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JP2007096218A - 電磁波遮蔽板の製造方法及び表示装置 - Google Patents

電磁波遮蔽板の製造方法及び表示装置 Download PDF

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JP2007096218A JP2005286782A JP2005286782A JP2007096218A JP 2007096218 A JP2007096218 A JP 2007096218A JP 2005286782 A JP2005286782 A JP 2005286782A JP 2005286782 A JP2005286782 A JP 2005286782A JP 2007096218 A JP2007096218 A JP 2007096218A
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Shigemiki Kato
茂幹 加藤
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】接着剤を用いないことで、基材と接着剤との界面の光散乱のない、また高い光線透過率を有し、かつ低コストで簡易な工程で製造でき、高い電磁波遮蔽能を有した電磁波遮蔽シートを提供する。
【解決手段】金属薄膜上に溶融状態の樹脂基材原料を塗工することにより金属薄膜付基材を形成する工程、該金属薄膜をエッチング法によりメッシュ状にパターニングし、メッシュ状金属薄膜を形成する工程、を有する電磁波遮蔽材の製造方法とする。
【選択図】なし

Description

本発明はCRTやプラズマディスプレイパネルなどのディスプレイの表示面に用いる、透明で電磁波遮蔽機能を有し、且つ、多くの機能を付与されている電磁波遮蔽板とその製造方法に関するものである。
近年、電気電子機器の機能高度化と増加利用に伴い、電磁気的なノイズ妨害(EMI)が増えており、CRT、PDP、液晶、ELなどのディスプレイからも発生することが知られている。なかでも、PDPは電極と蛍光層を有するガラスと透明電極を有するガラスとの組合体であり、作動すると電磁波、近赤外線、及び、熱が大量に発生する。通常、電磁波を遮蔽するためにPDPの前面に、電磁波遮蔽シートを含む前面板を設ける。ディスプレイ前面から発生する電磁波の遮蔽性は、30MHz〜1GHzにおける30dB以上の機能が必要である。また、ディスプレイ前面より発生する波長800〜1100nmの近赤外線も、他のVTRなどの機器を誤作動させるので、遮蔽する必要がある。さらに、ディスプレイの表示画像を視認しやすくするため、電磁波遮蔽用の金属メッシュ部分が見えにくく、また、メッシュパターン精度がよくメッシュの乱れがなく、適度な透明性(可視光透過率、可視光透過性)を有することが必要である。さらにまた、PDPは大型化の特徴があり、電磁波遮蔽材もそれに伴い外形寸法を大きくとる必要がある。このため、電磁波を遮蔽し、透明性及び、メッシュ精度に優れ、短い工程で歩留まりがよく安価な電磁波遮蔽用シートの製造方法が望まれている。
従来の電磁波遮蔽材の製造法としては、メッシュを接着剤で被膜する方法(引用文献1)、具材を積層化した後、メッシュをパターンエッチングにより形成する方法(引用文献2)がある。この場合、接着層を用いるため、接着剤自体の光線透過率による電磁波遮蔽材全体の光線透過率の低下や、接着剤と基材との界面で起こる光散乱などにより、光学的な特性が低下することがある。特に、このような電磁波遮蔽材は、金属メッシュ上に、他の機能層または接着層を設けて用いることが多く、その場合、基材と金属メッシュを接着する接着剤と、金属メッシュ上に設ける機能層または接着層との界面で光散乱が起こる可能性もある。そのため、接着剤の光線透過率、上下にくる層との屈折率の関係などを考慮する必要があり、煩雑であった。
また、接着剤を用いない方法として、基材上に金属膜をメッキした後、フォトリソによりメッシュパターン形成する方法(引用文献3)などが挙げられる。しかしこの方法では、メッキ工程に時間と手間がかかり、生産性があまりよくなかった。
また、同じく接着剤を用いない方法として、印刷法により導電性のパターンを形成しする方法も知られているが、導電性塗液の不十分な導電性や、厚膜印刷の困難性により十分な導電性を得ることが難しく、十分な電磁波者平成を得ることが困難であった。
特開平10−41682号公報 特開平11−74687号公報 特開2004−241761号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決し、接着剤を用いないことで、基材と接着剤との界面の光散乱のない、また高い光線透過率を有し、かつ低コストで簡易な工程で製造でき、高い電磁波遮蔽能を有した電磁波遮蔽シートを提供するものである。
請求項1の発明は、金属薄膜上に樹脂基材原料を含む塗布液を塗工することにより金属薄膜付基材を形成する工程、該金属薄膜をエッチング法によりメッシュ状にパターニングし、メッシュ状金属薄膜を形成する工程、を有することを特徴とする電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項2の発明は、前記金属薄膜が黒化処理されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項3の発明は、前記メッシュ状金属薄膜を形成した後に、金属薄膜を黒化処理する工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項4の発明は、前記金属薄膜が銅薄膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項5の発明は、前記メッシュ状金属薄膜上に、被覆層を設ける工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項6の発明は、前記メッシュ状金属薄膜上に、接着層を設ける工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項7の発明は、前記メッシュ状金属薄膜上に、接着層又は被覆層を介して機能層を設ける工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項8の発明は、前記機能層が、導電性、反射防止性、反射低減性、ハードコート性、防眩性、防汚機能、近赤外線吸収機能、紫外線吸収機能、色補正機能、放熱機能、耐衝撃緩衝機能のいずれか1つ以上の機能を有する層であることを特徴とする請求項7に記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項9の発明は、前記被覆層又は接着層に、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、色補正剤のいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法である。
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法によって製造された電磁波遮蔽材を前面に設けてなることを特徴とする表示装置である。
本発明によれば、樹脂基材とメッシュ状金属薄膜層の間に接着剤を用いることがないので、接着剤自体の光線透過率や、接着剤と他の層との界面の光散乱などによる光学特性の低下をすることのない電磁波遮蔽材を提供することができる。また、接着剤の硬化収縮に伴うひずみがないものとなる。
本発明は、金属薄膜上に樹脂基材原料を含む塗布液を塗工することにより、基材と金属薄膜の積層体を形成し、その後金属薄膜をエッチング法を用いて、メッシュ形状にすることにより、基材上にメッシュ状金属薄膜を有する電磁波遮蔽材とすることを特徴とする。
本発明の樹脂基材は、塗工法に適用でき、基材形成後可とう性を有するプラスチックフィルムであればよい。
例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、金属アイオノマー、酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレン−メタクリル共重合体(EMAA)、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル系樹脂、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、共重合系樹脂、アセテート系樹脂、シリカ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート(PC)などのエンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックや硬化性樹脂(電離放射線硬化型、熱硬化型、湿気硬化型等)を挙げることができる。
また、本発明ではエッチング法を用いて金属薄膜をメッシュ形状に形成するので、メッシュ形成工程時を考慮して、耐熱性、耐エッチング性、耐酸性、耐アルカリ性があれば良い。
樹脂基材原料を含む塗布液は、前記樹脂基材の原料となるもの以外に溶剤、希釈剤を含んでいても良く、塗膜厚、塗工速度、乾燥能力等に合わせ、固形分、粘度等を適宜選択するとよい。
また後述のように溶融状態で塗布してもよい。
塗工法としては、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の方法を用いることができる。
樹脂基材原料を含む塗布液の塗工は、例えば図1に示す概略図のような方法で行うことができる。図1では溶融状態の樹脂基材原料がある樹脂基材原料タンク2からダイヘッド1へ樹脂基材原料を送り、ダイヘッド1から吐出した樹脂基材原料を搬送する金属薄膜上に塗布し、必要に応じて冷却あるいは乾燥、さらには電離放射線照射等することにより樹脂基材が固まり、樹脂基材と金属薄膜の積層体を得ることができる。
樹脂基材原料は、例えばペレット形状で樹脂基材原料タンクに供給し、加熱することにより溶融状態にし、樹脂基材原料を含む塗布液として用いることができる。
なお、樹脂の種類、粘度などの特性、樹脂基材の膜厚などにより、ダイヘッド1のスリット幅やその他の形状、塗工の搬送速度などの諸条件を選択、設定することができる。
なお、基材には公知の添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、無機系あるいは有機系のいずれも使用できるが、有機系の紫外線吸収剤が実用的である。有機系の紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よく吸収ものであり、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、オギザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、数種類組み合わせて用いることがより好ましい。また、上記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤、あるいは酸化防止剤をブレンドすることで安定化が向上できる。
帯電防止剤としては、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属化合物や、アンチモン含有複合酸化物やIn−Sn複合酸化物、リン系化合物などの複合金属化合物、第四級アンモニウム塩、アミンオサイド等のアミン誘導体、ポリアニリン等の導電性ポリマーなどを用いることができる。
これらの添加剤は、樹脂がペレット形状の状態または溶融状態にある段階で加えればよい。
樹脂基材の厚みは、5〜500μm程度が好ましい。5μm未満だと取扱い性が悪くなり、500μmを越えてもフレキシブル性が無くなり、取扱い性が悪くなる。
金属薄膜のエッチング法を用いてメッシュ形状にパターニングする方法は公知の方法を用いることができる。
金属薄膜としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタン等の金属からなる薄膜、あるいはそれらの2種以上を組み合わせた合金からなる薄膜を使用できる。導電性(電磁波遮蔽性)やメッシュパターン形成の容易さ、価格の点から銅、アルミニウム、ニッケルの薄膜が好ましい。また、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン等の常磁性金属からなる薄膜は、磁性遮蔽性にも優れるため好ましい。
また、エッチング後の透明性を重視すると金属薄膜の塗工面は、出来る限り、光沢面(表面粗さが低い)方が好ましい。但し、接着の観点では、塗工面が粗面である方が、投錨効果で密着が良くなる場合もあり、透明性と密着性を加味し、適宜選択するとよい。
金属薄膜の厚みは、0.5〜40μmの範囲内であることが好ましい。40μmを越えると、細かいラインの形成が困難になったり、視野角が狭くなる。また、厚さ0.5μm未満では表面抵抗が大きくなり、電磁波遮蔽効果が劣る傾向にある。電磁波遮蔽性の観点から、1〜20μmが更に好ましい。
また、本発明の電磁波遮蔽材をディスプレイ用途に用いる場合、予め黒化処理した金属薄膜を用いてもよいし、メッシュ形状の電磁波遮蔽層を形成した後に黒化処理しても良い。後から黒化処理を行うと、メッシュ形状の電磁波遮蔽層の側面も同時に黒化処理できるので好ましい。また、予め黒化処理済の金属薄膜を用い、メッシュ形状を形成した後に再度黒化処理すれば前面黒化処理できるので好ましい。
黒化処理を行うと、ディスプレイのコントラストを向上させることができる。
メッシュ形状の電磁波遮蔽層の形成は、金属薄膜の表面に、マイクロリソグラフ法、スクリーン印刷法、凹版オフセット印刷法等を利用してメッシュ状のエッチングレジストパターンを形成したのち、金属に対し腐食性を有するエッチング液を用いて金属薄膜を選択的にエッチングすることにより、行うことができる。
エッチングレジストパターンの形成に利用されるマイクロリソグラフ法としては、フォトリソグラフ法、X線リソグラフ法、電子線リソグラフ法、イオンビームリソグラフ法などがある。これらの中でも、その簡便性、量産性の点からフォトリソグラフ法が最も効率がよい。なかでもケミカルエッチングを用いたフォトリソグラフ法は、その簡便性、経済性、金属メッシュ加工精度などの点から最も好ましい。
フォトリソグラフ法には、ネガ型、ポジ型のいずれのエッチングレジストも使用することができる。エッチングレジストインキは、硬化物が金属のエッチング処理に対して、耐性を有するものであればよく、一般的に知られている、フォトレジスト組成物、感光性樹脂組成物、熱硬化樹脂組成物がある。
金属薄膜をエッチングする方法としては、ケミカルエッチング法がある。ケミカルエッチング法とは、エッチングレジストで保護された部分以外の金属薄膜をエッチング液で溶解し、除去する方法である。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、アルカリエッチング液等がある。これらの中でも低汚染性で再利用が可能な塩化第二鉄、塩化第二銅の水溶液が好適である。エッチング液の濃度は、金属薄膜の厚みや処理速度にもよるが、通常150〜250g/リットル程度である。また、液温は、40〜80℃の範囲が好ましい。金属薄膜をエッチング液に曝露する方法は、エッチング液中への金属薄膜の浸漬、金属薄膜へのエッチング液のシャワーリング、エッチング液気相中への金属薄膜の曝露などがあるが、エッチング精度の安定性の点から、金属薄膜へのエッチング液のシャワーリングが好ましい。
メッシュ形状の電磁波遮蔽層を構成する単位形状としては、正三角形や二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形(nは正数)、円、だ円、星形等が挙げられる。メッシュの形状は、前記単位形状の1種または2種以上の組合せからなる。メッシュを構成する単位形状は、電磁波シールド性の観点からは、三角形が最も有効であるが、可視光線透過率の観点からはn角形のnが大きいほうが好ましい。
また、メッシュ形状を構成するラインの幅は40μm以下、ラインの間隔は100μm以上、ラインの厚みは40μm以下の範囲にすることが好ましい。また、非視認性の観点から、ライン幅は25μm以下、可視光線透過率の点からライン間隔は120μm以上、ライン厚みは18μm以下が更に好ましい。ライン幅は40μm以下、特に25μm以下が好ましく、あまりに小さく、細くなると表面抵抗が大きくなりすぎてシールド効果に劣るので、1μm以上が好ましい。ラインの厚みは40μm以下が好ましく、あまりに厚みが薄いと表面抵抗が大きくなりすぎて、シールド効果に劣るので、0.5μm以上が好ましく、1μm以上が更に好ましい。ライン間隔は、大きいほど開口率が向上し、可視光線透過率は向上する。前述のようにディスプレイ前面に使用する場合、開口率は50%以上が好ましいが、60%以上が更に好ましい。ライン間隔が大きくなりすぎると、電磁波遮蔽性が低下する為、ライン間隔は1000μm(1mm)以下とすることが好ましい。ここで開口率とは、電磁波遮蔽層の有効面積に対する、有効面積から電磁波遮蔽層の面積を引いた面積の比の百分率である。
金属薄膜またはメッシュ形状の電磁波遮蔽層表面の黒化処理は、プリント配線板分野で行われている方法により、黒化処理液を用いて行うことができる。メッシュ形状の電磁波遮蔽層表面の上面および横面を黒化処理する。
黒化処理は、例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/リットル)、水酸化ナトリウム(15g/リットル)、燐酸三ナトリウム(12g/リットル)の水溶液中、95℃で2分間処理することにより、行うことができる。
本発明の電磁波遮蔽材のメッシュ状金属薄膜の開口部には、被覆層を設けることにより、開口部を埋め、平坦化することができる。
被覆層としては、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチレン系、シクロオレフィン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などの樹脂を用いることができる。
形成方法はこれらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
また、電磁波遮蔽材のメッシュ状金属薄膜の開口部には前記被覆層ではなく、接着又は粘着層を設けることができる。接着又は粘着層を設けることにより、後述する他の機能層との密着性を向上させることができ、またディスプレイなどの対象物に貼り付けることもできる。
接着又は粘着剤は、一般的なものを用いることができ、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エンジニアリングプラスチック類、スーパーエンジニアリングプラスチック類、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、共重合系樹脂、アセテート系樹脂、シリコン系樹脂、シリカ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、できれば、表面は平滑であり透明性の高い方が好ましい。
また、前記被覆層、接着または粘着層には、後述する近赤外線吸収機能、色補正機能、紫外線吸収機能などの機能を有する材料を含有することができる。
本発明の電磁波遮蔽材には、他の機能層を積層することができる。
機能層としては、導電性、反射防止性、反射低減性、ハードコート性、防眩性、防汚機能、近赤外線吸収機能、紫外線吸収機能、色補正機能、放熱機能、耐衝撃緩衝機能のいずれか1つ以上の機能を有する層である。
機能層は、前記被覆層上に設けても良いし、接着または粘着層上に設けても良いし、被覆層上に接着または粘着剤を介し設けても良い。また、樹脂基材のメッシュ形状の金属薄膜層を設ける側とは反対の側に直接又は、接着または粘着剤を介し設けても良い。
また、機能層が複数層である場合、電磁波遮蔽材の一方の面に積層しても良いし、両面に積層してもかまわない。
ハードコート機能を有する層は、プラズマディスプレイの表面の傷つきを防止するものであり、紫外線硬化型、電子線硬化型、熱硬化型等の樹脂を用いることができるが、それらの作成方法は特に制限を受けない。例えば、種々の(メタ)アクリレート類、光重合開始剤及び必要に応じて有機溶剤を主成分とするコート剤により形成することができる。種々の(メタ)アクリレート類としては、ポリウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、あるいは他の多官能(メタ)アクリレート類を好適に使用することができる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリル酸でエステル化し官能基を(メタ)アクリロイル基としたものであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物、ノボラック型エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物等がある。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを、水酸基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得ることができる。あるいは、ポリオールとポリイソシアネートとを水酸基過剰の条件下に反応させてなる水酸基含有ウレタンプレポリマーを、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得ることもできる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサントリオール、トリメリロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基をもつ(メタ)アクリレート類としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリテート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類としては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。
その他の多官能の(メタ)アクリレート類は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものであり、分子内に3個以上のアクリロイル基を有するものが好ましい。具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロイルキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロイルキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びこれら2種以上の混合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ゲンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜併用することもできる。
また、有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−iso−プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−iso−ブチル等のエステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等のエーテル類、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類が挙げられ、またこれらの2種以上を混合して使用することもできる。
また、上記成分の他、耐摩耗性向上のため、コロイド状金属酸化物、あるいは有機溶剤を分散媒としたシリカゾル等を加えることもできる。
また、ハードコート層は前記塗工液を塗工することにより得られる。
塗工法としては、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の方法を用いることができる。
塗工液を塗工した後、溶剤を乾燥させ、コート剤を架橋硬化せしめることによって形成される。架橋硬化は塗工剤が、紫外線、電子線等の活性エネルギー線硬化型であれば、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。
活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線あるいは、通常20〜2000KeVの電子線加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。このようにして形成される傷つき防止層は、通常1〜50μm、好ましくは3〜20μmの厚みとする。
また熱硬化性の材料を用いている場合は、過熱工程により硬化させることができる。
反射防止又は反射低減機能を有する層は、表面反射を防ぎ、可視光線透過率を上げるとものであり、形成方法に任意の加工方法選択することができ特に制限はない。
例えば、支持体の片面または両面に薄膜の低屈折率層、または屈折率の異なる多層薄膜を形成し薄膜の表面反射光と界面における屈折反射光との光の干渉により反射率を低減する方法等が一般的である。
反射防止又は反射低減層は、光学層単層や組み合わせたものを用いることができ、具体的な層構成の例としては、屈折率1.2〜1.45の低屈折率層単層、屈折率1.7〜2.4の高屈折率層と低屈折率層を交互に組み合わせたものや、屈折率1.5〜1.9の中屈折率層と屈折率1.7〜2.4の高屈折率層と低屈折率層を組み合わせたものなどが挙げられる。
低屈折率層としてはMgF(屈折率:約1.4)、SiO(屈折率:約1.2〜1.5)、LiF(屈折率:約1.4)などの金属化合物や、3NaF・AlF(屈折率:約1.4)、NaAlF(屈折率:約1.33)などの複合金属化合物を用いることができる。
中屈折率層としては、Al(屈折率:約1.65)、MgO(屈折率:約1.63)などの金属化合物やAl−Zr複合酸化物(屈折率:約1.7〜1.85)などの複合金属化合物を用いることができる。
高屈折率層としては、TiO(屈折率:約2.3)、ZrO(屈折率:約2.05)、Nb(屈折率:約2.25)、Ta(屈折率:約2.15)、CeO(屈折率:約2.15)などの金属化合物やIn−Sn複合酸化物(屈折率:約1.7〜1.85)などの複合金属化合物を用いることができる。
これらの光学層は、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法(CVD法)、反応性スパッタリング法、イオンプレーディング法、電気めっき法等、公知の手法用いて形成できる。
また、前述の金属化合物または複合金属化合物からなる粒子をマトリックスに分散させたものを用いても良い。
特に低屈折率層として、MgF、SiO等の低屈折微粒子を紫外線および電子線硬化型樹脂や珪素アルコキシド系のマトリックスに分散させたものを用いることができる。低屈折微粒子は多孔質であると屈折率がより低くなり好ましい。
低屈折率層は、前記低屈折微粒子を含むマトリックスにより形成する場合、低屈折微粒子を含むマトリックスを、膜厚が0.01〜1μmになるように塗工し、必要に応じて、乾燥処理、紫外線照射処理、電子線照射処理を行うことで形成できる。
粒子とマトリックスを用いた光学層とする場合は、塗工法により形成することができる。
塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法を用いることができる。
防眩機能を有する層は、外光を乱反射させることにより視感反射率を低減させ、ギラツキを防止するものである。
例えば樹脂バインダーと微粒子を含む層からなるものなどが挙げられる。
粒子としては、二酸化ケイ素、アクリル、ウレタン、メラミン等の粒径0.1〜10μm程度の微粒子を用いることができる。
樹脂バインダーとしては、アクリル系などの樹脂を用いることができる。
形成方法は樹脂、粒子、溶剤などを含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法を用いることができる。
また、樹脂バインダーにエンボス加工を施すものなどでも良い。
また、これらの粒子を前記ハードコート層に混入したり、前記ハードコート層の表面にエンボス加工しても構わない。
帯電防止機能を有する層としては、公知の材料を用いることができ、例えば、樹脂又はシリカバインダーに導電性の帯電防止剤を混入してなるものが挙げられる。
樹脂バインダーとしては、アクリル系のバインダーを公的に用いることができる。シリカバインダーとしては、RSi(OR)で表される珪素アルコキシド、有機珪素アルコキシドを加水分解して得られるものを用いることができる。
導電性の帯電防止剤としては、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属化合物や、アンチモン含有複合酸化物やIn−Sn複合酸化物、リン系化合物などの複合金属化合物、第四級アンモニウム塩、アミンオサイド等のアミン誘導体、ポリアニリン等の導電性ポリマーなどを用いることができる。
形成方法は樹脂、これらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
なお、これらの帯電防止材料を前記ハードコート層や、防眩層に混入して用いても構わない。
防汚機能を有する層は、表面の汚染を防止するための層で、最表面に設けられるものである。防汚層としては、フッ素系、珪素系化合物やフッ素含有珪素化合物などの防汚性材料を、蒸着法、化学蒸着法(CVD法)などの気相法で形成することができる。また、これらの材料をディッピング法や、ロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いて形成できる。
また、これらの材料を最表面の他の機能層に混入しても構わない。例えば、反射防止層や防眩層のバインダーに混入することにより、防汚機能を持たせても良い。
近赤外線吸収機能を有する層としては、400〜800nmまでの波長領域の透過率が高く、800〜1200nm波長領域の透過率が低いものであればよい。
近赤外線吸収層としては、例えば、樹脂バインダに近赤外線吸収性の色素又は顔料を混入させたものや、In−Sn複合酸化物などの近赤外線吸収性薄膜を用いることができる。
このような近赤外線吸収剤としては、ジイモニウム系、フタロシアニン系、ジチオール金属錯体系、シアニン系、金属錯体系、金属微粉、金属酸化物微粉が挙げられ、樹脂も含めた組み合わせは自在であるが、拮抗作用、相乗作用を見極めて、適宜使用するとよい。
ジイモニウム系化合物としては、例えば下記式(1)で表わされるを選ぶことができる。
前記の式(1)で表わされるジイモニウム系化合物は、近赤外域の遮断が大きく、遮断域も広く、可視域の透過率も高い。
Figure 2007096218
前記式(1)中のR1〜R8の具体例としては、同一または異なって、水素原子、置換もしくは未置換の、アルキル基、ハロゲンアルキル基、シアノアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェニルアルキレン基であり、環A及び環Bは置換基を有していても良い。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素が、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シアノプロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基などが、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが、アリール基としてはフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル基などが、アラルキル基としては、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロフェニル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などが、アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げられる。
X−は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、下記式(2)で表わされるテトラフェニルホウ酸イオン(環Cは置換基を有していても良い)、または下記式(3)で表わされるスルホンイミド(R13及びR14はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、それぞれフルオロアルキル基を示すかそれらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基)などが挙げられる。ただし、本発明では上記で挙げたものに限定されるものではない。これらの一部は市販品として入手可能であり、例えば日本化薬社製KayasorbIRG−068、日本カーリット社製CIR−RL等を好適に用いることができる。
Figure 2007096218
Figure 2007096218
ジチオ−ル系化合物としては、下記式(4)で表わされる化合物などが好適に用いることができる。
Figure 2007096218
前記の式(4)中のR9〜R12の具体例としては、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シアノプロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロフェニル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などのアラルキル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基などのアミノ基が挙げられる。
また、市販品として、みどり化学社製MIR‐101等が好適に用いることができる。
上記近赤外線遮断剤は一例であり、これらに限定されるものではない。
また、フタロシアニン系化合物としては、例えば、日本触媒社製Excolor IR−1、IR−2、IR−3、IR−4、TXEX−805K、TXEX−809K、TXEX−810K、TXEX−811K、TXEX−812Kなどを好適に用いることができる。上記近赤外線遮断剤は一例であり、これらに限定されるものではない。
また、シアニン系化合物としては、例えば、日本化薬社製CY17、住友精化社製SD50、林原生物化学研究所社製NK−5706などを好適に用いることができる。上記近赤外線遮断剤は一例であり、これらに限定されるものではない。
また、樹脂バインダとしては、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチレン系、シクロオレフィン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などの樹脂を用いることができる。
形成方法はこれらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
また、近赤外線吸収剤を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して用いても構わない。
紫外線吸収機能を有する層としては、400nm以下の波長の紫外線を効率よく吸収できるものであり、350nmの波長を80%以上吸収できるものが好ましい。紫外線吸収層としては、紫外線吸収剤を樹脂バインダー中に混入したものなどが挙げられる。
樹脂バインダーとしては、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチレン系、シクロオレフィン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などを使用できる。
紫外線吸収剤としては、無機系あるいは有機系のいずれも使用できるが、有機系の紫外線吸収剤が実用的である。有機系の紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よく吸収ものであり、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、オギザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、数種類組み合わせて用いることがより好ましい。また、上記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤、あるいは酸化防止剤をブレンドすることで安定化が向上できる。また、紫外線吸収剤を含有する(練り込み等)プラスチックフィルムを基材として使用することで、紫外線吸収剤層の代替とすることもできる。
形成方法はこれらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
また、紫外線吸収剤を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して用いても構わない。また、近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を両方混入させても良い。
色補正機能を有する層は、表示色の色バランスを補正するためのものであり、例えばプラズマディスプレイにおける、ネオン等からでる波長580〜610nmのオレンジ光をカットするものなどが挙げられる。
樹脂バインダーとしては、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチレン系、シクロオレフィン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などを使用できる。
色補正用色素としては、用途によって様々なものを用いることができるが、シアニン(ポリメチン)系、キノン系、アゾ系、インジゴ系、ポリエン系、スピロ系、ポルフィリン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、シアニン系等の色素が挙げられるがこれに限られたものではない。また、プラズマディスプレイにおける、ネオン等からでる波長580〜610nmのオレンジ光をカットする目的であれば、シアニン系、ポルフィリン系、ピロメテン系などを用いることができる。
形成方法はこれらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
また、色補正用色素を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して用いても構わない。また、近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を両方混入させても良い。
また、本発明ではニュートラルグレーのNDフィルター機能を有する層を設けても良い。
NDフィルター層としては、透過率は一般に40〜80%になるような層であれば何でも良く、公知の材料を公知の手法を用いて形成できる。
プラズマディスプレイ、CRT、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような蛍光体を用いる表示装置では、塗布した蛍光体に電子線や紫外線を照射して、蛍光体を発光させ、蛍光面を透過あるいは反射した光により表示を行う。蛍光体は一般に白色で反射率が高いため、蛍光面での外部光の反射が多い。そのため、外部光の写り込みによる表示コントラストの低下問題は、蛍光体を用いる表示装置において、問題になるが、NDフィルター層を設けることで低減できる。
また、機能層として、放熱機能、耐衝撃機能等を有する層を積層することもできる。
本発明で得られた電磁波遮蔽板はディスプレイの前面や窓用フィルムとして用いることができる。特にプラズマディスプレイの前面板として好適に用いることができる。
プラズマディスプレイの前面板として用いる場合、電磁波遮蔽層側を直接プラズマディスプレイの本体の前面に貼り付けることにより設置できる。この際、接着又は粘着剤を用いて貼り合わせても良いし、前記電磁波遮蔽層を接着又は粘着剤に埋め込んでいる場合は、この接着又は粘着剤により貼り合わせることができる。
また、得られた電磁波遮蔽材に接着又は粘着剤を設け、プラズマディスプレイに直接貼り付ける場合において、接着又は粘着剤に添加剤を加えても良い。添加剤としては、近赤外線吸収機能、色補正機能、紫外線吸収機能などの機能を有する材料が挙げられる。
なお、電磁波遮蔽層は、導通部を通し、アースすることが好ましい。具体的には、ディスプレイの大きさに応じた電磁波シールドメッシュを作成し、その端部は電磁波遮蔽層に物理強度を与えるために額縁状にする。そして、その端部の一部から導通をとり、電磁波遮蔽性を確実にすることが好ましい。
10μm厚みの電解銅箔(日本電解製:PBR−10A)に対し、熱可塑性アクリル樹脂(ダイヤナール BR107:三菱レーヨン(株)製)をダイコート法により乾燥膜厚50μmとなるよう塗布した。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス社製)を110℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有のアルカリ水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行い、目的の幾何学図形の電磁波遮蔽材を作成した。
<比較例>
10μmの厚みの電解銅箔(日本電解製:PBR−10A)に対し、ポリオール・ポリイソシアネート2液硬化型接着剤を用いて、100μm厚みのPET基材を貼り合わせ、エージングを行い、接着させた。このとき、銅箔には、電解銅箔を、PETにはA4300(東洋紡績(株)製)を用いた。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス製)を110℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有のアルカリ水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行い、目的の幾何学図形の電磁波遮蔽材を作成した。
<評価>
層数:メッシュ状金属層、接着剤層、基材層等の層の数を比較した。
全光線透過率:濁度計(日本電飾工業(株)製)を用い、作製した電磁波遮蔽材を測定した。
Haze:濁度計(日本電飾工業(株)製)を用い、作製した電磁波遮蔽材を作製した。
Figure 2007096218
表1より、実施例の電磁波遮蔽材は、比較例より層数も少なく、透明性が高いものとなった。
本発明の電磁波遮蔽材における金属薄膜と樹脂基材からなる積層体を塗工法で製造する方法の一例を示した概略図である。 本発明の電磁波遮蔽材の製造過程の一部の一例を示した概略図である。
符号の説明
1 ダイヘッド
2 樹脂基材原料タンク
3 樹脂基材原料を含む塗布液
3’ 樹脂基材
4 金属箔
4’ メッシュ形状金属箔

Claims (10)

  1. 金属薄膜上に樹脂基材原料を含む塗布液を塗工することにより金属薄膜付基材を形成する工程、該金属薄膜をエッチング法によりメッシュ状にパターニングし、メッシュ状金属薄膜を形成する工程、を有することを特徴とする電磁波遮蔽材の製造方法。
  2. 前記金属薄膜が黒化処理されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  3. 前記メッシュ状金属薄膜を形成した後に、金属薄膜を黒化処理する工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  4. 前記金属薄膜が銅薄膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  5. 前記メッシュ状金属薄膜上に、被覆層を設ける工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  6. 前記メッシュ状金属薄膜上に、接着層を設ける工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  7. 前記メッシュ状金属薄膜上に、接着層又は被覆層を介して機能層を設ける工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  8. 前記機能層が、導電性、反射防止性、反射低減性、ハードコート性、防眩性、防汚機能、近赤外線吸収機能、紫外線吸収機能、色補正機能、放熱機能、耐衝撃緩衝機能のいずれか1つ以上の機能を有する層であることを特徴とする請求項7に記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  9. 前記被覆層又は接着層に、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、色補正剤のいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の電磁波遮蔽材の製造方法によって製造された電磁波遮蔽材を前面に設けてなることを特徴とする表示装置。
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