を有する溶剤を用いるのが好ましい。
本発明のペーストにおいて、樹脂成分(ポリマー、モノマーあるいはオリゴマーと高分子分散剤の合計)と、少なくとも顔料を含む着色剤とは、通常、樹脂成分がペースト全体の固形分に対して20重量%−95重量%、好ましくは40重量%−90重量%の範囲で混合して用いられる。樹脂成分の量が少なすぎると、着色被膜の基板との接着性が不良となり、逆に樹脂成分が多すぎると着色剤成分が減ってしまうため着色度が問題となる。
また、ペーストの基板への密着性を向上させる目的で、本発明のペーストにシランカップリング剤を添加することも好ましく行われる。
更に、ペーストの塗布性および着色膜の表面の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散性を良好にする目的で、本発明のペーストに界面活性剤を添加することができる。かかる界面活性剤の添加量は、顔料に対して、好ましくは0.001−10重量%、さらに好ましくは0.01−1重量%であるのがよい。添加量が少なすぎると、塗布性、着色膜表面の均一性の改良、あるいは顔料の分散性の改良の効果がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料の凝集が起こる。
かかる界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン 界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン 界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン 界面活性剤などが好ましく使用される。かかる界面活性剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。かかる界面活性剤の添加は、顔料の分散工程中またはその工程の前後のどの時点でも行うことができる。しかし、添加の時点により、顔料の分散性が変わる場合があるので、注意を要する。
本発明の製造方法で得られたペーストで作成されるカラーフィルターについて説明する。カラーフィルターは、透明基板上に3原色からなる着色層を複数配列したものであり、カラーフィルターは3原色からなる各着色層により被覆された画素を一絵素とし、多数の絵素により構成されている。カラーフィルターに用いられる透明基板としては、特に限定されるものでなく、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどの無機ガラス類、有機プラスチックのフィルムまたはシートなどが好ましく用いられる。
ここで言う3原色は、加色混法によりカラー表示を行う場合には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色が選ばれ、減色混法によりカラー表示を行う場合には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3原色が選ばれる。一般には、これらの3原色を含んだ要素を1単位としてカラー表示の絵素とすることができる。
着色層を形成する方法としては、着色ペーストを直接あるいはあらかじめブラックマトリックスを形成した基板上に塗布・乾燥した後に、パターニングを行う。
ペーストを塗布する方法としては、スピンコーティング法、ロールコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法などを用いることができるが、これらの方法に特に限定されない。基板へペーストを塗布してウェット膜を形成した後、オーブンやホットプレートを用いて加熱乾燥(セミキュア)を行う。セミキュア条件は、使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なるが通常60〜200℃で1〜60分加熱することが好ましい。
このようにして得られたペースト塗膜は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ型フォトレジストの塗膜を形成した後に、また、樹脂が感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮断膜を形成した後に、露光・現像を行う。必要に応じて、ポジ型フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、再び、加熱乾燥(キュア)する。キュア条件は樹脂により異なるが、ポリイミド前駆体からポリイミド系樹脂を得る場合には、通常200〜300℃で1〜60分加熱するのが一般的である。
塗布する着色層のキュア後膜厚は、要求される色特性と着色ペーストの着色剤/マトリックス樹脂比率により決定される。通常、着色剤/マトリックス樹脂比率は重量比で5/95〜70/30の範囲内であるが、好ましくは10/90〜60/40の範囲で使用するのが良い。着色剤比率が5未満の場合、十分な色純度を得るために塗布する必要のある膜厚が厚くなりすぎるため、画素間の段差が大きくなり、液晶の配向不良などの弊害が発生する。着色剤比率が70を越えると、マトリックス樹脂が不足するため画素の密着性が悪くなる等の弊害がある。 この好ましい範囲内の着色剤/マトリックス樹脂比率に設定した場合、望ましい色特性を得るために塗布する必要のあるキュア後膜厚は0.2〜4.0μmである。0.2μmより薄いと十分な色純度が得られず、4.0μmより厚いと光透過率が不足する。
ブラックマトリックスには、通常(20〜200)μm×(20〜300)μmの開口部が設けられるが、この開口部を少なくとも被覆するように3原色からなる着色層が複数配列される。3原色のパターン配置は、モザイク型、トライアングル型、ストライプ型、4画素配置型など目的により、いずれも好適に用いることができる。
ブラックマトリックスの遮光性は、OD値(透過率の逆数の常用対数)で表されるが、液晶表示装置の表示品位を向上させるためには、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは3.0以上である。OD値の上限は、ブラックマトリックスの膜厚により定められる。
ブラックマトリックスの膜厚は、好ましくは0.5〜1.5μm、より好ましくは0.8〜1.2μmである。膜厚が、0.5μmよりも薄い場合は、遮光性が不十分になることから好ましくない。また、膜厚が1.5μmよりも厚い場合は、遮光性は確保できるものの、カラーフィルターの平坦性が犠牲になり易く、段差が生じ易い。表面段差が生じた場合、カラーフィルター上部に透明導電膜や液晶配向膜を形成させても段差は殆ど軽減されず、液晶配向膜のラビングによる配向処理が不均一になり、液晶表示装置の表示品位が低下する。表面段差を小さくするためには、着色層上に透明保護膜を設けることが有効である。
また、ブラックマトリックスの反射率は、画素と遮光領域の境界面における反射光による影響を低減し液晶表示装置の表示品位を向上させるために、400〜700nmの可視領域での視感度補正された反射率(Y値)で2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下である。反射率が2%以上の場合、表面反射光のために表示コントラストが低下する。

次に本発明を用いて作成される液晶表示装置について説明する。カラーフィルターは、カラーフィルターと透明電極基板とを対向させて作成する。カラーフィルターには、必要に応じて着色層上に透明保護膜を設けても差し支えない。また、カラーフィルター上にはITO膜などの透明電極を形成する。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明の製造方法を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いたビーズミルは以下の通りである。
・メディア攪拌型分散機
(1) ダイノーミルKDL
(株) シンマルエンタープライゼス製、セパレーター:ギャップ方式
(2) ウルトラアペックスミル(UAM)
寿工業株式会社製、セパレーター:遠心分離方式
(3) スターミルZRS
アシザワファインテック株式会社製、セパレーター:遠心分離+スクリーン方式
また、実施例中で使用されるメディアの嵩密度およびメディアの平均粒径とメディア粒径分布の標準偏差の比σ/φ(2)を表1に示す。
Figure 2007016206
メディア径が0.10、0.30、1.00、2.00、3.00mmのジルコニアビーズについては東レ(株)製のビーズ“トレセラムボールビーズ”を用い、メディア径が0.03mmのジルコニアビーズについては(株)ニッカトー製のビーズ“YTZボール”を、メディア径が0.05mmのジルコニアビーズについては下記製法により得られた物を用いた。
A.0.05mmジルコニアビーズの製法
イットリアを2.7モル%含む部分安定化ジルコニア粉末と、水(造粒剤)との混合物を、ジルコニアビーズを用いたアトライターミルで2時間混合し、20kgの、部分安定化ジルコニア粉末の含有量が30%重量のスラリーを調製した。続いて、このスラリーをディスク式の噴霧乾燥機を用いて噴霧、乾燥し、成形球体を得た。このとき、ディスクの回転速度は8,000rpmとし、熱風温度は240℃、排風温度は100℃とした。次に、得られた成形球体を開口度0.045mmと0.125mmの篩を用いて分級し、平均粒径が0.08mmの成形球体を得た。そして、分級により得られた成形球体を空気中にて1400度で2時間焼結し、ジルコニア球体を得た。このジルコニア球体を目開き63μm及び目開き32μmの標準篩を用いて分級を行い、平均粒径:0.046mm、最長径:0.063mm、最短径:0.033mm、標準偏差:0.0077のジルコニアビーズA−2−1を得た。
上記ジルコニアビーズA−2−1について、目開き63μm及び目開き38μmの標準篩を用いて分級を行い、平均粒径:0.052mm、最長径:0.063mm、最短径:0.038mm、標準偏差:0.0066のジルコニアビーズA−2−2を得た。
上記ジルコニアビーズA−2−1について、目開き53μm及び目開き38μmの標準篩を用いて分級を行い、平均粒径:0.051mm、最長径:0.053mm、最短径:0.038mm、標準偏差:0.0043のジルコニアビーズA−2−3を得た。
また、実施例中で使用されるポリアミック酸B−1、および顔料分散液G−1は次の方法で製造されたものとする。
B.ポリアミック酸B−1の製法
4,4′−ジアミノフェニルエーテル;330.6g(0.75mol)、3,3′−ジアミノジフェニルスルフォン;49.6g(0.20mol)、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン;12.4g(0.005mol)をγ−ブチロラクトン2730gと共に仕込み、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;161.0g(0.49mol)とピロメリット酸二無水物;106.8g(0.49mol)を添加し、60℃で5時間反応させた。無水マレイン酸1.96g(0.02mol)を添加し、更に60℃で1時間反応させ、ポリアミック酸(B−1とする)溶液を得た。
C.顔料分散液G−1の製法
緑顔料(Pigment Green 36);3.3重量%、黄顔料(Pigment Yellow 138);3.0重量%、ポリアミック酸B−1;4.7重量%、γ−ブチロラクトン;89.0重量%をタンクに仕込み、ホモミキサー(特殊機化製)で1時間撹拌し顔料分散液G−1を得た。この顔料分散液G−1の粘度を、1度34秒の先端角を有するコーンプレートが装着されたRC500型粘度計(東機産業製)を使用して測定したところ、25℃における剪断速度38/秒での粘度は2.90mPa・sであった。
<実施例1>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);0.30mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−3)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μmのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<実施例2>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);0.30mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−2)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<実施例3>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);0.30mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);粒径分布のブロードな0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−1)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<実施例4>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);1.00mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−3)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<実施例5>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);2.00mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−3)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<実施例6>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);0.30mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−3)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(ZRS)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が22分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<実施例7>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);0.30mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.03mmのジルコニアビーズを使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が12分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<実施例8>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);1.00mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.03mmのジルコニアビーズを使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が12分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<比較例1>
顔料分散液G−1を粒径0.30mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RTが70分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<比較例2>
顔料分散液G−1を粒径0.10mmのジルコニアビーズを使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RTが25分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<比較例3>
顔料分散液G−1を粒径0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−3)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RTが20分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<比較例4>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);0.10mmのジルコニアビーズを使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−3)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<比較例5>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);3.00mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.05mmのジルコニアビーズ(A−2−3)を使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<比較例6>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);0.10mmのジルコニアビーズを使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.03mmのジルコニアビーズを使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が12分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
<比較例7>
顔料分散液G−1を粒径φ(1);2.00mmのジルコニアビーズを使用し、ギャプセパレーターを備えたビーズミル(ダイノミル)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(1)が3分となるよう分散を行った。そして、分散後の顔料分散液を粒径φ(2);0.03mmのジルコニアビーズを使用し、遠心分離セパレーターを備えたビーズミル(UAM)に供給し、回転速度11m/sで滞留時間RT(2)が17分となるよう分散を行った。この分散液をポリイミド前駆体B−1希釈液で希釈して緑色着色ペーストを作成した。この緑色着色ペーストを孔径2μのポリフロンフィルター(ADVANTEC社製 PF020)で濾過した後、無アルカリガラス基板上にスピンコートし、その後熱処理することによりポリイミド着色膜を得た。
実施例1〜8および比較例1〜7での分散条件を表2に示す。
Figure 2007016206
上記得られた着色塗膜について、色度、コントラスト、表面粗さについて評価を行った。得られた着色ペーストの濾過結果と併せて着色膜の評価結果を表3に示す。表3に記した値は以下の方法によって得られ、着色膜のC光源におけるy=0.594での値とする。
(1)色度
顕微分光光度計MCPD−2000(大塚電子製)を使用し、C光源での透過率Y、x値、y値を測定した。
(2)コントラスト
偏光板で基板サンプルを挟み、色彩輝度計BM−5A(トプコン製)を使用して平行ニコルの輝度とクロスニコルの輝度の比からコントラストを測定した。
(3)表面粗さ
表面形状測定装置サーフコム1500A(東京精密)を使用し、表面粗さを測定した。
Figure 2007016206
実施例で得られた着色ペーストは濾過閉塞もなく、また、該着色ペーストを用いた塗膜も、比較例で得られた塗膜と比較し、色度ずれもなく、良好な透過率、表面粗さ、コントラストを示した。
本発明の顔料分散液の製造方法に用いられるギャップセパレーターを有する分散機の一例を示す概略図である。 本発明の顔料分散液の製造方法に用いられる遠心分離方式セパレーターを有する分散機の一例を示す概略図である。 本発明の顔料分散液の製造方法に用いられる遠心分離、スクリーンセパレーターを有する分散機の一例を示す概略図である。
符号の説明
1、8、19 処理材料の出口
2 ギャップセパレーター
3、12、20 撹拌羽根
4、14 処理材料の入口
5、9、16 メカニカルシール
6、11、17 回転主軸
7、15、21 粉砕処理室
10 セントリーセパレーター
13 逆流弁
18 遠心分離スクリーンセパレーター

Claims (9)

  1. メディアと分散処理槽を有するメディア攪拌型分散機を用いて顔料を溶媒中に分散させる複数の分散工程を有する顔料分散液の製造方法であって、第1の分散工程で用いるメディアの平均粒径をφ(1)(mm)、第2の分散工程で用いるメディアの平均粒径をφ(2)(mm)としたときに、φ(1)/φ(2)が4以上40以下であり、かつφ(2)が0.1(mm)以下であることを特徴とする顔料分散液の製造方法。
  2. 分散処理槽内における顔料分散液の滞留時間をRTとしたとき、第1の分散工程における滞留時間RT(1)が、第2の分散工程における滞留時間RT(2)よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の顔料分散液の製造方法。
  3. 前記第2の分散工程で用いるメディア撹拌型分散機が、遠心分離によりメディアと顔料分散液を分離することを特徴とする請求項1または2に記載の顔料分散液の製造方法。
  4. 前記第2の分散工程で用いるメディアの嵩密度が4.0g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の顔料分散液の製造方法。
  5. 前記第2の分散工程で用いるメディアの粒径分布の標準偏差をσ(mm)としたとき、σ/φ(2)が0.15以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の顔料分散液の製造方法。
  6. 顔料が有機顔料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の顔料分散液の製造方法。
  7. 第2の分散工程で用いる顔料分散液の25℃における剪断速度38/秒での粘度が50mPa・s未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の顔料分散液の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られた顔料分散液と樹脂からなることを特徴とするカラーフィルター用ペースト。
  9. 任意の色数で各色別に所望のパターン状に設けられた着色層及び遮光層からなる画素を有するカラーフィルターにおいて、該着色層或いは遮光層に請求項8に記載のカラーフィルター用ペーストを使用したことを特徴とするカラーフィルター。
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