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JP2006509500A - トポイソメラーゼ遺伝子の領域からの核酸プローブ及びブロードレンジプライマー並びにそれらを使用する方法 - Google Patents

トポイソメラーゼ遺伝子の領域からの核酸プローブ及びブロードレンジプライマー並びにそれらを使用する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、細菌種の同定及び細菌感染症の診断に有用な核酸プロー及びブロードレンジプライマーに関する。特に、本発明は感染起炎細菌のトポイソメラーゼ遺伝子の保存された配列近くに位置する超可変領域を起源とする特異的核酸プローブに関する。本発明は、トポイソメラーゼ遺伝子の保存された領域を起源とするブロードレンジプライマーにも関する。特に、そのプライマーはgyrBタンパク質及び/又はparEタンパク質をコードする遺伝子の保存された領域を起源とする。さらに、本発明は細菌感染症の診断へのこれらの核酸プローブ及びブロードレンジプライマーの使用、並びにこれらの核酸プローブ及びブロードレンジプライマーが使用される診断法に関する。

Description

本発明は、細菌種の同定及び細菌感染症の診断に有用な核酸プローブ及びブロードレンジプライマーに関する。特に、本発明は感染源となる細菌のトポイソメラーゼ遺伝子の保存された配列近くに位置する超可変領域を起源とする特異的核酸プローブに関する。本発明はまた、トポイソメラーゼ遺伝子の保存された領域を起源とするブロードレンジプライマーに関する。さらに本発明は、細菌感染症の診断におけるこれら核酸プローブ及びブロードレンジプライマーの使用、並びにこれら核酸プローブ及びブロードレンジプライマーを使用する診断法に関する。
呼吸器感染症は最も一般的な来院理由である。フィンランドでは、1年間に住民1000人あたり約13例が肺炎と診断されている。急性上顎洞炎及び耳炎と診断される場合はさらに多い。例えば、フィンランドでは耳炎は年間約200000例と推定されている(主に小児で診断された)。呼吸器感染症は医療システムに負担を与え、社会に重大な損失を発生させる。呼吸器感染症にかかる正確なコストは算出が困難である。それは、これらのコストの大部分が、欠勤のようないわゆる間接コストから成るからである(Rautakorpiら、Scandinavian Journal of Infectious Diseases、33(12):920〜6頁、2001、Infektiotaudit、ed.Eskola、Huovinen ja Valtonen1998)。呼吸器感染症は、世界的には主に子供で、数百万人の死亡の原因となっている。
呼吸器感染症は、ウイルスの他、多様な細菌により引き起こされ、化膿性ブドウ球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌)は扁桃炎の重要な病原体である。扁桃周囲膿瘍のような重症合併症のリスクは、未治療の扁桃炎と関係している。さらに、化膿性ブドウ球菌により引き起こされる扁桃炎の続発症には、重症で致命的な疾患でさえあるリウマチ熱及び糸球体腎炎がある。外来患者における肺炎の最も重要な病原体は、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)(肺炎双球菌)、マイコプラズマニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、及びクラミジアニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)である。そのうち肺炎双球菌が最もよくみられる重大な肺炎の病原体である。それよりも頻度の低い肺炎を引き起こす細菌種は、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)及びコクシエラブルネッティー(Coxiella burnetii)である。他方、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は肺結核を引き起こす。さらに、稀少なマイコバクテリウム(Mycobacterium)及びノカルジア(Nocardia)種により引き起こされる肺炎が免疫不全患者で診断される。肺炎球菌の他、上顎洞炎及び中耳炎(otitis media)を引き起こす因子にはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)及びモラクセラカタラーリス(Moraxella catarrhalis)がある。アロイオコッカスオティティディス(Alloiococcus otitidis)も、その頻度は低いが耳炎を引き起こす。
現在のところ、細菌性呼吸器感染症の診断は主に細菌培養試験に基づいている。しかし、細菌培養試験は比較的時間がかかり、培養に基づく診断法は、検体採取後数日かかって、ときには数週間で結果をもたらすことが普通である。さらに、細菌の培養は実験室の条件で必ずしも成功するわけではない。これは、使用されている培養法を問題の細菌種に適用できなかったり、検体を採取する前に患者が抗菌療法を受けているという事実によることがある。咽頭炎の診断では、抗原検出に基づいた迅速法が細菌培養試験の良い補足的方法であるが、この試験法は限られた数の病原体(A群連鎖球菌)にのみ有効である。一部の細菌感染症(例えばC.ニューモニエ及びM.ニューモニエ)では血清学的方法も使用できるが、これらの方法は感染の開始後数週間でのみ結果をもたらす。従って、これらの方法は患者の緊急の治療には役立たない。
核酸の増幅及びハイブリダイゼーションに基づく分子学的方法が、上述の細菌培養試験の問題を解決するために試みられている。これらの方法の助けによって、病原体を同時に検出及び同定し、より迅速な診断を得、追加の培養試験の必要を回避している。また、抗生物質は培養試験を妨害するほどは分子学的方法を妨害しない。
細菌診断に使用される1つの分子学的方法は、ブロードレンジプライマーの使用に基づく、いわゆるブロードレンジPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)である。現在のところ最も一般的なブロードレンジPCR法は、リボソームRNA(16S rDNA/rRNA又は23S rDNA/rRNA)をコードする細菌染色体遺伝子の保存されたDNA配列を認識するプライマーの使用に基づいている。ブロードレンジPCRに基づく細菌の同定では、増幅されたPCR産物のクローニング及び配列決定により実際の同定ステップを実施する(例えばEP−B1613502、米国特許第6001564号、及び米国特許出願第0020055101号を参照)。
ブロードレンジ細菌PCR法は臨床細菌診断にある程度適用されてきたが、この方法は培養単離物から細菌種及び真菌種を同定するために最も適しており、この目的のためにMicroSeq(Applied Biosystems)のような市販の試験も開発された。しかし、PCR産物の配列決定に時間がかかり、大きな労働力を要することから、これらの試験は広くは使用されていない。また、アッセイ自体及び配列決定機器などの必要な装置が高価であり、試験の実施は専門訓練を受けた人員を必要とする。さらに、微生物多重感染では徹底的なクローニング実験が必要となることがある。
細菌診断にある程度使用される別の方法は、マルチプレックスPCRであり、この方法は1つの反応混合物にプールされたいくつかの特異的オリゴヌクレオチドの使用に基づいている。Hendolinら(Journal of Clinical Microbiology、35:11、1997)は中耳炎を引き起こす病原体の同定にマルチプレックスPCR法を使用した。
マルチプレックスPCR法は比較的高感度で迅速であるが、いくつかの欠点を有する。短鎖DNA断片の方が長鎖DNA断片よりも効率的に増幅されることが知られている。したがって、同一の試料が2つの異なる細菌種を含む場合、短い方の断片の細菌DNAが効率よく増幅されると思われ、このことはこの方法の感度に影響を与える。さらに、マルチプレックスPCRでは2、3の細菌種だけを同時に同定することが可能である。それは、同一のPCR条件で機能的であるように特異的プライマー対を例えば1ダースを超えて設計することが実際的に不可能だからである。したがって、マルチプレックスPCRは、10種を超える臨床的に重要な病原体が知られている、例えば呼吸器感染症の、例えば診断には適用できない。
いわゆる常在菌叢の細菌も、マルチプレックスPCRに基づく微生物診断で問題を起こす場合がある。わずか2、3ダースの細菌種のゲノムしか完全にはマッピングされておらず、これらの細菌種の大部分は病原体として知られている。従って、常在菌叢の細菌及びそれらのDNA配列についてはほとんど情報がない。この理由から、種特異的PCRプライマーの設計及びPCR増幅のみに基づく細菌診断はほとんど不可能である。
リボソームRNAの使用もいくつかの欠点を含んでいる。rRNA分子の助けを借りて関係細菌種を互いに識別することは困難である。それは、これらの分子の配列がそれらの細菌種を互いに比較するのに、十分な可変領域を含まないからである。そして、たとえ様々な細菌種の間に差が見られたとしても、これらの可変部位は一般にrRNA分子全体にわたりばらばらに存在し(例えば16S rRNAの長さは約1500ヌクレオチドである)、このことが診断に分子法を使用することを制限している。従って、実際には、rRNAコードする遺伝子全体を配列決定することによってのみ関係細菌種を互いに識別できる。しかし、この取り組みでさえも細菌種を互いに識別するには必ずしも十分ではない。
本発明の目的は、感染性疾患の細菌、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌の診断に有用であり、上記の細菌診断の欠点を有さない手段及び方法を提供することである。具体的には、本発明の目的は、分子学的方法に基づく細菌診断に有用な新規な手段及び方法であって、高感度で、有効、効率的で且つ種特異的で、所望の細菌種だけを同定できる手段及び方法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、以前に可能であったよりも実質的に迅速に感染性細菌、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌を診断できる方法を提供することであり、この方法により、感染初期段階で患者に正しく有効な抗菌療法を処方して、感染の持続期間が短くなり潜在的に有害で生命にかかわりさえする合併症のリスクを減らすことができる。
本発明は、トポイソメラーゼをコードする遺伝子、特にgyrB/parE遺伝子の保存された領域近くに位置する超可変領域(これらの超可変領域は様々な細菌種で塩基配列が顕著に異なる)を起源とする細菌種特異的オリゴヌクレオチドプローブを提供する。これらの細菌種特異的プローブを用いることで、感染症を引き起こす多数の細菌のゲノムを同時に検出及び同定することができる。
本発明はまた、トポイソメラーゼをコードする遺伝子、特にgyrB/parE遺伝子の保存された領域を起源とするブロードレンジプライマーを提供し、そのプライマーは大量の外来(非細菌性)DNAを含む臨床試料からでさえも感染症を引き起こす細菌のDNAを効率的に増幅する。
本発明はさらに、従来技術の欠点を克服する簡便、迅速、高感度、及び特異的な方法を提供する。これらの方法を用いることで、臨床試料又は細菌培養物から臨床的に重要な細菌種を確実に同定及び診断することができる。
本発明は、感染症、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌のトポイソメラーゼ遺伝子の保存された配列近くに位置する超可変領域の配列と通常のハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号1から69、及び/或いはその逆配列若しくは相補的配列、又はその機能的断片と同定された配列のうち任意の1つを含む、オリゴヌクレオチドプローブ配列に関する。
感染症、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌種の例には、肺炎球菌、化膿性ブドウ球菌、クラミジアニューモニエ、マイコプラズマニューモニエ、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、ナイセリアゴノレー(Neisseria gonorrhoeae)、大腸菌(Escherichia coli)、モラクセラカタラーリス、レジオネラニューモフィラ、及びフソバクテリウムネクロフォルム(Fusobacterium necrophorum)がある。トポイソメラーゼをコードする遺伝子の例にはgyrBタンパク質及びparEタンパク質をコードする遺伝子がある。
本発明のオリゴヌクレオチドプローブ配列は、好ましくは15〜30核酸、より好ましくは20〜30核酸、最も好ましくは21〜25核酸である。
本発明は、細菌種の検出、同定、又は分類における上記のオリゴヌクレオチドプローブ配列の使用にも関する。
本発明はさらに、配列番号1から69、及び/或いはそれらの逆配列若しくは相補的配列、又は前記配列の機能的断片と同定された配列の任意の組合せ、好ましくはそのすべてを含むオリゴヌクレオチドプローブの混合物に関する。好ましい一実施形態では、所望のプローブの混合物は、固体支持体に付着されている。好ましくは、配列番号1から69、及び/或いはそれらの逆配列又は相補的配列と同定された配列のすべてを含むオリゴヌクレオチドプローブの混合物が固体支持体上に付着されている。
本発明はさらに、トポイソメラーゼをコードする遺伝子の保存された領域の配列、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌のgyrBタンパク質及び/又はparEタンパク質をコードする遺伝子とハイブリダイズし、配列番号76又は77、或いはそれらの機能的断片と同定された配列を含む、DNAプライマーの新規な混合物に関する。本発明はまた、トポイソメラーゼ遺伝子、特にgyrBタンパク質及びparEタンパク質をコードする遺伝子の増幅における上記のプライマー混合物の使用にも関する。
さらに、本発明は臨床試料中の呼吸器感染症を引き起こす細菌を検出及び同定するための診断法であって、
a)上記のプライマー混合物を用いて臨床試料から単離されたDNAを増幅させること、
b)ハイブリダイゼーション条件下で、増幅したDNAを上記の所望のプローブ組合せと接触させること、及び
c)可能性のあるハイブリダイゼーション複合体の形成を検出すること
を含む、方法に関する。
本発明の方法の好ましい一実施形態は、臨床試料から単離されたDNAをポリメラーゼ連鎖反応により増幅させること、及び増幅したDNAを、固体支持体に付着した細菌種特異的オリゴヌクレオチドプローブと接触させることを含む。
本発明の方法の好ましい一実施形態では、検出可能な標的鎖を発生させるために、臨床試料から単離されたDNAの増幅に、適当に標識されたヌクレオチドを使用する。
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、配列番号1から69、及び/或いはそれらの逆配列又は相補的配列と同定された配列を含む本発明の種特異的オリゴヌクレオチドプローブのすべてが付着している固体支持体、好ましくは処理されたガラスと、増幅され、場合によっては標識された標的DNAを接触させる。
本発明の方法のさらなる好ましい実施形態では、呼吸器感染症を引き起こす、1つ、又はいくつかの特定細菌の本発明の特異的オリゴヌクレオチドプローブが付着している固体支持体、好ましくは処理されたガラスと、増幅され場合によっては標識がされた標的DNAを接触させる。前記特異的オリゴヌクレオチドプローブは、表4A及び4Bの配列番号1から7、8から14、15から16、17から20、21から25、26から29、30から33、34から38、39から42、43から47、48から50、51から55、56から60、61から65、及び66から69、並びに/又はその逆配列若しくは相補的配列と同定された対応する配列、或いはその任意の適当な組合せを含む。
本発明はさらに、感染を引き起こす細菌、特に呼吸器感染を引き起こす細菌の診断に使用するための診断キットであって、
a)上記定義の本発明のDNAプライマー混合物、
b)任意選択で固体支持体上に付着した、上記定義の本発明の細菌種特異的オリゴヌクレオチドプローブ配列の混合物、
c)陽性対照プローブ配列及び任意選択で陰性対照プローブ配列、並びに任意選択で
d)増幅、ハイブリダイゼーション、精製、洗浄、及び/又は検出ステップに必要な試薬
を含むキットに関する。
本発明は、感染を引き起こす細菌の診断に、リボソームRNAを使用するよりも特異性の高い代替法を発見しようと試みた研究に基づいている。その研究では細菌の生存に必要な他の遺伝子に焦点が置かれた。トポイソメラーゼであるジャイレースB(gyrB又はトポイソメラーゼII)タンパク質及びparEタンパク質(トポイソメラーゼIVのもう一方のサブユニット)は、細菌がDNAをパッキングする際に必要なことから、細菌にとって重要な分子である。これらの分子の特定のDNA配列断片は進化の過程でほとんど不変のまま、すなわち保存されている。これに関連して「保存された領域」という用語は、呼吸器感染症を引き起こす異なる細菌種の間でヌクレオチド配列又は相当するアミノ酸配列がほぼ不変のままである、トポイソメラーゼ遺伝子又はそのタンパク質の領域のことを意味する。通常、これらの保存された領域はそのタンパク質の機能に最も重要な領域である。しかし、GyrB/ParE分子は、リボソームRNA分子ほどは保存されていない。問題となる分子はタンパク質であるので、これらタンパク質をコードする遺伝子は、遺伝暗号の特性により構造RNA分子(例えば16S rRNA分子)をコードする遺伝子よりも核酸レベルでさらに大きな差を含んでいる。GyrB/ParE分子はまた進化の過程で全体として構造RNA分子ほど不変なままではない。(近縁細菌種を含めた)様々な細菌種の間の差が非常に大きいため、これらのDNA配列を種特異的とみなすことができるような短いDNA断片をgyrB/parE分子から見いだすことができる。これらの配列は超可変配列である。これに関連してこの超可変配列とは、異なる細菌間で細菌の種特異性をもたらす程度にヌクレオチド塩基配列が異なり、トポイソメラーゼ遺伝子の保存された配列近くに位置し、任意選択でその保存された配列により限定又は区画されるトポイソメラーゼ遺伝子のDNA配列のことを呼ぶ。
上記の特性は、細菌株のための種特異的オリゴヌクレオチドの設計に利用された。種特異的プローブ(オリゴヌクレオチド)(表4A及び4B)の設計にあたって、アライメントに基づく立案戦略が用いられた。基準細菌の対応する遺伝子と共に標的細菌種のgyrB遺伝子又はparE遺伝子のアライメントを作成した。EMBL公開配列データベースから配列を得るか、又は公開データベースでそのような配列が入手できない場合は、細菌種からのgyrB/parE遺伝子配列断片をクローニングすることにより配列を作製した。細菌培養単離物から所望のgyrB/parEのDNA断片を増幅させることにより配列を作製した。次に所望のDNA配列断片をクローニングし、配列決定した。2つの細菌種インフルエンザ菌及びモラクセラカタラーリスの、保存された遺伝子領域でつながっているgyrB遺伝子の超可変領域の例を図1に示す。ブロードレンジgyrB/parEプライマーのアニーリング部位として働く保存された領域を灰色の四角で囲んである。超可変領域はこれらの保存された配列の間(下線部)にあり、その領域に対して種特異的プローブが設計された。
BioEditプログラム及びClustalWアライメントアルゴリズムを用いて、配列のアライメントを行った。アライメントのコンセンサス配列を計算し、適当に保存された領域をマニュアルで同定した。これらの領域は、標的細菌種の遺伝子内で保存されているが、基準細菌種の遺伝子には少なくとも完全には見られない配列断片である。適当な長さ(例えば21〜25ヌクレオチド)を有するオリゴヌクレオチド配列をこれらの範囲から選択し、比較分析に供する。FastAアルゴリズムプログラムを用いて選択されたオリゴヌクレオチド配列をEMBL原核生物配列データベースと対比した。非標的細菌種のgyrB/parE配列と対比した場合に、少なくとも2つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチド配列を選び、さらなる分析に供した。オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を計算し、ヘアピン構造の形成を試験した。強度のある二次構造を有さずに、45℃を超えるTmを有するオリゴヌクレオチドを選び、特異性試験に供した。様々な細菌種(実施例3、表3)から単離された純粋なDNA検体及び患者の臨床検体(実施例6、表5)の両方を用いて、実験室条件でオリゴヌクレオチドプローブの特異性を試験した。
本発明のオリゴヌクレオチドプローブは、配列番号1から69、或いはそれらの逆配列又は相補的配列と同定された配列を含む。それらのプローブは異なる長さを持つことができ、これらのオリゴヌクレオチドプローブの所望の特異性及び機能性のみがハイブリダイゼーション反応に適した長さを決定する。オリゴヌクレオチドプローブの長さは、一般に15から30、好ましくは20から30、最も好ましくは21から25ヌクレオチドである。さらに、プローブを種々の方法で修飾できる(例えばイノシンのような修飾ヌクレオチドを含むことができる)。また、様々な化合物若しくは化学基(例えばアミノ基)又は検出に必要な標識のような他の分子をプローブに付着させることができるし、プローブをまったく修飾しないことも可能である。好ましい細菌種特異的プローブの配列及びそれらの特異性を表4A及び4Bに示すが、それらのプローブは配列番号1から69と同定された配列を含む。当業者に明らかであるように、これらのオリゴヌクレオチド配列の逆配列又は相補的配列も当然等しく適している。同様に、既述したオリゴヌクレオチド配列の種特異性が不変のままである機能的断片は、プローブとして有用である。
PCRプライマーの設計には、ClustalWアライメントアルゴリズムを用いたBioEditプログラムで種々の系統群(fylogenetic groups)(表2)から選択された細菌種のgyrBタンパク質のアミノ酸配列のアライメントを作成した。アライメント研究において、多くの保存された領域を発見し、ブロードレンジプライマーを設計する出発点とした。parEタンパク質はgyrBタンパク質と関係し、特定の細菌種(グラム陽性菌)では、これらの遺伝子の両方に上記の保存された領域を見いだすことができる。保存されたアミノ酸配列を、対応する核酸配列に逆翻訳した。遺伝暗号の特性に応じて、プライマー配列にいくつかの縮重領域が存在した。保存された配列に基づいて、いくつかのプライマー対を設計し、実験室で試験した(特異性及び感受性試験)。実験室での試験に基づいて、プライマー対の一部で純粋な細菌DNAの増幅が成功し、すべての細菌のgyrB/parE遺伝子をこれらのプライマーで増幅できると結論した。このように、問題のプライマーは細菌用のユニバーサル又はブロードレンジプライマーとして作用する。
プライマー対の1つが他のプライマー対と比べて優れた感度を有することが証明されたため、このプライマー対を用いて臨床試料を試験した。しかし、多量のヒトDNAを含む臨床試料からはこのプライマー対を用いて細菌DNAを増幅できないことが判明した。このため、プライマー対を再設計して、縮重の点で新しく、一方で臨床試料からDNAが増幅され、他方で高い特異性も保持して、呼吸器感染症を引き起こすすべて細菌のgyrB/parEタンパク質を増幅できるような、プライマー代替物を探索した。機能的なプライマー対を表1に示す。このプライマー対を用いると、系統的に互いに離れた細菌(表3)のgyrB/parE遺伝子すべてを、多量のヒトDNAが存在する場合でさえ増幅できる。
かくして、いくつかの異なる代替プライマーから成るプライマー混合物が関連結けられた。例えばgB1Fプライマーの場合、混合物はWがA(アデニン)又はT(チミン)を表すプライマーを含む。
本発明によれば、ハイブリダイゼーションを行う任意の適当な方法で、感染症の病原体、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌を同定するために、特異的プローブを使用できる。これらの方法は当業者に十分公知であり、溶液中、及びニトロセルロース膜若しくはナイロン膜、又はガラスのようなDNAと結合する固体支持体上の両方でこれらの方法を実施できる。
本発明の方法の好ましい一実施形態では、DNAマイクロアレイ法を用いて細菌の同定を実施する。これに関連して、DNAマイクロアレイ又はDNAチップとは、既知の核酸配列が予め決まった順序で付着した小さな基板のことをいう。マイクロアレイに付着した核酸断片が100塩基対よりも短い(一般におよそ20〜30塩基対)ならば、マイクロアレイはオリゴヌクレオチドアレイと呼ばれる。
本発明の方法において、分析される検体は、感染性疾患を患っている疑いのある患者から得られた、細菌培養物、組織断片、喀痰又はぬぐい物検体のような分泌物の検体、血液検体或いは他の適当な検体を用いることができる。特に分析される検体は、臨床診断応用に適した分泌物の検体である。
DNAは、分析対象検体から、市販のDNA単離キット(例えばHigh Pure PCRテンプレート調製キット、Roche;NucleoSpin、BD Biosciences Clontech;又はQIAamp DNAミニキット、Qiagen)のような任意の従来の方法で、或いはフェノール−クロロホルム又はそれに相当する有機溶媒を用いる伝統的な抽出法で、マニュアル又はDNA単離の実施に適した特別なデバイスを用いて単離する。一般的な入手性、迅速性、及び反復性から、市販のキットを使用することが好ましい。
本発明の方法では、DNA増幅に使用される試薬は、DNAの増幅に通常使用される、当業者に十分公知の任意の試薬とすることができる。商業的に入手できる適当で費用効率の高い試薬には、種々の種類のTaq DNAポリメラーゼ及びそれ用の緩衝液(例えばAmpliTaqGOLD、AmpliTaqLD、DyNAzyme、TaqPlus Precision、及びHotStartTaq)、ヌクレオチド又はヌクレオチドの予備調製された混合物(例えばSigma、Applied Biosystems、Amersham Biosystems)、MgCl(Taqポリメラーゼの製造業者の製品が一般に使用される)、並びにCy5−dCTP(例えばNEN LifeSciences、Amersham Biosciences)が含まれる。
本発明の方法では、クローニングを、通常に公知である任意の方法、例えば商業的に入手できるクローニングキット(例えばQiagen PCRクローニングキット、QIAGEN又はTOPO TAクローニングキット、Invitrogen)を用いて実施できる。クローニング産物の配列決定を、この目的に適した任意のシーケンサー(例えばApplied Biosystems、モデル373A、377、又は3100、或いはBio−Rad Sequi−Gen GT)で実施できるし、産物をマニュアルで配列決定することもできる。配列をマニュアルで、又は本目的のために設計された配列分析プログラム(例えばApplied Biosystems Sequencer又はVector NTI Suite第7版、InforMax)で分析できる。
増幅に使用される装置も、適当な任意のデバイス(例えばT1 Thermocycler、Biometra、又はGenAmp PCRシステム2700、Applied Biosystems)を用いることができる。実際には、DNA増幅に適したすべてのデバイス及び装置を使用でき、ある温度から別の温度に反応管を移動させることにより増幅をマニュアルで実施することもできる。さらに、DNAマイクロアレイ上で増幅を直接実施できる。
PCR産物の精製を市販の任意の方法(例えばHigh Pure PCR産物精製キット、Roche;MicroSpin S−400、又はS−300 HRカラム、Amersham Biosciences;或いはQIAquick PCR精製キット、Qiagen)又は有機溶媒による抽出法を用いて実施できる。さらなる精製ステップ又は抽出ステップなしに増幅産物自体をハイブリダイゼーション反応に使用することもできる。
一本鎖の標的鎖を形成させるために、任意の公知の分解法を使用できる。これらの方法には、例えば非対称PCR、エキソヌクレアーゼ処理、又はマイクロアレイ表面での一本鎖の標的鎖の直接合成(例えばmatriXarray、Roche Applied Science)がある。本発明は、二本鎖産物をハイブリダイゼーション反応に使用できる応用も含む。本発明に関連して非対称PCRが一本鎖の標的鎖を発生させる方法として好ましい。
本発明の方法では、標識された標的鎖を作製するために任意の適当な標識を使用できる。適当な標識には蛍光標識(例えばCy5、Cy3、Cy2、テキサスレッド、FITC、Alexa488、TMR、FluorX、ROX、TET、HEX)、放射性標識(例えば32P、33P、33S)、及び化学発光標識(例えばHiLight Single−Colorキット)がある。本発明ではCy5−dCTP蛍光標識(Amersham Biosciences)が好ましい。本発明は、核酸の検出が電気インパルス(例えばMotorola eSensor)に基づくような、標識が必要ない適用も含む。
ハイブリダイゼーションが固体支持体上で起こる場合、ハイブリダイゼーションに使用されるプローブを共有結合又は非共有結合により固体支持体の表面に付着させることができる。代わりに、他の化学法、電気化学法又は同等の付着法を使用できる。プローブを付着させる基板又は支持体はガラス、プラスチック、金属、ナイロン、ニトロセルロース、ポリアクリルアミド、シリコン、又はこれらの材料の組合せから製造でき、基板のサイズは2mmから数cmまで変動し得る。使用される基板の表面をアミノシラン、又はエポキシシランのような他の適当な任意の表面処理を施すことができるし、代わりに独立した表面処理を何も必要としない基板を使用することもできる。オリゴヌクレオチドプローブに好ましい基板は、アミノシランで処理した顕微鏡用スライドガラス(例えばGenorama、Asper Biotech Ltd.、エストニア)である。
本目的に適した任意の商業的に入手できるアレイヤー(例えばQarray−miniアレイ作製システム、Lucidea Array Spotter、OmniGrid、又はGeneMachinesアレイヤー)を用いてマイクロアレイの支持体表面にプローブをプリントすることができるし、表面にマニュアルでピペッティングすることもできる。代わりに、フォトリソグラフィを用いることにより表面上にプローブを直接合成することもできる。
ハイブリダイゼーションに使用されるハイブリダイゼーション混合物は後で提示する実施例に示したものとは異なる組成であってよい。例えば、塩の組成及び/又は濃度は変動する場合があるし(例えば2〜4×SSC又はSSPE)、商業的に入手できるハイブリダイゼーション溶液(例えばArrayHyb、Sigma)が使用される場合もある。さらに、変性用又は安定化用の添加剤(例えばホルムアミド、DMSOすなわちジメチルスルホキシド)又は非特異性結合を減少させる物質(例えばBSAすなわちウシ血清アルブミン、又はssDNAすなわちサケ精子DNA)をハイブリダイゼーション混合物に使用できる。様々なハイブリダイゼーション温度(一般に40〜70C)でハイブリダイゼーションを実施でき、ハイブリダイゼーションの実施に必要な時間は、適用に応じて数分から1日まで変動し得る。ハイブリダイゼーション、水浴の代わりに、例えばインキュベータ又は専用のハイブリダイゼーションデバイス(例えばGeneTAC HybStation又はLucidea Slidepro Hybridizer)中で実施することができる。ハイブリダイゼーション後の洗浄ステップは作業時間、体積、温度及び洗浄液の組成が変動し得ることから、実施例とは異なる場合がある。マイクロアレイスライドの洗浄ステップも独立したデバイスで実施できる。場合によっては、マイクロアレイスライドをハイブリダイゼーション直後に分析できるので、洗浄ステップは必要ない。好ましい方法では+57℃の水浴がハイブリダイゼーションに適した条件である。これらの条件でスライドガラスを12〜16時間ハイブリダイズさせた。
マイクロアレイ又はチップは、この目的に適用可能な任意の装置又は読み取り機(例えばGeneTAC UC4、GenePix Personal 4100A、又はAgilent DNAマイクロアレイスキャナ)で分析できる。蛍光標識で標的鎖が標識されているならば、例えば蛍光顕微鏡でも分析を実施できる。放射性標識が使用されているならば、オートラジオグラフィでチップ又は膜を分析できる。もしもハイブリダイゼーションが電気マイクロアレイの表面で実施されるように、分析が電気検出に基づくならば、マイクロアレイをこの目的のために設計された専用の装置で分析できる。
2、3ダースの細菌種のゲノムのみ完全にマップされ、これらの細菌種の大部分が公知の病原体である。このため、常在菌叢及びこれらの細菌種のDNA配列についてはほとんど情報がない。したがって、PCR増幅単独に基づき細菌種特異的PCRプライマーを設計し、細菌診断をすることはほとんど不可能である。
本発明の方法は従来技術の問題を有さない。本発明の方法の増幅ステップは非常に高感度であり、系統的に異なる細菌種に由来する特定の遺伝子領域(gyrB/parE)は、その細菌種がグラム陰性であろうとグラム陽性であろうと関係なく(表3)、本発明のブロードレンジプライマーを用いて効率的に増幅された。さらに、PCR産物は短鎖(約300塩基対)であり、このことにより増幅反応の有効性は向上している。
細菌種特異的プローブを、例えば細菌診断に以前から使用されてきた16S rRNA遺伝子領域よりもかなり可変性に富むgyrB/parE遺伝子領域について設計した。常在菌叢の細菌種も本方法に使用されるブロードレンジプライマーで効率的に増幅されるが、偽陽性反応は起こらない。それは、本発明のプローブが細菌種に非常に特異的で、設計対象の細菌だけを同定するからである。肺炎球菌の培養単離物から増幅された標的鎖をスライドガラス上でハイブリダイズする場合、標的鎖は肺炎球菌に特異的なプローブ及び陽性対照とのみハイブリダイズする。他方で、常在菌叢の細菌、例えばストレプトコッカスミチス(Streptococcus mitis)から増幅された標的鎖をハイブリダイズさせる場合、その産物はどの病原体プローブとも付着しない。この場合、陽性対照プローブだけがシグナルを発する(実施例7、表6)。本発明のすべての特異的オリゴヌクレオチドプローブを常在菌叢に属する多くの細菌種を含めた種々の細菌種で交差試験した結果、交差反応の発生は見られなかった(図2、表6)。このように、本発明の方法は類似した種類の以前に記載された方法よりもかなり高感度であり、かつ特異的である。
本発明の診断キットを、感染症を引き起こす細菌、特に呼吸器を引き起こす細菌の診断に使用できる。このキットは、上に詳細に定義された本発明のDNAプライマー混合物、固体支持体に任意選択で付着した、上に詳細に定義された本発明の細菌種特異的オリゴヌクレオチドプローブ配列の任意の適当な所望の混合物、適当な陽性対照プローブ配列及び任意選択で陰性対照プローブ配列、並びに任意選択で上に詳細に論じられた増幅、ハイブリダイゼーション、精製、洗浄、及び/又は検出ステップに必要な試薬を含む。本発明の好ましい診断キットは配列番号76及び77と同定された配列を含むDNAプライマー混合物と、配列番号1から69と同定されたオリゴヌクレオチドプローブ配列が付着しているチップと、陽性対照及び任意選択で陰性対照と、任意選択で本発明の方法の実施に必要な試薬とを含む。以下に、実施例で本発明をさらに明確に例示する。方法を記述する際、この適用に使用された種々の装置、材料、温度、化学物質又は同等物を参照した。これらは本発明の種々の適用に適するように当然変動し得る。したがって、本発明及びその実施形態は下記の実施例に限定されない。
本発明によるPCRプライマーの設計
PCRプライマーの設計のために、ClustalWアライメントアルゴリズムを用いたBioEditプログラムで種々の系統群からの様々な細菌種のgyrBタンパク質(GyrB)及びその関係タンパク質ParEのアミノ酸配列(表2)のアライメントを作成した。GyrBのアライメント中にいくつかの保存された遺伝子領域を見いだした。同じ保存された遺伝子領域が検討したグラム陽性細菌種のparE遺伝子からも発見された。
これらの保存されたアミノ酸配列をブロードレンジプライマーを設計する上の出発点として用いた。まず、それらの配列を対応する核酸配列に逆翻訳した。遺伝暗号の特性から、これらの核酸配列にいくつかの縮重部位が観察された。この後に保存された配列に基づき種々のプライマー対を合成し(Sigma−Genosys、イギリス、www.sigma−genosys.co.ukに注文)、特異性及び感度を試験した。後記実施例4の方法を用いて、表4に示す細菌種から単離されたDNAを増幅することにより、特異性を試験した。プライマー対の感度は、インフルエンザ菌培養単離物から単離されたDNAを、後の実施例4で記載されている増幅法及び同定法を用いて種々のプライマー対で増幅法及び検出できる最小濃度を測定することにより決定した。
これらの試験結果に基づいて、プライマー対の一部について純粋な細菌DNAの増幅が成功し、これらのプライマーを用いて検討された細菌種のgyrB/parE遺伝子を増幅できることが分かった。したがって、これらのプライマーは細菌用のブロードレンジプライマーとして機能した。プライマーの感度は多様であるため、最高感度のプライマー対を臨床試料(中耳炎検体)の研究に使用した。しかし、多量のヒトDNAを含有する臨床試料から細菌DNAを増幅できないため、このプライマー対は十分な感度を有さないことが分かった。
このため、縮重の点で異なる新しいプライマー対が合成された(Sigma−Genosys、イギリス、www.sigma−genosys.co.ukに注文)。純粋な細菌DNA及び臨床試料から単離されたDNAの両方を用いて、既に記載した方法で特異性及び感度を検討した(表5)。機能するプライマー対は、以下の配列を含むプライマー混合物であった:
CGTCCWGGKATGTAYATHGG(配列番号77)及び
CCHACRCCRTGWAAWCCDCC(配列番号78)
[これら配列は、それぞれgB1F(フォワードプライマー混合物)及びgB2R(リバースプライマー混合物)と命名され(表1)、配列中、
Wは塩基A又はTを表し、
Kは塩基G又はTを表し、
Yは塩基C又はTを表し、
Hは塩基A又はC又はTを表し、
Rは塩基A又はGを表し、かつ
Dは塩基A又はG又はTを表す]。
検討されたすべての細菌種のgyrB及び/又はparE遺伝子の第一部分の保存された配列が、このプライマー混合物で同定された。この混合物は臨床検体からのDNAを増幅し、十分に広範囲の特異性を維持することにより、すべての呼吸器感染を引き起こす細菌種からのgyrB/parE遺伝子の増幅を可能にする(実施例6及び7参照)。具体的には、検体が多量のヒトDNAを含むような状況でさえも、互いに系統的に離れている細菌のgyrB/parE遺伝子(表3)の増幅にこのプライマー混合物を使用できる。
本発明で定義されたオリゴヌクレオチドプローブの設計に必要な新しい配列のクローニングによる製造
本発明のオリゴヌクレオチドプローブを設計するために、公開された配列データベースから入手できない細菌種モラクセラカタラーリス、フソバクテリウムネクロフォルム、レジオネラニューモフィラ、ストレプトコッカスミチス、ストレプトコッカスオラリス(Streptococcus oralis)、及びパラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)のGyrB配列を下記の一般的方法にしたがって合成した。
第一のDNAを、QIAamp DNA Miniキット(Qiagen、ドイツ)を用いて細菌培養単離物から単離する。DNAを単離してから、クローニングに使用される所望の標的鎖を対称(通常)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅する。増幅の第一ステップで、検体から単離したDNA、ブロードレンジ細菌プライマー(実施例1)、及び増幅ステップに必要な他の成分を混合することにより反応混合物を調製する。このように、クローニングPCRに使用される反応混合物(25μl)は、プライマー混合物gB2Rを20pmol、プライマー混合物gB1Fを20pmol、dATP、dGTP、dTTP、及びdCTP(Sigma、米国)をそれぞれ200μM、1×Hot Start Taq PCR緩衝液(Qiagen、ドイツ)、DMSO(Amersham Pharmacia Biotech、米国)を7.5%、Hot Start Taq DNAポリメラーゼ(Qiagen、ドイツ)を2.5U、並びに単離されたDNAを2.5μl含有する。PCR緩衝液は、終濃度2.8mMとなるようにMgClを含む。
GenAmp PCRシステム2700サーマルサイクラー(Applied Biosystems)で、95℃15分間の変性ステップ、95℃1分間、50℃1分間、72℃1分間を40サイクル、及び最後に72℃10分間の伸長ステップを行うというプログラムでクローニングPCRを実施する。PCRの実施後に増幅がうまくできたかを臭化エチジウムを含有する2%アガロースゲルを用いたゲル電気泳動で検証する。
TOPO TAクローニングキット(Invitrogen、米国)を用いてPCR直後にクローニングを実施する。クローニング用の反応混合物はPCR産物4μl、塩溶液(1.2M NaCl、0.06M MgCl)1μl、及びTOPOベクター(pCR 4−TOPO)1μlを含有し、それらをエッペンドルフ試験管中で共に混合する。得られた混合物を室温で5分間放置してから、溶液を氷上に移す。この後に、冷却したクローニング混合物2μlをコンピテントTOPO10 E.コリ細胞液50μlに移し化学変換を実施する。形質転換された細胞を10分間氷冷する。次の段階で、熱ショック処理を行う。細胞の入った試験管を42℃の湯浴に30秒間入れる。この後、試験管を直ちに氷冷し、室温のOC培地250μl(トリプトン2%、酵母エキス0.5%、NaCl 10mM、KCl 2.5mM、MgCl10mM、MgSO10mM、グルコース20mM)を加える。試験管を37℃で1時間、水平振盪(200rpm)する。この後、クローニング混合液20μlを、アンピシリン50g/mlを含む予め暖めた選択用LB平板(Luria−Bertani培地:水に溶かしたトリプトン10%、酵母エキス0.5%、NaCl1.0%、L−寒天1.5%、pH7)に塗抹した。平板を37℃で一晩培養する。次の日に平板からコロニー10個を選び配列決定用PCRを実施する。
配列決定用PCRに供する反応混合液(50μl)は、(キットで供給される)M13リバースプライマー(5’−CAGGAAACAGCTATGAC−3’)及びM13フォワードプライマー(5’−GTAAACGACGGCCAG)を0.4pmol、dATP、dGTP、dTTP、及びdCTP(Sigma、米国)をそれぞれ150μM、1×Hot Start Taq PCR緩衝液(Qiagen、ドイツ)、並びにHot Start Taq DNAポリメラーゼ(Qiagen、ドイツ)を1U含む。増幅反応には細菌コロニーの小さな一部分を標本スティックの助けを借りてPCR反応管に移す。
GenAmp PCRシステム2700サーマルサイクラー(Applied Biosystems)で、95℃15分間の変性ステップ;94℃1分間、55℃1分間、72℃1分間を、及び最後の72℃10分間の伸長ステップ30サイクル行うというプログラムで配列決定用PCRを実施する。PCRが実施されてから、増幅がうまくできたかを臭化エチジウムを含有する2%アガロースゲルを用いたゲル電気泳動で検証する。この後に、QIAquick PCR精製キット(Qiagen、ドイツ)で追加のプライマー、ヌクレオチド、緩衝液、及びポリメラーゼ酵素を除去することでPCR産物を精製する。
精製ステップの後にベクターに挿入された断片を配列決定する。配列決定ステップ用の反応混合液12μlはPCR産物を100ng、及びM13リバースプライマー又はM13フォワードプライマーの一方を5pmol含有する。BigDye Terminator3.0版キット及びABIPRISM 3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems、米国)により配列決定を行う。配列をVector NTI Suite第7版プログラム(InforMax、米国)で分析する。
上記の一般法を用いて、以下の細菌種についてgyrBの配列を作製した:モラクセラカタラーリス、フソバクテリウムネクロフォルム、レジオネラニューモフィラ、ストレプトコッカスミチス、ストレプトコッカスオラリス、及びパラインフルエンザ菌(配列番号70から75)。
種特異的プローブの設計
細菌種特異的オリゴヌクレオチド、すなわちプローブの設計では、アライメントに基づく立案戦略を使用した。いくつかの基準細菌(近縁細菌種)の対応する遺伝子と共に、標的細菌種のgyrB及びparE遺伝子のアライメントを作成した。例えば化膿性ブドウ球菌、ストレプトコッカスミチス、ストレプトコッカスオラリス、マイコプラズマホミニス(Mycoplasma hominis)、黄色ブドウ球菌、及びフソバクテリウムネクロフォルムのgyrB遺伝子と共に、肺炎球菌のgyrB遺伝子のアライメントを作成した。S.オラリス及びS.ミチスはS.ニューモニエの近縁である。したがって、S.ニューモニエのために設計したオリゴヌクレオチドは、これらの常在菌叢の細菌と反応してはならない。EMBL公開配列データベースから配列を得るか、又は実施例2に記載したようにクローニングにより配列を作製した。
配列のアライメントをClustalWアライメントアルゴリズムを用いたBioEditプログラムで実施した。アライメントのコンセンサス配列を計算し、適当な保存された領域をマニュアルで同定した。これらの領域は、標的細菌種の遺伝子で保存されており、基準細菌の遺伝子からは少なくとも見出されない配列断片に関する。適当な長さ(21〜25ヌクレオチド)をこれらの領域から選択して比較分析に供した。FastAアルゴリズムプログラムを用いて、選択されたオリゴヌクレオチド配列をEMBL原核生物配列データベースと対比させた。非標的細菌のgyrB/parE配列と対比した場合に少なくとも2つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチド配列を選びさらなる分析に供した。オリゴヌクレオチドについて理論的融解温度(Tm)を決定し、二次構造の形成を検討した。Tm(℃)を次式により計算した:
81.5+16.6log[Na]+0.41(%GC)−0.61(%for)500/N
[式中、Naは1価陽イオン濃度(計算には50Mを使用)であり、%GCはグアニンとシトシンの割合であり、%forはホルムアミドの濃度(計算には0%を使用)であり、Nはオリゴヌクレオチドの長さである]。
二次構造の形成をSigma−Genosysが提供するプログラムを用いて検討した。インターネットアドレスhttp://www.sigma−genosys.co.uk/oligos/frameset.htmlでウェブブラウザーの助けを借りてプログラムを使用できる(カリキュレータ/基本カリキュレータ)。強度の高い二次構造を形成せず、Tm温度が少なくとも45℃であったオリゴヌクレオチドを選び、特異性実験に供した。
オリゴヌクレオチドプローブを合成し、同時に5’末端を修飾した(NH修飾オリゴ)(Sigma−Genosys、イギリス)。実施例4及び5に記載するように、種々の細菌種(表3)及び患者の検体(表5)から単離されたDNA検体を用いて、実験室でプローブの特異性を試験した。試験したプローブのうち、最もよく機能し特異性が最も高いプローブを選択した。細菌種特異的プローブの配列及び特異性を表4A及び4Bに示す。

患者の検体から単離されたDNAの増幅
細菌培養単離物又は患者の臨床検体から単離されたDNAを下記の従来方法を用いて増幅させた。
QIAamp DNA Miniキット(Qiagen、ドイツ)を用いて、分析対象の検体(細菌培養物又は患者の臨床検体)からDNAを単離する。DNAを単離してから、非対称ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて所望の標的鎖を増幅させる。増幅の第一段階で、検体から単離されたDNA、ブロードレンジプライマー混合物gB1F及びgB2R(実施例1)、並びに増幅に必要な他の成分を共に混合することで反応溶液を調製する。
PCR反応混合物は、gB2Rプライマー混合物を32pmol、gB1Fプライマー混合物を8pmol、dATP、dGTP、及びdTTPをそれぞれ200μM、dCTPを140μM(Sigma、米国)、1×Hot Start Taq PCR緩衝液(Qiagen、ドイツ)、Cy5−AP3−dCTP(Amersham Pharmacia Biotech、米国)を25nmol、DMSO(Amersham Pharmacia Biotech、米国)を7.5%、Hot Start Taq DNAポリメラーゼQiagen、ドイツ)を2.5U(並びに単離されたDNAを2.5μl含み、総体積25μlである。PCR緩衝液には終濃度が2.8mMになるようにMgClが添加されている。
GenAmp PCRシステム2700サーマルサイクラー(Applied Biosystems、米国)を用いてPCRを実施する。95℃15分間の変性ステップ;95℃1分間、50℃1分間、72℃1分間、及び最後の72℃10分間の伸長ステップを40サイクル行うというPCRプログラムを用いる。PCRの実施後に、増幅がうまくできたかを臭化エチジウムを含有する2%アガロースゲルを用いたゲル電気泳動で検証する。この後に、追加のプライマー、ヌクレオチド、緩衝液、及びポリメラーゼ酵素をQIAquick PCR精製キット(Qiagen、ドイツ)で除去することによって、Cy5標識PCR産物を精製する。
検体用マイクロアレイの設計と機能化
5’末端をアミノ化したオリゴヌクレオチドプローブ(実施例3にしたがって設計)を、400mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)に溶かして終濃度を50μMとした。アミノシランをコーティングした顕微鏡用スライド(Genorama、Asper Biotech Ltd.、エストニア)にプローブを共有結合により付着させた。この目的のために開発されたロボット(OmniGrid、GeneMachines、米国)及びピン(Telechem SMP3、米国)を使ってスライドグラスへのプローブの転移を行った。プリントされたプローブ範囲の平均サイズは120μmであった。さらに、5’末端をアミノ化した陽性対照プライマーをスライドグラスにプリントした。プリント後にマイクロアレイスライドをアンモニア蒸気中に1時間放置し、プローブをスライドに付着させる。アンモニア処理の後に、スライドを滅菌水で3回洗い、乾燥させた。
次に、プローブが付着した顕微鏡用スライドと、Cy5標識した標的鎖(実施例4にしたがって製造)をハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション反応混合物は、標的鎖約200〜300ng、20×SSC(20×SSC1μlはNaClを175.3g及びクエン酸ナトリウムを88.2g含み、pHをHClで7.0に調整する;終濃度は、3.4×)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)20%(終濃度0.3%)、及び滅菌水を含み、反応混合物の体積は37μlであった。最初に95℃で3分間混合物を変性させた。その後、試験管を直ちに氷冷した。混合物が冷却された後、その混合物を、カバーグラス上にピペッティングし、そのカバーグラスを、プローブが付着しているスライドグラスに向いて接するように置いた。マイクロアレイスライドをハイブリダイゼーションチャンバー(ArrayIt、TeleChem International、米国)内に置き、チャンバーを密閉した。最後にハイブリダイゼーションチャンバーを水浴に入れた。マイクロアレイスライドを57Cで12〜16時間ハイブリダイズさせた。
ハイブリダイゼーション後にマイクロアレイスライドを3つの異なる洗浄液で洗い、ハイブリダイズしていないDNAを除いた。洗浄ステップは、0.1%のSDS溶液中で57℃で5分間、0.1%のSDSに溶かした0.5×SSC洗浄液中で室温で5分間、及び0.06×SSC中で室温で5分間というように行った。
スライドグラスを乾燥させた後で、それらをマイクロアレイスキャナ(Agilent DNAマイクロアレイスキャナ、Agilent、米国)で分析した。Cy5標識標的鎖が1つ又は複数のプローブと結合したならば、これらのスポットは蛍光シグナルを放出する。さらに、陽性対照プローブも蛍光シグナルを発する。
ハイブリダイゼーションの結果の例を図2に示す。黄色ブドウ球菌の培養単離物から単離されたgyrBのDNA断片(非対称Cy5標識PCR産物)を標的鎖として使用した。この例のスライドは、黄色ブドウ球菌に特異的な4つのgyrBオリゴヌクレオチド(表4B:オリゴヌクレオチド22〜25)を含んでいた。それらのオリゴヌクレオチドのすべてが黄色ブドウ球菌の標的鎖と特異的に結合し蛍光シグナルを発した。さらに、5つの陽性対照オリゴヌクレオチドは蛍光シグナルを発した。
患者の検体の分析
呼吸器感染症を患う患者から得られた臨床検体からDNAを単離し、実施例4に記載した方法を用いて増幅させた。プローブ及び陽性対照オリゴヌクレオチド(表4A及び4B)が付着したマイクロアレイスライド(実施例5に記載)を用いて検体を試験した。Nikkariら(Emerging Infectious Diseases、vol8、nro2、2002、188〜194頁)及びKotilainenら(Journal of Clinical Microbiology、vol36、nro8、1998、2205〜2209頁)が以前に記載したブロードレンジPCRに基づいた方法でも同一の検体を分析した。
16S rRNAの遺伝子範囲を起源とするブロードレンジプライマーをブロードレンジの細菌PCR法に使用した。それらのプライマーは以前の出版物にfD1modプライマー及び16S1RR−Bプライマーと命名されている。PCR産物をクロ―ニングし配列決定した。DNA配列を公開配列データベース(GenBank)と対比することにより、細菌種を同定した。結果を表5に示す。
表5に見られるように、本発明の方法で得られた結果は、通常のブロードレンジPCR法と完全に同等である。本発明により定義される方法は、結果がおよそ1日で得られるため実質的に実施が迅速である。他方で、時間のかかるクローニングステップ及び配列決定ステップを含むブロードレンジ細菌PCRの実施には、平均約1週間かかる。培養試験と比較すると、本発明の方法及びブロードレンジ細菌PCRの両方が培養と同様に高感度であり、場合によると培養よりもいっそう高感度であることが判明した。
本発明の方法と特異的オリゴヌクレオチドに基づく公知の方法の比較
多数の細菌病原体の同定は、常在菌叢の細菌によって、妨害される。これらの細菌の存在は、ヒト生物の健康に必要であり、ヒトの常在菌叢に数百もの異なる細菌が属していると推定されている。このように常在菌叢の細菌は多くの場合で細菌診断を妨害し得る。
特異的gyrB/parEオリゴヌクレオチドプローブを使用する本発明の特異性を、常在菌叢に関して検討した。同時に、この方法をブロードレンジで種特異的なプライマーの混合物を増幅のために使用するマルチプレックスPCR法と比較した。
常在菌叢の細菌であるストレプトコッカスミチス、ストレプトコッカスオラリス、モラクセラカビエ(Moraxella caviae)、及びモラクセラクニクリ(Moraxella cuniculi)の培養単離物からDNAを単離した。この後に、実施例4に記載された方法を用いて単離されたDNAを増幅させ、特異的プローブ(表4A及び4Bに示す)を付着させたマイクロアレイスライドを用いて試験した(実施例5に記載)。比較のために、Hendolinら(Journal of Clinical Microbiology、35;11、1997)の出版物に記載されている特異的PCRプライマーを合成し、この出版物で記載された方法を用いてマルチプレックスPCRの変法を実施した。この一般的なマルチプレックスPCR法の変法では、16S rRNAの保存された遺伝子領域を起源とするブロードレンジプライマーを一方のPCRプライマーとして使用し、4つの異なる種特異的プライマーから成るプライマー混合物をもう一方のsPCRプライマーとして使用する。このプライマー対で診断される細菌種は、アロイオコッカスオティティディス、インフルエンザ菌、モラクセラカタラーリス、及び肺炎球菌であった。単離された細菌種に応じて増幅されたPCR産物の長さが異なるように、種特異的プライマーを設計した。結果を表6に示す。
得られた結果は、特異的オリゴヌクレオチドプローブを使用する本発明の方法を用いて、所望の細菌種だけが特異的に同定されたことを実証した。代わりに、公知の方法及びマルチプレックスPCR法により定義された特異的プライマーは、所望の細菌と検討された常在菌叢の細菌を識別できず、よって十分な特異性を有さない(図3)。
保存された配列により限定される超可変gyrB遺伝子領域の例を示す図である(インフルエンザ菌及びモラクセラカタラーリス)。保存された領域を灰色の四角で囲み、それらの領域はブロードレンジgyrB/parEプライマーのアニーリング部位として働く。細菌種特異的プローブの設計対象となった超可変領域はこれらの保存された領域の間にある(下線部)。 マイクロアレイの表面でのハイブリダイゼーションの結果の例を示す図である。S.アウレウスの培養単離物からgyrB遺伝子を単離し、そのgyrB遺伝子から増幅したDNAを標的株(非対称Cy−5−dCTP標識PCR産物)として使用した。スライドグラスは、4つの特異的gyrBオリゴヌクレオチドプローブ(表4A:オリゴヌクレオチドプローブ21から24)を含み、それらのプローブはすべて標的株であるS.アウレウスと特異的に結合した。さらに、5つの陽性対照オリゴヌクレオチドはすべて検出可能なシグナルを発した。標的鎖S.アウレウスはスライドグラス上の他のオリゴヌクレオチドプローブとは結合しなかった。 実施例7のPCR増幅の結果を示す図であり、ストレプトコッカス属の細菌種の試験で、肺炎球菌に特異的であると記載されている公知のプライマーを比較し、モラクセラ属の細菌種の試験で、モラクセラカタラーリスに特異的であると記載されている公知のプライマーを比較した。しかし得られた結果は、問題のプライマーが種特異的ではなく、常在菌叢の細菌も増幅させることを示している。
【配列表】

Claims (21)

  1. 臨床検体から感染症を引き起こす細菌種を検出及び同定するための診断法であって、
    a)前記感染症を引き起こす細菌種のトポイソメラーゼをコードする遺伝子、特にgyrB/parEの保存された領域を起源とする配列とハイブリダイズする配列を含むDNAプライマーの混合物を用いて、前記臨床検体から単離されたDNAを増幅させること、
    b)前記感染症を引き起こす細菌種のトポイソメラーゼをコードする遺伝子、特にgyrB/parEの前記保存された領域近くに位置する超可変領域と通常のハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ配列の所望の組合せと、前記の増幅させたDNAを接触させること、並びに
    c)可能性のあるハイブリダイゼーション複合体の形成を検出すること
    を特徴とし、
    前記保存された領域を起源とする配列とハイブリダイズする配列が配列番号76及び77、或いはその逆配列及び/若しくはその相補的配列、又はその機能的断片と同定された配列を含み、
    前記オリゴヌクレオチドプローブ配列が前記ハイブリダイゼーション条件下で細菌種特異的である、診断法。
  2. 前記感染症を引き起こす細菌種が、呼吸器感染症を引き起こす細菌種であることを特徴とする、請求項1に記載の診断法。
  3. 前記超可変領域が、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性ブドウ球菌(Streptococcus pyogenes)、クラミジアニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、マイコプラズマニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、ナイセリアゴノレー(Neisseria gonorrhoeae)、大腸菌(Escherichia coli)、モラクセラカタラーリス(Moraxella catarrhalis)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、及びフソバクテリウムネクロフォルム(Fusobacterium necrophorum)から選択される細菌種のgyrBタンパク質及び/又はparEタンパク質をコードする遺伝子の超可変領域であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の診断法。
  4. ステップb)で使用されるオリゴヌクレオチドプローブ配列の長さが、15〜30核酸、より好ましくは20〜30核酸、最も好ましくは21〜25核酸であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の診断法。
  5. オリゴヌクレオチドプローブ配列の前記組合せが、配列番号1から69、及び/或いはその逆配列若しくは相補的配列、又はその機能的断片と同定された配列のすべて又は一部を含むことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の診断法。
  6. オリゴヌクレオチドプローブ配列の前記組合せが、配列番号1から69と同定された配列のすべてを含むことを特徴とする、請求項5に記載の診断法。
  7. オリゴヌクレオチドプローブ配列の前記組合せが、固体支持体上に付着していることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の診断法。
  8. ステップa)において、前記臨床検体から単離された前記DNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅させ、ステップb)において、増幅された前記DNAを、固体支持体上に付着した細菌種特異的オリゴヌクレオチドプローブと接触させることを特徴とする、請求項1に記載の診断法。
  9. 前記固体支持体が処理されたガラスであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の診断法。
  10. ステップa)において、検出可能な標的鎖を発生させるために、適当に標識されたヌクレオチドが、臨床検体から単離されたDNAの増幅に使用されることを特徴とする、請求項1に記載の診断法。
  11. ステップb)において、増幅され任意選択で標識された前記標的DNAを、配列番号1から69、及び/又はその逆配列若しくは相補的配列と同定された細菌種特異的オリゴヌクレオチドプローブのすべてが付着している固体支持体と接触させることを特徴とする、請求項10に記載の診断法。
  12. ステップb)において、増幅され任意選択で標識された前記標的DNAを、感染症を引き起こす1つの又はいくつかの特定の細菌種を検出する特異的オリゴヌクレオチドプローブ配列であって、表4A及び4Bに示される配列及び/又はその逆配列若しくは相補的配列から選択される配列、付着している固体支持体と接触させることを特徴とし、請求項10に記載の診断法。
  13. ステップc)において、マイクロアレイ法が使用されることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の診断法。
  14. 感染症を引き起こす細菌種、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌種のトポイソメラーゼ、特にgyrBタンパク質及び/又はparEタンパク質をコードする遺伝子の保存された領域の配列とハイブリダイズする配列であって、配列番号76及び77、並びに/或いはその逆配列若しくは相補的配列、又はその機能的断片と同定された配列を含むことを特徴とする、DNAプライマー混合物。
  15. 感染を引き起こす細菌種の診断に有用なオリゴヌクレオチド配列であって、トポイソメラーゼ、特にgyrBタンパク質及び/又はparEタンパク質をコードする遺伝子の保存された領域近くに位置する細菌種特異的な超可変領域の配列と通常のハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、配列番号1から69、及び/或いはその逆配列若しくは相補的配列、又はその機能的断片と同定された配列の1つであることを特徴とする、オリゴヌクレオチド配列。
  16. 配列番号1から69、及び/或いはその逆配列若しくは相補的配列、又はその機能的断片と同定された配列の任意の組合せを含むことを特徴とする、感染症を引き起こす細菌種の診断に有用なオリゴヌクレオチドプローブ配列の組合せ。
  17. 配列番号1から69と同定された配列のすべてを含むことを特徴とする、請求項16に記載のオリゴヌクレオチドプローブの組合せ。
  18. 感染症を引き起こす細菌種の検出、同定、又は分類のための、請求項16又は17に記載のオリゴヌクレオチドプローブの組合せの使用。
  19. 感染症を引き起こす細菌種のトポイソメラーゼ遺伝子、特にgyrBタンパク質及び/又はparEタンパク質をコードする遺伝子の保存された領域近くに位置する超可変配列の、種特異的ハイブリダイゼーションプローブとしての使用。
  20. 前記感染症を引き起こす起炎細菌種が、呼吸器感染症を引き起こす細菌種であることを特徴とする、請求項19に記載の使用。
  21. 感染症を引き起こす細菌、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌の診断に使用するための診断キットにおいて、
    a)感染症を引き起こす細菌種、特に呼吸器感染症を引き起こす細菌種のトポイソメラーゼ、特にgyrBタンパク質及び/又はparEタンパク質をコードする遺伝子の保存された領域の配列とハイブリダイズする配列を含むDNAプライマー混合物であって、上記で定義した本発明の配列番号76及び77及び/或いはその逆配列若しくは相補的配列又はその機能的断片を含む、混合物、
    b)配列番号1から69、及び/或いはその逆配列若しくは相補的配列、又はその機能的断片と同定された配列の任意の組合せを含む、固体支持体上に任意選択で付着している細菌種特異的オリゴヌクレオチドプローブの組合せ、
    c)陽性対照プローブ配列及び任意選択で陰性対照プローブ配列、並びに任意選択で
    d)増幅、ハイブリダイゼーション、精製、洗浄、及び/又は検出ステップに必要な試薬
    を含むことを特徴とする、キット。
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