JP2006523903A - ルーティングとスケジューリングのためのラッシュアワーモデル化 - Google Patents

Abstract

ラッシュアワー交通状態といった特殊な交通状態を反映するために既存の走行時間／距離データを修正するように構成されるラッシュアワーモデル化システム。本システムは、特殊な交通状態が発生する一つ以上の時間ウィンドウと、地理的領域と、道路セグメントと定義する情報を受信するように構成される。本システムはまた、特殊な交通状態を反映する走行ルールを受信するように構成される。これらの走行ルールは、「正常な」走行時間と距離とへの特殊な交通状態の影響を反映するように走行時間／距離マトリックスを修正するために使用される。それから既存のルーティング・スケジューリング・システムは、配送車両のためのルートをより正確に計画してスケジュールするために修正された走行マトリックスを使用できる。更にこの修正された走行マトリックスは、ある特定の地理的領域を経由する交通状態、またはある特定の道路セグメント上の交通状態をモデル化するために使用できる。

Description

背景技術
交通量（トラフィックレベル）は１日のうちのある部分に増加することが知られている。例えば交通量は典型的には、多くの通勤者が出勤する午前７時３０分から午前９時の間で増加し、また多くの通勤者が帰宅する午後５時から午後７時の間で再び増加する。これらの増加する「ラッシュアワー」交通量は、既存のルーティング・スケジューリング・システムによって十分には取り組んでこられなかった。したがってラッシュアワー状態をモデル化し、ロジスティック・プランナー（物流計画者）がラッシュアワー状態を緩和するために車両を効率的にルーティング（経路指定）することを可能にする改良されたロジスティック・システムが必要とされている。

発明の開示
本発明の一実施形態によるシステムは、利用者から（１）時間ウィンドウと、（２）地理的領域を定義する「地理的領域」情報と、（３）この時間ウィンドウの期間に地理的領域に適用すべき走行ルールと、を受信するように構成される。この時間ウィンドウと「地理的領域」情報と走行ルールとが受信された後に、システムは、この時間ウィンドウの期間に走行する一つ以上の車両に関してルートをスケジュールするために地理的領域に走行ルールを適用する。代替実施形態ではシステムは、この時間ウィンドウの期間に地理的領域の少なくとも一部分を経由する一つ以上の車両に関してルートをスケジュールすべきかどうかを決定するために地理的領域に走行ルールを適用する。もう一つの実施形態ではシステムは、この時間ウィンドウの期間に地理的領域を経由して走行する一つ以上の車両の走行速度をモデル化するために地理的領域に走行ルールを適用する。更なる実施形態ではシステムは、二つ以上の時間ウィンドウと、走行ルールと、二つ以上の地理的領域を定義する情報とを受信できる。

本発明のもう一つの実施形態によるシステムは、利用者から（１）時間ウィンドウと、（２）地理的領域を定義する「地理的領域」情報と、（３）この時間ウィンドウの期間に地理的領域に適用すべき走行ルールと、を受信するように構成される。この時間ウィンドウと「地理的領域」情報と走行ルールとを受信した後に、システムは、この時間ウィンドウの期間に地理的領域内の交通状態をモデル化する走行マトリックスを生成するために地理的領域に走行ルールを適用する。それからこの走行マトリックスは、一つ以上の車両がこの時間ウィンドウ内に走行するようにスケジュールされるときにこれら一つ以上の車両に関してルートをスケジュールするために利用される。更なる実施形態ではシステムは、二つ以上の時間ウィンドウと、走行ルールと、二つ以上の地理的領域を定義する情報とを受信できる。

本発明の他の実施形態によるシステムは、利用者から（１）第１の地理的領域およびこの第１の地理的領域に関連する第１の走行ルールと、（２）オーバーラップする地理的領域を定義するこの第１の地理的領域と少なくとも部分的にオーバーラップする第２の地理的領域と、（３）この第２の地理的領域に関連する第２の走行ルールと、を受信するように構成される。この第１、第２の地理的領域と第１、第２の走行ルールとを受信した後に、システムは、このオーバーラップする地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する一つ以上の車両に第１または第２の走行ルールが適用されるべきかどうかを決定する。もしオーバーラップする地理的領域内を走行する車両に第１の走行ルールが適用されるとシステムが決定すれば、このシステムはオーバーラップする地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する車両に関して交通状況をモデル化するために第１の走行ルールを適用する。もしオーバーラップする地理的領域内を走行する車両に第２の走行ルールが適用されるとシステムが決定すれば、このシステムはオーバーラップする地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する車両に関して交通状況をモデル化するために第２の走行ルールを適用する。代替実施形態ではシステムは、オーバーラップする地理的領域を経由する車両に関してルートをスケジュールすべきかどうかを決定するためにオーバーラップする地理的領域に適切な走行ルールを適用する。

本発明のもう一つの実施形態によるシステムは、利用者から（１）時間ウィンドウと、（２）道路セグメントを定義する「道路セグメント」情報と、（３）この時間ウィンドウの期間に道路セグメントに適用すべき走行方向制限と、を受信するように構成される。この「道路セグメント」情報と走行方向制限とを受信した後に、システムは、実質的に如何なるルートもこの時間ウィンドウの期間に道路セグメント上で制限された走行方向に一つ以上の車両による走行を含まないように一つ以上のルートをスケジュールするために道路セグメントに走行方向制限を適用する。更なる実施形態ではシステムは、二つ以上の時間ウィンドウと、二つ以上の走行方向制限と、二つ以上の道路セグメントを定義する情報とを受信できる。

本発明の更にもう一つの実施形態によるシステムは、利用者から（１）時間ウィンドウと、（２）道路セグメントを定義する「道路セグメント」情報と、（３）この時間ウィンドウの期間に道路セグメントに適用すべき車両ベースの制限と、を受信するように構成される。この「道路セグメント」情報と車両ベースの制限とを受信した後に、システムは、実質的に如何なるルートも車両ベースの制限の基準を満足する一つ以上の車両によるこの時間ウィンドウの期間の道路セグメント上の走行を含まないように、一つ以上のルートをスケジュールするために車両ベースの制限を適用する。更なる実施形態ではシステムは、二つ以上の時間ウィンドウと、二つ以上の車両ベースの制限と、二つ以上の道路セグメントを定義する情報とを受信できる。

本発明のもう一つの実施形態によるシステムは、利用者から（１）時間ウィンドウと、（２）道路セグメントを定義する「道路セグメント」情報と、（３）この時間ウィンドウの期間に道路セグメントに適用すべき速度変化モデルと、を受信するように構成される。この「道路セグメント」情報と速度変化モデルとを受信した後に、システムは、一つ以上のルートをスケジュールするために速度変化モデルを適用する。更なる実施形態ではシステムは、二つ以上の時間ウィンドウと、二つ以上の速度変化モデルと、二つ以上の道路セグメントを定義する情報とを受信できる。

本発明の他の実施形態によるシステムは、利用者から（１）地理的領域を定義する「地理的領域」情報と、（２）この地理的領域に関する「無走行」時間ウィンドウと、（３）実質的に如何なる車両もこの「無走行」時間ウィンドウの期間にこの地理的領域内を走行するようにスケジュールされないことを指定する「無走行」命令と、を受信するように構成される。この「地理的領域」情報と「無走行」時間ウィンドウと「無走行」命令とを受信した後に、システムは、実質的に如何なる車両も「無走行」時間ウィンドウの期間にこの地理的領域内を走行するようにスケジュールされないように車両をスケジュールする。更なる実施形態ではシステムは、二つ以上の「無走行」時間ウィンドウと二つ以上のセットの「無走行」命令と二つ以上の地理的領域を定義する情報とを受信できる。

本発明の他の実施形態によるシステムは、利用者から（１）地理的領域を定義する「地理的領域」情報と、（２）この地理的領域内で第１の道路分類に適用すべき第１の速度変化モデルと、（３）この地理的領域内で第２の道路分類に適用すべき第２の速度変化モデルと、を受信するように構成される。この「地理的領域」情報と第１の速度変化モデルと第１の道路分類とを受信した後に、システムは、この地理的領域の少なくとも一部分を経由して第１の分類の道路上を走行する車両に関連する走行時間を推定するために第１の速度変化モデルを適用する。更に、この「地理的領域」情報と第２の速度変化モデルと第２の道路分類とを受信した後に、システムは、この地理的領域の少なくとも一部分を経由して第２の分類の道路上を走行する車両に関連する走行時間を推定するために第２の速度変化モデルを適用する。

本発明の他の実施形態によるシステムは、利用者から（１）時間ウィンドウと、（２）道路セグメント分類と、（３）この時間ウィンドウの期間に道路セグメント分類に割り当てられた道路セグメントに適用すべき走行ルールと、を受信するように構成される。この時間ウィンドウと道路セグメント分類と走行ルールとを受信した後に、システムは、この時間ウィンドウの期間に一つ以上の車両に関してルートをスケジュールするために道路セグメント分類に割り当てられた道路セグメントに走行ルールを適用する。更なる実施形態ではシステムは、二つ以上の時間ウィンドウと、二つ以上の走行ルールと、二つ以上の道路セグメントを定義する情報とを受信できる。

発明の詳細な説明
このように一般的用語で本発明を説明しており、その際、添付図面が参照されているが、これらの図面は必ずしも正確な縮尺率で描かれてはいない。

さて本発明は、本発明の一部であるが全部ではない実施形態が示される付属の図面を参照しながらより十分に説明されるであろう。実に本発明は、多くの異なる形に具体化され得るものであって、ここに述べられた実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が適用可能な合法的要件を満たすように提供されるものである。全体を通じて同様の番号は同様の要素を指している。

当業者によって認められるように、本発明は、方法、データ処理システムまたはコンピュータプログラム製品として具体化できる。したがって本発明は、完全にハードウエア実施形態、完全にソフトウエア実施形態、またはソフトウエア態様とハードウエア態様とを組み合わせた実施形態の形を取り得る。更に本発明は、記憶媒体に具体化されたコンピュータ可読プログラム命令（例えばコンピュータソフトウエア）を有するコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形を取り得る。特に本発明は、ウェブに実現されるコンピュータソフトウエアの形を取り得る。ハードディスク、ＣＤ−ＲＯＭ、光記憶装置または磁気記憶装置を含む如何なる適当な記憶媒体も利用可能である。

本発明は、本発明の実施形態による方法と装置（すなわちシステム）とコンピュータプログラム製品とのブロック図とフローチャートとを参照しながら以下に説明される。これらのブロック図とフローチャートとの各ブロックと、これらのブロック図とフローチャートとにおけるブロックの組合せとがそれぞれコンピュータプログラム命令によって実現可能であることは理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行する命令がフローチャートの一つ以上のブロックにおいて指定される機能を実現するための手段を創生するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを生成する他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ得る。

これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリに記憶されたこれらの命令がフローチャートの一つ以上のブロックにおいて指定される機能を実行するためのコンピュータ可読命令を含む製品を生成するように、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の仕方で機能することを指示できるコンピュータ可読メモリに記憶できる。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令がフローチャートの一つ以上のブロックにおいて指定される機能を実現するためのステップを与えるように、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されるべき一連の動作ステップにコンピュータによって実現されるプロセスを生成させるために、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ得る。

したがってブロック図とフローチャートのブロックは、指定された機能を実行するための手段の組合せと、指定された機能を実行するためのステップの組合せと、指定された機能を実行するためのプログラム命令手段と、をサポートする。これらのブロック図とフローチャートとの各ブロックと、これらのブロック図とフローチャートとにおけるブロックの組合せとが、指定された機能またはステップを、あるいは専用ハードウエアとコンピュータ命令との組合せを実行する専用ハードウエアベースのコンピュータシステムによって実現可能であることは理解されるであろう。

簡単な概要
本発明の一実施形態によるシステムは、ラッシュアワー交通状態といった特殊な交通状態を反映する一つ以上の時間／距離マトリックス（「走行マトリックス」とも呼ばれ得る）を創生する。本発明の一実施形態ではシステムは、利用者が特殊な交通状態を定義する１セットの走行ルールを指定し、それからこれらの走行ルールを明らかにする一つ以上の時間／距離マトリックス生成することを可能にする。本発明の一実施形態ではシステムは、先ず「正常な」交通状態を反映する時間／距離マトリックス生成し、それから指定された走行ルールを反映する一つ以上のラッシュアワー時間／距離マトリックスを生成するためにこの「正常な」時間／距離マトリックスを修正することによって、これを行う。それから既存のルーティング・スケジューリング・システムは、車両のためのルートをより正確に計画してスケジュールするためにこれらの生成された時間／距離マトリックスを使用できる。

利用者によって指定される走行ルールは、例えば交通状態が正常な状態とは異なることを一つ以上の特定の時間ウィンドウ内に示す走行ルールを含むことができる。このような走行ルールは例えば、（１）ある特定の地理的領域内の、またはある特定の道路セグメント上の車両の平均走行速度が正常な交通状態下の速度よりもある一定のパーセンテージ遅いか速いことを示す速度変化ルールと、（２）ある幾つかのタイプの車両は、ある特定の地理的領域内、またはある特定の道路セグメント上を走行することが許されないことを指定する車両特定走行制限と、（３）如何なる車両も指定された方向に走行することが許されない（例えばある特定の道路セグメント上、またはある特定の地理的領域内で）ことを指定する走行方向制限と、（４）如何なる車両も、ある特定の地理的地域内、またはある特定の道路セグメント上を走行するようにスケジュールされないことを示す「無走行ゾーン」車両制限と、を含む。これらの走行ルールは、例えば（１）ある地理的地域全体に、（２）この地理的地域内のある特定の地理的領域に、（３）ある地理的地域内のある特定のタイプの各地理的領域に、（４）この地理的地域内のある特定のタイプの道路のすべての道路に、または（５）この地理的地域内のある特定の道路セグメントに、適用するように定義され得る。

図１は、利用者によって定義されるラッシュアワーモデルに基づいて生成された１サンプルセットの走行速度を示す表である。それからこれらの速度は、ラッシュアワーモデル内で定義された走行ルールを反映する１セットの時間／距離マトリックスを生成するために使用される。図２Ａは、利用者によって定義されたラッシュアワーモデルを反映しない単純な「正常な」時間／距離マトリックスを示す。図２Ｂは、このマトリックスが図１に反映されたラッシュアワーモデル内で定義された走行ルールを反映するように修正された後の２Ａの時間／距離マトリックスを示す。

図２Ａ、２Ｂから理解できるように、二つの異なる場所間を走行することに関連する距離は、ラッシュアワーモデルが「正常な」時間／距離マトリックスを修正するように適用された後に変化し得る。この距離の変化は、これら二つの場所間の最適経路がラッシュアワーモデルに含まれる走行ルールに基づいて変化し得ることに起因する。この距離変化は、データの第１列の第２行に示される場所１と場所２との間の距離がラッシュアワーモデルの適用によって２マイルから３マイルに変化することを示すことによって図２Ａ、２Ｂに反映される。同様に、データの第２列の第１行に示される場所２と場所３との間の距離は、ラッシュアワーモデルの適用によって２マイルから３マイルに変化する。

下記の例は、図１に示された情報と図２Ｂに示された時間／距離マトリックスとを生成するために使用される走行ルールを利用者がどのように構築するかを例示する。下記の例において利用者は、一連のグラフィカルインタフェースを介してシステムに走行ルールを入力し、システムは、利用者によって指定された１セットのラッシュアワー走行ルールを明らかにする一つ以上の改訂されたラッシュアワー時間／距離マトリックスを生成するように既存の「正常な」時間／距離マトリックスを修正するためにこれらの走行ルールを使用する。

図示の例において利用者は先ず、地理的領域内の交通状態が正常な交通状態とは異なると評価される一つ以上の時間ウィンドウ（ここでは「第１時間ウィンドウ」、「第２時間ウィンドウ」、「第３時間ウィンドウ」）を指定する。それから利用者は、地図表示上で多角形を定義するために複数の点を選択することによってある地理的地域（例えば車両がルーティング・スケジューリング・システムによって走行するように経路指定される全地理的領域）内のある地理的領域（「領域１」）を定義する。この多角形の境界は、領域１の境界を定義する。

それから利用者は、領域１に関する交通状態が各時間ウィンドウ内の正常な交通状態とはどのように異なるかを定義する。例えば利用者は、第１及び第３時間ウィンドウにおいて領域１内の平均走行速度は正常よりも３０％遅いことと、第２時間ウィンドウにおいて領域１内の平均走行速度は正常よりも２０％遅いことと、を指定できる。したがって領域１内を走行する車両を経路指定してスケジュールする際にシステムによって使用される推定走行速度は、第１及び第３時間ウィンドウの時には３０％だけ減らされ、第２時間ウィンドウの時には２０％だけ減らされるであろう。

この例では、領域１内に位置する道路である「道路１」と呼ばれる第１の道路は、毎時４５マイル（４５ｍｐｈ）という正常走行速度を有する。したがって図１に示すように、上記の利用者指定の走行ルールを適用することは、下記のセットの道路１に関する地図データ：すなわち（１）第１時間ウィンドウに関して３１．５ｍｐｈ（すなわち正常より３０％遅い）、（２）第２時間ウィンドウに関して３６ｍｐｈ（すなわち正常より２０％遅い）、（３）第３時間ウィンドウに関して３１．５ｍｐｈ（すなわち正常より３０％遅い）、（４）第１、第２及び第３時間ウィンドウ以外の時間に関して４５ｍｐｈ（すなわち正常速度）という結果を与えるであろう。

同様に、領域１内に在る「道路２」と呼ばれる第２の道路は、５０ｍｐｈという正常走行速度を有する。したがって、上記の利用者指定の走行ルールを適用することは、下記のセットの地図データ：すなわち（１）第１時間ウィンドウに関して３５ｍｐｈ（すなわち正常より３０％遅い）、（２）第２時間ウィンドウに関して４０ｍｐｈ（すなわち正常より２０％遅い）、（３）第３時間ウィンドウに関して３５ｍｐｈ（すなわち正常より３０％遅い）、（４）第１、第２及び第３時間ウィンドウ以外の時間に関して５０ｍｐｈ（すなわち正常速度）という結果を与えるであろう。

図１に示す例を続けると、利用者はまた、道路の図形的表現の２点を選択することによって領域１の外側の「道路セグメントＸ」と呼ばれる第１の道路セグメントを定義する。利用者はまた、道路セグメントＸの交通状態が第１、第２及び第３時間ウィンドウのときの正常時とは異なるであろうことを指示する。それから利用者は、道路セグメントＸに関する状態がこれら３個の時間ウィンドウにおける道路セグメントＸに関する正常な交通状態とはどのように異なるかを定義する。

例えば利用者は、第１及び第３時間ウィンドウでは走行速度は正常よりも３０％遅いと指定する。更に利用者は、道路セグメントＸが第２時間ウィンドウにおける「無走行ゾーン」であると指定し、第２時間ウィンドウのときに如何なる車両も道路セグメントＸ上を走行するようにスケジュールされないことを指定する。したがって一実施形態ではシステムは、第２時間ウィンドウの期間に道路セグメントＸ上の平均車両速度を０ｍｐｈであると指定するであろう（あるいは車両が第２時間ウィンドウの期間に道路セグメントＸ上を走行するようにスケジュールされないことを指示する別の極めて小さな値を指定するであろう）。

したがってこの例では、もし道路セグメントＸが３０ｍｐｈという正常走行速度を持つならば、道路セグメントＸに関して利用者によって入力される走行ルールは下記のセットの地図データ：すなわち（１）第１時間ウィンドウに関して２１ｍｐｈ走行速度（すなわち正常より３０％遅い）、（２）第２時間ウィンドウに関して０ｍｐｈ（車両が時間ウィンドウの期間に道路セグメントＸ上を走行するようにスケジュールされないことを表す）、（３）第３時間ウィンドウに関して２１ｍｐｈ走行速度（すなわち正常より３０％遅い）、（４）第１、第２及び第３時間ウィンドウ以外の時間に関して３０ｍｐｈ（すなわち正常速度）という結果を与えるであろう。

図１に示す例を続けると、それから利用者は、６５ｍｐｈという正常走行速度を有する「道路セグメントＹ」と呼ばれる領域１の外側の第２の道路セグメントを定義する。それから利用者は、道路セグメントＸに関して上記で指定された走行ルールが道路セグメントＹにも適用されることを指示する。これは、下記のセットの地図データ：すなわち（１）第１時間ウィンドウに関して４５．５ｍｐｈ走行速度（すなわち正常より３０％遅い）、（２）第２時間ウィンドウに関して０ｍｐｈ（車両が第２時間ウィンドウの期間に道路セグメントＹ上を走行するようにスケジュールされないことを表す）、（３）第３時間ウィンドウに関して４５．５ｍｐｈ走行速度（すなわち正常より３０％遅い）、（４）第１、第２及び第３時間ウィンドウ以外の時間に関して６５ｍｐｈ（すなわち正常速度）という結果をもたらす。この例では、利用者定義の走行ルールが適用されると指定されたもの以外のすべての地理的領域と道路セグメントは、「正常速度」領域として取り扱われるであろう。

本システムの一実施形態を実現するときに利用者は先ず、すべての適用可能なラッシュアワー走行ルールをシステムに入力する。それからシステムは、利用者によって定義された３個の（またはこれ以外の数の）時間ウィンドウ以外のすべての時間に適用される「正常な」時間／距離マトリックスを生成する。それからシステムは、ラッシュアワーモデル内で定義された各時間ウィンドウに関して時間／距離マトリックスを生成する。これは、ラッシュアワーモデルが午前８時〜午前９時の時間ウィンドウ内で適用されるように定義された第１のセットの走行ルールと、午後５時〜午後６時の時間ウィンドウ内で適用されるように定義された第２のセットの走行ルールとを含む例から理解できる。この例ではシステムは、午前８時〜午前９時の時間ウィンドウに適用される第１のラッシュアワー時間／距離マトリックスを生成するであろう。本発明の一実施形態ではシステムは、この第１のセットの走行ルールを反映するために「正常な」時間／距離マトリックスのコピー内でデータを修正することによってこれを行うであろう。このシステムはまた、午後５時〜午後６時の時間ウィンドウに適用される第２のラッシュアワー時間／距離マトリックスを生成するであろう。本発明の一実施形態ではシステムは、この第２のセットの走行ルールを反映するために「正常な」時間／距離マトリックスのコピー内でデータを修正することによってこれを行うであろう。システムはまた「正常な」時間／距離マトリックスのコピーを保持するであろう。

いったん走行時間／距離計算モジュールが種々のセットの地図データを生成すると、システムは、これらのセットの地図データにしたがって種々の車両に関してルートをスケジュールするために本技術では知られた仕方で、システムによって生成された時間／距離マトリックスを使用するように、Ｒｏａｄｎｅｔ５０００、Ｔｅｒｒｉｔｏｒｙ Ｐｌａｎｎｅｒ、あるいはＭｏｂｉｌｅｃａｓｔといった標準のルーティング・スケジューリング・モジュールを実行できる。例えば上記の例ではこのルーティング・スケジューリング・モジュールは、午前８時〜午前９時の時間ウィンドウで始まるルートセグメントの走行時間を計算するときに第１のラッシュアワー時間／距離マトリックスを使用するであろう。同様にこのルーティング・スケジューリング・モジュールは、午後５時〜午後６時の時間ウィンドウで始まるルートセグメントの走行時間を計算するときに第２のラッシュアワー時間／距離マトリックスを使用するであろう。このルーティング・スケジューリング・モジュールは、午前８時〜午前９時の時間ウィンドウと午後５時〜午後６時の時間ウィンドウとの外側で始まるルートセグメントの走行時間を計算するときに「正常な」時間／距離マトリックスを使用するであろう。

本システムは、各々のセットが異なる交通モデルに対応する幾つかの異なるセットの時間／距離マトリックスを生成するために使用できる。例えば第１のセットの時間／距離マトリックスは、利用者によって指定される「ウィークデー（平日）」モデルを反映するために生成され、第２のセットの時間／距離マトリックスは、利用者によって指定される「ウィークエンド（週末）」モデルを反映するために生成され得るであろう。それから各特定の日に関する車両ルートをスケジュールするために、適切なセットの時間／距離マトリックスがルーティング・スケジューリング・プログラムによって使用されるであろう。例えば本発明の一実施形態では「ウィークエンド」セットの時間／距離マトリックスは、ウィークエンドの日に関して車両をスケジュールするためにルーティング・スケジューリング・プログラムによって使用され、「ウィークデー」セットの時間／距離マトリックスは、ウィークデーに関して車両をスケジュールするためにルーティング・スケジューリング・プログラムによって使用されるであろう。

システムアーキテクチャ
本発明の一実施形態によるシステム５は、図３に示される。この図から理解できるようにこの実施形態ではシステムは、ネットワーク１５（例えばＬＡＮまたはインターネット）を介してラッシュアワーモデル化サーバ５０と通信するように接続された一つ以上の利用者コンピュータ１０、１２を含む。本発明の一実施形態ではラッシュアワーモデル化サーバ５０は、このラッシュアワーモデル化サーバ５０に記憶できる（あるいはこのサーバから遠く離れて記憶できる）データベース３０からデータを検索し、このデータベースにデータを格納するように構成される。

図４は、本発明の一実施形態によるラッシュアワーモデル化サーバ５０の模式図を示す。ラッシュアワーモデル化サーバ５０は、システムインタフェースまたはバス６１を介してラッシュアワーモデル化サーバ５０内の他の要素と通信するプロセッサ６０を含む。またこのラッシュアワーモデル化サーバ５０内には、データを受信して表示するための表示装置／入力装置６４が含まれる。この表示装置／入力装置６４は例えば、モニターと組み合わせて使用されるキーボードまたはポインティング装置であり得る。ラッシュアワーモデル化サーバ５０は更に、好適にはリードオンリーメモリ（読取り専用メモリ）（ＲＯＭ）６５とランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）６７とを含むメモリ６６を含む。このサーバのＲＯＭ６５は、ラッシュアワーモデル化サーバ５０内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む基本入出力システム２６（ＢＩＯＳ）を記憶するために使用される。

更にラッシュアワーモデル化サーバ５０は、ハードディスク、取外し可能磁気ディスク、またはＣＤ−ＲＯＭディスクといった種々のコンピュータ可読媒体に情報を記憶するためのハードディスク装置、フロッピーディスク装置、ＣＤ−ＲＯＭ装置または光ディスク装置といった少なくとも一つの記憶装置６３を含む。当業者によって認められるように、これらの記憶装置６３の各々は、適当なインタフェースによってシステムバス６１に接続される。記憶装置６３とこれらの関連するコンピュータ可読媒体は、パソコンのための不揮発性記憶を与える。上記のコンピュータ可読媒体が本技術で知られた他の如何なるタイプのコンピュータ可読媒体によってでも置き換え可能であることに留意することは重要である。このような媒体は例えば、磁気カセット、フラッシュメモリカード、ディジタルビデオディスクおよびベルヌーイカートリッジを含む。

多数のプログラムモジュールは、種々の記憶装置によって、またＲＡＭ６７内に記憶できる。このようなプログラムモジュールは、オペレーティングシステム８０と、ラッシュアワーモデル定義モジュール１００と、走行時間／距離計算モジュール２００と、ルーティング・スケジューリング・モジュール３００と、を含む。これらラッシュアワーモデル定義モジュール１００と走行時間／距離計算モジュール２００とルーティング・スケジューリング・モジュール３００は、プロセッサ６０とオペレーティングシステム８０の助けによって、以下更に詳細に説明されるように、ラッシュアワーモデル化サーバ５０の動作のある幾つかの態様を制御する。

またラッシュアワーモデル化サーバ５０内には、コンピュータネットワークの他の要素とインタフェースして通信するためのネットワークインタフェース７４が配置されている。ラッシュアワーモデル化サーバ５０コンポーネントの一つ以上が他のラッシュアワーモデル化サーバ５０コンポーネントから地理的に離れて配置され得ることは、当業者によって認められるであろう。更にこれらのコンポーネントの一つ以上は組み合わせることができ、ここに説明される機能を実行する更なるコンポーネントがこのラッシュアワーモデル化サーバ５０に含まれ得る。

例示的システムフロー
図５は、本発明の一実施形態による例示的システムフロー９０を示す。この図から理解できるように本発明のこの実施形態ではシステムは、利用者がラッシュアワーモデルを定義することを可能にするためにラッシュアワーモデル定義モジュール１００を使用することによってステップ９２から始まる。次にシステムは、このシステムがステップ９２で定義されたラッシュアワーモデルに関して１セットの一つ以上の時間／距離マトリックスを生成するために時間／距離計算モジュール２００を実行するステップ９４に進む。本発明の一実施形態ではこれらのマトリックスの各々は、ラッシュアワーモジュール内で定義されたある特定の時間ウィンドウに対応する。最後にシステムは、ステップ９６で生成された１セットの時間／距離マトリックスに基づいて車両をルート指定してスケジュールするためにルーティング・スケジューリング・モジュール３００（例えばＲｏａｄｎｅｔ５０００）を実行する。ここで、これらのラッシュアワーモデル定義モジュール１００と時間／距離計算モジュール２００とルーティング・スケジューリング・モジュール３００を、幾らか更に詳細に論じる。

ラッシュアワーモデル定義モジュール
図６は、本発明の一実施形態によるラッシュアワーモデル定義モジュール１００を示す。この図から理解できるようにシステムは、一つ以上の特定の走行ルールが適用される時間ウィンドウを利用者（例えばルーティング・スケジューリング技術者）が定義することをシステムが可能にするステップ１０５から始まる。例えばシステムは、一つ以上の走行ルールが午前１０時〜午前１１時の時間ウィンドウ、または午後１時〜午後２時半の時間ウィンドウ内で適用されることを利用者が指定することを可能にできる。

次にステップ１１０でシステムは、一つ以上の走行ルールが適用される地理的領域または道路セグメントを利用者が定義することを可能にする。システムは、例えば地図を利用者に提示し（例えばコンピュータ表示画面を介して）、グラフィカルユーザインタフェースを介して利用者が地図上の特定の地理的領域を選択または定義することを可能にすることによってこれを行うことができる。例えばシステムは、（１）多角形を定義する３個以上の点を地図上で定義すること、（２）定義された中心点と共に円を定義する半径と一緒に地図上に中心点を定義すること、（３）取り囲まれた地理的領域を定義する一連の隣接する弧を定義すること、または（４）予め定義された領域（例えば都市、郵便番号、州、または特定の区画）を選択すること、によって利用者がある特定の地理的領域を定義することを可能にできる。この開示に照らして当業者によって理解されるように、システムは利用者が本技術で知られた種々の他の適当な手法を使用して地理的領域を定義することを可能にするように構成されることもできる。

本発明の一実施形態ではシステムは、例えば（１）コンピュータ上の視覚的地図表示から道路を選択すること、（２）地図上に表示された道路上の２点を選択すること、（３）道路セグメント内に含まれる道路の方向と長さと共に地図上に表示された道路上の１点を選択すること、または（４）外部的に予め決められた道路（例えば二つの交差点によって定義された道路のセグメント、アドレスの範囲、または郵便番号の範囲）を定義すること、によって利用者がある特定の道路セグメントを選択することを可能にする。

システムがステップ１１０で、利用者が地理的領域または道路セグメントを定義することを可能にした後に、システムはステップ１１５に進み、そこでシステムは指定された時間ウィンドウ内でこの定義された地理的領域または道路セグメントに適用される一つ以上の走行ルールを利用者が定義することを可能にする。このような走行ルールの一例は、速度変化ルール（例えば定義された道路セグメント上の、または定義された地理的領域内の交通が指定された量だけ正常より遅く、または速くなるようにモデル化されることを指定するルール）である。

走行ルールのもう一つの例は、定義された地理的領域内または定義された道路セグメント上で指定された方向に走行するように車両をスケジュールすることを制限する働きをする走行方向制限である。例えばシステムは、定義された時間ウィンドウの期間に車両がＩ−８５上の出口１００と出口１２０との間で北に走行するようにスケジュールされないことを利用者が指定することを可能にできる。

走行ルールの更なる例は、車両特定制限である。このタイプの走行ルールは、定義された時間ウィンドウ内において、定義された地理的領域内または定義された道路セグメント上でのある幾つかのタイプの車両による走行を制限または限定するように機能することができる。このような車両特定制限は、例えば車両のクラス、タイプ、重量、サイズ、容量、または機能に基づくことができる。例えば利用者は、１０個より多くの車輪を有する如何なる車両も、定義された時間ウィンドウ期間に定義された地理的領域内または定義された道路セグメント上を走行するようにスケジュールされないことを指定できる。この例では１０個より多くの車輪を有する車両は、定義された時間ウィンドウ期間に定義された地理的領域内または定義された道路セグメント上を走行するようにスケジュールされないであろう。

走行ルールの更に他の例は、無走行ゾーン制限である。本発明の一実施形態ではこのような制限は、如何なる車両も、指定された時間ウィンドウ内で、定義された地理的領域内または定義された道路セグメント上を走行するようにスケジュールされないことを指定する。

利用者がステップ１１５で走行ルールを定義した後に利用者は、現在のラッシュアワーモデルの一部を形成する追加の時間交通関係ルール（「走行ルール」）を定義するためにステップ１０５〜１１５を繰り返すことができる。６個の異なる交通関係ルールを含む例示的な短いラッシュアワーモデルが下記の表に示されている。

図６に示すラッシュアワーモデル定義モジュール１００が追加のステップを含むように拡張できること、または種々のステップが本発明の異なる実施形態にしたがって除去され得ることは理解されるべきである。

一実施形態ではラッシュアワーモデル定義モジュール１００は、利用者が各走行ルールに優先度係数を関連付けることを可能にする追加のステップを含む。下記に論じられるようにこの優先度係数は、同じ時間ウィンドウの期間に、ある特定の地理的地域または道路セグメントに適用するように二つの走行ルールが定義されている場合に、システムがどちらの特定の走行ルールをこの特定の地理的地域または道路セグメントに適用すべきかを決定できる根拠を与える。優先度係数の例は、利用者が各走行ルールに優先度番号を関連付けることを可能にすること、または走行時間／距離計算モジュール２００が創生された第１の地理的領域に関連する走行ルールを適用するということを指定すること、またはある道路セグメントに関連する走行ルールがある地理的領域に関連する走行ルールと矛盾するときに走行時間／距離計算モジュール２００がこの道路セグメントに関連する走行ルールを適用するということを指定すること、を含む。

ラッシュアワーモデル定義モジュール１００はまた、ある特定の交通関連ルールがある特定のクラスのすべての地理的領域に適用されるということを利用者が指定することを可能にするステップを含むこともできる。このような地理的領域のクラスは、任意の適当な方法で定義できる。例えばこのような地理的領域のクラスは、（１）都会、（２）田園地帯、（３）郊外、（４）住宅地域、（５）商業地域、（６）大交通量地域、（７）中交通量地域、および／または（８）小交通量地域を含み得る。本発明の一実施形態ではラッシュアワーモデル定義モジュール１００はまた、利用者がある特定の地理的領域または道路セグメントに適用すべき特定の走行ルールを定義することよりもむしろこの特定の地理的領域または道路セグメントのクラスを指定することを可能にするように構成される。一実施形態ではシステムはそれから、この特定の地理的領域または道路セグメントに地理的領域または道路セグメントの指定されたクラスに関連する任意の走行ルールを自動的に適用するであろう。この実施形態は、類似の地理的領域または道路セグメントのグループに関して走行ルールを構築して修正することに関連する作業の量を減少させる。

走行時間／距離計算モジュール
例示的走行時間／距離計算モジュール２００は、図７に示される。この図から理解できるように本発明の一実施形態では、走行時間／距離計算モジュール２００は、このモジュールが利用者によって定義されたラッシュアワーモデルを受信するステップ２０５から始まる。次にシステムは、ステップ２１０に進み、そこで関連分野では知られた仕方で１セットの地図データに基づいて「正常な」時間／距離マトリックスを生成する。

それからシステムはステップ２１５に進み、そこでラッシュアワーモデル内で定義された各時間ウィンドウに関する時間／距離マトリックスを生成する。これは、ラッシュアワーモデルが午前８時〜午前９時の時間ウィンドウ内で適用されるように定義された第１のセットの走行ルールと、午後５時〜午後６時の時間ウィンドウ内で適用されるように定義された第２のセットの走行ルールとを含む例から理解できる。この例ではシステムは、午前８時〜午前９時の時間ウィンドウに適用される第１のラッシュアワー時間／距離マトリックスを生成するであろう。本発明の一実施形態ではシステムは、第１のセットの走行ルールを反映するために「正常な」時間／距離マトリックスのコピー内でデータを修正することによってこれを行うであろう。システムはまた、午後５時〜午後６時の時間ウィンドウに適用される第２のラッシュアワー時間／距離マトリックスを生成するであろう。本発明の一実施形態ではシステムは、第２のセットの走行ルールを反映するために「正常な」時間／距離マトリックスのコピー内でデータを修正することによってこれを行うであろう。システムはまた、ステップ２１０で生成された「正常な」時間／距離マトリックスのコピーを保持するであろう。

本発明の一実施形態ではステップ２１５で種々のラッシュアワー時間／距離マトリックスを生成するときにシステムは、二つ以上の走行ルールが同時に（例えば同じ時間ウィンドウ内で）一つの特定の道路セグメントまたは地理的領域に適用されるように定義されているかどうかを決定するように、またもしそうであれば、これらの走行ルールのうちのどれがこの特定の道路セグメントまたは地理的領域に適用されるかを決定するように構成される。例えばシステムは、ある特定の時間ウィンドウに関して利用者が同じ期間中に第２の走行ルールに関連する第２の地理的領域とオーバーラップするように第１の走行ルールに関連する第１の地理的領域を定義したかどうかを決定できる。もしそうであれば、システムは、二つ以上の走行ルールが同時にある特定の地理的領域をカバーするように定義されていると決定する。

本発明の一実施形態ではもし二つ以上の走行ルールが同時にある特定の道路セグメントまたは地理的領域に適用するように定義されているとシステムが決定するならば、システムはこの特定の「オーバーラップした」道路セグメントまたは地理的領域にどの走行ルールが適用されるべきかを決定するために二つ以上の適用可能な走行ルールの各々に関連する優先度係数を使用する。前に留意されたように、これらの優先度係数は、ラッシュアワーモデル定義モジュール１００の実行時に各走行ルールに割り当てることができる。例えば利用者は、ラッシュアワーモデル定義モジュール１００内で定義された各走行ルールに数値的優先度係数を割り当てるように求められる可能性がある。それからシステムは、どの走行ルールがこの特定の「オーバーラップした」道路セグメントまたは地理的領域に適用されるべきかを決定するために、ステップ２２０でこれらの優先度係数を比較するであろう。本発明の一実施形態では、より高い優先度係数を有する走行ルールがこの特定の「オーバーラップした」道路セグメントまたは地理的領域に適用されるであろう。本発明の他の実施形態では、ある道路セグメント走行ルールは常に、ある地理的領域に関連する走行ルールよりも高い優先度を与えられるであろう。

代替の実施形態では走行時間／距離計算モジュール２００は、もし利用者がラッシュアワーモデル定義モジュール１００においてある地理的領域または道路セグメントを他の地理的領域または道路セグメントの少なくとも一部分とオーバーラップするように定義した場合には、エラーメッセージを生成するであろう。この実施形態では利用者は、この誤りメッセージに応じてどの走行ルールが適用されるべきかに関して命令を与えることが許され得る。代替として利用者は、この誤りメッセージに応じてどの走行ルールが適用されるべきかに関して命令を与えることが許されない可能性もある。この代替実施形態では利用者は、これらの地理的領域または道路セグメントの一つを、これが他の地理的領域または道路セグメントとオーバーラップしないように再定義するように入力要求される可能性がある。

ルーティング・スケジューリング・モジュール
いったん走行時間／距離計算モジュール２００が種々のセットの時間／距離マトリックスを生成すると、システムは、これらのセットの時間／距離マトリックスにしたがって種々の車両に関するルートをスケジュールするために本技術では知られた仕方で、ステップ２１５で生成された時間／距離マトリックスを使用するようにＲｏａｄｎｅｔ５０００、Ｔｅｒｒｉｔｏｒｙ ＰｌａｎｎｅｒまたはＭｏｂｉｌｅｃａｓｔといった標準のルーティング・スケジューリング・モジュール３００を実行できる。例えば走行時間／距離計算モジュール２００に関して上記に論じられた例では、ルーティング・スケジューリング・モジュール３００は、午前８時〜午前９時の時間ウィンドウで始まるルートセグメントの走行時間を計算するときに第１のラッシュアワー時間／距離マトリックスを使用するであろう。同様にルーティング・スケジューリング・モジュール３００は、午後５時〜午後６時の時間ウィンドウで始まるルートセグメントの走行時間を計算するときに第２のラッシュアワー時間／距離マトリックスを使用するであろう。ルーティング・スケジューリング・モジュール３００は、午前８時〜午前９時の時間ウィンドウ、午後５時〜午後６時の時間ウィンドウ以外で始まるルートセグメントの走行時間を計算するときに「正常な」時間／距離マトリックスを使用するであろう。

好適な実施形態によるシステムの動作
本発明の好適な実施形態によるシステムを使用するために利用者は先ず、特殊な交通状態が走行速度に影響を与える一つ以上の時間ウィンドウを定義する。これらの時間ウィンドウは、図６のラッシュアワーモデル定義モジュール１００を参照して前に説明したように定義され得る。好適な実施形態による時間ウィンドウと全体的速度変化とを定義するための例示的ラッシュアワー・ダイアログウィンドウ６００が図８に示されている。利用者は、各時間ウィンドウに関連するチェックボックス６０６をトグルすることによって特定のラッシュアワーモデルに関して各時間ウィンドウを使用可能にすべきかどうかを選択できる。ある時間ウィンドウが使用可能にされた後に利用者は、テキストボックスに、あるいは時間を増加または減少させるためにアップスクロールまたはダウンスクロール・ボックスを選択することによって、この時間ウィンドウに関する開示時刻６１０と終了時刻６１２とを入力できる。この好適な実施形態は選択が行われる３個の時間ウィンドウを持っているように図示されているが、システムは、このシステムの必要にしたがって、これより多い、または少ない時間ウィンドウを与えることができるであろう。

図８から理解できるように利用者はまた、このラッシュアワーモデルに関する名称６０２を入力し、説明６０４をこのラッシュアワーモデルに属するものとし、適当なテキストボックスにタイプ入力することによってこの期間に関する記述名６０８を入力することができる。更に利用者は、各時間ウィンドウに関して全体として地図データに適用される全体的速度変化を選択して定義することができる。利用者は、ある特定の時間ウィンドウに関して全体的速度変化定義に関連するチェックボックス６１４をトグルすることによって全体的速度変化を入力できる。この全体的速度変化が使用可能にされると利用者は、この時間ウィンドウ期間に地図の地域内の任意の場所を走行する車両に関して走行速度のより速い、または遅いパーセンテージを入力できる。このパーセンテージ量は、全体的速度変化設定に関連するテキストボックス６１６に入力できるか、またはこのテキストボックス内をスクロールアップまたはスクロールダウンすることによって選択できる。それから、利用者は、このパーセンテージが地図の地域に関する正常な走行速度にどのように影響を与えるべきかに依存して「速く」または「遅く」に関連するラジオボタン６１８をトグルする。

もし利用者がこの時間ウィンドウに関して全体的速度変化を選択しなければ、この地域に関する地図データはこの時間ウィンドウのときに全体的速度変化を受けない。しかしながら下記に更に詳細に論じられるように、地図データの幾つかの部分は、特定の地理的領域または道路セグメントに関して定義された走行ルールを一つも受けない可能性がある。

それから利用者は、この地図の地域内の一つ以上の地理的領域を定義する。図９の例示的な地理的領域選択ウィンドウ７００から理解できるように利用者は、その境界が地理的領域７０４を定義する多角形を形成するために地図７０６上で点７０２を選択できる。利用者は後に、ある時間ウィンドウ期間にこの定義された地理的領域における交通状態をモデル化したある特定の走行ルールにこの地理的領域７０４を従わせることができる。各領域内で地理的領域を定義して、ある時間ウィンドウ期間の交通状態を特徴付けることは、地域全体をカバーする地図データに全体的速度変化を適用するよりも、正確にこれらの領域内の交通状態を利用者がモデル化することを可能にする。

代替として、または地理的領域を定義することに加えて、利用者は、ラッシュアワーモデルが適用できる地図地域内の一つ以上の道路セグメントを定義できる。図１０に示された例示的な道路セグメント選択ウィンドウ８００に示すように、この道路セグメントは、道路セグメント８０６を定義するために道路８０８上の２点８０２、８０４を選択することによって選択される。

それから利用者は、ある特定の時間ウィンドウ期間に各地理的領域または道路セグメントに適用されるべき走行ルールを選択する。図６のラッシュアワーモデル定義モジュール１００に関して前に論じたように走行ルールの例は、速度変化モデルと車両ベースの制限とを含む。走行ルールはまた、地理的領域全体に適用される単純な速度変化モデルとこの地理的領域内での走行ルールの適用可能性を限定する上級速度変化モデルとを含む。図１１、１２、１３、１４、１５は、各地理的領域または道路セグメントに関する走行ルールを定義するための例示的ダイアログウィンドウを示す。

図１１の例示的ラッシュアワー・ダイアログウィンドウ９００から理解できるように、利用者は簡易な速度変化モデルを定義できる。利用者は、ラッシュアワーモデル９０２に名称をつけて、与えられたテキストボックスに説明９１６を入力できる。簡易速度変化モデルを定義するために利用者は、ウィンドウ９００において「簡易」または「速度変更」タブ９０５のためにラジオボタン９０４を選択できる。各使用可能にされた時間ウィンドウ９０６が示されており、利用者は、各時間ウィンドウに関して速度変化モデルを選択して定義することができる。利用者は、この利用者が速度変化モデルを定義したいと思う各時間ウィンドウ下のチェックボックス９０８をトグルする。それから利用者は、この地理的領域内を走行する車両が走行することを期待できる、より速い、または遅い走行時間９１０のパーセンテージを入力し、そして利用者は適当な「速く」または「遅く」ラジオボタン９１２をトグルする。更に利用者はまた、テキストボックス９１４に優先度番号を入力することによって、またはスクロールボタンのアップまたはダウンを選択することによって定義された走行ルールの優先度を指定できる。

図１２の例示的なラッシュアワー・ダイアログウィンドウ１０００から理解できるように利用者は、詳細速度変化モデルを定義することができる。詳細速度変化モデルを定義するために利用者は、「詳細」ラジオボタン１００４をトグルするか、「詳細速度変更」タブ１００５を選択することができる。各使用可能にされた時間ウィンドウ１００６が図示されており、利用者は、道路クラスに基づいて各時間ウィンドウに関して速度変化モデルを選択して定義することができる。利用者は、各道路クラスの向かい側のチェックボックス１００８を、利用者が速度変化モデルを定義したいと思っている各時間ウィンドウの下でトグルする。より速いまたは遅いパーセンテージは、スクロール／テキストボックス１０１０に入力され、「速く」または「遅く」ラジオボタン１０１２が選択される。この好適な実施形態は、インターステート（州間）、１級、２級、およびローカル（地方）という道路クラスを含むが、システムはこのシステムの必要に依存して道路のより多い、または少ないクラス、あるいは道路の異なるクラスを与えることもできるであろう。更に道路クラスは、速度変化モデルの上に配置される更なる限定のタイプの単なる一例であって、特定のタイプの車両に関する速度変化モデルおよび特定の走行方向に関する速度変化モデルといった異なるタイプの限定が考えられる。

図１３の例示的なラッシュアワー・ダイアログウィンドウ１１００から理解できるように利用者は、ある特定の道路セグメント上を走行する車両に関して走行方向制限と速度変化とを定義できる。各使用可能にされた時間ウィンドウ１１０４に関して利用者は、「走行制限」の向かい側のチェックボックス１１１２を、制限が適用される各時間ウィンドウの下でトグルすることによって、走行制限が適用されるべきかどうかを選択する。それから利用者は、この利用者が走行を制限したいと思っている走行方向に関してラジオボタン１１１４をトグルする。図示のラジオボタン選択は、「変更なし」、「両方向」、「ＡからＢへ一方向」、および「ＢからＡへ一方向」を含む。もし利用者が「変更なし」を選択すれば、この道路セグメント上を走行する車両は走行方向制限を受けない。もし利用者が「両方向」を選択すれば、車両はこの時間ウィンドウ期間にこの道路セグメント上で如何なる方向にも走行するようにスケジュールされることを許されない。もし利用者が「ＡからＢへ一方向」を選択すれば、車両はこの時間ウィンドウ期間に点Ａから点Ｂに向かう方向に走行するようにスケジュールされることを許されない。同様にもし利用者が「ＢからＡへ一方向」を選択すれば、車両はこの時間ウィンドウ期間に点Ｂから点Ａへの方向に走行するようにスケジュールされることを許されない。基準点Ａ、Ｂは、道路セグメントを定義するときに、またはラッシュアワーモデル定義モジュール１００における何か他のステップにおいて利用者によって選択され得る。

図１３に示すラッシュアワー・ダイアログウィンドウ１１００によれば、もし利用者がある特定の時間ウィンドウのときに「変更なし」を選択すれば、利用者は、この時間ウィンドウに関して速度変化を定義できる。利用者は、時間ウィンドウを使用可能にするためにチェックボックス１１０６を選択して、速度変化１１０８、１１１０を定義するために、より速い、または遅いパーセンテージを入力できる。

図１４の例示的なラッシュアワー・ダイアログウィンドウ１２００から理解できるように利用者は、車両制限といった車両ベースの制限を定義できる。利用者は、走行制限を受けるように利用者が後に指定できる車両のタイプを定義できる。「一般」タブ１２０１の下で利用者は、「説明」とラベル付けされたテキストボックス１２０４に車両タイプの説明を入力できる。利用者はまた、車両に関する重量、高さ、コスト情報といったこの車両に関する一般情報を入力できる。これらの値は、各対応するラベルの下のテキストボックス１２０６に入力される。更に利用者は、車両によって運搬される積荷のサイズとタイプとによって、車両タイプ１２１２を指定できる。いったん車両タイプが定義されると、利用者は、この車両タイプがある指定され制限されたラッシュアワー地理的領域または道路セグメントから禁止されるべきかどうかを示すためにダイアログボックスの底部のチェックボックス１２１０をトグルできる。

図１５に示された例示的なラッシュアワー・ダイアログウィンドウ１３００を使用して利用者は、図１４に関して定義された車両タイプに車両ベースの制限が適用される状況を定義する。例えば図１５において各使用可能にされた時間ウィンドウ１３０８の下で、１級、２級およびローカル道路上の走行は、各道路クラスの向かい側のチェックボックス１３１０をトグルすることによって制限された車両タイプに関して制限できる。代替として利用者は、制限されたタイプの車両をこの時間ウィンドウの期間にすべての道路上の走行から制限するために各時間ウィンドウの下方の「全部」１３１２ボタンを選択することができる。図に示されていないもう一つの代替実施形態では利用者は、あるタイプの道路セグメントまたは地理的領域に関して制限される車両ベースの制限の幾つかの特定のタイプを選択できる。更に利用者は、ある特定のタイプの道路セグメントまたは地理的領域に関して制限される車両ベースの制限の幾つかの特定のタイプを選択できる。

図１６に示された例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウ１４００から理解できるように利用者は、車両をルート指定してスケジュールするためにどの特定のルーティング・スケジューリング・システムを使用すべきかを指定できる。利用者は、計画された配達日をテキストボックス１４０２に入力するか、あるいはドロップダウンボックス機能によって利用可能な日付から選択することができる。更に利用者は、ルート１４０４に関するシナリオ（例えば配達または集荷）を指定でき、またそれをテキストボックスに入力することによってルーティングセッションに関する説明１４０６を指定できる。それから利用者は、この利用者が使用したいと思っているルーティング・スケジューリング・システム−ＸＹプログラムまたはルートネット（ＲｏｕｔｅＮｅｔ）のどちらか−に関してラジオボタン１４０８をトグルする。もし例えばＲｏｕｔｅＮｅｔが選択されれば、利用者はルートをスケジュールするときにシステムに代替の街路を考慮するように命令するために「詳細ラッシュアワー」チェックボックス１４１０をトグルできる。それから利用者は、ドロップダウンボックス１４１２内に利用可能なものから選択することによってルーティング・スケジューリング・システムが使用するためのラッシュアワーモデルを選択する。図１６に示すダイアログウィンドウ１４００はまた、利用者がシステムにルートをスケジュールさせたいと思う各日付に関連するチェックボックス１４１４を利用者がトグルすることを可能にする。

図１７に示すように、利用者は、例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウ１５００で前に定義されたラッシュアワーモデルを見て選択することができる。利用者は、どのモデルが定義されたかと、このモデルが最後に修正された日付と、このモデルが上級速度変化モデルを含むかどうかと、を見ることができる。更にこのウィンドウは、利用者が編集のためにラッシュアワーモデルを選択することを可能にする。

結論
当業者には、前述の説明とこれに関連する図面とに示された教示の利点を有する、本発明が関係する本発明の多くの修正版と他の実施形態とが思い浮かぶであろう。したがって本発明が開示された特定の実施形態に限定されないことと、修正版と他の実施形態とが付属の請求項の範囲内に含まれるように意図されていることは、理解されるべきである。特定の用語がここで使用されているが、これらの用語は単に一般的説明的な意味で使用されており、限定の目的で使用されているものではない。

１サンプルセットの修正されたラッシュアワー走行速度を例示する表である。 「正常な」交通状態に関する走行マトリックスを例示する表である。 ２０％遅い速度変化を有するある特定の時間ウィンドウ期間の修正された交通状態に関する走行マトリックスを例示する表である。 本発明の一実施形態によるラッシュアワー・スケジューリングシステムの第１のブロック図である。 本発明の一実施形態によるラッシュアワーモデル化サーバの図である。 本発明の一実施形態によるラッシュアワーモデル化システムのシステムフローを示す図である。 本発明の特定の一実施形態によるラッシュアワーモデル定義モジュールによって実行される種々のステップを例示するフローチャートである。 本発明の特定の一実施形態による走行時間／距離計算モジュールによって実行される種々のステップを例示するフローチャートである。 時間ウィンドウと全体的速度変化とを定義するための例示的なラッシュアワーモデル化ダイアログウィンドウの図形的説明図である。 例示的な地理的領域選択ウィンドウの図形的説明図である。 例示的な道路セグメント選択ウィンドウの図形的説明図である。 簡易ラッシュアワー領域モデルを定義するための例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウの図形的説明図である。 詳細ラッシュアワーモデルを定義するための例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウの図形的説明図である。 ある特定の道路セグメント上を各時間ウィンドウの期間に走行する車両に関して速度変化と走行方向制限とを定義するための例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウの図形的説明図である。 ラッシュアワー期間中に制限されたラッシュアワー領域または道路セグメントにおける走行を禁止され得る車両タイプを定義するための例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウの図形的説明図である。 制限された車両タイプが走行できない道路タイプと時間ウィンドウとを選択するための例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウの図形的説明図である。 車両をルート指定してスケジュールするためにラッシュアワーモデル化データを利用しているルーティング・スケジューリング・プログラムを選択するための例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウの図形的説明図である。 本発明の一つ以上の実施形態にしたがって前に定義されたラッシュアワーモデルを見て選択するための例示的なラッシュアワーモデル・ダイアログウィンドウの図形的説明図である。

Claims (28)

1. 時間ウィンドウを受信するステップと、
   地理的領域を定義する「地理的領域」情報を受信するステップと、
   前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される走行ルールを受信するステップと、
   前記時間ウィンドウと前記「地理的領域」情報と前記走行ルールとを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に一つ以上の車両に関するルートをスケジュールするために前記走行ルールを前記地理的領域に適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
2. 第２の時間ウィンドウを受信するステップと、
   前記第２の時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される第２の走行ルールを受信するステップと、
   前記第２の時間ウィンドウと前記第２の走行ルールとを受信した後に、前記第２の時間ウィンドウの期間に一つ以上の車両に関するルートをスケジュールするために前記第２の走行ルールを前記地理的領域に適用するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項１に記載のシステム。
3. 前記第２の時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される第２の走行ルールを受信するステップと、
   前記第２の走行ルールを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に一つ以上の車両に関するルートをスケジュールするために前記第２の走行ルールを前記地理的領域に適用するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項１に記載のシステム。
4. 第２の地理的領域を定義する追加の「地理的領域」情報を受信するステップと、
   第２の走行ルールを受信するステップと、
   前記追加の「地理的領域」情報と前記第２の走行ルールとを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に一つ以上の車両に関するルートをスケジュールするために前記第２の走行ルールを前記第２の地理的領域に適用するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項１に記載のシステム。
5. 前記走行ルールは、正常な走行時間からの増加または減少パーセンテージを含む速度変化モデルを含むことを特徴とする、請求項１に記載のシステム。
6. 前記走行ルールは、前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される一つ以上の車両ベースの制限を含むことを特徴とする、請求項１に記載のシステム。
7. 前記「地理的領域」情報は、地理的領域を定義する境界を有する多角形を定義するために利用者によって選択される３個以上の点を含むことを特徴とする、請求項１に記載のシステム。
8. 時間ウィンドウを受信するステップと、
   地理的領域を定義する「地理的領域」情報を受信するステップと、
   前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される走行ルールを受信するステップと、
   前記時間ウィンドウと前記「地理的領域」情報と前記走行ルールとを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域の少なくとも一部を経由する一つ以上の車両に関するルートをスケジュールすべきかどうかを決定するために前記一つ以上の走行ルールを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
9. 前記走行ルールは、正常な走行時間からの増加または減少パーセンテージを含む速度変化モデルを含むことを特徴とする、請求項８に記載のシステム。
10. 前記走行ルールは、前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される一つ以上の車両ベースの制限を含むことを特徴とする、請求項８に記載のシステム。
11. 時間ウィンドウを受信するステップと、
    地理的領域を定義する「地理的領域」情報を受信するステップと、
    前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される走行ルールを受信するステップと、
    前記時間ウィンドウと前記「地理的領域」情報と前記走行ルールとを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域を経由して走行する一つ以上の車両の走行速度をモデル化するために前記走行ルールを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
12. 前記走行ルールは、正常な走行時間からの増加または減少パーセンテージを含む速度変化モデルを含むことを特徴とする、請求項１１に記載のシステム。
13. 前記走行ルールは、前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される一つ以上の車両に基づく制限を含むことを特徴とする、請求項１１に記載のシステム。
14. 時間ウィンドウを受信するステップと、
    地理的領域を定義する「地理的領域」情報を受信するステップと、
    前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域に適用される走行ルールを受信するステップと、
    前記時間ウィンドウと前記「地理的領域」情報と前記走行ルールとを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に前記地理的領域内の交通状態をモデル化する時間／距離マトリックスを生成するために前記走行ルールを前記地理的領域に適用するステップと、
    一つ以上の車両が前記時間ウィンドウ内の走行のためにスケジュールされるときに前記一つ以上の車両に関してルートをスケジュールするために前記時間／距離マトリックスを利用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
15. 第１の地理的領域と前記第１の地理的領域に関連する第１の走行ルールとを受信するステップと、
    前記第１の地理的領域と少なくとも部分的にオーバーラップする第２の地理的領域であって、前記第１の地理的領域と前記第２の地理的領域との両者内の領域がオーバーラップした地理的領域を定義する第２の地理的領域を受信するステップと、
    前記第２の地理的領域に関連する第２の走行ルールを受信するステップと、
    前記第１、第２の地理的領域と前記第１、第２の走行ルールとを受信した後に、前記第１、第２の走行ルールが前記オーバーラップした地理的領域の少なくとも一部を経由して走行する一つ以上の車両に適用されるべきかどうかを決定するステップと、
    前記オーバーラップした地理的領域内を走行する一つ以上の車両に前記第１の走行ルールが適用されると決定したことに応じて、前記オーバーラップした地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する一つ以上の車両に関して交通状態をモデル化するために前記第１の走行ルールを適用するステップと、
    前記オーバーラップした地理的領域内を走行する一つ以上の車両に前記第２の走行ルールが適用されると決定したことに応じて、前記オーバーラップした地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する一つ以上の車両に関して交通状態をモデル化するために前記第２の走行ルールを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
16. 第１の地理的領域と前記第１の地理的領域に関連する第１の走行ルールとを受信するステップと、
    前記第１の地理的領域と少なくとも部分的にオーバーラップする第２の地理的領域であって、前記第１の地理的領域と前記第２の地理的領域との両者内の領域がオーバーラップした地理的領域を定義する第２の地理的領域を受信するステップと、
    前記第２の地理的領域に関連する第２の走行ルールを受信するステップと、
    前記第１、第２の地理的領域と前記第１、第２の走行ルールとを受信した後に、前記第１、第２の走行ルールが前記オーバーラップした地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する一つ以上の車両に適用されるべきかどうかを決定するステップと、
    前記オーバーラップした地理的領域内を走行する一つ以上の車両に前記第１の走行ルールが適用されると決定したことに応じて、前記オーバーラップした地理的領域を通過する一つ以上の車両に関してルートをスケジュールすべきかどうかを決定するために前記第１の走行ルールを適用するステップと、
    前記オーバーラップした地理的領域内を走行する一つ以上の車両に前記第２の走行ルールが適用されると決定したことに応じて、前記オーバーラップした地理的領域を通過する一つ以上の車両に関してルートをスケジュールすべきかどうかを決定するために前記第２の走行ルールを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
17. 前記第１または第２の走行ルールが前記オーバーラップした地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する車両に適用されるべきかどうかの決定は、前記第１、第２の地理的領域に割り当てられた優先度番号によって決定されることを特徴とする、請求項１６に記載のシステム。
18. 前記第１または第２の走行ルールが前記オーバーラップした地理的領域の少なくとも一部分を経由して走行する車両に適用されるべきかどうかの決定は、前記第１、第２の地理的領域のどちらが最初に創生されたかによって決定されることを特徴とする、請求項１６に記載のシステム。
19. 時間ウィンドウを受信するステップと、
    道路セグメントを定義する「道路セグメント」情報を受信するステップと、
    前記時間ウィンドウの期間に前記道路セグメントに適用される走行方向制限を受信するステップと、
    前記「道路セグメント」情報と前記走行方向制限とを受信した後に、実質的に如何なるルートも前記時間ウィンドウの期間に前記道路セグメント上での前記制限された走行方向に一つ以上の車両による走行を含まないように一つ以上のルートをスケジュールするために前記走行方向制限を適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
20. 前記「道路セグメント」情報は、利用者によって選択される道路上の２点を含み、前記２点間の道路の部分は前記道路セグメントを定義することを特徴とする、請求項１９に記載のシステム。
21. 時間ウィンドウを受信するステップと、
    道路セグメントを定義する「道路セグメント」情報を受信するステップと、
    前記道路セグメントに適用される車両ベースの制限を受信するステップと、
    前記「道路セグメント」情報と前記車両ベースの制限とを受信した後に、実質的に如何なるルートも前記車両ベースの制限の基準を満足する一つ以上の車両による前記時間ウィンドウの期間の前記道路セグメント上の走行を含まないように一つ以上のルートをスケジュールするために前記車両ベースの制限を適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
22. 時間ウィンドウを受信するステップと、
    道路セグメントを定義する「道路セグメント」情報を受信するステップと、
    正常な走行時間からの増加または減少パーセンテージを含む速度変化モデルであって、前記道路セグメントに適用される速度変化モデルを受信するステップと、
    前記「道路セグメント」情報と前記速度変化モデルとを受信した後に、一つ以上のルートをスケジュールするために前記速度変化モデルを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
23. 地理的領域を定義する「地理的領域」情報を受信するステップと、
    第１の速度変化モデルが前記地理的領域内で適用される第１の時間ウィンドウを受信するステップと、
    第２の速度変化モデルが前記地理的領域内で適用される第２の時間ウィンドウを受信するステップと、
    前記「地理的領域」情報と前記第１の時間ウィンドウと前記第１の速度変化モデルとを受信した後に、前記第１の時間ウィンドウ内で前記地理的領域の少なくとも一部分内を走行する車両に関連する走行時間を推定するために前記第１の速度変化モデルを適用するステップと、
    前記「地理的領域」情報と前記第２の時間ウィンドウと前記第２の速度変化モデルとを受信した後に、前記第２の時間ウィンドウ内で前記地理的領域の少なくとも一部分内を走行する一つ以上の車両に関して交通状態をモデル化するために前記第２の速度変化モデルを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
24. 地理的領域を定義する「地理的領域」情報を受信するステップと、
    前記地理的領域に関する「無走行」時間ウィンドウを受信するステップと、
    実質的に如何なる車両も前記「無走行」時間ウィンドウの期間に前記地理的領域内を走行するようにスケジュールされないことを指定する「無走行」命令を受信するステップと、
    前記「地理的領域」情報と前記「無走行」時間ウィンドウと前記「無走行」命令とを受信した後に、前記システムが実質的に如何なる車両も前記「無走行」時間ウィンドウの期間に前記地理的領域内を走行しないことをスケジュールするように車両をスケジュールするステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
25. 地理的領域を定義する「地理的領域」情報を受信するステップと、
    前記地理的領域内で第１の道路分類に適用される第１の速度変化モデルを受信するステップと、
    前記地理的領域内で第２の道路分類に適用される第２の速度変化モデルを受信するステップと、
    前記「地理的領域」情報と前記第１の速度変化モデルと前記第１の道路分類とを受信した後に、前記地理的領域の少なくとも一部分を経由して前記第１の分類の道路上を走行する車両に関連する走行時間を推定するために前記第１の速度変化モデルを適用するステップと、
    前記「地理的領域」情報と前記第２の速度変化モデルと前記第２の道路分類とを受信した後に、前記地理的領域の少なくとも一部分を経由して前記第２の分類の道路上を走行する車両に関連する走行時間を推定するために前記第２の速度変化モデルを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
26. 時間ウィンドウを受信するステップと、
    道路セグメント分類を受信するステップと、
    前記時間ウィンドウの期間に前記道路セグメント分類に割り当てられた道路セグメントに適用される走行ルールを受信するステップと、
    前記時間ウィンドウと前記道路セグメント分類と前記走行ルールとを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に一つ以上の車両に関してルートをスケジュールするために前記道路セグメント分類に割り当てられた道路セグメントに前記走行ルールを適用するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とするラッシュアワーモデル化システム。
27. 第２の道路セグメント分類を受信するステップと、
    前記時間ウィンドウの期間に前記第２の道路セグメント分類に割り当てられた道路セグメントに適用される第２の走行ルールを受信するステップと、
    前記第２の道路セグメント分類と前記第２の走行ルールとを受信した後に、前記時間ウィンドウの期間に一つ以上の車両に関してルートをスケジュールするために前記第２の道路セグメント分類に割り当てられた道路セグメントに前記走行ルールを適用するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項２６に記載のシステム。
28. 道路セグメントを定義する「道路セグメント」情報を受信して前記道路セグメントにある分類を割り当てるステップと、
    前記道路セグメント情報を受信した後に、もし前記道路セグメントに割り当てられた前記分類が前記走行ルールに関連する前記道路セグメント分類であれば、前記道路セグメントに前記走行ルールを適用するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項２６に記載のシステム。

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