JP2007059267A - 電線ケーブル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 芯線21を絶縁皮膜22で被覆してなる複数本の電線2を、撚り合わせてシース3で被覆した電線ケーブル1において、複数本の電線2のうち、隣接する電線どうしが分離可能に接合されている構成とした。
上記構成の電線ケーブルは、複数本の芯線21を押出成形機に供給し、芯線21の各々の外周囲に絶縁皮膜22を形成しながら電線2を押出成形すると同時に各電線2を接合し、接合された電線2の束に撚りを加え、しかる後に電線2の束にシース3を被覆することで製造することができる。
【選択図】 図1
Description
図示するように、電気機器への送電等に利用されている電線ケーブル100は、複数本(図示の例では七本)の芯線210の各々を、樹脂製の絶縁皮膜220で覆って電線200を形成し、この電線200を撚り合わせて保護用のシース300で被覆している。
このような電線ケーブル100は、芯線210を例えば配電盤等に接続するに際して、端部のシース300を除去して各々の電線200を分岐した後、絶縁皮膜220を剥いで芯線210を剥き出しにしている。
しかし、このような電線ケーブル100は、使用するうちに蛇行が発生するという問題がある。
図7は、電線ケーブル100が蛇行した状態を示している。電線ケーブル100にこのような蛇行が発生すると、各電線200の張力のアンバランスや挫屈、応力の局部集中等により、断線しやすくなるという問題がある。また、蛇行した電線ケーブルは、配線上の外観を見苦しくする他、電線ケーブルを扱いをずらくするという問題もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で効果的に蛇行を抑制することができ、弱電機器用から重電機器用まで広範に利用が可能な電線ケーブル及びその製造方法の提供を目的とする。
そこで、本発明の電線ケーブルは、請求項1に記載するように、芯線を絶縁皮膜で被覆してなる複数本の電線を、撚り合わせてシースで被覆した電線ケーブルにおいて、複数本の前記電線のうち、隣接する前記電線どうしが分離可能に接合されている構成としてある。
この構成によれば、シース内の電線相互間でずれが生じることがなく、電線ケーブルの蛇行の発生を防止することができる。また、各電線は分離可能に接合されているので、シースを剥いで電線を剥き出しにした際に、容易に各電線を分岐させることができる。
易裂性接合部としては、接合部が容易に裂けて電線の分岐が可能であればよく、薄肉状や薄膜状のものの他、切り欠きを形成したものが挙げられる。また、接着材としては、電線のずれ方向の接着強度が高く、分岐方向の接着力が小さいものを使用するのが好ましい。電線を融着によって接合する場合は、電線どうしにずれが生じにくく、かつ、分岐しやすいように接合の度合いを調整するとよい。
このような易裂性接合部や接着,融着を採用することで、電線ケーブルの蛇行を有効に防止しつつ、配電盤等に芯線を接続する際に、電線の端部を容易に分岐させることができる。
この構成によっても、各電線はシースを介して一体に接合されているので、電線相互間のずれを抑制して、蛇行を防止することができる。
この方法であれば、従来の電線ケーブルとほとんど変わらない工程及びコストで、蛇行を効果的に防止できる電線ケーブルを製造することができる。
前記絶縁皮膜の溶融とシースの被覆とは別工程で行ってもよいが、シース被覆と同時に絶縁皮膜の表面を加熱溶融させて融着させるのが好ましい。
図1及び図2は、本発明の電線ケーブルの第一の実施形態にかかり、図1はその横断面図、図2は、シースを剥いだ状態の電線ケーブル先端部の斜視図である。
電線ケーブル1は、複数本(図示の例では7本)の電線2、2,・・・と、この電線2,2,・・・の束を保護するように被覆されたシース3とから構成されている。
絶縁皮膜22の材質としては、押出成形が可能なものであればよく、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等を使用することができる。
この接合部4,4・・・は、絶縁皮膜22と同じ材質で形成されていて、かつ、シース3を剥いで電線2,2,・・・を剥き出しにした際に、容易に裂けて電線2,2,・・・を分岐しやすいように、薄肉状又は膜状に形成するとよい。また、容易に裂けるように、切り欠きを形成してもよい。
上記のように構成された電線2,2・・・は、図2に示すように撚りが加えられた状態で、シース3により被覆される。
図3は、本発明の電線ケーブルの製造方法にかかり、その一例を示すフロー図である。なお、以下の説明では、適宜に図1又は図2を参照するものとする。
上記したような電線ケーブル1(図1参照)は、樹脂製の絶縁皮膜22を芯線21の周囲に被覆する芯線被覆装置と、この芯線被覆装置で形成された電線2,2,・・・に撚りを加える電線撚り装置と、撚りが加えられた電線2,2,・・・の周囲にシース3を被覆するシース被覆装置とによって製造される。前記した芯線被覆装置、電線撚り装置及びシース被覆装置の基本構成は公知であるので、ここでは各装置の詳しい説明は省略する。
押出機は、押出金型5と、絶縁皮膜22の材料である溶融樹脂をこの押出金型5に供給する図示しないシリンダとから概略構成されている。シリンダと押出金型5とは、ノズル53を介して連結されていて、シリンダの溶融樹脂は、このノズル53を経て押出金型5に供給される。
この成形孔52,52・・・は、電線2,2,・・・の配置形態(図1参照)に合わせて配置され、かつ、中央に位置する一つの成形孔52と、その周囲に位置する六つの成形孔52,52・・・とが、溝52aで連通状に連結されている。
従って、この成形孔52,52・・・を通して芯線21,21・・を引き出しながら溶融樹脂を供給することで、接合部4,4,・・・により互いに接合された電線2,2,・・・を押出成形することができる。
電線撚り装置では、前記ボビンから電線2,2,・・・が撚り機に供給される(ステップS5)。この撚り機では、電線2,2,・・・を回転させながら撚りを加え(ステップS6)、巻き取り機のボビンに巻き取らせる(ステップS7)。
なお、電線2,2,・・・に撚りを加えた後に、電線2,2,・・・に生じた内部歪みを除去する目的で、電線2,2,・・・を加熱・除冷する工程を設けてもよい。
このようにして撚りが加えられた電線2,2,・・・は、シース被覆装置に送られてシースの被覆が行われる。
以上の手順で、本発明の電線ケーブル1が製造される。
この実施形態の電線ケーブル6は、通常の工程で製造された三本の電線7,7,7を撚り合わせ、その上からシース8を被覆して形成されている。この実施形態において先の実施形態と異なる点は、電線7,7,7とシース8とが、芯線71を被覆する絶縁皮膜72の表面の一部を加熱・溶融した融着部分9で接合されている点である。電線7,7,7の各々は、融着部分9及びシース8を介して互いに接合されているので、シース8内での電線7,7,7の相互間のずれが規制され、電線ケーブル6の蛇行が防止される。
なお、融着部分9を介したシース8と電線7,7,7との接合強度は、絶縁皮膜72の加熱時間の長短や加熱温度、絶縁皮膜72とシース8の材質の選択(絶縁皮膜72とシース8との溶融温度の差や融着のしやすさ)等で調整することができる。
例えば、第一の実施形態の説明では、接合部4,4,・・・で電線2,2,・・を接合するものとして説明したが、電線2,2,・・の周囲に接着材を塗布して束ねることで、電線2,2,・・を互いに接合するようにしてもよい。この場合、接着材としては、電線2,2・・・のずれ方向に対する接着強度が強く、電線2,2・・・を分岐させる方向の接着強度が弱いものを用いるとよい。
また、絶縁皮膜22の表面を加熱してその一部を溶融し、電線2,2・・・を融着するようにしてもよい。
また、本発明は、上記したような七本の電線2,2,・・・又は三本の電線7,7,7からなる電線ケーブル1,6に限らず、これ以外の本数の電線を有する電線ケーブルにも広範に適用が可能である。そして、上記した第一の実施形態及び第二の実施形態は、各々単独でもその効果を奏するが、これらを組み合わせて実施することも可能である。
2,7 電線
21,71 芯線
22,72 絶縁皮膜
3,8 シース
4 接合部
5 押出金型
51 芯線導入孔
52 成形孔
53 ノズル
9 融着部分
そこで、本発明の電線ケーブルは、請求項1に記載するように、芯線を絶縁皮膜で被覆してなる三本以上の電線を、撚り合わせてシースで被覆した電線ケーブルにおいて、三本以上の前記電線を、前記電線ケーブルの中心を中心とする同一の円周上に配置し、前記中心から放射状に延びる膜状の接合部により各電線を互いに接合し、接合した前記電線に撚りを加えてシースで被覆した構成としてある。
この構成によれば、シース内の電線相互間でずれが生じることがなく、電線ケーブルの蛇行の発生を防止することができる。また、各電線は膜状の接合部で接合されているので、シースを剥いで電線を剥き出しにした際に、前記膜状の接合部を裂いて容易に各電線を分岐させることができる。
この方法であれば、従来の電線ケーブルとほとんど変わらない工程及びコストで、蛇行を効果的に防止できる電線ケーブルを製造することができる。
この接合部4,4・・・は、絶縁皮膜22と同じ材質で形成されていて、かつ、シース3を剥いで電線2,2,・・・を剥き出しにした際に、容易に裂けて電線2,2,・・・を分岐しやすいように膜状に形成するとよい。また、容易に裂けるように、接合部4,4・・・に切り欠きを形成してもよい。
そこで、本発明の電線ケーブルは、請求項1に記載するように、押出成形により芯線に絶縁皮膜を被覆した三本以上の電線を撚り合わせ、撚り合わせた前記電線にシースを被覆した電線ケーブルにおいて、三本以上の前記電線を、前記電線ケーブルの中心を中心とする同一の円周上に配置し、前記電線の各々を、前記押出成形により、前記絶縁皮膜と一体に形成され前記中心から放射方向に延びる膜状の接合部で互いに接合し、接合した前記電線に撚りを加え、シースで被覆した構成としてある。
この構成によれば、シース内の電線相互間でずれが生じることがなく、電線ケーブルの蛇行の発生を防止することができる。また、各電線は膜状の接合部で接合されているので、シースを剥いで電線を剥き出しにした際に、前記膜状の接合部を裂いて容易に各電線を分岐させることができる。
この方法であれば、従来の電線ケーブルとほとんど変わらない工程及びコストで、蛇行を効果的に防止できる電線ケーブルを製造することができる。
Claims (7)
- 芯線を絶縁皮膜で被覆してなる複数本の電線を、撚り合わせてシースで被覆した電線ケーブルにおいて、
複数本の前記電線のうち、隣接する前記電線どうしが分離可能に接合されていることを特徴とする電線ケーブル。 - 前記電線が、前記絶縁皮膜と同じ材質の易裂性接合部で接合されていることを特徴とする請求項1に記載の電線ケーブル。
- 前記電線が接着又は融着により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の電線ケーブル。
- 前記電線と前記シースとを接着又は融着により接合することで、前記電線どうしを分離可能に接合したことを特徴とする請求項1に記載の電線ケーブル。
- 請求項2記載の電線ケーブルの製造方法であって、
複数本の前記芯線を押出成形機に供給し、前記芯線の各々の外周囲に絶縁皮膜を形成しながら電線を押出成形すると同時に各電線を接合する工程と、
接合された前記電線の束に撚りを加える工程と、
撚りを加えた前記電線の束にシースを被覆する工程と、
を有することを特徴とする電線ケーブルの製造方法。 - 請求項3記載の電線ケーブルの製造方法であって、
前記複数本の電線の各々の外周囲に、押出成形により絶縁皮膜を形成しながら電線を押出成形する工程と、
押出成形された前記電線の各々を束ね、接着材を介在させて互いに接着するか、又は、前記絶縁皮膜を部分的に溶融させて互いに融着する工程と、
接着又は融着された前記電線の束に撚りを加える工程と、
撚りを加えた前記電線の束にシースを被覆する工程と、
を有することを特徴とする電線ケーブルの製造方法。 - 請求項4記載の電線ケーブルの製造方法であって、
前記複数本の電線の各々の外周囲に、押出成形により絶縁皮膜を形成しながら電線を押出成形する工程と、
前記電線の束に撚りを加える工程と、
前記絶縁皮膜の少なくとも表面が溶融する温度で前記電線を加熱しつつ、前記電線の束にシースを被覆し、前記電線と前記シースとを融着する工程と、
を有することを特徴とする電線ケーブルの製造方法。
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- 2005-08-25 JP JP2005244812A patent/JP3946734B2/ja not_active Expired - Fee Related
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