JP2007064465A - 回転伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウジング内に組込まれた外輪とその内側に組込まれた内輪間にクラッチ制御装置によって制御される湿式多板クラッチを組込んだ回転伝達装置において、ハウジング内に封入された潤滑用オイルの外部への漏洩を防止することである。
【解決手段】ハウジング1の開口端部内に組込まれた軸受4によって外輪3を回転自在に支持し、その外輪3とその内側に組込まれた内輪13間に湿式多板クラッチ30を組込む。湿式多板クラッチ30の軸方向一側に、その湿式多板クラッチ30の結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置40を設ける。外輪3を回転自在に支持する軸受4の外端側にシール空間6を形成し、そのシール空間6にオイルシール9を組込み、外輪3内のオイルが遠心力により外輪3とハウジング1間に形成された環状空間21内に流入して圧力が上昇しても、シール空間6内に組込まれた上記オイルシール9によって外部に漏洩するのを防止する。
【選択図】図1
【解決手段】ハウジング1の開口端部内に組込まれた軸受4によって外輪3を回転自在に支持し、その外輪3とその内側に組込まれた内輪13間に湿式多板クラッチ30を組込む。湿式多板クラッチ30の軸方向一側に、その湿式多板クラッチ30の結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置40を設ける。外輪3を回転自在に支持する軸受4の外端側にシール空間6を形成し、そのシール空間6にオイルシール9を組込み、外輪3内のオイルが遠心力により外輪3とハウジング1間に形成された環状空間21内に流入して圧力が上昇しても、シール空間6内に組込まれた上記オイルシール9によって外部に漏洩するのを防止する。
【選択図】図1
Description
この発明は、動力の伝達経路上において、動力の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関するものである。
FRベースの4輪駆動車において、補助駆動輪としての前輪に駆動力の伝達と遮断とを行なう回転伝達装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
上記回転伝達装置は、ハウジングの開口端部内に組込んだ軸受によってトランスミッションからの駆動力が入力される入力部材を回転自在に支持し、その入力部材内に出力部材を組込んで軸受により相対的に回転自在に支持し、その入力部材と出力部材間に、負荷される軸力によって入力部材と出力部材とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設けている。
ここで、クラッチ制御装置は、電磁クラッチ部と、その電磁クラッチ部の締結時に入力部材の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、上記電磁クラッチ部は、入力部材の内径面に案内されて軸方向に移動可能なアーマチュアと、入力部材に取付けられて上記アーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向する電磁石とから成り、上記電磁石の電磁コイルに対する通電によりロータにアーマチュアを吸着して、入力部材とアーマチュアとを結合させるようにしている。
一方、軸力負荷部は、アーマチュアと湿式多板クラッチ間にプレッシャプレートを組込み、そのプレッシャプレートを出力部材に回り止めし、かつ軸方向に移動可能に支持し、上記プレッシャプレートとアーマチュアの対向面それぞれに中央から周方向両端に向けて溝深さが次第に浅くなるカム溝を設け、そのカム溝間にボールを組込み、上記プレッシャプレートに対するアーマチュアの相対回転によりプレッシャプレートを軸方向に移動させて湿式多板クラッチに軸力を負荷するようにしている。
上記回転伝達装置においては、ハウジング内に封入されたオイルによって湿式多板クラッチや電磁クラッチ部および軸力負荷部の各接触部を潤滑し、その潤滑オイルが外部に漏洩するのを防止するため、入力部材を回転自在に支持する軸受内にシールを組込んでハウジングの開口端を密封すると共に、入力部材の軸受圧入面にシール溝を形成し、そのシール溝内にOリングを組込んで軸受圧入面と軸受の嵌合面間をシールするようにしている。
また、入力部材と出力部材とを回転自在に支持する軸受内にシールを組込んで入力部材と出力部材間を密封すると共に、入力部材の軸受圧入面にシール溝を形成し、そのシール溝内にOリングを組込んで軸受圧入面と軸受の嵌合面間をシールするようにしている。
特開2005−48788号公報
ところで、上記のような回転伝達装置においては、入力部材が高速回転されると、遠心力によりオイルが入力部材とハウジング間に形成された環状空間内に流れて圧力が上昇する。このとき、従来の回転伝達装置では、外輪を支持する軸受内にシールを組込んで環状空間の開口を密封しているが、軸受内のシール程度ではシール性を確保することが困難であり、オイルが外部に漏洩する可能性がある。
また、軸受圧入面と軸受の嵌合面をOリングによってシールするようにしているため、Oリングが軸受の組込みを阻害し、組付け性が悪いという不都合がある。
この発明の課題は、潤滑用オイルの外部への漏洩を確実に防止することができるようにした回転伝達装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、第1の発明においては、一端が開口し、他端が閉塞するハウジングの開口端部内に軸受を嵌合し、その軸受によってハウジング内に組込まれた外輪を回転自在に支持し、この外輪とその外輪内に組込まれた内輪の一方の端部間に軸受を組込んで相対的に回転自在に支持し、前記外輪と内輪間に、負荷される軸力によって外輪と内輪とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設け、そのクラッチ制御装置が、電磁石に対する通電によって外輪に取付けられたロータにアーマチュアを吸着させる電磁クラッチ部と、前記アーマチュアの吸着時に外輪の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、前記軸力負荷部、前記湿式多板クラッチおよび電磁クラッチ部の各接触部をハウジング内に封入されたオイルで潤滑するようにした回転伝達装置において、前記外輪を支持する軸受の外端側と、外輪および内輪を相対的に回転自在に支持する軸受の外端側のうち、少なくとも外輪支持用軸受の外端側に、外径側がシール圧入面とされ、内径側がシール面とされたシール空間を形成し、そのシール空間内にオイルシールを組込んだ構成を採用したのである。
また、第2の発明においては、一端が開口し、他端が閉塞するハウジングの開口端部内に軸受を嵌合し、その軸受によってハウジング内に組込まれた外輪を回転自在に支持し、この外輪とその外輪内に組込まれた内輪の一方の端部間に軸受を組込んで相対的に回転自在に支持し、前記外輪と内輪間に、負荷される軸力によって外輪と内輪とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設け、そのクラッチ制御装置が、電磁石に対する通電によって外輪に取付けられたロータにアーマチュアを吸着させる電磁クラッチ部と、前記アーマチュアの吸着時に外輪の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、前記軸力負荷部、前記湿式多板クラッチおよび電磁クラッチ部の各接触部をハウジング内に封入されたオイルで潤滑するようにした回転伝達装置において、前記外輪を支持する軸受の外端側と、外輪および内輪を相対的に回転自在に支持する軸受の外端側のうち、少なくとも外輪支持用軸受の外端側に、外径側がシール圧入面とされ、内径側がシール面とされたシール空間を形成し、そのシール空間内にシールを組込み、そのシールが前記シール圧入面に外径部が圧入された弾性シールと、前記シール面に圧入された断面L形のスリンガとから成り、前記弾性シールの内径部に形成された内向きラジアルリップと外向きラジアルリップをスリンガの円筒部外径面に弾性接触し、かつ弾性シールの外側面に形成されたサイドリップをスリンガの外向きフランジの内側面に弾性接触させた構成を採用したのである。
前記第1の発明に係る回転伝達装置において、シール面の外径を、そのシール面の内端側に形成された軸受圧入面の外径より小径とすると、軸受圧入面に対する軸受の圧入時、シール面が損傷されるのを防止することができ、そのシール面に対するオイルシールの接触によって良好なシール性を確保することができる。
上記のように、第1の発明においては、外輪支持用軸受の外端側にシール空間を形成し、そのシール空間にオイルシールを組込むようにしたので、外輪内のオイルが遠心力によりハウジングと外輪間に形成された環状空間内に移動して、その環状空間内の圧力が上昇しても、上記オイルシールによってオイルの外部への漏洩を確実に防止することができる。
また、オイルシールの組込みによって軸受圧入面と軸受の嵌合面間をOリングによってシールする必要がなくなるため、軸受の組付けの容易化を図ることができる。
第2の発明に係る回転伝達装置においては、外輪支持用軸受の外端側にシール空間を形成し、そのシール空間内に、弾性シールの二つのラジアルリップをシール面に圧入したスリンガの円筒部外径面に弾性接触し、弾性シールの外側面に設けられたサイドリップをスリンガの外向きフランジの内側面に弾性接触させたシールを組込んだことにより、上記弾性シールによってオイルの外部への漏洩をより確実に防止することができる。
また、シール面にスリンガを圧入したことによって、そのスリンガにより弾性シールを保護することができるため、小石等の異物の衝突によって弾性シールが損傷するのを防止することができると共に、泥水等が内部に侵入するのを防止することができる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、固定の配置とされるハウジング1は筒状をなし、その一端は開口し、他端は端壁2によって閉塞されている。
ハウジング1内には外輪3が組込まれている。外輪3はハウジング1の開口端部内に組込まれた軸受4によって回転自在に支持されている。5は、外輪3の外周に形成された軸受圧入面を示している。
図4に示すように、軸受4の外端側にはシール空間6が設けられ、そのシール空間6の外径側はシール圧入面7とされ、内径側はシール面8とされている。シール空間6にはオイルシール9が組込まれている。オイルシール9は、その外径面がシール圧入面7に圧入され、内径部に設けられた弾性を有するシール片9aが、自己の弾性とガータスプリング10の締付けによってシール面8に圧接されており、上記オイルシール9の組込みによってシール空間6は密閉されている。
オイルシール9のシール片9aが弾性接触する上記シール面8は、軸受圧入面5に圧入される軸受4によって損傷されないよう、その外径が軸受圧入面5の外径より小径とされている。
図1に示すように、外輪3の一端部内には第1軸11が挿入される。この第1軸11はセレーション12を介して外輪3に回り止めされる。
外輪3の内側には内輪13が組込まれ、その内輪13と外輪3は、両輪の一端部間に組込まれた軸受14によって相対的に回転自在とされている。ここで、軸受14として、シール軸受が採用され、そのシール軸受14によって外輪3と内輪13の一端部間が密封されている。また、外輪3のシール軸受圧入面にはリング溝25が形成され、そのリング溝25内に組込まれたシールリング26によって外輪3とシール軸受14の嵌合面間がシールされている。
内輪13の内側には第2軸15が挿入される。第2軸15はセレーション16によって内輪13に回り止めされる。
第2軸15は端壁2に形成された軸挿入孔17内に挿通される。軸挿入孔17は外側部に軸受嵌合孔17aを有し、その軸受嵌合孔17a内に組込まれる軸受18によって第2軸15が回転自在に支持される。
また、軸挿入孔17の内側部にはシール嵌合孔17bが形成され、そのシール嵌合孔17b内に圧入されたオイルシール19は第2軸15の外径面に弾性接触して、外輪3内に封入されたオイルが軸挿入孔17から漏洩するのを防止している。一方、内輪13の端部内にはオイルシール20が組込まれ、そのオイルシール20の内径部は第2軸15の先端部外径面に弾性接触して、外輪3内のオイルが内輪13内から外部に漏洩するのを防止している。
外輪3と内輪13間には、湿式多板クラッチ30が組込まれている。湿式多板クラッチ30は、多数のアウタクラッチプレート31と多数のインナクラッチプレート32とから成る。アウタクラッチプレート31とインナクラッチプレート32は軸方向に交互に組込まれ、上記アウタクラッチプレート31は外輪3に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されている。一方、インナクラッチプレート32は内輪13に回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されている。
アウタクラッチプレート31とインナクラッチプレート32は、負荷される軸力により互に密着して結合状態となり、外輪3と内輪13の相互間で回転トルクを伝達する。
湿式多板クラッチ30の軸方向一側には、その湿式多板クラッチ30の結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置40が設けられている。
クラッチ制御装置40は、電磁クラッチ部40Aと、その電磁クラッチ部40Aの締結時に外輪3の回転トルクを軸力に変換して湿式多板クラッチ30に負荷する軸力負荷部40Bとから成る。
電磁クラッチ部40Aは、アーマチュア41と、そのアーマチュア41の一側方に設けられたロータ42と、そのロータ42の一側方に設けられた電磁石43とから成る。
アーマチュア41は、外輪3内径面で案内されて軸方向に移動自在とされている。
ロータ42は、外筒部42aおよび内筒部42bを有し、外筒部42aの外周には雄ねじ44が形成されている。ロータ42は外輪3の一端部内周に形成された雌ねじ45に対する雄ねじ44のねじ込みによって外輪3に固定され、上記雌ねじ45にねじ係合されたロックナット46の締付けによって弛み止めされている。ロータ42とアーマチュア41との間には微小なエアギャップ47が形成され、そのエアギャップ47はロータ42のねじ込み量を加減することによって調整し得るようになっている。ロータ42とアーマチュア41との間には、アーマチュア41をロータ42から離反する方向に付勢する離反ばね48が組込まれている。
電磁石43は、ロータ42の外筒部42aと内筒部42b間に組込まれている。この電磁石43は、電磁コイル43aと、その電磁コイル43aを支持し、ハウジング1によって支持されたコア43bとから成り、上記電磁コイル43aに対する通電により、コア43b、ロータ42およびアーマチュア41に磁束が流れてロータ42にアーマチュア41が吸着される。その吸着により外輪3にアーマチュア41が結合されて外輪3と共にアーマチュア41が回転する。
図1乃至図3に示すように、軸力負荷部40Bは、アーマチュア41と湿式多板クラッチ30との間にプレッシャプレート51を設け、そのプレッシャプレート51を内輪13に回り止めし、かつ軸方向に移動可能に支持し、上記プレッシャプレート51とアーマチュア41の対向面間にボールカム52を設けている。ここで、ボールカム52は、プレッシャプレート51とアーマチュア41の対向面それぞれに中央から周方向両端に至るに従って溝深さが次第に浅くなるカム溝52a、52bを設け、そのカム溝52a、52b間にボール53を組込んだ構成とされ、上記プレッシャプレート51に対するアーマチュア41の相対回転により、プレッシャプレート51を湿式多板クラッチ30に向けて移動させて湿式多板クラッチ30を軸方向に押すようにしている。
ハウジング1の内部にはオイルが封入されている。オイルは湿式多板クラッチ30のアウタクラッチプレート31とインナクラッチプレート32の接触部、電磁クラッチ部40Aのロータ42とアーマチュア41の接触部および軸力負荷部40Bのボールカム52の接触部を潤滑する。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造から成り、図1は、電磁石43の電磁コイル43aに対して通電を遮断した状態を示し、湿式多板クラッチ30は結合解除状態とされている。このため、外輪3が回転しても、その回転は内輪13に伝達されず、外輪3のみがフリー回転する。
外輪3の回転状態において、電磁石43の電磁コイル43aに通電すると、コア43b、ロータ42およびアーマチュア41に磁束が流れてロータ42とアーマチュア41間に磁気吸引力が作用し、その磁気吸引力によりアーマチュア41がロータ42に吸着され、外輪3とアーマチュア41とが結合されて外輪3と共にアーマチュア41が回転する。
また、アーマチュア41はプレッシャプレート51に対して相対回転し、その相対回転によって、図3(II)に示すように、アーマチュア41に形成されたカム溝52bとプレッシャプレート51に形成されたカム溝52aが周方向に位相がずれるため、プレッシャプレート51は湿式多板クラッチ30側に移動して、その湿式多板クラッチ30を軸方向に押圧する。その押圧によってアウタクラッチプレート31とインナクラッチプレート32が互に密着する。
このため、外輪3の回転は湿式多板クラッチ30を介して内輪13に伝達され、内輪13が外輪3と同方向に回転する。
ここで、プレッシャプレート51が湿式多板クラッチ30を軸方向に押圧するとき、その反力によってアーマチュア41がロータ42に押し付けられるため、一旦電磁クラッチ部40Aの締結が行なわれれば、その後の電磁コイル43aに流す電流を小さくしても、アーマチュア41は吸着状態に保持され、電流消費量の低減化を図ることができる。
外輪3から内輪13への回転トルクの伝達状態において、電磁コイル43aに対する通電を解除すると、アーマチュア41は吸着を解除される。その吸着解除時、離反ばね48がアーマチュア41をプレッシャプレート51に向けて押圧すると共に、プレッシャプレート51は湿式多板クラッチ30から押圧されるため、カム溝52a、52bがボール53を押圧する作用により、アーマチュア41とプレッシャプレート51が相対回転して、ボール53はカム溝52a、52bの中央に配置される中立位置に戻される(図3(I)。
このため、湿式多板クラッチ30への軸力の負荷は解除されると共に、湿式多板クラッチ30は締結解除状態となり、外輪3から内輪13への回転トルクの伝達が遮断される。
外輪3のフリー回転状態において、湿式多板クラッチ30、電磁クラッチ部40Aおよび軸力負荷部40Bの各接触部はハウジング1内に封入されたオイルによって潤滑される。
外輪3の回転速度が高速になると、オイルは遠心力により外輪3内の外周部に流動する。このとき、外輪3の内部と、外輪3外径面とハウジング1の内径面間に形成された環状空間21はロータ42に形成されたスリット42c等を介して連通しているため、外輪3内の外周部に流動したオイルは上記環状空間21内に流れ、その環状空間21内の圧力が上昇する。
上記環状空間21は、通常ハウジング1の開口端部において密封されているが、その密封が不完全であると、オイルが外部に漏洩することになる。
しかしながら、実施の形態では、外輪3を支持する軸受4の外端側にシール空間6を形成し、そのシール空間6内にオイルシール9を組込んで、上記シール空間6を密封しているため、オイルの外部への漏洩を確実に防止することができる。
また、オイルシール9によってシール空間6を密封するため、軸受4と軸受圧入面5の嵌合面間をOリング等でシールする必要がなくなるため、上記軸受圧入面5に軸受4を容易に組込むことができる。
さらに、シール面8の外径を軸受圧入面5の外径より小径としたことにより、軸受圧入面5に対する軸受4の圧入時に、シール面8が損傷されることはない。このため、シール面8に対するオイルシール9の接触によって良好なシール性を確保することができる。
図1に示す実施の形態では、外輪3と内輪13とを相対的に回転自在に支持する軸受14をシール軸受として外輪3と内輪13の一端部間を密封したが、図4に示す場合と同様に、上記軸受14の外端側に外径側がシール圧入面とされ、内径側がシール面とされるシール空間を形成し、そのシール空間にオイルシールを組込んでそのシール空間を密封するようにしてもよい。
図5は、シール空間6を密封する密封手段の他の例を示す。この例では、シール空間6をシールSで密封している。シールSは、芯金23で補強され、シール圧入面7に外径面が圧入された弾性シール22と、シール空間6の内径側のシール面8に圧入された断面L形のスリンガ24とから成り、上記弾性シール22の内径部に設けられた内向きのラジアルリップ22aおよび外向きのラジアルリップ22bをスリンガ24の円筒部24aの外径面に弾性接触し、かつ弾性シール22の外側面に設けられたサイドリップ22cをスリンガ24の外向きフランジ24bの内側面に弾性接触している。
上記密封手段においては、弾性シール22に設けられた3つのリップ22a、22b、22cがスリンガ24の円筒部24aや外向きフランジ24bに弾性接触しているため、外輪3内に封入されたオイルの外部への漏洩をより確実に防止することができると共に、スリンガ24によって泥水等が内部に侵入するのを防止することができる。
実施の形態では、外輪3に回転トルクを入力し、その回転トルクを内輪13に伝達して内輪13から出力するようにしたが、内輪13に回転トルクを入力して外輪3に伝達し、その外輪3から出力するようにしてもよい。
1 ハウジング
3 外輪
4 軸受
6 シール空間
7 シール圧入面
8 シール面
13 内輪
14 軸受
22 弾性シール
22a 内向きラジアルリップ
22b 外向きラジアルリップ
22c サイドリップ
24a 円筒部
30 湿式多板クラッチ
40 クラッチ制御装置
40A 電磁クラッチ部
40B 軸力負荷部
41 アーマチュア
42 ロータ
3 外輪
4 軸受
6 シール空間
7 シール圧入面
8 シール面
13 内輪
14 軸受
22 弾性シール
22a 内向きラジアルリップ
22b 外向きラジアルリップ
22c サイドリップ
24a 円筒部
30 湿式多板クラッチ
40 クラッチ制御装置
40A 電磁クラッチ部
40B 軸力負荷部
41 アーマチュア
42 ロータ
Claims (3)
- 一端が開口し、他端が閉塞するハウジングの開口端部内に軸受を嵌合し、その軸受によってハウジング内に組込まれた外輪を回転自在に支持し、この外輪とその外輪内に組込まれた内輪の一方の端部間に軸受を組込んで相対的に回転自在に支持し、前記外輪と内輪間に、負荷される軸力によって外輪と内輪とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設け、そのクラッチ制御装置が、電磁石に対する通電によって外輪に取付けられたロータにアーマチュアを吸着させる電磁クラッチ部と、前記アーマチュアの吸着時に外輪の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、前記軸力負荷部、前記湿式多板クラッチおよび電磁クラッチ部の各接触部をハウジング内に封入されたオイルで潤滑するようにした回転伝達装置において、
前記外輪を支持する軸受の外端側と、外輪および内輪を相対的に回転自在に支持する軸受の外端側のうち、少なくとも外輪支持用軸受の外端側に、外径側がシール圧入面とされ、内径側がシール面とされたシール空間を形成し、そのシール空間内にオイルシールを組込んだことを特徴とする回転伝達装置。 - 前記シール面の外径を、そのシール面の内端側に形成された軸受圧入面の外径より小径とした請求項1に記載の回転伝達装置。
- 一端が開口し、他端が閉塞するハウジングの開口端部内に軸受を嵌合し、その軸受によってハウジング内に組込まれた外輪を回転自在に支持し、この外輪とその外輪内に組込まれた内輪の一方の端部間に軸受を組込んで相対的に回転自在に支持し、前記外輪と内輪間に、負荷される軸力によって外輪と内輪とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設け、そのクラッチ制御装置が、電磁石に対する通電によって外輪に取付けられたロータにアーマチュアを吸着させる電磁クラッチ部と、前記アーマチュアの吸着時に外輪の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、前記軸力負荷部、前記湿式多板クラッチおよび電磁クラッチ部の各接触部をハウジング内に封入されたオイルで潤滑するようにした回転伝達装置において、
前記外輪を支持する軸受の外端側と、外輪および内輪を相対的に回転自在に支持する軸受の外端側のうち、少なくとも外輪支持用軸受の外端側に、外径側がシール圧入面とされ、内径側がシール面とされたシール空間を形成し、そのシール空間内にシールを組込み、そのシールが、前記シール圧入面に外径部が圧入される弾性シールと、前記シール面に圧入された断面L形のスリンガとから成り、前記弾性シールの内径部に形成された内向きラジアルリップと外向きラジアルリップをスリンガの円筒部外径面に弾性接触し、かつ弾性シールの外側面に形成されたサイドリップをスリンガの外向きフランジの内側面に弾性接触させたことを特徴とする回転伝達装置。
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