JP2006333007A - 車両通信システム及びデータ通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2重系統の通信バスに接続された高信頼性ユニットと一方の通信バスにのみ接続された低信頼性ユニットとが混在した車両通信システムにおいて、高信頼性ユニットに生じた何らかの障害が低信頼性ユニットのデータ通信に悪影響を及ぼすことを極力抑制できるようにする。
【解決手段】第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10Aが、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10Bが第2のバス2側で送信不良状態にあることを検出し、ECU10Bから送信されたデータSig_Bを第1の通信バス1を介して取得して第2の通信バス2に転送する。
【選択図】図6
【解決手段】第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10Aが、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10Bが第2のバス2側で送信不良状態にあることを検出し、ECU10Bから送信されたデータSig_Bを第1の通信バス1を介して取得して第2の通信バス2に転送する。
【選択図】図6
Description
本発明は、車両に搭載される複数の車載通信装置間でデータ通信を行う車両通信システム及びデータ通信方法に関し、特に、2重系統の通信バスに接続された車載通信装置と1系統のみに接続された車載通信装置とが混在した車両通信システム及びこのような車両通信システムにおけるデータ通信方法に関する。
近年、車両の電子化にともない、各種センサやアクチュエータ等の各種電装品を制御する複数のコントローラ(Electronic Control Unit;以下、ECUという。)を、所定の通信バスを介して互いに接続することにより、ECU間でデータ通信を行うCAN(Controller Area Network)と称される車両通信システムが開発されている。
このような車両通信システムにおいては、信頼性を向上させるため、ECUが接続される通信バスを冗長化して2重系統とすることも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、この車両通信システムにおいては、全てのECUを2重系統の通信バスで接続することにともなうコストアップを避けるために、信頼性の確保が重要であるECU(以下、高信頼性ユニットという。)のみを2重系統の通信バスに接続するとともに、信頼性の確保がさほど重要でないECU(以下、低信頼性ユニットという。)については一方の通信バスのみに接続し、データ通信を行うことが検討されている。
特開2003−318925号公報
しかしながら、2重系統の通信バスに接続された高信頼性ユニットと1系統の通信バスに接続された低信頼性ユニットとが混在した従来の車両通信システムにおいては、低信頼性ユニットが接続されている通信バス側での断線等によって、高信頼性ユニットが当該通信バス側でのデータ送信を行えない状況が生じると、低信頼性ユニットは高信頼性ユニットからのデータを受信できなくなるという問題があった。
また、2重系統の通信バスの一方に接続された低信頼性ユニットと、他方の通信バスに接続された低信頼性ユニットとを含む車両通信システムにおいては、2重系統の通信バスに接続された高信頼性ユニットの何れかに第1の通信バスと第2の通信バスとの間でのデータ転送を行うゲートウェイとしての機能を持たせることで、これら低信頼性ユニット間でのデータ通信が可能となるが、ゲートウェイとしての機能を有する高信頼性ユニットに第1の通信バス側又は第2の通信バス側での送受信不良が生じたときには、低信頼性ユニット間でのデータ通信が行えなくなるという問題があった。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、2重系統の通信バスに接続された高信頼性ユニットと一方の通信バスにのみ接続された低信頼性ユニットとが混在した車両通信システムにおいて、高信頼性ユニットに生じた何らかの障害が低信頼性ユニットのデータ通信に悪影響を及ぼすことを極力抑制することが可能な車両通信システム及びデータ通信方法を提供することを目的としている。
本発明は、第1の通信バス及び第2の通信バスの双方に接続されている2重系統車載通信装置が、第1の通信バスと第2の通信バスとの双方で同じデータを送信していることを利用して、上述した課題を解決する。すなわち、2重系統車載通信装置から1系統車載通信装置が接続されている第2の通信バスを介して送信されるデータは、当該2重系統車載通信装置が第1の通信バスを介して送信するデータと同じである。したがって、当該2重系統車載通信装置に第2の通信バス側でのデータ送信不良が生じた場合には、他の2重系統車載通信装置が第1の通信バスを介して受信したデータを第2の通信バスに転送することで、第2の通信バスに接続された1系統車載通信装置での受信が可能となる。
これを実現するために、本発明に係る車両通信システムでは、第1の通信バス及び第2の通信バスの双方に接続されている複数の2重系統車載通信装置の少なくとも1つに、他の2重系統車載通信装置が第1の通信バスを介して送信したデータを取得して、当該データを第2の通信バスに転送する転送手段を持たせるようにしている。
また、第1の通信バスに接続された1系統車載通信装置と、第2の通信バスに接続された1系統車載通信装置とを含む車両通信システムにおいては、複数の2重系統車載通信装置のうちの1つに、第1の通信バスと第2の通信バスとの間でのデータ転送を行うゲートウェイとしての機能を持たせることで、これら1系統車載通信装置間でのデータ通信が可能となり、また、ゲートウェイとしての機能を有する2重系統車載通信装置に第1の通信バス側又は第2の通信バス側での送受信不良が生じたときには、他の2重系統車載通信装置がゲートウェイとしての機能を肩代わりすることで、上述した1系統車載通信装置間でのデータ通信を継続させることが可能となる。
これを実現するために、本発明に係る他の車両通信システムでは、複数の2重系統車載通信装置のうちの1つに、第1の通信バス又は第2の通信バスのうち一方の通信バスに流れているデータを他の通信バスに転送する転送手段を持たせ、この転送手段を有する2重系統車載通信装置以外の他の2重系統車載通信装置の少なくとも1つに、転送手段を有する2重系統車載通信装置が送受信不良状態にあることを検出したときに、第1の通信バス又は第2の通信バスのうちの一方の通信バスに流れているデータを他方の通信バスに転送する代替転送手段を持たせるようにしている。
本発明によれば、第1の通信バス及び第2の通信バスの2系統の通信バスのうちで第2の通信バスにのみ1系統車載通信装置が接続されている車両通信システムにおいて、第1の通信バス及び第2の通信バスの双方に接続されている2重系統車載通信装置に第2の通信バス側での送信不良が生じた場合であっても、当該2重系統車載通信装置から送信されたデータを1系統車載通信装置が確実に受信することができる。
また、本発明によれば、第1の通信バスにのみ接続されている1系統車載通信装置と、第2の通信バスにのみ接続されている1系統車載通信装置とを含む車両通信システムにおいて、転送手段を有する2重系統車載通信装置に第1の通信バス側又は第2の通信バス側での送受信不良が生じた場合であっても、第1の通信バスにのみ接続された1系統車載通信装置と第2の通信バスにのみ接続された1系統車載通信装置との間でのデータ通信を継続して行うことができる。
以下、本発明を適用した車両通信システムの具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明を適用した第1の実施形態の車両通信システムについて説明する。
まず、本発明を適用した第1の実施形態の車両通信システムについて説明する。
本実施形態の車両通信システムは、図1に示すように、車載通信装置としての5つのコントローラ(Electronic Control Unit;以下、ECUという。)10A,10B,10C,10D,10Eの間でデータ通信を行うものである。この車両通信システムにおいて、3つのECU10A,10B,10Cは、それぞれ、信頼性の確保が重要である高信頼性ユニットとして構成され、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の2系統の通信バスの双方に接続されている。したがって、これらECU10A,10B,10C(2重系統車載通信装置)は、それぞれ、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方を介して、他のECUとの間でデータを送受信可能に構成される。一方、残りの2つのECU10D,10Eは、それぞれ、信頼性の確保がさほど重要でない低信頼性ユニットとして構成され、第2の通信バス2のみに接続されている。したがって、これらECU10D,10E(1系統車載通信装置)は、それぞれ、第2の通信バスのみを介して、他のECUとの間でデータを送受信可能に構成される。
このようなECU10A,10B,10C,10D,10Eのうち、高信頼性ユニットであるECU10A,10B,10Cは、それぞれ、同一の通信インターフェース構成とされ、図2に示すように、第1の通信バス1側に接続された第1の送受信トランシーバ21と、第2の通信バス2側に接続された第2の送受信トランシーバ22とを備える。また、ECU10A,10B,10Cは、それぞれ、これら第1の送受信トランシーバ21及び第2の送受信トランシーバ22の送受信動作を制御する通信IC(Integrated Circuit)23と、この通信IC23を制御するマイクロコンピュータ24とを備える。
マイクロコンピュータ24は、第1の送受信トランシーバ21及び/又は第2の送受信トランシーバ22によって受信したデータを受信する信号受信回路31と、第1の送受信トランシーバ21及び/又は第2の送受信トランシーバ22を介してデータを送信する信号送信回路32と、予めコンフィギュレーションされた当該通信システムでのデータ通信に関する情報を記憶する受信信号テーブル33と、信号受信回路31に取り込まれたデータと受信信号テーブル33に記憶されている情報とを比較する受信信号比較回路34と、第1の通信バス1と第2の通信バス2との間で相互にデータを転送するか否かを判断する信号転送判断回路35と、この信号転送判断回路35によってデータを転送すべきと判断されたときにそのデータを転送する信号転送回路36と、データの受信ができないフェール状態であるか否かを判定するフェール判定回路37とを有する。
一方、ECU10A,10B,10C,10D,10Eのうち、低信頼性ユニットであるECU10D,10Eは、それぞれ、同一の通信インターフェース構成とされ、図2に示す各部のうち、第1の通信バス側に接続される第1の送受信トランシーバ21を備えない構成とされる。
このようなECU10A,10B,10C,10D,10Eを備える車両通信システムにおいては、ECU10A,10B,10C,10D,10Eのそれぞれが、予め決められたスケジュールにしたがって所定の間隔でデータを送信する。具体的には、車両通信システムにおいては、ECU10A,10B,10Cのそれぞれが固有のデータSig_A,Sig_B,Sig_Cを第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方を介して送信するとともに、ECU10D,10Eのそれぞれが固有のデータSig_D,Sig_Eを第2の通信バス2を介して送信する。これにより、本実施形態の車両通信システムにおいては、例えば図3に示すように、所定の周期で、第1の通信バス1にデータSig_A,Sig_B,Sig_Cが流れるとともに、第2の通信バス2にデータSig_A,Sig_B,Sig_C,Sig_D,Sig_Eが流れる状態となる。
そして、本実施形態の車両通信システムにおいては、ECU10A,10B,10C,10D,10Eのそれぞれが、第1の通信バス1及び/又は第2の通信バス2を介して送信されたデータのうち自己宛てのデータを受信する。
例えば、ECU10Bから送信されたデータをECU10A,10Dが受信する場合には、これらECU10A,10Dは、それぞれ、以下のような動作を行う。
まず、ECU10Aは、第1の通信バス1及び第2の通信バス2に流れるECU10Bからのデータを、第1の送受信トランシーバ21及び/又は第2の送受信トランシーバ22及び通信IC23を介して信号受信回路31に取り込み、受信信号比較回路34により、信号受信回路31に取り込んだデータと受信信号テーブル33に記憶されているデータとを比較することにより、第1の通信バス1及び第2の通信バス2に流れるデータの差異を判定する。そして、ECU10Aは、フェール判定回路37により、第1の通信バス1及び第2の通信バス2に流れるデータの確からしさに基づいて、信頼性の高い通信バスに流れるデータを選択したり、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に確かなデータが流れていないと判断した場合には、フェール動作に移行する等の動作を決定する。
また、ECU10Dは、第2の通信バス2に流れるECU10Bからのデータを、第2の送受信トランシーバ22及び通信IC23を介して信号受信回路31に取り込み、受信信号比較回路34により、信号受信回路31に取り込んだデータと受信信号テーブル33に記憶されているデータとを比較することにより、第2の通信バス2に流れるデータの差異を判定する。このとき、ECU10Dは、データが後述する所定のタイムアウトの後、送信されてこないと判断した場合には、フェール判定回路37の指示に基づいて、フェール動作を実行する。
以上のような車両通信システムにおいては、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10A,10B,10Cのうち、あるECUにおける第2の送受信トランシーバ22の故障や第2の通信バス2の断線等が発生した場合には、当該ECUから送信されるデータが第2の通信バス2に流れなくなる事態が発生する。具体的には、例えば図4に示すように、ECU10Bにおける第2の送受信トランシーバ22の故障や第2の通信バス2の断線等が発生した場合には、図5に示すように、第1の通信バス1には、データSig_A,Sig_B,Sig_Cが流れる一方で、第2の通信バス2には、当該ECU10BからのデータSig_Bが流れなくなる。したがって、データSig_Bを受信するECU10Aは、第1の通信バス1を介して当該データSig_Bを受信することができるが、ECU10Dは、当該データSig_Bを受信することができない。
このように、ECU10Bが第2の通信バス2を介してデータSig_Bを送信することができない送信不良状態にある場合、本実施形態の車両通信システムにおいては、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されている他のECU、例えばECU10Aが、送信不良状態にあるECU10Bの代理となって、データSig_BをECU10Dに送信する。すなわち、ECU10Aは、受信信号比較回路34による比較の結果、第2の通信バス2に流れているべきデータSig_Bの欠落が検出されると、信号転送判断回路35により第1の通信バス1に流れているデータSig_Bを第2の通信バス2に転送すべきと判断し、信号転送回路36によって当該データSig_Bの転送を行う。
具体的には、ECU10Aの信号転送判断回路35は、受信信号比較回路34による比較の結果、第2の通信バス2に流れているべきデータSig_Bの欠落を検出した場合には、所定のタイムアウトの後、転送が必要であると判断する。なお、タイムアウトによる判定を行うのは、データの欠落がノイズ等の偶発的な原因による場合もあるためであり、かかる偶発的な原因による場合にデータの転送を回避するためである。このタイムアウトの具体例としては、転送すべきデータSig_Bが例えば3回程度の任意回数だけ欠落した場合に、転送が必要であると判断するように設定する。また、信号転送判断回路35は、任意の時間をタイムアウトの基準として設定し、データの欠落状態が所定時間継続した場合に、転送が必要であると判断するようにしてもよい。
そして、ECU10Aでは、信号転送判断回路35がデータSig_Bの転送が必要であると判断した場合には、図6に示すように、信号転送回路36によって第1の通信バス1に流れているデータSig_Bを取り込み、第2の通信バス2に転送する。これにより、本実施形態の車両通信システムにおいては、ECU10Bが第2の通信バス2を介してデータSig_Bを送信することができない送信不良状態にある場合であっても、先に図3に示した正常状態と同様に、データSig_A,Sig_B,Sig_Cが第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に流れるとともに、データSig_D,Sig_Eが第2の通信バス2を介して流れる状態を確保することができる。なお、ECU10Aは、転送動作を確定した後に、転送すべきデータSig_Bが第2の通信バス2側に再度流れるようになったことを検出した場合には、信号転送判断回路35により、故障状態から復旧したものと判断し、直ちに転送動作を停止するのが望ましい。
図7は、本実施形態の車両通信システムにおけるECU10Aのデータ転送処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここではデータ転送処理を行うECUとしてECU10Aを例示して説明するが、このデータ転送処理は、第1の通信バス1と第2の通信バス2との双方に接続されているECU10A,10B,10Cのうち、ECU10A以外のECU10BやECU10Cで行うようにしてもよいし、また、第1の通信バス1と第2の通信バス2との双方に接続されているECU10A,10B,10Cの全てで行うようにしてもよい。
ECU10Aは、第1の通信バス1及び第2の通信バス2に流れる他のECU10B,10C,10D,10Eからのデータを、第1の送受信トランシーバ21及び/又は第2の送受信トランシーバ22及び通信IC23を介して信号受信回路31に取り込むと、図7に示すように、まずステップS1において、受信信号比較回路34により、信号受信回路31に取り込んだデータと受信信号テーブル33に記憶されているデータとを比較することにより、他のECU10B,10C,10D,10Eからのデータの欠落があるか否かを判定する。
ここで、ECU10Aは、他のECU10B,10C,10D,10Eからのデータの欠落がないと判定した場合には、通常のデータ受信動作を行う。一方、ECU10Aは、他のECU10B,10C,10D,10Eからのデータの欠落があると判定した場合には、ステップS2において、信号転送判断回路35によってタイムアウトの判定を行う。そして、ECU10Aは、タイムアウトの判定によって偶発的な原因によらずにデータの欠落があった旨を確定した場合には、転送が必要であると判断してステップS3へと処理を移行し、欠落したデータがECU10Bから送信されるべきデータSig_Bであるか否かを信号転送判断回路35によって判定する。
このステップS3での判定の結果、欠落したデータがECU10Bから送信されるべきデータSig_Bであると判断した場合には、ECU10Aは、ステップS4において、信号転送回路36によって当該データSig_Bを第1の通信バス1から取得し、ステップS5において、当該データSig_Bを第2の通信バス2に転送して、ステップS8へと処理を移行する。一方、ステップS3での判定の結果、欠落したデータがECU10Bから送信されるべきデータSig_Bでないと判断した場合には、ECU10Aは、欠落したデータは第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10Cから送信されるべきデータSig_Cであることから、ステップS6において、信号転送回路36によって当該データSig_Cを第1の通信バス1から取得し、ステップS7において、当該データSig_Cを第2の通信バス2に転送して、ステップS8へと処理を移行する。
そして、ECU10Aは、ステップS8において、欠落したデータが故障状態から復旧して第2の通信バス2側に再度流れるようになるまでステップS3からの処理を繰り返し行う。
このように、ECU10Aは、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10B,10Cから第2の通信バス2を介して送信されるべきデータが欠落した場合には、そのデータを第1の通信バス1から取得して第2の通信バス2に転送することができる。
なお、ECU10A,10B,10Cは、それぞれ、信号送信回路32と信号転送回路36とがともにデータを送信する機能を実現するものであること等を考慮して、図8に示すように、信号送信回路32、信号転送判断回路35、及び信号転送回路36を、1つの信号送信・転送回路41として構成してもよく、このような構成とすることにより、回路の簡便化及び小型化を図ることが可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の車両通信システムにおいては、第1の通信バス1と第2の通信バス2との双方に接続されているECU10A,10B,10Cのうちの少なくとも1つが、他のECUが第2の通信バス2を介してデータを送信することができない送信不良状態にあることを受信信号比較回路34によって検出し、送信不良状態にある他のECUが第1の通信バス1を介して送信したデータを取得して第2の通信バス2に転送するようにしている。
これにより、この車両通信システムにおいては、あるECUが第2の通信バス2を介してデータを送信することができない状態に陥った場合であっても、当該データを第2の通信バス2に流すことが可能となることから、当該データを第2の通信バス2のみに接続されているECU10D,10Eによって確実に受信することができる。
また、この車両通信システムにおいては、データの転送処理を行うECUが、データ転送処理の可否を信号転送判断回路35によって判断するようにしているので、例えばノイズ等の偶発的な原因によってデータの欠落があった場合には、データの不要な転送を適切に回避することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を適用した第2の実施形態の車両通信システムについて説明する。
次に、本発明を適用した第2の実施形態の車両通信システムについて説明する。
本実施形態の車両通信システムは、図9に示すように、車載通信装置としての6つのECU10A,10B,10C,10D,10E,10Fを備え、これらの間でデータ通信を行うものである。この車両通信システムにおいて、ECU10A,10B,10Cは、それぞれ高信頼性ユニットとして構成され、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の2系統の通信バスの双方に接続されている。また、2つのECU10D,10Dが、それぞれ低信頼性ユニットとして構成され、第2の通信バスのみに接続されている。また、ECU10Fは低信頼性ユニットとして構成され、第1の通信バスのみに接続されている。なお、このECU10Fは、データの送信機能を有さない受信専用として構成されている。
本実施形態の車両通信システムにおいては、以上のように第2の通信バス2にのみ接続されているECU10D,10Eと、第1の通信バス1にのみ接続されているECU10Fとが混在しているので、例えば、ECU10FがECU10D,10Eから送信されたデータを受信するには、ECU10D,10Eから送信されて第2の通信バス2に流れるデータを第1の通信バス1側に転送して、ECU10Fさせる必要がある。そこで、本実施形態の車両通信システムにおいては、第1の通信バス1と第2の通信バス2との双方に接続されているECU10A,10B,10Cの何れか、例えばECU10Bに、このようなデータ転送処理を行うゲートウェイとしての機能を持たせている。
ゲートウェイとしての機能を有するECU10Bは、図10に示すように、マイクロコンピュータ24の内部に、上述した信号受信回路31、信号送信回路32、受信信号テーブル33、受信信号比較回路34、信号転送判断回路35、信号転送回路36、及びフェール判定回路37の他に、予めコンフィギュレーションされた情報を記憶する転送信号テーブル51を有する。
このようなECU10Bは、転送信号テーブル51に記憶された情報に基づいて、第2の通信バス2に流れるデータを第1の通信バス1に転送する。具体的には、ECU10Bは、第2の通信バス2に流れるデータのうちで第1の通信バス1のみに接続されているECU10Fが受信すべきデータの情報を転送信号テーブル51に記憶しておき、当該情報に基づいて、第2の通信バス2に流れるデータを取得して、第1の通信バス1に転送する。例えば、ECU10D,10Eが送信するデータをECU10Fが受信する場合、ECU10Bは、第2の通信バス2に流れるSig_D,Sig_Eを取得して、第1の通信バス1に転送する。これにより、本実施形態の車両通信システムにおいては、例えば図11に示すように、所定の周期で、第2の通信バス2のみならず、第1の通信バス1にも、データSig_A,Sig_B,Sig_C,Sig_D,Sig_Eが流れる状態となる。
以上のような本実施形態の車両通信システムにおいては、ECU10Bにおける第2の送受信トランシーバ22の故障や第2の通信バス2の断線等が発生した場合には、図12に示すように、当該ECU10Bから送信されるデータSig_Bが第2の通信バス2に流れなくなるだけでなく、第2の通信バス2のみに接続されているECU10D,10Eから送信されるデータSig_D,Sig_Eが第1の通信バス1に流れなくなる事態が発生する。したがって、第2の通信バス2のみに接続されたECU10D,10Eが、ECU10Bから送信されたデータSig_Bを受信できなくなり、また、第1の通信バス1のみに接続されたECU10Fが、ECU10D,10Eから送信されたデータSig_D,Sig_Eを受信できなくなる。
そこで、本実施形態の車両通信システムにおいては、ECU10Bが第2の通信バス2側で送受信不良状態となった場合、第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に接続されているECU10A,10Cの何れかが、上述した第1の実施形態と同様の手法でECU10Bの送受信不良状態を検出して、第1の通信バス1から取得したデータSig_Bを第2の通信バス2に転送するとともに、ECU10Bのゲートウェイとしての機能を肩代わりして、第2の通信バス2から取得したデータSig_D,Sig_Eを第1の通信バス1に転送するようにしている。これにより、本実施形態の車両通信システムにおいては、ECU10Bが第2の通信バス2側で送受信不良状態となった場合であっても、先に図11に示した正常状態と同様に、データSig_A,Sig_B,Sig_C,データSig_D,Sig_Eが第1の通信バス1及び第2の通信バス2の双方に流れる状態を確保することができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の車両通信システムにおいては、ゲートウェイとしての機能を有するECU10Bが第2の通信バス2を介してデータを送受信することができない送受信不良状態にあることを、第1の通信バス1と第2の通信バス2との双方に接続されている他のECU10A,10Cが検出し、ECU10Bが第1の通信バス1を介して送信したデータを取得して第2の通信バス2に転送するとともに、ECU10D,10Eが第2の通信バス2を介して送信したデータを取得して第1の通信バス1に転送するようにしている。
これにより、この車両通信システムにおいては、ゲートウェイとしての機能を有するECU10Bから第2の通信バス2を介してデータを送受信することができない状態に陥った場合であっても、ECU10Bから送信されたデータを第2の通信バス2のみに接続されているECU10D,10Eによって確実に受信することができるとともに、ECU10D,10Eから送信されたデータを第1の通信バス1のみに接続されているECU10Fによって確実に受信することができる。
なお、以上説明した車両通信システムは本発明の一適用例であり、本発明が以上の例に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、通信バスに接続されるECUの個数や具体的なハードウェア構成などにおいて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 第1の通信バス
2 第2の通信バス
10A,10B,10C,10D,10E,10F ECU
21,22 送受信トランシーバ
23 通信IC
24 マイクロコンピュータ
31 信号受信回路
32 信号送信回路
33 受信信号テーブル
34 受信信号比較回路
35 信号転送判断回路
36 信号転送回路
37 フェール判定回路
41 信号送信・転送回路
51 転送信号テーブル
2 第2の通信バス
10A,10B,10C,10D,10E,10F ECU
21,22 送受信トランシーバ
23 通信IC
24 マイクロコンピュータ
31 信号受信回路
32 信号送信回路
33 受信信号テーブル
34 受信信号比較回路
35 信号転送判断回路
36 信号転送回路
37 フェール判定回路
41 信号送信・転送回路
51 転送信号テーブル
Claims (5)
- 第1の通信バス及び第2の通信バスの双方に接続されている複数の2重系統車載通信装置と、前記第2の通信バスのみに接続されている少なくとも1つの1系統車載通信装置とが混在した車両通信システムにおいて、
前記複数の2重系統車載通信装置の少なくとも1つが、他の2重系統車載通信装置が前記第1の通信バスを介して送信したデータを取得して、当該データを前記第2の通信バスに転送する転送手段を備えることを特徴とする車両通信システム。 - 前記複数の2重系統車載通信装置の少なくとも1つが、前記転送手段に転送動作を行わせるか否かを判断する転送判断手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の車両通信システム。
- 前記転送判断手段は、他の2重系統車載通信装置が前記第2の通信バスを介してデータを送信することができない送信不良状態にあることを検出したときに、前記転送手段に転送動作を行わせることを特徴とする請求項2に記載の車両通信システム。
- 第1の通信バス及び第2の通信バスの双方に接続されている複数の2重系統車載通信装置と、前記第2の通信バスのみに接続されている少なくとも1つの1系統車載通信装置とが混在した車両通信システムにおけるデータ通信方法であって、
前記複数の2重系統車載通信装置の少なくとも1つが、他の2重系統車載通信装置が前記第2の通信バスを介してデータを送信することができない送信不良状態にあることを検出したときに、当該送信不良状態にある他の2重系統車載通信装置が前記第1の通信バスを介して送信したデータを取得して、当該データを前記第2の通信バスに転送することを特徴とするデータ通信方法。 - 第1の通信バス及び第2の通信バスの双方に接続されている複数の2重系統車載通信装置と、前記第1の通信バスのみに接続されている少なくとも1つの1系統車載通信装置と、前記第2の通信バスのみに接続されている少なくとも1つの1系統車載通信装置とが混在した車両通信システムにおいて、
前記複数の2重系統車載通信装置のうちの1つが、前記第1の通信バス又は前記第2の通信バスのうち一方の通信バスに流れているデータを他方の通信バスに転送する転送手段を有し、
前記転送手段を有する2重系統車載通信装置以外の他の2重系統車載通信装置の少なくとも1つが、前記転送手段を有する2重系統車載通信装置が前記第1の通信バス又は前記第2の通信バスを介してデータを送受信することができない送受信不良状態にあることを検出したときに、前記第1の通信バス又は前記第2の通信バスのうち一方の通信バスに流れているデータを他方の通信バスに転送する代替転送手段を有することを特徴とする車両通信システム。
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