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JP2006336218A - 薬液注入工法及び薬液注入装置 - Google Patents

薬液注入工法及び薬液注入装置 Download PDF

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JP2006336218A
JP2006336218A JP2005159312A JP2005159312A JP2006336218A JP 2006336218 A JP2006336218 A JP 2006336218A JP 2005159312 A JP2005159312 A JP 2005159312A JP 2005159312 A JP2005159312 A JP 2005159312A JP 2006336218 A JP2006336218 A JP 2006336218A
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Yoichi Taji
陽一 田地
Minoru Amari
実 天利
Takamasa Kikuchi
孝眞 菊地
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

【課題】 地盤改良効果を維持しつつ薬液の使用量を少なくして地盤改良に係るコストの低減を図った薬液注入工法及び薬液注入装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも、薬液を貯留可能な薬液ミキサー2と、地盤の所定深度に薬液を吐出するための注入管3と、薬液ミキサー2及び注入管3に送液ポンプ5を介して接続され薬液ミキサー2から注入管3に薬液を送る注入ホース4とからなる送液回路6を備える薬液注入装置1を用いて、薬液を地盤に注入し地盤改良を行う薬液注入工法において、送液回路6内に、薬液に微細気泡を生じさせつつ包含させる微細気泡発生装置10を設け、微細気泡を包含した薬液を地盤に注入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薬液を地盤に注入して地盤改良を行なう薬液注入工法及びこれに用いられる薬液注入装置に関する。
従来、軟弱地盤や地下水帯水地盤の強度増加や不透水化などを図る地盤改良工法として、地盤の土粒子間隙中に薬液(薬液注入材)を注入する薬液注入工法が多用されている。この薬液注入工法では、これに用いる薬液として、セメント、ベントナイト、水ガラスなど種々のものが存在するが、中でも水ガラス系薬液を主体としたものが多用されている。この種の薬液を用いる薬液注入工法は、例えば主剤と、硬化剤または助剤、あるいは硬化剤と助剤(以下、これらを総称して硬化剤という)の配合比率を調整することで容易に硬化時間(ゲルタイム)を調整することが可能とされ、地盤の土質性状や目的に応じて多様な選択性を有することや、注入した薬液により地盤を適度な固さとすることができ例えば改良後に地盤を掘削する場合など好適に掘削できることや、薬液の注入に要する機械設備が小型で狭所や高さ制限のある場所での施工性がよいことなど多くの利点を有している。
このような薬液注入工法は、薬液を地盤内に注入する方法の違いにより、1ショット方式と1.5ショット方式と2ショット方式とに区別される。また、地盤内に建て込まれ地盤の所定深度に薬液を送るための注入管の違いにより、二重管ストレーナ方式とダブルパッカー方式とに区別される。
ここで、1ショット方式とは、主剤と硬化剤を所定の配合比率で薬液ミキサーによって予め撹拌混合しておき、主剤と硬化剤を混合した1液状態の薬液を圧送して地盤に注入するものである。これに対し、1.5ショット方式は、主剤と硬化剤とを送液ポンプで個別に注入管に送り注入管の頭部で2液を合わせ、混合された薬液を注入管の先端から吐出して地盤に注入するものである。また、2ショット方式とは、1.5ショット方式と同様に、主剤と硬化剤とを送液ポンプで個別に注入管に送り、注入管の先端から吐出される瞬間に2液を合わせて混合するものである。
一方、二重管ストレーナ方式とは、外管と内管とを備える注入管(二重管ロッド)を使用して所定深度まで地盤を削孔した後に、外管と内管のそれぞれの内孔部分から主剤と硬化剤を送液するもので、1.5ショットまたは2ショット方式で用いられている。これに対し、ダブルパッカー方式では、地盤をケーシング削孔した後に、軸方向に所定間隔をもって複数の貫通孔が形成された外管をケーシング内に挿入し、薬液を吐出する噴出部を先端に有し噴出部を挟んで軸方向上下にパッカーが設けられた内管を外管内に挿入する。そして、貫通孔と噴出部の深度を一致させて上下のパッカーで外管と内管との隙間を閉塞しつつ貫通孔と噴出部とを一つの空間内に位置させる。このダブルパッカー方式は、噴出部から薬液を吐出し貫通孔を通じて地盤に薬液を注入するものであり、1ショット方式で用いられている。ダブルパッカー方式を用いた場合には、地盤の所定深度毎に複数の貫通孔を形成しておき噴出部を順に各貫通孔に一致させつつ注入を行なうことで、深度方向の地盤に順次薬液を注入することが可能とされる(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−3868号公報
しかしながら、従来の薬液注入工法は、前述した通り非常に優れた特長を有している反面、薬液のコストが高いという問題があった。このため、薬液注入による地盤改良効果を維持しつつ薬液の使用量を少なくして地盤改良に係るコストの低減を図ることが強く望まれていた。
本発明は、上記事情を鑑み、地盤改良効果を維持しつつ薬液の使用量を少なくして地盤改良に係るコストの低減を図った薬液注入工法及び薬液注入装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の薬液注入工法は、少なくとも、薬液を貯留可能な薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサー及び前記注入管に送液ポンプを介して接続され前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置を用いて、前記薬液を前記地盤に注入し地盤改良を行う薬液注入工法において、前記送液回路内に、前記薬液に微細気泡を生じさせつつ包含させる微細気泡発生装置を設け、前記微細気泡を包含した薬液を前記地盤に注入することを特徴とする。
本発明の薬液注入装置は、少なくとも、薬液を貯留可能な薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサーと前記注入管とに送液ポンプを介しつつ接続されて前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置において、前記送液回路内に、前記薬液に微細気泡を生じさせつつ包含させる微細気泡発生装置が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の薬液注入装置においては、前記微細気泡発生装置が前記薬液ミキサーに設けられていることが望ましい。
さらに、本発明の薬液注入装置においては、前記薬液ミキサーと前記送液ポンプとの間の前記注入ホースに、前記微細気泡発生装置が設けられていてもよい。
本発明の薬液注入工法及び薬液注入装置によれば、微細気泡発生装置を薬液の送液回路内に設けることによって、薬液に微細気泡を包含させることが可能となり、この微細気泡を含む薬液を地盤に注入することで、土粒子間隙中に薬液と微細気泡とを混在させることが可能となる。また、土粒子間隙中に微細気泡が混在することによって、地盤を不飽和状態にすることができるため、従来の土粒子間隙中に薬液が飽和されるものと比較して、地盤の強度を増大させることができる。よって、従来に比べて少ない薬液使用量で地盤の設計強度を確保することが可能となり、薬液注入工法の単位土量あたりのコストを低減することが可能となる。
また、本発明の薬液注入工法及び薬液注入装置においては、微細気泡発生装置を薬液ミキサーに設けることで、貯留された薬液に微細気泡を包含させることができ、従来の薬液注入工法で用いられる薬液注入装置に対し設備的な大きな変化を生じることなく薬液に微細気泡を包含させることが可能となる。
さらに、本発明の薬液注入工法及び薬液注入装置においては、薬液ミキサーと送液ポンプとの間の注入ホースに微細気泡発生装置を設けることによって、薬液ミキサーから注入管に送られる薬液に微細気泡を包含させることができ、従来の薬液注入工法で用いられる薬液注入装置に対し設備的な大きな変化を生じることなく薬液に微細気泡を包含させることが可能となる。
以下、図1から図4を参照し、本発明の第1実施形態に係る薬液注入工法及び薬液注入装置について説明する。本実施形態は、例えば水ガラス系薬液(薬液)を地盤に注入して地盤改良を行なう薬液注入工法及びこれに使用される薬液注入装置に関するものであり、特に薬液に微細気泡を生じさせつつ包含させて、二重管ストレーナ方式で地盤に注入する薬液注入工法及び薬液注入装置に関するものである。ここで、本実施形態では、主剤(薬液)と、硬化剤または助剤あるいは硬化剤と助剤(以下、これらを総称して硬化剤という)(薬液)を二重管ロッド(注入管)の先端で混合する2ショット方式で薬液を注入するものとしている。
本実施形態の薬液注入装置1は、図1に示すように、所定の水ガラス濃度に調整された主剤を貯留する主剤タンク2aと所定濃度に調整された硬化剤を貯留する硬化剤タンク2bとを備える薬液ミキサー2と、外管3aと内管3bとからなる二重管ロッド3と、薬液ミキサー2の主剤タンク2aと硬化剤タンク2bとをそれぞれ二重管ロッド3の外管3aと内管3bとに結ぶ注入ホース(主剤注入ホース4aおよび硬化剤注入ホース4b)4と、薬液ミキサー2から二重管ロッド3の外管3aと内管3bとに主剤と硬化剤とをそれぞれ送液する送液ポンプ5とが主な構成要素とされている。ここで、薬液ミキサー2と二重管ロッド3と注入ホース4と送液ポンプ5は、薬液が流通する送液回路6を構成する。また、本実施形態では、主剤は水ガラスとされ、硬化剤は例えば水溶性の無機酸、有機酸、塩類、エステル類、アルデヒドなどとされる。
薬液ミキサー2には、主剤タンク2aと硬化剤タンク2bのそれぞれに微細気泡発生装置10が設けられている。この微細気泡発生装置10は、例えば特開2003−265938号公報に開示されているものであり、図2に示すように、主剤を貯留する主剤タンク2a(硬化剤タンク2b)から汲み上げた主剤(硬化剤)に微細気泡を混入して再び主剤タンク2a(硬化剤タンク2b)に戻す管路である循環経路11と、循環経路11上に設置された循環ポンプ12とを備えている。また、循環経路11の途中には空気供給路13が接続されており、空気供給路13には、加圧空気を循環経路11に供給するためのコンプレッサー14と逆止弁15とが設けられている。さらに、循環経路11において空気供給路13の下流側には、空気を薬液に溶解する処理を行なう気体溶解装置16が設置され、この気体溶解装置16と主剤タンク2a(硬化剤タンク2b)との間に減圧弁17と吐出ノズル18とが設けられている。
気体溶解装置16は、図3に示すように、円筒状のハウジング19からなり、ハウジング19内は上端部を除いて仕切板20により第一撹拌混合路21と第二撹拌混合路22に平断面視で二分割されている。また、ハウジング19の下部側面には仕切板20を挟んで第一撹拌混合路21側に流入口23が、第二撹拌混合路22側に流出口24が設けられており、それぞれ図2に示した循環経路11に連結されている。また、ハウジング19の頂部19aには空気抜き弁19bが取り付けられている。
二重管ロッド3は、図1に示すように、図示せぬ例えばボーリングマシンに支持され、先端には、地盤を掘削して注入孔7を形成するための刃部を備えるメタルクラウン3cが取り付けられており、後端(頭部)には、内管3bの内孔(内管側内孔)と、外管3aの内面と内管3bの外面との間に画成される外管3aの内孔(外管側内孔)とにそれぞれ個別に連通する内孔を備える二重管構造のスイベル3dが取り付けられている。
主剤注入ホース4aは、一端が主剤タンク2aに接続され、他端が二重管ロッド3の外管側内孔と連通するようにスイベル3dと接続されている。また、主剤注入ホース4aの一端と他端との間には、主剤タンク2aに貯留された主剤を二重管ロッド3の外管側内孔に送液するための送液ポンプ5が介在されているとともに、主剤注入ホース4aの他端と送液ポンプ5の間に主剤注入ホース4aを流通する主剤の流量と送液時の圧力とを計測するための流量計8が設置されている。一方、硬化剤注入ホース4bは、一端が硬化剤タンク2bに接続され、他端が二重管ロッド3の内管側内孔と連通するようにスイベル3dと接続されている。
ついで、上記の構成からなる薬液注入装置1を用いて薬液を2ショット方式で注入する薬液注入工法について説明する。
はじめに、二重管ロッド3とこれを支持する例えばボーリングマシンとを用いて地盤に薬液注入を行なう所定深度の注入孔7を削孔形成する。ついで、水で希釈して所定濃度に調整した主剤と硬化剤とをそれぞれ主剤タンク2aと硬化剤タンク2bに貯留する。
ついで、主剤タンク2aと硬化剤タンク2bとにそれぞれ設けられた微細気泡発生装置10の循環ポンプ12を駆動して主剤および硬化剤(各薬液)をそれぞれ汲み上げ、コンプレッサー14から圧送された空気と混合しつつ各薬液をそれぞれの気体溶解装置16に流入させる。空気が混入した各薬液は、流入口23から流入して第一撹拌混合路21を上昇し、ハウジング19の頂部19aに衝突した後に第二撹拌混合路22を下降して流出口24から流出する。このとき、ハウジング19内の圧力が例えば0.3MPa程度に加圧されていることで、各薬液がそれぞれ撹拌混合されるとともに、混入された空気が各薬液中に溶解し吐出ノズル18を通じて主剤タンク2aおよび硬化剤タンク2bとにそれぞれ吐き出される。主剤タンク2aと硬化剤タンク2bとにそれぞれ吐き出された各薬液は、常圧に減圧され、この減圧によって過飽和状態となった空気が各薬液中で微細気泡として出現する。
ここで、このように各薬液中に包含された微細気泡は、その径が数μm〜数十μmの微細気泡とされるため、薬液面に浮上するまでの時間が非常に長く(薬液中での滞留時間が長く)、後述する各薬液が混合されつつ地盤に注入されてゲル化するまでの間に消泡することがないものとされる。
ついで、送液ポンプ5を駆動しつつ微細気泡を包含した主剤と硬化剤とを二重管ロッド3の外管側内孔と内管側内孔とを通じて地盤の所定深度に配された先端側からそれぞれ吐出させる。二重管ストレーナ方式の薬液注入工法では、はじめに、一次注入として、二重管ロッド3の先端部分で主剤と硬化剤とが混合した薬液を注入孔7と外管3aとの間隙部分に充填してゲル化させ、この間隙部分のシールを行なう。
一次注入が完了した段階で、主剤または主剤と硬化剤を二重管ロッド3の先端側から所定圧力で吐出して二次注入を行なう。このとき、吐出した薬液は、一次注入で間隙部分をシールしたゲルを割裂しつつ地盤の土粒子間隙中に浸透してゆき、所定の時間(ゲルタイム)が経過した段階でゲル化して固化され、これにより、地盤の強度や遮水性の向上が図られる。
本実施形態においては、上記のように地盤に注入された薬液に微細気泡が包含されているため、従来の微細気泡を含まない薬液では土粒子間隙が薬液で飽和されるのに対して、土粒子間隙に薬液と微細気泡とが混在した不飽和状態とされる。
ここで、本発明の実施例と従来例について試験を行なった。この試験結果として微細気泡を包含した薬液と包含しない従来の薬液とをそれぞれ注入した供試体の一軸圧縮強度と供試体の湿潤密度の関係を図4に示す。この図において実線及び破線は最小二乗法により求めた回帰直線であり、実線が実施例による微細気泡を薬液に包含させた場合の回帰直線を示し、破線が従来の薬液を用いた場合の回帰直線を示している。また、ここでは、薬液として溶液型活性シリカ注入材(商品名:パーマロックASF−N)を主剤として使用している。さらに、シリカ濃度を4%に調整することで、ゲルタイム(ゲル化するまでの時間)が1440分となるようにしている。なお、それぞれの薬液を注入した試料には豊浦標準砂を用いている。
この微細気泡を包含した薬液と、従来の薬液とを用いてそれぞれ形成した供試体の一軸圧縮強度を比較すると、微細気泡を包含した薬液を用いた供試体の一軸圧縮強度が、微細気泡を包含させない従来の薬液を用いた供試体に対して20〜30%大きくなることが示されている。
したがって、上記の薬液注入工法及び薬液注入装置1においては、薬液ミキサー2の主剤タンク2a及び硬化剤タンク2bに微細気泡発生装置10を設けることによって、貯留した薬液に微細気泡を包含させることができる。また、この微細気泡を包含した薬液を地盤に注入することで、土粒子間隙中に薬液と微細気泡とが混在され不飽和状態とすることができ、単位土量当たりの薬液使用量を低減させることができる。これにより、薬液注入工法のコストを低減することが可能となる。
また、本実施形態の微細気泡を包含した薬液を地盤に注入した場合には、従来の微細気泡を包含していない薬液と比較して、地盤強度を高めることができるため、地盤改良効果を維持しつつコストの削減を図ることが可能となる。さらに、所定の設計強度で地盤を改良する場合には、従来の薬液に対して、さらに薬液使用量を低減することも可能となる。
さらに、薬液ミキサー2に微細気泡発生装置10を設けることで、貯留した状態の薬液に微細気泡を包含させることができるため、従来の薬液注入工法と同等の作業性で、且つ設備的な大きな変化を生じることなく微細気泡を薬液に包含させることが可能となる。
以上、本発明に係る薬液注入工法及び薬液注入装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の第1実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、微細気泡発生装置10が、薬液に空気を混入し加圧と減圧によって微細気泡を発生させるものとして説明を行なったが、例えば混入した空気を超音波で微細化するものや、薬液と空気とを混合しつつ激しく回転し二層旋回流を発生させて空気をせん断するものや、空気を混入した薬液をマイクロフィルターに透過することで微細気泡を発生させるものであってもよいものである。
さらに、本実施形態では、微細気泡発生装置10が薬液ミキサー2の主剤タンク2aと硬化剤タンク2bにそれぞれ設けられているものとしたが、どちらか一方に設けられてもよいものであるとともに、例えば2層2列型の薬液ミキサーなど複数のタンクを備える場合には、いずれのタンクに設けられてもよいものである。また、本実施形態では、薬液が水ガラス系薬液であるものとして説明を行なったが、これに限定される必要はなく、本発明は溶液型であれば他の薬液に適用されてもよいものである。
さらに、本実施形態では、主剤と硬化剤とを二重管ロッド3の先端で混合する2ショット方式の薬液注入工法について説明を行なったが、本発明は、二重管ロッド3の頭部(後端)で主剤と硬化剤とを混合する1.5ショット方式に適用されてもよいものであり、これとともに、二重管ダブルパッカーを用いたい1ショット方式の薬液注入工法に適用されてもよいものである。
ついで、図5を参照し、本発明の第2実施形態に係る薬液注入工法及び薬液注入装置について説明する。本実施形態においては、第1実施形態に共通する構成に対して同一符号を付し、その詳細についての説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態と同様、微細気泡を包含させた例えば水ガラス系薬液(薬液)を、二重管ストレーナ方式で地盤に注入する薬液注入工法及びこれに使用される薬液注入装置に関するものである。
本実施形態の薬液注入装置30は、第1実施形態と異なり、図5に示すように、薬液ミキサー2と送液ポンプ5とを結ぶ注入ホース4(主剤ホース2aおよび硬化剤ホース2b)の途中に、注入ホース4を流通する薬液を一時的に貯留可能な貯留槽31が設けられており、この貯留槽31に第1実施形態と同様の微細気泡発生装置10が設けられている。
このように構成された薬液注入装置30においては、送液ポンプ5によって主剤タンク2aまたは硬化剤タンク2bから各薬液が注入ホース4を流通して貯留槽31に一時的に貯留される。貯留した各薬液は、第1実施形態と同様の操作で微細気泡発生装置10により微細気泡が包含され、貯留槽31から注入ホース4を介して二重管ロッド(注入管)3に圧送される。そして、微細気泡を包含した各薬液は、それぞれ二重管ロッド3の外管側内孔と内管側内孔とを通じ、混合されて地盤に注入される。地盤の土粒子間隙中に注入された薬液は、第1実施形態と同様に、微細気泡を包含した状態でゲル化されるため、単位土量当たりの薬液使用量が少ない状態とされる。
したがって、上記の薬液注入工法及び薬液注入装置30においては、薬液ミキサー2と送液ポンプ5との間に貯留槽31と微細気泡発生装置10とを設けることによって、薬液に微細気泡を包含させて地盤に注入することができる。これにより、単位土量当たりの薬液使用量を低減させることができるため、薬液注入工法のコストを低減することが可能となる。
また、注入ホース4の途中に貯留槽31と微細気泡発生装置10を設けることで、薬液に微細気泡を包含させることができるため、従来の薬液注入工法と同等の作業性で、且つ設備的に大きな変化が生じることなく微細気泡を薬液に包含させることが可能となる。
以上、本発明に係る薬液注入工法及び薬液注入装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の第2実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、貯留槽31及び微細気泡発生装置10が、主剤注入ホース4aと硬化剤注入ホース4bのそれぞれの途中に設けられているものとしたが、この限りではなく、どちらか一方の注入ホースの途中に設けられてもよいものである。また、注入ホース4の薬液ミキサー2と送液ポンプ5との間に微細気泡発生装置10が設けられているものとしたが、送液ポンプ5と注入管3との間の注入ホース4に設けられてもよいものである。
さらに、微細気泡発生装置10は、貯留槽31に設けられているものとしたが、貯留槽31を設けず、直接注入ホース4に取り付けられてもよいものである。
ついで、図6から図7を参照し、本発明の第3実施形態に係る薬液注入工法及び薬液注入装置について説明する。本実施形態においては、第1から第2実施形態に共通する構成に対して同一符号を付し、その詳細についての説明を省略する。
本実施形態は、微細気泡を包含させた水ガラス系薬液(薬液)を、ダブルパッカー方式を用いて1ショット方式で地盤に注入する薬液注入工法及びこれに使用される薬液注入装置に関するものである。
本実施形態の薬液注入装置40は、図6に示すように、所定の水ガラス濃度に調整された主剤と所定濃度に調整された硬化剤とを混合した薬液を貯留する薬液ミキサー2の薬液タンク2cと、外管3eと内管3fの2つの管からなる注入管3と、薬液ミキサー2と注入管3の内管3fとを接続する注入ホース4と、薬液ミキサー2から内管3fに薬液を送液する送液ポンプ5とが主な構成要素とされている。ここでは、薬液ミキサー2と内管3fと注入ホース4と送液ポンプ5は、薬液が流通する送液回路6を構成する。
薬液ミキサー2の薬液タンク2cには、第1実施形態と同様の微細気泡発生装置10が設けられており、この微細気泡発生装置10によって貯留された1液性の薬液に微細気泡を包含させることが可能とされ、微細気泡は、薬液が地盤に注入されて土粒子間隙中でゲル化するまで消泡することがないものとされる。
一方、注入管3は、図6から図7に示すように、内面から外面に向けて貫通する複数の貫通孔3gが軸O1方向に所定間隔をもって並設され、且つ各貫通孔3gをそれぞれ覆うように外面に装着された弾性スリーブ3hを有する外管3eと、先端部に薬液を吐出する噴出部3iを有しこの噴出部3iを挟むように噴出部3iの軸O1方向の上方と下方とにそれぞれ設けられたパッカー3jを有する内管3fとから構成されている。
ついで、上記の構成からなる薬液注入装置40を用いて薬液に微細気泡を包含させ、この薬液を1ショット方式で注入する薬液注入工法について説明する。
はじめに、所定深度まで地盤をケーシングで削孔して注入孔7を形成する。削孔完了後、ケーシング内に例えばセメントとベントナイトと水の混合液(CB)などのスリーブ材を充填する。このスリーブ材は、注入孔7と外管3eとの間隙を間詰めするためのものであり、外管3eの貫通孔3gから吐出された薬液が目標とする地盤領域外に逸走するのを防止するためのものである。ついで、スリーブ材が充填されたケーシング内に外管3eを挿入してケーシングを取り除く。これにより、外管3eと注入孔7の内壁との間にスリーブ材が満たされ注入孔7の内壁が崩落することなく外管3eが建て込まれる。ちなみに、この段階では、外管3eの軸O1方向に並設された複数の貫通孔3gが弾性スリーブ3hで覆われて閉塞されているため、外管3e内にスリーブ材が流入することがないものとされている。
ついで、外管3e内に内管3fを挿入する。このとき、目標注入位置にある外管3eの貫通孔3gを挟む軸O1方向の上下位置にパッカー3jがそれぞれ配置されるように挿入し、パッカー3jにより前記貫通孔3gを挟む上下を閉塞する。この段階で、まず、対象となる地盤内に一次注入を行なう。この一次注入は、後述する二次注入によって薬液が地盤内に均一に浸透してゆくように、注入孔7近傍の地盤の均一化を図るために行なわれるもので、例えばCBなどが注入される。この一次注入では、パッカー3jで閉塞した空間に位置する内管3fの噴出部3iから吐出したCBが貫通孔3gを通り、弾性スリーブ3hを、図7に示すように押し広げつつ地盤に向けて吐出される。これにより、CBが注入孔7近傍の地盤に注入される。この操作を外管3eの軸O1方向に形成された他の貫通孔3gで順次行ってゆき一次注入が完了する。
一次注入が完了した後に、二次注入として薬液の注入を行なう。この二次注入で注入する薬液は、薬液ミキサー2で主剤と硬化剤とが撹拌混合され薬液タンク2cに貯留された1液性のものとされ、第1実施形態と同様に、薬液タンク2cに設けられた微細気泡発生装置10の循環ポンプ12を駆動することにより、貯留した薬液が汲み上げられ気体溶解装置16内を通過する間に加圧されて薬液中に空気が溶解する。この薬液が薬液タンク2cに吐き出されると同時に常圧に減圧され過飽和状態となった空気が薬液中で微細気泡として出現する。
ついで、一次注入と同様に、外管3eの貫通孔3gを挟む軸O1方向の上下位置にパッカー3jを設置して閉塞した空間に内管3fの噴出部3iを配置させる。この状態で、送液ポンプ5を駆動しつつ微細気泡を包含した薬液を噴出部3iから吐出させる。吐出された微細気泡を包含した薬液は、外管3eの貫通孔3gを通り、弾性スリーブ3hを押し広げつつ地盤に向けて吐出され地盤に浸透される。地盤に注入された薬液は、所定の時間が経過した段階でゲル化して固化され、これにより、地盤の強度や遮水性の向上が図られる。
本実施形態においては、前述の第1実施形態と同様に、地盤の土粒子間隙中に注入された薬液に微細気泡が包含されているため、土粒子間隙を埋めたゲルに微細気泡が混在し、単位土量当たりの薬液使用量が微細気泡の体積分だけ、従来の薬液と比較して少ない量とされている。
したがって、上記の薬液注入工法及び薬液注入装置40においては、薬液ミキサー2に微細気泡発生装置10を設けることによって、貯留した薬液に微細気泡を包含させることができる。また、この微細気泡を包含した薬液を地盤の土粒子間隙中に注入することで、単位土量当たりの薬液使用量を低減させることができ、薬液注入工法のコストを低減することが可能となる。
また、第1実施形態と同様、本実施形態のダブルパッカー方式の薬液注入工法においても、従来の薬液注入工法と同等の作業性で、且つ設備的な大きな変化を生じることなく微細気泡を薬液に包含させることが可能となる。
以上、本発明に係る薬液注入工法及び薬液注入装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の第3実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、微細気泡を包含させる薬液が水ガラス系薬液であるものとしたが、これに限定されるものではない。また、微細気泡発生装置10は、第1実施形態と同様に、薬液に空気を混入しつつ加圧するものに限定される必要はない。さらに、スリーブ材がCBであったり、スリーブ材をケーシング内に充填してから外管3eを建て込むなど、スリーブ材や施工手順が異なる場合であっても本発明を適用することは可能である。
ついで、図8を参照し、本発明の第4実施形態に係る薬液注入工法及び薬液注入装置について説明する。本実施形態においては、第1から第3実施形態に共通する構成に対して同一符号を付し、その詳細についての説明を省略する。
本実施形態は、第3実施形態と同様、微細気泡を包含させた例えば水ガラス系薬液を、ダブルパッカー方式を用いて1ショット方式で地盤に注入する薬液注入工法及び薬液注入装置に関するものである。
図8に示すように、本実施形態の薬液注入装置50は、第3実施形態と異なり、薬液ミキサー2の薬液タンク2cと送液ポンプ5との間の注入ホース4の途中に、第2実施形態と同様の薬液を一時的に貯留可能な貯留槽31が設けられ、この貯留槽31に微細気泡発生装置10が設けられている。
このように構成された薬液注入装置50においては、送液ポンプ5によって薬液ミキサー2の薬液タンク2cから薬液が注入ホース4に流通されて貯留槽31に一時的に貯留される。貯留された薬液は、微細気泡発生装置10により微細気泡が包含され、内管3fの噴出部3iと外管3eの貫通孔3gを通じて地盤に注入される。
したがって、上記の薬液注入工法及び薬液注入装置50においては、薬液ミキサー2の薬液タンク2cと送液ポンプ5との間の注入ホース4の途中に貯留槽31と微細気泡発生装置10とが設けられていることによって、貯留槽31に一時的に貯留された1液性の薬液に微細気泡を包含させることができ、この薬液を地盤に注入することで、単位土量当たりの薬液使用量を低減させることができる。
以上、本発明に係る薬液注入工法及び薬液注入装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の第4実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、貯留槽31及び微細気泡発生装置10が薬液ミキサー2と送液ポンプ5との間の注入ホース4の途中に設けられているものとしたが、注入管3と送液ポンプ5との間に位置する注入ホース4の途中に設けられてもよいものである。また、第2実施形態と同様、貯留槽31を設けず直接微細気泡発生装置10を注入ホース4に取り付けてもよいものである。
本発明の第1実施形態に係る薬液注入装置を示す図である。 本発明の薬液注入装置に設けられる微細気泡発生装置の一例を示す図である。 図2の微細気泡発生装置の気体溶解装置を示す図である。 微細気泡を包含した薬液と従来の薬液の注入効果の差異を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る薬液注入装置を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る薬液注入装置を示す図である。 図6の注入管を示す拡大図である。 本発明の第4実施形態に係る薬液注入装置を示す図である。
符号の説明
1 薬液注入装置
2 薬液ミキサー
2a 主剤タンク
2b 硬化剤タンク
2c 薬液タンク
3 注入管
3a 外管
3b 内管
3e 外管
3f 内管
4 注入ホース
5 送液ポンプ
6 送液回路
7 注入孔
10 微細気泡発生装置
30 薬液注入装置
31 貯留槽
40 薬液注入装置
50 薬液注入装置

Claims (4)

  1. 少なくとも、薬液を貯留可能な薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサー及び前記注入管に送液ポンプを介して接続され前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置を用いて、前記薬液を前記地盤に注入し地盤改良を行う薬液注入工法において、
    前記送液回路内に、前記薬液に微細気泡を生じさせつつ包含させる微細気泡発生装置を設け、前記微細気泡を包含した薬液を前記地盤に注入することを特徴とする薬液注入工法。
  2. 少なくとも、薬液を貯留可能な薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサーと前記注入管とに送液ポンプを介しつつ接続されて前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置において、
    前記送液回路内に、前記薬液に微細気泡を生じさせつつ包含させる微細気泡発生装置が設けられていることを特徴とする薬液注入装置。
  3. 請求項2記載の薬液注入装置において、
    前記微細気泡発生装置が前記薬液ミキサーに設けられていることを特徴とする薬液注入装置。
  4. 請求項2記載の薬液注入装置において、
    前記薬液ミキサーと前記送液ポンプとの間の前記注入ホースに、前記微細気泡発生装置が設けられていることを特徴とする薬液注入装置。

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