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JP2007084738A - 共重合体ラテックス、印刷紙塗被用塗料組成物、及び印刷用塗工紙 - Google Patents

共重合体ラテックス、印刷紙塗被用塗料組成物、及び印刷用塗工紙 Download PDF

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JP2007084738A JP2005277310A JP2005277310A JP2007084738A JP 2007084738 A JP2007084738 A JP 2007084738A JP 2005277310 A JP2005277310 A JP 2005277310A JP 2005277310 A JP2005277310 A JP 2005277310A JP 2007084738 A JP2007084738 A JP 2007084738A
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Kosuke Nagasaki
浩介 長崎
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】 塗工紙のピック強度を向上させ、更に耐湿潤ベタツキ性に優れてバッキングロール汚れの抑制効果をも有する共重合体ラテックス等を提供する。
【解決手段】 共役ジエン系単量体25〜60質量%、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を必須成分とするエチレン不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、シアン化ビニル単量体10〜30質量%、およびその他共重合可能な単量体3〜63.5質量%から成る単量体を、少なくとも二段以上の工程で乳化重合によって得られる共重合体ラテックスであって、該共重合体ラテックスの粒子表面に存在するカルボン酸量(X)と、水相に存在するカルボン酸量(Y)との関係が、以下の式(1)を満たす塗工紙用の共重合体ラテックス。
0.4<(X)/((X)+(Y))<0.8 ・・・・・(1)
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、紙塗工における顔料バインダーに用いられる共重合体ラテックス、その共重合体ラテックスを使用した印刷塗被紙用組成物及び該印刷塗被紙用組成物が塗工処理された印刷用塗工紙に関するものである。更に詳しくは、高い接着強度(ピック強度)と塗工操業性を有する共重合体ラテックス、印刷塗被紙用組成物及び該印刷塗被紙用組成物が塗工処理された印刷用塗工紙に関するものである。
共重合体ラテックスは、紙塗工における顔料バインダー、カーペットバッキング剤、各種接着剤および粘着剤、繊維結合剤ならびに塗料など広範な用途に用いられてきた。これらの用途に用いられる共重合体ラテックスには、基材や配合される顔料などに対する優れた接着力が要求される。
塗工紙は、抄造された紙の表面の平滑性を高め、光沢や印刷適性を向上させる目的で、原紙にカオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの無機顔料およびプラスチック顔料などの有機顔料を塗布したものであり、これらの顔料のバインダーとしてジエン系共重合体ラテックスが一般的に用いられている。顔料バインダーとして用いられる共重合体ラテックスの性質は、これを利用した塗工紙の表面強度に大きな影響を及ぼすことが知られている。
近年、カラー印刷された雑誌類やパンフレット、広告等の需要の増大に伴い、印刷速度の高速化が進められており、特にインクのタックによる紙の表面の破壊に対する抵抗性(いわゆるピック強度)の改善が以前にも増して要求されるようになった。また、塗工紙を生産する製紙メーカーにとっては、製品のコストダウンが主要課題の1つでもあり、共重合体ラテックスの使用割合を減らす事が要求され、この観点でも共重合体ラテックスの持つ性能としての接着強度(ピック強度)の改善が望まれている。
一方、塗工紙の生産においても、生産能力および生産性の向上のため塗工速度の高速化が進められ、ここでも塗工操業性に影響を与える共重合体ラテックスへの品質要求は高まっている。塗工紙の製造は、先に述べた共重合体ラテックスを主バインダーとする塗工液が、原紙にフラッデドニップロールやジェットファウンテン方式によってアプリケートされ、ブレード等によって余分な塗工液が掻き取られ、塗工液の所定量を塗布し、乾燥するのが一般的な方法である。塗工紙は表裏両面に印刷されることが多く、このため塗工紙の生産では、原紙の片面(おもて面)に塗布乾燥後、もう一方の面(裏面)に同様な方法で処理が行われる。
このブレードによる計量の際に塗工紙はブレードとバッキングロールとの間で高いシェアーと圧力を受け、特に裏面塗工時におもて面の塗工層表層部分がバッキングロールに転移する、いわゆるバッキングロール汚れを発生することがあり、汚れの発生が著しくなると原紙の紙切れや頻繁な研磨によるロール洗浄の必要が生じ、生産性が低下する。この塗工操業性の改良には、ロールへの転移を少なくするためには共重合体ラテックスの粘着性を低減させることが有用である。すなわち、共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性を低減させることが有効である。
以上のような塗工紙の品質向上や塗工紙生産の操業上の問題解決のため、共重合体ラテックスについては様々な改良がなされてきた。例えば、ピック強度を改良する目的で共役ジエン系単量体の組成比率を上げて共重合体のガラス転移温度を低くする方法がある。しかし、この方法では白紙光沢の低下および耐湿潤ベタツキ性が低下する問題点が残る。
以上のような塗工紙の品質や塗工紙の生産に関わる問題のため、共重合体ラテックスについても様々な改良がなされてきた。例えば、特定の単量体組成で二段もしくは多段で重合を行う共重合体ラテックスの改良が多数提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)。しかしながらこれらの発明では、塗工紙のピック強度の向上とバッキングロール汚れ特性の向上を両立させる手段としていずれも不十分なものであった。
特公昭62−58371号公報 特公昭62−31116号公報 特公昭64−2716号公報 特公昭60−19927号公報 特開平4−41502号公報 特開平5−272094号公報 特開平7−247327号公報
本発明は、以上のような状況から、塗工紙のピック強度を向上させ、更に耐湿潤ベタツキ性に優れてバッキングロール汚れの抑制効果をも有する共重合体ラテックスを提供することを課題とする。好ましくは、該共重合体ラテックスを使用した印刷紙塗被用塗料組成物、印刷用塗工紙を提供する事を目的とする。
本発明者は、上述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、共重合体ラテックスに関し、出発原料である単量体組成を特定範囲に限定すると共に多段重合法を行い、かつエチレン系不飽和カルボン酸の粒子表層及び水相への分配に着目し、鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち本発明は、下記の通りである。
[1](a)共役ジエン系単量体25〜60質量%、(b)二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むエチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体10〜30質量%、および(d)その他共重合可能な単量体3〜63.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体を、少なくとも二段の重合工程を経る乳化重合によって得られる共重合体ラテックスであって、
該共重合体ラテックスの粒子表面に存在するカルボン酸量(X)と、水相に存在するカルボン酸量(Y)との関係が、下記式(1)を満たす塗工紙用の共重合体ラテックス。
0.4<(X)/((X)+(Y))<0.8 ・・・・・(1)
[2]前記二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸の少なくとも60質量%以上を、前記重合工程の第二段以降で、系内の単量体の重合転化率が65〜95質量%になった時点から添加を開始し、共重合を行う事により得られる上記[1]記載の塗工紙用共重合体ラテックス。
[3]前記少なくとも二段の重合工程の各重合段において用いられる単量体混合物(但し第二重合段以降で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)から得られる共重合体の溶解度パラメーター(SP値)の、前重合段における値に対する直後の重合段における増分が、0.01以上0.8以下である前記[1]又は[2]に記載の塗工紙用共重合体ラテックス。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の共重合体ラテックスを含有する印刷紙塗被用塗料組成物。
[5]前記[4]に記載の印刷紙塗被用組成物が、表面に塗工処理された印刷用塗工紙。
本発明の共重合体ラテックスによれば、塗工紙のピック強度向上と耐湿潤ベタツキ性低減の両立が図れる。その結果、共重合体ラテックスを含む印刷紙塗被用塗料組成物を用いた塗工工程での操業性、特にバッキングロール汚れトラブルを抑制でき、かつ印刷用塗工紙に極めて優れたピック強度を付与できる。
以下、本発明について、特にその好ましい実施の形態を中心に、具体的に説明する。
共重合体ラテックスの原料の1つである(a)共役ジエン系単量体は、共重合体に柔軟性を与え、ピック強度、衝撃吸収性を与えるために必須の成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、25〜60質量%、好ましくは30〜55質量%、最も好ましくは32〜50質量%の割合で用いられる。この単量体の使用量を上記範囲に設定する事により、共重合体に適度の柔軟性と弾性を付与してピック強度を向上させ、更には耐湿潤ベタツキ性を向上させる事ができる。使用される共役ジエン系単量体の好ましい例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いられる。
また、原料の1つである(b)二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を必須成分とするエチレン系不飽和カルボン酸単量体は、共重合体ラテックスに必要な分散安定性を与え、ピック強度を高めるための必須成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、全単量体に対し1.5〜7質量%、好ましくは2〜6質量%、更に好ましくは2.5〜5質量%の割合で用いられる。この単量体の使用量を上記範囲に設定する事により、共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性を良好(べたつかない)に保つ事が可能になり、塗工工程におけるさまざまな問題発生を回避する事ができる。また共重合体ラテックスの粘度を取り扱いに支障をきたさない適度な範囲に調整する事が可能である。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体の好ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸等の一塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体などがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いられる。
ここで重要な事は、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を必須成分として使用することであり、一塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体との組合せで使用しても構わないが、使用するエチレン系不飽和カルボン酸単量体の全質量に対し、少なくとも40質量%以上、好ましくは50質量%以上、最も好ましくは58質量%以上が二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体であることである。二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用割合をこの範囲に定める事により、耐湿潤ベタツキ性を良好なレベルに調整する事が可能になる。
また、原料の1つである(c)シアン化ビニル単量体は、耐湿潤ベタツキ性の向上に必須の成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、全単量体に対し10〜30質量%、好ましくは13〜25質量%、更に好ましくは15〜22質量%の割合で用いられる。この単量体の使用量を上記範囲に設定する事により、耐湿潤ベタツキ性を向上させる効果が得られ、かつ共重合体ラテックスの重合安定性を低下させる事がない。シアン化ビニル単量体の好ましい例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いられる。
また、他の原料として(d)上記単量体と共重合可能な他の単量体を含む。この共重合可能な他の単量体を適宜選択することにより、共重合体ラテックスにさまざまな特性を付与できる。共重合可能な他の単量体の好ましい例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシアルキルエステル類、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノアルキルエステル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのピリジン類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、グリシジルメタクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド類、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、p−スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩などがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いればよい。
この(d)共重合可能な単量体は、共重合体ラテックスを構成する全単量体を100質量%とした場合、全単量体に対し3〜63.5質量%、好ましくは23〜50.5質量%の割合で用いられる。この単量体を上記範囲で使用する事で、好適な接着強度が発現する。
共重合体ラテックスは、その原料の1つとして使用されるエチレン系不飽和カルボン酸単量体に関して、共重合体ラテックス中で粒子表面に結合して存在する量(X)と、水相中に存在する量(Y)との比が特定の範囲に入る事が必要である。即ち、(X)と(Y)に関して下記式(1)を満たす事が必要である。
0.4<(X)/((X)+(Y))<0.8 ・・・・・(1)
尚、(X)、(Y)の値は共重合体ラテックスの固形分1g当たりの酸量(meq/g)を示している。ここで、固形分とは、共重合体ラテックスから水及びその他揮発成分を除去した残りの成分をいう。
上記式を満たす事により、共重合体ラテックスは耐湿潤ベタツキ性について良好な性能を有し、かつ該共重合体ラテックスを使用した印刷紙塗被用塗料組成物は良好な塗工操業性を有する事が可能になる。(X)/((X)+(Y))の値は好ましくは0.53以上0.76以下の範囲に入ることである。この(X)/((X)+(Y))の値は、原材料として使用するエチレン系不飽和カルボン酸単量体の種類と量、重合開始剤量や連鎖移動剤量の調整による重合反応速度の制御、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の添加方法等の手段により、適宜所望の範囲に調整する事が可能である。
共重合体ラテックスのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、塗工紙用途におけるピック強度とラテックスの耐湿潤ベタツキ性を両立させる観点から、−20℃〜+40℃、好ましくは−15℃〜+35℃、より好ましくは−10〜+30℃の範囲にあることである。Tgは1種類の共重合体ラテックスにおいて1点だけに限定されず、複数のTgを有していても良い。
共重合体ラテックスの粒子径は50〜150nmであることが好ましい。より好ましくは60〜110nmにあることが好適である。この範囲の粒子径に設定する事により、ラテックスの粘度を好適な範囲に調整する事が可能であり、作業性を低下せしめない。更には、ピック強度の低下や塗料粘度上昇発生を抑制させる事ができる。
共重合体ラテックスについては、共重合体中のゲル分率(トルエン不溶分)が70〜98質量%に有ることが好ましく、更に好ましくは80〜97質量%、最も好ましくは88〜96質量%の範囲にあることである。この範囲にゲル分率を調整する事によって、ラテックスの耐湿潤ベタツキ性と塗工紙のピック強度を同時に向上させる事ができる。
共重合体ラテックスの製造法は、従来商業的に用いられている乳化重合法の装置を使用して行われるものであるが、少なくとも二段の重合工程を含む多段重合法を取る事が必要であり、これにより目的の課題が達成される。多段重合法とは、例えば特開2002−226524号公報に開示されている如く、組成の異なる複数の単量体混合物を準備し、重合反応の進行に伴って系内に添加する単量体混合物の組成を、重合反応の途中で変化させる重合法である。
共重合体ラテックスを得る為には、多段重合を行うに当たり、各重合段の単量体混合物の組成が重要である。重合反応における時系列的な観点で整理した場合、最初の工程を第一重合段、これに続く工程を第二重合段、(更にこれに続く第三重合段以降が存在しても良い)と定義した場合に、各重合段における単量体混合物から得られる共重合体のガラス転移温度については、より後段の重合段ほど高いTgの得られる単量体混合物の組成にする事が望ましい。また第一重合段で用いる単量体混合物の量と、第二重合段以降の各重合段で用いられる単量体混合物合計量との重量比は、40:60〜80:20の範囲に入る事が好ましく、より好ましくは45:55〜65:35の範囲に入る事である。この範囲に入ることで共重合体ラテックスのピック強度と耐湿潤ベタツキ性を高める事ができる。最も好ましい範囲は、55:45〜62:38の範囲である。
また、各重合段において用いられる単量体混合物(但し第二重合段以降で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)から得られる共重合体の溶解度パラメーター(SP値)に関して、ある重合段で用いられる単量体混合物組成から得られる共重合体のSP値を基準として、その重合段の直後の重合段で用いられる単量体混合物組成から得られる共重合体のSP値の増分(以下ΔSP値と定義する。)が0.01以上0.8以下の範囲に入る様、各重合重合段の単量体混合物組成が調整される事が好ましい。つまり、隣接する重合段の各SP値がこの差を有していることが好ましい。このΔSP値が0.01以上0.8以下の範囲に入る事によって、耐湿潤ベタツキ性とピック強度の双方に優れる共重合体ラテックスが得られる。ΔSP値のより好ましい範囲は、0.1以上0.6以下、更に好ましい範囲は0.2以上0.4以下である。各重合段のSP値の調整は、単量体混合物を構成する単量体の種類と量で実施可能であるが、特に、SP値が低い(a)共役ジエン系単量体と、SP値が高い(c)シアン化ビニル単量体の使用量割合が重要な因子である。
更に、カルボン酸の使用方法をある特定の条件下に限定することが好ましい。前述の様に、出発原料として二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を使用する事が必須条件であるが、この二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体については、重合開始時点で系内に存在する量と重合開始後に系内に後添加する量との比、および系内に後添加するタイミングが重要である。
即ち、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体量の少なくとも60質量%以上は、第二重合段以降で、かつその時点までに系内に添加された単量体の重合転化率が65〜95質量%の範囲になった時点から系内に後添加を開始する事が好ましく、この条件が満たされる事によって、得られる共重合体ラテックスは良好な耐湿潤ベタツキ性を有し、この共重合体ラテックスを使用した印刷紙塗被用塗料組成物は良好な塗工操業性を有する。また二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応転化率を適性な範囲まで引き上げる事が同時に可能となる。系内に後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体量割合のより好ましい範囲は80質量%以上であり、最も好ましくは90質量%以上である。この工程で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の量は、使用する全単量体を100質量部とした場合に、1.5〜3.5質量部に入る事が好ましい。系内に後添加する二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の割合、及び量がこの範囲にはいる事で、共重合体ラテックスは高い耐湿潤ベタツキ性を有する。
後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の系内への後添加開始時期は、その時点までに系内に添加された他の単量体の重合転化率が70〜90質量%になった時点から、系内に後添加開始される事がより好ましい。
系内に後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の例としては、イタコン酸、フマル酸等が挙げられるが、得られる共重合体ラテックスのピック強度の観点から、イタコン酸が最も好ましい。また、後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の添加方法については、第二重合段以降の単量体混合物中に(必要なら予め乳化して)混合する方法、単量体混合物とは別途、単独で系内に添加する方法等があるが、得られる共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性を良好なレベルにする為には、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を単独で水溶液化し、他の単量体混合物とは別途独立して系内に添加する事が好ましい。後添加する二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の水溶液濃度は5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%の範囲にあることが、量産設備での効率を考慮すると好ましい。また系内に添加される前に二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の変質や重合を抑制し、系内に添加された後の系内の温度を安定化させる為には、この水溶液の温度は、30〜80℃、好ましくは40〜65℃の範囲にある事が好ましい。
系内に後添加する二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の添加に要する時間は、後添加開始から45〜120分をかけて全量を系内に添加する事が好ましく、この範囲の時間で系内に後添加することにより、得られる共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性が優れる。
共重合体ラテックスを製造するに当たっては、上述した特定の方法以外については特に制限はなく、水性媒体中で界面活性剤の存在下、ラジカル開始剤により重合を行うなどの方法を用いることができる。
使用する乳化剤についても特に制限はなく、従来公知のアニオン、カチオン、両性および非イオン性の界面活性剤を用いることができる。好ましい界面活性剤の例としては、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤があげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いられる。使用される界面活性剤の量は、単量体100質量部当たり、0.3〜2.0質量部である事が好ましい。
ラジカル開始剤は、熱または還元剤の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤、有機系開始剤のいずれも使用することが可能である。好ましい例としてはペルオキソニ硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などがあり、具体的にはペルオキソニ硫酸カリウム、ペルオキソニ硫酸ナトリウム、ペルオキソニ硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤と組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を用いることもできる。
共重合体ラテックスを製造する場合、ラジカル重合において通常用いられる公知の連鎖移動剤を用いることが可能である。連鎖移動剤の好ましい例としては、核置換α−メチルスチレンのニ量体のひとつであるα−メチルスチレンダイマー、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化誘導体、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどがあげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。連鎖移動剤の添加方法にも特に制限はなく、一括添加、回分添加、連続添加など公知の添加方法が用いられる。
共重合体ラテックスを製造する場合の重合温度は、特に制約はなく、通常40〜100℃の範囲で行う事が一般的であるが、生産効率と、得られる共重合体ラテックスのピック強度等の品質の観点からは、重合開始時から単量体混合物の添加終了時までの期間においては、55〜85℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜80℃の範囲である。また全単量体を重合系内に添加終了後に、各単量体の重合転化率を引き上げる為に、重合温度を上げる方法(いわゆるクッキング工程)を設ける事も可能であり、この工程の重合温度は80〜100℃の範囲にある事が好ましい。
共重合体ラテックスを製造する場合の重合固形分濃度は、生産効率と、乳化重合時の粒子径制御の観点から、35〜60質量%、更に好ましくは40〜50質量%である。ここにいう固形分濃度とは、乾燥により得られた固形分質量の、元の共重合体ラテックス質量に対する割合を言う。
共重合体ラテックスを製造する方法に関しては、乳化重合の系内に各重合段の単量体混合物を添加する手段については特に制約はない。単量体混合物の一部を一括して予め乳化重合系内に仕込み重合した後、残りの単量体混合物を連続的もしくは間欠的に仕込む方法、あるいは単量体混合物を各重合段の最初から連続的または間欠的に仕込む方法を採りうるものであり、これらの重合方法を組み合わせて重合してもよいが、商業生産ベースにおいて、発生する重合熱の除去の観点から、製品の生産性を考慮した場合に、特に第二重合段以降については連続的に系内に添加する方法が好ましい。
共重合体ラテックスには、必要に応じて公知の各種重合調整剤を用いることができる。これらはたとえばpH調整剤、キレート剤などであり、pH調整剤の好ましい例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどがあげられ、キレート剤の好ましい例としてはエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどがあげられる。
共重合体ラテックスの、最終製品としての固形分濃度についても特に制限はなく、通常固形分濃度は30〜60質量%の範囲に希釈もしくは濃縮して調製される。
共重合体ラテックスの製造に際しては、粒子径の調整のため公知のシード重合法を用いることも可能であり、シードを作製後同一反応系内で共重合体ラテックスの重合を行うインターナルシード法、別途作製したシードを用いるエクスターナルシード法などの方法を適宜選択して用いることができる。
共重合体ラテックスには、その効果を損ねない限り、必要に応じて各種添加剤を添加すること、あるいは他のラテックスを混合して用いることが可能であり、例えば分散剤、消泡剤、老化防止剤、耐水化剤、殺菌剤、印刷適性剤、滑剤などを添加すること、アルカリ感応型ラテックス、有機顔料などを混合して用いることもできる。ここで脂肪酸エステルの共重合体からなる滑剤を添加すると効果がより高まる。
次に、前述の共重合体ラテックスを紙塗工用塗料のバインダーとして用いることにより印刷紙塗被用塗料組成物が得られる。これは、通常行われている実施態様で製造することができる。すなわち、分散剤を溶解させた水中に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク等の無機顔料、プラスチックピグメントやバインダーピグメントとして知られる有機顔料、澱粉、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、増粘剤、染料、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、保水剤等の各種添加剤とともに共重合体ラテックスを添加して混合し、均一な分散液(印刷紙塗被用塗料組成物)とする態様である。
ここで、共重合体ラテックスは、紙塗被用組成物を構成する顔料については、その平均粒子径が小さいものを主として用いた場合に、特に顕著なピック強度の改良効果を発現する。即ち、カオリンクレーについては、2μm以下の粒子が84質量%以上であるもの、炭酸カルシウムについては2μm以下の粒子が90質量%以上である顔料を用いる場合に、その効果がより顕著となるのである。
顔料と共重合体ラテックスの使用割合は、組成物の使用目的によって適宜決定することが出来るが、顔料100質量部に対して共重合体ラテックス3〜30質量部用いる事が好ましい。そして、この印刷紙塗被用塗料組成物は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーターなどを用いる通常の方法によって原紙に塗工することができるが、ブレードコーターを用いる事が好ましい。塗工形態も原紙に対し片面、又は表裏の両面に塗工されうるものであり、また片面当たりの塗工回数についても1回であるシングル塗工の他、2回の塗工工程を行ういわゆるダブル塗工に供する事もできる。この場合、共重合体ラテックスはその下塗り用顔料組成物、及び上塗り用顔料組成物のいずれにも用いる事ができる。
次に、前述の印刷紙塗被用組成物を用いて、表面に塗工処理して印刷用塗工紙を得ることができる。この印刷用塗工紙は、オフセット枚葉式印刷用紙、オフセット輪転式印刷用紙、グラビア式印刷用紙、凸版式印刷用紙等の各種印刷用紙及び板紙、ダンボール用紙、包装紙等に好適に用いられるが、特にオフセット枚葉式印刷用紙及びオフセット輪転印刷用紙に用いられる事が望ましい。
更に、上述の共重合体ラテックスは、紙のコーティング剤、カーペットバッキング剤、その他接着剤、各種塗料にも用いる事ができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例の具体的態様に限定されるものではない。
[各物性の評価方法]
(1)ピック強度:
RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク(T&K TOKA社製SDスーパーデラックス50紅B;タック18)(商品名)0.4ccを重ね刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(2)系内に添加された単量体混合物の重合転化率:
反応の任意時間で重合槽から取り出したサンプルを熱風乾燥機中で130℃で1時間乾燥し、乾燥前重量と乾燥後重量から固形分濃度(%)を求める。次に、下記式(2)により重合転化率を求める。
重合転化率(%)=100×(固形分濃度−不揮発分濃度)/揮発分濃度・・・・(2)
ここに、不揮発分濃度とは、サンプル採取時までに反応系内に添加した単量体混合物中の開始剤、乳化剤、カルボン酸などの揮発しない成分の質量割合(%)の合計値であり、揮発分濃度とは、サンプル採取時までに反応系内に添加した単量体混合物中のブタジエン、スチレンなどの揮発成分の質量割合(%)の合計値である。
(3)共重合体ラテックスの粒子径:
動的光散乱法により、光散乱光度計(シーエヌウッド社製、モデル6000)を用いて、初期角度45度−測定角度135度で測定した。
(4)共重合体ラテックスの粒子表面に存在するカルボン酸量、および水相に存在するカルボン酸量:
○共重合体ラテックスの粒子表面および水相に存在するカルボン酸の合計量
固形分濃度既知の共重合体ラテックス5gを秤量し、蒸留水を添加して総量が50gになるように希釈する。この希釈された共重合体ラテックスを、自動滴定装置(平沼産業社製:COM−980)にセットし、攪拌を開始する。次いで共重合体ラテックスのpHが2以下になるまで、1規定の硫酸を添加する(この操作により、過硫酸塩等の強酸の影響が排除され、エチレン系不飽和カルボン酸の量だけを検出する事が可能になる)。次いで0.5規定の水酸化カリウム水溶液を用いて電位差滴定を行い、滴定値に対する電位の値をプロットし、2つの変曲点間の滴定量から、共重合体ラテックスの固形分1g当たりの酸量(meq/g)を算出する。この値を(Z)とする。
○共重合体ラテックスの粒子表面に存在するカルボン酸量
初めに共重合体ラテックスの水相に含まれる水以外の成分(以下、水相成分)を除去する操作を行う。固形分濃度既知の共重合体ラテックスの適量を秤量し、ノニオン系界面活性剤(日本乳化剤社製:ニューコール506)(商品名)の1%水溶液を添加して、共重合体ラテックスの固形分濃度が5%になるまで希釈する。遠心分離機(日立工機社製:CR26H)を使用し、26,000rpmで2時間、遠心分離を行い、共重合体ラテックスの粒子層と水相とに分離する。この操作で沈降した成分を採取し、上記のノニオン系界面活性剤水溶液を添加し、振とう機で再分散させる。尚、3回目の再分散には、ノニオン系界面活性剤水溶液ではなく、蒸留水を用いて行う。水相成分が除去され、再分散されたラテックスに、イオン交換樹脂(三菱化成製:DIAION SK1B)(商品名)を5g添加し5分間攪拌したのち、濾過にてイオン交換樹脂を除去する。この操作(イオン交換樹脂添加/除去)を、共重合体ラテックスのpHが変化しなくなるまで繰返し、前述の遠心分離/再分散の処理、及びイオン交換の処理により、元の共重合体ラテックス中の水相成分が完全に除去されて再分散された共重合体ラテックスが得られる。得られたこの共重合体ラテックスの固形分濃度を測定しておく。
続いて上記処理により得られた共重合体ラテックス15gを秤量し、蒸留水を用いて総量が50gになるよう希釈する。これを自動滴定装置(平沼産業社製:COM−980)にセットし、攪拌を開始し、0.1規定の水酸化カリウム水溶液を使用して電導度滴定を行う。滴定量の増加に従って電位が上昇し始める点が存在するが、この点までに添加された水酸化カリウム水溶液の量から、共重合体ラテックスの表面に存在する酸量が求まり、共重合体ラテックスの固形分1g当たりの酸量(meq/g)が求まる。これを(Xa)とする。
次いで上記測定とは別に、同じく水相成分を除去して得られた固形分濃度既知の共重合体ラテックス15gを秤量し、蒸留水を用いて総量が50gになるよう希釈する。これを自動滴定装置(平沼産業社製:COM−980)にセットし、攪拌を開始し、0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて電位差滴定を行う。水酸化ナトリウムの添加量に応じて電位が変化し、この変曲点を終点とする。終点までに要した水酸化ナトリウム量から、共重合体ラテックスの表面に存在する強酸の量が求まり、(meq/g)、これを(Xb)とするが、この値はエチレン系不飽和カルボン酸単量体に由来するものではなく、共重合に際し使用された過硫酸塩等によるものである。
従って、共重合体ラテックスの粒子表面に存在するカルボン酸量(X)は前述の(Xa)から(Xb)を差し引いた値であり、水相に存在するカルボン酸量(Y)は、(Z)から(X)を差し引いた値を指す。
(5)共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性:
共重合体ラテックスを、No.12のワイヤーバーでマイラーフィルムに塗布して130℃で30秒乾燥した。このフィルムを30℃の水中に5秒間浸漬させた後、黒ラシャ紙と重ね合わせ、温度60℃、線圧19600N/mのスーパーカレンダーを通過させた後、黒ラシャ紙を剥離する。この黒ラシャ紙繊維のラテックスフィルムのベタツキによる転移状態を目視評価した。評価は10点評価法で行ない、転移の少ないものほど高得点とした。
(6)共重合体ラテックスのゲル分率:
2倍に希釈したラテックスを130℃で30分間乾燥しラテックスフィルムを得る。このラテックスフィルムを0.5gとり秤量する。これをトルエン30mlと混合して3時間浸透したのち、目開き32μmの金属網にてろ過した場合の残留物の乾燥質量を秤量する。もとのラテックスフィルム質量に対する残留物の乾燥質量の割合をゲル分率(質量%)とする。
(7)各重合段における単量体混合物から得られる共重合体のSP値:
Robert F.Fedorsが規定する方法により、各々の単量体化合物構造と単量体組成から算出した。(POLYMER ENGINNEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,147−154page参照)
(8)共重合体ラテックスの粘度:
ラテックスの固形分濃度を50%に調整し、B型粘度計を用いて25℃の環境下で測定した。
(9)二塩基酸の最終反応転化率:
共重合体ラテックス中に残留する各二塩基酸の量を液体クロマトグラフィーを用いて測定し、原料としての使用量との対比で算出した。
[実施例1]
耐圧反応容器に重合初期の原料として水118質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.45質量部、α―メチルスチレンダイマー0.4質量部、およびフマル酸0.1質量部を含む重合初期原料を一括して仕込み、65℃にて十分に攪拌した。次いで、第一重合段用として調製しておいたスチレン20.69質量部、ブタジエン25質量部、メタクリル酸メチル1.66質量部、アクリロニトリル8.32質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.83質量部、アクリル酸0.83質量部、メタアクリル酸0.07質量部、t−ドデシルメルカプタン0.03質量部、α―メチルスチレンダイマー0.83質量部から成る単量体混合物の内、14質量%をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.6質量部を耐圧容器内に添加して重合反応を開始させた。この時点から15分後、残りの第一重合段用の単量体混合物をこの耐圧容器内に添加開始し、3時間20分で連続的に添加を行った。一方、この残りの第一重合段用の単量体混合物の添加と同時に、水17質量部、水酸化ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.7質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム0.6質量部からなる水系混合物の添加を開始し、3時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。
第一重合段用の単量体混合物の添加が終了した時点で、直ちに第二重合段用の単量体混合物の添加を開始した。この第二重合段用の単量体混合物は、スチレン16.6質量部、ブタジエン14質量部、メタクリル酸メチル1.34質量部、アクリロニトリル6.68質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.67質量部、アクリル酸0.67質量部、メタアクリル酸0.04質量部、t−ドデシルメルカプタン0.02質量部、α―メチルスチレンダイマー0.67質量部から成るものであり、2時間で連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
第二重合段の単量体混合物の添加開始時期から30分後に、水14質量部、イタコン酸2.5質量部からなる50℃のイタコン酸水溶液について、この耐圧容器への添加を開始し、1時間かけて全量を添加した。イタコン酸水溶液の添加開始時点での、容器内の単量体混合物の重合転化率は、70.2質量%であった。
第二重合段の単量体混合物の添加終了後、耐圧容器内の温度を95℃に昇温させ、1時間30分間重合反応を継続させて各単量体の重合転化率を高めた。後添加したイタコン酸の最終的な反応転化率は、98.5%であった。
この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8.0に調整し、最後に固形分濃度を50質量%に調整した。この共重合体ラテックスを325メッシュのフィルターを通過させて濾過し、各物性評価に用いた。この共重合体ラテックスをAとする。共重合体ラテックスAの各物性の評価結果を表1に記載した。優れた耐湿潤ベタツキ性が得られた。
次に、この共重合体ラテックスAと以下の構成材料とを使用し、均一に混合して印刷紙塗被用組成物を調製した。尚、以下の配合(質量部)は、水を除いて、全て固形分に換算した値である。
微粒カオリンクレー 50質量部
粗粒カオリンクレー 20質量部
重質炭酸カルシウム(微粒) 20質量部
重質炭酸カルシウム(粗粒) 10質量部
ポリアクリル酸ナトリウム 0.2質量部
水酸化ナトリウム 0.1質量部
リン酸エステル化でんぷん 2.5質量部
共重合体ラテックスA 9質量部
水(塗工液の全固形分濃度が68質量%となるように添加)
なお、微粒カオリンクレーとしては、ハイドラグロス90(米国、J.M.HUBER社製;粒子径2μm以下の割合=96質量%以上)(商品名)、粗粒カオリンクレーとしては、ハイドラスパース(米国、J.M.HUBER社製;粒子径2μm以下の割合=80〜82質量%)(商品名)、微粒重質炭酸カルシウムとしてはカービタル95(ECC社製;粒子径2μm以下の割合=95質量%以上)(商品名)、粗粒重質炭酸カルシウムとしてはカービタル75(ECC社製;粒子径2μm以下の割合=75〜80質量%)(商品名)、ポリアクリル酸ナトリウムとしてはアロンT−40(東亞合成社製)(商品名)およびリン酸エステル化でんぷんとしてはMS−4600(日本食品加工社製)(商品名)をそれぞれ使用した。
次に、このようにして得られた印刷紙塗被用組成物を、塗工量が片面13g/m2になるように坪量74g/m2の塗工原紙にブレードコーターで塗工し、乾燥した後、ロール温度50℃、線圧150kg/cmでスーパーカレンダー処理を行い塗工紙を得た。得られた塗工紙を印刷試験に用いた。この塗工紙のピック強度を評価した。結果を表1に記載した。優れたピック強度が得られ、優れた耐湿潤ベタツキ性と両立させることができた。
[実施例2]
実施例1と同一の耐圧反応容器に、重合初期の原料として水90質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.15質量部、及びα―メチルスチレンダイマー0.4質量部を含む重合初期原料を一括して仕込み、75℃にて十分に攪拌した。次いで、第一重合段用として調製しておいたスチレン13.3質量部、ブタジエン34.44質量部、メタクリル酸メチル1.15質量部、アクリロニトリル8.04質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.57質量部、t−ドデシルメルカプタン0.23質量部、α―メチルスチレンダイマー0.57質量部から成る単量体混合物の内、17質量%をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.3質量部を耐圧容器内に添加して重合反応を開始させた。この時点から15分後、残りの第一重合段用の単量体混合物をこの耐圧容器内に添加開始し、3時間20分で連続的に添加を行った。一方、この残りの第一重合段用の単量体混合物の添加と同時に、水17質量部、水酸化ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.6質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム1.1質量部からなる水系混合物の添加を開始し、4時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。
第一重合段用の単量体混合物の添加が終了した時点から、1時間後に耐圧容器内の温度を80℃に昇温させ、第二重合段用の単量体混合物の添加を開始した。この系においては、第一重合段と第二重合段との間に、系内に単量体を添加しないインターバル時間を設け、第一重合段の重合転化率を高めた。この第二重合段用の単量体混合物は、スチレン18.82質量部、ブタジエン11.2質量部、メタクリル酸メチル1.89質量部、アクリロニトリル7.15質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.94質量部、t−ドデシルメルカプタン0.2質量部、α―メチルスチレンダイマー0.8質量部から成るものであり、2時間で連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
一方第二重合段の単量体混合物の添加開始時点と同時に、水14質量部、イタコン酸2.5質量部からなる、50℃のイタコン酸水溶液について、この耐圧容器への添加を開始し、1時間かけて全量を添加した。添加開始時点での容器内の単量体混合物の重合転化率は、89.6質量%であった。
第二重合段の単量体混合物の添加終了後、耐圧容器内の温度を95℃に昇温させ、1時間30分間重合反応を継続させて各単量体の重合転化率を高めた。後添加したイタコン酸の最終的な反応転化率は、95.0%であった。
この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8,0に調整し、最後に固形分濃度を50質量%に調整した。この共重合体ラテックスを325メッシュのフィルターを通過させて濾過し、各物性評価に用いた。この共重合体ラテックスをBとする。共重合体ラテックスBの各物性の評価結果を表1に記載した。優れた耐湿潤ベタツキ性が得られた。
次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスBを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表1に記載した。優れたピック強度が得られ、優れた耐湿潤ベタツキ性と両立させることができた。
[実施例3]
実施例1と同一の耐圧反応容器に、重合初期の原料として水118質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.45質量部、α―メチルスチレンダイマー0.4質量部、および平均粒子径15nmのポリスチレン系共重合体のシードラテックス0.5質量部を含む重合初期原料を一括して仕込み、60℃にて十分に攪拌した。次いで、第一重合段用として調製しておいたスチレン13.72質量部、ブタジエン23.68質量部、メタクリル酸メチル1.59質量部、アクリロニトリル15.9質量部、ヒドロキシエチルアクリレート1.59質量部、t−ドデシルメルカプタン0.05質量部、α―メチルスチレンダイマー0.53質量部、アクリル酸0.87質量部、メタクリル酸0.05質量部から成る単量体混合物の内、8質量%をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.6質量部を耐圧容器内に添加して重合反応を開始させた。この時点から15分後、残りの第一重合段用の単量体混合物をこの耐圧容器内に添加開始し、3時間20分で連続的に添加を行った。一方、この残りの第一重合段用の単量体混合物の添加からと同時に、水17質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.7質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム0.4質量部からなる水系混合物の添加を開始し、3時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。
第一重合段用の単量体混合物の添加が終了した時点から、耐圧容器内の温度を65℃に昇温させ、第二重合段用の単量体混合物の添加を開始した。この第二重合段用の単量体混合物は、スチレン18質量部、ブタジエン10.08質量部、メタクリル酸メチル1.41質量部、アクリロニトリル8.27質量部、ヒドロキシエチルアクリレート1.41質量部、t−ドデシルメルカプタン0.05質量部、α―メチルスチレンダイマー0.47質量部から成るものであり、2時間で連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
一方第二重合段の単量体混合物の添加開始時点から30分後に、水14質量部、イタコン酸2.5質量部からなる、55℃のイタコン酸水溶液について、この耐圧容器への添加を開始し、1時間かけて全量を添加した。イタコン酸水溶液添加開始時点での、容器内の単量体混合物の重合転化率は、71.6質量%であった。
第二重合段の単量体混合物の添加終了後、耐圧容器内の温度を95℃に昇温させ、1時間30分間重合反応を継続させて各単量体の重合転化率を高めた。後添加したイタコン酸の最終的な反応転化率は、98.8%であった。
この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8,0に調整し、最後に固形分濃度を50質量%に調整した。この共重合体ラテックスを325メッシュのフィルターを通過させて濾過し、各物性評価に用いた。この共重合体ラテックスをCとする。共重合体ラテックスCの各物性の評価結果を表1に記載した。
次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスCを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表1に記載した。優れたピック強度が得られ、優れた耐湿潤ベタツキ性と両立させることができた。
[実施例4]
各工程の原料組成、重合温度、後添加する二塩基性不飽和カルボン酸の量と種類、後添加する二塩基性不飽和カルボン酸の開始時点での他の単量体の重合転化率を表1に示す通りに変更する以外は、実施例1と全く同様の方法で共重合体ラテックスDを得た。共重合体ラテックスDの各物性の評価結果を表1に記載した。次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスDを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表1に記載した。
[実施例5]
各工程の原料組成、重合温度、後添加する二塩基性不飽和カルボン酸の量と種類、後添加する二塩基性不飽和カルボン酸の開始時点での他の単量体の重合転化率を表1に示す通りに変更する以外は、実施例2と全く同様の方法で共重合体ラテックスEを得た。共重合体ラテックスEの各物性の評価結果を表1に記載した。次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスEを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表1に記載した。
[実施例6〜8]
各工程の原料組成を表2に示す通りに変更する事以外は、実施例1と全く同様の方法で、それぞれ共重合体ラテックスF、G、Hを得た。共重合体ラテックスF、G、Hの各物性の評価結果を表2に記載した。次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスF、G、Hを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表2に記載した。
[実施例9、10]
各工程の原料組成、重合温度を表2に示す通りに変更する事以外は、実施例2と全く同様の方法で、それぞれ共重合体ラテックスI、Jを得た。共重合体ラテックスI、Jの各物性の評価結果を表2に記載した。次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスI、Jを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表2に記載した。
[比較例1]
耐圧容器(重合反応系)内に後添加するイタコン酸水溶液の添加開始時期に関して、第二重合段の単量体混合物の添加開始時期から60分後に変更した結果、(X)/((X)+(Y))=0.32に変更した事以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、共重合体ラテックスKを得た。共重合体ラテックスKの各物性の評価結果を表3に記載した。耐湿潤ベタツキ性が劣る結果となった。
次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスKを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。
[比較例2]
表3に記載した如く、イタコン酸の使用方法に関し変更した結果、(X)/((X)+(Y))=0.82に変更した以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、共重合体ラテックスLを得た。共重合体ラテックスLの各物性の評価結果を表3に記載した。耐湿潤ベタツキ性が劣る結果となった。
次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスLを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。ピック強度も劣る結果となった。
[比較例3]
耐圧容器(重合反応系)内に後添加するイタコン酸水溶液の添加開始時期を、第二重合段の単量体混合物の添加開始時期と同時期に変更した結果、(X)/((X)+(Y))=0.94に変更した事以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、共重合体ラテックスMを得た。共重合体ラテックスMの各物性の評価結果を表3に記載した。耐湿潤ベタツキ性が劣る結果となった。
次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスMを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。ピック強度も劣る結果となった。
[比較例4]
第一重合段の単量体混合物の添加と同時に添加を開始する、水系混合物中のペルオキソ二硫酸ナトリウム量に関して、1.3質量部と変更した結果、(X)/((X)+(Y))=0.34に変更した事以外は全て実施例2と同様の操作を行い、共重合体ラテックスNを得た。共重合体ラテックスMの各物性の評価結果を表3に記載した。耐湿潤ベタツキ性が劣る結果となった。
次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスMを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。ピック強度も劣る結果となった。
[比較例5]
表3に記載の如く、各重合段の単量体混合物組成を変更した結果、(X)/((X)+(Y))=0.27に変更した事以外は全て実施例2と同様の操作を行い、共重合体ラテックスOを得た。共重合体ラテックスMの各物性の評価結果を表3に記載した。耐湿潤ベタツキ性が劣る結果となった。
次に、共重合体ラテックスAに代えて上記で得られた共重合体ラテックスMを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。ピック強度も劣る結果となった。
Figure 2007084738
Figure 2007084738
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Claims (5)

  1. (a)共役ジエン系単量体25〜60質量%、(b)二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むエチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体10〜30質量%、および(d)その他共重合可能な単量体3〜63.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体を、少なくとも二段の重合工程を経る乳化重合によって得られる共重合体ラテックスであって、該共重合体ラテックスの粒子表面に存在するカルボン酸量(X)と、水相に存在するカルボン酸量(Y)とが、下記式(1)を満たす塗工紙用の共重合体ラテックス。
    0.4<(X)/((X)+(Y))<0.8 ・・・・・(1)
  2. 前記二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸の少なくとも60質量%以上を、前記重合工程の第二段以降で、系内の単量体の重合転化率が65〜95質量%の範囲になった時点から添加を開始し、共重合を行う事により得られる請求項1記載の塗工紙用共重合体ラテックス。
  3. 前記少なくとも二段の重合工程の各重合段において用いられる単量体混合物(但し第二重合段以降で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)から得られる共重合体の溶解度パラメーター(SP値)の、前重合段における値に対する直後の重合段における増分が、0.01以上0.8以下である請求項1又は2に記載の塗工紙用共重合体ラテックス。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体ラテックスを含有する印刷紙塗被用塗料組成物。
  5. 請求項4に記載の印刷紙塗被用組成物が、表面に塗工処理された印刷用塗工紙。
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