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JP2007081218A - 真空装置用部材 - Google Patents

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JP2007081218A JP2005268413A JP2005268413A JP2007081218A JP 2007081218 A JP2007081218 A JP 2007081218A JP 2005268413 A JP2005268413 A JP 2005268413A JP 2005268413 A JP2005268413 A JP 2005268413A JP 2007081218 A JP2007081218 A JP 2007081218A
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Abstract

【課題】半導体等の製造におけるプラズマ処理装置(プラズマクリーニング装置、アッシング装置、スパッタ装置)等プラズマを用いる装置に使用する部材はプラズマによるエッチングによる消耗や、パーティクル発生による製品の汚染、歩留まり生産性低下等の問題があった。
【解決手段】少なくともSi、O及び、3a族元素又は2a族とZrとから構成された耐蝕性溶射膜が表面にコーティングされた真空装置用部材は、プラズマに対する耐蝕性が高く、パーティクルの発生が少なく、このような耐蝕性部材は、例えば、窒化ケイ素、シリカ及び3a族酸化物粉末と、ジルコニア粉末との混合粉末を基材に対して溶射することによって製造することができる。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、半導体等の製造におけるプラズマ処理装置(プラズマクリーニング装置、アッシング装置、スパッタ装置)等に用いる真空装置用部材に係るものであり、不活性ガスや、N、H、Oガスのプラズマによる消耗が少なく、パーティクル発生も少ない部材に関するものである。
半導体等の製造工程におけるプラズマ処理装置では、不活性ガスや、N、H、Oガスのプラズマにより、ウエハやチャンバーのクリーニング、アッシング、スパッタ成膜等を行っている。
このようなプラズマを用いる装置の容器、内壁、部品等、プラズマに接触する部分には、石英ガラスや、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックス又はアルミニウム、ステンレス等の金属が使用されている。
しかし、これら部材は、プラズマ処理による消耗や、装置内のパーティクル発生の原因となるという問題があった。プラズマ処理による消耗に関して、石英ガラスに対してアルミナや窒化アルミニウム等は消耗が少ないが、さらに消耗が少ないイットリアが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、部材へ付着した堆積膜が剥離して生じるパーティクルを防止するため石英ガラス部材に特定の表面状態を有するアルミナ溶射膜を施すことも提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、FやCl系のハロゲンガスを用いたプラズマに対しては、消耗が少なく、パーティクル発生を抑える溶射膜も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−004083号公報 特開2003−212598号公報 特開2004−253793号公報
以上説明した様に、半導体等の製造プロセスにおいて不活性ガスや、N、H、Oガスのプラズマを用いる工程では、プラズマ処理による部材の消耗や堆積膜の剥離から生じるパーティクル発生、それに伴う製品汚染、歩留まり低下等の問題があった。
また、本発明らがパーティクル発生について調べた結果では、プラズマ処理においてはプラズマによる部材消耗や堆積膜の付着が無くても、部材にプラズマが接することにより発生するパーティクルがあることもわかった。
本発明の目的は、不活性ガスや、N、H、Oガスを用いたプラズマ処理による消耗が少なく、部材消耗及びプラズマとの接触によるパーティクル発生が少ないガラス質の耐蝕性溶射膜を表面にコーティングした真空装置用部材を与えるものである。
本発明者らは、上述のような現状に鑑み、鋭意検討を行った結果、基材表面にガラス相を含む溶射膜を形成することで、真空装置用部材の消耗が著しく減少し、部材消耗及びプラズマとの接触によるパーティクル発生も少ないことを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
以下、本発明の真空装置用部材について詳細に説明する。
本発明のうち、第1の発明は、不活性ガス、N、H、Oの中から選ばれるプラズマに曝される真空装置用部材において、該部材表面に溶射膜が施されており、該溶射膜が少なくともSi、O及び3a族及び/又は2a族元素で構成されるガラス相を含むことを特徴とする真空装置用部材である。
本発明の第1発明における真空装置用部材は、不活性ガス、N、H、Oの中から選ばれるガスのプラズマを用いるプラズマクリーニング装置、アッシング装置、スパッタ装置等に用いられる。不活性ガスとは、希ガスのことである。これら部材に対して基材表面に少なくともSi、O及び3a族及び/又は2a族元素で構成されるガラス相を含む溶射膜を形成する。この溶射膜はガラス相を含むことで結晶粒界が少なく、プラズマによるクリーニング、アッシング時に結晶粒界の侵食による当該結晶粒子の脱落によるパーティクル発生が抑制される。また、ガラス相を含むことで溶射膜を構成する溶射原料粉末が溶射過程で溶融して基材に衝突することにより形成されたスプラットが良く溶融し、スプラットの表面が滑らかであるため脱離しやすい粒子が付着しにくく、プラズマとの接触によるパーティクル発生も少ない。
ここで、3a族とは、Sc、Yとランタノイド元素のことである。また、ここで言う2a族とは、Mg、Ca、Sr、Ba元素のことである。3a族や2a族元素を含む材料は、原子間の結合力が強く、プラズマによるスパッタを抑制し、部材の消耗を減らす効果がある。
本発明の真空装置用部材表面の溶射膜中の3a族元素の濃度としては、金属元素の原子数比で10%以上78%以下、Si元素の濃度としては20%以上88%以下の組成範囲が好ましい。また、本発明の真空装置用部材表面の溶射膜中の2a族元素の濃度としては、Si:2a族元素の原子数比率が75:25から15:85であることが好ましい。
また、第2の発明では、不活性ガス、N、H、Oの中から選ばれるガスのプラズマに曝される真空装置用部材において、該部材表面に溶射膜が施されており、該溶射膜がSi、O及び3a族及び/又は2a族元素とNで構成されるガラス相を含むことを特徴とする真空装置用部材である。
Si,O,N及び3a及び/又は2a族元素で構成される溶射膜はNを含んでいることでガラス化がより進んでおり、スパッタ耐性に優れると同時に、結晶粒界がより少なく、プラズマによるクリーニング、アッシング時に結晶粒界での侵食による当該結晶粒子の脱落によるパーティクル発生がさらに抑制される。また、ガラス相を含むことで溶射膜を構成する溶射原料粉末が溶射過程で溶融して基材に衝突することにより形成されたスプラットが良く溶融し、スプラットの表面が滑らかであるため脱離しやすい粒子が付着しにくく、プラズマとの接触によるパーティクル発生も少ない。
本発明の真空装置用部材表面の溶射膜中の元素濃度としては、3a族元素を含む場合、窒素の濃度は0.01〜15wt%の範囲であることが好ましい。また、2a族元素を含む場合、O:Nの原子数比率が99.9:0.1から60:40の範囲であることが好ましい。
第3の発明は、本真空装置用部材表面の溶射膜は第1の発明、第2の発明で用いられる溶射膜で、Zrを含むものである。Si、O及び3a族及び/又は2a族元素で構成される溶射膜にZrを添加することで、溶射粉末の融点が低くなり、堆積する溶射膜が緻密となり、プラズマエッチングによる消耗が減り、プラズマに接触したときのスプラットの表面がより滑らかになる。本発明の真空装置用部材表面の溶射膜中の元素濃度としては、3a族元素を含む場合、Zr元素の濃度としては金属元素の原子数比で2%以上70%以下が好ましい。また、2a元素を含む場合、Zr:Siの原子数比率が5:95から70:30の範囲であり、Zr+Si:2a族元素の原子数比率が75:25から20:80であることが好ましい。
本発明で用いる真空装置用部材の材質は特に限定はないが、石英ガラスなどの耐熱ガラスやアルミニウム、ステンレス等の金属、アルミナ、ムライト等のセラミックス、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂が挙げられる。
本発明の真空装置用部材表面の溶射膜の膜厚に限定はないが、0.01〜3mm、特に0.01〜0.5mmであることが好ましい。膜厚が3mmを超えて厚くなると、基材との熱膨張率の差によって溶射膜のひび割れ、剥離が発生し易い場合があり、一方、0.01mm未満では保護膜として不十分である場合がある。膜厚は、部材の断面を顕微鏡で観察するか、部材の断面をEPMA(X線マイクロアナライザー)による構成元素の組成分析を行うこと等で確認することができる。
本発明の真空装置用部材表面の溶射膜の表面粗さRaは0.01〜10μm、特に8μm以下であることが好ましい。溶射膜表面が荒れたものであると、溶射膜表面に形成された突起形状の特にエッジの部分がプラズマによって選択的にエッチングされたり、脱離しやすい粒子が溶射膜表面に付着してプラズマと接することによりパーティクルが発生し易い。
本発明の真空装置用部材は、不活性ガス、N、H、Oの中から選ばれるガスのプラズマを用いるプラズマクリーニング装置、アッシング装置、スパッタ装置等に用いられる。
第4の発明は、前記溶射膜が施された真空装置用部材が処理基板を載せる台又は処理基板を載せる台の周辺部材であって、不活性ガス、N、H、Oの中から選ばれるガスのプラズマに曝されてバイアス電圧によりエッチングされる部位を含むことを特徴とする真空装置用部材である。
プラズマクリーニング装置やアッシング装置等では処理基板を載せる台又は処理基板を載せる台の周辺部材がプラズマに曝されてバイアス電圧によりエッチングされる部位を含むことがあり、プラズマエッチング及びプラズマと接することによるパーティクル発生が見られ、本発明はそれを低減することができる。また、堆積膜の剥離によるパーティクル発生も低減できる。
第5の発明は、前記溶射膜が施された真空装置用部材が処理基板を上面及び/又は側面から覆うドーム状、シリンダー状、又は平板状の部材であることを特徴とする真空装置用部材である。
これらの部材ではプラズマと接することによるパーティクル発生が見られ、本発明はそれを低減すると同時に、堆積膜の剥離によるパーティクル発生も低減できる。
次に本発明の真空装置用部材の製造方法を説明する。
本発明の真空装置用部材は、部材表面プラズマ溶射法、フレーム溶射法、高速フレーム溶射法等の溶射法によって溶射膜を形成することによって製造できる。
本発明で用いる溶射原料は、Si、O及び3a族及び/又は2a族元素を含む原料や、Si、O、N及び3a及び/又は2a族元素を含む原料、Si、O及び3a族及び/又は2a族元素を含む原料とZr元素を含む組成の原料、Si、O、N及び3a族及び/又は2a族元素とZr元素を含む組成の原料であり、粉末形状の原料を用いることが好ましい。
このような原料としては、例えば、シリカ、窒化ケイ素及び3a族酸化物とジルコニアとから少なくともなる粉末顆粒の混合物や、シリカ、及び2a族酸化物とジルコニアとから少なくともなる粉末を所定の割合で混合し、焼結や溶融したインゴットを作成した後、粉砕することによって調製することができる。この場合、窒素を含む組成の場合では焼結や溶融するときには加圧若しくは常圧の還元雰囲気下等で行う必要がある。またシリカ、窒化ケイ素及び2a族酸化物とジルコニアを少なくとも含んでなる混合粉末をスラリー化し、当該混合スラリーをスプレードライ法で顆粒を作成した後、顆粒を焼結する等の方法で得ることも出来る。上述した各方法において、必要に応じてアクリル系等のバインダーを添加しても良い。
溶射に用いる原料粉末の粒径に限定はないが、平均粒径(2次粒径)で5〜100μmであることが好ましい。平均粒径5μm未満では原料粉末自身に十分な流動性がないため溶射フレーム中に原料を均一に供給することが難しい場合がある。また、平均粒径が100μmを超えると、溶射粒子の溶融が不均一となり、得られる溶射膜の基材に対する密着性が悪くなりやすい場合がある。
本発明では真空装置用部材表面への溶射の際、基材表面の温度をあらかじめ予熱して溶射することが好ましい。基材表面をあらかじめ予熱することは、溶射の際に、熱ショックによる基材の割れ防止、並びに密着性の高い溶射膜を得るために有効である。予熱温度は用いる基材の種類によっても異なるが、例えば石英ガラス基材の場合50〜800℃、金属基材の場合50〜500℃、樹脂基材の場合50〜200℃の範囲が好ましい。
予熱温度を上げすぎると、窒素を含む溶射膜を作成する場合、溶射膜中の窒素が分解してしまうため好ましくない。予熱は、基材を外部ヒーターで加熱する、或いは原料を供給せずに溶射フレームを基材に照射すること等で行えば良い。予熱温度は、基材の裏面からの熱電対による測定、或いは非接触の放射温度計等で測定できる。
本発明で用いられる溶射膜は、溶射過程で粉末を良く溶融することが好ましいので、プラズマ溶射法で形成されることが好ましい。図1に一般的なプラズマ溶射装置を示す。プラズマ溶射装置はアノード11とカソード10との間に流れたプラズマガス12がアーク放電にすることによって形成される1万度程度の高温のプラズマジェットを熱源として、溶射粉末13を溶融し、溶融した溶射粉末をプラズマジェットに乗せて加速し、基材15に衝突、瞬時に扁平・冷却させて堆積するものである。
本発明の真空装置用部材表面の溶射膜は溶射膜中に窒素を含むものを作成する場合、N、Ar等不活性ガスあるいはH等還元性ガスを溶射ガスとして用いたものであることが好ましい。窒素含有物質の溶射では、プラズマガスに酸素が含有すると溶射中に酸化してしまい、溶射膜から窒素が消失することで耐蝕性が低下する。溶射膜中の窒素の含有量については、溶射膜表面に蛍光X線分析やEPMA分析を行うことや、少量削り取った溶射膜を加熱分解した後に発生する窒素ガスについて熱伝導率測定を行うことで測定する窒素分析装置を用いることで分析する。窒素を含まない溶射膜を作成する場合は、空気等のガスを溶射ガスとして用いることが出来る。
また、プラズマ溶射法の他に一般的な溶射法としてフレーム溶射や高速フレーム溶射によっても本発明の溶射膜を製造することも可能である。この場合、窒素含有溶射膜を作製するときには、通常のフレーム溶射条件で作成することもできるが、酸素等に対して燃料を過剰とした還元雰囲気のフレームで溶射することが好ましい。
本発明の真空装置用部材表面の溶射膜の製造時、常圧下での溶射ガン先端と基板との間の距離である溶射距離は、40〜150mmが好ましい。溶射距離が150mmをこえると基板に溶射材が付着するまでに冷却されてしまい、基板上に溶射膜が堆積されない場合があり、溶射距離が40mmより短いと基材、溶射膜両方の温度が上昇してしまい、溶射膜の割れの原因となることがあり、さらに窒素を含む溶射膜を作成する場合には溶射粉末中の窒化物の分解によって窒素の消失が発生し、耐蝕性が低下する場合がある。
本発明の溶射において、溶射フレームを基材に溶射する際の投入する溶射パワーは用いる装置によっても異なるが、例えば図1に示すようなプラズマ溶射装置の場合、溶射パワーを20kW以上とするような条件が例示できる。
溶射膜の下地として用いる真空装置用部材表面は、表面粗さRaが1〜15μmであることが好ましい。表面粗さRaが1μm未満では、基材と溶射膜が剥離し易い場合があり、基材の上に耐蝕性ガラス溶射膜を均一に被覆することが難しい場合がある。一方、表面粗さRaが15μmを超えると、プラズマによるエッチングを抑制することが難しい場合がある。基材表面の表面粗さRaを1〜15μmとする方法としては、その様な表面粗さの溶射膜を基材に予め溶射する方法、基材自身をブラスト処理する方法又はブラスト処理とフッ酸等による化学的エッチングを併せて施す方法等を例示できる。
本発明の真空装置用部材は、半導体等の製造におけるプラズマ処理装置(プラズマクリーニング装置、アッシング装置、スパッタ装置)等プラズマを用いる装置に使用した際、消耗が少なく、プラズマとの接触や堆積膜剥離によるパーティクル発生も少ないため、製品への汚染がなく、高い製品留まりで連続運転が可能である。
本発明を実施例に基づき詳細に説明するが本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
1)溶射用原料粉末の調製
シリカ、ジルコニアと表1に示す3a族又は2a族酸化物、窒素を含む場合は窒化ケイ素を表1の組成になるように調製し、それら粉末にバインダーを混合した後、スプレードライにより、平均粒径50μmの造粒粉末を得た。この造粒粉末について、500℃2時間の脱脂後、1200℃2時間の焼結を行い、平均粒径50μmの焼結粉末を得た。
2)真空装置用部材調整
プラズマクリーニング装置の処理基板を載せる台の周辺部材(石英ガラス製)の外周部にアルミナによるブラストを実施し、表面粗さを6μmとした。
3)耐蝕性溶射膜の形成
1)で調製した基材を用い、常圧にて、図1に示すプラズマ溶射装置を用いて、プラズマガスとして窒素40SLM(Standard Litter per Minite)と水素12SLM流し、溶射距離を60mmとし、溶射ガンを400mm/秒の速度で移動させながら、30kWのパワーでプラズマを生成し、原料粉末を供給することなく、基材の予熱を行った。
次に2)で調製した溶射用原料粉末を供給量7g/分とし、速度を400mm/秒、ピッチ4mm、溶射距離60mmで溶射ガンを移動させながら15回溶射し、溶射膜を形成した。
溶射膜形成後、クリーンルームで部材を純水により超音波洗浄し、オーブンで乾燥した。
4)性能評価
3)で得られた真空装置用部材(処理基板を載せる台の周辺部材)を、プラズマクリーニング装置内に取り付け、300枚のシリコンウエハーをロードロック室から送り、1枚づつArガスのプラズマでクリーニングを施した。また、50枚毎にウエハ上のパーティクル数(0.2μm以上で処理前後の差)を調べた。全ウエハのプラズマクリーニング終了後、真空装置用部材の厚さを測定した。それぞれの真空装置用部材の窒素含有量、削れ量及び平均パーティクル数を表1に示す。いずれの真空装置用部材も削れ量は測定限界の5μm以下と小さく、平均パーティクル数も3個以内と少なく、優れていた。
比較例1
プラズマクリーニング装置の処理基板を載せる台の周辺部材(石英ガラス製)の外周部にアルミナによるブラストを実施し、表面粗さを6μmとした。この部材をクリーンルームで純水により超音波洗浄し、オーブンで乾燥した。
次に、実施例1と同様の方法でプラズマクリーニングを実施した。プラズマクリーニング実施後、真空装置部材の厚さを測定した。コーティングされていない真空装置用部材の削れ量は10μmと大きく、消耗が大きく、平均パーティクル数は10個と実施例より多かった。
比較例2
アルミナ溶射膜を実施例1と同様な方法でプラズマクリーニング装置の処理基板を載せる台の周辺部材に施し、実施例1と同様の方法でプレクリーンを実施した。プレクリーン実施後、部材の厚さを測定した。真空装置用部材の削れ量は検出限界の5μm以下と比較的小さいものであったが、平均パーティクル数は8個と実施例1より多かった。
実施例2
アッシング装置のシリンダー部材(石英ガラス製)の内側にアルミナによるブラストを実施し、表面粗さを5μmとした。さらに、耐蝕性溶射膜を実施例1と同様の方法で形成し、その後、クリーンルームで純水により超音波洗浄し、オーブンで乾燥した。
このシリンダー部材をアッシング装置に装着し、20枚のウエハをアッシングして実施例1と同様の条件でパーティクル数を調べたところ、平均で2個であった。
比較例3
アッシング装置のシリンダー部材(石英ガラス製)の内側にアルミナによるブラストを実施し、表面粗さを5μmとした。その後、クリーンルームで純水により超音波洗浄し、オーブンで乾燥した。
このシリンダー部材をアッシング装置に装着し、20枚のウエハをアッシングして実施例1と同様の条件でパーティクル数を調べたところ、平均で7個であった。
比較例4
アッシング装置のシリンダー部材(石英ガラス製)の内側にアルミナによるブラストを実施し、表面粗さを5μmとした。さらに、アルミナ溶射膜を実施例1と同様の方法で形成し、その後、クリーンルームで純水により超音波洗浄し、オーブンで乾燥した。
このシリンダー部材をアッシング装置に装着し、20枚のウエハをアッシングして実施例1と同様の条件でパーティクル数を調べたところ、平均で11個であった。
Figure 2007081218
プラズマ溶射装置の一例を示す図である。
符号の説明
10:カソード
11:アノード
12:プラズマガス
13:溶射粉末(供給口)
14:溶射距離
15:基材
16:溶射膜
17:電源

Claims (5)

  1. 不活性ガス、N、H、Oの中から選ばれるガスのプラズマに曝される真空装置用部材において、該部材表面に溶射膜が施されており、該溶射膜が少なくともSi、O及び3a族及び/又は2a族元素で構成されるガラス相を含むことを特徴とする真空装置用部材。
  2. 前記溶射膜にNが含まれることを特徴とする請求項1に記載の真空装置用部材。
  3. 前記溶射膜にZrが含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空装置用部材。
  4. 前記溶射膜が施された真空装置用部材が処理基板を載せる台又は処理基板を載せる台の周辺部材であって、不活性ガス、N、H、Oの中から選ばれるガスのプラズマに曝されてバイアス電圧によりエッチングされる部位を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空装置用部材。
  5. 前記溶射膜が施された真空装置用部材が処理基板を上面及び/又は側面から覆うドーム状、シリンダー状、又は平板状の部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空装置用部材。
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