JP2007072369A - 光変調器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動電圧が低く、かつ高速で変調が可能な光変調器を提供する。
【解決手段】 電気光学効果を有する基板1と、基板1に形成された光を導波するための光導波路3と、基板1の一方の面側に形成され、光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体4a及び接地導体4b、4cからなる進行波電極4とを有し、進行波電極4が、高周波電気信号を印加することにより光の位相を変調するための相互作用部と、外部回路から相互作用部に高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部を具備する光変調器において、進行波電極4が、相互作用部と入力用フィードスルー部との間に相互作用部の特性インピーダンスよりも高い特性インピーダンスを有するインピーダンス変換部を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 電気光学効果を有する基板1と、基板1に形成された光を導波するための光導波路3と、基板1の一方の面側に形成され、光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体4a及び接地導体4b、4cからなる進行波電極4とを有し、進行波電極4が、高周波電気信号を印加することにより光の位相を変調するための相互作用部と、外部回路から相互作用部に高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部を具備する光変調器において、進行波電極4が、相互作用部と入力用フィードスルー部との間に相互作用部の特性インピーダンスよりも高い特性インピーダンスを有するインピーダンス変換部を具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は駆動電圧が低く、かつ高速で変調が可能な光変調器の分野に属する。
リチウムナイオベート(LiNbO3)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、キーデバイスとして期待されている。
このLN光変調器にはz−カット基板を使用するタイプとx−カット基板(あるいはy−カット基板)を使用するタイプがある。ここでは、従来技術としてx−カットLN基板とコプレーナウェーブガイド(CPW)進行波電極を使用したx−カット基板LN光変調器をとり上げ、その斜視図を図7に示す。図8は図7のA−A’における断面図である。なお、以下の議論はz−カット基板でも同様に成り立つ。
図中、1はx−カットLN基板、2は1.3μm、あるいは1.55μmなど光通信において使用する波長領域では透明な200nmから1μm程度の厚みのSiO2バッファ層、3はx−カットLN基板1にTiを蒸着後、1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。なお、3a、3bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部と言う)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームである。CPW進行波電極4は中心導体4a、接地導体4b、4cからなっている。また、図8においてSは中心導体4aの幅で6μmから20μm程度である。一方、Wは中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップ(あるいはCPWのギャップ)である。
この従来技術では、中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧(通常はDCバイアス電圧)と高周波電気信号(RF電気信号とも言う)を重畳して印加する。また、SiO2バッファ層2は高周波電気信号の等価屈折率nm(あるいは、マイクロ波等価屈折率nm)を光導波路3a、3bを伝搬する光の実効屈折率noに近づけることにより、光変調帯域を拡大するという重要な働きをしている。
次に、このように構成されるLN光変調器の動作について説明する。このLN光変調器を動作させるには、中心導体4aと接地導体4b、4c間にDCバイアス電圧とRF電気信号とを印加する必要がある。
図9に示す電圧−光出力特性はある状態でのLN光変調器の電圧−光出力特性であり、Vbはその際のDCバイアス電圧である。この図9に示すように、通常、DCバイアス電圧Vbは光出力特性の山と底の中点に設定される。
図10には半波長電圧Vπと相互作用部の長さLとの積Vπ・LとCPWのギャップWとの関係を示す。なお、CPWのギャップWとしては、現状20μm〜40μm程度が使用されている。CPWのギャップWを狭くすると、相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光と相互作用する高周波電界強度が大きくなる。従って、この図に示すように、CPWのギャップWを狭くすると、この積Vπ・Lは小さくなる。そして、この積Vπ・Lが低いほど駆動電圧が低いLN光変調器を実現できる。10Gbps以上の速度でLN光変調器を駆動する際の駆動電圧は5〜6V程度が実用上の限界であり、さらに少しでも駆動電圧が低いことが望まれる。よって駆動電圧の観点からは、CPWのギャップWは狭いことが望ましい。
図11には高周波電気信号のマイクロ波の等価屈折率nmとCPWのギャップWとの関係を示す。図には相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の等価屈折率no(no≒2.2)も示している。
CPWのギャップWが狭くなると中心導体4aと接地導体4b、4cの間に生成された高周波電気信号は比誘電率が4程度と低いSiO2バッファ層2を多く感じるので、マイクロ波等価屈折率nmを低減することができる(なお、x−カットLN基板1の比誘電率は35程度である)。
一般に、マイクロ波等価屈折率nmは光の等価屈折率noよりも大きく、LN光変調器を高速・広帯域で動作する際の大きな制限要因となっている。そのためLN光変調器を10Gbps以上の高速で駆動するには、マイクロ波等価屈折率nmを光の等価屈折率noに近づけることが不可欠となる。この観点からもCPWのギャップWは狭いことが望ましい。
以上のように、駆動電圧を低減するとともにマイクロ波等価屈折率nmを光の等価屈折率noに近づけるという観点からはCPWのギャップWは狭いことが望ましいことがわかったが、従来技術においてCPWのギャップWを15μm以下に狭くした際に生じる問題点について以下に記す。
図12は中心導体4aと接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の特性インピーダンスZ(以下の図14におけるZ3に対応)についてCPWギャップWを変数として示す。CPWギャップWを狭くすると、特性インピーダンスZが30Ωあるいはそれ以下と著しく低くなり、ほぼ50Ω系の外部信号源との間にインピーダンス不整合を生じてしまう。つまり、高周波電気信号のパワー反射率(いわゆるS11)が劣化するという問題が生じる。
次に、このことについてさらに詳しく考察する。図7に示したx−カットLN光変調器を構成する中心導体4aと接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を図13に示す。
ここで、Iは不図示の外部信号源からの高周波電気信号(マイクロ波)をCPW進行波電極4に印加するための不図示のコネクタ芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)を接続する入力用フィードスルー部、IIは入力用フィードスルー部Iと相互作用部IIIとの接続部(あるいは入力側接続部)、IIIは電気信号と光が相互作用する相互作用部、IVは出力用フィードスルー部Vと相互作用部IIIとの接続部(あるいは出力側接続部)である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタ芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続される。
図14には図7に示したx−カットLN光変調器の等価回路を示す。ここで、5は電気的ドライバなどの外部信号源、6は外部信号源の付加抵抗(インピーダンスをRgとする)である。また、7〜11は入力用フィードスルー部Iから出力用フィードスルー部Vまでの等価的な線路に各々対応する。具体的には、7は入力用フィードスルー部I、8は入力側接続部II、9は相互作用部III、10は出力側接続部IV、11は出力用フィードスルー部Vの線路を各々表す。また、12は終端抵抗である。
さらに、Z1〜Z5は入力用フィードスルー部Iから出力用フィードスルー部Vまでの特性インピーダンスであり、具体的には、Z1は入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Z2は入力側接続部II(あるいは線路8)、Z3は相互作用部III(あるいは線路9)、Z4は出力側接続部IV(あるいは線路10)、Z5は出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスに対応している。また、ZLは終端抵抗12の抵抗値である。
次に、図7から図14に示した従来技術のx−カットLN光変調器について、インピーダンス不整合と変調帯域の観点からの問題点について考察する。
図14において、Zinは外部信号源5と付加抵抗6(インピーダンスRg)からx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。つまり、Zinは入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ1、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ2、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ4、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ5、及び終端抵抗12の抵抗値ZLを、各部の長さと各部を伝搬する電気信号の等価屈折率を考慮した伝送線路の従属接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。図中の13は外部信号源5や付加抵抗6と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。
駆動電圧を下げ、マイクロ波等価屈折率nmを光の等価屈折率noに近づけるためにCPWギャップWを15μm以下と狭くした場合を考察する。この場合、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3は30Ωあるいはそれ以下と低くなる。
さて、従来技術では、その他の線路7、8、10、11の特性インピーダンス、つまり入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ1、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ2、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ4、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ5、及び終端抵抗12の抵抗値ZLは全て相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3と等しくしていた。
その結果、外部信号源5の付加抵抗6からx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスZinの実部Re(Zin)は図15の実線で示すようにほとんど周波数fに依存せず、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3と一致し、30Ωもしくはそれ以下と低かった。
それに伴い、光の変調指数(パワー変調指数)|m|2は入力インピーダンスZinと外部信号源5の付加抵抗6(インピーダンスRg)とのインピーダンス不整合のために、図16に示すように、周波数fとともに急速に劣化し3dB光変調帯域として10GHzを確保することが極めて困難であった。
なお、Zin(この場合は、Zin=Z3)が30Ω以下になると高周波電気信号のパワー反射率(S11)は−10dBよりも高く(実際には、わずかなインピーダンス不整合により反射された高周波電気信号が重畳され、−5dB程度にまで劣化する)なってしまう。そうした場合には、反射された高周波電気信号が外部信号源5へ戻るので、変調された光パルスのジッタを増加させてしまうという問題もある。
以上のように、入力側や出力側のフィードスルー部や相互作用部などのCPW進行波電極を構成する各部が全て同じ特性インピーダンスであった従来技術に係る光変調器では、駆動電圧を低減するとともに、マイクロ波等価屈折率を光の等価屈折率に近づけるために、CPW進行波電極のギャップを狭くすると、外部回路とのインピーダンス不整合が生じ、その結果、変調周波数に対して光変調帯域が急速に劣化するという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、前記進行波電極が、前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用部と、外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部を具備する光変調器において、前記進行波電極が、前記相互作用部と前記入力用フィードスルー部との間に前記相互作用部の特性インピーダンスよりも高い特性インピーダンスを有するインピーダンス変換部をさらに具備することを特徴とする。
本発明の請求項2の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部の特性インピーダンスが50Ω以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部の特性インピーダンスが50Ω以上であることを特徴とする。
本発明の請求項4の光変調器は、請求項1乃至3に記載の光変調器において、前記進行波電極が、前記相互作用部で前記光の位相を変調した前記高周波電気信号を前記相互作用部から取り出すための出力用フィードスルー部を具備し、前記インピーダンス変換部の特性インピーダンスが前記出力用フィードスルー部の特性インピーダンスよりも高いことを特徴とする。
本発明の請求項5の光変調器は、請求項4に記載の光変調器において、前記出力用フィードスルー部に電気的に接続された終端抵抗を具備し、前記終端抵抗の抵抗値が前記相互作用部の特性インピーダンスとほぼ等しいことを特徴とする。
本発明の請求項6の光変調器は、請求項4または5に記載の光変調器において、前記出力用フィードスルー部の特性インピーダンスと前記相互作用部の特性インピーダンスを等しくしたことを特徴とする。
本発明では相互作用部の前にインピーダンス変換部を設けているので、外部信号源から見た光変調器の入力インピーダンスを光変調器の中の進行波電極における相互作用部の特性インピーダンスよりも高くできる。従って、外部信号源と進行波電極のインピーダンス不整合を小さくできるので、光変調帯域および高周波電気信号のパワー反射率を改善できる。
本発明の請求項1により、光変調器の入力インピーダンスを光変調器の中の進行波電極における相互作用部の特性インピーダンスよりも高くできる。
本発明の請求項2により、インピーダンス変換部の特性インピーダンスを50Ω以下と設定するので、光変調器としての入力インピーダンスを周波数に対して緩やかに変化させることができる。
本発明の請求項3により、インピーダンス変換部の特性インピーダンスを50Ω以上と設定するので、光変調器としての入力インピーダンスを周波数に対して速やかに高くできる。
請求項4と5により、終端抵抗からの電気的反射を抑圧できる。
請求項6では、出力用フィードスルー部の特性インピーダンスと相互作用部の特性インピーダンスを等しくしたことにより、インピーダンスの整合が達成され、光変調器へ入力する高周波電気信号のパワー反射率(S11)が所望の光変調帯域内にわたって、−5dB以下であることを実現できる。従って、共振器電極型でない進行波電極型の広帯域な光変調が可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図7から図16に示した従来の実施形態と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
図1に本実施形態に使用するCPW進行波電極4の上面図を示す。本実施形態においても従来技術と同様にIは入力用フィードスルー部、IIは入力側接続部、IIIは相互作用部、IVは出力側接続部、及びVは出力用フィードスルー部である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタ芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続されるのも同じである。これらの従来技術と同じ構成に加えて、図1に示す本発明の実施形態には長さL6のインピーダンス変換部VIが付加されている。
図1の相互作用部IIIのB−B’におけるx−カットLN光変調器としての断面図を図2に示す。図8に示したCPWのギャップWが20〜40μm程度と広い従来技術と比較して、図2に示す本発明の実施形態ではCPWのギャップW’が15μm程度以下と極めて狭く設定している。CPWのギャップW’をこのように狭くすると、前述のように駆動電圧を低減できるとともに高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nmを相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の等価屈折率noに近づけるという利点はあるものの、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3は30Ωかそれ以下となる。
またインピーダンス変換部VIのC−C’におけるx−カットLN光変調器としての断面図を図3に示す(なお、SiO2バッファ層2はなくても良い)。インピーダンス変換部VIにおけるCPWのギャップW’は45μmから1000μm程度と相互作用部IIIにおけるCPWのギャップW’よりも広く設定される。
図4には本実施形態の等価回路を示す。図14に示す従来技術と同じく、Z1は入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Z2は入力側接続部II(あるいは線路8)、Z3は相互作用部III(あるいは線路9)、Z4は出力側接続部IV(あるいは線路10)、Z5は出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスであるが、本実施形態には特性インピーダンスZ6のインピーダンス変換部VI(あるいは線路14)が付加されている。
なお、インピーダンス変換部VIにおいても中心導体4aの幅S’は従来技術と同じく、6μmから20μm程度で良いが、この中心導体4aの幅S’とCPWのギャップW’の組み合わせについては、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ6が相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3よりも高くできる限り、各種の組み合わせがある。
図4中の13は外部信号源5や付加抵抗6(インピーダンスRg)と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。図4においてZin’は外部信号源5と外部信号源5の付加抵抗6から本実施形態のx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。
つまり、Zin’は入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ1、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ6、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ2、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ4、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ5、及び終端抵抗12のZLを伝送線路の従属接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。
前述のように、本実施形態においてはCPWギャップWを15μm以下と狭くしたので、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3は30Ωあるいはそれ以下と低くなっている。
インピーダンス変換部VIは外部信号源5や付加抵抗6から見た入力インピーダンスZin’(正確には入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’))を相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3よりも高くすることにより高周波電気信号による光の変調特性の劣化を改善するために設けられている。
次に、Z1〜Z6までの各特性インピーダンスの関係について考察する。図4において入力用フィードスルー部Iはその長さが100μm以下程度と短い場合、その特性インピーダンスZ1は外部信号源5と外部信号源の付加抵抗6から本実施形態のx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスZin’にほとんど影響しないことを確認している。
次に、本発明ではインピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ6は相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3よりも高く設定するとともに、インピーダンス変換部の長さL6は入力インピーダンスZin’(正確には入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’))が相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3よりも高くなるように設定する。また入力側接続部IIの特性インピーダンスZ2、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ4、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ5、及び終端抵抗ZLは全て等しく設定して良い。特に、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ4、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ5、及び終端抵抗ZLを等しくすると、終端抵抗ZLからの電気的な反射を抑えることができる。
図5に示すように、本実施形態では外部信号源5の付加抵抗6からx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’)は図5の実線で示すように周波数fに依存し、周波数fが高くなると相互作用部IIIの特性インピーダンスZ3(ここでは30Ωもしくはそれ以下)よりも高くなるように設定している。図5からわかるように、従来技術に係る光変調器と比較して、外部信号源5の付加抵抗6のインピーダンスRgとのインピーダンス不整合が周波数fとともに大幅に改善されている。
なお、インピーダンス変換部VIの設計に当たっては、進行波電極4の各部(I、II、III、IV、V、及びVI)の特性インピーダンスと長さ、さらに各部を伝搬する高周波電気信号の等価屈折率を使用するが、一般にインピーダンス変換部VIの長さL6としては数10μmから数mm程度が好適であることを確認している。
入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’)と外部信号源5の付加抵抗6のインピーダンスRgとのインピーダンス不整合が大幅に改善されているので、その結果、図6に示すように、変調周波数fに対する光の変調指数(パワー変調指数)|m|2も図16の従来技術と比較して大幅に改善されている。なお、図6に示す|m|2のカーブには所望の変調帯域内においてディップなどはなく、滑らかなカーブを描いている。
図5や図6からわかるように、本発明の特徴として、入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’)や光の変調指数(パワー変調指数)|m|2が滑らかなカーブを描いており、広帯域光変調が可能であることがわかる。これは共振器電極型のようにある周波数のみ効率が良いという特性とは異なっている。
高周波電気信号のパワー反射率(いわゆる、マイクロ波のS11)は実用上−5dBでは不十分であり、−10dB以下や−15dB以下のよりS11の小さな特性が要求されるが本発明の全ての実施形態によれば、設定されたビットレートに対する所望の光変調帯域内(例えば10Gbpsに対して10GHzなど)において、−10dB以下でディップのない滑らかな光変調特性を得られるという利点がある。
従って、x−カットLN光変調器から外部信号源5へ反射されて戻る高周波電気信号を抑圧できるので、ジッタの少ない光変調パルスを得ることが可能となる。
なお、以上においては入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’)を相互作用部の特性インピーダンスZ3よりも高くなるように設定したが、入力インピーダンスZin’の絶対値|Zin’|が特性インピーダンスZ3よりも高くなるように設定しても良い。
なお、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ6が50Ω以下の場合には、周波数fの上昇に対して効率良く入力インピーダンスZin’(正確には入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’))を大きくするためには、インピーダンス変換部VIの長さL6として数100μm(例えば300μm)以上の長さが必要であるという不利な点があるという反面、周波数fに対して入力インピーダンスZin’の変化が比較的緩やかであるという利点がある。
一方、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ6が50Ω以上の場合には、インピーダンス変換部VIの長さL6として数100μm(例えば300μm)以下でも、周波数fが高くなるとともに入力インピーダンスZin’(正確には入力インピーダンスZin’の実部Re(Zin’))を急速に大きくできるという利点があるという反面、周波数fに対して入力インピーダンスZin’の変化が大きいという不利な点がある。
従って、光変調器としての寸法や特性などの要求条件とここで述べた利点と不利な点を鑑み、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ6を50Ω以下、もしくは50Ω以上に設定するとともに、その長さL6を決定すれば良い。
以上においては、進行波電極としてはCPW電極を例にとり説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)や対称コプレーナストリップ(CPS)などの各種進行波電極、あるいは集中定数型の電極でも良いことは言うまでもない。また、光導波路としてはマッハツェンダ型光導波路の他に、方向性結合器や直線など、その他の光導波路でも良いことは言うまでもない。
また、中心導体を挟んでマッハツェンダ光導波路の2本の相互作用光導波路を配置する場合、2本の相互作用光導波路の幅を異ならしめておけば、近づけてもDC及び動的消光比の劣化を避けることが可能となる。
また、以上の実施形態においては、x−カット、y−カットもしくはz−カットの面方位、即ち、基板表面(カット面)に対して垂直な方向に結晶のx軸、y軸もしくはz軸を持つ基板でも良いし、以上に述べた各実施形態での面方位を主たる面方位とし、これらに他の面方位が副たる面方位として混在しても良いし、LN基板のみでなく、リチウムタンタレートなどその他の基板でも良いことは言うまでもない。
以上のように、本発明に係る光変調器は、RF変調性能について大幅に改善することができるという効果を有し、高速で駆動電圧が低い光変調器として有用である。
1:x−カットLN基板(基板、LN基板)
2:SiO2バッファ層(バッファ層)
3:光導波路
3a、3b:相互作用部の光導波路(光導波路)
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:外部信号源
6:付加抵抗
7:入力用フィードスルー部Iを表す線路
8:入力側接続部IIを表す線路
9:相互作用部IIIを表す線路
10:出力側接続部IVを表す線路
11:出力用フィードスルー部Vを表す線路
12:終端抵抗
13: 外部信号源5及び付加抵抗6と光変調器との境界
14:インピーダンス変換部VIを表す線路
2:SiO2バッファ層(バッファ層)
3:光導波路
3a、3b:相互作用部の光導波路(光導波路)
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:外部信号源
6:付加抵抗
7:入力用フィードスルー部Iを表す線路
8:入力側接続部IIを表す線路
9:相互作用部IIIを表す線路
10:出力側接続部IVを表す線路
11:出力用フィードスルー部Vを表す線路
12:終端抵抗
13: 外部信号源5及び付加抵抗6と光変調器との境界
14:インピーダンス変換部VIを表す線路
Claims (6)
- 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、
前記進行波電極が、前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用部と、外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部を具備する光変調器において、
前記進行波電極が、前記相互作用部と前記入力用フィードスルー部との間に前記相互作用部の特性インピーダンスよりも高い特性インピーダンスを有するインピーダンス変換部をさらに具備することを特徴とする光変調器。 - 前記インピーダンス変換部の特性インピーダンスが50Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
- 前記インピーダンス変換部の特性インピーダンスが50Ω以上であることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
- 前記進行波電極が、前記相互作用部で前記光の位相を変調した前記高周波電気信号を前記相互作用部から取り出すための出力用フィードスルー部をさらに具備し、前記インピーダンス変換部の特性インピーダンスが前記出力用フィードスルー部の特性インピーダンスよりも高いことを特徴とする請求項1乃至3に記載の光変調器。
- 前記出力用フィードスルー部に電気的に接続された終端抵抗を具備し、前記終端抵抗の抵抗値が前記相互作用部の特性インピーダンスとほぼ等しいことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
- 前記出力用フィードスルー部の特性インピーダンスと前記相互作用部の特性インピーダンスを等しくしたことを特徴とする請求項4または5に記載の光変調器。
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2005
- 2005-09-09 JP JP2005261955A patent/JP2007072369A/ja active Pending
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