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JP2007006548A - 回転電機の転位コイルの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

回転電機の転位コイルの製造装置及びその製造方法 Download PDF

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JP2007006548A JP2005180326A JP2005180326A JP2007006548A JP 2007006548 A JP2007006548 A JP 2007006548A JP 2005180326 A JP2005180326 A JP 2005180326A JP 2005180326 A JP2005180326 A JP 2005180326A JP 2007006548 A JP2007006548 A JP 2007006548A
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Abstract

【課題】 コイルにおける転位部のピッチの更なる狭隘化を可能として、回転電機の高性能化を図ることができる転位コイルの製造装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 平角状の外形をもつ素線1をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造装置であって、転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位を編み合わせる捻り付加部5と、転位部を有する複数の素線を前記捻り付加部5による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部5による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部6とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転電機の固定子コイル等に用いられる回転電機の転位コイルの製造装置及びその製造方法に係わり、更に詳しくはコイルにおける転位部のピッチの更なる狭隘化が可能な回転電機の転位コイルの製造装置及びその製造方法に関する。
大容量の回転電機に用いられる固定子コイルは、漏れ磁束による表皮効果の影響を低減するため、コイルを構成している素線の転位が行われている。転位コイルの製造装置及び製造方法の1つとして、転位成形前の素線を所定本数束ね、素線束断面において両側に配置された転位型にて転位成形しながら転位成形個所を随時移動させることで編み込んでいく方策がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、もう1つとして、転位成形後の素線を半コイル分の本数を束ね、ロボットアームにより把持し、載置を繰返し半コイルずつ編み合わせるもので、従来の手作業による素線の編み合せ作業をロボット化したものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−69722号公報 特開2002−272068号公報
前述した前者の方策では、始めに転位成形前の素線を所定本数束ねさえすれば、その後は全自動にて1コイル分の編み合せ作業が完了する利点があるが、転位成形する素線を素線束から両側に引き出してプレス成形するため、コイルの転位部におけるピッチの狭隘化に制限がある。また、製造のための一連の動作に要する時間が多く、作業時間が多大となる憾みがある。
また、前述した後者の方策では、編み合せ前に前もって素線に転位成形しておくので、コイルの転位部ピッチ狭隘化が可能であるが、素線を1本ずつロボットアームにより把持し、載置するため、作業時間がかかる。また、高速化を図るには大きな投資が必要になるという憾みがある。
本発明は、上述の事柄に基づいてなされたもので、コイルにおける転位部のピッチの更なる狭隘化を可能として、回転電機の高性能化を図ることができる転位コイルの製造装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造装置であって、転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位を編み合わせる捻り付加部と、転位部を有する複数の素線を前記捻り付加部による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部とを備えたことを特徴とする。 また、第2の発明は、平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造装置であって、転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位部を編み合わせる捻り付加部と、前記転位部を施した複数の素線を間隔をもって前記捻り付加部に搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された前記転位部を有する複数の素線を前記捻り付加部による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部とを備えたことを特徴とする。
更に、第3の発明は、平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造装置であって、転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位を編み合わせる捻り付加部と、編み合せ前の素線の幅方向に転位部を成形するレーベル転位成形部と、前記レーベル転位成形部で転位部を施された複数の素線を間隔をもって前記捻り付加部に搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された前記転位部を有する複数の素線を前記捻り付加部による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部とを備えたことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかに記載の回転電機の転位コイルの製造装置において、前記捻り付加部は、前記素線の長手方向に沿って移動可能な捻り付加本体と、この捻り付加本体に回転可能に設けられ、素線束の貫通を許容する孔を有する回転体と、この回転体に設けた素線束把持爪とを備えたことを特徴とする。
更に、第5の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかに記載の回転電機の転位コイルの製造装置において、前記素線保持部は、前記素線の長手方向に沿って移動可能な保持部本体と、この保持部本体に上下方向に移動可能に設けたフィンガ取付体と、このフィンガ取付体に回転可能に設けられ、前記素線をそれぞれ保持及び挟持する複数のフィンガとを備えたことを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明に記載の回転電機の転位コイルの製造装置において、前記素線保持部における複数のフィンガは、捻り付加部による素線束の捻り動作に同期して、回動することを特徴とする。
更に、第7の発明は、第3の発明に記載の回転電機の転位コイルの製造装置において、前記レーベル転位成形部は、素線の幅方向及び板厚方向に屈曲成形する成形手段を備えたことを特徴とする。
また、第8の発明は、第2又は第3に記載の回転電機の転位コイルの製造装置において、前記搬送部は、素線の長手方向と直交する方向に配置した無端状の搬送体と、この搬送体に設けた複数の素線保持腕とを備えたことを特徴とする。
更に、第9の発明は、平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造方法であって、前記転位部を有する複数の素線を、素線保持部によって素線束に形成し、この素線束における前記転位部の一方側を、捻り付加部によって把持した後、前記素線束における前記転位部の他方側を、素線保持部によって素線束における各素線をそれぞれ保持した状態で、捻り付加部によって素線束を捻ることにより、各素線における前記転位部を編み合せたことを特徴とする。
また、第10の発明は、平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造方法であって、前記転位部を有する複数の素線を、搬送手段によって間隔をもって平行移動させたのち、この転位部を有する複数の素線を、素線保持部によって前記搬送手段上に保持して素線束に形成し、この素線束における前記転位部の一方側を、捻り付加部によって把持した後、前記素線束における前記転位部の他方側を、素線保持部によって素線束における各素線をそれぞれ保持した状態で、捻り付加部によって素線束を捻ることにより、各素線における前記転位部を編み合せたことを特徴とする。
本発明の転位コイルの製造装置によれば、編み合わせ前に、前もって幅方向に屈曲成形部すなわちレーベル転位部を成形した素線を、素線束として編み合わせることができるので、転位部のピッチが狭隘化した転位コイルを製造することができる。その結果、これを用いる回転電機の高性能化を図ることができる。
本発明の転位コイルの製造方法によれば、編み合わせ前に、前もって幅方向に屈曲成形部すなわちレーベル転位部を成形した素線を、素線束として編み合わせることができるので、回転電機の高性能化を図ることができる、転位部のピッチを狭隘化した転位コイルを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1乃至図4は、本発明の製造装置の一実施の形態を示すもので、図1はその平面図、図2はその正面図、図3はその左側面図、図4は図2のIV−IV矢視図である。これらの図において、1は平角状の外形をもつ素線で、図1にはレーベル転位部成形後の素線1を示している。2は成形前の素線1にエッジワイズ成形及びフラットワイズ成形を行うレーベル転位成形部で、このレーベル転位成形部2は、素線1の搬送方向に移動可能に複数(この例では3基)並設されている。
3は素線1をレーベル転位成形部2に搬送する第1の搬送部で、この第1の搬送部3は、この例ではローラ形式のコンベアを示しており、前記レーベル転位成形部2の前後に配置されている。4はレーベル転位成形部2によってレーベル転位部が成形された素線1を間隔をもって編み合せ位置まで搬送する第2の搬送部で、この第2の搬送部4は素線1の搬送方向と直交し、素線1の搬送方向に移動可能に複数(この例では5基)並設されている。
5は転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位部を編み合わせる捻り付加部で、この捻り付加部5は、図1に示す右側の第2の搬送部4の側方に移動可能に配置されている。6は前記第2の搬送部4によって搬送された転位部を有する複数の素線1を前記捻り付加部5による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部5による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部で、この素線保持部6は、前記捻り付加部5の延長方向に移動可能に複数(この例では4基)並設されている。
前述したレーベル転位成形部2、第2の搬送部4、捻り付加部5及び素線保持部6の詳細な構成を以下に順次説明する。
まず、レーベル転位成形部2の構成を説明すると、レーベル転位成形部2の本体21は、図3に示すようにその下面にレール(図示せず)に沿って移動するスライダ22を備えており、駆動機構23によって、図1及び図2の紙面上、左右方向に、図3紙面上、垂直方向に移動可能な構造になっている。
この本体21には、素線1をその板幅方向にクランク形状(図1参照)に成形するためのエッジワイズ成形用の固定型24と、側面がエッジワイズ成形用の形状(クランク形状(図1参照))を、上面がフラットワイズ成形用の形状(山形状或いは谷形状)を有しているエッジワイズ成形用の移動型を兼用するフラットワイズ成形用の下型25と、フラットワイズ成形用の上型(山形状或いは谷形状)26とを備えている。
エッジワイズ成形用の移動型を兼用するフラットワイズ成形用の下型25は、シリンダ27によって図1の紙面上上下方向に、図3の紙面上左右方向に移動可能である。フラットワイズ成形用の上型(山形状或いは谷形状)26は、シリンダ28によって図1上垂直方向、図3上、上下方向に移動可能である。
尚、フラットワイズ成形とは、素線1をその板厚方向に山形状或いは谷形状(図2参照)に曲げる成形のことである。
次に、第2の搬送部4の構造を、図3を用いて説明する。
第2の搬送部4は、レーベル転位成形部2の近傍に位置する支柱41Aとこの支柱41Aに対して間隔をもって位置する支柱41Bとからなる本体41を備えている。この本体41は、図3に示すようにその下面にレール(図示せず)に沿って移動するスライダ42を備えており、図示しない駆動機構によって、図1及び図2の紙面上、左右方向に、図3紙面上、垂直方向に移動可能な構造になっている。この本体41における支柱41A,41Bに上部と下部には、計4個のプーリ44がそれぞれ回転可能に設けられている。これらのプーリ44の内の1つのプーリ44には、駆動源(図示せず)が連結されている。プーリ44にはベルト45が無端状に掛け渡されている。
このベルト45には、レーベル転位成形部2で転位部成形された素線1をレーベル転位成形部2から掬い取って、後述する編み合せ位置まで搬送するための掬い取り具46が複数個(図3においては、8個)間隔をもって並設されている。この掬い取り具46は、ベルト45に固定した掬い取り腕46Aと、この掬い取り腕46Aにおけるベルト45の移動方向面側に設けた逆L字状の保持腕46Bとで十手状に構成されている。
この掬い取り具46における掬い取り腕46Aと保持腕46Bとの間隔は、素線1の板厚よりわずかに広い寸法に設定して、素線1の保持後は、素線1が転倒及び脱落しないように配慮している。
次に、素線保持部6の構造を、図1乃至図3、図5を用いて説明する。
素線保持部6は、捻り付加部5の回転軸線方向に沿って移動する本体61を備えている。この本体61は、その下面にレールに沿って移動するスライダ62を備えており、駆動機構63によって、図1及び図2の紙面上、左右方向に、図3紙面上、垂直方向に移動可能な構造になっている。本体61には、図5に示すように、昇降機64が軸受65によって垂直軸回りに回転可能に支持されている。昇降機64は、そのシリンダ本体64Aと、このシリンダ本体64A内に上下方向に摺動可能に設けたピストン64Bと、このピストン64Bに設けられ、シリンダ本体64Aに対して回転不可能なピストンロッド64Cとで構成されている。
前述した昇降機64は、そのシリンダ本体64Aの外周面に設けたプーリ66Aと、本体61に設けたモータ66Bと、このモータ66Bに設けたプーリ66Cと、このプーリ66Cとプーリ66Aとの掛け渡したベルト66Dとからなる駆動機構66によって垂直軸回りに回転駆動される。
昇降機64におけるピストンロッド64Cの先端には、水平面内で揺動する揺動フレーム67が固定されている。この揺動フレーム67には、軸受68によってそれぞれ回転可能に支持された複数の垂直軸69Aと、これらの垂直軸69Aの上部に水平方向に固定した第1の水平部69Bと、この第1の水平部69Bの両端にそれぞれ垂直方向に固定した垂直部69Cと、これらの垂直部69Cの上端で互いに反対方向に設けた第2の水平部69Dとからなる保持腕69が、揺動フレーム67の長手方向に並設されている。
前記保持腕69は、その各垂直軸69Aにそれぞれ設けたプーリ69Eと、これらのプーリ69Eに掛け渡したベルト69Fと、前記垂直軸69Aのいずれか1つに設けたモータ69Gとからなる駆動機構によって垂直軸回りに同期回転駆動される。
上記の保持腕69は、揺動フレーム67に対して各々同期回転可能な構造となっており、その回転により素線1を把持して、複数の素線を素線束にしたり、これとは逆にこの素線束を構成する各素線間に間隔を設ける機能を果たすものである。
なお、この実施の形態においては、保持腕69の回転を同期させるようにしたが、独立して回転駆動させても良い。また、その回転駆動機構として、他の駆動機構を用いることも可能である。さらに、昇降機64として、シリンダ以外の例えばスクリュ形式の駆動機構を用いることも可能である。
次に、捩り付加部5の構造を図1、図2、図4を用いて説明する。
捩り付加部5は、移動可能な本体51を備えている。この本体51は、その下面にレールに沿って移動するスライダ52を備えており、駆動機構53によって、図1及び図2の紙面上、左右方向に、図4紙面上、垂直方向に移動可能な構造になっている。本体51の上部には、図4に示すように、回転面板54が図4の紙面内で回転するように支持されている。
この回転面板54の中央部には、開口部55が形成されている。この開口部55は、素線束を把持した時に、その素線束の端部の貫通を許容して、回転面板54への衝突を防ぐものである。
回転面板54の端面には、素線を把持する複数の把持爪56が開口部55の周囲に回転面板54の径方向に向かって移動可能に設けられている。これらの把持爪56はそれぞれシリンダ57によって駆動される。
次に、上述した本発明の製造装置の一実施の形態による製造方法を説明する。
まず、素線1を、レーベル転位成形(エッジワイズ、フラットワイズ)するレーベル転位成形部2に、またこのレーベル転位成形部2からレーベル転位成形後の素線を編み合せる捩り付加部5までの搬送動作を説明する。図1において、まず、レーベル転位成形部2を、図1に示すように成形しようとする素線1のレーベル転位成形位置に移動し、また、第2の搬送部4における掬い取り具46を、図6の(a)あるいは図6の(b)に示すように、レーベル転位成形部2の近傍に位置させて待機状態にする。
この状態において、予め所定長さに切断された素線1を、第1の搬送部3によりレーベル転位成形部2におけるレーベル転位成形位置に搬送する。レーベル転位成形部2に搬送された素線1は、図6の(a)に示すようにエッジワイズ成形用移動型兼フラットワイズ成形用下型25をシリンダ27で移動させることによりレーベル転位成形(エッジワイズ)を行う。エッジワイズ成形用移動型兼フラットワイズ成形用下型25をシリンダ27で退避させた後、素線1は、図6の(b)の矢印の如く、第2の搬送部4による掬い取り腕46Aによってレーベル転位部のフラットワイズ成形位置まで搬送される。
その後、エッジワイズ成形用移動型兼フラットワイズ成形用下型25をシリンダ27にて再度移動させる。エッジワイズ成形用移動型兼フラットワイズ成形用下型25の上面は、フラットワイズ成形の下型形状をしており、この移動はフラットワイズ成形時の下型セットを兼ねている。
次に、図6の(c)に示すように、フラットワイズ成形用上型26をシリンダ28で移動させることによりレーベル転位成形(フラットワイズ)を行う。その後、次に成形する素線1に対し、上記動作を繰返す。最後に、所定本数につき上記動作を行った後、各素線1は、図6の(d)に示すように、第2の搬送部4によって編み合せ位置、即ち、捻り付加部5まで搬送される。
レーベル転位成形(フラットワイズ)は、次の理由により行われている。即ち、編み合せ完了後の素線束では、各レーベル転位部において、素線1がフラットワイズ方向の折り返し形状を有しているのが幾何的に正しい形状である。よって、編み合せ前の素線1のレーベル転位部にフラットワイズ方向にも成形を加えておけば、編み合せ時に、素線1毎のこすれ、変形等を生じず、作業が容易になる。
次に、素線束の端部を捩り付加部5により把持して捻る、所謂、素線の編み合せ直前までの動作を図1、図7、図8を用いて説明する。
図1及び図7の(a)に示すように、レーベル転位部を成形された素線1は、第2の搬送部4によって捩り付加部5による編み合せ位置まで搬送されている。この状態において、素線保持部6における保持腕69及び揺動フレーム67を、昇降機64によって上昇させることにより、素線保持部6における各保持腕69は、図7の(a)、(b)に示すように、第2の搬送部4における掬い取り具46に保持されている素線1をその掬い取り具46から抜き取って、持ち替え保持する。
この保持腕69による素線1の持ち替えの際、保持腕69は、保持腕69の揺動により、素線1は保持腕69に確実に把握される。そして、図7の(d)に示すように、昇降機64の更なる上昇により、素線1は捩り付加部5による編み合せ位置の高さまで移動される。
次に、各保持腕69の揺動により確実に把持された複数の素線1は、図8(a)から(b)に示すように、揺動フレーム67の揺動により寄せられて、素線束の状態に維持される。
尚、図8においては、説明の便宜上、第2の搬送部4における不要な個所は省略している。また、実際には、揺動フレーム67の揺動により、素線端部位置がずれる懸念があり、これを防ぐための端部ストッパを設けるが、これについても、説明の便宜上、省略している。
その後、図8の(c)に示すように、捩り付加部5は、移動手段により素線束の端部位置まで移動した後、その把持爪56をシリンダ57により開口部55の方向に移動させることにより、把持爪56は素線束の端部を把握する。
そして、最後に、捻り付加部5に最も近い位置の素線保持部6における保持腕69及び揺動フレーム67を、昇降機64によって下降させ、退避することにより、素線束の編み合せ直前の状態となる。この状態を図8の(d)に示す。
次に、素線束の編み合せ動作を、図9及び図10を用いて説明する。
尚、図9においても、説明の便宜上、第2の搬送部4及び端部ストッパの不要な個所は図示を省略している。また、図10は素線保持部6における揺動フレーム67の揺動角度Xと捩り付加部5の捩り角度Yとの関係を示す特性図の一例であり、この図10内のa点は図9の(a)の状態を、点bは図9の(b)の状態を、点cは図9の(c)の状態を示している。
まず、素線保持部6における揺動フレーム67の揺動角度Xを捩り付加部5の捩り角度Yに同期させながら、図9の(a)から図9の(b)、或いは図10のa点から図10の点bの状態まで動作する。
図9の(b)、或いは図10の点bは、捩り付加部5の捩り角度が90°を少し超えた状態であり、素線保持部6における揺動フレーム67の揺動角度Xは、各素線1のレーベル転位成形部が隣り合う素線に当たらない角度である。その後、素線における揺動フレーム67の揺動角度Xを捩り付加部5の捩り角度Yに同期させながら、図9の(b)から図9の(c)、或いは図10の点bから図10の点cの状態、つまり、捩り付加部5の捩り角度が180°、素線保持部6における揺動フレーム67の揺動角度Xは、素線束の編み合せ動作前の状態まで動作し、1番目の編み合せ作業が完了する。
上述した素線束の編み合せ作業のための動作は、図9の(c)から(d)に示すように、捩り付加部5に最も近い位置の素線保持部6を、下降により退避させることにより完了するが、捩り付加部5の位置は、図9の(d)の二点鎖線で示すように、素線束の端部における位置のままでも、図9の(d)の実線で示す位置に移動しても良い。この移動設定は、素線1の剛性に基づいて選択される。
以上の動作を繰返すことにより、素線束のレーベル転位成形部全域への編み合せを行うことができる。
尚、上述の実施の形態においては、素線保持部6における揺動フレーム67の揺動角度Xを、捩り付加部5の捩り角度Yに同期させながら動作させたが、図10の点a、点b、点c時の素線保持部6における揺動フレーム67の揺動角度Xと捩り付加部5の捩り角度Yとの関係を保つのであれば、図11に示すように、途中経路はステップ状に動作させることも可能である。
上述した本発明の転位コイル用の製造装置および転位コイル用の製造方法の実施の形態によれば、編み合せ前における素線の転位部に対し、素線の幅方向に屈曲成形、即ちレーベル転位成形するので、コイルの転位部ピッチ狭隘化が更に可能となる。その結果、回転電機の高性能化を図ることができる。
また、転位部を成形した複数の素線を束ねた素線束に対し、これから編み合せを行なおうとする転位部より先方側(捩り付加部5の反対側)において、素線保持部6によって、素線束を素線1本毎に分けて全素線をそれぞれ保持した状態で、これから編み合せを行なおうとする転位部より手前側において、捩り付加部5によって素線束を把握して素線束を一気に回転させ、編み合せ作業を行うので、作業時間の短縮が可能であり、製造工数および製造原価の低減を図ることができる。
更に、素線束の全回転角度時に対しても、素線保持部6によって、素線の転位部を、素線列方向に最適な間隔をもって設定できるので、編み合せ作業時の素線同士の擦れ、素線の変形等のダメージを低減でき、製品信頼性が向上する。また、素線の位置が最適化されるため、編み合せ動作が安定化し、作業の高速化につながり、製造原価の低減が図れる。
また、編み合せ後の素線形状を最適形状に設定することができるため、各転位部において編み合せ時の素線束回転終了角度付近にて、特に、素線同士の擦れ、素線の変形等のダメージを低減でき、製品信頼性向上が図れる。また、編み合わせ後、最適形状に素線を設定することにより、編み合せ時の素線束回転終了角度付近の編み合せ動作が安定化するため、作業の高速化につながり、製造原価の低減が図れる。
本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態の全体構成を示す平面図である。 図1に示す本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態の正面図である。 図2に示す本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態の左側面図である。 図2に示すIV−IV矢視から本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成する捻り付加部を見た図である。 図1に示す本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成する素線保持部の縦断面図である。 本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成するレーベル転位成形部及び第2の搬送部による素線の搬送動作を示す説明図である。 本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成する素線保持部による素線の受け取り動作を示す説明図である。 本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成する捻り付加部による素線の把持動作を説明する説明図である。 本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成する捻り付加部による素線の編み合わせ動作を説明する説明図である。 本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成する素線保持部の揺動角度Xと捻り付加部の捻り角度Yとの関係の一例を示す特性図である。 本発明の転位コイルの製造装置の一実施の形態を構成する素線保持部の揺動角度Xと捻り付加部の捻り角度Yとの関係の他の例を示す特性図である。
符号の説明
1 素線
2 レーベル転位成形部
3 第1の搬送部
4 第2の搬送部
5 捻り付加部
6 素線保持部

Claims (10)

  1. 平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造装置であって、
    転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位を編み合わせる捻り付加部と、
    転位部を有する複数の素線を前記捻り付加部による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部と
    を備えたことを特徴とする回転電機の転位コイルの製造装置。
  2. 平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造装置であって、
    転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位部を編み合わせる捻り付加部と、
    前記転位部を施した複数の素線を間隔をもって前記捻り付加部に搬送する搬送部と、
    前記搬送部によって搬送された前記転位部を有する複数の素線を前記捻り付加部による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部と
    を備えたことを特徴とする回転電機の転位コイルの製造装置。
  3. 平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造装置であって、
    転位部を施した複数の素線による素線束の転位部の一方側を把持し、前記素線束に捻りを与えて前記素線における前記転位を編み合わせる捻り付加部と、
    編み合せ前の素線の幅方向に転位部を成形するレーベル転位成形部と、
    前記レーベル転位成形部で転位部を施された複数の素線を間隔をもって前記捻り付加部に搬送する搬送部と、
    前記搬送部によって搬送された前記転位部を有する複数の素線を前記捻り付加部による把持を可能とするように素線束状態に保持する機能と前記捻り付加部による捻り付加に際して、これに抗するように各素線における転位部の他方側を保持する機能とを有する素線保持部と
    を備えたことを特徴とする回転電機の転位コイルの製造装置。
  4. 前記捻り付加部は、前記素線の長手方向に沿って移動可能な捻り付加本体と、この捻り付加本体に回転可能に設けられ、素線束の貫通を許容する孔を有する回転体と、この回転体に設けた素線束把持爪とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回転電機の転位コイルの製造装置。
  5. 前記素線保持部は、前記素線の長手方向に沿って移動可能な保持部本体と、この保持部本体に上下方向に移動可能に設けたフィンガ取付体と、このフィンガ取付体に回転可能に設けられ、前記素線をそれぞれ保持及び挟持する複数のフィンガとを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回転電機の転位コイルの製造装置。
  6. 前記素線保持部における複数のフィンガは、捻り付加部による素線束の捻り動作に同期して、回動することを特徴とする請求項5に記載の回転電機の転位コイルの製造装置。
  7. 前記レーベル転位成形部は、素線の幅方向及び板厚方向に屈曲成形する成形手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の回転電機の転位コイルの製造装置。
  8. 前記搬送部は、素線の長手方向と直交する方向に配置した無端状の搬送体と、この搬送体に設けた複数の素線保持腕とを備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の回転電機の転位コイルの製造装置。
  9. 平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造方法であって、
    前記転位部を有する複数の素線を、素線保持部によって素線束に形成し、この素線束における前記転位部の一方側を、捻り付加部によって把持した後、前記素線束における前記転位部の他方側を、素線保持部によって素線束における各素線をそれぞれ保持した状態で、捻り付加部によって素線束を捻ることにより、各素線における前記転位部を編み合せたことを特徴とする回転電機の転位コイルの製造方法。
  10. 平角状の外形をもつ素線をその厚さ方向に積層した素線積層体を、その素線の幅方向に並置した断面構成を持ち、素線の転位が行われる転位部が素線の長さ方向に間隔をおいて複数個所に設けられる回転電機の転位コイルの製造方法であって、
    前記転位部を有する複数の素線を、搬送手段によって間隔をもって平行移動させたのち、この転位部を有する複数の素線を、素線保持部によって前記搬送手段上に保持して素線束に形成し、この素線束における前記転位部の一方側を、捻り付加部によって把持した後、前記素線束における前記転位部の他方側を、素線保持部によって素線束における各素線をそれぞれ保持した状態で、捻り付加部によって素線束を捻ることにより、各素線における前記転位部を編み合せたことを特徴とする回転電機の転位コイルの製造方法。
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