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JP2006514124A - 呼吸できるフィルム - Google Patents

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JP2006514124A
JP2006514124A JP2004514903A JP2004514903A JP2006514124A JP 2006514124 A JP2006514124 A JP 2006514124A JP 2004514903 A JP2004514903 A JP 2004514903A JP 2004514903 A JP2004514903 A JP 2004514903A JP 2006514124 A JP2006514124 A JP 2006514124A
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ヨラン ニルセン,
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ボレアリス テクノロジー オイ
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Abstract

本発明は、呼吸できるフィルムを製造するための組成物に関する。組成物はバイモーダルポリエチレン組成物、粒状フィラー、及び任意的にオレフィン系ポリマーを含む。バイモーダルポリエチレン組成物は0.1〜4g/10分のメルトフローレートMFR2、及び918〜935kg/m3の密度を有する。オレフィン系ポリマーは例えばポリプロピレンであることができる。該組成物から作られたフィルムは非常に高い水蒸気透過速度、300g/m2/24時を超える、を有する。組成物は25g/m2以下の低い坪量を有する薄いフィルムへと製造されることができる。フィルムはピンホールを有さない。

Description

本発明は、線形低密度ポリエチレン組成物から作られる呼吸できるフィルムに関する。また本発明は、呼吸できるフィルムを作るために使用されるバイモーダル線形低密度ポリエチレン組成物に関する。特に本発明は、改良された機械的強さを有する呼吸できるフィルムに関する。
熱可塑性ポリマーとフィラーをブレンドし、フィルムを延伸することによってフィラー粒子の近傍に空隙が形成されることによって、呼吸できるフィルムを作ることが従来知られている。
WO−A−01/79343は、改良された衝撃強度及び高い水蒸気透過速度を有する微孔性熱可塑性フィルムを開示する。該フィルムは、4〜60%の炭酸カルシウム、3〜40%の線形低密度ポリエチレン及び1〜10%の低密度ポリエチレンを含むブレンドから製造される。該フィルムは次に順次延伸されて微孔性フィルムとされる。
WO−A−99/32164は、表シート、裏シート及び該二つの間の吸収剤層を有する吸収剤物品を開示する。該裏シートは、30〜60%のポリオレフィン及び40〜80%の炭酸カルシウムを含む微孔性ポリマーフィルムを有する。該フィルムをキャストした後にそれは、延伸されて、炭酸カルシウムフィラーの周りに微孔性の孔を形成する。ポリエチレンが実施例で使用された。
WO−A−99/14262は、890kg/m3未満の密度を有する第一のエチレンポリマー、900kg/m3より大きい密度を有する第二のエチレンポリマー及び少なくとも35%のフィラーを含む組成物から作られた呼吸できるフィルムを開示する。該第一のエチレンポリマーと該第二のエチレンポリマーの比は、25/75〜75/25である。フィルムは延伸されて、多孔性とされる。実施例は、該第一のエチレンポリマー及び第二のエチレンポリマーの両方のためにメタロセンに基づくポリエチレンが使用されたことを示す。
上記の書面は、種々の呼吸できるフィルム、及びそれを作るための組成物を開示するが、高い水蒸気透過速度を、良好な機械的特性及び良好な加工性と組み合わせて有するフィルムへのニーズがまだある。
良好な機械的特性及び良好な加工性を有する呼吸できるフィルムを提供することが、本発明の目的である。
この目的及び他の目的は、以下の明細書から明らかになるであろう公知のプロセス及び製品を上回るその利点と共に、以下に詳細に記載され且つ特許請求される発明によって達成される。
本発明は、
(i)(i−a)第一の(低分子量)成分、但し該成分は50〜500g/10分、好ましくは100〜400g/10分のメルトフローレートMFR2、および940〜975kg/m3好ましくは945〜975kg/m3の密度を有し、該第一の成分は37〜48重量%の量でバイモーダルポリエチレン組成物中に存在する、
(i−b)少なくとも1の第二の成分、但し該第二の成分は上記第一の成分よりも高い分子量(又は低いメルトフローレート)かつ低い密度を有し、該第二の成分は52〜63重量%の量でバイモーダルポリエチレン成分中に存在し、従って該バイモーダルポリエチレン組成物が0.1〜4.0g/10分、好ましくは0.1〜0.8g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2、15〜200g/10分、好ましくは15〜70g/10分の範囲のMFR21及び918〜935kg/m3の密度を有する、
を含むバイモーダルポリエチレン組成物を、合計組成物の重量に対して20〜50%、
(ii)合計組成物の重量に基づいて40から70%の粒状フィラー、及び
(iii)合計組成物の重量に対し0〜30%の別のオレフィン系ポリマー
を含む組成物
の提供に基づく。
さらに本発明は、該ポリマー組成物を製造するための方法を提供する。まず該バイモーダルポリエチレン組成物は、少なくとも第一の反応器及び第二の反応器により形成される反応器カスケード中で重合触媒の存在下でエチレンを重合または共重合することによりインシチューにより製造される。該重合触媒は、粒状担体の上にマグネシウム化合物、アルミニウム化合物及びチタン化合物を担時させることにより製造される。次にバイモーダル組成物が粒状のフィラー及び任意的に別のオレフィン系ポリマーと配合される。
本発明のもう一つの局面は、改良された特性を有する呼吸できる微孔性フィルムを提供することである。
本発明のさらに別の局面は、呼吸できるフィルムのための上記した組成物の使用を提供する。
本発明の更にもう一つの局面は、呼吸できるフィルムを製造する方法を提供することである。
以下に本発明は詳細な説明及び実施例によってより詳細に説明されるであろう。
定義
本発明の目的のために、「スラリー反応器」は、反応器中でポリマーが粒子の形で形成する、スラリーの形で運転される任意の反応器をいう。適当な反応器の例として、連続撹拌槽反応器、バッチ式に運転される撹拌槽反応器又はループ反応器が挙げられる。好ましい実施態様に従い、スラリー反応器はループ反応器を包含する。
「気相反応器」は、任意の機械的に混合されたまたは流動層の反応器を意味する。好ましくは気相反応器は、少なくとも0.2m/秒の気体速度を有する流動層反応器を包含し、これはさらに機械的撹拌を有してもよい。
「メルトフローレート」又は「MFR」は、標準的ピストン及び負荷を有する実験室レオメーターにおいて標準的温度(ポリエチレンについては190℃)で標準的円筒形口金を通して押出されたポリマーの重量を意味する。MFRは、ポリマーの溶融粘度の尺度であり、従ってその分子量の尺度である。略記「MFR」は一般に、試験におけるピストンの負荷を示す右下の数字とともに記載される。すなわち例えばMFR2は、2.16kg負荷を示す。MFRは、例えば以下の試験法の一つを用いて測定されることが出来る;ISO 1133 C4、ASTM D 1238 及びDIN 53735。
組成
本発明の一つの局面は、
(i)(i−a)第一の(低分子量)成分、但し該成分は50〜500g/10分、好ましくは100〜400g/10分のメルトフローレートMFR2、および940〜975kg/m3好ましくは945〜975kg/m3の密度を有し、該第一の成分は37〜48重量%の量でバイモーダルポリエチレン組成物中に存在する、
(i−b)少なくとも1の第二の成分、但し該第二の成分は上記第一の成分よりも高い分子量(又は低いメルトフローレート)かつ低い密度を有し、該第二の成分は52〜63重量%の量でバイモーダルポリエチレン成分中に存在し、従って該バイモーダルポリエチレン組成物が0.1〜4.0g/10分、好ましくは0.1〜0.8g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2、15〜200g/10分、好ましくは15〜70g/10分の範囲のMFR21及び918〜935kg/m3の密度を有する、
を含むバイモーダルポリエチレン組成物を、合計組成物の重量に対して20〜50%、
(ii)合計組成物の重量に基づいて40から70%の粒状フィラー、及び
(iii)合計組成物の重量に対し0〜30%の別のオレフィン系ポリマー
を含む、高い水蒸気透過(WVTR)を有する呼吸可能なフィルムを作るための組成物
を提供することである。
バイモーダルポリエチレン組成物
バイモーダルポリエチレン成分の使用は、本発明の組成物に高い機械的強度を与える。それはまた本発明の組成物に良好な加工性を与え、低い坪量を有する薄いフィルムの製造を可能にする。非常に高い水蒸気透過速度が得られることができ、フィルム中にピンホールはない。
上記したように、バイモーダルポリエチレン組成物は、組成物の合計重量に対して20〜50%をなす。バイモーダルポリエチレン組成物は好ましくは、バイモーダルポリエチレン組成物の重量に対して37〜48%の低分子量成分及び52〜63%の高分子量成分からなる。
該低分子量成分は、該組成物の加工性を改良することを助ける。それは好ましくは約50〜500g/10分、より好ましくは100〜400g/10分のMFR2を有する。それは、約940kg/m3以上の密度好ましくは約945kg/m3以上の密度を有する、エチレンとC4ないしC10アルファ−オレフィンコモノマーの共重合体であることができる。しかしそれはまた約970kg/m3より高い、特に約975kg/m3の密度を有するエチレンのポリマーであってもよい。
上記高分子量成分は、組成物に機械的特性を与える。それは、エチレンとC4〜C10アルファ−オレフィンとのコポリマーであり、上記低分子量成分よりも大きい分子量及びコモノマーの高い含量を有する。それは、低分子量成分の所定の特性及び成分の所定の割合においてバイモーダルポリエチレン組成物が所望のメルトインデックス及び密度を有するような分子量及びコモノマー含量を有する。
本発明の好ましい実施態様の一つに従い、該低分子量成分は、50〜500g/10分好ましくは100〜400g/10分のメルトフローレートMFR2、及び940〜955kg/m3好ましくは945〜953kg/m3の密度を有する、エチレンとC4〜C10アルファ−オレフィンのコポリマーである。バイモーダルポリエチレン組成物は、0.4〜0.8g/10分のメルトフローレートMFR2及び918〜925kg/m3の密度を有する。
本発明の別の好ましい実施態様に従い、低分子量成分は、100〜500g/10分、好ましくは200〜400g/10分のメルトフローレートMFR2及び940〜955kg/m3、好ましくは945〜953kg/m3の密度を有する、エチレンとC4〜C10アルファ−オレフィンのコポリマーである。バイモーダルポリエチレン組成物は、0.1〜0.3g/10分のメルトフローレートMFR2、15〜35g/10分のMFR21及び918〜925kg/m3の密度を有する。
本発明の別の好ましい実施態様に従い、低分子量成分は、100〜500g/10分好ましくは200〜400g/10分のメルトフローレートMFR2、約970kg/m3より大きい密度を有するエチレンのホモポリマーである。該バイモーダルポリエチレン組成物は、0.1〜0.3g/10分のメルトフローレートMFR2、15〜35g/10分のMFR21及び925〜935kg/m3の密度を有する。
本発明の別の局面から見てバイモーダルポリエチレン組成物は、約912〜935kg/m3好ましくは918〜935kg/m3の密度、約0.05〜4.0g/10分好ましくは約0.1〜0.8g/10分のメルトフローレートMFR2、約7〜200g/10分好ましくは約15〜70g/10分のメルトフローレートMFR21、及び約40〜180好ましくは約60〜120のメルトフローレート比FRR21/2(MFR21とMFR2の比として定義される)を有する。
バイモーダルポリエチレン組成物は、好ましくは約90000〜320000g/モル、より好ましくは150000〜300000g/モルの重量平均分子量MW、5〜40好ましくは7〜30の分子量分布(重量平均分子量MW対数平均分子量Mnの比として定義される)を有する。さらに好ましくはバイモーダルポリエチレン組成物は、ポリマー鎖中のアルファ−オレフィンコモノマー含量約2〜5モル%、より好ましくは2.5〜4モル%を有する。
粒状フィラー
上記粒状フィラーは、フィルム全体に均一に分散されることが出来る粒子の形態の固体物質である。有利には該粒状フィラーは、0.1〜10μm好ましくは0.1〜4μmの範囲内の平均粒子サイズを有する。そのようなフィラーの例は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、種々の粘土、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、珪藻土、硫酸マグネシウム、雲母、カーボン、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどである。フィラー粒子はまた、粒子の流れ特性を改善するために脂肪酸でコーティングされていてもよい。炭酸カルシウムが特に好ましい粒状フィラーである。
粒状フィラーは、組成物の合計重量の40〜70%をなす。組成物がフィルムへと押出されそしてフィルムが延伸されたときに微孔がフィラー粒子の近傍で形成されるというのが現在の理解である。これらの微孔は、フィルムを気体又は水蒸気が透過することを許す。他方、微孔は、フィルムを液体が透過することを妨げるのに十分なほど小さい。
オレフィン系ポリマー
本発明の組成物中に存在していてもよいオレフィン系ポリマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどのホモ又はコポリマーであり上記のバイモーダルポリエチレン成分とは異なる。好ましくはオレフィン系ポリマーは、バイモーダルポリエチレン組成物と非相容性である。従って、ハイインパクトプロピレンコポリマーを本発明で使用するのが適当であることが分かった。オレフィン系ポリマーとして使用されることができる追加的な好ましいポリマーは、他のプロピレンホモまたはコポリマー、1−ブテンホモまたはコポリマー及び4−メチル−1−ペンテンホモまたはコポリマーである。
組成物を製造するための方法
重合触媒
重合触媒は好ましくは、粒状の担体の上に担持されたマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、およびチタン化合物を含む。また、固体のハロゲン化マグネシウム粒子状に担持されたチタン化合物を含む触媒が用いられうる。
粒状担体の上に担持された触媒が用いられるならば、粒状担体は無機酸化物担体、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニアでありうる。好ましくは、担体はシリカである。
シリカ担体の平均粒子サイズは典型的には、10〜100μmでありうる。しかしながら担体が15〜30μm好ましくは18〜25μmの平均粒子サイズを有するならば、特別の利点が得られることが今見出された。特に、触媒が20μm担体に担持されているか40μm担体に担持されているかに関わりなく本発明の方法により製造されるポリマーの平均粒子サイズは同じであることが今見出された。事実、20μmの平均粒子サイズを有する担体が使用されるならば、細かいポリマー粒子の割合がより低いことが見出された。細かいポリマーの減少は、閉塞の危険を低減し、従って安定なプロセス運転に寄与する。他方これは、良好な均一性をもつポリマーフィルムをつくることを助ける。
マグネシウム化合物はジアルキルマグネシウムとアルコールの反応生成物である。アルコールは直鎖または分岐の脂肪モノアルコールである。好ましくはアルコールは6〜16個の炭素原子を有する。分枝したアルコールは特に好ましい。2−エチル−1−ヘキサノールは好ましいアルコールの一つの例である。ジアルキルマグネシウムは、同じ又は異なる2つのアルキル基がマグネシウムに結合した任意の化合物であってよい。ブチル−オクチルマグネシウムは好ましいジアルキルマグネシウムの一つの例である。
アルミニウム化合物は、塩素を含むアルキルアルミニウムである。特に好ましい化合物は、アルミニウムアルキルジクロライド、及びアルミニウムアルキルセスキクロライトである。
チタン化合物は、ハロゲンを含むチタン化合物であり、好ましくは塩素を含むチタン化合物である。特に好ましいチタン化合物は、チタンテトラクロライドである。
該触媒は、ヨーロッパ特許出願688794号に記載されたように、担体を上記化合物と順次接触させることにより作られることが出来る。あるいはそれは、WO−A−01/55230に記載されるように、成分から溶液をまず作りそして次に該溶液を担体と接触させることにより作られることができる。
上記した固体触媒成分はアルミニウムアルキル共触媒(好ましくはアルミニウムトリアルキル化合物)と接触され、その後重合において使用されることができる。該固体触媒成分と該アルミニウムアルキル共触媒の接触は、触媒を重合反応器に導入する前に行われてもよくあるいは該二成分を重合反応器に別々に導入することにより行われてもよい。
重合プロセス
本発明に従うポリマー組成物を作るために、エチレンが高められた温度及び圧力において重合触媒の存在下で重合される。重合は、スラリー反応器及び気相反応器の群から選択される一連の重合反応器において実施される。もっとも好ましい実施態様において反応器系は、一つの管状反応器(以下においては第一の反応器という)及び一つの気相反応器(以下においては第二の反応器という)をこの順で含む。
しかし、反応器系は該第一及び第二の反応器に加えて他の反応器を含んでもよいことが理解されなければならない。すなわち、例えば予備重合のための反応器を含むことができ、あるいは上記の反応器のいずれか一つを二以上の反応器に分けることもできる。
生成物の高分子量部分と低分子量部分は、反応器中で任意の順で作られることができる。第一の重合段階から第二の重合段階へ反応物を持ち込むことを避けるために、反応器の間で分離段階が通常必要である。第一の段階は典型的には不活性反応媒体を使用して実行される。
重合プロセスで使用される触媒は、チーグラー−ナッタ触媒またはメタロセン触媒でありうる。好ましい実施態様に従い、チーグラー−ナッタ触媒が使用される。別の好ましい実施態様に従い、新鮮な触媒が第二の重合段階に加えられることはない。
各重合段階において、C3-18オレフィン、好ましくはC4-10、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン及び1−デセン並びにこれらの混合物からなる群から選ばれたコモノマーを使用することもできる。
バイモーダルエチレンホモ又はコポリマーを製造するために使用される実際の重合反応器に加えて、重合反応系は多数の追加の反応器例えば予備反応器を含んでもよい。予備反応器は、触媒を予備重合するため及び、もし必要ならオレフィン供給物を修飾するための任意の反応器を含む。反応器系のすべての反応器は好ましくは直列に(カスケードに)配列される。
本発明の好ましい実施態様に従い、重合は、
(i)第一の反応ゾーンまたはループ反応器中で重合触媒の存在下にエチレン、水素及び任意的にコモノマーを第一の重合又は共重合反応に付して、50〜500g/10分、好ましくは100〜400g/10分のメルトフローレートMFR2、及び940〜975kg/m3、好ましくは945〜975kg/m3の密度を有する低分子量の第一の重合生成物を作る工程、
(ii)上記第一の重合生成物を第一反応ゾーンから回収する工程、
(iii)該第一の重合生成物を第二の反応ゾーンまたは反応器に供給する工程、
(iv)該第二の反応ゾーンに追加のエチレン、コモノマー及び任意的に水素を供給する工程、
(v)上記重合触媒及び上記第一の重合生成物の存在下で上記追加のエチレン及び追加のコノモマー及び任意的に水素を第二の重合反応に付すこと、
(vi)工程(i)で作られた低分子量ポリマー41〜48重量%及び工程(v)で作られた高分子量成分59〜52重量%を含むポリマー組成物を作る工程、
(vii)該組成物が0.1〜4.0g/10分、好ましくは0.1〜0.8g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2及び918〜935kg/m3の密度を有すること、及び
(viii)該第二の反応ゾーンから一緒にされた重合生成物を回収すること
を含む。
方法の第一のステップにおいて、エチレンがコモノマーとともに第一の重合反応器に供給される。これら成分とともにまた、分子量調節剤として働く水素が供給される。水素の量は、ポリマーの望まれる分子量に依存する。触媒は、反応物とともに反応器に供給されることができ、あるいは好ましくは別々の流れで、通常希釈剤でのフラッシングにより供給されることができる。
重合媒体は典型的には、モノマー(すなわちエチレン)及び/又は炭化水素特に軽質不活性炭化水素例えばプロバン、イソブタン、n−ブタン又はイソペンタンを含む。該流体は液体、気体又は超臨界状態にある。超臨界状態において、反応混合物の温度及び圧力は、流体混合物の臨界温度及び臨界圧力を超えている。ループ反応器の場合、流体は液体または超臨界状態にあり、ポリマーの懸濁物がスラリー反応器を連続的に循環され、それによって炭化水素媒体又はモノマー中の粒子形のポリマーの懸濁物が製造されるであろう。
ループ反応器の状態は、全生産の37〜48重量%、好ましくは39〜47重量%がループ反応器中で重合されるように選択される。温度は、40〜110℃、好ましくは70〜100℃の範囲である。反応圧力は、20〜100バール、好ましくは35〜80バールの範囲である。反応混合物中のエチレンのモル割合は、典型的には4〜10%、好ましくは5〜9%である。α−オレフィンコモノマーとエチレンの比は、第一段階で製造されるポリマーの密度に依存し、典型的にはそれは0〜800モル/キロモルである。
ハロゲンがまた、ポリマーの分子量(またはメルトフローレート)を制御するために第一反応器に供給される。ハロゲンとエチレンの正確な比は、作られるべきポリマーの所望のメルトフローレートに依存し、典型的にはそれは100〜600モル/キロモル、好ましくは150〜400モル/キロモルである。)
重合熱は、冷却ジャケットで反応器を冷却することによって除去される。スラリー反応器中の滞在時間は、十分な重合度を得るために少なくとも10分間、好ましくは40〜80分間でなければならない。
第一の反応ゾーンの後で反応媒体の揮発性成分の少なくとも一部が気化される。気化の結果として水素の少なくとも大きな部分が、生成物流から除去される。生成物流は次に、追加のエチレンの存在下で気相反応器中で第二の重合段階に付されて、高分子量ポリマーを製造する。
第二の反応器は、気相反応器であり、そこでエチレン、コモノマー及び好ましくは水素が重合触媒の存在下で気相反応媒体中で重合される。
該気相反応器は、通常の流動層反応器であることができるが、他のタイプの気相反応器を用いることもできる。流動層反応器中で、床は、形成されそして成長しつつあるポリマー粒子、並びにポリマー流とともに反応器に入ったまだ活性な触媒からなる。床は、気体成分例えばモノマー及びコモノマーを反応器の底から、粒子が気体流によって支持されしかし運び去られないような速度で吹き込むことによって流動状態に保たれる。該流動化ガスは不活性気体例えば窒素及びプロパン及びまた分子量調節剤としての水素を含むことができる。流動層気相反応器は、機械的撹拌装置を備えられることができる。
用いられる気相反応器は、50〜115℃好ましくは60〜100℃の温度及び10〜40バールの反応圧力、及び2〜20バール好ましくは3〜8バールのエチレン分圧で運転されることができる。
低分子量重合リアクターと高分子量重合リアクターの製造割合は、ポリマー組成物の重量に基づき(37〜48%);(63〜52%)である。好ましくはエチレンコポリマーの39〜47重量%が50〜500g/10分好ましくは100〜400g/10分のMFR2及び940〜975kg/m3好ましくは945〜975kg/m3の密度を有するポリマーを与えるような条件で製造される。エチレンコポリマーの53〜61%が、最終ポリマー組成物が0.1〜4.0g/10分好ましくは0.1〜0.8g/10分のMFR2及び918〜925kg/m3の密度を有するような条件で作られた高分子量ポリマーを与えるような条件で作られることが好ましい。
上述したように第二反応器におけるコモノマーとエチレンの比は、最終ポリマー組成物が所望の密度を持つように選択される。好ましい範囲は500〜900モル/キロモル、好ましくは500〜800モル/キロモルである。
同様に第二反応器中の水素とエチレンの比は、最終ポリマー組成物が所望のメルトフローレートを持つように選択される。典型的な範囲は1〜30モル/キロモル、好ましくは3〜20モル/キロモルである。
エチレンの存在するポリマー及びコポリマーは、従来使用されている添加物及び助剤とブレンドされることがで気相して任意的にコンパウンドされることができる。すなわち適当な添加物は、静電防止剤、難燃剤、光安定剤、熱安定剤、顔料及び加工助剤を含む。
コンパウンディング
ポリマーが反応器から集められそして炭化水素残留物がそれから除かれた後に、該ポリマーはコンパウンドされそして押出されてペレットとされる。この工程において、従来知られている任意の押出器を使用できる。しかし好ましくは、二軸押出器を用いる。それは共回転タイプであってよく、例えばWerner & Pfleidererにより作られ、ZSK例えば90ミリメートルスクリュウ直径を有するZSK90であることができる。あるいはそれは逆回転タイプであることができ、例えば日本製鋼から作られているZSW CIM−P、例えば90ミリメートルスクリュウ直径を持つCIM90Pであることができる。逆回転二軸押出器を用いることが特に好ましい。
粒状フィラー及び任意的にオレフィン系ポリマーは、この押出し段階においてバイモーダルポリエチレン組成物に加えられることができる。しかし、バイモーダルポリエチレン組成物と添加物を混合しそれをペレットに押出すことができる。このペレットが次に第二の押出し段階に導入されて、そこに粒状フィラー及び任意的にオレフィン系ポリマーが導入される。このようにして得たコンパウンドは次に、押出されて直接にフィルムとされうる。しかし、それはペレットへと押出されることができ、ペレットが集められそして別の押出し段階でフィルムへと押出されることができる。
フィルム
本発明に従う組成物は、呼吸できるフィルムを製造するために使用される。該フィルムはブロー成形またはキャスト成形によって作られることができる。MFR範囲の低い側のメルトインデックス、0.1〜0.8g/10分のMFR2を有するポリマーが、フィルムブロー成形のために好ましい。他方、MFR範囲の高い方のメルトインデックス、0.4〜4.0g/10分のMFR2を有するポリマーはキャストフィルムを作るのに適している。
フィルムが作られた後に、それは延伸されなければならない。延伸の目的は、フィラー粒子の近傍で微孔を作り、したがってフィルムを呼吸できるようにするためである。フィルムは、そのもとの長さの3〜10倍、好ましくは4〜7倍延伸されなければならない。延伸されたフィルムの長さともとのフィルムの長さのこの比は、以下では延伸比という。
驚くべきことに、本発明のフィルムは、非常に高い水蒸気透過速度を有する。この高い速度を達成するために、組成物におけるフィラー粒子の高い割合(57〜70%)を、好ましくは高い延伸比(5.5〜7)とともに使用することが有利である。
バイモーダルポリエチレン組成物の高い機械的強度及び良好な加工性が、高い延伸比の使用を可能にするようである。これは、3000g/m2/24時間よりも高い、事実上400g/m2/24時間よりさえも高い、非常に高い水蒸気透過速度を達成することを可能にする。
あるいはまた驚くべきことに、25〜40%のバイモーダルポリエチレン組成物、50〜57%の粒状フィラー及び5〜20%のプロピレンポリマーを含む組成物を用意することにより、3000g/m2/24時間、あるいは4000g/m2/24時間よりさえも高い水蒸気透過速度が達成されうる。この組成物がフィルムへとされそして4〜5.5の延伸比で延伸されると、得たフィルムが上記した高い水蒸気透過速度を有する。
水蒸気透過速度に対するプロピレンポリマーの存在の影響は驚くほど強い。プロピレンポリマーが存在しない類似の組成物に比べて、組成物へのプロピレンポリマーの添加によって100%よりも大きく速度が増加されうることが見出された。水蒸気透過速度を増加するために使用されうるプロピレンポリマーは、プロピレンホモポリマー、プロピレンと他のオレフィン特にエチレンとのランダムコポリマー、ハイインパクトプロピレンコポリマー及びプロピレン−エチレンゴムを含む。バイモーダルポリエチレンと混和性でない他のオレフィンのポリマー、例えば1ブテンまたは4−メチル−1−ペンテンのホモポリマー及びコポリマーは同様の効果を有すると考えられる。
また、低い坪量を有する薄いフィルムがピンホールなしに作られることができる。すなわち本発明のフィルムは、25μm以下、20μm以下さえの厚さを有すことができ、それらは25g/m2、20g/m2未満さえの坪量を有することができる。これは、より少ない量のポリマーからフィルムをつくることを可能にし、従って原材料コストを節約することを可能にする。
組成物における基本ポリマーとして上記バイモーダルポリエチレン組成物を使用することの一つのより驚くべき利点は、組成物において基本ポリマーとしてユニモーダルポリエチレンが使用された状況と比べて、フィルム及び組成物を作るときのスクラップ物質の量の低減である。バイモーダルポリエチレン組成物の使用は組成物の良好な均一性を与え、従って廃棄物の量が実質的に低減される。これはフィルム製造プロセスの経済性を改善する。
本発明に従うフィルムは、高い機械的強度を有する。すなわち、それらは、ユニモーダルポリエチレン組成物から作られた従来のフィルムよりも高い引っ張り強度及び引き裂き強度を有する。好ましくは本発明に従うフィルムは、少なくとも30MPa、より好ましくは40MPaの機械方向引っ張り強度、少なくとも2MPa、より好ましくは少なくとも3MPaの横方向引っ張り強度、少なくとも0.5N、より好ましくは0.8Nの機械方向引き裂き強度、及び少なくとも20N、より好ましくは少なくとも30Nの横方向引き裂き強度を有する。
分析方法の記述
引っ張り強度
実験は、ISO1184方法に従って行われる。試料が、その主軸に沿って一定速度で引っ張られる。フィルム引っ張り試験において、グリップ間の距離(ゲージ長さ)として名目50mmが使用される。125mmゲージ長さが、引っ張り弾性率測定に必要とされる。
引き裂き強度
引き裂き強度はASTM1922に従って行われる。
水蒸気透過速度(WVTR)
水蒸気透過速度は、Modern Controls. Inc.(MOCON)から市販入手できる、Permatran−W 100K水蒸気透過分析システムを用いて測定された。
坪量
坪量は、連邦テスト法No.191A/5041に従って行われうる。試料物質のためのサンプルサイズは、15.24×15.24cmであった。得られた数値は、少なくとも3回の個々の測定の平均値である。
ピンホール数
ピンホールの存在は、650mm水高さに対応する水圧にフィルムサンプルを付すことにより決定される。
密度
密度は、Tecrad DS 500装置を用いて超音波測定法に従って水浴中で23℃で圧縮成形された試料から得られた。
分子量
分子量分布及び平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定された。実施例において、Waters 150 CV plus No.1115装置が、屈折インデックス(RI)及び粘度ディテクターとともに使用された。カラムは、Watersからの3 HT6E styragel であった。オーブン温度は140℃であった。装置は、狭い分子量分布を有するポリスチレンサンプルを用いてキャリブレーションされた。
コモノマー含量
コモノマー含量は、13C NMRを用いて測定される。
メルトフローレート
ポリマーのメルトフローレートは、190℃でISO1133に従って測定された。負荷は、下付き文字で示されたようであり、例えばMFR21は21.6kg負荷で測定された。
平均粒子サイズ
平均粒子サイズは、ポリマーを篩うことによって測定された。触媒及びフィラーについて、平均粒子径はCoulter LS パーティクル サイズアナライザーを使用して体積平均粒子径として測定される。
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
実施例1(触媒の調製)
コンプレックス 調製
トルエン87kgが反応器に加えられた。次に、ヘプタン中の45.5kgのBomag Aがまた反応器に加えられた。次に161kgの99.8%2−エチル−1−ヘキサノールが24〜40kg/時間の流速で反応器に投入された。BOMAG−Aと2−エチル−1−ヘキサノールのモル比は1:1.83であった。
固体触媒成分調製
窒素中で600℃で活性化された275kgのシリカ(Crossfield のES747JR、20μmの平均粒子ケイ)が触媒調製反応器に供給された。次に555リットルペンタン中に希釈された20%EADC(2.0ミリモル/gシリカ)411kgが環境温度で1時間で反応器に加えられた。次に処理されたシリカを1時間撹拌しながら、温度は35℃に上げられた。シリカは、50℃で8.5時間乾燥された。次に、上記のように調製されたコンプレックス655kg(2ミリモルMg/gシリカ)が23℃で10分間で加えられた。86kgのペンタンが、22℃で10分間で反応器に加えられた。スラリーが50℃で8時間撹拌された。最後に、52kgのTiCl4が45℃で0.5時間で加えられた。スラリーは、40℃で5時間撹拌された。該触媒は次に、窒素でのパージにより乾燥された。
実施例2(バイモーダル組成物の調製)
85℃の温度及び60バールの圧力で運転される500dm3のループ反応器中に、プロパン希釈剤、エチレン、水素及び1−ブテンコモノマーを、反応混合物中のエチレン含量が6.7モル%、水素対エチレンのモル比が235モル/キロモルでありかつ1−ブテンとエチレンのモル比が570モル/キロモルであるような流速で連続的に供給された。同時に反応器中に、実施例1で製造された重合触媒及びトリエチルアルミウム共触媒が、エチレンポリマーが25kg/時の速度で製造されるような量で連続的に供給された。共触媒のアルミニウムと触媒のチタンのモル比は20であった。ポリマーは、300g/10分のMFR2及び951kg/m3の密度を有した。
該ポリマーは、沈降脚を用いてループ反応器から抜き出され、該ポリマースラリーは、3バールの圧力及び20℃の温度で運転されるフラッシュタンクに導入された。フラッシュタンクからポリマーが流動層気相反応器に導入され、これは80℃の温度及び20バールの圧力で運転された。気相反応器中に、追加のエチレン、水素及び1−ブテンが導入され、また接続及びパイプをあけたままにしておくように窒素フラッシュが用いられた。結局、反応器中のエチレンの濃度は19モル%であり、水素対エチレンのモル比は3モル/キロモルであり、1−ブテン対エチレンのモル比は645モル/キロモルであった。ポリマーは反応器から56kg/時の速度で抜き出された。ポリマーを集めた後、それは添加剤とブレンドされ、そして逆回転二軸押出機JSW CIM90P中でペレットへと押出された。得られたポリマーは、0.47g/10分のMFR2及び922kg/m3の密度を有していた。ループ反応器で作られたポリマーと気相反応器で作られたポリマーの重量割合として定義される比(スプリット)は45/55であった。
実施例3
実施例2の手順が繰り返された。但し、反応器中の条件は変えられた。条件及び得られたポリマーのデータは表1に見られる。
実施例4
実施例2の手順が繰り返された。但し、反応器中の条件は変えられた。条件及び得られたポリマーのデータは表1に見られる。
実施例5
実施例4で製造されたポリマーが、SA233F(Borealisで作られ販売されているプロピレンとエチレンのハイインパクトコポリマー、14.5重量%のエチレン含量及び23℃で測定されたMFR20.8g/10分を有する)及び炭酸カルシウムとコンパウンドされた。最終組成物は、35重量%の実施例4のバイモーダルポリエチレン組成物、10重量%のSA233F及び55重量%の炭酸カルシウムを含んだ。かくして得た組成物は次にフィルムへとブロー成形され、得たフィルムはそのもとの長さの4.7倍に機械方向で延伸された。得たフィルムは30μmの厚さ、34g/m2の坪量、50MPaの機械方向引張強度、5MPaの横方向引張強度を有した。機械方向及び横方向の引裂き速度はそれぞれ1.2及び40Nであった。水蒸気透過速度は、4990g/m2/24時であるとわかった。フィルムはピンホールを有しなかった。
Figure 2006514124
実施例6
実施例5の手順が繰り返された。但し、ポリマー組成物は実施例2で製造されたポリマー40重量%をバイモーダルポリエチレン組成物として、及び60重量%の炭酸カルシウムを含んだ。組成物は次にフィルムへとブロー成形され、得られたフィルムはそのもとの長さの6倍に機械方向で延伸された。得られたフィルムは19μmの厚さ及び16g/m2の坪量、59MPaの機械方向引張強さ及び4.1MPaの横方向引張強度を有した。機械方向及び横方向の引裂き強度はそれぞれ1.1及び43Nであった。水蒸気透過速度は、6280g/m2/24時であるとわかった。フィルムはピンホールを有しなかった。
実施例7
実施例5の手順が繰り返された。但し、ポリマー組成物は実施例3で製造されたポリマー45重量%をバイモーダルポリエチレン組成物として、及び55重量%の炭酸カルシウムを含んだ。組成物は次にフィルムへとブロー成形され、得られたフィルムはそのもとの長さの6倍に機械方向で延伸された。得られたフィルムは25μmの厚さ、67MPaの機械方向引張強さ及び4.1MPaの横方向引張強度を有した。機械方向及び横方向の引裂き強度はそれぞれ1.2及び47Nであった。
実施例8
実施例5の手順が繰り返された。但し、ポリマー組成物は実施例4で製造されたポリマー45重量%をバイモーダルポリエチレン組成物として、及び55重量%の炭酸カルシウムを含んだ。組成物は次にフィルムへとブロー成形され、得られたフィルムはそのもとの長さの5倍に機械方向で延伸された。得られたフィルムは28μmの厚さ及び26g/m2の坪量、86MPaの機械方向引張強さ及び6.0MPaの横方向引張強度を有した。機械方向及び横方向の引裂き強度はそれぞれ1.9及び112Nであった。水蒸気透過速度は、1930g/m2/24時であるとわかった。フィルムはピンホールを有しなかった。
実施例9
実施例5の手順が繰り返された。但し、ポリマー組成物は実施例4で製造されたポリマー25重量%をバイモーダルポリエチレン組成物として、20%のCB9270(Borealisにより製造及び市販されている、押出コーティング用のバイモーダル線状低密度ポリエチレン、密度927kg/m3、MFR210g/10)分)及び55重量%の炭酸カルシウムを含んだ。組成物は次にフィルムへとブロー成形され、得られたフィルムはそのもとの長さの5倍に機械方向で延伸された。得られたフィルムは21μmの厚さ及び23g/m2の坪量、72MPaの機械方向引張強さ及び6.2MPaの横方向引張強度を有した。機械方向及び横方向の引裂き強度はそれぞれ1.5及び100Nであった。水蒸気透過速度は、1090g/m2/24時であるとわかった。フィルムはピンホールを有しなかった。
実施例10
実施例9の手順が繰り返された。但し、フィルムは、もとの長さの5.5倍に機械方向で延伸された。得たフィルムは21μmの厚さ、85MPaの機械方向引張強さ及び5.5MPaの横方向引張強さを有した。機械方向及び横方向の引裂き強さはそれぞれ1.2及び100Nであった。
Figure 2006514124

Claims (20)

  1. (i)(i−a)第一の低分子量成分、但し該低分子量成分はエチレンのホモポリマーまたはエチレンと1以上のC4〜C10アルファ−オレフィンのコポリマーであり、50〜500g/10分、好ましくは100〜400g/10分のメルトフローレートMFR2、および940〜975kg/m3、好ましくは945〜975kg/m3の密度を有し、該第一の成分は37〜48重量%の量でバイモーダルポリエチレン組成物中に存在する、
    (i−b)少なくとも1の第二の成分、但し該第二の成分はエチレンと1以上のC4〜C10アルファ−オレフィンのコポリマーであり、上記第一の成分よりも高い分子量を有し、低いメルトインデックスを有し、かつ低い密度を有し、該第二の成分は52〜63重量%の量でバイモーダルポリエチレン成分中に存在し、従って該バイモーダルポリエチレン組成物が0.1〜4.0g/10分、好ましくは0.1〜0.8g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2、15〜200g/10分、好ましくは15〜70g/10分の範囲のMFR21及び918〜935kg/m3の密度を有する、
    を含むバイモーダルポリエチレン組成物を、合計組成物の重量に対して20〜50%、
    (ii)合計組成物の重量に対して40から70%の粒状フィラー、及び
    (iii)合計組成物の重量に対し0〜30%の別のオレフィン系ポリマー
    を含む呼吸可能なフィルムを作るための組成物。
  2. 上記別のオレフィン系ポリマーが、プロピレン、1−ブテン、及び4−メチル−1−ペンテンのホモポリマー及びコポリマーの群から選択される、請求項1記載の組成物。
  3. 上記別のオレフィン系ポリマーが、プロピレンのホモポリマー又はコポリマー、好ましくはプロピレンとエチレンのコポリマーである請求項1又は2記載の組成物。
  4. 合計組成物の重量に基づいて5〜20%の上記プロピレンポリマーを含む請求項3記載の組成物。
  5. 上記粒状フィラーの含量が55〜70%である、請求項1記載の組成物。
  6. 該粒状フィラーが炭酸カルシウムである請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
  7. 呼吸できるフィルムを作るための組成物であって、
    (i)下記の特性(a)〜(d)を有するバイモーダルポリエチレン組成物を、合計組成物の重量に対して20〜50%:
    (a)912〜935kg/m3の密度、
    (b)0.1〜0.8g/10分のメルトインデックスMFR2
    (c)15〜70g/10分のメルトインデックスMFR21
    (d)60〜120のフローレート比MFR21/MFR2
    (ii)合計組成物の重量に対して40〜70%の粒状フィラー、及び
    (iii)合計組成物の重量に対して0〜30%の別のオレフィン系ポリマー
    を含む上記組成物。
  8. 上記バイモーダルポリエチレン組成物が、
    (e)150000〜300000g/モルの重量平均分子量(MW)、
    (f)70〜30の、重量平均分子量対数平均分子量の比(MW/Mn)、及び
    (g)2〜5モル%のアルファ−オレフィンコモノマー単位の含量
    を有する、請求項7記載の組成物。
  9. 上記別のオレフィン系ポリマーがプロピレンホモ又はコポリマー、好ましくはプロピレンとエチレンのコポリマーである請求項7又は8記載の組成物。
  10. 合計組成物の重量に基づいて5〜20%の上記プロピレンポリマーを含む請求項9記載の組成物。
  11. 上記粒状フィラーの含量が55〜70%である、請求項7又は8記載の組成物。
  12. 該粒状フィラーが炭酸カルシウムである請求項7〜11のいずれか1つに記載の組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つに従う組成物を用いてフィルムを作る方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか1つに従う組成物を含む呼吸することができるポリマーフィルム。
  15. 3000g/m2/24時間より大きい、好ましくは4000g/m2/24時間より大きい水蒸気透過速度を有する請求項14記載のフィルム。
  16. 25g/m2より小さい坪量を有する請求項14又は15に記載のフィルム。
  17. (A)請求項1〜12のいずれか1項に従う組成物を押出し機に供給する工程、
    (B)該組成物をフィルムへと押出す工程、
    (C)該フィルムを延伸して呼吸できるフィルムを製造する工程。
    の工程を含む、呼吸できるポリマーフィルムを製造する方法。
  18. 該フィルムが、3〜10、好ましくは4〜7の延伸比で延伸される請求項17記載の方法。
  19. (i)第一の反応ゾーンまたは反応器中で重合触媒の存在下にエチレン、水素及び任意的にコモノマーを第一の重合又は共重合反応に付して、50〜500g/10分、好ましくは100〜400g/10分のメルトフローレートMFR2、及び940〜975kg/m3、好ましくは945〜975kg/m3の密度を有する低分子量の第一の重合生成物を作る工程、
    (ii)上記第一の重合生成物を第一反応ゾーンから回収する工程、
    (iii)該第一の重合生成物を第二の反応ゾーンまたは反応器に供給する工程、
    (iv)該第二の反応ゾーンに追加のエチレン、コモノマー及び任意的に水素を供給する工程、
    (v)上記重合触媒及び上記第一の重合生成物の存在下で追加のエチレン及び追加のコノモマー及び任意的に水素を第二の反応ゾーンに付すこと、
    (vi)工程(i)で作られた低分子量ポリマー41〜48重量%及び工程(v)で作られた高分子量成分59〜52重量%を含むポリマー組成物を作る工程、
    (vii)該組成物が0.1〜4.0g/10分、好ましくは0.1〜0.8g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2及び918〜935kg/m3の密度を有すること、及び
    (viii)該第二の反応ゾーンから一緒にされた重合生成物を回収すること
    を含むプロセスによりバイモーダルポリエチレン組成物が作られる、請求項17又は18記載の方法。
  20. 上記第一の重合生成物が上記第二の反応ゾーン又は反応器に導入される前に、反応媒体の揮発性成分の少なくとも一部が気化されそして第一の重合生成物から除去される請求項19記載の方法。
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